Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ CLI ソフト ウェア コンフィギュレーション ガイド
IGMP スヌーピングの設定
IGMP スヌーピングの設定
発行日;2012/01/31 | 英語版ドキュメント(2009/08/13 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 8MB) | フィードバック

目次

IGMP スヌーピングの設定

IGMP スヌーピングについて

IGMPv1 と IGMPv2

IGMPv3

IGMP スヌーピング クエリア

IGMP フォワーディング

IGMP スヌーピング パラメータの設定

IGMP スヌーピング設定の確認

IGMP スヌーピングの設定

Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネット グループ管理プロトコル)スヌーピングを使用すると、VLAN のマルチキャスト トラフィックの処理が簡素化されます。対象ホストからの IGMP メンバシップ レポート メッセージを確認(スヌーピング)して、マルチキャスト トラフィックの範囲を当該ホストが接続されている各 VLAN インターフェイスの一部だけに限定します。

この章の内容は、次のとおりです。

「IGMP スヌーピングについて」

「IGMP スヌーピング パラメータの設定」

「IGMP スヌーピング設定の確認」

IGMP スヌーピングについて

IGMP スヌーピング ソフトウェアは、VLAN 内の IGMP プロトコル メッセージを確認して、当該トラフィックの受信を求めているホストやその他のデバイスに接続されているインターフェイスを検出します。このインターフェイス情報を使用して、VLAN 全体へのトラフィックのフラッディングを防ぎ、マルチアクセス LAN 環境における帯域幅の消費量を軽減します。IGMP スヌーピング機能は、IGMP メンバシップ レポートのフォワーディングを管理できるように、マルチキャスト対応ルータに接続されているポートを追跡します。IGMP スヌーピング ソフトウェアは、トポロジ変更通知に対して応答します。


) IGMP スヌーピングは、すべてのイーサネット インターフェイスでサポートされます。スヌーピングという用語を使用するのは、レイヤ 3 のコントロール プレーン パケットが傍受され、レイヤ 2 のフォワーディング決定に影響を与えるからです。


Cisco NX-OS は、IGMPv2 および IGMPv3 をサポートしています。IGMPv2 は IGMPv1、IGMPv3 は IGMPv2 をサポートします。旧バージョンの IGMP のすべての機能がサポートされているわけではありませんが、メンバシップの検索やメンバシップ レポート メッセージに関連する機能は、すべてのバージョンの IGMP でサポートされています。

図 14-1 に、ホストと IGMP ルータ間に設置された IGMP スヌーピング スイッチを示します。IGMP スヌーピング スイッチは、IGMP メンバシップ レポートと Leave メッセージをスヌーピングし、必要な場合だけ、接続されている IGMP ルータにフォワーディングします。

図 14-1 IGMP スヌーピング スイッチ

 


) スイッチは、宛先マルチキャスト MAC アドレスだけに基づいた IGMPv3 スヌーピングをサポートしています。送信元 MAC アドレス、またはプロキシ レポートに基づいたスヌーピングはサポートしていません。


Cisco NX-OS IGMP スヌーピング ソフトウェアは、未知のトラフィックをルータにフォワーディングするだけで、データに基づいたステートの生成は行わない最適化マルチキャスト フラッディング(OMF)をサポートしています。IGMP スヌーピングの詳細については、 RFC 4541 を参照してください。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「IGMPv1 と IGMPv2」

「IGMPv3」

「IGMP スヌーピング クエリア」

「IGMP フォワーディング」

IGMPv1 と IGMPv2

IGMPv1 と IGMPv2 はどちらも、メンバシップ レポートの抑制をサポートしています。つまり、同じサブネット上の 2 つのホストが同じグループのマルチキャスト データを受信する場合、他方のホストからメンバシップ レポートを受信したホストは、そのレポートの送信を抑制します。メンバシップ レポートの抑制は、ポートを共有しているホスト間で発生します。

各 VLAN スイッチ ポートに 1 台のホストしか接続されていない場合、IGMPv2 では高速脱退機能を設定できます。高速脱退機能は、最終メンバ クエリー メッセージをホストに送信しません。ソフトウェアは、IGMP Leave メッセージを受信するとすぐ、そのポートへのマルチキャスト データのフォワーディングを停止します。

IGMPv1 は、明示的な IGMP Leave メッセージを生成しません。このため、メンバシップ メッセージのタイムアウトによって、特定のグループでのマルチキャスト データ受信を求めているホストが残っていないことを示します。


) Cisco NX-OS は、高速脱退機能がイネーブルになっている場合、最終メンバ クエリー インターバルの設定を無視します。これは、ホストが残っているかを確認しないからです。


IGMPv3

スイッチ上での IGMPv3 スヌーピングの実装では、アップストリームのマルチキャスト ルータが送信元に基づくフィルタリングを実行できるように、IGMPv3 レポートをフォワーディングします。

デフォルトでは、ソフトウェアは、各 VLAN ポート上のホストを追跡します。明示的な追跡機能により、高速脱退の仕組みを実現しています。すべての IGMPv3 ホストは、メンバシップ レポートを送信するため、レポート抑制機能により、スイッチが他のマルチキャスト対応ルータに送信するトラフィック量を制限できます。レポート抑制機能がイネーブルになっており、IGMPv1 または IGMPv2 のどのホストも同じグループを要求していない場合、ソフトウェアはプロキシ レポートを実行します。プロキシ機能では、ダウンストリーム ホストのメンバシップ レポートからグループ ステートを構築し、アップストリーム クエリアからのクエリーに応答してメンバシップ レポートを生成します。

IGMPv3 メンバシップ レポートは、LAN セグメント上のグループ メンバの完全なアカウンティング機能を提供するものの、最後のホストが脱退すると、メンバシップ クエリーを送信します。last member query interval(最終メンバ クエリー インターバル)パラメータを設定できます。タイムアウトになるまでに応答を返すホストが存在しなかった場合、そのグループ ステートは削除されます。

IGMP スヌーピング クエリア

クエリー発信元の VLAN 内にマルチキャスト ルータが存在しない場合は、メンバシップ クエリーを送信するように、IGMP スヌーピング クエリアを設定する必要があります。

IGMP スヌーピング クエリアをイネーブルにすると、IGMP クエリーが定期的に送信され、それによって、IP マルチキャスト トラフィックの受信を要求しているホストからの IGMP レポート メッセージの送出がトリガーされます。IGMP スヌーピングは、これらの IGMP レポートを受信し、適切なフォワーディングを確立します。

IGMP フォワーディング

Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチのコントロール プレーンは、IP アドレスを検出できますが、フォワーディングは MAC アドレスだけを使用して行われます。

スイッチに接続されているホストが IP マルチキャスト グループに加入するには、加入する IP マルチキャスト グループを指定した非送信請求 IGMP Join メッセージを送信します。一方、スイッチは、接続ルータから一般クエリーを受信すると、そのクエリーを VLAN 内の全インターフェイス(物理インターフェイスと仮想インターフェイス)にフォワーディングします。マルチキャスト グループに加入するホストは、スイッチに Join メッセージを送信して応答します。スイッチの CPU は、グループのマルチキャスト フォワーディング テーブルにエントリを作成します(エントリがまだ存在していない場合)。また、Join メッセージを受信したインターフェイスを、フォワーディング テーブル エントリに追加します。このインターフェイスに関連付けられたホストは、当該マルチキャスト グループ用のマルチキャスト トラフィックを受信します。

ルータは定期的にマルチキャスト一般クエリーを送信し、スイッチはそれらのクエリーを VLAN 内のすべてのポート経由でフォワーディングします。関連するホストはクエリーに応答します。VLAN 内の少なくとも 1 台のホストがマルチキャスト トラフィックの受信を要求している場合、ルータは、マルチキャスト トラフィックを VLAN にフォワーディングし続けます。スイッチは、マルチキャスト グループのフォワーディング テーブルに含まれるホストだけに、マルチキャスト グループ トラフィックをフォワーディングします。

ホストは、マルチキャスト グループから脱退する場合、何も通知せずに脱退するか、Leave メッセージを送信します。スイッチは、ホストから Leave メッセージを受信すると、グループ固有のクエリーを送信して、そのインターフェイスに接続されている他のデバイスが、そのマルチキャスト グループのトラフィックと関連しているかどうかを判定します。そして、その MAC グループのフォワーディング テーブルを更新して、そのグループのマルチキャスト トラフィックの受信を要求しているホストだけがフォワーディング テーブル内に残るようにします。ルータは、VLAN からレポートを受信しない場合、IGMP キャッシュからその VLAN グループを削除します。

IGMP スヌーピング パラメータの設定

IGMP スヌーピング プロセスの動作を管理するには、 表 14-1 に示すオプションの IGMP スヌーピング パラメータを設定します。

 

表 14-1 IGMP スヌーピング パラメータ

パラメータ
説明

IGMP snooping(IGMP スヌーピング)

IGMP スヌーピングを VLAN 単位でイネーブルにします。デフォルトはイネーブルです。

(注) グローバルな設定がディセーブルになっている場合は、すべての VLAN が、イネーブルかどうかに関係なくディセーブルと見なされます。

Explicit tracking(明示的トラッキング)

各ポートに接続されている個々のホストからの IGMPv3 メンバシップ レポートを、VLAN 単位で追跡します。デフォルトはイネーブルです。

Fast leave(高速脱退)

ソフトウェアが IGMP 脱退レポートを受信したら、IGMP クエリー メッセージを送信せずにグループ ステートを削除できるようにします。このパラメータは、各 VLAN ポートに接続されているホストが 1 台のとき、IGMPv2 ホストで使用されます。デフォルトはディセーブルです。

Last member query interval(最終メンバ クエリー インターバル)

IGMP クエリーを送信したあと、特定のマルチキャスト グループの受信を要求しているホストがネットワーク セグメントに存在しないことを確認するための待機時間を設定します。最終メンバ クエリー インターバルが経過しても応答を返すホストが存在しない場合は、そのグループを対応の VLAN ポートから削除します。有効範囲は 1 ~ 25 秒です。デフォルトは 1 秒です。

Snooping querier(スヌーピング クエリア)

クエリーを生成するマルチキャスト ルータが VLAN 内に存在しないとき、インターフェイス上にスヌーピング クエリアを設定します。デフォルトはディセーブルです。

Report suppression(レポート抑制)

マルチキャスト対応ルータに送信されるメンバシップ レポート トラフィックを制限します。レポート抑制をディセーブルにすると、すべての IGMP レポートがそのままマルチキャスト対応ルータに送信されます。デフォルトはイネーブルです。

Multicast router(マルチキャスト ルータ)

マルチキャスト ルータに対して静的な接続を設定します。ルータに対するインターフェイスは、選択した VLAN 内に存在している必要があります。

Static group(スタティック グループ)

VLAN に属するインターフェイスを、マルチキャスト グループのスタティック メンバとして設定します。

IGMP スヌーピングを設定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# ip igmp snooping

IGMP スヌーピングをグローバルにイネーブルにします。デフォルトはイネーブルです。

(注) グローバルな設定がディセーブルになっている場合は、すべての VLAN が、イネーブルかどうかに関係なくディセーブルと見なされます。

ステップ 3

switch(config)# vlan vlan-id

VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switch(config-vlan)# ip igmp snooping

現在の VLAN の IGMP スヌーピングをイネーブルにします。デフォルトはイネーブルです。

(注) IGMP スヌーピングがグローバルにイネーブルにされている場合、このコマンドは必要ありません。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping explicit-tracking

各ポートに接続されている個々のホストからの IGMPv3 メンバシップ レポートを、VLAN 単位で追跡します。デフォルトは、すべての VLAN でイネーブルです。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping fast-leave

IGMPv2 プロトコルのホスト レポート抑制メカニズムのため、明示的に追跡できない IGMPv2 ホストをサポートします。高速脱退をイネーブルにしている場合、IGMP ソフトウェアは、各 VLAN ポートに接続されているホストが 1 台であると見なします。デフォルトは、すべての VLAN でディセーブルです。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping last-member-query-interval seconds

最終メンバ クエリー インターバルが経過しても IGMP クエリー メッセージに応答するホストが存在しない場合、関連付けされた VLAN ポートからグループを削除します。有効範囲は 1 ~ 25 秒です。デフォルトは 1 秒です。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping querier IP-address

マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないため PIM をイネーブルにしない場合に、スヌーピング クエリアを設定します。IP アドレスは、メッセージの送信元として使用します。デフォルトはディセーブルです。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping report-suppression

マルチキャスト対応ルータに送信されるメンバシップ レポート トラフィックを制限します。レポート抑制をディセーブルにすると、すべての IGMP レポートがそのままマルチキャスト対応ルータに送信されます。デフォルトはイネーブルです。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping mrouter interface interface

マルチキャスト ルータに対して静的な接続を設定します。ルータに対するインターフェイスは、選択した VLAN 内に存在している必要があります。インターフェイスはタイプと番号で指定できます。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping static-group group-ip-addr [ source source -ip-addr] interface interface

VLAN に属するインターフェイスを、マルチキャスト グループのスタティック メンバとして設定します。インターフェイスはタイプと番号で指定できます。

次に、VLAN 5 の IGMP スヌーピング パラメータを設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# vlan 5
switch(config-vlan)# ip igmp snooping last-member-query-interval 3
switch(config-vlan)# ip igmp snooping querier 172.20.52.106
switch(config-vlan)# ip igmp snooping explicit-tracking
switch(config-vlan)# ip igmp snooping fast-leave
switch(config-vlan)# ip igmp snooping report-suppression
switch(config-vlan)# ip igmp snooping mrouter interface ethernet 1/10
switch(config-vlan)# ip igmp snooping static-group 230.0.0.1 interface ethernet 1/10
switch(config-vlan)# end
switch#
 

IGMP スヌーピングは、グローバルまたは個々の VLAN 単位でディセーブルにできます。IGMP スヌーピングをグローバルにディセーブルする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# no ip igmp snooping

IGMP スヌーピングをグローバルにディセーブルにします。デフォルトはイネーブルです。

(注) グローバルな設定がディセーブルになっている場合は、すべての VLAN が、イネーブルかどうかに関係なくディセーブルと見なされます。

ステップ 3

switch(config)# vlan vlan-id

VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switch(config-vlan)# no ip igmp snooping

現在の VLAN の IGMP スヌーピングをディセーブルにします。デフォルトはイネーブルです。

次に、VLAN 5 に対してだけ IGMP スヌーピングをディセーブルにする例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# vlan 5
switch(config-vlan)# no ip igmp snooping

IGMP スヌーピング設定の確認

IGMP スヌーピング設定を確認するには、次のいずれかの作業を行います。

 

コマンド
説明

switch# show ip igmp snooping [[ vlan ] vlan-id ]

VLAN 別の IGMP スヌーピング設定

switch# show ip igmp snooping groups [[ vlan ] vlan-id ] [ detail ]

VLAN 別の IGMP スヌーピング グループ情報

switch# show ip igmp snooping querier [[ vlan ] vlan-id ]

VLAN 別の IGMP スヌーピング クエリア

switch# show ip igmp snooping mrouter [[ vlan ] vlan-id ]

VLAN 別のマルチキャスト ルータ ポート

switch# show ip igmp snooping explicit-tracking vlan vlan-id

VLAN 別の明示的な IGMP スヌーピング追跡情報

次に、IGMP スヌーピング パラメータを確認する例を示します。

switch# show ip igmp snooping
Global IGMP Snooping Information:
IGMP Snooping enabled
 
IGMP Snooping information for vlan 1
IGMP snooping enabled
IGMP querier none
Switch-querier disabled
Explicit tracking enabled
Fast leave disabled
Report suppression enabled
Router port detection using PIM Hellos, IGMP Queries
Number of router-ports: 0
Number of groups: 0
IGMP Snooping information for vlan 5
IGMP snooping enabled
IGMP querier present, address: 172.16.24.1, version: 3
Querier interval: 125 secs
Querier last member query interval: 10 secs
Querier robustness: 2
Switch-querier enabled, address 172.16.24.1, currently running
Explicit tracking enabled
Fast leave enabled
Report suppression enabled
Router port detection using PIM Hellos, IGMP Queries
Number of router-ports: 1
Number of groups: 1