Cisco Nexus 4001I/4005I Switch Module for IBM BladeCenter NX-OS コンフィギュレーション ガイド
Rapid PVST+ の設定
Rapid PVST+ の設定
発行日;2012/05/10 | 英語版ドキュメント(2012/05/09 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 15MB) | フィードバック

目次

Rapid PVST+ の設定

Rapid PVST+ について

STP の概要

概要

トポロジ形成の概要

ブリッジ ID の概要

BPDU の概要

ルート ブリッジの選択

スパニング ツリー トポロジの作成

Rapid PVST+ の概要

概要

Rapid PVST+ BPDU

提案と合意のハンドシェイク

プロトコル タイマー

ポートのロール

ポート ステート

ポートのロールの同期

単一方向リンク障害の検出

ポート コスト

ポートのプライオリティ

Rapid PVST+ と IEEE 802.1Q トランク

Rapid PVST+ のレガシー 802.1D STP との相互運用

Rapid PVST+ の 802.1s MST との相互運用

Rapid PVST+ の設定

Rapid PVST+ のイネーブル化

Rapid PVST+ の VLAN ベースの イネーブル化

ルート ブリッジ ID の設定

セカンダリ ルート ブリッジの設定

Rapid PVST+ のポート プライオリティの設定

Rapid PVST+ のパス コスト方式とポート コストの設定

VLAN の Rapid PVST+ のブリッジ プライオリティの設定

VLAN の Rapid PVST+ の hello タイムの設定

VLAN の Rapid PVST+ の転送遅延時間の設定

VLAN の Rapid PVST+ の最大経過時間の設定

リンク タイプの設定

プロトコルの再開

Rapid PVST+ の設定の確認

Rapid PVST+ の設定

Spanning-Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)は、ループのないネットワークを実現するために実装されました。Rapid per VLAN Spanning Tree(Rapid PVST+)は STP のアップデート版で、VLAN ごとに 1 つのスパニング ツリー トポロジを作成できます。Rapid PVST+ は、スイッチでのデフォルトの STP モードです。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「Rapid PVST+ について」

「Rapid PVST+ の設定」

「Rapid PVST+ の設定の確認」


) このマニュアルでは、IEEE 802.1w および IEEE 802.1s を指す用語として、「スパニング ツリー」を使用します。IEEE 802.1D STP について説明している箇所では、802.1D と明記します。Multiple Spanning Tree(MST)の詳細については、を参照してください。STP 拡張機能の詳細については、を参照してください。


Rapid PVST+ について

ここでは、Rapid PVST+ プロトコルについて説明します。このプロトコルは、IEEE 802.1w 規格の Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP; 高速スパニング ツリー プロトコル)で、VLAN ごとに実装されます。Rapid PVST+ は、IEEE 802.1D 規格との相互運用が可能で、VLAN ごとではなく、すべての VLANで、単一の STP インスタンスの役割を委任されます(「Rapid PVST+ と IEEE 802.1Q トランク」を参照)。

Rapid PVST+ は、デフォルト VLAN(VLAN1)と、ソフトウェアで新たに作成された新しい VLAN でデフォルトでイネーブルになります。Rapid PVST+ は、レガシー IEEE 802.1D STP が実行されているスイッチと、相互運用されます(「Rapid PVST+ のレガシー 802.1D STP との相互運用」を参照)。

RSTP は、元の STP 規格 802.1D の拡張版で、より高速な収束が可能です。

ここでは、Rapid PVST+ の概要について説明します。この章の内容は次のとおりです。

「STP の概要」

「Rapid PVST+ の概要」

「Rapid PVST+ のレガシー 802.1D STP との相互運用」

「Rapid PVST+ の 802.1s MST との相互運用」

STP の概要

RSTP、Rapid PVST+、MST はすべて、元の IEEE 802.1D STP の拡張版です(MST の詳細は、を参照してください)。STP はレイヤ 2 のループ防止プロトコルで、パスの冗長性を実現しながら、ネットワークにおける不必要なループを防止します。

ここでは、STP の概要に関する次の内容について説明します。

「概要」

「トポロジ形成の概要」

「ブリッジ ID の概要」

「BPDU の概要」

「ルート ブリッジの選択」

「スパニング ツリー トポロジの作成」

概要

イーサネット ネットワークが適切に動作するには、任意の 2 つのステーション間のアクティブ パスは 1 つだけでなければなりません。STP の動作は、エンド ステーションに対して透過的です。1 つの LAN セグメントに接続されているか、複数セグメントのスイッチド LAN に接続されているかは、検出できません。

耐障害性のあるネットワーク接続を実現するには、ネットワーク内のすべてのノード間のパスでループが発生しないようにする必要があります。STP アルゴリズムでは、スイッチド ネットワーク中で、ループのない最適のパスが計算されます。LAN ポートでは、定期的な間隔で、Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)と呼ばれる STP フレームの送受信が実行されます。スイッチはこのフレームを転送しませんが、このフレームを使って、ループの発生しないパスを実現します。

エンド ステーション間でアクティブなパスが複数あると、ネットワークでのループの原因となります。ネットワークにループがあると、エンド ステーションがメッセージを重複して受信したり、複数の LAN ポートでエンド ステーションの MAC アドレスをスイッチが認識してしまうことがあります。このような状態になるとブロードキャスト ストームが発生し、ネットワークが不安定になります。

STP では、ルート ブリッジでツリーを定義し、ルートからネットワーク内のすべてのスイッチへ、ループのないパスを定義します。STP は冗長データパスを強制的にブロック状態にします。スパニング ツリーのネットワーク セグメントに障害が発生した場合、冗長パスがあると、STP アルゴリズムにより、スパニング ツリー トポロジが再計算され、ブロックされたパスがアクティブになります。

スイッチの 2 つの LAN ポートで同じ MAC アドレスを認識することでループが発生している場合は、STP ポートのプライオリティとポート パス コストの設定により、フォワーディング ステートになるポートと、ブロッキング ステートになるポートが決定されます。

トポロジ形成の概要

スパニング ツリーを構成している、拡張 LAN のスイッチはすべて、BPDU を交換することによって、ネットワーク内の他のスイッチについての情報を収集します。この BPDU の交換により、次のアクションが発生します。

そのスパニング ツリー ネットワーク トポロジでルート スイッチが 1 台選択されます。

LAN セグメントごとに指定スイッチが 1 台選定されます。

冗長なインターフェイスをバックアップ ステートにする(スイッチド ネットワークの任意の箇所からルート スイッチに到達するために必要としないパスをすべて STP ブロック ステートにする)ことにより、スイッチド ネットワークのループをすべて解除します。

アクティブなスイッチド ネットワーク上のトポロジは、次の情報によって決定されます。

各スイッチにアソシエートされている、スイッチの一意なスイッチ識別情報である MAC アドレス

各インターフェイスにアソシエートされているルートのパス コスト

各インターフェイスにアソシエートされているポートの識別情報

スイッチド ネットワークでは、ルート スイッチが論理的にスパニング ツリー トポロジの中心になります。STP では、BPDU を使用して、スイッチド ネットワークのルート スイッチやルート ポート、および、各スイッチド セグメントのルート ポートや指定ポートが選定されます。

ブリッジ ID の概要

各スイッチの各 VLAN には、ブリッジ プライオリティの値、拡張システム ID(IEEE 802.1t)、STP MAC アドレス割り当てで構成されている、一意の 64 ビット ブリッジ ID があります。

ここでは、次の内容について説明します。

「ブリッジ プライオリティの値」

「拡張システム ID」

「STP MAC アドレスの割り当て」

ブリッジ プライオリティの値

ブリッジのプライオリティは、拡張システム ID がイネーブルにされているときの 4 ビットの値です(「VLAN の Rapid PVST+ のブリッジ プライオリティの設定」を参照)。


) Cisco NX-OS では、拡張システム ID は常にイネーブルです。拡張システム ID はディセーブルにできません。


拡張システム ID

12 ビットの拡張システム ID フィールドは、ブリッジ ID の一部です(図 8-1 を参照)。

図 8-1 拡張システム ID 付きのブリッジ ID

スイッチでは、12 ビット拡張システム ID が常に使用されます。

システム ID の拡張は、ブリッジ ID と組み合わされ、VLAN の一意の識別情報として機能します( 表 8-1 を参照)。

 

表 8-1 拡張システム ID がイネーブルのブリッジ プライオリティの値と拡張システム ID

ブリッジ プライオリティの値
拡張システム ID(VLAN ID と等しい値に設定)
ビット 16
ビット 15
ビット 14
ビット 13
ビット 12
ビット 11
ビット 10
ビット 9
ビット 8
ビット 7
ビット 6
ビット 5
ビット 4
ビット 3
ビット 2
ビット 1

32768

16384

8192

4096

2048

1024

512

256

128

64

32

16

8

4

2

1

STP MAC アドレスの割り当て


) 拡張システム ID と MAC アドレス削減は、ソフトウェア上で常にイネーブルです。


任意のスイッチの MAC アドレス削減がイネーブルの場合、不要なルート ブリッジの選定とスパニング ツリー トポロジの問題を避けるため、他のすべての接続スイッチでも、MAC アドレス削減をイネーブルにする必要があります。

MAC アドレス削減がイネーブルの場合、ルート ブリッジのプライオリティは、4096 の倍数に VLAN ID を加えた値になります。スイッチのブリッジ ID(最小の優先ルート ブリッジを特定するために、スパニング ツリー アルゴリズムによって使用される)は、4096 の倍数を指定します。指定できるのは次の値だけです。

0

4096

8192

12288

16384

20480

24576

28672

32768

36864

40960

45056

49152

53248

57344

61440

STP では、拡張システム ID に MAC アドレスを加えることで、各 VLAN でブリッジ ID を一意にします。


) 同じスパニング ツリー ドメインにある別のブリッジで MAC アドレス削減機能が実行されていない場合、そのブリッジのブリッジ ID と、MAC アドレス削減機能で指定されている値のいずれかが一致する可能性があり、その場合はそのブリッジがルート ブリッジとして機能することになります。


BPDU の概要

スイッチにより、STP インスタンス中に Bridge Protocol Data Units(BPDU)が送信されます。各スイッチにより、コンフィギュレーション BPDU が送信され、スパニング ツリー トポロジの通信が行われ、計算されます。コンフィギュレーション BPDU には、次の最小限の情報が含まれます。

送信するスイッチによりルート ブリッジが特定される、スイッチの一意なブリッジ ID

ルートへの STP パス コスト

送信ブリッジのブリッジ ID

メッセージの経過時間

送信ポートの識別情報

hello タイマー、転送遅延タイマー、最大エージング タイム プロトコル タイマー

STP 拡張プロトコルの追加情報

スイッチにより Rapid PVST+ BPDU フレームが送信されるときには、フレームの送信先の VLAN に接続されているすべてのスイッチで、BPDU を受信します。スイッチで BPDU を受信するときに、スイッチによりフレームは送信されませんが、フレームにある情報を使用して BPDU が計算されます。トポロジが変更される場合は、BPDU の送信が開始されます。

BPDU の交換により、次のアクションが発生します。

1 つのスイッチがルート ブリッジとして選択されます。

ルート ブリッジへの最短距離は、パス コストに基づいてスイッチごとに計算されます。

各 LAN セグメントの指定ブリッジが選択されます。これは、ルート ブリッジに最も近いスイッチで、そのスイッチを介してフレームがルートに転送されます。

ルート ポートが選択されます。これは、ブリッジからルート ブリッジへのパスが最短となるポートです。

スパニング ツリーに含まれているポートが選択されます。

Rapid PVST+ が BPDU に追加するフィールドについての詳細は、「Rapid PVST+ BPDU」を参照してください。

ルート ブリッジの選択

各 VLAN では、最も大きいブリッジ ID(つまり、最小の ID の数値)のスイッチが、ルート ブリッジとして選択されます。すべてのスイッチがデフォルトのプライオリティ(32768)で設定されている場合、その VLAN で最小の MAC アドレスを持つスイッチが、ルート ブリッジになります。ブリッジのプライオリティ値が、ブリッジ ID の最上位ビットになります。

ブリッジのプライオリティの値を変更すると、スイッチがルート ブリッジとして選定される可能性を変更することになります。小さい値を設定するほどその可能性が大きくなり、大きい値を設定するほどその可能性は小さくなります。

STP ルート ブリッジは論理的に、ネットワークで各スパニング ツリー トポロジの中心です。ネットワークの任意の箇所からルート ブリッジに到達するために必要ではないすべてのパスは、STP ブロッキング モードになります。

BPDU には、ブリッジ アドレスおよび MAC アドレス、ブリッジのプライオリティ、ポートのプライオリティ、パス コストなど、送信中のブリッジとポートについての情報が含まれています。STP では、この情報を使用して、STP インスタンス用のルート ブリッジを選定し、ルート ブリッジに導くルート ポートを選択し、各セグメントの指定ポートを特定します。

スパニング ツリー トポロジの作成

図 8-2 では、すべてのスイッチのブリッジのプライオリティがデフォルト(32768)に設定されているため、また、スイッチ A に最小 MAC アドレスがあるため、ルート ブリッジとしてスイッチ A が選択されています。ただし、トラフィックのパターン、フォワーディング ポートの数、リンク タイプによっては、スイッチ A が理想的なルート ブリッジではない可能性があります。任意のスイッチのプライオリティを高くする(数値を小さくする)ことでそのスイッチがルート ブリッジになるようにします。これにより STP が強制的に再計算され、そのスイッチをルートとする新しいスパニング ツリー トポロジが形成されます。

図 8-2 スパニング ツリー トポロジ

 

デフォルトのパラメータに基づいてスパニング ツリー トポロジが計算された場合、スイッチド ネットワークの送信元と宛先のエンド ステーション間のパスが、理想的ではない可能性があります。たとえば、現在のルート ポートより大きな番号を持つポートへの高速リンクを接続すると、ルート ポートが変更されることがあります。目標は、より高速なリンクをルート ポートにすることです。

概要

Rapid PVST+ は、VLAN ごとに実装されている IEEE 802.1w(RSTP)規格です。(手作業で STP をディセーブルにしていない場合、)STP の 1 つのインスタンスは、設定されている各 VLAN で実行されます。VLAN 上の各 Rapid PVST+ インスタンスには、1 つのルート スイッチがあります。Rapid PVST+ の実行中には、VLAN ベースで STP をイネーブルまたはディセーブルにできます。


) Rapid PVST+ は、スイッチでのデフォルト STP モードです。


Rapid PVST+ では、ポイントツーポイントの配線を使用して、スパニング ツリーの高速収束が行われます。Rapid PVST+ によりスパニング ツリーの再設定を 1 秒未満に発生させることができます(802.1D STP のデフォルト設定では 50 秒)。


) Rapid PVST+ では、VLAN ごとに 1 つの STP インスタンスがサポートされます。


Rapid PVST+ を使用すると、STP 収束が急速に発生します。STP にある各指定ポートまたは各ルート ポートにより、デフォルトで、2 秒ごとに BPDU が送信されます。トポロジの指定ポートまたはルート ポートで、hello メッセージが 3 回連続失われた場合、または、最大経過時間の期限が切れた場合、ポートでは、すべてのプロトコル情報がテーブルにただちにフラッシュされます。ポートでは、3 つの BPDU が失われるか、最大経過時間の期限が切れた場合、直接のネイバー ルートまたは指定ポートへの接続が失われたと見なされます。プロトコル情報の急速な経過により、障害検出を迅速に行うことができます。スイッチにより、Port VLAN Identifier(PVID; ポート VLAN ID)が自動的にチェックされます。

Rapid PVST+ により、ネットワーク デバイス、スイッチ ポート、または LAN の障害の直後に、接続が迅速に回復されます。エッジ ポート、新しいルート ポート、およびポイントツーポイント リンクで接続されているポートでは、次のように、高速収束が発生します。

エッジ ポート:RSTP スイッチにあるエッジ ポートとしてポートを設定する場合、エッジ ポートでは、フォワーディング ステートにただちに移行します(この急速な移行は、PortFast と呼ばれていたシスコ特有の機能でした)。エッジ ポートとして 1 つのエンド ステーションに接続されているポートにのみ、設定する必要があります。エッジ ポートでは、リンクの変更時にはトポロジの変更は生成されません。

STP エッジ ポートとしてポートを設定するには、 spanning-tree port type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。


) ホストに接続されているすべてのポートを、エッジ ポートとして設定することを推奨します。STP ポート タイプについての詳細は、を参照してください。


ルート ポート:Rapid PVST+ により新しいルート ポートが選択された場合、古いポートがブロックされ、新しいルート ポートがただちにフォワーディング ステートに移行します。

ポイントツーポイント リンク:ポイントツーポイント リンクによってあるポートと別のポートを接続することでローカル ポートが指定ポートになると、提案合意ハンドシェイクを使用して他のポートと急速な移行がネゴシエートされ、トポロジにループがなくなります。

Rapid PVST+ では、エッジ ポートとポイントツーポイント リンクでのみ、フォワーディング ステートへの急速な移行が達成されます。リンク タイプは設定が可能ですが、システムでは、ポートのデュプレックス設定からリンク タイプ情報が自動的に引き継がれます。全二重ポートはポイントツーポイント ポートであると見なされ、半二重ポートは共有ポートであると見なされます。

エッジ ポートでは、トポロジの変更は生成されませんが、直接接続されているネイバーから 3 回連続 BPDU の受信に失敗するか、最大経過時間のタイム アウトが発生すると、他のすべての指定ポートとルート ポートにより、トポロジ変更(TC)BPDU が生成されます。この時点で、指定ポートまたはルート ポートにより、TC フラグがオンに設定された状態で BPDU が送信されます。BPDU では、ポート上で TC While タイマーが実行されている限り、TC フラグが設定され続けます。TC While タイマーの値は、hello タイムに 1 秒を加えて設定された値です。トポロジ変更の初期ディテクタにより、トポロジ全体で、この情報がフラッディングされます。

Rapid PVST+ により、トポロジの変更が検出される場合、プロトコルでは次の処理が発生します。

すべての非エッジ ルート ポートと指定ポートで、必要に応じ、hello タイムの 2 倍の値で TC While タイマーが開始されます。

これらのすべてのポートにアソシエートされている MAC アドレスがフラッシュされます。

トポロジ変更通知は、トポロジ全体で迅速にフラッディングされます。システムでトポロジの変更が受信されると、システムにより、ポート ベースでダイナミック エントリがただちにフラッシュされます。


) スイッチが、レガシー 802.1D STP を実行しているスイッチと相互に動作しているときにのみ、TCA フラグが使用されます。Rapid PVST+ の 802.1D STP との相互動作についての詳細は、「Rapid PVST+ のレガシー 802.1D STP との相互運用」を参照してください。


次に、提案と合意のシーケンスがネットワークのエッジに迅速に伝搬され、トポロジ変更後の接続が迅速に戻されます(「ポートのロールの同期」を参照)。

Rapid PVST+ BPDU

Rapid PVST+ と 802.1w では、フラグ バイトの 6 ビットすべてを使用して、BPDU の送信元のポートのロールおよびステートと、提案や合意のハンドシェイクが追加されます。図 8-3 に、Rapid PVST+ の BPDU フラグの用途について示します。

図 8-3 BPDU の Rapid PVST+ フラグ バイト

 

もう一つの重要な変更点は、Rapid PVST+ BPDU がタイプ 2、バージョン 2 であることで、これにより、スイッチでは、接続されているレガシー(802.1D)ブリッジを検出できるようになります。802.1D の BPDU は、バージョン 0 です。

提案と合意のハンドシェイク

図 8-4 で示したように、スイッチ A は、ポイントツーポイント リンクを介してスイッチ B に接続され、すべてのポートがブロッキング ステートになります。このとき、スイッチ A のプライオリティが、スイッチ B のプライオリティよりも小さい数値であるとします。

図 8-4 高速収束の提案と合意のハンドシェイク

 

スイッチ A がスイッチ B に提案メッセージ(プロポーザル フラグがオンに設定されたコンフィギュレーション BPDU)を送信します。これにより、スイッチ A が指定スイッチとして提案されます(図 8-4 を参照)。

提案メッセージの受信後、スイッチ B は、その新しいルート ポートとして、提案メッセージが受信されたポートからポートを選択し、すべての非エッジ ポートをブロッキング ステートにし、新しいルート ポートを使ってアグリーメント メッセージ(合意フラグがオンに設定された BPDU)を送信します。

スイッチ B から合意 メッセージの受信後、スイッチ A でも、その指定ポートがただちにフォワーディング ステートに移行されます。スイッチ B ですべての非エッジ ポートがブロックされ、スイッチ A とスイッチ B の間にポイントツーポイント リンクがあるため、ネットワークではループは形成できません(ポート状態については、「ポート ステート」を参照してください)。

スイッチ C がスイッチ B に接続されると、類似したハンドシェイク メッセージのセットがやり取りされます。スイッチ C は、そのルート ポートとしてスイッチ B に接続されたポートを選択し、リンクの両端がただちにフォワーディング ステートになります。このハンドシェイク処理の繰り返しごとに、さらに 1 つのネットワーク デバイスがアクティブなトポロジに参加します。ネットワークの収束のたびに、この提案と合意の ハンドシェイクが、ルートからスパニング ツリーの末端に向かって進みます。

スイッチは、ポート デュプレックス モードからリンク タイプを認識します。全二重ポートはポイントツーポイント接続であると見なされ、半二重ポートは共有接続であると見なされます。デュプレックス設定によって制御されるデフォルト設定は、 spanning-tree link-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力することで上書きできます。

この提案合意ハンドシェイクが開始されるのは、非エッジ ポートがブロッキング ステートからフォワーディング ステートに移行するときだけです。次に、ハンドシェイク処理は、トポロジ全体に段階的に広がります。

プロトコル タイマー

表 8-2 では、Rapid PVST+ のパフォーマンスに影響を及ぼすプロトコル タイマーについて説明しています。

 

表 8-2 Rapid PVST+ のプロトコル タイマー

変数
説明

hello タイマー

各スイッチから他のスイッチに BPDU をブロードキャストする頻度を決定します。デフォルトは 2 秒で、範囲は 1 ~ 10 です。

転送遅延タイマー

ポートが転送を開始するまでに、リスニング ステートおよびラーニング ステートのそれぞれが継続する時間を決定します。このタイマーは通常、プロトコルによっては使用されませんが、バックアップとして使用されます。デフォルトは 15 秒で、範囲は 4 ~ 30 秒です。

最大経過時間タイマー

スイッチが保存するプロトコル情報をポートで受信する時間を決定します。このタイマーは通常、プロトコルによっては使用されませんが、802.1D スパニング ツリーと相互に動作するときに使用されます。デフォルトは 20 秒で、範囲は 6 ~ 40 秒です

ポートのロール

Rapid PVST+ では、ポートのロールを割り当て、アクティビティ トポロジを認識することによって、高速収束が行われます。「ルート ブリッジの選択」で説明しているように、Rapid PVST+ は、802.1D STP に構築され、最高のプライオリティ(最小数値のプライオリティの値)のスイッチがルート ブリッジとして選択されます。Rapid PVST+ により、次のポートのロールの 1 つが個々のポートに割り当てられます。

ルート ポート:スイッチによりパケットがルート ブリッジに転送されるときに、最適のパス(最小コスト)を用意します。

指定ポート:指定スイッチに接続します。指定スイッチでは、LAN からルート ブリッジにパケットが転送されるときに、発生するパス コストが最小になります。指定スイッチを LAN に接続するために使用されているポートを、指定ポートといいます。

代替ポート:現在のルート ポートによって用意されているパスに、ルート ブリッジへの代替パスを用意します。代替ポートにより、トポロジにある別のスイッチへのパスが確保されます。

バックアップ ポート:指定ポートによって確立される、スパニング ツリーの末端に向かうパスのバックアップとして動作します。バックアップ ポートは、2 つのポートがポイントツーポイント リンクによってループバックで接続されているときか、共有 LAN セグメントに対する複数の接続がスイッチにあるときにのみ、存在します。バックアップ ポートにより、スイッチに対する別のパスがトポロジ内で確保されます。

ディセーブル ポート:スパニング ツリーの動作内ではロールはありません。

ネットワーク全体でポートのロールに一貫性のある安定したトポロジでは、Rapid PVST+ により、ルート ポートと指定ポートがすべてただちにフォワーディング ステートになり、代替ポートとバックアップ ポートはすべて、必ずブロッキング ステートになります。指定ポートはブロッキング ステートで開始されます。ポート ステートにより、転送処理とラーニング処理の動作が制御されます。

ルート ポートまたは指定ポートのロールを持つポートは、アクティブなトポロジに含まれます。代替ポートまたはバックアップ ポートのロールを持つポートは、アクティブなトポロジから除外されます(図 8-5を参照)。

図 8-5 ポートのロールをデモンストレーションするトポロジのサンプル

 

Rapid PVST+ ポート ステートの概要

プロトコル情報がスイッチド LAN で伝搬されるときに、遅延が発生することがあります。この結果、スイッチド ネットワークの異なった場所で異なった回数、トポロジが変化することがあります。スパニング ツリー トポロジで LAN ポートが非伝搬ステートからフォワーディング ステートに直接移行する際、一時的にデータがループすることがあります。ポートは、フレームの転送を開始する前に、新しいトポロジ情報がスイッチド LAN で伝搬されるのを待つ必要があります。

Rapid PVST+ または MST を使用しているソフトウェア上の各 LAN ポートは、次の 4 つのステートの 1 つで終了します。

ブロッキング:LAN ポートはフレーム転送に参加しません。

ラーニング:LAN ポートは、フレーム転送への参加を準備します。

フォワーディング:LAN ポートはフレームを転送します。

ディセーブル:LAN ポートは STP に参加せず、フレームを転送しません。

Rapid PVST+ をイネーブルにすると、ソフトウェアのすべてのポート、VLAN、ネットワークは、電源投入時にブロッキング ステートからラーニングの移行ステートに進みます。各 LAN ポートは、適切に設定されていれば、フォワーディング ステートまたはブロッキング ステートで安定します。

STP アルゴリズムにより LAN ポートがフォワーディング ステートになると、次の処理が発生します。

1. ラーニング ステートに進む必要があることを示すプロトコル情報を待つ間、LAN ポートはブロッキング ステートになります。

2. LAN ポートは転送遅延タイマーの期限が切れるのを待ち、ラーニング ステートに移行し、転送遅延タイマーを再開します。

3. ラーニング ステートでは、LAN ポートはフォワーディング データベースのエンド ステーション位置情報をラーニングする間、フレームの転送をブロックし続けます。

4. LAN ポートは転送遅延タイマーの期限が切れるのを待って、フォワーディング ステートに移行します。このフォワーディング ステートでは、ラーニングとフレーム転送がイネーブルになります。

ブロッキング ステート

ブロッキング ステートにある LAN ポートはフレームを転送しません。

ブロッキング ステートの LAN ポートでは、次の処理が実行されます。

接続セグメントから受信したフレームを廃棄します。

転送のために別のポートからスイッチされたフレームを廃棄します。

エンド ステーションの場所は、そのアドレス データベースには取り入れません(ブロッキング LAN ポートではラーニングがないため、アドレス データベースは更新されません)。

BPDU を受信し、システム モジュールに送信します。

システム モジュールから BPDU を受信し、処理し、送信します。

ネットワーク管理メッセージを受信し、これに応答します。

ラーニング ステート

ラーニング ステートにある LAN ポートは、フレームの MAC アドレスをラーニングすることによって、フレーム転送の準備をします。LAN ポートは、ブロッキング ステートからラーニング ステートになります。

ラーニング ステートの LAN ポートでは、次の処理が実行されます。

接続セグメントから受信したフレームを廃棄します。

転送のために別のポートからスイッチされたフレームを廃棄します。

エンド ステーションの場所を、そのアドレス データベースに取り入れます。

BPDU を受信し、システム モジュールに送信します。

システム モジュールから BPDU を受信し、処理し、送信します。

ネットワーク管理メッセージを受信し、これに応答します。

フォワーディング ステート

フォワーディング ステートにある LAN ポートでは、フレームを転送します。LAN ポートは、ラーニング ステートからフォワーディング ステートになります。

フォワーディング ステートの LAN ポートでは、次の処理が実行されます。

接続セグメントから受信したフレームを転送します。

転送のために別のポートからスイッチされたフレームを転送します。

エンド ステーションの場所情報を、そのアドレス データベースに取り入れます。

BPDU を受信し、システム モジュールに送信します。

システム モジュールから受信した BPDU を処理します。

ネットワーク管理メッセージを受信し、これに応答します。

ディセーブル ステート

ディセーブル ステートにある LAN ポートは、フレーム転送または STP は行いません。ディセーブル ステートの LAN ポートは、実質的に動作が停止しています。

ディセーブルの LAN ポートでは、次の処理が実行されます。

接続セグメントから受信したフレームを廃棄します。

転送のために別のポートからスイッチされたフレームを廃棄します。

エンド ステーションの場所は、そのアドレス データベースには取り入れません(ラーニングがないため、アドレス データベースは更新されません)。

ネイバーから BPDU を受信しません。

システム モジュールから送信のための BPDU を受信しません。

ポート ステートの概要

表 8-3 に、ポートおよびそれに対応してアクティブ トポロジに含められる、可能性のある動作と Rapid PVST+ のステートのリストを示します。

 

表 8-3 アクティブなトポロジのポート ステート

動作ステータス
ポート ステート
ポートがアクティブ トポロジに含まれているか

イネーブル

ブロッキング

しない

イネーブル

ラーニング

する

イネーブル

フォワーディング

する

ディセーブル

ディセーブル

しない

ポートのロールの同期

スイッチがいずれかのポートで提案メッセージを受信し、そのポートが新しいルート ポートとして選択されると、Rapid PVST+ は、強制的に、すべての他のポートと新しいルート情報との同期をとります。

残りすべてのポートが同期化した場合、スイッチはルート ポートで受信した上位ルート情報で同期化します。次のいずれかが当てはまる場合、スイッチ上の個々のポートで同期がとられます。

ポートがブロッキング ステートにある。

エッジ ポート(ネットワークの端になるよう設定されているポート)である。

指定ポートがフォワーディング ステートの場合で、エッジ ポートとして設定されていない場合、Rapid PVST+ により強制的に新しいルート情報との同期がとられるときに、ブロッキング ステートに移行します。一般的に、Rapid PVST+ により、強制的にルート情報との同期がとられる場合で、ポートで前述の条件のいずれかが満たされない場合、ポート ステートはブロッキングに設定されます。

すべてのポートで同期がとられた後で、スイッチから、ルート ポートに対応する指定スイッチへ、アグリーメント メッセージが送信されます。ポイントツーポイント リンクで接続されているスイッチが、そのポートのロールについての合意に存在する場合、Rapid PVST+ により、ポート ステートがただちにフォワーディング ステートに移行します。イベントのシーケンスを、図 8-6に示します。

図 8-6 高速収束中のイベントのシーケンス

 

上位 BPDU 情報の処理

上位 BPDU とは、自身のために現在保存されているものより上位であるルート情報(より小さいスイッチ ID、より小さいパス コストなど)を持つ BPDU のことです。

上位 BPDU がポートで受信されると、Rapid PVST+ は再設定を起動します。そのポートが新しいルート ポートとして提案、選択されている場合、Rapid PVST+ は残りすべてのポートを同期させます。

受信した BPDU がプロポーザル フラグの設定された Rapid PVST+ BPDU の場合、スイッチは残りすべてのポートを同期させたあと、アグリーメント メッセージを送信します。前のポートがブロッキング ステートになるとすぐに、新しいルート ポートがフォワーディング ステートに移行します。

ポートで受信した上位情報によりポートがバックアップ ポートまたは代替ポートになる場合、Rapid PVST+ はポートをブロッキング ステートに設定し、アグリーメント メッセージを送信します。指定ポートは、転送遅延タイマーが期限切れになるまで、プロポーザル フラグが設定された BPDU を送信し続けます。期限切れになると、ポートはフォワーディング ステートに移行します。

下位 BPDU 情報の処理

下位 BPDU とは、自身のために現在保存されているものより下位であるルート情報(より大きいスイッチ ID、より大きいパス コストなど)を持つ BPDU のことです。

指定ポートが下位 BPDU を受信した場合、ただちに自身の情報で応答します。

単一方向リンク障害の検出

受信された BPDU でポートのロールとステートの一貫性がソフトウェアによって確認され、ブリッジング ループの原因となる可能性がある単一方向リンク障害が検出されます。

指定ポートで矛盾を検出すると、ロールを保持したまま廃棄ステートに戻ります。これは、矛盾がある場合、ブリッジング ループを開始するより接続を停止する方が好ましいからです。

図 8-7 に、ブリッジング ループの一般的な原因となる単一方向リンク障害を示します。スイッチ A はルート ブリッジで、その BPDU は、スイッチ B へのリンク上では失われます。802.1w 規格の BPDU には送信ポートのロールおよびステートが含まれます。この情報により、送信する上位 BPDU に対してスイッチ B が反応しないこと、スイッチ B はルート ポートではなく指定ポートであることが、スイッチ A によって検出できます。結果的にスイッチ A はそのポートをブロックし(ブロックし続け)、ブリッジング ループが防止されます。ブロックは、STP の矛盾として示されます。

図 8-7 単一方向リンク障害の検出

ポート コスト


) Rapid PVST+ では、デフォルトで、ショート型(16 ビット)のパスコスト方式を使用して、コストが計算されます。ショート型のパスコスト方式では、1 ~ 65535 の範囲で値を割り当てることができます。ただし、ロング型(32 ビット)のパスコスト方式を使用するようにスイッチを設定することもできます。この場合、1 ~ 200,000,000 の範囲の値を割り当てることができます。パスコスト計算方式は、グローバルに設定します。


STP ポートのパスコストのデフォルト値は、メディア速度と LAN インターフェイスのパスコストの計算方式によって決まります( 表 8-4 を参照)。ループが発生した場合、STP では、LAN インターフェイスの選択時に、フォワーディング ステートにするためのポート コストを考慮します。

 

表 8-4 デフォルトのポート コスト

帯域幅
ポート コストのショート パスコスト方式
ポート コストのロング パスコスト方式

10 Mbps

100

2,000,000

100 Mbps

19

200,000

1 ギガビット イーサネット

4

20,000

10 ギガビット イーサネット

2

2,000

STP に最初に選択させる LAN インターフェイスには小さいコストの値を、STP に最後に選択させる LAN インターフェイスには大きいコストの値を割り当てます。すべての LAN インターフェイスに同じコストの値が割り当てられている場合、STP は、インターフェイス番号が最小の LAN インターフェイスをフォワーディング ステートにし、他の LAN インターフェイスをブロックします。

アクセス ポートでは、ポートごとにポート コストを割り当てます。トランク ポートでは VLAN ごとにポート コストを割り当てるため、トランク ポート上のすべての VLAN に同じポート コストを設定できます。

ポートのプライオリティ

ループが発生し、複数のポートに同じパス コストが割り当てられている場合、Rapid PVST+ では、フォワーディング ステートにする LAN ポートの選択時に、ポートのプライオリティを考慮します。Rapid PVST+ に最初に選択させる LAN ポートには小さいプライオリティ値を割り当て、Rapid PVST+ に最後に選択させる LAN ポートには大きいプライオリティ値を割り当てます。

すべての LAN ポートに同じプライオリティ値が割り当てられている場合、Rapid PVST+ は、LAN ポート番号が最小の LAN ポートをフォワーディング ステートにし、他の LAN ポートをブロックします。プライオリティの範囲は 0 ~ 224(デフォルトは 128)で、32 ずつ増加させて設定できます。LAN ポートがアクセス ポートとして設定されているときはポートのプライオリティ値が 使用され、LAN ポートがトランク ポートとして設定されているときは VLAN ポートのプライオリティ値が 使用されます。

Rapid PVST+ と IEEE 802.1Q トランク

802.1Q トランクでは、ネットワークの STP 処理について、いくつかの制限があります。Cisco スイッチを 802.1Q トランクで接続しているネットワークでは、スイッチは、トランクの VLAN ごとに STP のインスタンスを 1 つ維持します。ただし、非 Cisco 802.1Q スイッチでは、トランクのすべての VLAN に対して維持する STP のインスタンスは 1 つだけです。

802.1Q トランクで Cisco スイッチを非 Cisco スイッチに接続している場合は、Cisco スイッチにより、トランクの 802.1Q VLAN の STP インスタンスが、非 Cisco 802.1Q スイッチの STP インスタンスと組み合わされます。ただし、Cisco スイッチで維持されている VLAN ごとの STP 情報はすべて、非シスコ 802.1Q スイッチのクラウドによって分けられます。Cisco スイッチを分ける非 Cisco 802.1Q クラウドは、スイッチ間の単一のトランク リンクとして扱われます。

Rapid PVST+ のレガシー 802.1D STP との相互運用

Rapid PVST+ は、レガシー 802.1D プロトコルを実行中のスイッチと相互に動作させることができます。スイッチが BPDU バージョン 0 を受信すると、802.1D を実行中の機器と相互に動作していることを認識します。Rapid PVST+ の BPDU はバージョン 2 です。受信した BPDU が、プロポーザル フラグがオンに設定された 802.1w BPDU バージョン 2 の場合、スイッチは残りすべてのポートを同期させたあと、アグリーメント メッセージを送信します。受信した BPDU が 802.1D BPDU バージョン 0 の場合は、スイッチはプロポーザル フラグを設定せずに、ポートの転送遅延タイマーを開始します。新しいルート ポートでは、フォワーディング ステートに移行するために、転送遅延時間の 2 倍の時間が必要です。

スイッチは、次のように、レガシー 802.1D スイッチと相互動作します。

通知:802.1D BPDU とは異なり 802.1w は、TCN BPDU を使用しません。ただし、802.1D スイッチとの相互運用のため、Cisco NX-OS では、TCN BPDU を処理し、生成します。

受信応答:802.1w スイッチでは、802.1D スイッチから指定ポート上に TCN メッセージを受信すると、TCA ビットを設定し、802.1D コンフィギュレーション BPDU で応答します。ただし、802.1D スイッチに接続されているルート ポートで TC While タイマー(802.1D の TC タイマーと同じ)がアクティブの場合、TCA がセットされたコンフィギュレーション BPDU を受信すると、TC While タイマーはリセットされます。

動作のこの方式は、802.1D スイッチでのみ必要です。802.1w BPDU では、TCA ビットは設定されません。

プロトコル移行:802.1D スイッチとの下位互換性のために、802.1w は、802.1D コンフィギュレーション BPDU と TCN BPDU をポートごとに選択的に送信します。

ポートが初期化されると、移行遅延タイマー(802.1w BPDU が送信される最小時間を指定)が開始され、802.1w BPDU が送信されます。このタイマーがアクティブの間は、スイッチは、ポートで受信したすべての BPDU を処理し、プロトコル タイプを無視します。

ポート移行遅延タイマーの期限切れ後にスイッチで 802.1D BPDU を受信した場合は、802.1D スイッチに接続していると見なして、802.1D BPDU のみを使用して開始します。ただし、802.1w スイッチが、ポート上で 802.1D BPDU を使用中で、タイマーの期限切れ後に 802.1w BPDU を受信すると、タイマーが再起動され、ポート上の 802.1w BPDU を使用して開始されます。


) すべてのスイッチでプロトコルを再ネゴシエーションするには、Rapid PVST+ を再起動する必要があります。詳細については、「プロトコルの再開」を参照してください。


Rapid PVST+ の 802.1s MST との相互運用

Rapid PVST+ は、IEEE 802.1s Multiple Spanning Tree(MST)規格とシームレスに相互運用されます。ユーザによる設定は不要です。

Rapid PVST+ の設定

Rapid PVST+ プロトコルには 802.1w 規格が適用されていますが、Rapid PVST+ は、ソフトウェアのデフォルト STP 設定です。

Rapid PVST+ は VLAN ごとにイネーブルにします。STP のインスタンスが VLAN ごとに維持されます(STP をディセーブルにした VLAN を除く)。デフォルトで Rapid PVST+ は、デフォルト VLAN と、作成した各 VLAN でイネーブルになります。

ここでは、次の内容について説明します。

「Rapid PVST+ のイネーブル化」

「Rapid PVST+ の VLAN ベースの イネーブル化」

「ルート ブリッジ ID の設定」

「セカンダリ ルート ブリッジの設定」

「Rapid PVST+ のポート プライオリティの設定」

「Rapid PVST+ のパス コスト方式とポート コストの設定」

「VLAN の Rapid PVST+ のブリッジ プライオリティの設定」

「VLAN の Rapid PVST+ の hello タイムの設定」

「VLAN の Rapid PVST+ の転送遅延時間の設定」

「VLAN の Rapid PVST+ の最大経過時間の設定」

「リンク タイプの設定」

「プロトコルの再開」

Rapid PVST+ のイネーブル化

スイッチ上で Rapid PVST+ をイネーブルにすると、指定されている VLAN で Rapid PVST+ をイネーブルにする必要があります(「Rapid PVST+ の VLAN ベースの イネーブル化」を参照)。

Rapid PVST+ はデフォルトの STP モードです。MST と Rapid PVST+ は同時には実行できません。


) スパニング ツリー モードを変更すると、変更前のモードのスパニングツリー インスタンスがすべて停止されて新しいモードで起動されるため、トラフィックが中断する場合があります。


スイッチで Rapid PVST+ をイネーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree mode rapid-pvst

スイッチで Rapid PVST+ をイネーブルにします。Rapid PVST+ はデフォルトのスパニング ツリー モードです。

(注) スパニング ツリー モードを変更すると、変更前のモードのスパニングツリー インスタンスがすべて停止されて新しいモードで起動されるため、トラフィックが中断する場合があります。

次に、スイッチ上で Rapid PVST をイネーブルにする例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree mode rapid-pvst

) STP はデフォルトでイネーブルのため、設定結果を参照するために show running コマンドを入力しても、Rapid PVST+ をイネーブルするために入力したコマンドは表示されません。


Rapid PVST+ の VLAN ベースの イネーブル化

Rapid PVST+ は、VLAN ごとにイネーブルまたはディセーブルにできます。


) Rapid PVST+ は、デフォルト VLAN と、作成したすべての VLAN でデフォルトでイネーブルになります。


VLAN ごとに Rapid PVST+ をイネーブルにする手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree vlan-range

VLAN ごとに Rapid PVST+(デフォルト STP)をイネーブルにします。 vlan-range の値は、2 ~ 4094 の範囲です(予約済みの VLAN の値を除く)。を参照してください。

次に、VLAN 5 で STP をイネーブルにする例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree vlan 5
 

VLAN ごとに Rapid PVST+ をディセーブルにする手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

switch(config)# no spanning-tree vlan-range

指定した VLAN で Rapid PVST+ をディセーブルにします。このコマンドについては次の注意を参照してください。

 


注意 VLAN のすべてのスイッチとブリッジでスパニング ツリーがディセーブルになっていない場合は、その VLAN のスパニング ツリーをディセーブルにしないでください。スパニング ツリーは、VLAN の一部のスイッチとブリッジでディセーブルにし、他のスイッチおよびブリッジでイネーブルにしておくことはできません。これを行うと、スパニング ツリーがイネーブルになっているスイッチとブリッジがネットワークの物理トポロジについて不完全な情報を持つことになるため、予期しない結果を招く可能性があります。

VLAN でスパニング ツリーをディセーブルにするときは、VLAN に物理ループがないことを確認してから行ってください。スパニング ツリーは、設定やケーブル配線の誤りに対する安全策の役割を果たします。

ルート ブリッジ ID の設定

Rapid PVST+ では、STP のインスタンスはアクティブな VLAN ごとに管理されます。各 VLAN では、最も小さいブリッジ ID を持つスイッチが VLAN の ルート ブリッジになります。

特定の VLAN インスタンスがルート ブリッジになるように設定するには、そのブリッジのプライオリティをデフォルト値(32768)よりかなり小さい値に変更します。

spanning-tree vlan vlan_ID root コマンドを入力すると、各 VLAN で現在ルートになっているブリッジのブリッジ プライオリティがスイッチによって確認されます。スイッチは指定した VLAN のブリッジ プライオリティを 24576 に設定します(このスイッチがその VLAN のルートになる値)。指定した VLAN のいずれかのルート ブリッジに 24576 より小さいブリッジ プライオリティが設定されている場合は、スイッチはその VLAN のブリッジ プライオリティを、最小のブリッジ プライオリティより 4096 だけ小さい値に設定します。


) ルート ブリッジにするために必要な値が 1 に満たない場合、spanning-tree vlan vlan_ID root コマンドは正常に実行されません。



注意 STP の各インスタンスのルート ブリッジは、バックボーン スイッチまたはディストリビューション スイッチでなければなりません。アクセス スイッチは、STP のプライマリ ルートとして設定しないでください。

キーワード diameter を入力し、ネットワーク直径(ネットワーク内の任意の 2 つのエンド ステーション間での最大ブリッジ ホップ数)を指定します。ネットワーク直径を指定すると、その直径のネットワークに最適な hello タイム、転送遅延時間、最大経過時間が自動的に選択されます。これにより、STP 収束の時間が大幅に削減されます。キーワード hello-time を入力すると、自動的に計算された hello タイムを上書きできます。


) ルート ブリッジとして設定されているスイッチでは、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムは手動で設定(spanning-tree mst hello-timespanning-tree mst forward-timespanning-tree mst max-age の各グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用)しないでください。


スイッチを Rapid PVST+ の VLAN のプライマリ ルート ブリッジに設定にする手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree vlan vlan-range root primary [ diameter dia [ hello-time hello-time ]]

ソフトウェア スイッチをプライマリ ルート ブリッジとして設定します。The vlan-range の値は、2 ~ 4094 の範囲です(予約済みの VLAN の値を除く)。 dia のデフォルトは 7 です。 hello-time の範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルト値は 2 秒です。

次に、スイッチを VLAN 5 のルート ブリッジとして設定し、ネットワーク直径を 4 に設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree vlan 5 root primary diameter 4

セカンダリ ルート ブリッジの設定

ソフトウェア スイッチをセカンダリ ルートとして設定しているときに、STP ブリッジのプライオリティをデフォルト値(32768)から変更しておくと、プライマリ ルート ブリッジに障害が発生した場合に、そのスイッチが、指定した VLAN のルート ブリッジになります(ネットワークの他のスイッチで、デフォルトのブリッジ プライオリティ 32768 が使用されているとします)。STP により、ブリッジ プライオリティが 28672 に設定されます。

キーワード diameter を入力し、ネットワーク直径(ネットワーク内の任意の 2 つのエンド ステーション間での最大ブリッジ ホップ数)を指定します。ネットワーク直径を指定すると、その直径のネットワークに最適な hello タイム、転送遅延時間、最大経過時間が自動的に選択されます。これにより、STP 収束の時間が大幅に削減されます。キーワード hello-time を入力すると、自動的に計算された hello タイムを上書きできます。

複数のスイッチに対して同様に設定すれば、複数のバックアップ ルート ブリッジを設定できます。プライマリ ルート ブリッジの設定時に使用した値と同じネットワーク直径と hello タイムの値を入力します。


) ルート ブリッジとして設定されているスイッチでは、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムは手動で設定(spanning-tree mst hello-timespanning-tree mst forward-timespanning-tree mst max-age の各グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用)しないでください。


スイッチを Rapid PVST+ の VLAN の セカンダリ ルート ブリッジに設定にする手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree vlan vlan-range root secondary [ diameter dia [ hello-time hello-time ]]

ソフトウェア スイッチを、セカンダリ ルート ブリッジとして設定します。The vlan-range の値は、2 ~ 4094 の範囲です(予約済みの VLAN の値を除く)。 dia のデフォルトは 7 です。 hello-time の範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルト値は 2 秒です。

次に、スイッチを VLAN 5 のセカンダリ ルート ブリッジとして設定し、ネットワーク直径を 4 に設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree vlan 5 root secondary diameter 4

Rapid PVST+ のポート プライオリティの設定

Rapid PVST+ に最初に選択させる LAN ポートには小さいプライオリティ値を割り当て、Rapid PVST+ に最後に選択させる LAN ポートには大きいプライオリティ値を割り当てます。すべての LAN ポートに同じプライオリティ値が割り当てられている場合、Rapid PVST+ は、LAN ポート番号が最小の LAN ポートをフォワーディング ステートにし、他の LAN ポートをブロックします。

LAN ポートがアクセス ポートとして設定されているときはポートのプライオリティ値が使用され、LAN ポートがトランク ポートとして設定されているときは VLAN ポートのプライオリティ値が使用されます。

Rapid PVST+ のポート プライオリティを個々のポートに割り当てる手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# interface type slot / port

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

switch(config-if)# spanning-tree [ vlan vlan-list ] port-priority priority

次のように、LAN インターフェイスのポート プライオリティを設定します。 priority の値は 0 ~ 224 の範囲です。値が小さいほどプライオリティが高くなります。プライオリティの値は、0、32、64、96、128、160、192、224 です。それ以外の値はすべて拒否されます。デフォルト値は 128 です。

次に、イーサネット アクセス ポート 1/4 ~160 のポート プライオリティを設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# spanning-tree port-priority 160
 

このコマンドを使用できるのは、物理イーサネット インターフェイスに対してだけです。

Rapid PVST+ のパス コスト方式とポート コストの設定

アクセス ポートでは、ポートごとにポート コストを割り当てます。トランク ポートでは VLAN ごとにポート コストを割り当てるため、トランク上のすべての VLAN に同じポート コストを設定できます。


) Rapid PVST+ モードでは、ショート型またはロング型のいずれかのパス コスト方式を使用できます。この方式は、インターフェイスまたはコンフィギュレーション サブモードのいずれかで設定できます。デフォルトのパス コスト方式は、ショート型です。


Rapid PVST+ のパス コスト方式とポート コストを設定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree pathcost method { long | short }

Rapid PVST+ パス コストの計算に使用される方式を選択します。デフォルト方式は short 型です。

ステップ 3

switch(config)# interface type slot / port

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switch(config-if)# spanning-tree [ vlan vlan-id ] cost [ value | auto ]

次のように、LAN インターフェイスのポート コストを設定します。コストの値は、パス コスト計算の方式により、次の値になります。

ショート型:1 ~ 65535

ロング型:1 ~ 200000000

(注) このパラメータは、アクセス ポートのポート別、およびトランク ポートの VLAN 別に設定します。

デフォルトは auto で、パス コスト計算方式とメディア速度の両方に基づいてポート コストが設定されます。

次に、イーサネット アクセス ポート 1/4 ~1000 のポート コストを設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree pathcost method long
switch(config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# spanning-tree cost 1000
 

このコマンドを使用できるのは、物理イーサネット インターフェイスに対してだけです。

VLAN の Rapid PVST+ のブリッジ プライオリティの設定

VLAN の Rapid PVST+ のブリッジ プライオリティを設定できます。


) この設定を使用するときは注意が必要です。ほとんどの場合、プライマリ ルートとセカンダリ ルートを設定して、ブリッジ プライオリティを変更することを推奨します。


特定の VLAN のブリッジ プライオリティを選択する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree vlan vlan-range priority value

VLAN の ブリッジ プライオリティを設定します。有効な値は 0、4096、8192、12288、16384、20480、24576、28672、32768、36864、40960、45056、49152、53248、57344、61440 です。それ以外の値はすべて拒否されます。デフォルト値は 32768 です。

次に、ギガビット イーサネット ポート 1/4 で VLAN 5 のプライオリティを 8192 に設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree vlan 5 priority 8192

VLAN の Rapid PVST+ の hello タイムの設定

VLAN では、Rapid PVST+ の hello タイムを設定できます。


) この設定を使用するときは注意が必要です。ほとんどの場合、プライマリ ルートとセカンダリ ルートを設定して、hello タイムを変更することを推奨します。


Rapid PVST+ の VLAN で hello タイムを設定にする手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree vlan vlan-range hello-time value

VLAN の hello タイムを設定します。hello タイムの値の範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルトは 2 秒です。

次に、VLAN 5 の hello タイムを 7 秒に設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree vlan 5 hello-time 7

VLAN の Rapid PVST+ の転送遅延時間の設定

Rapid PVST+ の使用時は、VLAN ごとに転送遅延時間を設定できます。VLAN ごとに転送遅延時間を設定する手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree vlan vlan-range forward-time value

VLAN の転送遅延時間を設定します。転送遅延時間の値の範囲は 4 ~ 30 秒で、デフォルトは 15 秒です。

次に、VLAN 5 の転送遅延時間を 21 秒に設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree vlan 5 forward-time 21

VLAN の Rapid PVST+ の最大経過時間の設定

Rapid PVST+ の使用時は、VLAN ごとに最大経過時間を設定できます。Rapid PVST+ の VLAN で最大経過時間を設定にする手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# spanning-tree vlan vlan-range max-age value

VLAN の最大経過時間を設定します。最大経過時間の値の範囲は 6 ~ 40 秒で、デフォルトは 20 秒です。

次に、VLAN 5 の最大経過時間を 36 秒に設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree vlan 5 max-age 36

リンク タイプの設定

Rapid の接続性(802.1w 規格)は、ポイントツーポイントのリンク上でのみ確立されます。リンク タイプは、デフォルトでは、インターフェイスのデュプレックス モードから制御されます。全二重ポートはポイントツーポイント接続であると見なされ、半二重ポートは共有接続であると見なされます。

リモート スイッチの 1 つのポートに、ポイントツーポイントで物理的に接続されている半二重リンクがある場合、リンク タイプのデフォルト設定を上書きし、高速移行をイネーブルにできます。

リンクを共有に設定すると、STP は 802.1D に戻ります。

リンク タイプを指定する手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# interface type slot / port

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

switch(config-if)# spanning-tree link-type { auto | point-to-point | shared }

リンク タイプを、ポイントツーポイント インクまたは共有リンクに設定します。スイッチ接続からデフォルト値(半二重リンクは共有で、全二重リンクはポイントツーポイント)が読み込まれます。リンク タイプが共有の場合、STP は 802.1D に戻ります。デフォルトは auto で、インターフェイスのデュプレックス設定に基づいてリンク タイプが設定されます。

次に、リンク タイプをポイントツーポイント リンクに設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point
 

このコマンドを使用できるのは、物理イーサネット インターフェイスに対してだけです。

プロトコルの再開

レガシー ブリッジに接続されている場合、Rapid PVST+ を実行しているブリッジは、そのポートの 1 つに 802.1D BPDU を送信できます。ただし、STP プロトコルの移行では、レガシー スイッチが指定スイッチではない場合、レガシー スイッチがリンクから削除されたかどうかを認識できません。スイッチ全体または指定したインターフェイスでプロトコル ネゴシエーションを再開する(強制的に隣接スイッチと再ネゴシエーションさせる)ことができます。

プロトコル ネゴシエーションを再開する手順は次のとおりです。

 

コマンド
目的

switch# clear spanning-tree detected-protocol [ interface interface [ interface-num | port-channel ]]

スイッチのすべてのポートまたは指定したインターフェイスで、Rapid PVST+ を再起動します。

次に、スロット 1、ポート 8 のイーサネット インターフェイスで Rapid PVST+ を再起動する例を示します。

switch# clear spanning-tree detected-protocol interface ethernet 1/8

Rapid PVST+ の設定の確認

Rapid PVST+ の設定情報を表示するには、次のいずれかの処理を実行します。

 

コマンド
目的

switch# show running-config spanning-tree [ all ]

現在のスパニング ツリー設定を表示します。

switch# show spanning-tree [ options ]

最新のスパニング ツリー設定について、指定した詳細情報を表示します。

次に、スパニング ツリーのステータスを表示する例を示します。

switch# show spanning-tree brief
 
VLAN0001
Spanning tree enabled protocol rstp
Root ID Priority 32769
Address 0005.ad00.31d6
This bridge is the root
Hello Time 2 sec Max Age 20 sec Forward Delay 15 sec
 
Bridge ID Priority 32769 (priority 32768 sys-id-ext 1)
Address 0005.ad00.31d6
Hello Time 2 sec Max Age 20 sec Forward Delay 15 sec
 
Interface Role Sts Cost Prio.Nbr Type
---------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
Eth1/9 Desg FWD 2 128.137 P2p
Eth1/13 Desg FWD 2 128.141 P2p
Eth1/17 Desg FWD 2 128.145 P2p
 
 
VLAN0010
Spanning tree enabled protocol rstp
Root ID Priority 32768
Address 000d.ecb2.2cbc
Cost 2
Port 129 (Ethernet1/1)
Hello Time 2 sec Max Age 20 sec Forward Delay 15 sec
 
Bridge ID Priority 32778 (priority 32768 sys-id-ext 10)
Address 0005.ad00.31d6
Hello Time 2 sec Max Age 20 sec Forward Delay 15 sec
 
Interface Role Sts Cost Prio.Nbr Type
---------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
Eth1/1 Root FWD 2 128.129 P2p
Eth1/3 Desg FWD 2 128.131 P2p