Cisco Nexus 4001I/4005I Switch Module for IBM BladeCenter NX-OS コンフィギュレーション ガイド
IGMP スヌーピングの設定
IGMP スヌーピングの設定
発行日;2012/05/10 | 英語版ドキュメント(2012/05/09 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 15MB) | フィードバック

目次

IGMP スヌーピングの設定

IGMP スヌーピングの概要

IGMPv1 および IGMPv2

IGMPv3

IGMP スヌーピング クエリア

IGMP 転送

IGMP スヌーピング パラメータの設定

IGMP スヌーピングの設定の確認

IGMP スヌーピングの設定

Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネット グループ管理プロトコル)スヌーピングは、VLAN のマルチキャスト トラフィックの処理を効率化します。関与するホストからの IGMP メンバーシップ レポート メッセージを調べること(スヌーピング)により、マルチキャスト トラフィックがホストの存在する VLAN インターフェイスのサブセットに限定されます。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「IGMP スヌーピングの概要」

「IGMP スヌーピング パラメータの設定」

「IGMP スヌーピングの設定の確認」

IGMP スヌーピングの概要

IGMP スヌーピング ソフトウェアは、VLAN 内の IGMP プロトコル メッセージを調べて、このトラフィックの受信に関連のあるホストまたはその他のデバイスに接続されているのはどのインターフェイスかを検出します。IGMP スヌーピングは、インターフェイス情報を使用して、マルチアクセス LAN 環境での帯域幅消費を減らすことができ、これによって VLAN 全体のフラッディングを防ぎます。IGMP スヌーピング機能は、どのポートがマルチキャスト対応ルータに接続されているかを追跡して、IGMP メンバーシップ レポートの転送管理を支援します。IGMP スヌーピング ソフトウェアは、トポロジ変更通知に応答します。


) IGMP スヌーピングは、すべてのイーサネット インターフェイスでサポートされます。スヌーピングという用語が使用されるのは、レイヤ 3 コントロール プレーン パケットが代行受信され、レイヤ 2 の転送決定に影響を与えるためです。


Cisco NX-OS は、IGMPv2 と IGMPv3 をサポートします。IGMPv2 は IGMPv1 をサポートし、IGMPv3 は IGMPv2 をサポートします。以前のバージョンの IGMP のすべての機能がサポートされるわけではありませんが、メンバーシップ クエリーとメンバーシップ レポートに関連した機能は すべての IGMP バージョンについてサポートされます。

図 14-1 に、ホストと IGMP ルータの間に置かれた IGMP スヌーピング スイッチを示します。IGMP スヌーピング スイッチは、IGMP メンバーシップ レポートと脱退メッセージをスヌーピングし、それらを必要な場合にだけ、接続されている IGMP ルータに転送します。

図 14-1 IGMP スヌーピング スイッチ

 


) このスイッチは、送信先のマルチキャスト MAC アドレスだけに基づいた IGMPv3 スヌーピングをサポートします。送信元 MAC アドレスやプロキシ レポートに基づいたスヌーピングはサポートしません。


Cisco NX-OS IGMP スヌーピング ソフトウェアは、Optimized Multicast Flooding(OMF; 最適化されたマルチキャスト フラッディング)をサポートします。これは、不明トラフィックをルータだけに転送し、データ駆動の状態生成は一切実行しません。IGMP スヌーピングの詳細については、 RFC 4541 を参照してください。

ここでは、次の内容について説明します。

「IGMPv1 および IGMPv2」

「IGMPv3」

「IGMP スヌーピング クエリア」

「IGMP 転送」

IGMPv1 および IGMPv2

IGMPv1 と IGMPv2 は両方とも、メンバーシップ レポート抑制をサポートします。つまり、同一サブネット上の 2 つのホストが同一グループのマルチキャスト データを受信する場合、他方のホストからメンバー レポートを受信するホストは、そのレポートを送信しません。メンバーシップ レポート抑制は、ポートを共有するホスト間で発生します。

各 VLAN スイッチ ポートに接続されているホストが 1 つだけの場合は、IGMPv2 での高速脱退機能を設定できます。高速脱退機能は、最後のメンバー クエリー メッセージをホストに送信しません。ソフトウェアは、IGMP 脱退メッセージを受信すると、ただちにマルチキャスト データのそのポートへの転送を停止します。

IGMPv1 は IGMP 脱退メッセージを明示的には出力しないため、ソフトウェアは、特定のグループのマルチキャスト データを受信するホストがもう残されていないことを示すために、メンバーシップ メッセージ タイムアウトを基に判断しなければなりません。


) 高速脱退機能をイネーブルにすると、残っているホストのチェックを行わないため、Cisco NX-OS は、最後のメンバー クエリーの間隔の設定を無視します。


IGMPv3

スイッチ上の IGMPv3 スヌーピングの実装は、アップストリーム マルチキャスト ルータが送信元に基づいたフィルタリングを行えるように、IGMPv3 レポートを転送します。

デフォルトでは、ソフトウェアは各 VLAN ポート上のホストを追跡します。明示的な追跡機能が、高速脱退メカニズムを提供します。すべての IGMPv3 ホストがメンバーシップ レポートを送信するため、レポート抑制機能によって、スイッチが他のマルチキャスト対応ルータに送信するトラフィックの量が制限されます。レポート抑制がイネーブルになっていて、どの IGMPv1 ホストも IGMPv2 ホストも同一グループを要求しなかった場合、ソフトウェアはプロキシ レポートを出力します。プロキシ機能は、ダウンストリーム ホストからのメンバーシップ レポートからグループの状態を構築し、アップストリーム クエリアからのクエリーに応答してメンバーシップ レポートを生成します。

IGMPv3 のメンバーシップ レポートには、LAN セグメント上のグループ メンバーのアカウンティングがすべて出力されますが、最後のホストが脱退すると、ソフトウェアはメンバーシップ クエリーを送信します。最後のメンバー クエリーについては、その間隔のパラメータを設定できます。タイムアウトになる前にホストが応答しなかった場合、ソフトウェアは、そのグループ状態を削除します。

IGMP スヌーピング クエリア

クエリーを発生させる VLAN 内にマルチキャスト ルータが存在しない場合、IGMP スヌーピング クエリアを設定して、メンバーシップ クエリーを送信させる必要があります。

IGMP スヌーピング クエリアをイネーブルにすると、IP マルチキャスト トラフィックを受信するホストからの IGMP レポート メッセージをトリガーする IGMP クエリーが定期的に送信されるようになります。IGMP スヌーピングは、これらの IGMP レポートをリスンして、適切な転送を確立します。

IGMP 転送

スイッチのコントロール プレーンは、IP アドレスを検出できますが、転送は MAC アドレスだけを使用して発生します。

スイッチに接続されているホストは、IP マルチキャスト グループに参加する場合に、参加する IP マルチキャスト グループを指定して、要求されていない IGMP 参加メッセージを送信します。それとは別に、スイッチは、接続されているルータから一般クエリーを受信したら、そのクエリーを、物理インターフェイスか仮想インターフェイスかにかかわらず、VLAN 内のすべてのインターフェイスに転送します。マルチキャスト グループに参加するホストは、スイッチに参加メッセージを送信することにより応答します。スイッチの CPU が、そのグループ用のマルチキャスト転送テーブル エントリを作成します(まだ存在しなかった場合)。また、CPU は、参加メッセージを受信したインターフェイスを、転送テーブルのエントリに追加します。そのインターフェイスにアソシエートされているホストが、そのマルチキャスト グループのマルチキャスト トラフィックを受信します。

ルータが、定期的にマルチキャスト一般クエリーを送信し、スイッチが、VLAN 内のすべてのポートを介してこれらのクエリーを転送します。関与するホストが、クエリーの応答します。VLAN 内の少なくとも 1 つのホストがマルチキャスト トラフィックを受信するようなら、ルータは、その VLAN へのマルチキャスト トラフィックの転送を続行します。スイッチは、そのマルチキャスト グループの転送テーブルにリストされているホストだけにマルチキャスト グループ トラフィックを転送します。

ホストがマルチキャスト グループから脱退するときには、ホストは、通知なしで脱退することもできれば、脱退メッセージを送信することもできます。スイッチは、ホストから脱退メッセージを受信したら、グループ固有のクエリーを送信して、そのインターフェイスに接続されているその他のデバイスの中に、そのマルチキャスト グループのトラフィックを受信するものがあるかどうかを調べます。その後、スイッチはその MAC グループの転送テーブルを更新して、そのグループのマルチキャスト トラフィックを受信する必要のあるホストだけが転送テーブルにリストされるようにします。ルータは、VLAN からレポートを 1 つも受信しなかった場合、VLAN のそのグループを IGMP キャッシュから削除します。

IGMP スヌーピング パラメータの設定

IGMP スヌーピング プロセスの動作を管理するには、 表 14-1 で説明する、省略可能な IGMP スヌーピング パラメータを設定します。

 

表 14-1 IGMP スヌーピング パラメータ

パラメータ
説明

IGMP snooping

VLAN ごとに IGMP スヌーピングをイネーブルにします。デフォルトではイネーブルになっています。

(注) グローバル設定がディセーブルになっている場合は、それぞれがイネーブルになっているかどうかに関係なく、すべての VLAN がディセーブルとして扱われます。

Explicit tracking

VLAN ごとに、各ポートについて個々のホストからの IGMPv3 メンバーシップ レポートを追跡します。デフォルトではイネーブルになっています。

Fast leave

ソフトウェアが IGMP 脱退レポートを受信したときに、IGMP クエリー メッセージを送信せずにグループ状態を削除できるようにします。このパラメータは、各 VLAN ポートにホストが 1 つしかない場合に、IGMPv2 ホストに使用されます。デフォルトはディセーブルです。

Last member query interval

ソフトウェアが、ネットワーク セグメント上に特定のマルチキャスト グループを受信するホストが残されていないかどうかを確認する IGMP クエリーを送信した後、待機する時間を設定します。応答するホストがないまま last member query interval の時間が経過すると、アソシエートされている VLAN ポートからグループは削除されます。指定できる範囲は 1 ~ 25 秒です。デフォルトは 1 秒です。

Snooping querier

クエリーを生成するマルチキャスト ルータが VLAN 内に存在しない場合に、インターフェイスのスヌーピング クエリアを設定します。デフォルトはディセーブルです。

Report suppression

マルチキャスト対応ルータに送信されるメンバーシップ レポート トラフィックを制限します。レポート抑制をディセーブルにすると、すべての IGMP レポートがそのままマルチキャスト対応ルータに送信されます。デフォルトではイネーブルになっています。

Multicast router

マルチキャスト ルータへのスタティック接続を設定します。ルータへのインターフェイスは、選択した VLAN 内になくてはなりません。

Static group

マルチキャスト グループのスタティック メンバーとして VLAN に属するインターフェイスを設定します。

IGMP スヌーピングを設定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# ip igmp snooping

スヌーピングをグローバルにイネーブル化します。デフォルトではイネーブルになっています。

(注) グローバル設定がディセーブルになっている場合は、それぞれがイネーブルになっているかどうかに関係なく、すべての VLAN がディセーブルとして扱われます。

ステップ 3

switch(config)# vlan vlan-id

VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switch(config-vlan)# ip igmp snooping

現在の VLAN の IGMP スヌーピングをイネーブルにします。デフォルトではイネーブルになっています。

(注) IGMP スヌーピングがグローバルにイネーブルになっている場合は、このコマンドは必要ありません。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping explicit-tracking

VLAN ごとに、各ポートについて個々のホストからの IGMPv3 メンバーシップ レポートを追跡します。デフォルトでは、すべての VLAN でイネーブルになっています。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping fast-leave

IGMPv2 プロトコルのホスト レポート抑制メカニズムのために明示的には追跡できない IGMPv2 ホストをサポートします。高速脱退をイネーブルにした場合は、IGMP ソフトウェアは、各 VLAN ポートに 2 つ以上のホストが存在することはないものとします。デフォルトでは、すべての VLAN でディセーブルになっています。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping last-member-query-interval seconds

IGMP クエリー メッセージに応答するホストがないまま Last member query interval の時間が経過したら、アソシエートされている VLAN ポートからグループを削除します。指定できる範囲は 1 ~ 25 秒です。デフォルトは 1 秒です。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping querier IP-address

マルチキャスト トラフィックはルーティングする必要がないため、PIM をイネーブルにしていない場合に、スヌーピング クエリアを設定します。この IP アドレスが、メッセージの送信元として使用されます。デフォルトはディセーブルです。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping report-suppression

マルチキャスト対応ルータに送信されるメンバーシップ レポート トラフィックを制限します。レポート抑制をディセーブルにすると、すべての IGMP レポートがそのままマルチキャスト対応ルータに送信されます。デフォルトではイネーブルになっています。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping mrouter interface interface

マルチキャスト ルータへのスタティック接続を設定します。ルータへのインターフェイスは、選択した VLAN 内になくてはなりません。インターフェイスは、タイプと番号で指定できます。

switch(config-vlan)# ip igmp snooping static-group group-ip-addr [ source source -ip-addr] interface interface

マルチキャスト グループのスタティック メンバーとして VLAN に属するインターフェイスを設定します。インターフェイスは、タイプと番号で指定できます。

次に、VLAN 5 の IGMP スヌーピング パラメータを設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# vlan 5
switch(config-vlan)# ip igmp snooping last-member-query-interval 3
switch(config-vlan)# ip igmp snooping querier 172.20.52.106
switch(config-vlan)# ip igmp snooping explicit-tracking
switch(config-vlan)# ip igmp snooping fast-leave
switch(config-vlan)# ip igmp snooping report-suppression
switch(config-vlan)# ip igmp snooping mrouter interface ethernet 1/10
switch(config-vlan)# ip igmp snooping static-group 230.0.0.1 interface ethernet 1/10
switch(config-vlan)# end
switch#
 

IGMP スヌーピングは、グローバルにも、特定の VLAN に対してだけでもディセーブルにできます。IGMP スヌーピングをグローバルにディセーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# no ip igmp snooping

IGMP スヌーピングをグローバルにディセーブル化します。デフォルトではイネーブルになっています。

(注) グローバル設定がディセーブルになっている場合は、それぞれがイネーブルになっているかどうかに関係なく、すべての VLAN がディセーブルとして扱われます。

ステップ 3

switch(config)# vlan vlan-id

VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switch(config-vlan)# no ip igmp snooping

現在の VLAN に対して IGMP スヌーピングをディセーブル化します。デフォルトではイネーブルになっています。

次に、VLAN 5 だけの IGMP をディセーブルにする例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# vlan 5
switch(config-vlan)# no ip igmp snooping

IGMP スヌーピングの設定の確認

IGMP スヌーピングの設定を確認するには、次のいずれかの作業を行います。

 

コマンド
説明

switch# show ip igmp snooping [[ vlan ] vlan-id ]

VLAN ごとの IGMP スヌーピング設定。

switch# show ip igmp snooping groups [[ vlan ] vlan-id ] [ detail ]

VLAN ごとのグループに関する IGMP スヌーピング情報。

switch# show ip igmp snooping querier [[ vlan ] vlan-id ]

VLAN ごとの IGMP スヌーピング クエリア。

switch# show ip igmp snooping mrouter [[ vlan ] vlan-id ]

VLAN ごとのマルチキャスト ルータ ポート。

switch# show ip igmp snooping explicit-tracking vlan vlan-id

VLAN ごとの IGMP スヌーピングの明示的な追跡情報。

次に、IGMP スヌーピング パラメータを確認する例を示します。

switch# show ip igmp snooping
Global IGMP Snooping Information:
IGMP Snooping enabled
 
IGMP Snooping information for vlan 1
IGMP snooping enabled
IGMP querier none
Switch-querier disabled
Explicit tracking enabled
Fast leave disabled
Report suppression enabled
Router port detection using PIM Hellos, IGMP Queries
Number of router-ports: 0
Number of groups: 0
IGMP Snooping information for vlan 5
IGMP snooping enabled
IGMP querier present, address: 172.16.24.1, version: 3
Querier interval: 125 secs
Querier last member query interval: 10 secs
Querier robustness: 2
Switch-querier enabled, address 172.16.24.1, currently running
Explicit tracking enabled
Fast leave enabled
Report suppression enabled
Router port detection using PIM Hellos, IGMP Queries
Number of router-ports: 1
Number of groups: 1