Cisco Nexus 3000 シリーズ NX-OS ユニキャスト ルーティング コンフィギュレーション ガイド NX-OS リリース 5.0(3)U1(1)
HSRP の設定
HSRP の設定
発行日;2012/05/09 | 英語版ドキュメント(2011/07/13 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

HSRP の設定

HSRP について

HSRP の概要

IPv4 の HSRP

HSRP のバージョン

HSRP 認証

HSRP メッセージ

HSRP ロード シェアリング

オブジェクト トラッキングおよび HSRP

仮想化のサポート

HSRP のライセンス要件

HSRPP の前提条件

注意事項および制約事項

デフォルト設定

HSRP の設定

HSRP 機能のイネーブル化

HSRP バージョン設定

IPv4 の HSRP グループの設定

HSRP 仮想 MAC アドレスの設定

HSRP の認証

HSRP オブジェクト トラッキングの設定

HSRP プライオリティの設定

HSRP のカスタマイズ

HSRP 設定の確認

HSRP の設定例

その他の関連資料

関連資料

MIB

HSRP 機能の履歴

HSRP の設定

この章では、Cisco NX-OS スイッチに Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホットスタンバイ ルータ プロトコル)を設定する方法について説明します。

この章では、次の内容について説明します。

「HSRP について」

「HSRP のライセンス要件」

「HSRPP の前提条件」

「注意事項および制約事項」

「デフォルト設定」

「HSRP の設定」

「HSRP 設定の確認」

「HSRP の設定例」

「その他の関連資料」

「HSRP 機能の履歴」

HSRP について

HSRP は First-Hop Redundancy Protocol(FHRP; ファーストホップ冗長プロトコル)であり、ファーストホップ IP ルータの透過的なフェールオーバーを可能にします。HSRP は、デフォルト ルータの IP アドレスを指定して設定された、イーサネット ネットワーク上の IP ホストにファーストホップ ルーティングの冗長性を提供します。ルータ グループでは HSRP を使用して、アクティブ ルータおよびスタンバイ ルータを選択します。ルータ グループでは、アクティブ ルータはパケットをルーティングするルータです。スタンバイ ルータは、アクティブ ルータで障害が発生した場合、または事前に設定された条件が満たされた場合に、引き継ぐルータです。

大部分のホストの実装では、ダイナミックなルータ ディスカバリ メカニズムをサポートしていませんが、デフォルトのルータを設定することはできます。すべてのホスト上でダイナミックなルータ ディスカバリ メカニズムを実行するのは、管理上のオーバーヘッド、処理上のオーバーヘッド、セキュリティ上の問題など、さまざまな理由で適切ではありません。HSRP は、そうしたホスト上にフェールオーバー サービスを提供します。

ここでは、次の内容について説明します。

「HSRP の概要」

「IPv4 の HSRP」

「HSRP のバージョン」

「HSRP 認証」

「HSRP メッセージ」

「HSRP ロード シェアリング」

「オブジェクト トラッキングおよび HSRP」

「仮想化のサポート」

HSRP の概要

HSRP を使用する場合、HSRP 仮想 IP アドレス(実際のルータの IP アドレスではなく)をホストのデフォルト ルータとして設定します。仮想 IP アドレスは、HSRP が動作するルータのグループで共有される IPv4 アドレスです。

ネットワーク セグメントで HSRP を設定する場合は、HSRP グループの仮想 MAC アドレスと仮想 IP アドレスを設定します。グループの各 HSRP 対応インターフェイス上で、同じ仮想アドレスを指定します。各インターフェイス上で、実アドレスとして機能する固有の IP アドレスおよび MAC アドレスも設定します。HSRP はこれらのインターフェイスのうちの 1 つをアクティブ ルータにするために選択します。アクティブ ルータは、グループの仮想 MAC アドレス宛のパケットを受信してルーティングします。

指定されたアクティブ ルータで障害が発生すると、HSRP によって検出されます。その時点で、選択されたスタンバイ ルータが、HSRP グループの MAC アドレスおよび IP アドレスの制御を代行します。HSRP はこの時点で、新しいスタンバイ ルータの選択も行います。

HSRP ではプライオリティ メカニズムを使用して、デフォルトのアクティブ ルータにする HSRP 設定インターフェイスを決定します。アクティブ ルータとしてインターフェイスを設定するには、グループ内の他のすべての HSRP 設定インターフェイスよりも高いプライオリティを与えます。デフォルトのプライオリティは 100 なので、それよりもプライオリティが高いインターフェイスを 1 つ設定すると、そのインターフェイスがデフォルトのアクティブ ルータになります。

HSRP が動作するインターフェイスは、マルチキャスト User Datagram Protocol(UDP; ユーザ データグラム プロトコル)ベースの hello メッセージを送受信して、障害を検出し、アクティブおよびスタンバイ ルータを指定します。アクティブ ルータが設定された時間内に hello メッセージを送信できなかった場合は、最高のプライオリティのスタンバイ ルータがアクティブ ルータになります。アクティブ ルータとスタンバイ ルータ間のパケット フォワーディング機能の移動は、ネットワーク上のすべてのホストに対して完全に透過的です。

1 つのインターフェイス上で複数の HSRP グループを設定できます。

図 12-1 に、HSRP 対応として設定されたネットワークを示します。仮想 MAC アドレスおよび仮想 IP アドレスの共有によって、2 つ以上のインターフェイスが単一の仮想ルータのように動作できます。

図 12-1 2 つの対応ルータからなる HSRP トポロジ

 

 

仮想ルータは物理的には存在しませんが、相互にバックアップするように設定されたインターフェイスにとって、共通のデフォルト ルータになります。アクティブ ルータの IP アドレスを使用して、LAN 上でホストを設定する必要はありません。代わりに、デフォルト ルータとして仮想ルータの IP アドレス(仮想 IP アドレス)を使用して、ホストを設定します。アクティブ ルータが設定時間内に hello メッセージを送信できなかった場合は、スタンバイ ルータが引き継いで仮想アドレスに応答し、アクティブ ルータになってアクティブ ルータの役割を引き受けます。ホストの観点からは、仮想ルータは同じままです。


) ルーテッド ポートで受信した HSRP 仮想 IP アドレス宛のパケットは、ローカル ルータ上で終端します。そのルータがアクティブ HSRP ルータであるのかスタンバイ HSRP ルータであるのかは関係ありません。これには ping トラフィックと Telnet トラフィックが含まれます。レイヤ 2(VLAN)インターフェイスで受信した HSRP 仮想 IP アドレス宛のパケットは、アクティブ ルータ上で終端します。


IPv4 の HSRP

HSRP ルータは HSRP hello パケットを交換することによって、相互に通信します。これらのパケットは、UDP ポート 1985 上の宛先 IP マルチキャスト アドレス 224.0.0.2(すべてのルータと通信するための予約済みマルチキャスト アドレス)に送信されます。アクティブ ルータは設定 IP アドレスおよび HSRP 仮想 MAC アドレスから hello パケットを得るのに対して、スタンバイ ルータは設定 IP アドレスおよびインターフェイス MAC アドレスから hello パケットを取得します。インターフェイス MAC アドレスは、Burned-In Address(BIA; バーンドイン MAC アドレス)のこともあれば、そうではないこともあります。BIA は、MAC アドレスの下位 6 バイトで、Network Interface Card(NIC; ネットワーク インターフェイス カード)の製造元によって割り当てられます。

ホストはデフォルト ルータが HSRP 仮想 IP アドレスとして設定されているので、HSRP 仮想 IP アドレスに関連付けられた MAC アドレスと通信する必要があります。この MAC アドレスは、仮想 MAC アドレス 0000.0C07.ACxy です。この場合、xy はそれぞれのインターフェイスに基づく、16 進数の HSRP グループ番号です。たとえば、HSRP グループ 1 は 0000.0C07.AC01 という HSRP 仮想 MAC アドレスを使用します。隣接 LAN セグメント上のホストは、標準の Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)プロセスを使用して、関連付けられた MAC アドレスを解決します。

HSRP バージョン 2 では新しい IP マルチキャスト アドレス 224.0.0.102 を使用して hello パケットを送信します。バージョン 1 では、このマルチキャスト アドレスが 224.0.0.2 です。バージョン 2 では、拡張グループ番号範囲 0 ~ 4095 を使用できます。また、新しい MAC アドレス範囲 0000.0C9F.F000 ~ 0000.0C9F.FFFF を使用します。

HSRP のバージョン

Cisco NX-OS は、デフォルトで HSRP バージョン 1 をサポートします。HSRP バージョン 2 を使用するようにインターフェイスを設定できます。

HSRP バージョン 2 では、HSRP バージョン 1 から次のように拡張されています。

グループ番号の範囲が拡大されました。HSRP バージョン 1 がサポートするグループ番号は 0 ~ 255 です。HSRP バージョン 2 がサポートするグループ番号は 0 ~ 4095 です。

IPv4 では IPv4 マルチキャスト アドレス 224.0.0.102 を使用して hello パケットを送信します。HSRP バージョン 1 では、このマルチキャスト アドレスが 224.0.0.2 です。

IPv4 の場合、MAC アドレス範囲 0000.0C9F.000 ~ 0000.0C9F.FFFF を使用します。HSRP バージョン 1 は、MAC アドレス範囲 0000.0C07.AC00 ~ 0000.0C07.ACFF を使用します。

MD 5 認証のサポートが追加されました。

HSRP のバージョンを変更すると、Cisco NX-OS がグループを再初期化します。新しい仮想 MAC アドレスがグループに与えられるからです。

HSRP バージョン 2 では HSRP バージョン 1 とは異なるパケット フォーマットを使用します。パケット フォーマットは Type-Length-Value(TLV)です。HSRP バージョン 1 ルータは、HSRP バージョン 2 パケットを受信しても無視します。

HSRP 認証

HSRP Message Digest 5(MD5; メッセージ ダイジェスト 5)アルゴリズム方式の認証は、HSRP スプーフィング ソフトウェアから保護し、業界標準である MD5 アルゴリズムを使用して、信頼性およびセキュリティを向上させます。HSRP は IPv4 アドレスを認証 TLV に含めます。

HSRP メッセージ

HSRP が設定されたルータは、次の 3 種類のマルチキャスト メッセージを交換できます。

hello:hello メッセージは、ルータの HSRP プライオリティおよびステート情報を他の HSRP ルータに伝えます。

coup:スタンバイ ルータがアクティブ ルータの機能を引き受けるときに、coup メッセージを送信します。

resign:このメッセージは、アクティブ ルータであるルータがシャットダウン直前、またはプライオリティの高いルータから hello または coup メッセージが送信されたときに、ルータから送信されます。

HSRP ロード シェアリング

HSRP では、1 つのインターフェイス上で複数のグループを設定できます。オーバーラップする 2 つの IPv4 HSRP グループを設定すると、期待されるデフォルト ルータの冗長性を HSRP から提供しながら、接続ホストからのトラフィックのロード シェアリングが可能です。図 12-2 に、ロード シェアリングが行われる HSRP IPv4 構成の例を示します。

図 12-2 HSRP ロード シェアリング

 

図 12-2 に、ルータ A、ルータ B、および 2 つの HSRP グループを示します。ルータ A はグループ A のアクティブ ルータであり、グループ B のスタンバイ ルータです。同様に、ルータ B はグループ B のアクティブ ルータであり、グループ A のスタンバイ ルータです。両方のルータがアクティブである限り、HSRP は両方のルータにわたって、ホストからのトラフィックのロード バランシングを図ります。どちらかのルータで障害が発生すると、残りのルータが引き続き、両方のホストのトラフィックを処理します。

オブジェクト トラッキングおよび HSRP

オブジェクト トラッキングを使用すると、別のインターフェイスの動作状態に基づいて、HSRP インターフェイスのプライオリティを変更できます。オブジェクト トラッキングによって、メイン ネットワークへのインターフェイスで障害が発生した場合に、スタンバイ ルータにルーティングできます。

トラッキング可能なオブジェクトは、インターフェイスのライン プロトコル ステートまたは IP ルートの到達可能性の 2 種類です。指定したオブジェクトがダウンすると、設定された値だけ、Cisco NX-OS が HSRP プライオリティを引き下げます。詳細については、「HSRP オブジェクト トラッキングの設定」を参照してください。

仮想化のサポート

HSRP は Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよび転送)インスタンスをサポートします。デフォルトでは、特に別の VRF を設定しない限り、Cisco NX-OS によりデフォルト VRF が使用されます。

インターフェイスの VRF メンバシップを変更すると、Cisco NX-OS によって HSRP を含め、すべてのレイヤ 3 設定が削除されます。

詳細については、「レイヤ 3 仮想化の設定」を参照してください。

HSRP のライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

製品
ライセンス要件

Cisco NX-OS

HSRP にライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能はすべて Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされており、追加費用は一切発生しません。Cisco NX-OS ライセンス方式の詳細については、『 Cisco NX-OS Licensing Guide 』を参照してください。

(注) レイヤ 3 インターフェイスをイネーブルにするため、LAN Base Services ライセンスがスイッチにインストールされていることを確認します。

HSRPP の前提条件

HSRP の前提条件は、次のとおりです。

HSRP グループを設定してイネーブルにするには、その前に HSRP 機能をスイッチでイネーブルにする必要があります。

注意事項および制約事項

HSRP 設定時の注意事項および制約事項は、次のとおりです。

最小 hello タイマー値は 250 ミリ秒です。

最小ホールド タイマー値は 750 ミリ秒です。

HSRP を設定するインターフェイスに IP アドレスを設定し、そのインターフェイスをイネーブルにしてからでなければ、HSRP はアクティブになりません。

IPv4 では、仮想 IP アドレスは、インターフェイス IP アドレスと同じサブネットになければなりません。

同一インターフェイス上では、複数のファーストホップ冗長プロトコルを設定しないことを推奨します。

HSRP バージョン 2 は HSRP バージョン 1 と相互運用できません。どちらのバージョンも相互に排他的なので、インターフェイスはバージョン 1 およびバージョン 2 の両方を運用できません。しかし、同一ルータの異なる物理インターフェイス上であれば、異なるバージョンを実行できます。

バージョン 1 で認められるグループ番号範囲(0 ~ 255)を超えるグループを設定している場合は、バージョン 2 からバージョン 1 への変更はできません。

インターフェイス VRF メンバシップまたはポート チャネル メンバシップを変更した場合、またはポート モードをレイヤ 2 に変更した場合は、Cisco NX-OS によってインターフェイス上のすべてのレイヤ 3 設定が削除されます。

デフォルト設定

表 12-1 に、HSRP パラメータのデフォルト設定を示します。

 

表 12-1 デフォルトの HSRP パラメータ

パラメータ
デフォルト

HSRP

ディセーブル

認証

バージョン 1 の場合はテキストとしてイネーブル、パスワードは cisco

HSRP バージョン

バージョン 1

プリエンプト

ディセーブル

プライオリティ

100

仮想 MAC アドレス

HSRP グループ番号から生成

HSRP の設定

ここでは、次の内容について説明します。

「HSRP 機能のイネーブル化」

「HSRP バージョン設定」

「IPv4 の HSRP グループの設定」

「HSRP 仮想 MAC アドレスの設定」

「HSRP の認証」

「HSRP オブジェクト トラッキングの設定」

「HSRP プライオリティの設定」

「HSRP のカスタマイズ」


Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能の Cisco NX-OS コマンドは従来の Cisco IOS コマンドと異なる点があるため注意が必要です。


HSRP 機能のイネーブル化

HSRP グループを設定してイネーブルにするには、その前に HSRP 機能をグローバルでイネーブルにする必要があります。

手順の詳細

HSRP 機能をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

feature hsrp

 

例:

switch(config)# feature hsrp

HSRP をイネーブルにします。

HSRP 機能をディセーブルにして、関連付けられている設定をすべて削除するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

no feature hsrp

 

例:

switch(config)# no feature hsrp

HSRP をディセーブルにします。

HSRP バージョン設定

HSRP のバージョンを設定できます。既存グループのバージョンを変更すると、仮想 MAC アドレスが変更されるので、Cisco NX-OS がそれらのグループの HSRP を再初期化します。HSRP のバージョンは、インターフェイス上のすべてのグループに適用されます。

HSRP のバージョンを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

hsrp version { 1 | 2 }

 

例:

switch(config-if)# hsrp version 2

HSRP バージョンを設定します。バージョン 1 がデフォルトです。

IPv4 の HSRP グループの設定

IPv4 インターフェイス上で HSRP グループを設定し、その HSRP グループに仮想 IP アドレスおよび仮想 MAC アドレスを設定できます。

はじめる前に

HSRP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「HSRP 機能のイネーブル化」を参照)。

グループのいずれかのメンバ インターフェイス上で仮想 IP アドレスを設定すると、Cisco NX-OS によって HSRP がイネーブルになります。HSRP グループをイネーブルにする前に、認証、タイマー、プライオリティなどの HSRP 属性を設定する必要があります。

手順の概要

1. configure terminal

2. interface type number

3. no switchport

4. ip ip-address/length

5. hsrp group-number [ ipv4 ]

6. ip [ ip-address [ secondary ]]

7. exit

8. no shutdown

9. (任意) show hsrp [group group-number ] [ ipv4 ]

10. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface type number

 

例:

switch(config)# interface ethernet 1/2

switch(config-if)#

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

no switchport

 

例:

switch(config-if)# no switchport

そのインターフェイスを、レイヤ 3 ルーテッド インターフェイスとして設定します。

ステップ 4

ip ip-address/length

 

例:

switch(config-if)# ip 192.0.2.2/8

インターフェイスの IPv4 アドレスを設定します。

ステップ 5

hsrp group-number [ ipv4 ]

 

例:

switch(config-if)# hsrp 2

switch(config-if-hsrp)#

HSRP グループを作成し、HSRP コンフィギュレーション モードを開始します。HSRP バージョン 1 で指定できる範囲は 0 ~ 255 です。HSRP バージョン 2 で指定できる範囲は 0 ~ 4095 です。デフォルト値は 0 です。

ステップ 6

ip [ ip-address [ secondary ]]

 

例:

switch(config-if-hsrp)# ip 192.0.2.1

HSRP グループの仮想 IP アドレスを設定し、グループをイネーブルにします。このアドレスは、インターフェイスの IPv4 アドレスと同じサブネットになければなりません。

ステップ 7

exit

 

例:

switch(config-if-hsrp)# exit

HSRP コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 8

no shutdown

 

例:

switch(config-if)# no shutdown

インターフェイスをイネーブルにします。

ステップ 9

show hsrp [ group group-number ] [ ipv4 ]

 

例:

switch(config-if)# show hsrp group 2

(任意)HSRP 情報を表示します。

ステップ 10

copy running-config startup-config

 

例:

switch(config-if)# copy running-config startup-config

(任意)この設定の変更を保存します。

 


) 設定完了後にインターフェイスをイネーブルにするには、no shutdown コマンドを使用する必要があります。


次に Ethernet 1/2 上で HSRP グループを設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# ip 192.0.2.2/8
switch(config-if)# hsrp 2
switch(config-if-hsrp)# ip 192.0.2.1
switch(config-if-hsrp)# exit
switch(config-if)# no shutdown
switch(config-if)# copy running-config startup-config
 

HSRP 仮想 MAC アドレスの設定

設定されたグループ番号に基づいて HSRP が生成したデフォルト仮想 MAC アドレスを変更できます。

HSRP グループの仮想 MAC アドレスを手動で設定するには、HSRP コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

mac-address string

 

例:

switch(config-if-hsrp)# mac-address 5000.1000.1060

HSRP グループの仮想 MAC アドレスを設定します。ストリングには標準の MAC アドレス フォーマット(xxxx.xxxx.xxxx)を使用します。

仮想 MAC アドレスに BIA(バーンドイン MAC アドレス)を使用するように HSRP を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

hsrp use-bia [ scope interface ]

 

例:

switch(config-if)# hsrp use-bia

HSRP 仮想 MAC アドレスにインターフェイスの BIA を使用するように、HSRP を設定します。任意で scope interface キーワードを使用すると、このインターフェイス上のすべてのグループに BIA を使用するように HSRP を設定できます。

HSRP の認証

クリアテキストまたは MD5 ダイジェスト認証を使用してプロトコルを認証するように、HSRP を設定できます。MD5 認証ではキーチェーンを使用します(『 Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Security Configuration Guide 』を参照)。

はじめる前に

HSRP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「HSRP 機能のイネーブル化」を参照)。

HSRP グループのすべてのメンバに同じ認証およびキーを設定する必要があります。

MD5 認証を使用する場合は、キーチェーンが作成してあることを確認します。

手順の概要

1. configure terminal

2. interface interface- type slot/port

3. no switchport

4. hsrp group- number [ ipv4 ]

5. authentication text string
または
authentication md5 { key-chain key-chain | key-string { 0 | 7 } text [ timeout seconds ]}

6. (任意) show hsrp [ group group-number ]

7. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-type slot/port

 

例:

switch(config)# interface ethernet 1/2

switch(config-if)#

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

no switchport

 

例:

switch(config-if)# no switchport

そのインターフェイスを、レイヤ 3 ルーテッド インターフェイスとして設定します。

ステップ 4

hsrp group-number [ ipv4 ]

 

例:

switch(config-if)# hsrp 2

switch(config-if-hsrp)#

HSRP グループを作成し、HSRP コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

authentication text string

 

例:

switch(config-if-hsrp)# authentication text mypassword

このインターフェイス上で、HSRP のクリアテキスト認証を設定します。

authentication md5 { key-chain key-chain | key-string { 0 | 7 } text [ timeout seconds ]}

 

例:

switch(config-if-hsrp)# authentication md5 key-chain hsrp-keys

このインターフェイス上で、HSRP の MD5 認証を設定します。キーチェーンまたはキー ストリングを使用できます。キー ストリングを使用する場合は、HSRP が新しいキーだけを受け付けるように、任意でタイムアウトを設定できます。指定できる範囲は 0 ~ 32767 秒です。

ステップ 6

show hsrp [ group group-number ]

 

例:

switch(config-if-hsrp)# show hsrp group 2

(任意)HSRP 情報を表示します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

 

例:

switch(config-if-hsrp)# copy running-config startup-config

(任意)この設定の変更を保存します。

次に、キーチェーン作成後に HSRP の MD5 認証を Ethernet 1/2 上で設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# key chain hsrp-keys
switch(config-keychain)# key 0
switch(config-keychain-key)# key-string 7 zqdest
switch(config-keychain-key) accept-lifetime 00:00:00 Jun 01 2008 23:59:59 Sep 12 2008
switch(config-keychain-key) send-lifetime 00:00:00 Jun 01 2008 23:59:59 Aug 12 2008
switch(config-keychain-key) key 1
switch(config-keychain-key) key-string 7 uaeqdyito
switch(config-keychain-key) accept-lifetime 00:00:00 Aug 12 2008 23:59:59 Dec 12 2008
switch(config-keychain-key) send-lifetime 00:00:00 Sep 12 2008 23:59:59 Nov 12 2008
switch(config-keychain-key)# interface ethernet 1/2

switch(config-if)# no switchport

switch(config-if)# hsrp 2
switch(config-if-hsrp)# authenticate md5 key-chain hsrp-keys
switch(config-if-hsrp)# copy running-config startup-config
 

HSRP オブジェクト トラッキングの設定

他のインターフェイスまたはルータの可用性に基づいて、プライオリティが調整されるように HSRP グループを設定できます。スイッチがオブジェクト トラッキング対応として設定されていて、なおかつトラッキング対象のオブジェクトがダウンした場合、スイッチのプライオリティはダイナミックに変更されます。トラッキング プロセスはトラッキング対象オブジェクトに定期的にポーリングを実行し、値の変化をすべて記録します。値が変化すると、HSRP がプライオリティを再計算します。HSRP インターフェイスにプリエンプトを設定している場合は、プライオリティの高い HSRP インターフェイスがアクティブ ルータになります。

HSRP では、トラッキング対象のオブジェクトおよびトラック リストをサポートします。トラック リストの詳細については、「オブジェクト トラッキングの設定」を参照してください。

はじめる前に

HSRP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「HSRP 機能のイネーブル化」を参照)。

手順の概要

1. configure terminal

2. track object- id interface interface-type number { ip routing | line-protocol }
または
track object- id ip route ip-prefix/length reachability

3. interface interface- type slot/port

4. no switchport

5. hsrp group-number [ ipv4 ]

6. priority [ value ]

7. track object-number [ decrement value ]

8. preempt [ delay minimum seconds ] [ reload seconds ] [ sync seconds ]

9. (任意) show hsrp interface interface-type number

10. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track object-id interface interface-type number { ip routing | line-protocol }

 

例:

switch(config)# track 1 interface ethernet 2/2 line-protocol

switch(config-track#

この HSRP インターフェイスが追跡するインターフェイスを設定します。インターフェイスのステート変化は次のように、この HSRP のプライオリティを左右します。

HSRP コンフィギュレーション モードで、 track コマンドで使用するインターフェイスおよび対応するオブジェクト番号を設定します。

line-protocol キーワードを指定すると、インターフェイスがアップかどうかが追跡されます。 ip キーワードを指定すると、インターフェイス上で IP ルーティングがイネーブルであり、IP アドレスが設定されているかどうかもチェックされます。

track object-id ip route ip-prefix/length reachability

 

例:

switch(config)# track 2 ip route 192.0.2.0/8 reachability

switch(config-track#

ルートのトラッキング対象オブジェクトを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 object-id の範囲は 1 ~ 500 です。

ステップ 3

interface interface-type slot/port

 

例:

switch(config)# interface ethernet 1/2

switch(config-if)#

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

no switchport

 

例:

switch(config-if)# no switchport

そのインターフェイスを、レイヤ 3 ルーテッド インターフェイスとして設定します。

ステップ 5

hsrp group-number [ ipv4 ]

 

例:

switch(config-if)# hsrp 2

switch(config-if-hsrp)#

HSRP グループを作成し、HSRP コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 6

priority [ value ]

 

例:

switch(config-if-hsrp)# priority 254

HSRP グループでのアクティブ ルータ選択に使用するプライオリティ レベルを設定します。指定できる範囲は 0 ~ 255 です。デフォルトは 100 です。

ステップ 7

track object-number [ decrement value ]

 

例:

switch(config-if-hsrp)# track 1 decrement 20

HSRP インターフェイスの重み付けを左右する、トラッキング対象のオブジェクトを指定します。

value 引数には、トラッキング対象のオブジェクトで障害が発生した場合に、HSRP インターフェイスのプライオリティから差し引く値を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルトは 10 です。

ステップ 8

preempt [ delay [ minimum seconds ] [ reload seconds ] [ sync seconds ]]

 

例:

switch(config-if-hsrp)# preempt delay minimum 60

現在のアクティブ ルータよりプライオリティが高い場合に、HSRP グループのアクティブ ルータとして引き継ぐようにルータを設定します。このコマンドは、デフォルトではディセーブルです。指定できる範囲は 0 ~ 3600 秒です。

ステップ 9

show hsrp interface interface-type number

 

例:

switch(config-if-hsrp)# show hsrp interface ethernet 1/2

(任意)インターフェイスの HSRP 情報を表示します。

ステップ 10

copy running-config startup-config

 

例:

switch(config-if-hsrp)# copy running-config startup-config

(任意)この設定の変更を保存します。

次に、Ethernet 1/2 上で HSRP オブジェクト トラッキングを設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# track 1 interface ethernet 2/2 line-protocol
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# hsrp 2
switch(config-if-hsrp)# track 1 decrement 20
switch(config-if-hsrp)# copy running-config startup-config
 

HSRP プライオリティの設定

インターフェイス上で HSRP プライオリティを設定できます。HSRP では、プライオリティを使用して、アクティブ ルータとして動作する HSRP グループ メンバを決定します。

HSRP プライオリティを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

priority level [ forwarding-threshold lower lower-value upper upper-value ]

 

例:

switch(config-if-hsrp)# priority 60 forwarding-threshold lower 40 upper 50

HSRP グループでのアクティブ ルータ選択に使用するプライオリティ レベルを設定します。 level の範囲は 0 ~ 255 です。デフォルトは 100 です。

HSRP のカスタマイズ

任意で、HSRP の動作をカスタマイズできます。仮想 IP アドレスを設定することによって、HSRP グループをイネーブルにすると、そのグループがただちに動作可能になることに注意してください。HSRP をカスタマイズする前に HSRP グループをイネーブルにした場合、機能のカスタマイズが完了しないうちに、ルータがグループの制御を引き継いでアクティブ ルータになる可能性があります。HSRP のカスタマイズを予定している場合は、HSRP グループをイネーブルにする前に行ってください。

HSRP をカスタマイズするには、HSRP コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

name string

 

例:

switch(config-if-hsrp)# name HSRP-1

HSRP グループの IP 冗長名を指定します。 string は 1 ~ 255 文字です。デフォルト ストリングのフォーマットは、

hsrp-<interface-short-name>-<group-id> です。たとえば、hsrp-Eth2/1-1 です。

preempt [ delay [ minimum seconds ] [ reload seconds ] [ sync seconds ]]

 

例:

switch(config-if-hsrp)# preempt delay minimum 60

現在のアクティブ ルータよりもプライオリティが高い場合に、HSRP グループのアクティブ ルータとして引き継ぐようにルータを設定します。このコマンドは、デフォルトではディセーブルです。指定できる範囲は 0 ~ 3600 秒です。

timers [ msec ] hellotime [ msec ] holdtime

 

例:

switch(config-if-hsrp)# timers 5 18

次のように、この HSRP メンバーの hello タイムおよびホールド タイムを設定します。

hellotime :hello パケットを送信してから、次の hello パケットを送信するまでのインターバル。指定できる範囲は 1 ~ 254 秒です。

holdtime :hello パケットの情報が無効と見なされるまでのインターバル。指定できる範囲は 3 ~ 255 です。

オプションの msec キーワードでは、引数をデフォルトの秒単位ではなく、ミリ秒単位で表すことを指定します。タイマーの範囲(ミリ秒)は次のとおりです。

hellotime :hello パケットを送信してから、次の hello パケットを送信するまでのインターバル。指定できる範囲は 255 ~ 999 ミリ秒です。

holdtime :hello パケットの情報が無効と見なされるまでのインターバル。指定できる範囲は 750 ~ 3000 ミリ秒です。

HSRP をカスタマイズするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンドまたはアクション
目的

hsrp delay minimum seconds

 

例:

switch(config-if)# hsrp delay minimum 30

グループがイネーブルになってから、グループに参加するまでに HSRP が待機する最小時間を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 10000 秒です。デフォルトは 0 です。

hsrp delay reload seconds

 

例:

switch(config-if)# hsrp delay reload 30

リロード後、グループに参加するまでに HSRP が待機する最小時間を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 10000 秒です。デフォルトは 0 です。

HSRP 設定の確認

HSRP の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

 

コマンド
目的

show hsrp [group group-number]

すべてのグループまたは特定のグループの HSRP ステータスを表示します。

show hsrp delay [interface interface-type slot/port]

すべてのインターフェイスまたは特定のインターフェイスの HSRP 遅延値を表示します。

show hsrp [interface interface-type slot/port]

インターフェイスの HSRP ステータスを表示します。

show hsrp [group group-number] [interface interface-type slot/port] [active] [all] [init] [learn] [listen] [speak] [standby]

ステートが active、init、listen、または standby の仮想フォワーダについて、グループまたはインターフェイスの HSRP ステータスを表示します。disabled を含めてすべてのステートを表示する場合は、 all キーワードを使用します。

show hsrp [group group-number] [interface interface-type slot/port] active] [all] [init] [learn] [listen] [speak] [standby] brief

ステートが active、init、listen、または standby の仮想フォワーダについて、グループまたはインターフェイスの HSRP ステータスの要約を表示します。disabled を含めてすべてのステートを表示する場合は、 all キーワードを使用します。

HSRP の設定例

次に、MD5 認証およびインターフェイス トラッキングを指定して、インターフェイス上で HSRP をイネーブルにする例を示します。

key chain hsrp-keys
key 0
key-string 7 zqdest
accept-lifetime 00:00:00 Jun 01 2008 23:59:59 Sep 12 2008
send-lifetime 00:00:00 Jun 01 2008 23:59:59 Aug 12 2008
key 1
key-string 7 uaeqdyito
accept-lifetime 00:00:00 Aug 12 2008 23:59:59 Dec 12 2008
send-lifetime 00:00:00 Sep 12 2008 23:59:59 Nov 12 2008
feature hsrp
track 2 interface ethernet 2/2 ip
interface ethernet 1/2
no switchport
ip address 192.0.2.2/8
hsrp 1
authenticate md5 key-chain hsrp-keys
priority 90
track 2 decrement 20
ip-address 192.0.2.10
no shutdown
 

その他の関連資料

HSRP の実装に関する詳細は、次の各項を参照してください。

「関連資料」

「MIB」

関連資料

 

関連項目
参照先

VRRP の設定

「VRRP の設定」

HSRP CLI コマンド

『Cisco Nexus 3000 Series Command Reference

MIB

 

管理情報ベース(MIB)
MIB のリンク

CISCO-HSRP-MIB

MIB を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。

http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml

HSRP 機能の履歴

表 12-2 は、この機能のリリースの履歴です。

 

表 12-2 HSRP 機能の履歴

機能名
リリース
機能情報

HSRP

5.0(3)U1(1)

この機能が導入されました。