レイヤ 2/3 コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE リリース 3.6E(Catalyst 3850 スイッチ)
複数のスパニング ツリー プロトコルの設定
複数のスパニング ツリー プロトコルの設定

目次

複数のスパニング ツリー プロトコルの設定

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよびソフトウェア リリースの Bug Search Tool およびリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator には、http:/​/​www.cisco.com/​go/​cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

MSTP の前提条件

  • 2 つ以上のswitchesを同じマルチ スパニングツリー(MST)リージョンに設定するには、その 2 つに同じ VLAN/インスタンス マッピング、同じコンフィギュレーション リビジョン番号、同じ名前を設定しなければなりません。

  • 2 つ以上のスタック スイッチを同じ MST リージョンに設定するには、その複数のスイッチに同じ VLAN/インスタンス マッピング、同じコンフィギュレーション リビジョン番号、同じ名前を設定する必要があります。

  • ネットワーク内の冗長パスでロード バランシングを機能させるには、すべての VLAN/インスタンス マッピングの割り当てが一致している必要があります。一致していないと、すべてのトラフィックが 1 つのリンク上で伝送されます。 パス コストを手動で設定することで、switch スタック全体にわたりロード バランシングを実現できます。

  • Per-VLAN Spanning-Tree Plus(PVST+)と MST クラウドの間、または Rapid- PVST+ と MST クラウドの間でロード バランシングが機能するためには、すべての MST 境界ポートがフォワーディングでなければなりません。 MST クラウドの内部スパニング ツリー(IST)マスターが共通スパニング ツリー(CST)のルートである場合、MST 境界ポートはフォワーディングです。 MST クラウドが複数の MST リージョンから構成されている場合、いずれかの MST リージョンに CST ルートを含める必要があり、その他すべての MST リージョンに、PVST+ クラウドまたは高速 PVST+ クラウドを通るパスよりも、MST クラウド内に含まれるルートへのパスが良くする必要があります。 クラウド内のswitchesを手動で設定しなければならない場合もあります。

MSTP の制約事項

  • Catalyst 3850 および Catalyst 3650 スイッチの組み合わせを含むスイッチ スタックを含めることはできません。
  • switch スタックは最大 65 の MST インスタンスをサポートします。 特定の MST インスタンスにマッピング可能な VLAN 数に制限はありません。

  • PVST+、Rapid PVST+、および MSTP はサポートされますが、アクティブにできるのは 1 つのバージョンだけです (たとえば、すべての VLAN で PVST+ を実行する、すべての VLAN で Rapid PVST+ を実行する、またはすべての VLAN で MSTP を実行します)。

  • すべてのスタック メンバーは同一のスパニングツリー バージョンを実行する必要があります(すべての PVST+、Rapid PVST+、または MSTP)。

  • MST コンフィギュレーションの VLAN トランキング プロトコル(VTP)伝搬はサポートされません。 ただし、コマンドライン インターフェイス(CLI)または簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)サポートを通じて、MST リージョン内の各switchで MST コンフィギュレーション(リージョン名、リビジョン番号、および VLAN とインスタンスのマッピング)を手動で設定することは可能です。

  • ネットワークを多数のリージョンに分割することは推奨できません。 ただし、どうしても分割せざるを得ない場合は、スイッチド LAN をルータまたは非レイヤ 2 デバイスで相互接続された小規模な LAN に分割することを推奨します。

  • リージョンは、同じ MST コンフィギュレーションを持つ 1 つまたは複数のメンバーで構成されます。リージョンの各メンバーは高速スパニングツリー プロトコル(RSTP)ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)を処理する機能を備えている必要があります。 ネットワーク内の MST リージョンの数には制限はありませんが、各リージョンがサポートできるスパニングツリー インスタンスの数は 65 までです。 VLAN には、一度に 1 つのスパニングツリー インスタンスのみ割り当てることができます。

  • switchをルート switchとして設定した後に、spanning-tree mst hello-timespanning-tree mst forward-time、および spanning-tree mst max-age グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムを手動で設定することは推奨できません。

表 1 PVST+、MSTP、Rapid PVST+ の相互運用性と互換性
 

PVST+

MSTP

Rapid PVST+

PVST+

あり

あり(制限あり)

あり(PVST+ に戻る)

MSTP

あり(制限あり)

あり

あり(PVST+ に戻る)

Rapid PVST+

あり(PVST+ に戻る)

あり(PVST+ に戻る)

あり

MSTP について

MSTP の設定

高速コンバージェンスのために RSTP を使用する MSTP では、複数の VLAN をグループ化して同じスパニングツリー インスタンスにマッピングすることが可能で、多くの VLAN をサポートするのに必要なスパニングツリー インスタンスの数を軽減できます。 MSTP は、データ トラフィックに複数の転送パスを提供し、ロード バランシングを実現して、多数の VLAN をサポートするのに必要なスパニングツリー インスタンスの数を減らすことができます。 MSTP を使用すると、1 つのインスタンス(転送パス)で障害が発生しても他のインスタンス(転送パス)は影響を受けないので、ネットワークのフォールトトレランスが向上します。


(注)  


マルチ スパニングツリー(MST)実装は IEEE 802.1s 標準に準拠しています。


MSTP を導入する場合、最も一般的なのは、レイヤ 2 スイッチド ネットワークのバックボーンおよびディストリビューション レイヤへの導入です。 MSTP の導入により、サービス プロバイダー環境に求められる高可用性ネットワークを実現できます。

switchが MST モードの場合、IEEE 802.1w 準拠の RSTP が自動的にイネーブルになります。 RSTP は、IEEE 802.1D の転送遅延を軽減し、ルート ポートおよび指定ポートをフォワーディング ステートにすばやく移行する明示的なハンドシェイクによって、スパニングツリーの高速コンバージェンスを実現します。

MSTP と RSTP は、既存のシスコ独自の Multiple Instance STP(MISTP)、および既存の Cisco PVST+ と Rapid Per-VLAN Spanning-Tree plux(Rapid PVST+)を使用して、スパニングツリーの動作を改善し、(オリジナルの)IEEE 802.1D スパニング ツリーに準拠した機器との下位互換性を保持しています。

switch スタックは、ネットワークのその他の部分に対しては単一のスパニングツリー ノードに見え、すべてのスタック メンバーが同一のswitch ID を使用します。

MSTP 設定時の注意事項

  • spanning-tree mode mst グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、MST をイネーブルにすると、RSTP が自動的にイネーブルになります。

  • UplinkFast、BackboneFast、クロススタック UplinkFast の設定のガイドラインについては、関連項目のセクションの該当するセクションを参照してください。

  • switchが MST モードの場合は、パス コスト値の計算に、ロング パス コスト計算方式(32 ビット)が使用されます。 ロング パス コスト計算方式では、次のパス コスト値がサポートされます。

速度

パス コスト値

10 Mb/s

2,000,000

100 Mb/s

200,000

1 Gb/s

20,000

10 Gb/s

2,000

100 Gb/s

200

関連コンセプト

ルート スイッチ

switchは、マッピングされている VLAN グループのスパニングツリー インスタンスを保持しています。 switch ID は、switchのプライオリティおよびswitchの MAC アドレスで構成されており、各インスタンスに関連付けられます。 VLAN のグループでは、最小のswitch ID をもつswitchがルート switchになります。

switchをルートとして設定する場合は、switch プライオリティをデフォルト値(32768)からそれより大幅に低い値に変更し、switchが、指定したスパニング ツリー インスタンスのルート switchになるようにします。 このコマンドを入力すると、switchはルート switchesswitch プライオリティをチェックします。 拡張システム ID をサポートしているため、24576 という値でswitchesが指定したスパニングツリー インスタンスのルートとなる場合、そのswitchは指定したインスタンスに対する自身のプライオリティを 24576 に設定します。

指定されたインスタンスのルート switchに 24576 に満たないswitch プライオリティが設定されている場合は、switchは自身のプライオリティを最小のswitch プライオリティより 4096 だけ小さい値に設定します (4096 は 4 ビット switch プライオリティの最下位ビットの値です)。 詳細については、関連項目の「Bridge ID, Switch Priority, and Extended System ID」リンクを参照してください。

ネットワークが、拡張システム ID をサポートするswitchesとサポートしないものの両方で構成されている場合、拡張システム ID をサポートするswitchがルート switchになる可能性は低くなります。 古いソフトウェアを実行している接続switchのプライオリティより VLAN 番号が大きい場合は常に、拡張システム ID によってスイッチ プライオリティ値が増加します。

各スパニングツリー インスタンスのルート switchは、バックボーンまたはディストリビューション switchでなければなりません。 アクセス switchをスパニングツリー プライマリ ルートとして設定しないでください。

レイヤ 2 ネットワークの直径(つまり、レイヤ 2 ネットワーク上の任意の 2 つのエンド ステーション間の最大switch ホップ カウント)を指定するには、diameter キーワード(MST インスタンスが 0 の場合のみ使用できる)を指定します。 ネットワーク直径を指定すると、switchはその直径を持つネットワークに最適な hello タイム、転送遅延時間、および最大エージング タイムを自動的に設定します。その結果、コンバージェンスに要する時間が大幅に短縮されます。 hello キーワードを使用して、自動的に計算される hello タイムを上書きすることができます。

関連タスク
関連資料

MST リージョン

スイッチを MST インスタンスに加入させるには、同じ MST コンフィギュレーション情報を使用して矛盾のないようにスイッチを設定する必要があります。 同じ MST 設定の相互接続スイッチの集まりによって MST リージョンが構成されます。

MST 設定では、それぞれのswitchが属する MST リージョンが制御されます。 この設定には、領域の名前、バージョン番号、MST VLAN とインスタンスの割り当てマップが含まれます。 その中で MST リージョンの設定を指定することにより、リージョンのswitchを設定します。 MST インスタンスに VLAN をマッピングし、リージョン名を指定して、リビジョン番号を設定できます。 手順と例については、関連項目の「MST リージョンの設定の指定と MSTP のイネーブル化」リンクをクリックします。

リージョンには、同一の MST コンフィギュレーションを持った 1 つまたは複数のメンバが必要です。 さらに、各メンバは、RSTP ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)を処理できる必要があります。 ネットワーク内の MST リージョンの数には制限はありませんが、各リージョンがサポートできるスパニングツリー インスタンスの数は 65 までです。 インスタンスは、0 ~ 4094 の範囲の任意の番号で識別できます。 VLAN には、一度に 1 つのスパニングツリー インスタンスのみ割り当てることができます。

IST、CIST、CST

すべてのスパニングツリー インスタンスが独立している PVST+ および Rapid PVST+ とは異なり、MSTP は次の 2 つのタイプのスパニングツリーを確立して保持しています。

  • Internal Spanning-Tree(IST)は、1 つの MST リージョン内で稼働するスパニングツリーです。

    各 MST リージョン内の MSTP は複数のスパニングツリー インスタンスを維持しています。 インスタンス 0 は、リージョンの特殊なインスタンスで、IST と呼ばれています。 その他すべての MSTI には、1 ~ 4094 の番号が付きます。

    IST は、BPDU を送受信する唯一のスパニングツリー インスタンスです。 他のスパニングツリーの情報はすべて、MSTP BPDU 内にカプセル化されている M レコードに格納されています。 MSTP BPDU はすべてのインスタンスの情報を伝送するので、複数のスパニングツリー インスタンスをサポートする処理が必要な BPDU の数を大幅に減少できます。

    同一リージョン内の すべての MST インスタンスは同じプロトコル タイマーを共有しますが、各 MST インスタンスは独自のトポロジ パラメータ(ルート switch ID、ルート パス コストなど)を持っています。 デフォルトでは、すべての VLAN が IST に割り当てられます。

    MSTI はリージョンにローカルです。たとえばリージョン A およびリージョン B が相互接続されていても、リージョン A の MSTI 1 は、リージョン B の MSTI 1 に依存しません。

  • Common and Internal Spanning-Tree(CIST)は、各 MST リージョン内の IST と、MST リージョンおよびシングル スパニングツリーを相互接続する Common Spanning-Tree(CST)の集合です。

    1 つのリージョン内で計算されたスパニングツリーは、スイッチド ドメイン全体を網羅する CST のサブツリーと見なされます。 CIST は、IEEE 802.1w、IEEE 802.1s、および IEEE 802.1D 標準をサポートするスイッチ間で実行されるスパニングツリー アルゴリズムによって形成されます。 MST リージョン内の CIST は、リージョン外の CST と同じです。

MST リージョン内の動作

IST は 1 つのリージョン内のすべての MSTP スイッチを接続します。 IST が収束すると、IST のルートは、CIST リージョナル ルート(IEEE 802.1s 標準が実装される以前は IST マスターと呼ばれた)になります。 これは、リージョン内で最も小さいswitch ID、および CIST ルートに対するパス コストをもつswitchです。 ネットワークに領域が 1 つしかない場合、CIST リージョナル ルートは CIST ルートにもなります。 CIST ルートがリージョンの外部にある場合、リージョンの境界に位置する MSTP スイッチの 1 つが CIST リージョナル ルートとして選択されます。

MSTP switchは初期化時に、自身が CIST のルートおよび CIST リージョナル ルートであることを主張するために CIST ルートと CIST リージョナル ルートへのパス コストがいずれもゼロに設定された BPDU を送信します。 switchはすべての MSTI を初期化し、そのすべてのルートであることを主張します。 switchは、ポート用に現在保存されているものより上位の MST ルート情報(低いswitch ID、低いパス コストなど)を受信した場合、CIST リージョナル ルートとしての主張を放棄します。

リージョンには、初期化中に多くのサブ リージョンが含まれて、それぞれに独自の CIST リージョナル ルートが含まれることがあります。 スイッチは、優位の IST 情報を受信すると、古いサブリージョンを脱退して、真の CIST リージョナル ルートが含まれている新しいサブリージョンに加入します。 真の CIST リージョナル ルートが含まれている以外のサブリージョンは、すべて縮小します。

正常な動作のためには、MST リージョン内のすべてのスイッチが同じ CIST リージョナル ルートを承認する必要があります。 共通の CIST リージョナル ルートに収束する場合、そのリージョン内にある 2 つのスイッチは、1 つの MST インスタンスに対するポートの役割のみを同期させます。

関連コンセプト

MST リージョン間の動作

ネットワーク内に複数のリージョンまたはレガシー IEEE 802.1D switchesが混在している場合、MSTP は、ネットワーク内のすべての MST リージョンとすべてのレガシー STP switchesから構成される CST を構築して保持します。 MSTI は、リージョンの境界にある IST と組み合わさり、CST になります。

IST はリージョン内のすべての MSTP switchesを接続し、スイッチド ドメイン全体を囲む CIST のサブツリーとして認識されます。 サブツリーのルートは CIST リージョナル ルートです。 MST リージョンは、隣接する STP switchおよび MST リージョンへの仮想switchesとして認識されます。

CST インスタンスのみが BPDU を送受信し、MST インスタンスはスパニングツリー情報を BPDU に追加して隣接するswitchesと相互作用し、最終的なスパニングツリー トポロジーを算出します。 そのため、BPDU 送信に関連したスパニングツリー パラメータ(たとえば hello タイム、転送時間、最大エージング タイム、最大ホップ数など)は、CST インスタンスのみで設定されますが、すべての MST インスタンスに影響します。 スパニングツリー トポロジに関連するパラメータ(switch プライオリティ、ポート VLAN コスト、ポート VLAN プライオリティなど)は、CST インスタンスと MST インスタンスの両方で設定できます。

MSTP switchesは、バージョン 3 RSTP BPDU または IEEE 802.1D STP BPDU を使用して、レガシー IEEE 802.1D switchesと通信します。 MSTP switchesは、MSTP BPDU を使用して MSTP switchesと通信します。

関連コンセプト

IEEE 802.1s の用語

シスコの先行標準実装で使用される一部の MST 命名規則は、一部の内部パラメータまたはリージョン パラメータを識別するように変更されました。 これらのパラメータは、ネットワーク全体に関連している外部パラメータと違い、MST リージョン内でのみ影響があります。 CIST はネットワーク全体を網羅するスパニングツリー インスタンスのため、CIST パラメータのみ、内部修飾子やリージョナル修飾子ではなく外部修飾子が必要です。

  • CIST ルートは、ネットワーク全体を網羅する一意のインスタンスのためのルート switchです。

  • CIST 外部ルート パス コストは、CIST ルートまでのコストです。 このコストは MST 領域内で変化しません。 MST リージョンは、CIST への単一switchと見なすことに注意してください。 CIST 外部ルート パス コストは、これらの仮想switches、およびどのリージョンにも属さないswitchesの間で算出されるルート パス コストです。

  • CIST リージョナル ルートは、準規格の実装で IST マスターと呼ばれていました。 CIST ルートが領域内にある場合、CIST リージョナル ルートは CIST ルートです。 CIST ルートがリージョン内にない場合、CIST リージョナル ルートは、リージョン内の CIST ルートに最も近いswitchです。 CIST リージョナル ルートは、IST のルート switchとして動作します。

  • CIST 内部ルート パス コストは、領域内の CIST リージョナル ルートまでのコストです。 このコストは、IST つまりインスタンス 0 だけに関連します。

表 2 準規格と規格の用語

IEEE 標準

シスコ先行標準

シスコ標準

CIST リージョナル ルート

IST マスター

CIST リージョナル ルート

CIST 内部ルート パス コスト

IST マスター パス コスト

CIST 内部パス コスト

CIST 外部ルート パス コスト

ルート パス コスト

ルート パス コスト

MSTI リージョナル ルート

インスタンス ルート

インスタンス ルート

MSTI 内部ルート パス コスト

ルート パス コスト

ルート パス コスト

MST リージョンの図

この図は、3 個の MST リージョンとレガシー IEEE 802.1D switch(D)を示しています。 リージョン 1 の CIST リージョナル ルート(A)は、CIST ルートでもあります。 リージョン 2 の CIST リージョナル ルート(B)、およびリージョン 3 の CIST リージョナル ルート(C)は、CIST 内のそれぞれのサブツリーのルートです。 RSTP はすべてのリージョンで稼働しています。

図 1. MST リージョン、CIST マスター、および CST ルート

ホップ カウント

IST および MST インスタンスは、スパニングツリー トポロジの計算に、コンフィギュレーション BPDU のメッセージ有効期間と最大エージング タイムの情報を使用しません。 その代わりに、IP Time To Live(TTL)メカニズムに似た、ルートまでのパス コストおよびホップ カウント メカニズムを使用します。

spanning-tree mst max-hops グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用することにより、リージョン内の最大ホップを設定し、その値をリージョン内の IST インスタンスとすべての MST インスタンスに適用できます。 ホップ カウントを設定すると、メッセージ エージ情報を設定するのと同様の結果が得られます(再構成の開始時期を決定します)。 インスタンスのルート switchは、コストが 0 でホップ カウントが最大値に設定されている BPDU(M レコード)を常に送信します。 switchは、この BPDU を受信すると、受信した残りのホップ カウントから 1 を引き、生成する BPDU で残りのホップ カウントとしてこの値を伝播します。 カウントがゼロに達すると、switchは BPDU を廃棄し、ポート用に維持されている情報を期限切れにします。

BPDU の RSTP 部分に格納されているメッセージ有効期間と最大エージング タイムの情報は、リージョン全体で同じままであり、そのリージョンの境界に位置する指定ポートによって同じ値が伝播されます。

境界ポート

シスコ先行標準の実装では、境界ポートは、RSTP が稼働する単一のスパニングツリー リージョン、PVST+ または Rapid PVST+ が稼働する単一のスパニングツリー リージョン、または異なる MST コンフィギュレーションを持つ別の MST リージョンに MST リージョンを接続します。 境界ポートは、LAN、単一のスパニングツリー switchまたは MST 設定が異なるswitchの指定switchにも接続します。

IEEE 802.1s 標準では、境界ポートの定義はなくなりました。 IEEE 802.1Q-2002 標準では、ポートが受信できる 2 種類のメッセージを識別します。

  • 内部(同一リージョンから)

  • 外部(別のリージョンから)

メッセージが内部の場合、CIST の部分は CIST によって受信されるので、各 MST インスタンスは個々の M レコードだけを受信します。

メッセージが外部である場合、CIST だけが受信します。 CIST の役割がルートや代替ルートの場合、または外部 BPDU のトポロジが変更された場合は、MST インスタンスに影響する可能性があります。

MST リージョンには、switchesおよび LAN の両方が含まれます。 セグメントは、DP のリージョンに属します。 そのため、セグメントの指定ポートではなく異なるリージョンにあるポートは境界ポートになります。 この定義では、リージョン内部の 2 つのポートが、別のリージョンに属するポートとセグメントを共有し、内部メッセージおよび外部メッセージの両方を 1 つのポートで受信できるようになります。

シスコ先行標準の実装との主な違いは、STP 互換モードを使用している場合、指定ポートが境界ポートとして定義されない点です。


(注)  


レガシー STP switchがセグメントに存在する場合、メッセージは常に外部と見なされます。


シスコ先行標準の実装から他に変更された点は、送信switch ID を持つ RSTP またはレガシー IEEE 802.1Q switchの部分に、CIST リージョナル ルート switch ID フィールドが加えられたことです。 リージョン全体は、一貫した送信者switch ID をネイバー switchesに送信し、単一仮想switchのように動作します。 この例では、A または B がセグメントに指定されているかどうかに関係なく、ルートの一貫した送信者switch ID が同じである BPDU をswitch C が受信します。

IEEE 802.1s の実装

シスコの IEEE MST 標準の実装には、標準の要件を満たす機能だけでなく、すでに公開されている標準には含まれていない一部の(要望されている)先行標準の機能が含まれています。

ポートの役割名の変更

境界の役割は最終的に MST 標準に含まれませんでしたが、境界の概念自体はシスコの実装に投影されています。 ただし、リージョン境界にある MST インスタンスのポートは、対応する CIST ポートのステートに必ずしも従うわけではありません。 現在、2 つの境界の役割が存在しています。

  • 境界ポートが CIST リージョナル ルートのルート ポートである場合:CIST インスタンス ポートを提案されて同期中の場合、対応するすべての MSTI ポートの同期を取り終わった後であれば(その後フォワーディングします)、その場合のみ合意を返信してフォワーディング ステートに移行できます。 MSTI ポートには、特別なマスターの役割があります。

  • 境界ポートが CIST リージョナル ルートのルート ポートでない:MSTI ポートは、CIST ポートのステートおよび役割に従います。 標準では提供される情報が少ないため、MSTI ポートが BPDU(M レコード)を受信しない場合、MSTI ポートが BPDU を代わりにブロックできる理由がわかりにくい場合があります。 この場合、境界の役割自体は存在していませんが、show コマンドで見ると、出力される type カラムで、ポートが境界ポートとして認識されていることがわかります。

レガシーおよび規格Switchesの相互運用

準規格switchesの自動検出はエラーになることがあるので、インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して準規格ポートを識別できます。 switchの規格と準規格の間にリージョンを形成することはできませんが、CIST を使用して相互運用することができます。 このような特別な方法を採用しても、失われる機能は、異なるインスタンス上のロード バランシングだけです。 ポートが先行標準の BPDU を受信すると、CLI(コマンドライン インターフェイス)にはポートの設定に応じて異なるフラグが表示されます。 switchが準規格 BPDU 送信用に設定されていないポートで準規格 BPDU を初めて受信したときは、Syslog メッセージも表示されます。

図 2. 規格および準規格のSwitchの相互運用. A が規格のswitchで、B が準規格のswitchとして、両方とも同じリージョンに設定されているとします。 A が CIST のルート switchで、B はセグメント X 上にルート ポート(BX)を、セグメント Y 上に代替ポート(BY)を保持しています。 セグメント Y がフラップして BY のポートが代替になってから 1 つの準規格 BPDU を送信すると、準規格switchが Y に接続されていることを AY は検出できず、規格 BPDU の送信を続けます。 ポート BY は境界に固定され、A と B の間でのロードバランスは不可能になります。 セグメント X にも同じ問題がありますが、B は TC を送信することがあります。


(注)  


規格 MST 実装と準規格 MST 実装間の相互作用を最低限に抑えることを推奨します。


単一方向リンク障害の検出

IEEE MST 標準にはこの機能が存在していませんが、Cisco IOS Release には加えられています。 ソフトウェアを使用することで、受信した BPDU からポートの役割とステートの一貫性を確認し、単一方向リンクが失敗してブリッジ処理のループを引き起こしていないかどうかを検証できます。

指定ポートは、矛盾を検出すると、そのロールを維持しますが、廃棄ステートに戻ります。一貫性がない場合は、接続を中断した方がブリッジング ループを解決できるからです。

図 3. 単一方向リンク障害の検出. 次の図に、ブリッジング ループの一般的な原因となる単方向リンク障害を示します。 Switch A はルート switchであり、switch B へのリンクで BPDU は失われます。 RSTP および MST BPDU には、送信側ポートの役割とステートが含まれます。 switch A はこの情報を使用し、ルータ A が送信する上位 BPDU にswitch B が反応しないこと、およびswitch B がルート switchではなく指定ブリッジであることを検出できます。 この結果、switch A は、そのポートをブロックし(またはブロックし続け)、ブリッジング ループが防止されます。

MSTP およびSwitch スタック

switch スタックは、ネットワークのその他の部分に対しては単一のスパニングツリー ノードに見え、すべてのスタック メンバーが与えられたスパニングツリーに同一のブリッジ ID を使用します。 ブリッジ ID は、active switchの MAC アドレスから取得されます。

スタックがネットワークのルートで、スタック内でルートの選択が行われていない場合は、active switchがスタック ルートになります。

switch スタックがスパニング ツリー ルートで、active switchで障害が発生した、またはスタックから外れた場合、スタンバイ スイッチが新しいアクティブ スイッチになり、ブリッジ ID は同じままで、スパニング ツリーの再コンバージェンスが発生する可能性があります。

MSTP をサポートしていないswitchが、MSTP またはリバースをサポートしているswitch スタックに追加されると、switchはバージョンが不一致の状態になります。 可能な場合、switchは、switch スタックで実行中のソフトウェアと同じバージョンに自動的にアップグレードまたはダウングレードされます。

IEEE 802.1D STP との相互運用性

MSTP が稼働しているswitchは、IEEE 802.1D 準拠のレガシー switchesとの相互運用を可能にする組み込み型のプロトコル移行メカニズムをサポートします。 このswitchは、レガシー IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコルバージョンが 0 に設定されている BPDU)を受信すると、そのポート上では IEEE 802.1D BPDU のみを送信します。 また、MSTP switchは、レガシー BPDU、別のリージョンに関連付けられている MSTP BPDU(バージョン 3)、または RSTP BPDU(バージョン 2)を受信することによって、ポートがリージョンの境界に位置していることを検出できます。

ただし、switchが IEEE 802.1D BPDU を受信していない場合は、自動的に MSTP モードに戻りません。これはレガシー switchが指定switchでない限り、レガシー switchがリンクから削除されたかどうか検出できないためです。 このswitchが接続するswitchがリージョンに加入していると、switchはポートに境界の役割を割り当て続ける場合があります。 プロトコル移行プロセスを再開するには(強制的にネイバー switchesと再びネゴシエーションするには)、clear spanning-tree detected-protocols 特権 EXEC コマンドを使用します。

リンク上のすべてのレガシー switchesが RSTP switchesであれば、これらのスイッチは、RSTP BPDU 同様に MSTP BPDU を処理できます。 したがって、MSTP switchesは、バージョン 0 コンフィギュレーションと TCN BPDU またはバージョン 3 MSTP BPDU のいずれかを境界ポートで送信します。 境界ポートは、LAN、単一スパニングツリー switchまたは MST 設定が異なるswitchのいずれかの指定のswitchに接続します。

RSTP 概要

RSTP は、ポイントツーポイントの配線を利用して、スパニングツリーの高速コンバージェンスを実現します。 また、1 秒未満の間に、スパニングツリーを再構成できます(IEEE 802.1D スパニングツリーのデフォルトに設定されている 50 秒とは異なります)。

ポートの役割およびアクティブ トポロジー

RSTP は、ポートに役割を割り当てて、アクティブ トポロジを学習することによって高速コンバージェンスを実現します。 RSTP は switch をルート switchとして最も高いswitch プライオリティ(プライオリティの数値が一番小さい)に選択するために、IEEE 802.1D STP 上に構築されます。 RSTP は、次のうちいずれかのポートの役割をそれぞれのポートに割り当てます。

  • ルート ポート:switch がルートswitch にパケットを転送するとき、最適なパス(最低コスト)を提供します。

  • 指定ポート:指定switchに接続し、その LAN からルート switchにパケットを転送するとき、パス コストを最低にします。 DP は、指定switchが LAN に接続されているポートです。

  • 代替ポート:現在のルート ポートが提供したパスに代わるルート switchへの代替パスを提供します。

  • バックアップ ポート:指定ポートが提供した、スパニングツリーのリーフに向かうパスのバックアップとして機能します。 バックアップ ポートは、2 つのポートがループバック内でポイントツーポイント リンクによって接続されるか、共有 LAN セグメントとの複数の接続がswitchにある場合に限って存在できます。

  • ディセーブル ポート:スパニングツリーの動作において何も役割が与えられていません。

ルート ポートまたは DP の役割があるポートは、アクティブ トポロジーに組み込まれます。 代替ポートまたはバックアップ ポートのロールがあるポートは、アクティブ トポロジから除外されます。

ネットワーク全体のポートの役割に矛盾のない安定したトポロジでは、RSTP は、すべてのルート ポートおよび指定ポートがただちにフォワーディング ステートに移行し、代替ポートとバックアップ ポートが必ず廃棄ステート(IEEE 802.1D のブロッキング ステートと同じ)になるように保証します。 ポートのステートにより、転送処理および学習処理の動作が制御されます。

表 3 ポート ステートの比較

動作ステータス

STP ポート ステート(IEEE 802.1D)

RSTP ポート ステート

ポートがアクティブ トポロジに含まれているか

イネーブル

ブロッキング

廃棄

いいえ

イネーブル

リスニング

廃棄

いいえ

イネーブル

ラーニング

ラーニング

はい

イネーブル

フォワーディング

フォワーディング

はい

ディセーブル

ディセーブル

廃棄

いいえ

Cisco STP の実装との一貫性を保つため、このマニュアルでは、ポート ステートを廃棄ではなくブロッキングとして定義します。 DP はリスニング ステートから開始します。

高速コンバージェンス

RSTP は、switchswitch ポート、LAN のうちいずれかの障害のあと、接続の高速回復を提供します。 エッジ ポート、新しいルート ポート、ポイントツーポイント リンクで接続したポートに、高速コンバージェンスが次のように提供されます。

  • エッジ ポート:spanning-tree portfast インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して RSTP switchでエッジ ポートとしてポートを設定した場合、エッジ ポートはフォワーディング ステートにすぐに移行します。 エッジ ポートは Port Fast 対応ポートと同じであり、単一エンド ステーションに接続しているポートだけでイネーブルにする必要があります。

  • ルート ポート:RSTP は、新しいルート ポートを選択した場合、古いルート ポートをブロックし、新しいルート ポートをフォワーディング ステートにすぐに移行します。

  • ポイントツーポイント リンク:ポイントツーポイント リンクで別のポートにポートを接続し、ローカル ポートが DP になると、提案と合意のハンドシェークを使用して別のポートと高速移行がネゴシエーションされ、ループがないトポロジーが確保されます。

    図 4. 高速コンバージェンスの提案と合意のハンドシェーク.

    Switch A がSwitch B にポイントツーポイント リンクで接続され、すべてのポートはブロッキング ステートになっています。 Switch A のプライオリティの数値が、Switch B のプライオリティより小さいとします。 Switch A は提案メッセージ(提案フラグを設定した設定 BPDU)をSwitch B に送信し、指定switchとして自分自身を提案します。

    Switch B は、提案メッセージの受信後、提案メッセージを受信したポートを新しいルート ポートとして選択し、エッジ以外のすべてのポートを強制的にブロッキング ステートにして、新しいルート ポートを介して合意メッセージ(合意フラグを設定した BPDU)を送信します。

    Switch A も、Switch B の合意メッセージの受信後、指定ポートをフォワーディング ステートにすぐに移行します。 Switch B はすべてのエッジ以外のポートをブロックし、Switches A およびルータ B の間にポイントツーポイント リンクがあるので、ネットワークにループは形成されません。

    Switch C がSwitch B に接続すると、同様のセットのハンドシェーク メッセージが交換されます。 Switch C はSwitch B に接続されているポートをルート ポートとして選択し、両端がフォワーディング ステートにすぐに移行します。 このハンドシェーク処理を繰り返して、もう 1 つのswitchがアクティブ トポロジーに加わります。 ネットワークが収束すると、この提案/合意ハンドシェイクがルートからスパニングツリーのリーフへと進みます。

    switch スタックでは、Cross-Stack Rapid Transition(CSRT)機能を使用すると、ポートがフォワーディング ステートに移行する前に、スタック メンバで、提案/合意ハンドシェイク中にすべてのスタック メンバーから確認メッセージを受信できます。 switchが MST モードの場合、CSRT は自動的にイネーブルにされます。

    switchはポートのデュプレックス モードによってリンク タイプを学習します。全二重ポートはポイントツーポイント接続と見なされ、半二重接続は共有接続と見なされます。 spanning-tree link-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、デュプレックス設定によって制御されるデフォルト設定を無効にすることができます。



ポート ロールの同期

switchがそのルータのポートの 1 つで提案メッセージを受信し、そのポートが新しいルート ポートとして選択されると、RSTP によってその他すべてのポートが新しいルートの情報と強制的に同期化します。

その他すべてのポートが同期化されている場合、switchはルート ポートで受信した上位ルート情報で同期化されます。 switchのそれぞれのポートは、次のような場合に同期化します。

  • ブロッキング ステートである場合

  • エッジ ポートである場合(ネットワークのエッジとして設定されているポート)

DP は、フォワーディング ステートになっていてエッジ ポートとして設定されていない場合、RSTP によって DP が強制的に新しいルート情報で同期化すると、DP がブロッキング ステートに移行します。 一般的に RSTP がルート情報でポートを強制的に同期化し、ポートが上の条件を満たしていない場合、そのポート ステートはブロッキングに設定されます。

図 5. 高速コンバージェンス中のイベントのシーケンス. switchは、すべてのポートが同期化されたことを確認した後で、ルート ポートに対応する指定switchに合意メッセージを送信します。 ポイントツーポイント リンクで接続されたswitchesがポートの役割で合意すると、RSTP はポート ステートをフォワーディングにすぐに移行します。

ブリッジ プロトコル データ ユニットの形式および処理

RSTP BPDU のフォーマットは、プロトコル バージョンが 2 に設定されている点を除き、IEEE 802.1D BPDU のフォーマットと同じです。 新しい 1 バイトのバージョン 1 の Length フィールドは 0 に設定されます。これはバージョン 1 のプロトコルの情報がないことを示しています。

表 4 RSTP BPDU フラグ

ビット

機能

0

トポロジーの変化(TC)

1

提案

2 ~ 3:

00

01

10

11

ポートの役割:

不明

代替ポート

ルート ポート

指定ポート

4

ラーニング

5

フォワーディング

6

合意

7

トポロジー変更確認応答(TCA)

送信側switchは RSTP BPDU の提案フラグを設定し、そのLAN の指定switchとして自分自身を提案します。 提案メッセージのポートの役割は、常に DP に設定されます。

送信側switchは、RSTP BPDU の合意フラグを設定して以前の提案を受け入れます。 合意メッセージのポートの役割は、常にルート ポートに設定されます。

RSTP には個別のトポロジ変更通知(TCN)BPDU はありません。 TC フラグが使用されて、TC が示されます。 ただし、IEEE 802.1D switchesとの相互運用性を保つために、RSTP switchは TCN BPDU の処理と生成を行います。

ラーニング フラグおよびフォワーディング フラグは、送信側ポートのステートに従って設定されます。

優位 BPDU 情報の処理

ポートに現在保存されているルート情報よりも優位のルート情報(小さいswitch ID、低いパス コストなど)をポートが受け取ると、RSTP は再構成を開始します。 ポートが新しいルート ポートとして提案されて選択されると、RSTP は強制的にその他すべてのポートを同期化します。

受信した BPDU が、提案フラグが設定されている RSTP BPDU である場合、switchはその他すべてのポートが同期化されてから合意メッセージを送信します。 BPDU が IEEE 802.1D BPDU の場合、switchは提案フラグを設定せずに、そのポートの転送遅延タイマーを起動します。 新しいルート ポートでは、フォワーディング ステートに移行するために、2 倍の転送遅延時間が必要となります。

ポートで優位の情報が受信されたために、そのポートがバックアップ ポートまたは代替ポートになる場合、RSTP はそのポートをブロッキング ステートに設定し、合意メッセージは送信しません。 DP は、転送遅延タイマーが失効するまで、提案フラグを設定して BPDU を送信し続け、転送遅延タイマーの失効時に、ポートはフォワーディング ステートに移行します。

下位 BPDU 情報の処理

指定ポートの役割を持つ下位 BPDU(そのポートに現在保存されている値より大きいswitch ID 、高いパス コストなど)を指定ポートが受信した場合、その指定ポートはただちに現在の自身の情報で応答します。

トポロジの変更

ここでは、スパニングツリー トポロジの変更処理について、RSTP と IEEE 802.1D の相違を説明します。

  • 検出:IEEE 802.1D では、どのようなブロッキング ステートとフォワーディング ステートとの間の移行でもトポロジの変更が発生しますが、RSTP でトポロジの変更が発生するのは、ブロッキング ステートからフォワーディング ステートに移行する場合だけです(トポロジの変更と見なされるのは、接続数が増加する場合だけです)。 エッジ ポートにおけるステート変更は、TC の原因になりません。 RSTP switchは、TC を検出すると、TCN を受信したポートを除く、エッジ以外のすべてのポートで学習した情報を削除します。

  • 通知:IEEE 802.1D は TCN BPDU を使用しますが、RSTP は使用しません。 ただし、IEEE 802.1D との相互運用性を保つために、RSTP switchは TCN BPDU の処理と生成を行います。

  • 確認:RSTP switchは、指定ポートで IEEE 802.1D switchから TCN メッセージを受信した場合、TCA ビットが設定された IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU で応答します。 ただし、IEEE 802.1D switchに接続されたルート ポートで TC 時間タイマー(IEEE 802.1D のトポロジ変更タイマーと同じ)がアクティブであり、TCA ビットが設定されたコンフィギュレーション BPDU が受信された場合、TC 時間タイマーはリセットされます。

    この処理は、IEEE 802.1D switchesをサポートする目的でのみ必要とされます。 RSTP BPDU は TCA ビットが設定されていません。

  • 伝播:RSTP switchは、DP またはルート ポートを介して別のswitchから TC メッセージを受信すると、エッジ以外のすべての DP、およびルート ポート(TC メッセージを受信したポートを除く)に変更を伝播します。 switchはこのようなすべてのポートで TC-while タイマーを開始し、そのポートで学習した情報を消去します。

  • プロトコルの移行:IEEE 802.1D switchesとの下位互換性を保つため、RSTP は IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU および TCN BPDU をポート単位で必要に応じて送信します。

    ポートが初期化されると、移行遅延タイマーが開始され(RSTP BPDU が送信される最低時間を指定)、RSTP BPDU が送信されます。 このタイマーがアクティブである間、switchはそのポートで受信したすべての BPDU を処理し、プロトコル タイプを無視します。

    switchはポートの移行遅延タイマーが満了した後に IEEE 802.1D BPDU を受信した場合、IEEE 802.1D switchに接続されていると想定し、IEEE 802.1D BPDU のみの使用を開始します。 ただし、RSTP switchが 1 つのポートで IEEE 802.1D BPDU を使用していて、タイマーが満了した後に RSTP BPDU を受信した場合、タイマーが再起動し、そのポートで RSTP BPDU の使用が開始されます。

プロトコル移行プロセス

MSTP が稼働しているswitchは、IEEE 802.1D 準拠のレガシー switchesとの相互運用を可能にする組み込み型のプロトコル移行メカニズムをサポートします。 このswitchは、レガシー IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコルバージョンが 0 に設定されている BPDU)を受信すると、そのポート上では IEEE 802.1D BPDU のみを送信します。 また、MST switchは、レガシー BPDU、別のリージョンに関連付けられている MSTP BPDU(バージョン 3)、または RST BPDU(バージョン 2)を受信することによって、ポートがリージョンの境界に位置していることを検出できます。

ただし、switchが IEEE 802.1D BPDU を受信していない場合は、自動的に MSTP モードに戻りません。これはレガシー switchが指定switchでない限り、レガシー switchがリンクから削除されたかどうか検出できないためです。 また、接続するswitchがリージョンに加入していると、switchはポートに境界の役割を割り当て続ける場合があります。

MSTP のデフォルト設定

表 5 MSTP のデフォルト設定

機能

デフォルト設定

スパニングツリー モード

MSTP

Switch プライオリティ(CIST ポートごとに設定可能)

32768

スパニングツリー ポート プライオリティ(CIST ポート単位で設定可能)

128

スパニングツリー ポート コスト(CIST ポート単位で設定可能)

1000 Mb/s:20000

100 Mb/s:20000

10 Mb/s:20000

1000 Mb/s:20000

100 Mb/s:20000

10 Mb/s:20000

hello タイム

3 秒

転送遅延時間

20 秒

最大エージング タイム

20 秒

最大ホップ カウント

20 ホップ

MSTP 機能の設定方法

MST リージョン設定の指定と MSTP のイネーブル化

2 つ以上のスイッチを同じ MST リージョンに設定するには、その 2 つのスイッチに同じ VLAN/インスタンス マッピング、同じコンフィギュレーション リビジョン番号、同じ名前を設定しなければなりません。

リージョンには、MST 設定が同一である、1 つ以上のメンバーを含めることができます。各メンバーでは、RSTP BPDU を処理できる必要があります。 ネットワーク内の MST リージョンの数には制限はありませんが、各リージョンがサポートできるスパニングツリー インスタンスの数は 65 までです。 VLAN には、一度に 1 つのスパニングツリー インスタンスのみ割り当てることができます。

手順の概要

    1.    enable

    2.    configure terminal

    3.    spanning-tree mst configuration

    4.    instance instance-id vlan vlan-range

    5.    name name

    6.    revision version

    7.    show pending

    8.    exit

    9.    spanning-tree mode mst

    10.    end


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    Switch> enable
    
    
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

     

    ステップ 2configure terminal


    例:
    
    Switch# configure terminal
    
    
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3spanning-tree mst configuration


    例:
    
    Switch(config)# spanning-tree mst configuration
    
     

    MST コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 4instance instance-id vlan vlan-range


    例:
    
    Switch(config-mst)# instance 1 vlan 10-20
    
     

    VLAN を MSTI にマップします。

    • instance-id に指定できる範囲は、0 ~ 4094 です。

    • vlan vlan-range に指定できる範囲は、1 ~ 4094 です。

      VLAN を MSTI にマップする場合、マッピングは増加され、コマンドに指定した VLAN は、以前マッピングした VLAN に追加されるか、そこから削除されます。

    VLAN の範囲を指定するには、ハイフンを使用します。たとえば instance 1 vlan 1-63 では、VLAN 1 ~ 63 が MSTI 1 にマップされます。

    一連の VLAN を指定するには、カンマを使用します。たとえば instance 1 vlan 10, 20, 30 と指定すると、VLAN 10、20、30 が MSTI 1 にマップされます。

     
    ステップ 5name name


    例:
    
    Switch(config-mst)# name region1
    
     

    コンフィギュレーション名を指定します。 name 文字列の最大の長さは 32 文字であり、大文字と小文字が区別されます。

     
    ステップ 6revision version


    例:
    Switch(config-mst)# revision 1
    
     

    設定リビジョン番号を指定します。 指定できる範囲は 0 ~ 65535 です。

     
    ステップ 7show pending


    例:
    Switch(config-mst)# show pending
    
     

    保留中の設定を表示し、設定を確認します。

     
    ステップ 8exit


    例:
    Switch(config-mst)# exit
    
     

    すべての変更を適用し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

     
    ステップ 9spanning-tree mode mst


    例:
    
    Switch(config)# spanning-tree mode mst
    
     

    MSTP をイネーブルにします。 RSTP もイネーブルになります。

    スパニングツリー モードを変更すると、すべてのスパニングツリー インスタンスは以前のモードであるため停止し、新しいモードで再起動するので、トラフィックを中断させる可能性があります。

    MSTP と PVST+ または MSTP と Rapid PVST+ を同時に実行することはできません。

     
    ステップ 10end


    例:
    
    Switch(config)# end
    
    
     

    特権 EXEC モードに戻ります。

     

    ルート Switchの設定

    この手順は任意です。

    はじめる前に

    マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

    指定された MST インスタンス ID も把握する必要があります。 この例の手順 2 では、インスタンス ID として 0 を使用します。これは「関連項目」で示されている手順によって設定されたインスタンス ID が 0 であるためです。

    手順の概要

      1.    enable

      2.    configure terminal

      3.    spanning-tree mst instance-id root primary

      4.    end


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 enable


      例:
      Switch> enable
      
      
       

      特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

       

      ステップ 2configure terminal


      例:
      
      Switch# configure terminal
      
      
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 3spanning-tree mst instance-id root primary


      例:
      
      Switch(config)# spanning-tree mst 0 root primary
      
       

      ルート switchとしてswitchを設定します。

      • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 指定できる範囲は 0 ~ 4094 です

       
      ステップ 4end


      例:
      
      Switch(config)# end
      
      
       

      特権 EXEC モードに戻ります。

       
      関連資料

      セカンダリ ルートの設定Switch

      拡張システム ID をサポートするswitchをセカンダリ ルートとして設定する場合、switch プライオリティはデフォルト値(32768)から 28672 に修正されます。 プライマリ ルート switchで障害が発生した場合は、このswitchが指定インスタンスのルート switchになる可能性があります。 ここでは、その他のネットワーク switchesが、デフォルトのswitch プライオリティの 32768 を使用しているためにルート switchになる可能性が低いことが前提となっています。

      このコマンドを複数のswitchに対して実行すると、複数のバックアップ ルート switchesを設定できます。 spanning-tree mst instance-id root primary グローバル コンフィギュレーション コマンドでプライマリ ルート switchを設定したときと同じネットワーク直径および hello タイム値を使用してください。

      この手順は任意です。

      はじめる前に

      マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

      指定された MST インスタンス ID も把握する必要があります。 この例では、インスタンス ID として 0 を使用します。これは「関連項目」で示されている手順によって設定されたインスタンス ID が 0 であるためです。

      手順の概要

        1.    enable

        2.    configure terminal

        3.    spanning-tree mst instance-id root secondary

        4.    end


      手順の詳細
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 enable


        例:
        Switch> enable
        
        
         

        特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

         

        ステップ 2configure terminal


        例:
        
        Switch# configure terminal
        
        
         

        グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 3spanning-tree mst instance-id root secondary


        例:
        
        Switch(config)# spanning-tree mst 0 root secondary
        
         

        セカンダリ ルート switchとしてswitchを設定します。

        • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 指定できる範囲は 0 ~ 4094 です

         
        ステップ 4end


        例:
        
        Switch(config)# end
        
        
         

        特権 EXEC モードに戻ります。

         

        ポート プライオリティの設定

        ループが発生した場合、MSTP はポート プライオリティを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。 最初に選択されるインターフェイスには高いプライオリティ値(小さい数値)を割り当て、最後に選択されるインターフェイスには低いプライオリティ値(高い数値)を割り当てることができます。 すべてのインターフェイスに同じプライオリティ値が与えられている場合、MSTP はインターフェイス番号が最小のインターフェイスをフォワーディング ステートにし、他のインターフェイスをブロックします。


        (注)  


        switchswitch スタックのメンバーの場合、spanning-tree mst [instance-id] port-priority priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの代わりに、spanning-tree mst [instance-id] cost cost インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用し、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択する必要があります。 最初に選択させたいポートには、より小さいコスト値を割り当て、最後に選択させたいポートには、より大きいコスト値を割り当てることができます。 詳細については、関連項目の下に表示されるパス コストのトピックを参照してください。


        この手順は任意です。

        はじめる前に

        マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

        指定された MST インスタンス ID と使用されるインターフェイスも把握する必要があります。 この例では、インスタンス ID として 0 を使用し、インターフェイスとして GigabitEthernet1/0/1 を使用します。これは「関連項目」で示されている手順によってインスタンス ID とインターフェイスがそのように設定されているためです。

        手順の概要

          1.    enable

          2.    configure terminal

          3.    interface interface-id

          4.    spanning-tree mst instance-id port-priority priority

          5.    end


        手順の詳細
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1 enable


          例:
          Switch> enable
          
          
           

          特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

           

          ステップ 2configure terminal


          例:
          
          Switch# configure terminal
          
          
           

          グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

           
          ステップ 3interface interface-id


          例:
          
          Switch(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
          
           

          設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

           
          ステップ 4spanning-tree mst instance-id port-priority priority


          例:
          
          Switch(config-if)# spanning-tree mst 0 port-priority 64
          
           

          ポート プライオリティを設定します。

          • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 指定できる範囲は 0 ~ 4094 です

          • priority 値の範囲は 0 ~ 240 で、16 ずつ増加します。 デフォルト値は 128 です。 値が小さいほど、プライオリティが高くなります。

            使用可能な値は、0、16、32、48、64、80、96、112、128、144、160、176、192、208、224、240 だけです。 その他の値はすべて拒否されます。

           
          ステップ 5end


          例:
          
          Switch(config-if)# end
          
           

          特権 EXEC モードに戻ります。

           

          show spanning-tree mst interface interface-id 特権 EXEC コマンドによって表示されるのは、リンク アップ動作可能状態のポートの情報だけです。 ポートがリンクアップ動作状態になっていない場合は、show running-config interface 特権 EXEC コマンドを使用して設定を確認できます。

          パス コストの設定

          MSTP パス コストのデフォルト値は、インターフェイスのメディア速度に基づきます。 ループが発生した場合、MSTP はコストを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。 最初に選択されるインターフェイスには低いコスト値を割り当て、最後に選択されるインターフェイスには高いコスト値を割り当てることができます。 すべてのインターフェイスに同じコスト値が与えられている場合、MSTP はインターフェイス番号が最小のインターフェイスをフォワーディング ステートにし、他のインターフェイスをブロックします。

          この手順は任意です。

          はじめる前に

          マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

          指定された MST インスタンス ID と使用されるインターフェイスも把握する必要があります。 この例では、インスタンス ID として 0 を使用し、インターフェイスとして GigabitEthernet1/0/1 を使用します。これは「関連項目」で示されている手順によってインスタンス ID とインターフェイスがそのように設定されているためです。

          手順の概要

            1.    enable

            2.    configure terminal

            3.    interface interface-id

            4.    spanning-tree mst instance-id cost cost

            5.    end


          手順の詳細
             コマンドまたはアクション目的
            ステップ 1 enable


            例:
            Switch> enable
            
            
             

            特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

             

            ステップ 2configure terminal


            例:
            
            Switch# configure terminal
            
            
             

            グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

             
            ステップ 3interface interface-id


            例:
            
            Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
            
             

            設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 有効なインターフェイスには、物理ポートとポート チャネル論理インターフェイスがあります。 ポート チャネル範囲は 1 ~ 48 です。

             
            ステップ 4spanning-tree mst instance-id cost cost


            例:
            
            Switch(config-if)# spanning-tree mst 0 cost 17031970
            
             

            コストを設定します。

            ループが発生した場合、MSTP はパス コストを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。 低いパス コストは高速送信を表します。

            • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 指定できる範囲は 0 ~ 4094 です

            • cost の範囲は 1 ~ 200000000 です。デフォルト値はインターフェイスのメディア速度から派生します。

             
            ステップ 5end


            例:
            
            Switch(config-if)# end
            
             

            特権 EXEC モードに戻ります。

             

            show spanning-tree mst interface interface-id 特権 EXEC コマンドによって表示されるのは、リンク アップ動作可能状態のポートの情報だけです。 そうでない場合は、show running-config 特権 EXEC コマンドを使用して設定を確認してください。

            Switch プライオリティの設定

            switchのプライオリティを変更すると、スタンドアロン switchまたはスタック内のswitchであるかに関係なく、ルートswitchとして選択される可能性が高くなります。


            (注)  


            このコマンドの使用には注意してください。 通常のネットワーク設定では、spanning-tree mst instance-id root primary および spanning-tree mst instance-id root secondary グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、switchをルートまたはセカンダリ ルート switchとして指定することをお勧めします。 これらのコマンドが動作しない場合にのみswitchプライオリティを変更する必要があります。


            この手順は任意です。

            はじめる前に

            マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

            使用する指定された MST インスタンス ID も把握する必要があります。 この例では、インスタンス ID として 0 を使用します。これは「関連項目」で示されている手順によって設定されたインスタンス ID が 0 であるためです。

            手順の概要

              1.    enable

              2.    configure terminal

              3.    spanning-tree mst instance-id priority priority

              4.    end


            手順の詳細
               コマンドまたはアクション目的
              ステップ 1 enable


              例:
              Switch> enable
              
              
               

              特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

               

              ステップ 2configure terminal


              例:
              
              Switch# configure terminal
              
              
               

              グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

               
              ステップ 3spanning-tree mst instance-id priority priority


              例:
              
              Switch(config)# spanning-tree mst 0 priority 40960
              
               

              switchのプライオリティを設定します。

              • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 指定できる範囲は 0 ~ 4094 です

              • priority の範囲は 0 ~ 61440 で、4096 ずつ増加します。デフォルトは 32768 です。 この値が低いほど、switchがルート switchとして選択される可能性が高くなります。

                使用可能な値は、0、4096、8192、12288、16384、20480、24576、28672、32768、36864、40960、45056、49152、53248、57344、61440 です。 これらは唯一の許容値です。

               
              ステップ 4end


              例:
              
              Switch(config-if)# end
              
               

              特権 EXEC モードに戻ります。

               

              hello タイムの設定

              hello タイムはルート switchによって設定メッセージが生成されて送信される時間の間隔です。

              この手順は任意です。

              はじめる前に

              マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

              手順の概要

                1.    enable

                2.    configure terminal

                3.    spanning-tree mst hello-time seconds

                4.    end


              手順の詳細
                 コマンドまたはアクション目的
                ステップ 1 enable


                例:
                Switch> enable
                
                
                 

                特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

                 

                ステップ 2configure terminal


                例:
                
                Switch# configure terminal
                
                
                 

                グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

                 
                ステップ 3spanning-tree mst hello-time seconds


                例:
                
                Switch(config)# spanning-tree mst hello-time 4
                
                 

                すべての MST インスタンスについて、hello タイムを設定します。 hello タイムはルート switchによって設定メッセージが生成されて送信される時間の間隔です。 このメッセージは、switchが活動中であることを表します。

                seconds に指定できる範囲は 1 ~ 10 です。デフォルトは 3 です。

                 
                ステップ 4end


                例:
                
                Switch(config)# end
                
                
                 

                特権 EXEC モードに戻ります。

                 

                転送遅延時間の設定

                はじめる前に

                マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

                手順の概要

                  1.    enable

                  2.    configure terminal

                  3.    spanning-tree mst forward-time seconds

                  4.    end


                手順の詳細
                   コマンドまたはアクション目的
                  ステップ 1 enable


                  例:
                  Switch> enable
                  
                  
                   

                  特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

                   

                  ステップ 2configure terminal


                  例:
                  
                  Switch# configure terminal
                  
                  
                   

                  グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

                   
                  ステップ 3spanning-tree mst forward-time seconds


                  例:
                  
                  Switch(config)# spanning-tree mst forward-time 25
                  
                   

                  すべての MST インスタンスについて、転送時間を設定します。 転送遅延時間は、スパニングツリー ラーニング ステートおよびリスニング ステートからフォワーディング ステートに移行するまでに、ポートが待機する秒数です。

                  seconds に指定できる範囲は 4 ~ 30 です。デフォルトは 20 です。

                   
                  ステップ 4end


                  例:
                  
                  Switch(config)# end
                  
                  
                   

                  特権 EXEC モードに戻ります。

                   

                  最大エージング タイムの設定

                  はじめる前に

                  マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

                  手順の概要

                    1.    enable

                    2.    configure terminal

                    3.    spanning-tree mst max-age seconds

                    4.    end


                  手順の詳細
                     コマンドまたはアクション目的
                    ステップ 1 enable


                    例:
                    Switch> enable
                    
                    
                     

                    特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

                     

                    ステップ 2configure terminal


                    例:
                    
                    Switch# configure terminal
                    
                    
                     

                    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

                     
                    ステップ 3spanning-tree mst max-age seconds


                    例:
                    
                    Switch(config)# spanning-tree mst max-age 40
                    
                     

                    すべての MST インスタンスについて、最大エージング タイムを設定します。 最大エージング タイムは、switchが再設定を試す前にスパニングツリー設定メッセージを受信せずに待機する秒数です。

                    seconds に指定できる範囲は 6 ~ 40 です。デフォルトは 20 です。

                     
                    ステップ 4end


                    例:
                    
                    Switch(config)# end
                    
                    
                     

                    特権 EXEC モードに戻ります。

                     

                    最大ホップ カウントの設定

                    この手順は任意です。

                    はじめる前に

                    マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

                    手順の概要

                      1.    enable

                      2.    configure terminal

                      3.    spanning-tree mst max-hops hop-count

                      4.    end


                    手順の詳細
                       コマンドまたはアクション目的
                      ステップ 1 enable


                      例:
                      Switch> enable
                      
                      
                       

                      特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

                       

                      ステップ 2configure terminal


                      例:
                      
                      Switch# configure terminal
                      
                      
                       

                      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

                       
                      ステップ 3spanning-tree mst max-hops hop-count


                      例:
                      
                      Switch(config)# spanning-tree mst max-hops 25
                      
                       

                      BPDU を廃棄してポート用に保持していた情報を期限切れにするまでの、リージョンでのホップ数を設定します。

                      hop-count に指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルト値は 20 です。

                       
                      ステップ 4end


                      例:
                      
                      Switch(config)# end
                      
                      
                       

                      特権 EXEC モードに戻ります。

                       

                      高速移行を確実にするためのリンク タイプの指定

                      ポイントツーポイント リンクでポート間を接続し、ローカル ポートが DP になると、RSTP は提案と合意のハンドシェークを使用して別のポートと高速移行をネゴシエーションし、ループがないトポロジーを保証します。

                      デフォルトの場合、リンク タイプはインターフェイスのデュプレックス モードから制御されます。全二重ポートはポイントツーポイント接続、半二重ポートは共有接続と見なされます。 MSTP を実行しているリモート switchの単一ポートに、半二重リンクを物理的にポイントツーポイントで接続した場合は、リンク タイプのデフォルト設定を無効にして、フォワーディング ステートへの高速移行をイネーブルにすることができます。

                      この手順は任意です。

                      はじめる前に

                      マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

                      指定された MST インスタンス ID と使用されるインターフェイスも把握する必要があります。 この例では、インスタンス ID として 0 を使用し、インターフェイスとして GigabitEthernet1/0/1 を使用します。これは「関連項目」で示されている手順によってインスタンス ID とインターフェイスがそのように設定されているためです。

                      手順の概要

                        1.    enable

                        2.    configure terminal

                        3.    interface interface-id

                        4.    spanning-tree link-type point-to-point

                        5.    end


                      手順の詳細
                         コマンドまたはアクション目的
                        ステップ 1 enable


                        例:
                        Switch> enable
                        
                        
                         

                        特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

                         

                        ステップ 2configure terminal


                        例:
                        
                        Switch# configure terminal
                        
                        
                         

                        グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

                         
                        ステップ 3interface interface-id


                        例:
                        
                        Switch(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
                        
                         

                        設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 有効なインターフェイスには、物理ポート、VLAN、およびポート チャネル論理インターフェイスがあります。 VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。 ポート チャネル範囲は 1 ~ 48 です。

                         
                        ステップ 4spanning-tree link-type point-to-point


                        例:
                        
                        Switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point
                        
                         

                        ポートのリンク タイプがポイントツーポイントであることを指定します。

                         
                        ステップ 5end


                        例:
                        
                        Switch(config-if)# end
                        
                         

                        特権 EXEC モードに戻ります。

                         

                        ネイバー タイプの設定

                        トポロジには、先行標準に準拠したデバイスと IEEE 802.1s 標準準拠のデバイスの両方を加えることができます。 デフォルトの場合、ポートは準規格デバイスを自動的に検出できますが、規格 BPDU および準規格 BPDU の両方を受信できます。 デバイスとそのネイバーの間に不一致がある場合は、CIST だけがインターフェイスで動作します。

                        準規格 BPDU だけを送信するようにポートを設定できます。 ポートが STP 互換モードになっていても、すべての show コマンドで準規格フラグが表示されます。

                        この手順は任意です。

                        はじめる前に

                        マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

                        手順の概要

                          1.    enable

                          2.    configure terminal

                          3.    interface interface-id

                          4.    spanning-tree mst pre-standard

                          5.    end


                        手順の詳細
                           コマンドまたはアクション目的
                          ステップ 1 enable


                          例:
                          Switch> enable
                          
                          
                           

                          特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

                           

                          ステップ 2configure terminal


                          例:
                          
                          Switch# configure terminal
                          
                          
                           

                          グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

                           
                          ステップ 3interface interface-id


                          例:
                          
                          Switch(config)# interface GigabitEthernet1/0/1
                          
                           

                          設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 有効なインターフェイスには、物理ポートが含まれます。

                           
                          ステップ 4spanning-tree mst pre-standard


                          例:
                          
                          Switch(config-if)# spanning-tree mst pre-standard
                          
                           

                          ポートが準規格 BPDU だけを送信できることを指定します。

                           
                          ステップ 5end


                          例:
                          
                          Switch(config-if)# end
                          
                           

                          特権 EXEC モードに戻ります。

                           

                          プロトコルの移行プロセスの再開

                          この手順では、プロトコル移行プロセスを再開し、ネイバー switchesとの再ネゴシエーションを強制します。 また、switchを MST モードに戻します。 これは、IEEE 802.1D BPDU の受信後にswitchがそれらを受信しない場合に必要です。

                          switchでプロトコルの移行プロセスを再開する(隣接するswitchesで再ネゴシエーションを強制的に行う)手順については、これらの手順に従ってください。

                          はじめる前に

                          マルチ スパニングツリー(MST)が、switchで指定されて有効になっている必要があります。 詳細については、関連項目を参照してください。

                          コマンドのインターフェイス バージョンを使用する場合は、使用する MST インターフェイスが分かっている必要があります。 この例では、インターフェイスとして GigabitEthernet1/0/1 を使用します。それが「関連項目」で示されている手順によって設定されたインターフェイスであるからです。

                          手順の概要

                            1.    enable

                            2.    次のいずれかのコマンドを入力します。

                            • clear spanning-tree detected-protocols
                            • clear spanning-tree detected-protocols interface interface-id


                          手順の詳細
                             コマンドまたはアクション目的
                            ステップ 1 enable


                            例:
                            Switch> enable
                            
                            
                             

                            特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

                             

                            ステップ 2 次のいずれかのコマンドを入力します。
                            • clear spanning-tree detected-protocols
                            • clear spanning-tree detected-protocols interface interface-id


                            例:
                            Switch# clear spanning-tree detected-protocols

                            または

                            Switch# clear spanning-tree detected-protocols interface GigabitEthernet1/0/1
                             

                            switchが MSTP モードに戻り、プロトコルの移行プロセスが再開されます。

                             
                            次の作業

                            この手順は、switchでさらにレガシー IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコル バージョンが 0 に設定された BPDU)を受信する場合に、繰り返しが必要なことがあります。

                            関連コンセプト

                            MST の設定およびステータスのモニタリング

                            表 6 MST ステータスを表示するコマンド
                               

                            show spanning-tree mst configuration

                            MST リージョンの設定を表示します。

                            show spanning-tree mst configuration digest

                            現在の MSTCI に含まれる MD5 ダイジェストを表示します。

                            このコマンドは、リンク アップ動作可能状態のポートの情報を表示します。

                            すべてのインスタンスの MST 情報を表示します。

                            (注)     

                            このコマンドは、リンク アップ動作可能状態のポートの情報を表示します。

                            このコマンドは、リンク アップ動作可能状態のポートの情報を表示します。

                            show spanning-tree mst instance-id

                            指定インスタンスの MST 情報を表示します。

                            (注)     

                            このコマンドは、ポートがリンク アップ動作可能状態の場合にのみ情報を表示します。

                            show spanning-tree mst interface interface-id

                            指定インターフェイスの MST 情報を表示します。

                            MSTP に関する追加情報

                            関連資料

                            関連項目 マニュアル タイトル

                            スパニング ツリー プロトコル コマンド

                            LAN Switching Command Reference, Cisco IOS XE Release 3SE(Catalyst 3850 Switches)

                            エラー メッセージ デコーダ

                            説明 Link

                            このリリースのシステム エラー メッセージを調査し解決するために、エラー メッセージ デコーダ ツールを使用します。

                            https:/​/​www.cisco.com/​cgi-bin/​Support/​Errordecoder/​index.cgi

                            標準および RFC

                            標準/RFC タイトル

                            なし

                            MIB

                            MIB MIB のリンク

                            本リリースでサポートするすべての MIB

                            選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

                            http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

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                            http:/​/​www.cisco.com/​support

                            MSTP の機能情報

                            リリース

                            変更内容

                            Cisco IOS XE 3.2SECisco IOS XE 3.2SE

                            この機能が導入されました。