Cisco Smart Install コンフィギュレーション ガイド
Smart Install の概要
Smart Install の概要
発行日;2013/05/14 | 英語版ドキュメント(2013/03/13 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

Smart Install の概要

概要

Smart Install ディレクタ

イメージリスト ファイル

設定ファイル

Smart Install クライアント

Smart Install グループ

DHCP と Smart Install

ネットワークへのクライアント スイッチの追加

クライアント コンフィギュレーションのバックアップ

クライアント スイッチの交換

加入時間の使用

加入時間モードの設定

クライアント スイッチのアップデート

ゼロタッチ インストール

クライアント スイッチへの接続

Smart Install のガイドラインと推奨事項

概要

Smart Install とは、新しいスイッチのゼロタッチ配置を実現するためのプラグ アンド プレイ設定とイメージ管理機能です。これにより、スイッチを設定することなく、デバイスを設置場所に送付し、ネットワーク上に設置して電源を投入することができます。

Smart Install を使用するネットワークには、クライアントというネットワーキング デバイスのグループが含まれ、ディレクタとして動作する一般的なレイヤ 3 スイッチまたはルータによってサービスの提供を受けます。Smart Install ネットワークでは、 ゼロタッチ インストールプロセスを使用して、ネットワーク管理者のサポートなしで新しいアクセス レイヤ スイッチをネットワークにインストールできます。ディレクタは、クライアント スイッチのイメージおよびコンフィギュレーションの単一管理ポイントとなります。クライアント スイッチが最初にネットワークに設置されると、ディレクタがその新しいスイッチを自動的に検出し、ダウンロードする適正な Cisco IOS イメージとコンフィギュレーション ファイルを特定します。ディレクタはまた、クライアントに IP アドレスとホスト名を割り当てることもできます。ネットワーク内のスタンドアロン型スイッチを、SKU が同じ別のスイッチ(同じ製品 ID のスイッチ)で交換する場合、以前のスイッチと同じコンフィギュレーションとイメージが自動的に取得されます。ネットワーク内の 1 台または複数台のスイッチに対し、ディレクタがオンデマンド設定やソフトウェア イメージのアップデートを行うことも可能です。

ディレクタは DHCP および TFTP サーバとして動作できます。また、コンフィギュレーションおよびイメージ ファイルを格納できます。これらのファイルは、ディレクタとして使用するサードパーティ製 TFTP サーバに格納することもできます。クライアントは、イメージ ファイルとコンフィギュレーション ファイルをディレクタ TFTP サーバとリモート サーバのいずれからでもダウンロードできます。


) 12.2(52)SE よりも前のリリースを実行するスイッチは Smart Install 対応ではありませんが、archive download-sw 特権 EXEC コマンドをサポートしている場合、Smart Install クライアントにすることができます。Smart Install クライアントは、レイヤ 2 またはレイヤ 3 スイッチとして使用できます。


サポートされるルータおよびスイッチ、可能な役割(クライアントまたはディレクタ)、および必要なソフトウェア リリースのリストについては、 付録 A「Smart Install でサポートされるデバイス」 を参照してください。最初のリリース以降に追加された Smart Install 機能と各機能を導入したリリースについては、 付録 B「各リリースの機能」 を参照してください。

一般的な Smart Install ネットワークでは、クライアント スイッチが DHCP を使用して IP アドレスを取得し、ディレクタが DHCP メッセージをスヌープします。クライアントは、Smart Install ゼロタッチ アップデートに関与する場合は DHCP を使用する必要があります。また、ディレクタがクライアントからの DHCP パケットをすべてスヌープできるように、DHCP 通信はすべてディレクタを通過する必要があります。ほとんどの自動処理は、Smart Install ネットワーク内のすべてのスイッチが DHCP を使用し、Smart Install 対応である場合に実行されます。ただし、ソフトウェア イメージをダウンロードする archive download-sw 特権 EXEC コマンドをサポートするすべてのクライアント スイッチは、ゼロタッチ Smart Install ネットワークで使用できます。サポートされるルータおよびスイッチ、可能な役割(クライアントまたはディレクタ)、および必要なソフトウェア リリースの完全なリストについては、 付録 A「Smart Install でサポートされるデバイス」 を参照してください。


) Smart Install ネットワークに設定できるのは 1 つのディレクタのみです。


クライアント スイッチは、ディレクタに直接接続されていなくても Smart Install に関与できます。Smart Install ネットワークは、最大 7 ホップをサポートします。マルチホップ環境で中継スイッチまたは中継スイッチ経由でディレクタに接続されているクライアントは、Smart Install 対応のスイッチとして使用できます(必ずしも Smart Install 対応として設置する必要はありません)。

図 1-1 に、Smart Install ネットワークと外部 DHCP サーバおよび TFTP サーバを示します。Smart Install ネットワークには、ディレクタと TFTP サーバをそれぞれ 1 つだけ設定できます。ディレクタは、DHCP サーバおよび TFTP サーバとしても機能できます。

図 1-1 一般的な Smart Install ネットワーク図

 

 

Smart Install ネットワークは、次の構成が可能です。

すべてのクライアント スイッチが、たとえば WS-2960S-48FPS-L など、同じ製品 ID(PID)を持つネットワーク。この場合、すべてのクライアント スイッチで使用するデフォルトのイメージとシードまたは基本のコンフィギュレーションを指定できます。

異なる PID を持つ複数のスイッチで構成されるネットワーク。このようなネットワークでは、スイッチ グループを設定し、グループ内のすべてのスイッチに、同じイメージとシード コンフィギュレーション ファイルが適用されるように指定できます。グループは、事前定義の PID に基づいて作成できます。また製品 ID、MAC アドレス、スイッチのスタック番号、MAC アドレス、または特定の上流ネイバーに対するクライアント スイッチの接続性に基づいて作成することもできます。グループ内のスイッチを、製品 ID が同じ別のスイッチで交換する場合、新しい交換スイッチは同じコンフィギュレーションとイメージを受信します。

スイッチがイメージと基本のコンフィギュレーションを受信した後は、個々のスイッチに固有の機能を設定し、そのコンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションに保存できます。

Smart Install ゼロタッチ アップデートに関与するスイッチは、DHCP を使用して IP アドレスを取得する必要があります。次の送信処理に DHCP オプションが使用されます。

イメージ ファイルの名前と場所

TFTP サーバの IP アドレス

ホスト名

コンフィギュレーション ファイル名

他のスイッチに対するディレクタの IP アドレス

ディレクタが設定され、クライアントが Smart Install ネットワークに加入すると、Smart Install は、これらのデバイス上で自動的にイネーブルになります。Cisco IOS Release 12.2(58)SE、XE 3.4SG、15.1(2)SG、15.1(1)SY、15.0(2)SE、および 3.2(0)SE 以降では、デバイス上で Smart Install をディセーブルできます。また、クライアント上またはディレクタ上で no vstack グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して Smart Install TCP ポートをシャット ダウンすることもできます。Smart Install がデバイス上でディセーブルになると、Smart Install の設定は実行中の設定に残りますが、Smart Install がディセーブルの間は有効になりません。デバイス上で Smart Install を再度イネーブルにするには、 vstack グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。

次の項には、Smart Install コンポーネントの詳細情報が記載されています。

「Smart Install ディレクタ」

「Smart Install クライアント」

「Smart Install グループ」

Smart Install ディレクタ

Smart Install ネットワークのディレクタは、Cisco IOS Release 12.2(52)SE 以降、XE 3.4SG、15.1(2)SG、15.0(2)SE、15.1(1)SY 以降、3.2(0)SE が稼働しているレイヤ 3 スイッチ、または Cisco IOS Release 15.1(3)T 以降が稼働しているルータである必要があります。Smart Install ディレクタの役割を実行できるルータおよびスイッチのリストについては、 付録 A「Smart Install でサポートされるデバイス」 を参照してください。ディレクタがサポートする機能は、実行しているソフトウェアのバージョンによって変わります。詳細については、 付録 B「主な機能の最小 Cisco IOS Release」 を参照してください。

デバイスをディレクタとして設定するには、 vstack director ip_ address グローバル コンフィギュレーション コマンドでいずれかのレイヤ 3 インターフェイスの IP アドレスを入力し、 vstack basic コマンドを入力して、デバイスをディレクタとしてイネーブルにします。


no vstack グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してデバイス上で Smart Install をディセーブルにしている場合、vstack director ip_ address および vstack basic グローバル コンフィギュレーション コマンドは、デバイスで使用できません。デバイス上で Smart Install を再度イネーブルにするには、vstack グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。


デバイスがディレクタとして設定されると、DHCP スヌーピングが VLAN 1 上で自動的にイネーブルになり、ディレクタがディレクタ データベースの構築を開始します。Smart Install 管理に使用される別の VLAN を指定するには、 vstack startup-vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

このデータベースには、Smart Install ネットワークのクライアント デバイスが登録され、次の情報が含まれます。

スタック内のスイッチを含む、すべてのスイッチのスイッチ タイプ(PID)

スタック内のスイッチを含む、すべてのスイッチの MAC アドレス

スイッチまたはスタックの IP アドレス

ホスト名

スイッチとインターフェイスするネイバーを含むネットワーク トポロジ

シリアル番号(Smart Install 対応のスイッチのみ)


) ディレクタがスイッチの場合、VLAN 1 のデフォルトで DHCP スヌーピングがイネーブルです。また、vstack vlan vlan-range グローバル コンフィギュレーション コマンドによって設定された他の Smart Install 管理 VLAN 上でイネーブルにすることもできます。Smart Install 管理に使用される別の VLAN を指定するには、vstack startup-vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。Cisco IOS Release 15.1(1)SY、15.0(2)SE、15.1(2)SG、および Cisco IOS XE 3.4SG では、非 VLAN1 の管理がサポートされています。また、非 VLAN1 で使用可能なクライアント スイッチを検出する機能も提供します。


DHCP を使用して IP アドレスを割り当てる Smart Install ネットワークでは、ディレクタを設定するだけで済みます。クライアント スイッチの設定は、一切必要ありません。クライアントでコマンドライン インターフェイス コマンドを入力できますが、スイッチがディレクタの役割を担うまで、コンフィギュレーション コマンドは有効になりません。

複数のクライアントに対して設定できるのは 1 つのディレクタのみなので、バックアップ ディレクタを設定できません。ディレクタで障害が発生した場合の結果は次のとおりです。

ディレクタ データベースを再構築する必要があります。

Smart Install 非対応スイッチに対して実行されたアップデートは失敗する可能性があります。

蓄積されたダウンロード ステータスは失われます。

ディレクタの再起動前に、コンフィギュレーションのバックアップは実行できません。

次の場合、ディレクタはステータスを変更し、クライアント スイッチになることができます。

ディレクタの IP アドレスを持つディレクタ インターフェイスは、シャットダウンします。

ディレクタの IP アドレスを持つディレクタ インターフェイスは、削除されます。

ディレクタの IP アドレスは変更されます。

ディレクタがクライアントになると、DHCP スヌーピングはディセーブルになり、ディレクタのデータベースは使用されなくなります。

ディレクタの IP アドレスが DHCP によって付与される場合、クライアント スイッチに対して別のディレクタ IP アドレスを設定すると、そのクライアントは、そのディレクタの Smart Install ネットワークの一部ではなくなります。

Smart Install では、TFTP サーバにイメージ ファイルとコンフィギュレーション ファイルが保存されます。TFTP サーバを外部デバイスにすることや、ディレクタが TFTP サーバとして動作することができます。ディレクタが TFTP サーバの場合、Cisco IOS イメージ ファイルとコンフィギュレーション ファイルの両方に対応できる十分なフラッシュ ファイル領域をディレクタ上に用意する必要があります。「TFTP サーバの設定」を参照してください。

DHCP を使用している Smart Install ネットワークでは、DHCP サーバとして、外部装置または DHCP サーバとして動作するディレクタを使用できます。「DHCP サーバの設定」を参照してください。ディレクタは、Smart Install 管理 VLAN として設定された VLAN 上で、ディレクタを通過するすべての DHCP パケットをスヌーピングします。中継スイッチやクライアント スイッチ、または外部 DHCP サーバからのすべてのネットワーク DHCP パケットは、ディレクタを通過する必要があります。ディレクタは、クライアントからのすべての DHCP をスヌープできる必要があります。


) DHCP が提供する Smart Install オプションは、オプション 125 とサブオプション 5(イメージリスト ファイル)、オプション 125 とサブオプション 16(ディレクタの IP アドレス)、およびオプション 67(コンフィギュレーション ファイル)です。


ディレクタは、ネットワーク Smart Install スイッチから情報を収集することによって、ネットワークに関するトポロジー ディレクタ データベースを構築します。ディレクタは、次の目的でデータベースを使用します。

コンフィギュレーション ファイルおよびイメージをクライアントに割り当てるため。

ネットワーク スイッチのオンデマンド アップデートに備えて PID、イメージ名、およびコンフィギュレーション ファイルを取得する場合に参照するため。

ディレクタは、ネイバー スイッチから受信する CDP アップデートや、Smart Install 対応のクライアントがディレクタに送信した Smart Install メッセージから受信する CDP アップデートに基づいて、ディレクタ データベースを定期的に更新します。このアップデートには、クライアント ネイバーに関する情報が含まれます。

イメージリスト ファイル

イメージリストには、クライアントに読み込むイメージを指定します。イメージ リスト ファイルは、クライアントの適切なイメージ名を含むファイルです。ディレクタが TFTP サーバの場合、このファイルはフラッシュ メモリに格納されます。それ以外の場合、リモートのサードパーティ製 TFTP サーバに格納されます。

このファイルがディレクタに格納される場合、イメージリストのプレフィックスは flash: //、 usbflash0: //、bootflash://、bootdisk://、または disk0:// です(スイッチで使用できる適切なファイル システムに基づく)。

ファイルをリモートの TFTP サーバに格納する場合、プレフィックスは tftp: // ip_address / image . tar です。

すべてのイメージは、ディレクタまたはサードパーティ製 TFTP サーバの同じ場所に格納する必要があります。

スタンドアロン スイッチの場合、イメージリスト ファイルにはイメージが 1 つだけ含まれています。スタックの場合、イメージリストには、スタックのすべてのメンバーに対するイメージが含まれます。これらのイメージは同一のイメージでも、異なるイメージでもかまいません。スイッチ スタックの場合、ユーザがスタック内の各スイッチについて tar ファイルを指定した後に、ディレクタによってイメージリスト ファイルが作成されます。

Cisco IOS Release 12.2(55)SE 以降、15.1(1)SY、15.0(2)SE、または 3.2(0)SE、XE 3.4SG、および 15.1(2)SG 以降では、ユーザが各スイッチに tar ファイルを指定すると、自動的にイメージリスト ファイルが作成されるようになりました。

設定ファイル

ディレクタでは次のコンフィギュレーション ファイルが管理されます。

スタートアップ コンフィギュレーション:クライアントの起動時に使用するコンフィギュレーション。

シード コンフィギュレーション:クライアント スタートアップ コンフィギュレーションの基礎となるディレクタ上のコンフィギュレーション。

バックアップ コンフィギュレーション:ディレクタに格納されているクライアント スタートアップ コンフィギュレーションそのままのコピー。

Smart Install クライアント

クライアント スイッチはディレクタとの間に直接的または間接的な接続があるため、ディレクタからイメージとコンフィギュレーションのダウンロードを受信できます。スイッチが Smart Install クライアントになるのは、ディレクタによってスイッチが検出された場合、またはスイッチのディレクタ IP アドレスが手動で設定された場合です。クライアント スイッチは、ディレクタ データベースを使用してイメージおよび設定のダウンロード情報を検索し、Smart Install TFTP サーバからイメージおよびコンフィギュレーション ファイルを受信します。

クライアント スイッチは、他のクライアント スイッチに接続した中継スイッチとして構成することも、 スタンドアロン スイッチや、スイッチ スタックとして構成することも可能です。

Smart Install 対応ではないクライアントは、ディレクトリでダウンロードされたイメージとコンフィギュレーションを受信できますが、Smart Install 対応スイッチに接続している場合にのみ、ディレクタのデータベースに入力できます。ディレクタは、クライアント スイッチへの telnet を実行し、 archive download-sw 特権 EXEC コマンドを使用してスイッチにソフトウェアをダウンロードできます。ダウンロードを実行するには、ディレクタがクライアント スイッチのパスワードを知っている必要があります。

Smart Install 対応スイッチは、ディレクタと直接通信して、スイッチ情報の更新、イメージとコンフィギュレーションのダウンロード、およびディレクタによる管理を行うことができます。ディレクタの IP アドレスが設定されており、ディレクタへの接続が可能な Smart Install 対応のクライアントは、Smart Install プロトコルを使用してスイッチおよびネイバーの情報をディレクタに送信します。

Smart Install 対応スイッチの必要なソフトウェア リリースについては、 付録 A「Smart Install でサポートされるデバイス」 を参照してください。

ディレクタへのネットワーク接続が可能な、ネットワークのスイッチは、Smart Install 対応であるかどうかを問わず、すべてクライアントとして使用できます。クライアント スイッチは、管理の通信に使用する IP アドレスが必要です。また、ディレクタはその IP アドレスと通信できる必要があります。クライアント スイッチの IP アドレスは、DHCP で割り当てられるか、静的に設定されます。

Smart Install 対応のクライアントは、接続されたディレクタにディレクタ スイッチとネイバー情報を送信し、ディレクタ データベースへの登録を要求します。Smart Install 対応ではないか、または Smart Install 対応のスイッチに接続されていないスイッチは、ディレクタ データベースに登録されません。マルチホップ トポロジーでは、ディレクタが完全なトポロジー概要を取得するために、クライアント グループのすべてのクライアント スイッチ アップストリームが、Smart Install 対応である必要があります。ディレクタ データベースに登録されていないクライアントに対してもオンデマンド アップデートを実行できますが、ゼロタッチ アップデートやグループ アップデートは実行できません。

図 1-2 に、ネットワーク内でクライアントを相互接続するために、考えられる方法をいくつか示します。 表 1-1 および 表 1-2 は、各クライアントのディレクタ データベースの知識と、サポートされているアップデートのタイプを示します。


図 1-2 に示すトポロジーは、一般的な Smart Install トポロジーというわけではなく、クライアントの相互接続のタイプを示すためのものです。


図 1-2 Smart Install クライアントの相互接続


) Cisco IOS Release 12.2(52)SE 以降、XE 3.4SG、15.1(2)SG、15.1(1)SY、15.0(2)SE、および 3.2(0)SE では、ディレクタの役割がサポートされています。リリース 15.0(2)SE、15.1(1)SY、15.1(2)SG、および XE 3.4SG は、非 VLAN1 の管理がサポートされています。また、非 VLAN1 で使用可能なクライアント スイッチを検出する機能も提供します。


表 1-1 に、ディレクタ データベースに登録されるスイッチと、ディレクタが情報を取得する方法を示します。クライアントがディレクタからシングル ホップの場合、クライアントは CDP を使用してそれ自体に関する情報をディレクタに送信します。クライアントが Smart Install 対応スイッチの場合、それ自体とそのネイバーに関する情報をディレクタに送信します。

 

表 1-1 クライアント スイッチのディレクタ データベースの内容

クライアント スイッチ
ディレクタ データベースへの登録
データベース情報の情報源

クライアント 1

Yes

CDP および Smart Install から情報を収集します。クライアントはまた、そのネイバーに関する情報も送信します(クライアント 2)。

クライアント 2

Yes

クライアント 1 から情報を受信します。

クライアント 3

Yes

CDP から情報を取得します。

クライアント 4

No

使用できる情報がありません。クライアントは、ディレクタや他の Smart Install スイッチの直接のネイバーではありません。

クライアント 5

Yes

CDP から情報を取得します。

クライアント 6

No

使用できる情報がありません。クライアントは、ディレクタや他の Smart Install スイッチの直接のネイバーではありません。

クライアント 7

Yes

CDP および Smart Install から情報を収集します。クライアントはまた、隣接するクライアント 8 に関する情報も送信します。

クライアント 8

Yes

クライアント 8 への情報は、クライアント 7 によって非 VLAN1 経由でに送信されます。

 

表 1-2 各クライアントでサポートされるアップデートのタイプ

デバイス
ソフトウェア バージョン
ゼロタッチ アップデート
クライアントのオンデマンド アップデート
グループのオンデマンド アップデート

ディレクタ

12.2(52)SE 以降、15.1(1)SY、XE 3.4SG、15.1(2)SG、15.0(2)SE、または

3.2(0)SE

--

--

--

クライアント 1

12.2(52)SE 以降

Yes

Yes

Yes

クライアント 2

12.2(52)SE よりも前のバージョン

Yes

Yes

Yes

クライアント 3

12.2(52)SE よりも前のバージョン

Yes

Yes

Yes

クライアント 4

12.2(52)SE 以降

Yes

Yes

Yes

クライアント 5

12.2(52)SE よりも前のバージョン

Yes

Yes

Yes

クライアント 6

12.2(52)SE よりも前のバージョン

Yes

Yes

No。スイッチがディレクタ データベースに登録されません。

クライアント 7

15.0(2)SE

Yes

Yes

Yes

クライアント 8

15.0(2)SE

Yes

Yes

Yes

ネットワーク内の Smart Install クライアントの種類を確認するには、 show vstack status 特権 EXEC コマンドを入力します。

Director# show vstack status
SmartInstall: ENABLED
Status: Device_type Health_status Join-window_status Upgrade_status
Device_type: S - Smart install N - Non smart install P - Pending
Health_status: A - Active I - Inactive
Join-window_Status: a - Allowed h - On-hold d - Denied
Image Upgrade: i - in progress I - done X - failed
Config Upgrade: c - in progress C - done x - failed
Director Database:
DevNo MAC Address Product-ID IP_addr Hostname Status
===== ============== ================= =============== ========== =========
0 0018.7363.4200 WS-C3750-24TS 172.20.249.54 IBD-MXD-ST Director
1 0016.4779.b780 WS-C3750G-24TS 172.20.249.54 IBD-MXD-ST Director
2 d0d0.fd37.5a80 WS-C3750X-48P 172.20.249.54 IBD-MXD-ST Director
3 0026.5285.7380 WS-C3750E-24TD 172.20.249.54 IBD-MXD-ST Director
4 0024.13c6.b580 WS-C3750E-24TD 172.20.249.115 DEV-c6.b5c S A a
5 0021.a1ab.9b80 WS-C2960-48TC-S 172.20.249.249 DEV-ab.9bc S A a I C
6 0024.5111.0900 WS-C3750E-24TD 172.20.249.222 DEV-11.094 S A a I C
7 001d.45f3.f600 WS-C3750G-24TS 172.20.249.87 DEV-90.f64 S A a
8 0016.c890.f600 WS-C3750G-24TS 172.20.249.87 DEV-90.f64 S A a
9 001f.2604.8980 WS-C2960-48TC-S 172.20.249.89 DEV-04.89c S A a I C
10 001b.d576.2500 WS-C3750E-24PD 172.20.249.91 DEV-a6.1cc S A a I C
 

Cisco IOS Release 12.2(58)SE または 15.1(1)SY では、各クライアントに関する詳細情報を提供するために次のフィールドが追加されました。

デバイス タイプ:S(Smart Install 対応、Cisco IOS release 12.2(52)SE 以降、15.1(1)SY、15.0(2)SE、または 3.2(0)SE が稼働)、N(非 Smart Install デバイス)、または P(保留中、判別不可)

デバイス ヘルス ステータス:Active(ディレクタはデバイスから定期的にアップデートを受信しています)または Inactive(デバイスは接続が切断されているか、連続する 3 つのキープアライブ期間でアップデートを提供していません)

加入時間のステータス:a(有効)、h(保留)、または d(拒否)。「加入時間の使用」を参照してください。

アップグレードのステータス:イメージのアップデートが i(進行中)、I(完了)、または X(失敗)。設定のアップグレードは c(進行中)、C(完了)、または x(失敗)。

Smart Install グループ

Smart Install ネットワーク内のすべてのスイッチが同じ PID の場合、同じイメージと同じシード(基本)コンフィギュレーション ファイルを実行できます。この場合、すべてのクライアントについてデフォルト イメージとコンフィギュレーション ファイルを割り当てることができます。しかし、ネットワーク内に複数の PID が存在する場合、または同じスイッチ上で別のコンフィギュレーション ファイルを実行する場合、ネットワーク内での機能に応じて、Smart Install グループを設定し、各グループに対してイメージとコンフィギュレーション ファイルを割り当てる必要があります。

カスタム グループは組み込みグループに優先し、次の要素に基づいて設定されます。

スタック グループ:スタックのスイッチについては、スタック内の番号に基づいてグループを設定できます。スタック グループは、スタックのアップグレードにのみ使用されます。クライアントがディレクタ データベースに登録されている必要はありません。Cisco IOS Release 12.2(58)SE、15.1(1)SY、15.0(2)SE、または 3.2(0)SE 以降では、スタックが同種(すべてが 1 つのスイッチ タイプ)の場合、各スイッチ タイプを指定する必要はありません。

MAC アドレス:特定のスイッチのカスタム グループを作成するには、スイッチの MAC アドレスを使用してグループを設定します。スイッチが同じイメージとコンフィギュレーション ファイルを使用している限り、製品 ID が同じスイッチまたは異なるスイッチを含めることができます。 show vstack neighbors all 特権 EXEC コマンドを入力して、Smart Install ネットワークのスイッチの MAC アドレスを確認します。

接続性:ネットワーク トポロジーに基づき、同じ上流ネイバーを持つすべてのスイッチを 1 つのグループとしてカスタム グループを設定できます。接続性グループは、製品 ID またはスタック番号が一致するグループよりも優先されます。接続性グループには、スタンドアロン スイッチのみが含まれます(スイッチ スタックは除外)。クライアントはディレクタ データベースに登録されている必要があります。

製品 ID(PID):サポートされているすべてのモデルであり、ソフトウェアのリリース時にまだ出荷されておらず、したがって、CLI に存在しない PID を含みます。PID グループには、スタンドアロン スイッチのみが含まれます(スイッチ スタックは除外)。クライアントがディレクタ データベースに登録されている必要はありません。

カスタム グループの優先順は、高位から低位の順に、スタック グループ、MAC アドレス、接続性、および製品 ID です。

組み込みグループは、CLI から選択できる PID に基づいてグループ化されます。これらは、ソフトウェアがリリースされたときに出荷されていた固定のイーサネット スイッチング製品を示します(3750、3560、2975、2960、3850 など)。

グループに属するスイッチは、そのグループに割り当てられたイメージとコンフィギュレーション ファイルを使用します。クライアント スイッチが、ディレクタ データベース内のグループに属していない場合は、デフォルトのイメージとコンフィギュレーション ファイルが割り当てられます。


) ネットワーク内に複数のスイッチ PID が存在する場合、組み込みグループおよびカスタム グループの設定をお勧めします。デフォルトのイメージと設定は、1 つの製品 ID でのみネットワーク内で使用されます。


カスタム グループの使用例として、すべてのクライアント スイッチが同じ PID で、異なるコンフィギュレーションにする必要がある場合があります。たとえば、ある小売店にレジと薬局があり、薬局のスイッチには異なるコンフィギュレーションが必要な場合があります。レジではデフォルトのコンフィギュレーションを使用しますが、薬局用にカスタム グループを作成します。

DHCP と Smart Install

Smart Install ネットワークでは、DHCP の使用をお勧めします。ゼロタッチ アップデートでは、DHCP は必須です。オンデマンド アップデートに DHCP は必要ありません。DHCP ネットワークの場合、ディレクタの DHCP スヌーピングは自動的にイネーブルになります。ディレクタは、クライアント スイッチとの間でやり取りするサービスと要求をスヌープし、DHCP スヌーピングを使用して、Smart Install 操作に使用される DHCP オプションを挿入します。

ただし、DHCP スヌーピングはルーテッド ポートではサポートされていないので、ルーテッド ポートを直接クライアントやディレクタに接続しないでください。

DHCP サーバは、次のいずれかの方法で Smart Install ネットワーク内に配置できます。

Smart Install ディレクタが、ネットワーク内の DHCP サーバとして動作することができます。DHCP オファーがクライアント スイッチに届くと、ディレクタは IP アドレスを付与するとともに、設定とイメージおよびホスト名を DHCP オファーおよび DHCP 確認応答のオプションとして割り当てます。DHCP スヌーピングは、ディレクタで自動的にオンになります。

Smart Install ネットワーク内にあるディレクタとは別の装置(サードパーティ サーバ)を、DHCP サーバとして使用することができます。この場合、クライアントと DHCP サーバの間の DHCP パケットが、ディレクタを通過する必要があります。


) 加入時間の長さを設定することにより、設定された時間内にディレクタが DHCP オファーのみを変更して、クライアントにイメージとコンフィギュレーション ファイルを送信できるように指定できます。加入時間を設定することで、Smart Install が指定した時間の長さに制限され、クライアントがこのようなファイルを受信できる場合に備えたセキュリティ機能として動作します。「加入時間の使用」を参照してください。


サードパーティ サーバとディレクタ DHCP サーバが、ネットワーク内で共存することができます。この場合、ディレクタは、Smart Install ネットワーク内でスイッチの DHCP 要求のみを処理します。ディレクタは、Smart Install データベースとプールを維持し、それ以外の DHCP データベース機能は、サードパーティのサーバによって維持されます。

コンフィギュレーション手順については、「DHCP サーバの設定」を参照してください。

Smart Install の DHCP サーバが、ディレクタまたは Cisco IOS が稼働するそれ以外の装置の場合、ネットワークのリロード時に、サーバが参加スイッチに対して新しい IP アドレスを割り当てることがあります。スイッチの IP アドレスが変更されると、そのスイッチが到達不能になる可能性があります。ディレクタの IP アドレスが変更されると、そのスイッチは Smart Install ディレクタではなくなり、ディレクタとクライアントの関係が失われることがあります。このような事態が発生する可能性は低いですが、発生しないとは限りません。このような事態が発生しないように、DHCP サーバで ip dhcp remember グローバル コンフィギュレーション コマンドまたは remember DHCP プール コンフィギュレーション コマンドを入力して DHCP の記憶機能 をイネーブルにする必要があります。

Cisco IOS を実行しない他社製の DHCP サーバでは、IP アドレスと MAC アドレスをバインディングして、リロード時に同じ IP アドレスが付与されるように設定する必要があります。


) DHCP を使用しない Smart Install ネットワークでは、vstack director ip-address グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して、各クライアント スイッチにディレクタの IP アドレスを手動で設定する必要があります。クライアント スイッチでは、ディレクタの IP アドレスのみが必要です。DHCP を使用しない Smart Install ネットワークは、ゼロタッチ アップデートをサポートできませんが、オンデマンド アップデートはサポートできます。


ネットワークへのクライアント スイッチの追加

納入時、スイッチには工場出荷時のデフォルト イメージが搭載されています。コンセントにつないでネットワークに接続し、起動すると、スイッチは DHCP から IP アドレスの取得を試みます。デバイスをネットワークに追加すると、新しいクライアントが加入したディレクタに通知が送信されます。スイッチが(直接的または間接的に)Smart Install ディレクタに接続されている場合、ディレクタは、DHCP オファーと確認応答によって新しいスイッチを認識します。ディレクタはそのデータベースを検索して、スイッチが設定済みグループに属しているかどうかを確認します。属していない場合、スイッチが Smart Install ネットワークのデフォルト PID に一致するかどうかを確認します。追加されたクライアントの種類に関するコンフィギュレーションがディレクタにあり、加入時間中の場合、新しいクライアントはイメージとコンフィギュレーション ファイルを受信します。


) Smart Install ネットワークのクライアントが複数の PID で構成される場合、MAC アドレス、接続性、スタック グループ、または製品 ID に基づいて、組み込みグループまたはカスタム グループを設定し、各グループにイメージおよびコンフィギュレーション ファイルを定義する必要があります。


DHCP サーバが外部デバイス(ディレクタ以外)の場合、ディレクタのデータベースにクライアント イメージとコンフィギュレーションは格納されません。外部 DHCP サーバが、ディレクタ経由でクライアントに対してイメージやコンフィギュレーション ファイルの情報を送信する場合、DHCP オプションは変更されません。ディレクタ データベースが Cisco Discovery Protocol(CDP)によって更新された後、ディレクタはイメージとコンフィギュレーション ファイルの情報を変更し、正しいイメージとコンフィギュレーション ファイルをクライアントに送信します。


) 加入時間が設定されている場合、Smart Install の設定とイメージ ファイルは、設定された時間にのみ送信されます。クライアント スイッチは、設定の誤りによりイメージまたはコンフィギュレーション ファイルがダウンロードできない場合、イメージまたはコンフィギュレーション ファイルが利用可能でない場合、もしくは加入時間が設定されていて、DHCP 確認応答が設定された時間枠を外れて行われた場合にエラー メッセージを送信します。詳細については、「加入時間の使用」を参照してください。


スイッチが次の条件を満たしていれば、スイッチを Smart Install ネットワークに追加した後、いつでもイメージ ファイルやコンフィギュレーション ファイルをオンデマンドでクライアントにダウンロードできます。

Smart Install 対応ではないスイッチには、イネーブル モード パスワードと有効な IP インターフェイスが必要です。

Smart Install イメージが稼働しているスイッチでは、有効な IP インターフェイスが必要です。

Smart Install ネットワークのクライアント スイッチで Cisco IOS Release 12.2(55)SE 以降、15.1(1)SY、15.0(2)SE、または 3.2(0)SE が稼働していて、同じ製品 ID のスイッチと交換された場合、新しいクライアントは、元のクライアントと同じイメージとコンフィギュレーションを受信します。「クライアント スイッチの交換」を参照してください。

一般的な設定例については、「Cisco Smart Install デバイスの設定」を参照してください。

クライアント コンフィギュレーションのバックアップ

クライアントの起動後、スタートアップ コンフィギュレーションのコピーがディレクタに送信されます。このファイルは、そのファイルのバックアップ コンフィギュレーションです。ユーザが、直接またはディレクタを介して、クライアント コンフィギュレーションを保存するたびに、バックアップ コンフィギュレーションが作成されます。コンフィギュレーションは、ディレクタ上のローカル リポジトリまたはサーバ上のリモート リポジトリに格納されます。バックアップ ファイルは、ゼロタッチ交換中にクライアントを再設定するために使用されます。


) クライアント バックアップがサポートされるのは、ディレクタとクライアントが Cisco IOS Release 12.2(55)SE 以降を実行している場合のみです。


クライアント コンフィギュレーションのバックアップは、デフォルトでイネーブルです。ディセーブルにするには、 no vstack backup グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。ディレクタでファイルのバックアップ機能をイネーブルにするには、 vstack backup を入力します。また、バックアップ ファイルのリポジトリを設定できます。リポジトリを指定しない場合、ファイルはディレクタの flash:/vstack ディレクトリに格納されます。

クライアント コンフィギュレーションのバックアップは、次の場合にトリガーされます。

write memory 特権 EXEC コマンドをクライアントで入力した場合。

ディレクタが起動し、クライアントのコンフィギュレーション情報を要求し、そのコンフィギュレーションをバックアップする場合。

クライアント スイッチの交換

ゼロタッチ交換を使用すると、Smart Install ネットワークに類似の種類のクライアントを交換およびインストールできます。新しいスイッチをネットワークに追加すると、CDP データベースの更新はディレクタに送信されます。ディレクタでは、新しい MAC アドレスかどうか(つまり新しいクライアントかどうか)が判断されます。クライアントを交換し、ネットワークから削除する必要がある場合、CDP データベースでは、削除されたクライアントが inactive と表示されます。製品 ID が同じ別のクライアント MAC アドレスが同じポートに検出された場合、このクライアントは 交換 クライアントと見なされます。ディレクタからは、前のクライアントと同じイメージとコンフィギュレーションが送信されます。

ディレクタ データベースからは、元のクライアントのエントリが削除されます。元のクライアントをネットワークの別の場所に配置する場合、そのクライアントに対して、クライアントの新しい情報を含む新しいエントリが作成されます。

ゼロタッチ交換中は、交換クライアントが最新のバックアップ コンフィギュレーション ファイルを受信します。このファイルは、ディレクタまたはリモート リポジトリに格納されています。ディレクタでバックアップ機能がディセーブルにされていない場合、クライアント コンフィギュレーション ファイルはデフォルトでバックアップされます。

同じブランチで同時に交換できるのは、1 つの Smart Install クライアントのみで、ディレクタに対するパスが 1 つのみの場合です。


) ゼロタッチ交換は、ディレクタと元のクライアントで Cisco IOS Release 12.2(55)SE 以降、15.1(1)SY、15.0(2)SE、または 3.2(0)SE が稼働している場合にだけサポートされます。それよりも前のリリースを実行しているクライアント スイッチの場合、新しいスイッチはシード交換を受信します。


交換クライアントと既存のクライアントが同じ製品 ID、ポート接続、またはインターフェイスを持っていない場合、Smart Install ネットワークからは、その交換クライアントが新規と見なされます。たとえば、交換クライアントは、ディレクタ上、および元のクライアントだった他のクライアント スイッチ上の同じポートに接続する必要があります。新しいデバイスをネットワークに追加すると、新しいクライアントが加入したディレクタに通知が送信されます。追加されたクライアントの種類に関するコンフィギュレーションがディレクタにあり、加入時間中の場合、新しいクライアントはイメージとコンフィギュレーション ファイルを受信します。

加入時間の使用

加入時間は、クライアントがイメージまたはコンフィギュレーション ファイルをアップデートできる時間です。ディレクタは、加入時間中にのみ、クライアントに対してイメージおよびコンフィギュレーションに関する情報を提供できます。クライアントが加入時間外に Smart Install ネットワークに加入しようとしても加入できません。また、イメージおよびコンフィギュレーション ファイルをアップデートできません。

vstack join-window mode auto グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、加入時間中にクライアントが追加された場合、最新のイメージおよびコンフィギュレーション ファイルでクライアントが自動的にアップデートされます。 no vstack join-window mode グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、クライアントが保留状態になります。

加入時間を開くまたは閉じるには、次のコマンドを使用します。

コンフィギュレーションおよびイメージ ファイルのクライアント スイッチへのダウンロードを制御するために加入時間を設定するには、 vstack join-window start [date] hh:mm [interval] [end date] [recurring] グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。

加入時間を手動で閉じるには vstack join-window close グローバル コンフィギュレーション コマンド、加入時間を手動で開くには no vstack join-window close グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。


vstack join-window start コマンドと [no] vstack join-window コマンドを組み合わせて加入時間を閉じたり開いたりすることはできません。


加入時間が設定されて いる 場合、ゼロタッチ アップデートは加入時間の間のみ実行可能です。加入時間外にスイッチがディレクタに接続しても、Smart Install の設定およびイメージ ファイルは自動的にダウンロードされません。その代わりに、新規のスイッチは、 DHCP サーバからデフォルト ファイルを受信します。この機能により、ファイルを制御できるようになり、無許可のスイッチが Smart Install の設定を取得しないように防止できます。

加入時間が設定されて いない 場合、それがデフォルト状態のため、ゼロタッチ アップデートは任意のタイミングで発生します。

加入時間が設定されている場合、設定された時間外に DHCP 確認応答が発生すると、クライアント スイッチは、イメージやコンフィギュレーション ファイルをダウンロードできないというエラー メッセージを送信します。

加入時間モードの設定

加入時間モードには、クライアントに対してさらにセキュリティ レベルを追加する 保留 状態が含まれます。保留状態を使用すると、クライアントがソフトウェアのアップグレードを受信できるかどうか、およびアップグレードを実行する方法を制御できます。加入時間がアクティブな場合の保留状態は、 オン または オフ です。

自動加入時間モードは、 vstack join-window mode auto グローバル コンフィギュレーション コマンドで設定します。 このモードでは、 クライアントがネットワークに加入すると、加入時間が開始されたときに自動的にアップグレードされます。

no vstack join-window mode グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してこのモードを手動に設定すると、加入時間中にクライアントがネットワークに加入したときに、クライアントは保留リストに追加されます。

保留リストのクライアントを確認するには、 show vstack status ユーザ EXEC コマンドを入力します。保留リストからクライアントを削除するには、 vstack on-hold-clients remove グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。


) 保留状態からクライアントを削除して、クライアントをネットワークに加入できるようにする場合、クライアントを再起動して、改めて保留状態にするか(モードが手動の場合)、自動的にアップグレードする(モードが自動で加入時間中の場合)必要があります。


新しいクライアントがネットワークに加入し、モードが自動に設定されている場合、加入時間中かどうかにかかわらず、加入時間の状態はアクティブになります。モードを手動に設定し、加入時間中の場合、クライアントは保留リストに追加されます。加入時間が終了した場合、クライアントはネットワークに加入できません(拒否されます)。

表 1-3 に、加入時間の状態と、各状態で許可されているアクションと許可されていないアクションを示します。

 

表 1-3 加入時間の状態と機能

加入時間の状態
ゼロタッチ アップデート
オンデマンド アップデート
コンフィギュレーションのバックアップ

アクティブ

拒否

不可

保留

ユーザ操作により許可

不可

Cisco IOS Release 12.2(58)SE、15.1(1)SY、15.0(2)SE、または 3.2(0)SE 以降では、 vstack join-window-status index client-id { allowed | held } 特権 EXEC コマンド を使用して 1 つのクライアントまたは複数のクライアントの加入時間を拒否状態から有効状態または保留状態に手動で変更できます。

クライアント スイッチのアップデート

サポートされるイメージとコンフィギュレーションのアップデートのタイプ

ゼロタッチ アップデート:コンフィギュレーションがないクライアント スイッチ用です。新しいクライアントに初めてイメージおよびコンフィギュレーションをインストールする場合、 write erase および reload の後にクライアントにイメージとコンフィギュレーションをインストールする場合、または vstack backup がイネーブルなときの交換スイッチの場合に使用できます。Smart Install ネットワークでは、ゼロタッチ アップデートを実施するために DHCP を実行する必要があります。

オンデマンド アップデート:すでにネットワークにありディレクタに接続されているクライアント スイッチ用です。オンデマンド アップデートは、1 つのスイッチで、または組み込みグループに属するすべてのクライアントで実施できます。オンデマンド アップデートに、DHCP は必要ありません。クライアントが組み込みグループに属していない場合、ディレクタが 1 つのスイッチをアップデートするには、クライアントの IP アドレスが必要です。12.2(52)SE よりも前のイメージが稼働しているスイッチのオンデマンド アップデートでは、スイッチにイネーブル パスワードおよび IP インターフェイスを設定する必要があります。

どの Smart Install クライアント スイッチにでもゼロタッチ アップデートまたはオンデマンド アップデートを実施できます。また、ディレクタからスイッチに接続できる(直接または別のスイッチ経由)限り、ディレクタから vstack download-image および vstack download-config 特権 EXEC コマンドを使用して、任意のスイッチのイメージまたはコンフィギュレーションをアップデートすることもできます。さらに、クライアント スイッチに対して telnet を実行し、 archive download-sw 特権 EXEC コマンドを使用してスイッチ ソフトウェアをアップデートすることもできます。クライアント スイッチに対して telnet を実行する場合は、任意の設定を行えるようにスイッチのイネーブル パスワードを知っている必要があります。

Cisco IOS Release 12.2(58)SE、15.1(1)SY、15.0(2)SE、または 3.2(0)SE 以降では、 vstack download-image 特権 EXEC コマンド内のディレクタ データベースからインデックス番号を入力し、同じ製品 ID とパスワードを持つ複数のクライアントの同時アップデートを実行します。

ゼロタッチ インストール

ゼロタッチ インストールとは、コンフィギュレーションがないクライアント スイッチでディレクタによって開始されるアップデートのことです。Smart Install 対応スイッチと非 Smart Install スイッチで、ゼロタッチ インストールを実行できます。ゼロタッチ インストールは、ユーザ操作がほとんどないかまったくない状態で自動的に実行されます。設定されていないスイッチと見なされるのは、新規のスイッチ、または write erase および reload の特権 EXEC コマンドが入力されたスイッチです。

ゼロタッチ インストール中は、コンソール キーボードの操作、スイッチへのコマンドやリターンの入力はしないでください。そうした操作を行うと、自動インストールおよび Smart Install プロセスが停止します。プロセスを回復して再開するには、システム プロンプトに戻り、write erase および reload コマンドを入力して、プロセスを再開する必要があります。

TFTP サーバがディレクタになっている場合、このファイルは、ディレクタのルート ディレクトリに保存されます。サーバが別のデバイスである場合、このファイルは、 tftproot ディレクトリ に保存されます。このディレクトリは、TFTP で送信するファイルを保存するための TFTP サーバのデフォルト ディレクトリです。イメージリスト ファイル、新しいコンフィギュレーション ファイル、およびイメージも、このディレクトリに保存されます。

「TFTP サーバの設定」を参照してください。

クライアント スイッチへの接続

クライアント スイッチ コマンドライン インターフェイスに接続するには、 vstack attach { client-index | client_ip_address } 特権 EXEC コマンドを入力します。client-index 番号は、Smart Install ネットワーク内のアクティブなクライアントを示します。この番号をコマンドライン ヘルプで表示するには、 vstack attach コマンドの後に疑問符(?)を入力します。クライアントを再起動するまで、同じクライアント番号が有効です。

Director# vstack attach ?
1 c3750-2042 @ IP 10.0.0.1 : MAC 0000.0040.4080
2 c3750-2045 @ IP 10.0.0.2 : MAC 0000.000c.0d80
A.B.C.D IP address of remote node to attempt attaching to
 

クライアントに接続するには、クライアント スイッチの Telnet サービスを設定し、有効なパスワードを設定しておく必要があります。

Smart Install のガイドラインと推奨事項

Smart Install のゼロタッチ アップデートは、コンフィギュレーション ファイルを搭載せずに納入された新規スイッチに対して実行されます。スイッチがネットワークに接続され、起動されると、スイッチは自動的に適切なイメージと設定をダウンロードします。また、 write erase および reload の特権 EXEC コマンドを入力してコンフィギュレーションをクリアした後に、ゼロタッチ アップデートは事前に設定したスイッチでも実行されます。


注意 ゼロタッチ アップデートの間、コンソール キーボードに触れたり、スイッチにコマンドやリターンを入力したりすると、自動インストールや Smart Install プロセスが停止します。プロセスを復旧し、再起動するには、クライアントのシステム プロンプトで write erase および reload コマンドを入力し、プロセスを再起動します。

何らかの理由で、ダウンロードするスタートアップ コンフィギュレーションに失敗すると、アップデート対象のスタートアップ コンフィギュレーションがないため、クライアントで無限ループが発生する可能性があります。ループから復旧する唯一の方法は、リロード後にクライアントを起動するときに、Enter を押すことです。これによって、アップデート プロセスが停止します。

ゼロタッチ アップデートを実行する場合、常にイメージとスタートアップ コンフィギュレーション ファイルの両方をアップデートする必要があります。オンデマンド ダウンロードの場合、イメージまたはコンフィギュレーション ファイルのみをアップデートするには、代わりに vstack download-image または vstack download-config 特権 EXEC コマンドを使用します。

スイッチは一度に 1 ホップがアップデートされます。ディレクタがホップ 1 のスイッチをアップデートしているときに、ホップ 2 のスイッチはアップデートできません。

DHCP スヌーピングはルーテッド ポートではサポートされていないので、ルーテッド ポートを直接クライアントやディレクタに接続しないでください。DHCP スヌーピングが実行されなければ、ディレクタはクライアントからの DHCP 要求を検出しないので、Smart Install をそのクライアントで実行できません。経路選択済みポートは、Smart Install に加入できません。

16 MB のフラッシュ メモリのみを搭載したクライアント スイッチの場合は、Cisco IOS イメージをアップグレードする前に、新しいイメージのダウンロードに対応できる空き容量がフラッシュ メモリにあることを確認し、 不要なファイルを削除します。Smart Install は、クライアントの起動時にコンフィギュレーション ファイルを提供できるので、コンフィギュレーション ファイルが不要な場合もあります。

Catalyst 6500 Supervisor Engine 2T スイッチでは、オンボードに加え外部ディスクをサポートしており、フラッシュ メモリのサイズはイメージとコンフィギュレーション ファイルをにダウンロードするのに十分な容量があります。

ディレクタは TFTP サーバとして動作できるので、外部 TFTP サーバ装置を用意する必要はありません。ディレクタを TFTP サーバとして設定する場合は、次のガイドラインに従います。

ディレクタ上のフラッシュ メモリの合計容量(使用領域と空き領域の合計)は、ディレクタのイメージとコンフィギュレーション ファイルに加え、クライアント スイッチが必要とするイメージとコンフィギュレーション ファイルを保存するために十分な大きさが必要です。

フラッシュ メモリには、クライアントの Cisco IOS イメージとコンフィギュレーション ファイルを保存するための十分な空き容量が必要です。Cisco IOS イメージ ファイルのサイズは、クライアント スイッチの製品 ID や暗号イメージがインストールされているかどうかによって異なります。

ディレクタが TFTP サーバの場合、各クライアント スイッチのコンフィギュレーション ファイルのコピーは、ディレクタのフラッシュ ファイル システムのルート ディレクトリに保存されます。予定されているクライアント グループごとに十分なスペースが必要です。

ほとんどのディレクタ スイッチは、1 つの Cisco IOS イメージと少数のクライアント コンフィギュレーション ファイルを保存できる程度のフラッシュ メモリしか搭載されていません。たとえば、Catalyst 3750 スイッチは、最大 64 MB のフラッシュメモリを搭載できますが、これをイメージのサイズに基づいて計算すると、4 ~ 5 個のイメージに相当します。

Smart Install ネットワークに、複数の製品 ID を持つクライアント スイッチが含まれる場合は、外部 TFTP サーバを使用する必要があります。

ディレクタが TFTP サーバの場合、TFTP ファイルのダウンロードは外部 TFTP サーバよりも遅くなります。TFTP ファイルのダウンロードを優先する場合、特に、複数のクライアントが TFTP ダウンロードを同時に実行する場合は、外部 TFTP サーバを使用します。

TFTP サーバがサードパーティ製(シスコ製以外の)サーバの場合、同じ名前を持つ別のファイルが作成された場合に、ファイルの名前を変更するサーバ オプションをディセーブルにする必要があります。ディセーブルにしないと、重複するイメージリスト ファイルが作成される可能性があります。

Smart Install では、ディレクタがクライアントの DHCP サーバとして動作する設定が推奨されますが、外部 DHCP サーバも使用可能です。外部装置を DHCP サーバとして使用する場合、DHCP サーバが、ディレクタ IP アドレスに関するオプション 125/サブオプション 6 を設定して、疑似の DHCP サーバの可能性を排除することができます。

IP バインドを 記憶する よう Cisco IOS DHCP サーバを設定し、Smart Install ネットワークのデバイスが、ネットワークまたはデバイスのリロードの際に同じ IP アドレスを維持できるようにすることをお勧めします。

クライアントへの IP アドレスの割り当てに DHCP を使用しない Smart Install ネットワークでは、各クライアント スイッチ上で、ディレクタの IP アドレスを設定する必要があります。

静的 IP アドレスを持つクライアント スイッチでは、ゼロタッチ ダウンロードは取得できませんが、オンデマンド ダウンロードは取得できます。

ディレクタとクライアント スイッチとの間の通信が一時的に切断しても、クライアントが Cisco IOS イメージのインストール中または設定のダウンロード中でない限り、Smart Install には影響がありません。Cisco IOS イメージのインストール中または設定のダウンロード中であった場合は、手動で介入した上で、プロセスの再起動が必要になることがあります。

クライアント スイッチは、デフォルト以外に任意の VLAN に配置することができます。ただし、その VLAN をスヌーピングするようにディレクタを設定し( vstack vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力)、その VLAN からのトラフィックがディレクタを通過する必要があります。

ディレクタは、複数のレイヤ 2 サブネットのクライアントを含む複数の VLAN をスヌーピングできます。

ディレクタとサブネットの間にルートが存在する限り、クライアント スイッチを異なるルーテッド サブネット上に配置できます。このような場合、Smart Install ダウンロードには、クライアントとディレクタの間のリレー エージェントが必要です。

クライアントがディレクタ上のルーテッド ポートに直接接続されている場合、Smart Install は機能しません。

コンフィギュレーション ファイルに、 boot host dhcp を含めることはお勧めできません。コンフィギュレーション ファイルにこの設定が含まれている場合、IP アドレスが設定されていないインターフェイスを持つスイッチに、このコンフィギュレーション ファイルを適用しないでください。

スタッキングに関する考慮事項:

ディレクタがスイッチ スタック内に存在し、Smart Install 以外のクライアントのアップデート時にマスター スイッチオーバーが発生する場合、クライアント スイッチのアップデートが完了していません。

クライアント スイッチがスタックで、メンバーが一部しか稼働していない場合、スタック メンバーへの新しいイメージのダウンロードはできません。

スタックのアップグレードには、スタック グループに一致するカスタム グループを設定する必要があります。

スタックをアップグレードした場合、すべてのスタック メンバーを同時に再起動する必要があります。

スタックを分割する場合、新しいスタックにはアップグレード用の設定が必要です。つまり、スタックのグループ メンバーを正しく設定する必要があります。

Catalyst 3750-X、3750-E、3650-X、および 3650-E クライアント スイッチの場合、適切なライセンス ファイルをインストールしてから、イメージをアップデートします。Smart Install は、イメージのライセンスには適用されません。

ディレクタまたはクライアントで Smart Install をディセーブルにするには、デバイスで no vstack グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。デバイスで Smart Install がイネーブルかディセーブルかを確認するには、 show vstack status 特権 EXEC コマンドを入力します。