Cisco Catalyst Blade Switch 3040 for FSC Software コンフィギュレーション ガイド
HSRP と拡張オブジェクト トラッキングの 設定
HSRP と拡張オブジェクト トラッキングの設定
発行日;2012/02/04 | 英語版ドキュメント(2009/10/12 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 10MB) | フィードバック

目次

HSRP と拡張オブジェクト トラッキングの設定

HSRP の概要

HSRP のバージョン

Multiple HSRP

HSRP の設定

HSRP のデフォルト設定

HSRP 設定時の注意事項

HSRP のイネーブル化

HSRP のプライオリティの設定

MHSRP の設定

HSRP 認証およびタイマーの設定

ICMP リダイレクト メッセージの HSRP サポートのイネーブル化

HSRP 設定の表示

HSRP および拡張オブジェクト トラッキングの設定

拡張オブジェクト トラッキングの概要

拡張オブジェクト トラッキング機能の設定

インターフェイスのラインプロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキング

トラッキング リストの設定

HSRP オブジェクト トラッキングの設定

他のインターフェイス特性の設定

拡張オブジェクト トラッキングのモニタリング

HSRP と拡張オブジェクト トラッキングの設定

この章では、スイッチで Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホット スタンバイ ルータ プロトコル)を使用して、単一のルータの可用性に依存せずに IP トラフィックをルーティングするためのルーティングの冗長性を提供する方法について説明します。さらに、HSRP トラッキング メカニズムを拡張する拡張オブジェクト トラッキングの設定についても説明します。


) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのスイッチのコマンド リファレンスおよび Cisco.com の [Documentation] > [Cisco IOS Software] > [12.2 Mainline] > [Command References] から『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 1 of 3: Addressing and Services, Release 12.2』を参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「HSRP の概要」

「HSRP の設定」

「HSRP 設定の表示」

「HSRP および拡張オブジェクト トラッキングの設定」

HSRP の概要

HSRP は、デフォルト ゲートウェイ IP アドレスが設定された IEEE 802 LAN 上の IP ホスト ファースト ホップに冗長性を確保しネットワークのアベイラビリティを高めるシスコの標準方式です。HSRP を使用すると、特定のルータのアベイラビリティに依存せず IP トラフィックをルーティングできます。また、一連のルータ インターフェイスを組み合わせることで、1 台の仮想ルータ、または LAN 上のホストへのデフォルト ゲートウェイのように機能させることができます。ネットワークまたはセグメント上に HSRP を設定すると、仮想 Media Access Control(MAC; メディア アクセス制御)アドレス、および設定されたルータ グループ間で共有される IP アドレスを使用できるようになります。HSRP が設定された複数のルータは、仮想ルータの MAC アドレスおよび IP ネットワーク アドレスを使用できるようになります。仮想ルータは、実際には存在しません。相互にバックアップ機能を提供するように設定されている複数のルータに、共通のターゲットを表すルータです。1 台のルータがアクティブなルータとして、もう 1 台のルータがスタンバイ ルータとして選択されます。スタンバイ ルータは、指定されたアクティブ ルータが故障した場合に、グループの MAC アドレスおよび IP アドレスを制御するルータです。


) HSRP グループ内のルータには、ルーテッド ポート、Switch Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)など、HSRP をサポートする任意のルータ インターフェイスを指定できます。


HSRP は、ネットワーク上のホストからの IP トラフィックに冗長性を提供することで、ネットワークのアベイラビリティを高めます。アクティブ ルータは、ルータ インターフェイスのグループ内でパケットのルーティングを実行するために選択されたルータです。スタンバイ ルータは、アクティブ ルータが故障した場合、または設定条件が満たされた場合に、ルーティング作業を引き継ぐルータです。

HSRP は、ホストがルータ ディスカバリ プロトコルをサポートしておらず、選択されたルータのリロードや電源故障時に新しいルータに切り替えることができない場合に有効です。HSRP をネットワーク セグメント上に設定すると、HSRP は仮想 MAC アドレスと IP アドレスを 1 つずつ提供します。このアドレスは、HSRP が動作するルータ インターフェイス グループ内のルータ インターフェイス間で共有できます。プロトコルによってアクティブ ルータとして選択されたルータは、グループの MAC アドレス宛のパケットを受信し、ルーティングします。 n 台のルータで HSRP が稼動している場合、 n +1 の IP アドレスおよび MAC アドレスが割り当てられます。

指定されたアクティブ ルータの故障を HSRP が検出すると、選択されているスタンバイ ルータがホット スタンバイ グループの MAC アドレスおよび IP アドレスの制御を引き継ぎます。この時点で新しいスタンバイ ルータも選択されます。HSRP が稼動しているデバイスは、マルチキャスト UDP ベースの hello パケットを送受信することにより、ルータ障害の検出、アクティブ ルータおよびスタンバイ ルータの指定を行います。インターフェイスに HSRP が設定されている場合、そのインターフェイスでは Internet Control Message Protocol(ICMP; インターネット制御メッセージ プロトコル)のリダイレクト メッセージがデフォルトでディセーブルとなっています。

レイヤ 3 で動作するスイッチ間で複数のホット スタンバイ グループを設定すると、冗長ルータをさらに活用できます。そのためには、インターフェイスに設定するホット スタンバイ コマンド グループごとにグループ番号を指定します。たとえば、スイッチ 1 のインターフェイスをアクティブ ルータ、スイッチ 2 のインターフェイスをスタンバイ ルータとして設定できます。また、スイッチ 2 の別のインターフェイスをアクティブ ルータ、スイッチ 1 の別のインターフェイスをスタンバイ ルータとして設定することもできます。

図 39-1 に、HSRP 用に設定されたネットワークのセグメントを示します。各ルータには、仮想ルータの MAC アドレスおよび IP ネットワーク アドレスが設定されています。ルータ A の IP アドレスをネットワーク上のホストに設定する代わりに、デフォルト ルータである仮想ルータの IP アドレスを設定します。ホスト C からホスト B にパケットが送信される場合、ホスト C は仮想ルータの MAC アドレスにパケットを送信します。何らかの理由により、ルータ A がパケットの伝送を停止すると、ルータ B が仮想 IP アドレスおよび仮想 MAC アドレスに応答してアクティブ ルータとなり、アクティブ ルータの作業を行います。ホスト C は引き続き仮想ルータの IP アドレスを使用し、ホスト B 宛のパケットをアドレッシングします。ルータ B はそのパケットを受信し、ホスト B に送信します。ルータ B は HSRP の機能を使用し、ルータ A が動作を再開するまで、ホスト B のセグメント上のユーザと通信する必要があるホスト C のセグメント上のユーザに連続的にサービスを提供します。また、ホスト A セグメントとホスト B の間で、引き続き通常のパケット処理機能を実行します。

図 39-1 HSRP の一般的な構成

 

HSRP のバージョン

Cisco IOS リリース 12.2(46)SE 以降のリリースでは、次の Hot Standby Router Protocol(HSRP)のバージョンをサポートします。

HSRPv1:HSRP のバージョン 1。HSRP のデフォルト バージョンです。HSRPv1 には次の機能があります。

指定できる HSRP グループ番号の範囲は 0 ~ 255 です。

HSRPv1 はマルチキャスト アドレス 224.0.0.2 を使用して、hello パケットを送信します。これは Cisco Group Management Protocol(CGMP)脱退処理と競合します。HSRPv1 と CGMP を同時にイネーブルにできません。両者は相互に排他的です。

HSRPv2:HSRP のバージョン 2 には次の機能があります。

HSRP グループ番号とサブインターフェイスの VLAN ID を一致させるため、HSRPv2 は 0 ~ 4095 のグループ番号と 0000.0C9F.F000 ~ 0000.0C9F.FFFF の MAC アドレスを使用できます。

HSRPv2 はマルチキャスト アドレス 224.0.0.102 を使用して hello パケットを送信します。HSRPv2 と CGMP 脱退処理は相互に排他的ではなくなり、同時に両方をイネーブルにできます。

HSRPv2 には HRSPv1 とは異なるパケット形式があります。

ルータの送信元 MAC アドレスは仮想 MAC アドレスのため、HSRPv1 を実行しているスイッチは、hello パケットを送信した物理ルータを特定できません。

HSRPv2 には HSRPv1 とは異なるパケット形式があります。HSRPv2 パケットは Type Length Value(TLV; タイプ、長さ、値)形式を使用し、パケットを送信した物理ルータの MAC アドレスを含んだ 6 バイトの ID フィールドがあります。

HSRPv1 を実行しているインターフェイスに HSRPv2 パケットがある場合、type フィールドは無視されます。

HSRPv2 と HSRPv1 は相互に排他的です。HSRPv2 はインターフェイス上の HSRPv1 と相互運用できません。その逆も同様です。

Multiple HSRP

スイッチは Multiple HSRP(MHSRP)もサポートします。MHSRP は HSRP の拡張版で、Multiple HSRP グループ間のロード シェアリングが可能です。MHSRP を設定してロード バランシングを実現し、ホスト ネットワークからサーバ ネットワークに複数のスタンバイ グループ(およびパス)を使用できます。図 39-2 では、クライアントの半分がルータ A 用に設定され、もう半分がルータ B 用に設定されています。同時に、ルータ A およびルータ B の設定により 2 つの HSRP グループが確立されます。グループ 1 では、最高のプライオリティが与えられているルータ A がデフォルトのアクティブ ルータで、ルータ B がスタンバイ ルータです。グループ 2 では、最高のプライオリティが与えられているルータ B がデフォルトのアクティブ ルータで、ルータ A がスタンバイ ルータです。正常動作時、2 つのルータは IP トラフィックの負荷を共有します。いずれかのルータが使用できなくなると、もう一方のルータがアクティブになり、使用不能になったルータのパケット転送機能を引き継ぎます。

設定手順の例については、「MHSRP の設定」を参照してください。


) MHSRP では、HSRP インターフェイスで standby preempt インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して、ルータが故障した後に復旧した場合にプリエンプションにロード シェアリングを復旧させる必要があります


図 39-2 MHSRP ロード シェアリング

 

HSRP の設定

ここでは、次の設定情報について説明します。

「HSRP のデフォルト設定」

「HSRP 設定時の注意事項」

「HSRP のイネーブル化」

「HSRP のプライオリティの設定」

「MHSRP の設定」

「HSRP 認証およびタイマーの設定」

「ICMP リダイレクト メッセージの HSRP サポートのイネーブル化」

HSRP のデフォルト設定

表 39-1 に、HSRP のデフォルト設定を示します。

 

表 39-1 HSRP のデフォルト設定

機能
デフォルト設定

HSRP のバージョン

バージョン 1

HSRP グループ

設定なし

スタンバイ グループ番号

0

スタンバイ MAC アドレス

システムへの割り当て:0000.0c07.acXX(ここで XX は HSRP グループ番号)

スタンバイ プライオリティ

100

スタンバイ遅延

0(遅延なし)

スタンバイでのインターフェイス プライオリティのトラッキング

10

スタンバイ Hello タイム

3 秒

スタンバイ ホールドタイム

10 秒

HSRP 設定時の注意事項

HSRP を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

HSRP は最大 32 の VLAN またはルーティング インターフェイスに設定できます。

この手順では、次に示すレイヤ 3 インターフェイスのいずれかを指定する必要があります。

ルーテッド ポート: no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して、レイヤ 3 ポートとして設定された物理ポートです。

SVI: interface vlan vlan_id グローバル コンフィギュレーション コマンドによって作成された VLAN インターフェイス。デフォルトではレイヤ 3 インターフェイスです。

レイヤ 3 モードの EtherChannel ポート チャネル: interface port-channel port- channel-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、イーサネット インターフェイスをチャネル グループにバインドして作成されたポート チャネル論理インターフェイスです。詳細については、「レイヤ 3 EtherChannel の設定」を参照してください。

すべてのレイヤ 3 インターフェイスに IP アドレスを割り当てる必要があります。「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。

HSRPv1 が設定されているインターフェイスとは異なるインターフェイスに HSRPv2 が設定されている場合、HSRPv2 と HSRPv1 を同じスイッチに設定できます。

グループ番号が 256 未満である場合だけ、HSRP グループのバージョンを HSRPv2 から HSRPv1 に変更できます。

インターフェイスの HSRP バージョンを変更する場合、仮想 MAC アドレスが新しくなるため、各 HSRP グループはリセットされます。

HSRP のイネーブル化

standby ip インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、設定されたインターフェイスで HSRP がアクティブになります。IP アドレスを指定した場合は、IP アドレスがホット スタンバイ グループの指定アドレスとして使用されます。IP アドレスを指定しなかった場合は、スタンバイ機能によって学習されます。指定アドレスを使用し、LAN 上に少なくとも 1 つのレイヤ 3 ポートを設定する必要があります。IP アドレスを設定すると、常に、現在使用されている別の指定アドレスが、設定した IP アドレスに変更されます。

standby ip コマンドがインターフェイス上でイネーブルに設定され、プロキシ Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)がイネーブルの場合、インターフェイスのホット スタンバイ ステートがアクティブになると、プロキシ ARP 要求に対する応答は、ホット スタンバイ グループの MAC アドレスを使用して実行されます。インターフェイスが別のステートの場合、プロキシ ARP の応答は抑制されます。

レイヤ 3 インターフェイス上で HSRP を作成する場合、またはイネーブルにする場合は、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、HSRP をイネーブルにするレイヤ 3 インターフェイスを入力します。

ステップ 3

standby version { 1 | 2 }

(任意)インターフェイスに HSRP バージョンを設定します。

1:HSRPv1 を選択します。

2:HSRPv2 を選択します。

このコマンドを入力しない、またはキーワードを指定しない場合、インターフェイスはデフォルトの HSRP バージョンである HSRP v1 を実行します。

ステップ 4

standby [ group-number ] ip [ ip-address [ secondary ]]

HSRP グループの番号および仮想 IP アドレスを使用して、HSRP グループを作成(またはイネーブルに)します。

(任意) group-number :HSRP をイネーブルにするインターフェイスのグループ番号を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 255 です。デフォルトは 0 です。HSRP グループが 1 つしかない場合は、グループ番号を入力する必要はありません。

(1 つのインターフェイスで必須、それ以外は任意) ip-address :ホット スタンバイ ルータ インターフェイスの仮想 IP アドレスを指定します。少なくとも 1 つのインターフェイスに対して仮想 IP アドレスを入力する必要があります。他のインターフェイスは、その仮想 IP アドレスを学習します。

(任意) secondary :IP アドレスはセカンダリ ホット スタンバイ ルータ インターフェイスです。ルータがセカンダリ ルータとスタンバイ ルータのいずれにも指定されず、かつプライオリティも設定されていない場合は、プライマリ IP アドレスが比較され、IP アドレスが大きいルータがアクティブ ルータ、IP アドレスが 2 番目に大きいルータがスタンバイ ルータになります。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show standby [ interface-id [ group ]]

設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

HSRP をディセーブルにするには、 no standby [ group-number ] ip [ ip-address ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、ポート上でグループ 1 に対し HSRP をアクティブにする例を示します。ホット スタンバイ グループで使用される IP アドレスは、HSRP を使用して学習されます。


) これは、HSRP をイネーブルにするために必要な最小限の手順です。他の設定は任意です。


Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# standby 1 ip
Switch(config-if)# end
Switch# show standby

HSRP のプライオリティの設定

standby priority standby preempt 、および standby track インターフェイス コンフィギュレーション コマンドはいずれも、アクティブ ルータとスタンバイ ルータを判別する際の特性、および新しいアクティブ ルータが処理を引き継いだ場合の動作を設定するために使用されます。

HSRP のプライオリティを設定する場合の注意事項は、次のとおりです。

プライオリティを割り当てると、アクティブ ルータおよびスタンバイ ルータの選択に役立ちます。プリエンプションがイネーブルの場合は、プライオリティが最高のルータが指定されたアクティブ ルータになります。プライオリティが等しい場合、プライマリ IP アドレスが比較され、大きい IP アドレスが優先されます。

最大の値(1 ~ 255)が、最高のプライオリティ(アクティブ ルータになる確率が最も高い)を表します。

プライオリティ、プリエンプト、またはその両方を設定するときは、少なくとも 1 つのキーワード( priority preempt 、または両方)を指定する必要があります。

インターフェイスが standby track コマンドによって設定されている場合、ルータ上の別のインターフェイスがダウンすると、デバイスのプライオリティが動的に変更されることもあります。

standby track インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、ルータのホット スタンバイ プライオリティとインターフェイスのアベイラビリティが関連付けられます。この機能は、HSRP 用に設定されていないインターフェイスをトラッキングする場合に有効です。トラッキング対象のインターフェイスが故障すると、トラッキングが設定されていたデバイスのホット スタンバイ プライオリティが 10 減少します。トラッキング対象でないインターフェイスの場合は、そのステートが変わっても、設定済みデバイスのホット スタンバイ プライオリティは変わりません。ホット スタンバイ用に設定されたインターフェイスごとに、トラッキングするインターフェイスのリストを個別に設定できます。

standby track interface-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、トラッキング対象のインターフェイスがダウンした場合のホット スタンバイ プライオリティの減少幅を指定できます。インターフェイスが稼動状態に戻ると、プライオリティは同じ分だけ増加します。

interface-priority 値が設定されている場合に、複数のトラッキング対象インターフェイスがダウンすると、設定済みプライオリティの減少幅が累積されます。プライオリティ値が設定されていないトラッキング対象インターフェイスが故障した場合、デフォルトの減少幅は 10 です。この値は累積されません。

インターフェイスに対してルーティングを最初にイネーブルにした時点で、完全なルーティング テーブルは存在しません。このインターフェイスがプリエンプトに設定されている場合はアクティブ ルータになりますが、十分なルーティング処理はできません。この問題を解決するには、ルータがルーティング テーブルを更新できるように遅延時間を設定します。

インターフェイスに HSRP プライオリティ特性を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、プライオリティを設定する HSRP インターフェイスを入力します。

ステップ 3

standby [ group-number ] priority priority [ preempt [ delay delay ]]

アクティブ ルータを選択するときに使用される priority 値を設定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルトのプライオリティは 100 です。最大の値が、最高のプライオリティを表します。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

(任意) preempt :ローカル ルータのプライオリティがアクティブ ルータよりも高い場合、アクティブ ルータとして制御を行います。

(任意) delay :ローカル ルータがアクティブ ルータの役割を引き継ぐまでの時間を、指定された秒数だけ延期します。指定できる範囲は 0 ~ 3600(1 時間)で、デフォルトは 0 です(引き継ぐ前の遅延はありません)。

デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ステップ 4

standby [ group-number ] [ priority priority ] preempt [ delay delay ]

ルータを preempt に設定し、ローカル ルータのプライオリティがアクティブ ルータよりも高い場合は、アクティブ ルータとして制御を行います。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

(任意) priority :グループ プライオリティを設定または変更します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルトは 100 です。

(任意) delay :ローカル ルータがアクティブ ルータの役割を引き継ぐまでの時間を、指定された秒数だけ延期します。指定できる範囲は 0 ~ 3600(1 時間)で、デフォルトは 0 です(引き継ぐ前の遅延はありません)。

デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ステップ 5

standby [ group-number ] track type number [ interface-priority ]

他のインターフェイスをトラッキングするようにインターフェイスを設定します。この設定により、他のインターフェイスの 1 つがダウンした場合は、そのデバイスのホット スタンバイ プライオリティが減少します。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

type :トラッキング対象のインターフェイス タイプを(インターフェイス番号とともに)入力します。

number :トラッキング対象のインターフェイス番号を(インターフェイス タイプとともに)入力します。

(任意) interface-priority :インターフェイスがダウンした場合、または稼動状態に戻った場合に、ルータのホット スタンバイ プライオリティを減少または増加させる幅を入力します。デフォルト値は 10 です。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show running-config

スタンバイ グループの設定を確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルトのプライオリティ、プリエンプト、および遅延値に戻すには、 no standby [ group-number ] priority priority [ preempt [ delay delay ]] および no standby [ group-number ] [ priority priority ] preempt [ delay delay ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

トラッキングを解除するには、 no standby [ group-number ] track type number [ interface-priority ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次の例では、ポートがアクティブになり、IP アドレスおよびプライオリティ 120(デフォルト値よりも高いプライオリティ)が設定されます。アクティブ ルータになるまでの待機時間は 300 秒(5 分間)です。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# standby ip 172.20.128.3
Switch(config-if)# standby priority 120 preempt delay 300
Switch(config-if)# end

MHSRP の設定

MHSRP およびロード バランシングをイネーブルにするには、2 つのルータをグループのアクティブ ルータに設定し、仮想ルータをスタンバイ ルータに設定します。次に、図 39-2に示される MHSRP コンフィギュレーションをイネーブルにする例を示します。各 HSRP インターフェイスで standby preempt インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して、ルータが故障して稼動状態に戻る場合に、プリエンプションを行い、ロード バランシングを復旧させる必要があります。

グループ 1 ではルータ A がアクティブ ルータに設定され、グループ 2 ではルータ B がアクティブ ルータに設定されます。ルータ A の HSRP インターフェイスの IP アドレスは 10.0.0.1 で、グループ 1 のスタンバイ プライオリティは 110(デフォルトは 100)です。ルータ B の HSRP インターフェイスの IP アドレスは 10.0.0.2 で、グループ 2 のスタンバイ プライオリティは 110 です。

グループ 1 は仮想 IP アドレス 10.0.0.3 を使用し、グループ 2 は仮想 IP アドレス 10.0.0.4 を使用します。

ルータ A の設定

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 10.0.0.1 255.255.255.0
Switch(config-if)# standby 1 ip 10.0.0.3
Switch(config-if)# standby 1 priority 110
Switch(config-if)# standby 1 preempt
Switch(config-if)# standby 2 ip 10.0.0.4
Switch(config-if)# standby 2 preempt
Switch(config-if)# end
 

ルータ B の設定

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 10.0.0.2 255.255.255.0
Switch(config-if)# standby 1 ip 10.0.0.3
Switch(config-if)# standby 1 preempt
Switch(config-if)# standby 2 ip 10.0.0.4
Switch(config-if)# standby 2 priority 110
Switch(config-if)# standby 2 preempt
Switch(config-if)# end

HSRP 認証およびタイマーの設定

HSRP 認証ストリングの設定をしたり、hello 時間インターバルやホールドタイムを変更したりすることもできます。

これらのアトリビュートを設定する場合の注意事項は次のとおりです。

認証ストリングはすべての HSRP メッセージに暗号化されずに送信されます。相互運用できるように、接続されたすべてのルータおよびアクセス サーバに同じ認証ストリングを設定する必要があります。認証ストリングが一致しないと、HSRP によって設定された他のルータから、指定されたホット スタンバイ IP アドレスおよびタイマー値を取得できません。

スタンバイ タイマー値が設定されていないルータまたはアクセス サーバは、アクティブ ルータまたはスタンバイ ルータからタイマー値を取得できます。アクティブ ルータに設定されたタイマーは、常に他のタイマー設定よりも優先されます。

ホット スタンバイ グループのすべてのルータで、同じタイマー値を使用する必要があります。通常の場合、 holdtime hellotime の 3 倍以上です。

インターフェイスに HSRP の認証とタイマーを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、認証を設定する HSRP インターフェイスを入力します。

ステップ 3

standby [ group-number ] authentication string

(任意) authentication string :すべての HSRP メッセージで伝達されるストリングを入力します。認証ストリングには 8 文字までを指定できます。デフォルト ストリングは cisco です。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

ステップ 4

standby [ group-number ] timers hellotime holdtime

(任意)hello パケット間隔、およびアクティブ ルータのダウンを他のルータが宣言するまでの時間を設定します。

group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

hellotime :hello インターバル(秒)です。指定できる範囲は 1 ~ 255 秒で、デフォルトは 3 秒です。

holdtime :アクティブ ルータまたはスタンバイ ルータのダウンが宣言されるまでの時間(秒)です。指定できる範囲は 1 ~ 255 秒で、デフォルトは 10 秒です。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show running-config

スタンバイ グループの設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

認証ストリングを削除するには、 no standby [ group-number ] authentication string インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。タイマーをデフォルト値に戻すには、 no sta ndby [ group-number ] timers hellotime holdtime インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、グループ 1 のホット スタンバイ ルータを相互運用させるために必要な認証ストリングとして、 word を設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# standby 1 authentication word
Switch(config-if)# end
 

次に、hello パケット間隔が 5 秒、ルータがダウンしたと見なされるまでの時間が 15 秒となるように、スタンバイ グループ 1 のタイマーを設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# standby 1 ip
Switch(config-if)# standby 1 timers 5 15
Switch(config-if)# end

ICMP リダイレクト メッセージの HSRP サポートのイネーブル化

ICMP(インターネット制御メッセージ プロトコル)はメッセージ パケットを提供して IP 処理に関するエラーおよびその他の情報を報告するネットワーク レイヤ インターネット プロトコルです。ICMP は、エラー パケットのホストへの送信や転送などの診断機能を提供します。

スイッチが HSRP を実行している場合、ホストで HSRP グループ内のルータのインターフェイス(または実際の)MAC アドレスを検出しないことを確認します。ホストが ICMP によってルータの実際の MAC アドレスにリダイレクトされ、後でそのルータで障害が発生した場合、ホストからのパケットが失われます。

ICMP リダイレクト メッセージは HSRP によって設定されたインターフェイスで自動的にイネーブルに設定されます。この機能は HSRP を使用する発信 ICMP リダイレクト メッセージをフィルタリングします。HSRP では、次のホップ IP アドレスが HSRP 仮想 IP アドレスに変更されることがあります。詳細については、『 Cisco IOS IP Configuration Guide, Release 12.2 』を参照してください

HSRP 設定の表示

HSRP 設定を表示するには、次の特権 EXEC コマンドを使用します。

show standby [ interface-id [ group ]] [ brief ] [ detail ]

スイッチ全体、特定のインターフェイス、HSRP グループ、またはインターフェイスの HSRP グループに関する HSRP 情報を表示できます。HSRP 情報の概要または詳細のいずれを表示するかを指定することもできます。デフォルト表示は 詳細 です。多数の HSRP グループがある場合に、修飾子を指定しないで show standby コマンドを使用すると、正確に表示されないことがあります。

次に、 show standby 特権 EXEC コマンドを実行し、2 つのスタンバイ グループ(グループ 1 およびグループ 100)の HSRP 情報を表示する例を示します。

Switch# show standby
VLAN1 - Group 1
Local state is Standby, priority 105, may preempt
Hellotime 3 holdtime 10
Next hello sent in 00:00:02.182
Hot standby IP address is 172.20.128.3 configured
Active router is 172.20.128.1 expires in 00:00:09
Standby router is local
Standby virtual mac address is 0000.0c07.ac01
Name is bbb
VLAN1 - Group 100
Local state is Active, priority 105, may preempt
Hellotime 3 holdtime 10
Next hello sent in 00:00:02.262
Hot standby IP address is 172.20.138.51 configured
Active router is local
Standby router is unknown expired
Standby virtual mac address is 0000.0c07.ac64
Name is test

HSRP および拡張オブジェクト トラッキングの設定

HSRP にはインターフェイス ラインプロトコル ステートをトラッキングするためのメカニズムがあります。拡張オブジェクト トラッキング機能は HSRP とトラッキング メカニズムを分離します。HSRP 以外のプロセスで使用可能な個別のスタンドアロン型トラッキング プロセスを作成します。その結果、インターフェイスのラインプロトコル ステートに加えて他のオブジェクトのトラッキングが可能になります。HSRP などのクライアント プロセスでは、オブジェクトのトラッキングへの関心を登録して、トラッキングされているオブジェクトがステートを変更したときに通知を要求できます。複数のクライアントが同じオブジェクトをトラッキングでき、オブジェクトのステート変更時に個別のアクションを実行できます。この機能は、ルータ システムのアベイラビリティを高め、復旧のスピードを早めるとともに、停止回数および停止期間を削減します。

拡張オブジェクト トラッキングおよびこれを設定するためのコマンドの詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/iosswrel/ps1839/products_feature_guide09186a00801541be.html

ここでは、次の情報について説明します。

「拡張オブジェクト トラッキングの概要」

「拡張オブジェクト トラッキング機能の設定」

「拡張オブジェクト トラッキングのモニタリング」

拡張オブジェクト トラッキングの概要

各トラッキング オブジェクトには、トラッキング Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)で指定される一意の番号があります。クライアント プロセスでは、この番号を使用して特定のオブジェクトをトラッキングします。トラッキング プロセスでは、値の変更について定期的にトラッキング オブジェクトをポーリングし、即時または指定した時間の経過後に、対象のクライアント プロセスに変更(増加または減少値)を送信します。

また、リストのステートを測定するためにウェイトしきい値またはパーセンテージしきい値のいずれかを使用してリスト内のオブジェクトを組み合わせてトラッキングすることも可能です。ブール論理を使用してオブジェクトを組み合わせることが可能です。ブール「AND」機能のあるトラッキング リストでは、アップになっているトラッキング オブジェクトに対して、リスト内の各オブジェクトがアップ ステートになっている必要があります。ブール「OR」機能のあるトラッキング リストでは、アップになっているトラッキング オブジェクトに対して、リスト内の 1 つのオブジェクトだけがアップ ステートになっている必要があります。

拡張オブジェクト トラッキング機能の設定

ここでは、次のような拡張オブジェクト トラッキングの設定について説明します。

「インターフェイスのラインプロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキング」

「トラッキング リストの設定」

「HSRP オブジェクト トラッキングの設定」

「他のインターフェイス特性の設定」

インターフェイスのラインプロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキング

ライン プロトコル ステートまたはインターフェイス IP ルーティング ステートをトラッキングできます。IP ルーティング ステートをトラッキングする場合、オブジェクトがアップになるためには、IP ルーティングがインターフェイスでイネーブルであり、アクティブであること、インターフェイス ライン プロトコル ステートがアップで、インターフェイス IP アドレスが既知であることが必要です。これら 3 つの条件がすべて満たされている必要があります。満たされない場合、IP ルーティング ステートはダウンとなります。

インターフェイスのラインプロトコル ステートまたは IP ルーティング ステートを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track object-number interface interface-id line-protocol

(任意)インターフェイスのラインプロトコル ステートをトラッキングするためにトラッキング リストを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

object-number は、トラッキング オブジェクトを識別するもので、1 ~ 500 を使用できます。

interface interface-id は、トラッキングされるインターフェイスです。

ステップ 3

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 4

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 5

track object-number interface interface-id ip routing

(任意)インターフェイスの IP ルーティング ステートをトラッキングするためにトラッキング リストを登録し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。IP ルート トラッキングは、ルーティング テーブル内の IP ルートと、IP パケットをルーティングするインターフェイスの能力をトラッキングします。

object-number は、トラッキング オブジェクトを識別するもので、1 ~ 500 を使用できます。

interface interface-id は、トラッキングされるインターフェイスです。

ステップ 6

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、インターフェイスのラインプロトコル ステートをトラッキングして、その設定を確認する例を示します。

Switch(config)# track 33 interface gigabitethernet0/1 line-protocol
Switch(config-track)# end
Switch# show track 33
Track 33
Interface GigabitEthernet0/1 line-protocol
Line protocol is Down (hw down)
1 change, last change 00:18:28

トラッキング リストの設定

ブール論理式、ウェイトしきい値、あるいはパーセンテージしきい値を使用して、オブジェクトのトラッキング リストを設定できます。トラッキング リストには、1 つ以上のオブジェクトが含まれています。トラッキング リストに追加する前に、オブジェクトが存在していなければなりません。

ブール論理式を設定して、「AND」または「OR」演算子を使用して計算を指定します。たとえば、「AND」演算子を使用して複数のインターフェイスをトラッキングする場合、 up はすべてのインターフェイスがアップで、 down は少なくとも 1 つのインターフェイスがダウンであることを意味します。

ウェイトしきい値でトラッキング リスト ステートを測定する場合、重み値をトラッキング リスト内の各オブジェクトに割り当てます。トラッキング リストのステートは、しきい値に一致するかどうかで決定されます。各オブジェクトのステートは、全オブジェクトの合計重みと各オブジェクトのウェイトしきい値を比較することで決定されます。

パーセンテージしきい値でトラッキング リスト ステートを測定する場合、パーセンテージしきい値をトラッキング リスト内の各オブジェクトに割り当てます。各オブジェクトに割り当てられたパーセンテージとリストを比較して、各オブジェクトのステートが決定されます。

ブール論理式

ブール論理式を使用してトラッキング リストを設定することにより、「AND」または「OR」演算子を使用して計算できます。たとえば、「AND」演算子を使用して 2 つのインターフェイスをトラッキングする場合、 up は両方のインターフェイスがアップで、 down はいずれかのインターフェイスがダウンであることを意味します。

ブール論理式を使用してオブジェクトのトラッキング リストを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track track-number list boolean { and | or }

トラッキング リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 track-number は 1 ~ 500 です。

boolean :ブール計算に基づいてトラッキング リストのステートを指定します。

and :すべてのオブジェクトがアップの場合はリストがアップ、1 つ以上のオブジェクトがダウンの場合はダウンであることを指定します。

or :すべてのオブジェクトがアップの場合はリストがアップ、すべてのオブジェクトがダウンの場合はダウンであることを指定します。

ステップ 3

object object-number [ not ]

トラッキングするオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。キーワード not は、オブジェクトのステートを否定します。つまり、オブジェクトがアップの場合、トラッキング リストはオブジェクトをダウンとして検出します。

(注) オブジェクトが存在していないと、これをトラッキング リストに追加できません。

ステップ 4

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トラッキング リストを削除する場合は、 no track track-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、2 つのオブジェクトが含まれていて、そのうちの 1 つのオブジェクトのステートが偽のものを含む、ブール AND 論理式を使用してトラッキング リスト 4 を設定する例を示します。リストがアップの場合、リストでオブジェクト 2 がダウンであることが検出されます。

Switch(config)# track 4 list boolean and
Switch(config-track)# object 1
Switch(config-track)# object 2 not
Switch(config-track)# exit

ウェイトしきい値

ウェイトしきい値をトラッキングするには、オブジェクトのトラッキング リストを設定し、しきい値として使用する重みを指定し、各オブジェクトの重みを設定します。各オブジェクトのステートは、アップ ステートの全オブジェクトの合計重みと各オブジェクトのウェイトしきい値を比較することで決定されます。

ブール「NOT」演算子をウェイトしきい値リストに使用できません。

ウェイトしきい値を使用してオブジェクトのトラッキング リストを設定し、各オブジェクトの重みを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track track-number list threshold weight

トラッキング リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 track-number は 1 ~ 500 です。

threshold :しきい値に基づいてトラッキング リストのステートを指定します。

weight :しきい値が重みに基づいていることを指定します。

ステップ 3

object object-number [ weight weight-number ]

トラッキングするオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。任意の weight weight-number にはオブジェクトのウェイトしきい値を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。

(注) オブジェクトが存在していないと、これをトラッキング リストに追加できません。

ステップ 4

threshold weight { up number | [ down number ]}

ウェイトしきい値を指定します。

up number :指定できる範囲は 1 ~ 255 です。

down number :(任意) up number で選択した番号によって変化します。 up number を 25 に設定した場合、ダウン番号で表示される範囲は 0 ~ 24 です。

ステップ 5

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トラッキング リストを削除する場合は、no track track-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次の例では、ウェイトしきい値でトラッキングするようにトラッキング リスト 4 を設定します。オブジェクト 1 とオブジェクト 2 がダウンの場合、オブジェクト 3 がアップ 30 のアップしきい値を満たしているため、トラッキング リスト 4 はアップになります。ただし、オブジェクト 3 がダウンの場合に、しきい値の重みを満たすためには、オブジェクト 1 と 2 の両方がアップでなければなりません。

Switch(config)# track 4 list threshold weight
Switch(config-track)# object 1 weight 15
Switch(config-track)# object 2 weight 20
Switch(config-track)# object 3 weight 30
Switch(config-track)# threshold weight up 30 down 10
Switch(config-track)# exit
 

この設定は、オブジェクト 1 とオブジェクト 2 が 2 つの小帯域幅の接続を表し、オブジェクト 3 が 1 つの大帯域幅の接続を表している場合に効果的です。設定された down 10 値は、トラッキング オブジェクトがアップになると、しきい値が 10 以下になるまでダウンにならないことになりますが、この例ではすべての接続がダウンになります。

パーセンテージしきい値

パーセンテージしきい値をトラッキングするには、オブジェクトのトラッキング リストを設定し、しきい値として使用するパーセンテージを指定し、リスト内にある各オブジェクトのパーセンテージを指定します。各オブジェクトに割り当てられたパーセンテージとリストを比較して、リストのステートが決定されます。

ブール「NOT」演算子をパーセンテージしきい値リストに使用できません。

パーセンテージしきい値を使用してオブジェクトのトラッキング リストを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track track-number list threshold percentage

トラッキング リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 track-number は 1 ~ 500 です。

threshold :しきい値に基づいてトラッキング リストのステートを指定します。

percentage :しきい値がパーセンテージに基づいていることを指定します。

ステップ 3

object object-number

トラッキングするオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。

(注) オブジェクトが存在していないと、これをトラッキング リストに追加できません。

ステップ 4

threshold percentage { up number | [ down number ]}

しきい値パーセンテージを指定します。

up number :有効な範囲は 1 ~ 100 です。

down number :(任意) up number で選択した番号によって変化します。 up number を 25 に設定した場合、ダウン番号で表示される範囲は 0 ~ 24 です。

ステップ 5

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トラッキング リストを削除する場合は、 no track track-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、3 つのオブジェクトと、リストのステートを測定するために指定したパーセンテージがあるトラッキング リスト 4 を設定する例を示します。

Switch(config)# track 4 list threshold percentage
Switch(config-track)# object 1
Switch(config-track)# object 2
Switch(config-track)# object 3
Switch(config-track)# threshold percentage up 51 down 10
Switch(config-track)# exit

HSRP オブジェクト トラッキングの設定

スタンバイ HSRP グループを設定し、オブジェクト ステートに基づいてオブジェクトをトラッキングして HSRP プライオリティを変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track object-number { interface interface-id { line-protocol | i p routing} | ip route ip-address/prefix-length { metric threshold | reachability} | list { boolean { and | or }} | { threshold { weight | percentage }}}

(任意)設定ステートをトラッキングするためにトラッキング リストを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

キーワードは、コマンドラインのヘルプには表示されますが、サポートされていません。

object-number の範囲は 1 ~ 500 です。

interface interface-id を入力して、トラッキングするインターフェイスを選択します。

line-protocol を入力して、インターフェイス ラインプロトコル ステートをトラッキングします。

ip routing を入力して、インターフェイス ラインプロトコル ステートをトラッキングします。

ip route ip-address/prefix-length を入力して、IP ルートのステートをトラッキングします。

metric threshold を入力して、しきい値メトリックをトラッキングします。デフォルトの上限しきい値は 254 で、デフォルトの下限しきい値は 255 です。

reachability を入力して、ルータに到達可能かどうかをトラッキングします。

list を入力して、リストにグループ化されているオブジェクトをトラッキングします。前のページで説明したリストを設定します。

Boolean については、 「ブール論理式」 を参照してください。

threshold weight については、 「ウェイトしきい値」 を参照してください。

threshold percentage については、 「パーセンテージしきい値」 を参照してください。

(注) トラッキングする各インターフェイスについて、これを繰り返します。

ステップ 3

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 4

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

standby [ group-number ] ip [ ip-address [ secondary ]]

HSRP グループの番号および仮想 IP アドレスを使用して、HSRP グループを作成(またはイネーブルに)します。

(任意) group-number :HSRP をイネーブルにするインターフェイスのグループ番号を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 255 です。デフォルトは 0 です。HSRP グループが 1 つしかない場合は、グループ番号を入力する必要はありません。

(1 つのインターフェイスで必須、それ以外は任意) ip-address :ホット スタンバイ ルータ インターフェイスの仮想 IP アドレスを指定します。少なくとも 1 つのインターフェイスに対して仮想 IP アドレスを入力する必要があります。他のインターフェイスは、その仮想 IP アドレスを学習します。

(任意) secondary :IP アドレスはセカンダリ ホット スタンバイ ルータ インターフェイスです。このキーワードが省略された場合、設定されたアドレスはプライマリ IP アドレスになります。

ステップ 6

standby [ group-number ] track object-number [ decrement [ priority-decrement ]]

HSRP を設定して、オブジェクトをトラッキングし、オブジェクトのステートに基づいてホット スタンバイ プライオリティを変更します。

(任意) group-number :トラッキングが適用されるグループ番号です。

object-number :トラッキングするオブジェクトを表す番号です。指定できる範囲は 1 ~ 500 で、デフォルトは 1 です。

(任意) decrement priority-decrement :トラッキング オブジェクトがダウンした(またはアップに戻った)際の、ルータのホット スタンバイ プライオリティを減少(または増加)させる量です。指定できる範囲は 1 ~ 255 で、デフォルトは 10 です。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show standby

スタンバイ ルータ IP アドレスとトラッキング ステートを確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

他のインターフェイス特性の設定

拡張オブジェクト トラッキングを他の特性のトラッキングにも使用できます。

track ip route reachability グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して IP ルートの到達可能性をトラッキングできます。

track ip route metric threshold グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ルートがしきい値を超えるのか下回るのかを判別できます。

track resolution グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ルーティング プロトコルのメトリック分解能のデフォルト値を変更できます。

track timer トラッキング コンフィギュレーション コマンドを使用して、定期的にトラッキング オブジェクトをポーリングするためのトラッキングプロセスを設定できます。

拡張オブジェクト トラッキング設定を確認するには、 show track 特権 EXEC コマンドを使用します。

拡張オブジェクト トラッキングおよびこれを設定するためのコマンドの詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/iosswrel/ps1839/products_feature_guide09186a00801541be.html

拡張オブジェクト トラッキングのモニタリング

表 39-2 に示す特権 EXEC コマンドまたはユーザ EXEC コマンドを使用して、拡張オブジェクト トラッキング情報を表示します。

 

表 39-2 トラッキング情報を表示するためのコマンド

コマンド
目的

show track [ object-number ]

すべてのトラッキング リストまたは指定したリストの情報を表示します。

show track brief

トラッキング情報出力を 1 行表示します。

show track interface [ brief ]

トラッキングするインターフェイス オブジェクトの情報を表示します。

show track ip [ object-number ] [ brief ] route

トラッキングする IP ルート オブジェクトの情報を表示します。

show track resolution

トラッキングするパラメータの分解能を表示します。

show track timers

トラッキングするポーリング インターバル タイマーを表示します。