Cisco MDS 9000 ファミリー SMI-S プログラミング リファレンス
Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバ のサポート
Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバのサポート
発行日;2012/01/08 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 799KB) | フィードバック

目次

Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバのサポート

SMI-S を使用した SAN 管理

Service Location Protocol

サーバ プロファイル

スイッチ プロファイル

ブレード サブプロファイル

アクセス ポイント サブプロファイル

ファブリック プロファイル

ゾーン コントロール サブプロファイル

拡張ゾーニングおよび拡張ゾーニング コントロール サブプロファイル

ゾーニング サブプロファイルの使用

FDMI サブプロファイル

FDMI サブプロファイルの使用

スイッチおよびファブリック プロファイルに対する Cisco MDS 拡張

VSAN 拡張

TE ポート拡張

PortChannel 拡張

FCIP 拡張

iSCSI 拡張

ファブリック プロファイル 拡張

ゾーニング サブプロファイル拡張

FDMI サブプロファイル拡張

CIM 通知

Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバのサポート

SMI-S に定義されている多数のプロファイルは、SAN 要素の制御と監視に使用する管理オブジェクトを規定するものです。Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバは、この章に記載されている標準プロファイルをサポートします。また、CIM サーバはこれらのプロファイルに対する拡張をサポートすることによって、標準プロファイルからは使用できない Cisco MDS SAN-OS の機能をサポートしています。

この章の内容は、次のとおりです。

「SMI-S を使用した SAN 管理」

「Service Location Protocol」

「サーバ プロファイル」

「スイッチ プロファイル」

「ファブリック プロファイル」

「スイッチおよびファブリック プロファイルに対する Cisco MDS 拡張」

「CIM 通知」

SMI-S を使用した SAN 管理

SAN は、マルチベンダー環境で作成されます。異なるベンダー製のホスト、ファブリック要素(スイッチ、ディレクタ)、およびデータ ストレージ デバイスを統合して、相互運用可能なストレージ ネットワークを作成します。これらの異なるベンダー製の要素を管理することは、ネットワーク管理者にとって厄介な問題です。それぞれの要素には固有の管理インターフェイスが備わっており、独自の仕様を持っている場合もあります。ネットワーク管理者は、これらの異なる管理 API を使用して、SAN を制御および監視する 1 つの結合管理アプリケーションを構築しなければなりません。

SMI-S はこの管理の問題に対処するために、ベンダーやテクノロジーに依存しない CIM に基づいた、柔軟性のあるオープンな管理 API 標準一式を提供します。ネットワーク管理者は、共通の管理クラスのプロファイル内にまとめられた SMI-S API を使用することによって、単純な管理アプリケーション CIM クライアントを作成して、SMI-S と CIM をサポートする異種の SAN 要素を制御および監視することができます。SAN 要素に埋め込まれているか、またはプロキシ CIM サーバにサポートされている CIM サーバを使用すると、ネットワーク管理者の CIM クライアント アプリケーションからこれらの要素にアクセスできます。

SMI-S は、Service Location Protocol version 2 (SLPv2)を使用して CIM サーバを検出します。CIM サーバが識別されたら、CIM クライアントはサーバ プロファイルを使用して CIM サーバでサポートされているプロファイルを特定します。これは、すべての SMI-S ベースの CIM サーバにおいて必須のプロファイルです。

プロファイルによって制御と監視をサポートするのに加え、CIM サーバは CIM 通知を介した非同期のイベント配信をサポートします。通知は、インターフェイスの故障などの重要なイベントをすみやかに通知します。

Service Location Protocol

CIM サーバを使用した SAN 要素のネットワーク管理における第一歩は、CIM サーバの場所と使用できるサポートを検出することです。SLPv2 によって、この検出メカニズムが提供されます。CIM クライアントは SLPv2 を使用して CIM サーバを検出し、どのようなサービスを CIM サーバが提供しているかに関する一般的な情報と、これらのサービスの URL を収集します。

Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバは、RFC 2608 に定義された SLPv2 をサポートします。


) Cisco MDS SAN-OS Release 2.0(1b) 以降では、Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバ用に SLPv2 がサポートされています。


サーバ プロファイル

CIM クライアントは、SAN 内の CIM サーバを検出したら、それぞれの CIM サーバが提供するサポート レベルを特定する必要があります。サーバ プロファイルによって、CIM サーバの機能が定義されています。これには、CIM サーバがサポートするネームスペース、すべてのプロファイルとサブプロファイルが含まれます。

サポートされる各プロファイルに対して、サーバ プロファイルが RegisteredProfile クラスのインスタンス化を行います。このクラスの各インスタンスから CIM クライアントに、CIM サーバがサポートするプロファイル名と一意の ID が渡されます。同様に、CIM サーバは、
RegisteredSubProfile クラスと、サブプロファイルをプロファイルに関連付ける
SubprofileRequiresProfile 関連クラスを使用して、サポートされるすべてのオプションのサブプロファイルを提示します。


) Cisco MDS SAN-OS Release 2.0(1b) 以降では、Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバに対してサーバ プロファイルがサポートされています。



) サーバ プロファイル インスタンスのダイアグラムについては、 http://www.snia.org にある SMI-S を参照してください。


スイッチ プロファイル

スイッチ プロファイルは、スイッチの物理的および論理的な特徴をモデル化するものです。CIM クライアントは、スイッチ プロファイルを使用して CIM サーバがスイッチ上にあることを識別し、スイッチ プロファイル内のクラスを使用してスイッチ上の Fibre Channel ポートの識別および管理を行います。

また、スイッチ プロファイルはオプションのブレード サブプロファイル(ブレード サブプロファイルを参照)とオプションのアクセス ポイント サブプロファイル(アクセス ポイント サブプロファイルを参照)をサポートします。


) スイッチ プロファイル インスタンスのダイアグラムについては、 http://www.snia.org にある SMI-S を参照してください。


表2-1 に、スイッチ プロファイル クラスおよび関連クラスを使用して、スイッチとポートのモデル化を行う方法を示します。

 

表2-1 スイッチ プロファイルの使用

クラス
使用法

ComputerSystem

Switch に設定されている Dedicated プロパティを使用してスイッチを識別します。

PhysicalElement

デバイスの物理的特徴を識別します。

FCPort

ポートのリンク層およびデータ層の論理的な特徴を識別します。

FCPortCapabilities

ポートがサポートする設定オプションを定義します。

FCPortStatistics

ポートの統計情報を識別し、FCPort クラスの各インスタンスに対してポートのトラフィック情報をリアルタイムで表示します。

FCSwitchCapabilities

スイッチがサポートする設定オプションを定義します。

FCSwtichSettings

スイッチ上の設定変更を要求します。

FCPortSettings

ポート上の設定変更を要求します。

ブレード サブプロファイル

CIM クライアントは、オプションのブレード サブプロファイルを使用して、スイッチのスーパーバイザ モジュール、スイッチング モジュール、またはサービス モジュールの物理的および論理的な特徴をモデル化します。これをスイッチ プロファイルと組み合わせることによって、CIM クライアントは、スイッチ、モジュールの関連ポート、およびスイッチに対するモジュールをシャーシ レベルで見ることができます。

表2-2 に、クラスおよび関連クラスを使って、モジュールをモデル化する方法を示します。

 

表2-2 ブレード サブプロファイルの使用

クラス
使用法

LogicalModule

スーパーバイザ モジュール、スイッチング モジュール、またはサービス モジュールをスイッチ ポートの集約点として識別します。

ModulePort

ポートをモジュールに関連付けます。


) ブレード サブプロファイル インスタンスのダイアグラムについては、 http://www.snia.org にある SMI-S を参照してください。


アクセス ポイント サブプロファイル

CIM クライアントは、アクセス ポイント サブプロファイルを使用してスイッチにアクセスする URL を返し、Fabric Manager または Device Manager のインストールまたは起動を行います。Fabric Manager または Device Manager がインストールされていない場合、URL によってこれらをインストールするオプションが表示されます。Fabric Manager または Device Manager がインストールされている場合、URL によっていずれかを起動するオプションが表示されます。

表2-3 に、クラスおよび関連クラスを使って、モジュールをモデル化する方法を示します。

 

表2-3 アクセス ポイント サブプロファイルの使用

クラス
使用法

HostedAccessPoint

RemoteServiceAccessPoint をホスト システムに関連付けます。

RemoteServiceAccessPoint

管理ツール用の ServiceAccessPoint。Fabric Manager または Device Manager をインストールもしくは起動する、スイッチの URL を返します。

SAPAvailableForElement

システム内で RemoteServiceAccessPoint がサービスするデバイスのサブセットを識別します。


) アクセス ポイント サブプロファイル インスタンスのダイアグラムについては、 http://www.snia.org にある SMI-S を参照してください。


ファブリック プロファイル

ファブリックは、SAN 内の 1 つ以上のスイッチとネットワークの相互接続要素で構成されています。ファブリック プロファイルは、スイッチ プロファイルで指定された SAN スイッチを含むファブリックの物理的および論理的な特徴をモデル化するものです。

ファブリックには、1 つ以上の仮想 SAN または VSAN が含まれます。シスコの VSAN 拡張についての詳細は、「スイッチおよびファブリック プロファイルに対する Cisco MDS 拡張」を参照してください。Cisco MDS 9000 ファミリのルーティングは VSAN に基づいて行われるため、ConnectivityCollection および ProtocolEndpoint クラスはファブリックではなく VSAN に関連付ける必要があります。

表2-4 に、ファブリック プロファイルのクラスおよび関連クラスを使用して、ファブリックをモデル化する方法を示します。

 

表2-4 ファブリック プロファイルの使用

クラス
使用法

AdminDomain

ファブリックおよび VSAN を識別します。

ContainedDomain

VSAN をファブリックに関連付けます。

ConnectivityCollection

互いに直接通信できる ProtocolEndpoint クラスのセットを 1 つにまとめて、ルーティングに必要な基礎を表します。Component 関連クラスを使用して VSAN に関連付けます。

ComputerSystem

ポートを含むファブリック要素(スイッチ、ホスト、ストレージ システムなど)を表します。Dedicated プロパティは Switch に設定します。Component 関連クラスを使用して VSAN に関連付けます。

FCPort

リンク層およびデータ層の論理的な特徴を表します。DeviceSAPImplementation 関連クラスを使用して ProtocolEndpoint クラスに関連付け、SystemDevice 関連クラスを使用して ComputerSystem クラスに関連付けます。

ProtocolEndpoint

ルーティングの上位ネットワーク層を表します。ConnectivityMemberOfCollection 関連クラスを使用して ConnectivityCollection クラスに関連付けます。

ActiveConnection

2 つの ProtocolEndpoint クラスを関連付けるリンクを、現在トラフィックが流れている接続として表します。


) Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバは LogicalPortGroup クラスをファブリックに提供するだけで、ホストやストレージ システムには提供しません。


CIM サーバでは、ファブリック名や VSAN 名は同一 CIM ネームスペース内では一意であることが必要です。名前は、オプションの NameFormat 関連プロパティを使って、Name クラス プロパティで識別します。VSAN 識別子には、VSAN に続いて主スイッチの World-Wide Name(WWN)が表示されます。たとえば、"1_2001000530000A0A" のようになります(NameFormat には WWN であることが示されています)。VSAN の場合、ファブリックごとの主スイッチがないので、ファブリック識別子は文字列になります。


) ファブリック プロファイル インスタンスのダイアグラムについては、 http://www.snia.org にある SMI-S を参照してください。


CIM サーバは、以下のファブリック プロファイルのオプションのサブプロファイルをサポートします。

ゾーン コントロール サブプロファイル(ゾーン コントロール サブプロファイルを参照)

拡張ゾーニングおよび拡張ゾーニング コントロール サブプロファイル(拡張ゾーニングおよび拡張ゾーニング コントロール サブプロファイルを参照)

FDMI サブプロファイル(FDMI サブプロファイルを参照)

ファブリック プロファイルは、Cisco MDS 9000 ファミリ固有の拡張も数多くサポートします。「スイッチおよびファブリック プロファイルに対する Cisco MDS 拡張」を参照してください。

ゾーン コントロール サブプロファイル

ゾーニングを使用することで、CIM クライアントによる、ストレージ デバイスまたはユーザ グループ間におけるアクセス制御の設定が可能になります。ゾーン コントロール サブプロファイルはファブリック プロファイルのサブプロファイルで、ファブリックのゾーニング情報をモデル化します。読み取り機能や書き込み機能のほかにも次の動作が含まれます。

ゾーンおよびゾーン セットの作成と削除

ゾーン メンバの作成と削除(ZoneMembershipSettingData を使用)

ゾーンへのゾーン メンバの追加と削除

ゾーン セットへのゾーンの追加と削除

ゾーン セットのアクティブ化と非アクティブ化

CIM サーバは、SMI-S ゾーニング モデルで記述されているすべての CIM クラスおよび関連クラスをサポートします。

拡張ゾーニングおよび拡張ゾーニング コントロール サブプロファイル

拡張ゾーニングおよび拡張ゾーニング コントロール サブプロファイルは、ファブリック プロファイルのサブプロファイルであり、管理用にシスコ ゾーニング情報の追加モデリングを提供します。以下のサポートが含まれます。

ゾーン エイリアスの作成と削除

ゾーン エイリアスへのゾーン メンバの追加と削除

このサブプロファイルは、SMI-S ゾーニング モデルで記述されているすべての CIM クラスおよび関連クラスをサポートします。ただし、ゾーニングのセッションに関するコンセプトは除きます。

ゾーニング サブプロファイルの使用

Cisco MDS CIM 実装において、ゾーニングはファブリックではなく VSAN に基づいて行われます。


) ゾーニング サブプロファイル インスタンスのダイアグラムについては、 http://www.snia.org にある SMI-S を参照してください。


表2-5 に、ゾーニング サブプロファイルのクラスおよび関連クラスを使用して、ゾーニングをモデル化する方法を示します。

 

表2-5 ゾーニング サブプロファイルの使用

クラス
使用法

ZoneMembershipSettingData

ゾーン メンバを識別し、メンバ ID(CIM スキーマで定義)とデバイスのゾーニング方法を示します。

ZoneAlias

ゾーン エイリアスを識別します。ElementSettingData 関連クラスを使用して関連付けたゾーン メンバ(ZoneMembershipSettingData クラス)を含みます。

ZoneSets

ゾーン セットを識別します。MemberOfCollection 関連クラスを使用して関連付けたゾーンを含みます。

AdminDomain

VSAN を識別します。HostedCollection 関連クラスを使用して関連付けたゾーン セットのみを含みます。

ZoneControl

ゾーンとゾーン セットの両方を作成、削除、アクティブ化するといったゾーン オブジェクト制御の動作を提供します。

ZoneService

ゾーン セット、ゾーン、ゾーン エイリアス、ゾーン メンバの作成やゾーン セットのアクティブ化を管理します。ZoneService クラスは CISCO_Vsan クラス上にあり、このクラスは AdminDomain のサブクラスです。

ActiveConnection

2 つの ProtocolEndpoint クラスを関連付けるリンクを、現在トラフィックが流れている接続として表します。

アクティブなゾーンおよびゾーン セットには Active プロパティがあり、CIM サーバによって True に設定されています。ゾーンには、次のタイプのオブジェクトだけを含めることができます。

ElementSettingData 関連クラスを使用して関連付けたゾーン メンバ(ZoneMembershipSettingData クラス)

MemberOfCollection 関連クラスを使用して関連付けたゾーン エイリアス(ZoneAlias クラス。SMI-S で NamedAddressCollections クラスとして定義されている)

FDMI サブプロファイル

Fabric Device Management Interface(FDMI)は、ファブリックを介して Host Bus Adapters(HBA)を管理し、ファブリック プロファイル内のデータを補完します。FDMI を使用すると、ファブリック内のすべてのエンティティで、HBA を持つホスト上にエージェントがなくても、SMI を介して HBA 情報を提供できます。ファブリック プロファイルでは、HBA タイプのデバイスのみを管理します。FDMI によって定義される HBA 管理インターフェイスは、Fibre Channel HBA API の仕様によって定義されるインターフェイスのサブセットです。

図2-1 に、FDMI サブプロファイルのインスタンス ダイアグラムを示します。クラスは
CISCO_HBA.mof で定義されています。FDMI に対応した HBA がホスト名をサポートする場合、CISCO_PortController は、CISCO_PortControllerInPlatform を介してプラットフォームに関連付けられます。FDMI に対応した HBA がホスト名をサポートしない場合、CISCO_PortController は、CISCO_PortControllerInFabric を介してファブリックに関連付けられます。

図2-1 FDMI サブプロファイルの UML ダイアグラム

 

FDMI サブプロファイルの使用

Cisco MDS CIM 実装において、FDMI サブプロファイルはファブリックに基づいて行われます。


) FDMI サブプロファイル インスタンスのダイアグラムについては、 http://www.snia.org にある SMI-S を参照してください。


表2-6 に、FDMI サブプロファイルのクラスおよび関連クラスを使用する方法を示します。

 

表2-6 FDMI サブプロファイルの使用

クラス
使用法

CISCO_PhysicalHBA

スイッチに装着された FDMI 対応の物理 HBA カードを表します。

CISCO_HBAProduct

スイッチに装着された FDMI 対応の物理 HBA カードの製品情報を表します。

CISCO_Platform

1 つ以上のノード オブジェクトを持ち、ファブリックに接続されたエンティティを表します。エンティティは、ファブリックの管理サーバ サービスに登録されています。

PortController

FDMI に対応した HBA のポート コントローラを表します。

スイッチおよびファブリック プロファイルに対する Cisco MDS 拡張

Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバは、標準の SMI-S プロファイルに含まれない SAN 機能を管理する追加クラスをサポートします。以下の拡張が含まれます。

「VSAN 拡張」

「TE ポート拡張」

「PortChannel 拡張」

「FCIP 拡張」

「iSCSI 拡張」

「ファブリック プロファイル 拡張」

「ゾーニング サブプロファイル拡張」

「FDMI サブプロファイル拡張」

VSAN 拡張

VSAN とは、物理ファブリックを 1 つ以上の論理ファブリックにパーティショニングして作成する仮想 SAN です。Cisco MDS スイッチのルーティングは、VSAN に基づきます。CIM クライアントはこれらの VSAN 拡張を使用して、VSAN と物理ファブリックおよびスイッチに対する関連を識別します。

CIM サーバの VSAN モデルは、DMTF のパーティション モデルを使用します。パーティショニングとは、1 つのエンティティを複数のエンティティに仮想分割することであり、DMTF によって定義されています。どのリソースに対しても適用でき、ネームスペースや CIM オブジェクト マネージャを対象に行うことができます。各パーティショニング エンティティは下位のパーティションを管理します。パーティション化されたエンティティからはパーティション化されたことが認識できない場合や、ユーザ自身もリソースが分割されていることを認識できない場合があります。CIM 2.8 スキーマに記述されている標準パーティショニング モデルを参照してください。
http://www.dmtf.org にある DMTF Web サイトから入手できます。


) VSAN の詳細については、『Cisco MDS 9000 Family Fabric Manager Configuration Guide』または『Cisco MDS 9000 Family CLI Configuration Guide』を参照してください。


Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバで提供される VSAN 拡張は、標準パーティション モデルとの互換性があり、同時にこのモデルの拡張でもあります。VSAN 拡張は、パーティション化された物理ファブリックとして VSAN をモデル化します。Cisco MDS スイッチの E ポート、F ポート、PortChannel、FCIP および iSCSI をサポートするポートはすべて、パーティショニング モデルをサポートします。

HostedDependency 関連クラスでは次の関係が記述できます。

パーティショニング(ファン イン)

主側がパーティショニング エンティティ

従側がパーティション化されたエンティティ

クラスタリング(ファン アウト)

図2-2 に、2 つの VSAN にパーティション化されたファブリックの UML ダイアグラムを示します。物理スイッチが 2 つの論理スイッチに分割されています。パーティション化されたスイッチ 1 とパーティション化されたスイッチ 2 です。HostedDependency 関連クラスにより、これらのパーティションは物理スイッチに属していると識別されます。Component 関連クラスにより、VSAN は対応するスイッチ パーティションに属していると識別されます。

図2-2 ファブリック パーティショニングの UML ダイアグラム

 

図2-3 は、図2-2 から VSAN コンポーネントを除いたものです。物理ファブリックが 2 つの VSAN に分割されています。VSAN 1 と VSAN 2 です。それぞれの VSAN は、AdminDomain クラスによって識別されます。ContainedDomain 関連クラスにより、VSAN が物理ファブリックに属していると識別されます。

図2-3 VSAN パーティショニングの例

 

TE ポート拡張

TE ポートは、複数の VSAN でトラフィックを送信できる E ポートです。CIM サーバは既存のファブリック/FC ポート関連クラスを使用して、複数の VSAN で TE ポートのメンバシップをモデル化します。図2-4 に、物理および論理ポートのスイッチとの関係を示します。図の 2 つの物理ポートは論理ポートに分割されており、HostedDependency 関連クラスによって、これらの論理ポートは物理ポートに属していると識別されます。物理的な TE ポートは 2 つの論理ポートにパーティション化されています。1 つはパーティション化されたスイッチ 1(図2-2 において VSAN 1 に関連)用、もう 1 つはパーティション化されたスイッチ 2(図2-2 において VSAN 2 に関連)用です。

SystemDevice 関連クラスにより、物理ポートは物理スイッチのコンポーネントとして識別されます。同じ方法により、パーティション化されたポートも、対応するパーティション化されたスイッチのコンポーネントとして識別されます。

図2-4 TE ポート パーティショニングの例

 


) トランキングの詳細については、『Cisco MDS 9000 Family Fabric Manager Configuration Guide』または『Cisco MDS 9000 Family CLI Configuration Guide』を参照してください。


図2-5 に、SAN スイッチにおける VSAN ファブリックとポート パーティショニングの UML ダイアグラム全体を示します。

図2-5 VSAN パーティショニングの UML ダイアグラム

 

PortChannel 拡張

PortChannel とは、複数の物理 Fibre Channel ポートを 1 つの論理ポートに集約することであり、集約された帯域幅、ロード バランシング、リンク冗長性を提供します。CIM サーバは、Cisco_FCPort クラスの PortChannel ポート タイプをサポートします。Component 関連クラスを使うと、個別のポートを PortChannel に関連付けることができます。

PortChannel は、CIM サーバが動作しているローカル スイッチについてのみ CIM サーバでサポートされます。CIM サーバはリモート PortChannel へのアクティブな接続もエクスポートしますが、次のような 2 つの制約があります。

リモート PortChannel WWN が利用できません。リモート スイッチ WWN とポート インデックスは提供されます。

リモート PortChannel の Component および LogicalIdentity 関連クラスは利用できません。


) PortChannel の詳細については、『Cisco MDS 9000 Family Fabric Manager Configuration Guide』または『Cisco MDS 9000 Family CLI Configuration Guide』を参照してください。


図2-6 に、CIM サーバを実行するスイッチのポートと PortChannel の関係を示します。この例から、次のことが分かります。

SystemDevice 関連クラスにより、PortChannel とポートは物理スイッチに属していると識別されます。

Component 関連クラスにより、それぞれのポートは PortChannel に属していると識別されます。

図2-6 FCIP を使用するポート、PortChannel、およびイーサネット ポートの関係を示す UML インスタンスのダイアグラム

 

FCIP 拡張

CIM サーバは、現在の FCPort クラスを使用して FCIP をサポートするポートに関する情報を取得します。ローカル スイッチ(CIM サーバが動作するスイッチ)については、CIM サーバは LogicalIdentity 関連クラスを使用して、同じモジュール上の FCIP をサポートするポートにリンクさせることができます。

CIM サーバは FCIP を実行しているリモート ポートへのアクティブな接続をエクスポートしますが、次のような 2 つの制約があります。

FCIP を実行しているポートの WWN が利用できません。リモート スイッチ WWN とポート インデックスは提供されます。

FCIP を実行しているポートの LogicalIdentity 関連クラスが利用できません。


) FCIP の詳細については、『Cisco MDS 9000 Family Fabric Manager Configuration Guide』または『Cisco MDS 9000 Family CLI Configuration Guide』を参照してください。


図2-6 に、FCIP を実行しているポートと他のエンティティとの関係を示します。この例から、次のことが分かります。

FCIP を実行しているポートは、LogicalIdentity 関連クラスを使用して他のエンティティと関連付けられています。一方の FCIP を実行しているポートは単独のイーサネット ポートの論理エンティティであり、もう一方はイーサネット ポートを構成する PortChannel の論理エンティティです。

SystemDevice 関連クラスにより、FCIP を実行しているポート、イーサネット ポート、および PortChannel は物理スイッチに属していると識別されます。

iSCSI 拡張

現在の EthernetPort クラスを使用してポートに関する情報を取得し、LogicalIdentity 関連クラスを使用してギガビット イーサネット ポートと iSCSI を関連付けることができます。この関連クラスは、CIM サーバのローカル ポートについてのみ利用できます。

図2-6 に、iSCSI を実行しているポートと他のエンティティとの関係を示します。この例から、次のことが分かります。

LogicalIdentity 関連クラスにより、iSCSI を実行しているポートがイーサネット ポートに属していると識別されます。

SystemDevice 関連クラスにより、iSCSI を実行しているポートが物理スイッチに属していると識別されます。


) iSCSI の詳細については、『Cisco MDS 9000 Family Fabric Manager Configuration Guide』または『Cisco MDS 9000 Family CLI Configuration Guide』を参照してください。


ファブリック プロファイル 拡張

標準のファブリック プロファイルに加えて、Cisco MDS 9000 ファミリに固有である次のクラスや関連クラスもサポートします。

CISCO_ActiveConnection
CISCO_AdminDomain
CISCO_FCPort
CISCO_FCPortCapabilities
CISCO_FCPortSettings
CISCO_Vsan
CISCO_Component
CISCO_ComputerSystem
CISCO_ConnectivityCollection
CISCO_ConnectivityMemberOfCollection
CISCO_ContainedDomain
CISCO_DeviceSAPImplementation
CISCO_FCPortStatistics
CISCO_HostedAccessPoint
CISCO_HostedCollection
CISCO_ProtocolEndPoint
CISCO_PhysicalPackage
CISCO_PhysicalElement
CISCO_Product
CISCO_Realizes
CISCO_SystemDevice
CISCO_ComputerSystemPackage
CISCO_ElementStatisticalData
CISCO_LogicalPortGroup
CISCO_LogicalModule
CISCO_ModulePort
CISCO_HostedDependency
CISCO_LogicalIdentity
CISCO_PhysicalComputerSystem
CISCO_LogicalComputerSystem
CISCO_FCNodeMemberOfCollection
 

CIM サーバがサポートする CISCO_FCPort クラスのポート識別子を 表2-7 に示します。ポート識別子の 16004 から 16012 までは、シスコの拡張です。

 

表2-7 Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバでサポートするポート識別子

ポート識別子
ポート タイプ

0

不明

1

その他

10

N

11

NL

12

F/NL

13

Nx

14

E

15

F

16

FL

17

B

18

G

16004(シスコ固有)など

PortChannel

16010

FCIP

16011

iSCSI-F

16012

iSCSI-N

16000...65535

ベンダー用

シスコのファブリック拡張の全定義については、「Cisco Fabric MOF」を参照してください。

ゾーニング サブプロファイル拡張

標準のゾーニング サブプロファイルに加えて、シスコ固有である次のクラスや関連クラスもサポートします。

CISCO_HostedService
CISCO_ZoneMemberOfCollection
CISCO_ZoneMembershipSettingData
CISCO_ZoneSet
CISCO_Zone
CISCO_ZoneCapabilities
CISCO_ZoneAlias
CISCO_ElementSettingData
CISCO_ZoneService
CISCO_SystemSpecificCollection
 

シスコのゾーニング拡張の全定義については、「Cisco Zone MOF」を参照してください。

FDMI サブプロファイル拡張

標準の FDMI サブプロファイルに加えて、Cisco MDS 9000 ファミリに固有である次のクラスや関連クラスもサポートします。

PortControllerRealizes
PlatformPackage
PortControllerSoftwareIdentity
HBASoftwareInstalledOnPlatform
NodeFCPortControlledByPortController
ProductPhysicalHBA
PlatformInFabric
NodePortInPlatform
NodeInPlatform
PortControllerInPlatform
PortControllerInFabric
 

シスコの FDMI 拡張の全定義については、「Cisco FDMI MOF」を参照してください。

CIM 通知

SMI-S は、CIM サーバまたは CIM サーバが制御する管理要素の変更に対して、非同期の通知を提供します。これらの通知により、CIM クライアントに以下の事項を通知できます。

SAN の設定が変更された。

SAN スイッチの状態が悪化した。

SAN ファブリックのパフォーマンスが低下した。

ネームサーバ データベースが変更された。

VSAN が追加/削除/変更された。

ファン ステータスが変更された。

温度ステータスが変更された。

電源ステータスが変更された。

FRU が挿入/削除/変更された。

終了するまでに長時間かかる CIM クラスのメソッドが起動された場合に、通知を使用することもできます。動作が完了するまで CIM サーバを拘束する(ブロック)のではなく、CIM サーバは動作の開始に対して応答し、他の要求の処理を続行します(ノンブロッキング)。もとの長い動作が完了すると、CIM サーバは CIM クライアントに対して非同期に通知を送信し、動作の結果を表示します。CIM クライアントは、CIM サーバから受信したい通知に対して登録を行う必要があります。

Cisco MDS 9000 ファミリ CIM サーバは、以下のシスコ固有の通知をサポートします。

CISCO_LinkStateChange
CISCO_LinkUp
CISCO_Linkdown
CISCO_MediaFRUInserted
CISCO_MediaFRURemoved
CISCO_VSANChanged
CISCO_ZoneSetAlert
CISCO_EnvironmentalAlert
CISCO_FanAlert
CISCO_PowerAlert
CISCO_TempAlert
CISCO_NameServerDatabaseChanged
 

シスコの通知 MOF ファイルについては、「Cisco Indications MOF」を参照してください。