Cisco MDS 9000 ファミリー トラブルシューティング ガイド Release 3.x
SAN デバイス バーチャライゼーション のトラブルシューティング
SAN デバイス バーチャライゼーションのトラブルシューティング
発行日;2012/01/13 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 6MB) | フィードバック

目次

SAN デバイス バーチャライゼーションのトラブルシューティング

概要

ベスト プラクティス

ライセンスの要件

トラブルシューティングの初期チェックリスト

SDV 設定の CLI によるデバッグと確認

SDV の制限事項と制約

SDV 問題

SDV コミットが失敗した

SDV コミットが部分的に失敗した

ホストがディスクを検索できない

ISL アップ時に SDV マージが失敗した

SDV ゾーンでのゾーン アクティブ化が失敗する

SAN デバイス バーチャライゼーションのトラブルシューティング

ここでは、Cisco MDS 9000 ファミリのマルチレイヤ ディレクタおよびファブリック スイッチにおける SAN Device Virtualization(SDV; SAN デバイス バーチャライゼーション)の設定問題をトラブルシューティングし解決する方法を説明します。この章で説明する内容は、次のとおりです。

「概要」

「ベスト プラクティス」

「ライセンスの要件」

「トラブルシューティングの初期チェックリスト」

「SDV 問題」

概要

Cisco SDV では、物理エンド デバイスを示す仮想デバイスを作成できます。仮想化された SAN デバイスは、イニシエータまたはターゲットになることができます。SAN デバイスのバーチャライゼーションにより、交換ディスクアレイに対してスワップアウトやフェールオーバーを促進できます。また、Host Bus Adapter(HBA; ホスト バス アダプタ)を交換するときか別のサーバ上でアプリケーションを再ホスティングするときのダウンタイムを最小限にします。

SDV のトラブルシューティングでは、仮想デバイス、ドメイン ID、ゾーン セットの設定を確認する必要があります。SDV の設定に問題があると、デバイスが適切に通信できない場合があります。


) SDV は配信型サービスであり、Cisco Fabric Service(CFS)配信を使用してデータベースを同期化します。


ベスト プラクティス

SDV を実装する際のベスト プラクティスは、次のとおりです。

SDV は分散モードでのみ動作し、デフォルトでは CFS を使用して登録します。この設定は変更できません。

仮想化されているデバイスが接続されているスイッチで SDV をイネーブルにします。SDV 仮想デバイスを使用してゾーニングする必要のある実際のデバイスを識別します。これらのリアル デバイスが接続されている全スイッチで SDV をイネーブルにします。

SDV デバイスにマッピングするプライマリおよびセカンダリ リアル デバイスを特定して、これらが明確に識別されていることを確認します。

SDV 仮想デバイスの設定時に、すでにデバイス エイリアス データベースで使用されていない名前を選択します。SDV 仮想デバイス名は、(システム生成 pWWN を使用して)デバイス エイリアス データベース内にデバイス エイリアス名として実際に登録されます。

未使用ドメイン ID とともに仮想デバイスにスタティック(永続)FC ID を設定します。ドメイン ID を保存するには、すべての SDV 仮想デバイスのスタティック FC ID を作成するために 1 つのスタティック ドメインのみを使用します。仮想ドメインに対して、VSAN 内の Cisco MDS スイッチに存在しないドメイン ID を選択します。仮想デバイスに対してドメイン ID を設定したら、VSAN 内の他の MDS で使用できなくなります。


) RDI モードでの IVR に割り当てられた予約方法と類似したやり方で、ドメイン ID 予約を行います。


通信が必要な他のデバイスと共に、SDV 仮想デバイス名を使用してデバイス エイリアス ゾーン メンバ タイプの 1 つとしてゾーンを作成します。

ホストまたは仮想デバイスが Cisco MDS 9124 または MDS 9134 ファブリック スイッチ、HP c-Class BladeSystem 用 Cisco ファブリック スイッチ、または IBM BladeCenter 用 Cisco ファブリック スイッチに接続されている場合、接続されたスイッチで SDV をイネーブルにすることの他に、再書込可能な SDV 対応ディレクタ スイッチが各トラフィック フローのネクストホップに存在することを確認します。たとえばSDV ゾーンの Cisco MDS 9124 / 9134 ファブリック スイッチ は、2 つのスイッチ(P1 および P2)が 2 つの異なるゾーンである(H1,VT)と(H2, VT)の一部であることを示しています。この場合ゾーン(H1,VT)が機能していて、その一方直接接続やディレクタを通じたフローがないためゾーン(H2,VT)は機能していません。

図12-1 SDV ゾーンの Cisco MDS 9124 / 9134 ファブリック スイッチ

 

SDV 仮想デバイスを作成し、VSAN の sdv commit コマンドを入力します。正常にコミットしたあと、SDV 名がデバイス エイリアス データベース内にあることを確認します。このコミットは、CFS セッションをクローズし、ファブリック内の他の SDV 対応スイッチに SDV 設定を伝播させるのに必要です。このコミットは、SDV 対応スイッチが 1 つのみである場合でも必要です。また、SDV データベースがすべてのスイッチで同一であることも確認します。

多くの新規 SDV デバイス(たとえば 128)を追加する際には、スケーラビリティの問題を回避するために段階を追って設定およびコミットを実行します。

以下のいずれかのイベントのあとで、ファブリック内のデバイス エイリアス データベースをチェックして、SDV 設定を通じて生成されたすべてのデバイス エイリアスが削除されたことを確認します。

SDV がイネーブルです(明示的または強制ダウングレードを通じて)。

SDV デバイスが削除されました。

Release 3.1(2) より前の Cisco MDS SAN-OS リリースにダウングレードします。

これにより、デバイス エイリアス データベースに無効な SDV 登録がなくなることが保証されます。無効なエントリが残っている場合、デバイス エイリアス コマンドを使用してこれらを削除します。

(仮想デバイスの pWWN が変更可能なので)SDV を使用する際は、デバイス エイリアス モードを enhanced に設定します。たとえば、SDV がスイッチでイネーブルで、仮想デバイスが定義されているとします。SDV が仮想デバイスの pWWN を割り当てて、ゾーン内で pWWN に基づいてゾーニングされます。あとで SDV をディセーブルにする場合、この設定は失われます。再び SDV をイネーブルにして同じ名前で仮想デバイスを作成しても、同じ pWWN を再び取得できるかどうかは保証されません。したがって、pWWN ベース ゾーンを再びゾーニングする必要があります。ただし、デバイス エイリアス名に基づいてゾーニングを実行した場合、pWWN の変更時に設定変更は不要です。

イネーブルにする前に、デバイス エイリアス モードの動作方法を理解しておく必要があります。デバイス エイリアス モードの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family CLI Configuration Guide9000 』の「Distributing Device Alias Services」の章を参照してください。

SDV がサードパーティ製スイッチに接続されているデバイスをサポートしていなくても、サードパーティ製スイッチを VSAN 内に置くことは可能です。スケーラビリティのために、ドメイン ID を 97 ~ 127 の範囲に限定することを推奨します。

ライセンスの要件

スイッチで SDV をイネーブルにするには、スイッチにインストールされているエンタープライズ パッケージ(ENTERPRISE_PKG)が必要です。

トラブルシューティングの初期チェックリスト

SDV に関する問題のトラブルシューティングがある場合には、次の問題を確認します。

 

チェックリスト
確認済み

すべての関連スイッチで SDV をイネーブルにします。

 

VSAN 内で(固定 FC ID ありまたなしで)仮想デバイスを設定します。

 

プライマリ リアル デバイスで仮想デバイスをリンクします。

 

VSAN に設定をコミットし、コミット ステータスをチェックします。

 

すべてのスイッチで SDV データベースに一貫性があることを確認します。

 

仮想デバイスが正確にゾーニングされていることを確認します。

 

ゾーン セットをアクティブ化します。

 

Cisco MDS 9124 ファブリック スイッチに接続されたホストや仮想デバイスの場合、パス内に再書込可能 SDV 対応ディレクタ スイッチがあることを確認します。

 

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「SDV 設定の CLI によるデバッグと確認」

「SDV の制限事項と制約」

「SDV 問題」

SDV 設定の CLI によるデバッグと確認

複数の設定作業に関連するいくつかのコマンドを使用して、SDV 設定をデバッグし、確認できます。 表12-1 に、デバッグおよび確認用の CLI コマンドを示します。

 

表12-1 SDV をデバッグし確認するための CLI コマンド

CLI コマンド
説明

show sdv database

コミットされた SDV 仮想デバイス設定を表示します。

show sdv session status

SDV 設定内にある最新 CFS 動作のステータスを表示します。

show sdv merge status

最新の CFS マージのステータスを表示します。

show sdv internal acl-cache dump

インターフェイスでプログラミングされた SDV ACL エントリを表示します。

show sdv zone active

アクティブ ゾーン セット内の SDV ゾーンを表示します。

debug sdv all-sdv

SDV デバッグ用の全フィルタを設定します。

show tech-support sdv

ほとんどの SDV 関連デバッグ情報を表示します。

SDV の制限事項と制約

SDV について以下の制限事項と制約に留意してください。

すべての SDV デバイスと、SDV デバイスにアクセスしているリアル デバイスは、SDV 対応スイッチに接続されていなければいけません。

SDV は非 MDS スイッチと接続されたデバイスと連動しません。

ブロードキャスト ゾーニングは、仮想デバイスのあるゾーンではサポートされません。

IVR および SDV は同一デバイスで使用できません。つまり、SDV 仮想化デバイスは IVR ゾーンまたはゾーンセットの一部となることはできませんん。

仮想デバイス名は、VSAN で認識できないデバイス エイリアス サーバ で登録されるため、VSAN 全体で一意となっているはずです。たとえば、イネーブル化された SDV があり、VSAN 1 と VSAN 2 で名前 vt1 を登録した場合、同じ名前であるためデバイス エイリアス サーバは両方のエントリを保存しません。

別の仮想デバイスに同じプライマリ デバイスを指定できません。

SDV は、ハード ゾーニング環境のみでのみ動作します(ハード ゾーニングは、スイッチングされるすべてのファイバ チャネル フレームにスイッチ ポート ASIC によって適用される ACL を使用して実施されます。 ハード ゾーニング ポート ゾーニング とも呼ばれます)。SDV は、 permit に設定されていても、デフォルト ゾーンで動作しません。

リアル デバイス/仮想デバイス ゾーンは、リアル デバイス/リアル デバイス ゾーンと共存できません(たとえば、図12-1 のゾーン(H, T)と(H, VT)は共存できません)。リアル デバイスがすでにゾーニングされていない場合、悪影響を与えずにリアル デバイス/仮想デバイス ゾーンを設定できません。これらのデバイスがすでにゾーニングされている場合、リアル デバイス/仮想デバイス ゾーンを追加するとゾーンのアクティベーションが失敗する可能性があります。これが発生した場合、アクティベーション後にゾーンの 1 つを削除しなければいけません。

再書込可能な SDV 対応 MDS スイッチが、サーバと仮想化されるターゲットの間に少なくとも 1 つ必要です。Cisco MDS 9124 ファブリック スイッチは再書込可能スイッチではありません。

言い換えれば、リアル デバイスとプライマリ仮想デバイスが同じ Cisco MDS 9124 ファブリック スイッチに接続されている場合、SDV は機能しません。


注意 ASCII ファイルからコンフィギュレーション ファイルを復元するには(たとえば、
copy bootflash:saved-config running-config コマンドの発行時など)、ファイルのデバイス エイリアス設定部分にある pWWN が現在のファブリック ステートと一貫性があることを確認します。保存されているコンフィギュレーション ファイル内の pWWN が現在のファブリック ステートと一致しない場合、不整合となって SDV のマージ障害となる可能性があります(設定を復旧するのに使用されるファイルが前の時点で保存されて、そのあとデバイス エイリアス データベースで変更が行われたような場合に発生する可能性があります)。これが発生した場合、保存されているコンフィギュレーション ファイルを編集して、デバイス エイリアス pWWN と現在ファブリック内で使用されているデバイス エイリアスが一貫性を持つようにします。

SDV 問題

ここでは、SDV に関連した問題について説明します。具体的な内容は、次のとおりです。

「SDV コミットが失敗した」

「SDV コミットが部分的に失敗した」

「ホストがディスクを検索できない」

「ISL アップ時に SDV マージが失敗した」

「SDV ゾーンでのゾーン アクティブ化が失敗する」

SDV コミットが失敗した

表12-2 で、SDV コミットが失敗した場合に取る処置について説明しています。

現象 SDV コミットが失敗した。

 

表12-2 SDV コミットが失敗した

現象
考えられる原因
解決方法

SDV コミットが失敗した。

デバイス エイリアス データベースがロックされているためにデバイス エイリアスを使用した登録に失敗した。

デバイス エイリアス CFS セッションをクリアして SDV デバイスを再設定します。

すでに同じ名前が使用されているためにデバイス エイリアスを使用した登録に失敗した。

別の名前を使用します。

CFS の配布障害。

CFS コマンドをチェックして障害の原因を特定します。

セッションが作成されてロックされ、他のユーザが使用している。

同じユーザ証明書を使用して commit コマンドを発行します。

SDV コミットが部分的に失敗した

表12-3 で、SDV コミットが部分的に失敗した場合に取る処置について説明しています。部分的な障害は、ロールバック ポイントを超えてコミット操作に失敗した場合に発生します。コミット操作は完了していますが、1 つまたは複数のスイッチで継続していて、1 つまたは複数のスイッチで失敗しています。

現象 SDV コミットが部分的に失敗した。

 

表12-3 SDV コミットが部分的に失敗した

現象
考えられる原因
解決方法

SDV コミットが部分的に失敗した。

永続ドメインまたは FC ID がすでに使用中であるため、FC ID を割り当てることができない。

障害のあるスイッチは、失敗理由を識別する Syslog を生成します。Syslog を表示して失敗の理由を特定し、問題を修正して commit コマンドを再発行します。

ドメインを予約できないために FCID を割り当てることができない。

CFS の配布障害。

ホストがディスクを検索できない

表12-4 で、ホストがディスクを検索できない場合に取る処置について説明しています。

現象 SDV がディスクを検索できない。

 

表12-4 SDV がディスクを検索できない

現象
考えられる原因
解決方法

ホストがディスクを検索できない。

ホストと仮想ディスクが正しくゾーニングされておらず、すべてのゾーン メンバが解決されていない。

show sdv zones active vsan コマンドを入力して、ゾーニングが設定されていて正しく解決されているかどうかを識別します。そうでない場合は、ゾーンに対して必要な修正を行ってゾーニングを再アクティブ化します。

ホストまたは仮想デバイスが SDV 対応スイッチに接続されていない。

これらのスイッチで SDV をイネーブルにします。

再書込エントリが正しくプログラミングされていない。

ACL の再書込およびキャプチャ エントリがホストと仮想デバイスで正確にプログラミングされているのを確認するには、ホストと仮想デバイスが接続されているスイッチで show sdv internal acl-cache dump vsan コマンドを入力します。

ホストおよび仮想デバイスが Cisco MDS 9124 ファブリック スイッチに接続されている場合、ネクストホップのディレクタをチェックして、すべてのトランク ポートでの再書込およびキャプチャ エントリが正確にスイッチにプログラミングされていることを確認します。

show tech-support sdv コマンドを入力して、返されたデータを収集します。

ホストから仮想デバイスまたは仮想デバイスからホストへのいずれかの方向で再書込対応スイッチがない。

正しく機能するように、トポロジが SDV のサポート トポロジをミラーリングしていることを確認します。ホスト、SDV、リアル デバイス間で、以下のスイッチが少なくとも 1 つパス内に存在していなければいけません。

95xx

9216

9216A

9216i

9120

9140

SDV がイネーブルになっている必要があります。

ISL アップ時に SDV マージが失敗した

表12-5 で、SDV マージが失敗して ISL がアップになる場合に取る処置について説明しています。

現象 ISL アップ時に SDV マージが失敗する。

 

表12-5 ISL アップ時に SDV マージが失敗した

現象
考えられる原因
解決方法

ISL アップ時に SDV マージが失敗した。

マージしているファブリックで設定が一致しない。

ILS がアップしないことによる SDV マージ障害から強制的に回復させるには、含まれているファブリックのいずれかで空のコミットを実行します。


) これは名前と pWWN の不一致を修復するだけでなく、デバイス エイリアス障害も修復します。


マージしているファブリックで仮想デバイス名と pWWN が一致しない。

仮想デバイス名と FCID がマージしているファブリックで一致しない。

SDV ゾーンでのゾーン アクティブ化が失敗する

現象 SDV ゾーンでのゾーン アクティブ化が失敗する。

SDV ゾーンでゾーンのアクティブ化が失敗した場合、 show zone internal sdv-table コマンドを入力して、ゾーン サーバ内で更新される物理/仮想マッピングを表示します。リアル デバイス エイリアスおよび仮想コンポーネントと通信できないようにゾーンをゾーニングします。