Cisco MDS 9000 ファミリ CLI コンフィギュレーション ガイド リリース 3.x Cisco MDS SAN-OS for Release 3.0(1) ~ 3.3(3)
SAN デバイス バーチャライゼーション
SAN デバイス バーチャライゼーション
発行日;2013/09/03 | 英語版ドキュメント(2010/04/22 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 17MB) | フィードバック

目次

SAN デバイス バーチャライゼーション

SDV の概要

主要概念

SDV の設定

仮想デバイスの設定

仮想デバイスのゾーンの設定

スタティック FC ID を持つ仮想デバイスの設定

仮想デバイスと物理デバイスのリンク

SDV デバイスの LUN ゾーン メンバの設定

実発信側および LUN を含む SDV 仮想ターゲット

SDV 仮想発信側および LUN を含む実ターゲット

SDV 仮想発信側および LUN を含む SDV 仮想ターゲット

ファブリック マージの矛盾の解決

SDV の要件と注意事項

変更の破棄

SDV 変更のクリア

SDV のダウングレードに関するガイドライン

仮想発信側が設定されている場合のダウングレード

SDV LUN ゾーン分割が設定されている場合のダウングレード

SDV の設定例

SDV 情報の表示

デフォルト設定

SAN デバイス バーチャライゼーション

この章では、Cisco MDS SAN-OS Release 3.1(2) 以降が稼働しているスイッチの物理的なエンド デバイスを表す仮想デバイスの設定方法について説明します。

Cisco SAN デバイス バーチャライゼーション(SDV)は、Cisco MDS 9000 Family Enterprise パッケージ(ENTERPRISE_PKG)に付属するライセンス機能です。ライセンス取得の詳細については、「ライセンスの入手とインストール」を参照してください。

この章は、次の項で構成されています。

「SDV の概要」

「SDV の設定」

「SDV の要件と注意事項」

「SDV の設定例」

「SDV 情報の表示」

「デフォルト設定」

SDV の概要

Cisco SAN-OS Release 3.1(2) 以降では、Cisco SDV を使用して、物理エンドデバイスを表す仮想デバイスを作成できます。SAN デバイスのバーチャライゼーションは、交換用ディスク アレイへのスワップアウトまたはフェールオーバーを促進します。また、ホスト バス アダプタ(HBA)の交換時または別のサーバへのアプリケーションの再ホスティング時のダウンタイムを最小限に抑えます。

仮想化されている SAN デバイスは、発信側またはターゲットにすることができます。ターゲットを仮想化して 仮想ターゲット を作成し、さらに発信側を仮想化して 仮想発信側 を作成することができます。このような設定では、仮想発信側と仮想ターゲットを区別しません(図 21-1 および図 21-2 を参照)。

図 21-1 ターゲットのバーチャライゼーション

 

 

図 21-2 発信側のバーチャライゼーション

 


) この章のほとんどの例では、ターゲットのバーチャライゼーションについて説明していますが、同じ動作が発信側のバーチャライゼーションにも当てはまります。


通常、今日のデバイス障害処理のための展開は、この設計の重要な部分を占める冗長性によってハイ アベイラビリティ(HA)を実現するように設計されます。ターゲットに冗長性を持たせるように設計される場合を考えてみます。ここでは、プライマリとセカンダリという 2 つのアレイが展開されます。企業では多くの場合、確実にセカンダリ アレイが実稼働 LUN のミラー コピーになるように、プライマリ アレイとセカンダリ アレイの間で一貫性を保つための何らかのテクノロジー(EMF SRDF など)を利用しています。ただし、プライマリ アレイで障害が発生した場合は、すべての I/O がセカンダリで処理されなければならないため、セカンダリに置き換える必要があります。ここで生じる可能性のある問題は、セカンダリ アレイを起動してから稼働するまでに要する時間が、ほとんどの企業にとって許容できないほど長くなってしまうこととです(図 21-3 に、この問題を示します)。

図 21-3 SDV を使用する前のデバイス障害処理のための一般的な展開

 

Cisco SDV を使用しないでストレージ アレイに置き換えた場合、次の作業が必要になることがあります。

サーバを停止して、新しいアレイ用にゾーン分割とアカウントを変更します。

新しいアレイのファイバ チャネル ID(FC ID)と pWWN に対応するように、Cisco SAN-OS 設定を変更します。

新しい FC ID と pWWN に対応するようにサーバ設定を変更します。

さらに具体的には、SDV を使用しないと、次のようになる可能性があります。

通常の実稼働環境用にセカンダリ デバイスを設定するのにかなりの時間を要する場合があります。

ゾーン分割設定では、セカンダリ デバイスを使用してすべての発信側をゾーン分割し、さらに特定の発信側を再設定することが必要になります。たとえば、セカンダリ デバイスの WWN と FC ID が異なるため、ドライバ ファイルを変更し、サーバを再起動する必要があります。

クラスタリング(複数の発信側)では問題がさらに悪化し、クラスタのサーバごとにフェールオーバー手順を繰り返し行う必要があります。サーバ クラスタが一連の HBA である場合、HBA ごとにすべてのストレージ アレイ FC ID の変更を行う必要があります。

SDV により、次のことが可能になります。

データ マイグレーションに要する時間を短縮し、最終的には全体のダウンタイムを削減します。

デバイス数の増加への対応が容易になります。

図 21-4 に、SDV の利点を示します。この設定では、ディスク アレイ Y がディスク アレイ X を置き換えます。ディスク アレイ X が配置された後で、ユーザが SDV を使用してすべてのファイバ チャネル インターフェイスの仮想デバイスを作成しました。ディスク アレイ X からのデータ レプリケーション後に、ユーザはアプリケーション サーバ上のアクティビティを一時停止し、サーバで使用されている仮想デバイスにディスク アレイ Y を再びリンクして、ディスク アレイ X のスワップアウトを完了しました。スワップの実行時に手早い対応が求められるときに、ゾーン分割の変更やホスト オペレーティング システム設定の変更を行う必要がなかったため、アプリケーションのダウンタイムが大幅に短縮されました。


) アレイ管理者は多くの場合、仮想デバイスをアレイ Y の pWWN にリンクする前に、アレイ Y をプライマリ デバイスにし、サーバ ログインを受け入れるようにするための処理を行う必要があります。


図 21-4 SDV の例

 

主要概念

この章では次の用語を使用します。

仮想デバイス
実デバイスの仮想化された表現またはプロキシ表現であり、ネーム サーバに登録され、pWWN と FC ID を持ちます。仮想デバイスは、実デバイス(物理デバイス)がオンラインである限り存在します。仮想デバイスの pWWN および FC ID は一意のものにし、実デバイスの pWWN および FC ID と重複しないようにする必要があります。

仮想ドメイン
SDV により予約され、FC ID を仮想デバイスに割り当てます。ドメインを予約したスイッチがダウンした場合、別のスイッチが同じドメインを使用してダウンしたスイッチの役割を引き継ぎます。

SDV の設定

SDV は配信サービスであり、CFS(Cisco Fabric Services)配信を使用してデータベースを同期します。SDV は設定されると、CFS セッションを開始し、ファブリックをロックします。ファブリックがロックされると、Cisco SAN-OS ソフトウェアではロックを保持しているスイッチ以外のスイッチからの設定変更を許可せず、ロックされたステータスにあることをユーザに通知するメッセージを発行します。設定変更は、アプリケーションの保留データベースで保持されます。設定をアクティブにし、すべてのスイッチのロックを解放するには、コミット操作を行う必要があります。 abort/clear コマンドを発行すると、変更を廃棄したり、配信を停止したりできます。

CFS の詳細については、「CFS インフラストラクチャの使用」を参照してください。


) SDV をイネーブルにすると、CFS 配信もイネーブルになるため、SDV の CFS 配信はディセーブルにできません。


ここでは、SDV の設定方法について説明します。

「仮想デバイスの設定」

「仮想デバイスのゾーンの設定」

「仮想デバイスと物理デバイスのリンク」

「SDV デバイスの LUN ゾーン メンバの設定」

「ファブリック マージの矛盾の解決」

仮想デバイスの設定

仮想デバイスは最大 32 文字の英数字の名前で識別され、その仮想デバイスが表すすべての実デバイス(1 つのプライマリと 1 つまたは複数のセカンダリ)を定義します。仮想デバイスが正常に作成されると、仮想デバイス名は、デバイス エイリアス名としてデバイス エイリアス データベースに内部的に登録されます。このとき、pWWN は、Cisco OUI(組織固有識別子)を使用して自動的に割り当てられます。仮想デバイスは、実際の物理デバイスとして表示されます。最大 128 台のデバイスを 1 つの仮想デバイスとして表示できます。1 つの VSAN 内で作成できる仮想デバイス数の上限は、4,095 です。


) Cisco MDS SAN-OS Release 3.1(2) 以降では、SDV は、VSAN あたり最大 1024 台の仮想デバイスとの連携がテストされています。


図 21-5 に、新しい仮想デバイス(vt1)を含む設定を示します。

図 21-5 仮想デバイスの作成

 

仮想デバイスを設定し、ファブリック設定にコミットするには、次の手順を実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# sdv enable

SDV 機能をイネーブルにします。

(注) Cisco MDS 9000 ファミリ エンタープライズ パッケージ(ENTERPRISE_PKG)ライセンスがインストールされていない場合、このコマンドは失敗します。

ステップ 3

switch(config)# sdv virtual-device name vdev1 vsan 2

 

仮想デバイスのエイリアス名(vdev1)を設定します。

SDV マネージャ コンフィギュレーション サブモードを開始します。

ステップ 4

switch(config-sdv-virt-dev)# pwwn 21:00:00:04:cf:cf:45:40 primary

 

switch(config-sdv-virt-dev)# pwwn 21:00:00:04:cf:cf:38:d6

実デバイスの pWWN にプライマリ仮想デバイスをマッピングします。

実デバイスの pWWN にセカンダリ仮想デバイスをマッピングします。

ステップ 5

switch(config-sdv-virt-dev)# exit

SDV マネージャ コンフィギュレーション サブモードを終了します。

ステップ 6

switch(config)# sdv commit vsan 2

VSAN 設定をファブリックにコミットします。

ステップ 7

switch(config)# exit

switch# show device-alias database

仮想化デバイスがデバイス エイリアス データベースに登録されていることを確認します。

ステップ 8

switch# show fcns database vsan 2

プライマリ デバイスがオンラインの場合、仮想デバイスがネーム サーバ データベースに表示され、正しい FC4 タイプ(ファイバ チャネル レイヤ 4)となっていることを確認します。

仮想デバイスのゾーンの設定

仮想デバイスを設定した後、メンバとして他のすべての実デバイス/仮想デバイスを含むゾーンを作成し、アクティブにできるゾーン セットにこのゾーンを追加する必要があります。設定された名前とメンバ タイプをデバイス エイリアスとして使用して、ゾーンに仮想デバイスを追加できます。


) この設定プロセスでは、相互運用性はサポートされていません。interop-VSAN で作業している場合は、システムによって割り当てられた仮想デバイスの pWWN を使用してゾーンを直接設定することを推奨します。


図 21-6 に、アクティブな実デバイスによってゾーン分割された仮想デバイス名のデバイス エイリアス(vt1)を示します。プライマリ デバイスはオンラインです。

図 21-6 実デバイスによる仮想デバイスの分割

ゾーンに仮想デバイスをゾーン メンバとして追加するには、次の手順を実行します。

ステップ 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# zoneset name zs1 vsan 1

VSAN(vsan 1)内の zs1 という名前の 1 つのゾーン セットの下にゾーンをグループ化します。ゾーン セット サブモードを開始します。

ステップ 3

switch(config-zoneset)# zone name zone1

ゾーン zone1 を作成します。

ステップ 4

switch(config-zoneset-zone)# member device-alias vdev1

or

switch (config-zoneset-zone)# member pwwn 50:00:53:00:01:fa:70:09

仮想デバイス(vdev1)をデバイス エイリアス タイプのゾーン メンバとしてゾーンに追加します。

または、仮想デバイスを pWWN タイプのゾーン メンバとしてゾーンに追加します。

ステップ 5

switch(config-zoneset-zone)# member pwwn 21:22:5:d8:15:11:8:8

実デバイスをゾーンに追加します。

ステップ 6

switch(config-zoneset-zone)# end

すべてのモードを終了します。

ステップ 7

switch# show zoneset

VSAN(vsan 1)に対してステップ 4 で設定したゾーン セット、およびプライマリとセカンダリの pWWN を表示します。

ステップ 8

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 9

switch(config)# zoneset activate name zs1 vsan 1

VSAN(vsan1)の新しいゾーン(zs1)をアクティブにします。

ステップ 10

switch(config)# end

すべてのモードを終了します。

ステップ 11

switch# show zoneset active vsan 1

VSAN(vsan1)のアクティブなゾーンを表示します。ゾーン セットおよびゾーン名を確認します。


注意 (仮想デバイスの pWWN は変更される可能性があるため)SDV を使用する場合はデバイス エイリアス モードを enhanced に設定します。

たとえば、SDV がスイッチ上でイネーブルになり、仮想デバイスが定義されているとします。SDV は仮想デバイスの pWWN を割り当て、ゾーン内の pWWN に基づいてゾーン分割されます。後で SDV をディセーブルにした場合、この設定は失われます。SDV を再度イネーブルにし、同じ名前を使用して仮想デバイスを作成する場合、同じ pWWN が再び取得される保証はありません。このため、pWWN ベースのゾーンを再度ゾーン分割する必要があります。ただし、デバイス/エイリアス名に基づくゾーン分割を実行する場合、pWWN の変更時に必要な設定変更はありません。

デバイス エイリアス モードをイネーブルにする前に、これらのモードについて充分に理解してください。デバイス エイリアス モードの詳細と要件については、「DDAS」を参照してください。

スタティック FC ID を持つ仮想デバイスの設定

通常、仮想デバイスの FC ID はシステムによって割り当てられます。SDV デバイス用に予約され、アドバタイズされる仮想ドメインがあり、このドメインは FC ID を割り当てるときに使用されます。FC ID はネーム サーバに登録され、表すプライマリ デバイスと同じ FC4 プロパティを持ちます。

仮想デバイスの設定を含むファブリックが再起動すると、仮想デバイスのドメインまたは FC ID が変更されることがあります。仮想デバイス FC ID は設定に含まれないため、変更されないという保証はありません。静的にする仮想デバイスの FC ID を定義できます。スタティック FC ID を持つようにデバイスを設定すると、SAN-OS のリブートにまたがって仮想デバイスの設定に同じ FC ID が使用されます。また、次のような利点があります。

SAN 管理者が SAN を容易に計画し、設計できるようになります(たとえば、管理者は、仮想デバイスで使用される仮想ドメインおよび FC ID を割り当てることができます)。

同じ FC ID が各インスタンスの仮想デバイスに割り当てられるため、モニタリング、およびトラブルシューティングが向上します。


) この手順は任意ですが、実行することを推奨します。または、スタティック ドメイン ID を設定することもできます。FC ID のドメイン部分のみがスタティックです。他の値は、システムによって割り当てられます。

AIX または HP-UX プラットフォームで SDV を使用してデバイスを仮想化する場合は、スタティック FC ID を作成することを推奨します。


仮想デバイスの作成時にスタティック FC ID を設定するには、次の手順を実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# sdv virtual-device name vdev1 vsan 2

 

仮想デバイスのエイリアス名(vdev1)を設定し、プライマリ デバイス(vsan 2)を定義します。

SDV マネージャ コンフィギュレーション サブモードを開始します。

ステップ 3

switch(config-sdv-virt-dev)# virtual-fcid 0x960001

switch(config-sdv-virt-dev)# exit

仮想デバイスに FC ID 0x960001 を割り当てます。

SDV マネージャ コンフィギュレーション サブモードを終了します。

ステップ 4

switch(config)# sdv commit vsan 2

VSAN 設定をファブリックにコミットします。

仮想デバイスと物理デバイスのリンク

仮想デバイスを作成し、ゾーンの一部として設定したら、 link コマンドを使用して、仮想デバイスのプライマリ デバイスを定義できます。link コマンドはセカンダリ デバイスへのフェール オーバーにも使用できます。


) リンク動作がセカンダリ デバイスにフェール オーバーすると、仮想デバイスはオフラインになった後で、オンラインになります。


SDV デバイスの LUN ゾーン メンバの設定

SDV デバイスの LUN ゾーン メンバを設定できます。次に、既存の実デバイスと設定された SDV デバイスの SDV LUN ゾーン設定のタイプを示します。

実発信側(I1)

0 ~ 12 の LUN をサポートする実ターゲット(T1)

実ターゲット(T1)を仮想化する仮想ターゲット(VT1)

実発信側(I1)を仮想化する仮想発信側(VI1)

実発信側および LUN を含む SDV 仮想ターゲット

例 21-1 では、実発信側は、(LUN を含む)SDV 仮想ターゲットによってゾーン分割されます。

例 21-1 実発信側および LUN を含む SDV 仮想ターゲット

zoneset name zs1 vsan 2
zone name z1 vsan 2
member device-alias I1
member device-alias VT1 lun 0
member device-alias VT2 lun 1

SDV 仮想発信側および LUN を含む実ターゲット

例 21-2 では、SDV 仮想発信側は、(LUN を含む)実ターゲットによってゾーン分割されます。

例 21-2 SDV 仮想発信側および LUN を含む実ターゲット

zoneset name zs2 vsan 1
zone name z2 vsan 1
member device-alias VI1
member device-alias T1 lun 0
member device-alias T2 lun 1

SDV 仮想発信側および LUN を含む SDV 仮想ターゲット

例 21-3 では、SDV 仮想発信側は、(LUN を含む)SDV 仮想ターゲットによってゾーン分割されます。

例 21-3

zoneset name zs3 vsan 1
zone name z3 vsan 1
member device-alias VI1
member device-alias VT1 lun 0
member device-alias VT2 lun 1

 

ファブリック マージの矛盾の解決

2 つのファブリックをマージするときは常に、SDV ではそのデータベースをマージします。ランタイム情報の矛盾や設定の不一致がある場合には、マージの矛盾が生じることがあります。次の場合にランタイムの矛盾が生じることがあります。

同じ pWWNs が異なる仮想デバイスに割り当てられている。

同じ仮想デバイスが異なる pWWNs に割り当てられている。

仮想デバイスと仮想 FC ID が一致しない。

ブランク コミット は、設定変更を含まず、コミットするスイッチ ファブリック全体の SDV 設定を適用するコミット動作です。ブランク コミット動作は、コミットするスイッチからファブリック全体に設定をプッシュすることにより、矛盾する仮想デバイスを再初期化して、マージの矛盾を解決します。この動作の実行中には、一部の仮想デバイスがオフラインになりやすいため、注意が必要です。

pWWN の矛盾から生じるマージ障害によって、デバイス エイリアスでも障害が発生することがあります。SDV 内のマージに失敗した VSAN でのブランク コミット動作により、デバイス エイリアスのマージ障害を解決する必要があります。

次のことを確実にすることにより、設定の不一致によって生じるマージの矛盾を回避できます。

仮想デバイスの pWWN およびデバイス エイリアス エントリが(プライマリとセカンダリで)同一である。

ファブリック内の VSAN にわたって仮想デバイス名の矛盾がない。

SDV の要件と注意事項

SDV の計画および設定を行う際には、次の要件と注意事項について考慮してください。

SDV ゾーンの一部になっているデバイスが接続されているスイッチ上で、SDV をイネーブルにする必要があります。

SDV は、MDS 以外のスイッチに接続されているデバイスでは機能しません。

ブロードキャスト ゾーン分割は、仮想デバイスのあるゾーンではサポートされていません。

IVR および SDV は、同じデバイスでは使用できません。つまり SDV で仮想化されたデバイスは、IVR ゾーンまたはゾーン セットの一部にはなりません。

仮想デバイス名は、すべての VSAN にわたって一意である必要があります。この理由は、仮想デバイス名は VSAN を認識しないデバイス エイリアス サーバで登録されるためです。たとえば、SDV をイネーブルにし、VSAN 1 と VSAN 2 の両方で vt1 という名前を登録した場合、これらの名前が同一であるため、デバイス エイリアス サーバではいずれのエントリも格納できません。

異なる仮想デバイスに対して同じプライマリ デバイスを指定できません。

SDV は、ソフト ゾーン分割では機能しません( ソフト ゾーン分割 は、ゾーン分割制限がネーム サーバとエンド デバイス間の対話時にだけ適用されることを意味します。エンド デバイスが何らかの方法でゾーン外部のデバイスの FC ID を認識できる場合、そのデバイスにアクセスできます)。また、SDV は zone default-zone permit vsan 動作でも機能しません(SDV 以外の場合、この動作はデフォルト ゾーン内のメンバーにトラフィックを許可するか、拒否します)。

デバイスが発信側によってまだゾーン分割されていない場合、否定的な影響を与えることなく、SDV 仮想デバイス ゾーンを設定できます。デバイスがすでにゾーン分割されている場合、ゾーン分割の変更が必要になります。

実デバイス/仮想デバイス ゾーンは、実デバイス/実デバイス ゾーンとは共存できません。各実デバイスがともにまだゾーン分割されていない場合、否定的な影響を与えることなく、実デバイス/仮想デバイス ゾーンを設定できます。これらのデバイスがすでにゾーン分割されている場合、実デバイス/仮想デバイス ゾーンを追加すると、ゾーンのアクティブ化に失敗する可能性があります。この場合、アクティブ化する前に、ゾーンの 1 つを削除する必要があります。

たとえば、ユーザが I という発信側と T というターゲット(I、T)で構成されるゾーン A、および VI という仮想発信側と T という実ターゲット(ゾーン VI、T)で構成されるゾーン B を使用して設定を作成しようとします。このような設定は失敗します。同様に、発信側 I とターゲット T で構成されるゾーン C を、発信側 I と仮想ターゲット VT(ゾーン I、VT)で構成されるゾーン D とともに設定しようとしても失敗します。


注意 サーバと仮想化されるデバイスとの間に、少なくとも 1 つの Cisco MDS 9124 スイッチ以外の SDV 対応のスイッチが必要です。つまり、発信側とプライマリ デバイスが同じ Cisco MDS 9124 スイッチに接続されている場合、SDV は動作しません。

変更の破棄

いつでも実行コンフィギュレーションに対するコミットされていない変更を廃棄し、ファブリックのロックを解除できます( sdv commit コマンドを発行する前に)。保留中の変更を廃棄する場合、設定には影響せずに、ロックが解除されます。

コミットされていない SDV の設定変更を廃棄し、ロックを解除するには、次の手順を実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# sdv abort vsan 10

保留中の設定変更を廃棄します。

SDV 変更のクリア

SDV タスクを実行してから、変更のコミットまたは廃棄のいずれかを行ってロックを解除していない場合、管理者はファブリックのスイッチからロックを解除できます。管理者がこの操作を行うと、ユーザによる保留データベースの変更は廃棄され、ファブリックのロックは解除されます。


ヒント 保留データベースは、一時的なディレクトリだけで使用可能であり、スイッチが再起動されると破棄されることがあります。

管理者の特権を使用して、ロックされた SDV セッションを解除するには、EXEC モードで clear sdv session コマンドを使用します。

switch# clear sdv session vsan 2

SDV のダウングレードに関するガイドライン

SAN-OS Release 3.1(3) 以前は、SDV で仮想発信側および LUN ゾーン分割がサポートされていませんでした。そのため、SAN-OS Releases 3.1(3) 以降では、仮想発信側が設定されているか、または SDV デバイスがゾーンの LUN ベースのメンバとして設定されている場合、コンフィギュレーション チェックで、SAN-OS Release 3.1(2) へのダウングレードは中断する可能性があり、推奨されないことが示されます。

仮想発信側が設定されている場合のダウングレード

SDV 仮想発信側が設定されている場合、SAN-OS Release 3.1(2) にダウングレードすることはできません。

この非互換性は loose です。ダウングレードする前にユーザに警告が表示されるのみです。ダウングレードされたバージョンと不整合が生じないように、仮想発信側の設定を削除するか、または発信側ポートをシャット ダウンすることが推奨されます。


) また、仮想発信側を設定する前に、ユーザがすべてのスイッチで手動検出をトリガーすることが推奨されます。実際には、ダウングレードに進む前に次のコマンドを入力して、検出をトリガーできます。


switch# discover scsi-target local os all
discovery started
switch# discover scsi-target remote os all
discovery started
switch#

SDV LUN ゾーン分割が設定されている場合のダウングレード

次に、SDV LUN ゾーン分割が設定されている場合のダウングレード シナリオを示します。

実発信側および LUN を含む SDV 仮想ターゲット

SDV 仮想発信側および LUN を含む実ターゲット

SDV 仮想発信側および LUN を含む SDV 仮想ターゲット

これらの各ケースで、SAN-OS Release 3.1(2) へのダウングレードを防ぐためにコンフィギュレーション チェックが登録されます。この非互換性は 厳密な ものです(ダウングレードに進んだ場合、中断を伴います)。

コンフィギュレーション チェックを回避するには、すべての LUN ゾーン メンバを SDV ゾーンから削除し、ダウングレードする前にゾーン セットをアクティブにします。

SDV の設定例

次に、SDV の設定に関連付けられたすべてのタスク(必須および任意)を示します。


ステップ 1 コンフィギュレーション モードを開始します。

switch# config t
Enter configuration commands, one per line.End with CNTL/Z.
 
 

ステップ 2 SDV をイネーブルにします。

switch(config)# sdv enable
 

ステップ 3 VSAN(vsan 2)でデバイスの pWWN を検索します。次の手順で仮想デバイスを作成するときに必要になるため、pWWN を記録します。

switch(config)# do show fcns database vsan 2
VSAN 2:
--------------------------------------------------------------------------
FCID TYPE PWWN (VENDOR) FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x9f0201 NL 21:00:00:04:cf:cf:45:40 (Seagate) scsi-fcp
0x9f0423 NL 21:00:00:04:cf:cf:38:d6 (Seagate) scsi-fcp
 
Total number of entries = 2
 

ステップ 4 VSAN の仮想デバイス(vdev1)を作成し、プライマリおよびセカンダリ pWWN を指定します。

switch(config)# sdv virtual-device name vdev1 vsan 2
switch(config-sdv-virt-dev)# pwwn 21:00:00:04:cf:cf:45:40 primary
switch(config-sdv-virt-dev)# pwwn 21:00:00:04:cf:cf:38:d6
 

ステップ 5 ターゲット デバイスのスタティック FC ID を作成します。

switch(config-sdv-virt-dev)# virtual-fcid 0x960001
switch(config-sdv-virt-dev)# exit
 

ステップ 6 ファブリックに新しい仮想デバイスの設定をコミットします。

switch(config)# sdv commit vsan 2
switch(config)# exit
 

ステップ 7 show sdv database コマンドを入力します。VSAN(vsan 2)で仮想デバイスを設定したときに作成されたプライマリおよびセカンダリ仮想デバイスが表示されます。仮想デバイス名、pWWN、および FC ID が正しいことを確認します。

switch# show sdv database vsan 2
virtual-device name vdev1 vsan 2
[ WWN:50:00:53:00:00:d2:e0:01 FCID:0x960001 Real-FCID:0x9f0201 ]
virtual-fcid 0x960001
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:45:40 primary
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:38:d6
 

ステップ 8 show device-alias database コマンドを入力します。デバイス エイリアス データベースの内容が表示されます。新しい仮想デバイス名が表示されること、および名前が正しいことを確認します。

switch# show device-alias database
 
device-alias name vdev1 pwwn 50:00:53:00:01:c9:70:01
 
Total number of entries = 1
 

ステップ 9 VSAN(vsan 2)で zs1 という名前の 1 つのゾーン セットにゾーン メンバを作成し、デバイス エイリアス メンバ タイプを使用して新しいゾーンに仮想ターゲット デバイスを追加します。新しいゾーンをアクティブにする前に、ゾーン セット情報を表示して、ゾーン セット名、ゾーン名、および pWWN が正しいことを確認します。

switch# config t
Enter configuration commands, one per line.End with CNTL/Z.
switch(config)# zoneset name zs1 vsan 2
switch(config-zoneset)# zone name zzz1
switch(config-zoneset-zone)# member device-alias vdev1
switch(config-zoneset-zone)# member pwwn 21:00:03:04:55:cf:d6:40
switch(config-zoneset-zone)# end
switch# show zoneset
zoneset name zs1 vsan 2
zone name zzz1 vsan 2
pwwn 50:00:53:00:01:c9:70:01 [vdev1]
pwwn 21:00:03:04:55:cf:d6:40
 

ステップ 10 新しいゾーン設定をアクティブにします。

switch(config)# zoneset activate name zs1 vsan 2
Zoneset activation initiated.check zone status
switch(config)# exit
 

ステップ 11 アクティブなゾーン セットを表示して、新しいゾーン設定のデータが正しいことを確認します。また、pWWN が正しいことも確認します。

switch# show zoneset active vsan 2
zoneset name zs1 vsan 2
zone name zzz1 vsan 2
* fcid 0x211324 [pwwn 50:00:53:00:01:c9:70:01] [vdev1]
pwwn 21:00:03:04:55:cf:d6:40
 
switch# show sdv database vsan 2
virtual-device name vdev1 vsan 2
[ WWN:50:00:53:00:00:d2:e0:01 FCID:0x960001 Real-FCID:0x9f0201 ]
virtual-fcid 0x960001
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:45:40 primary
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:38:d6
 

ステップ 12 SDV マネージャ コンフィギュレーション サブモードを開始し、vsan 2 の仮想デバイスの pWWN を表示します。pWWN を書き留めた後、プライマリ仮想デバイスをセカンダリ デバイスに移行し、物理デバイスにこの新しいプライマリ デバイスをリンクし、ファブリックにこの設定をコミットします。セカンダリ仮想デバイスが、現在プライマリであることを確認します。

switch# conf t
switch(config)#sdv virtual device name vdev1 vsan 2
switch(config-sdv-virt-dev)# link pwwn 21:00:00:04:cf:cf:38:d6
switch(config-sdv-virt-dev)# exit
switch(config)# sdv commit vsan 2
switch(config)# do show sdv database vsan 2
virtual-device name vdev1 vsan 2
[ WWN:50:00:53:00:00:d2:e0:01 FCID:0x960001 Real-FCID:0x9f0423 ]
virtual-fcid 0x960001
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:45:40
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:38:d6 primary
 
virtual-device name vdev2 vsan 2
[ WWN:50:00:53:00:00:0b:50:01 ]


 

SDV 情報の表示

SDV データベースへのコミットの最後の結果を表示するには、次の手順を実行します。

switch# show sdv session status vsan 1
Session Parameters for VSAN: 1
-------------------------------
Last Action Time Stamp : Fri Feb 2 10:17:20 2007
Last Action : Commit
Last Action Result : Success
Last Action Failure Reason : none
 

VSAN の最後の CFS SDV ファブリック マージの結果を表示するには、次の手順を実行します。

switch# show sdv merge status vsan 1
Merge Status for VSAN : 1
-----------------------------
Last Merge Time Stamp : None
Last Merge State : None
Last Merge Result : SUCCESS
Last Merge Failure Reason: None [cfs_status: 0]
 

SDV データベースに関する詳細を表示するには、次の手順を実行します。

switch# show sdv database vsan 2
virtual-device name vdev1 vsan 2
[ WWN:50:00:53:00:00:d2:e0:01 FCID:0x960001 Real-FCID:0x9f0201 ]
virtual-fcid 0x960001
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:45:40 primary
pwwn 21:00:00:04:cf:cf:38:d6

 

VSAN の SDV に関する統計情報を表示するには、次の手順を実行します。

switch# show sdv statistics vsan 1
VSAN ELS-CMD Requests Accepts Rejects Drops
-------------------------------------------------
1 ELS_PLOGI 54 54 0 0
1 ELS_RRQ 2 2 0 0
1 ELS_PRLI 54 54 0 0
 

デフォルト設定

表 21-1 に、SDV パラメータのデフォルト設定を示します。

 

表 21-1 デフォルトの SDV 設定パラメータ

パラメータ
デフォルト

enable

disabled