Cisco MDS 9000 ファミリー コンフィギュレーション ガイド Release 2.x
HA の設定
HAの設定
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

HAの設定

HAについて

スイッチオーバー メカニズム

HAスイッチオーバーの特長

スイッチオーバーの開始

スイッチオーバーの注意事項

スイッチオーバーを実行できるかどうかの確認

プロセスの再開

スーパバイザ モジュールの同期化

スタンバイ スーパバイザへのイメージのコピー

ブート変数の自動コピー

コピーされたブート変数の確認

HA情報の表示

HAの設定

Cisco MDS 9500シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、アプリケーションの再始動とスーパバイザのスムーズな切り替え機能をサポートします。スイッチは、冗長ハードウェア コンポーネントおよびHigh Availability(HA;ハイ アベイラビリティ)のソフトウェア フレームワークによってシステム障害から保護されています。

この章の内容は、次のとおりです。

「HAについて」

「スイッチオーバー メカニズム」

「スイッチオーバーの注意事項」

「プロセスの再開」

「スーパバイザ モジュールの同期化」

「スタンバイ スーパバイザへのイメージのコピー」

「HA情報の表示」

HAについて

HAソフトウェア フレームワークの内容は、次のとおりです。

スムーズなソフトウェア アップグレード機能を保証します。「ソフトウェア イメージ」を参照してください。

デュアル スーパバイザ モジュールを使用することによって、スーパバイザ モジュール障害に対して冗長性を提供します。

同一のスーパバイザ モジュールで障害が発生したプロセスをスムーズに再開させます。スーパバイザ モジュールとスイッチング モジュールで実行されているサービスは、コンフィギュレーションに定義されたHAポリシーを追跡し、このポリシーに応じて動作を行います。この機能は、Cisco MDS 9100シリーズとCisco MDS 9200シリーズのスイッチでも利用できます。

ポート チャネル(ポート集約)機能を使用してリンク障害から保護します。この機能は、Cisco MDS 9200シリーズとCisco MDS 9100シリーズのスイッチでも利用できます。「ポート チャネルの設定」を参照してください。

Virtual Router Redundancy Protocol(VRRP)を使用して管理冗長性を提供します。この機能は、Cisco MDS 9100シリーズとCisco MDS 9200シリーズのスイッチでも利用できます。

「VRRP」を参照してください。

アクティブ スーパバイザに障害が発生した場合、ストレージまたはホスト トラフィックを中断させることなくスタンバイ スーパバイザ(存在する場合のみ)に切り替えます。

Cisco MDS 9500シリーズのディレクタでは、2つの中央スロット(sup-1およびsup-2)に2つのスーパバイザ モジュールが搭載されています。スイッチの電源が投入され、2つのスーパバイザ モジュールが存在する場合、最初に起動するスーパバイザ モジュールがアクティブ モードを開始し、2番めに起動するスーパバイザ モジュールはスタンバイ モードを開始します。両方のスーパバイザ モジュールが同時に起動する場合、sup-1がアクティブになります。スタンバイ モジュールは、常にアクティブ モジュールをモニタします。アクティブ モジュールに障害が発生すると、ユーザ トラフィックに影響を与えることなくスタンバイ モジュールに切り替わります。

スイッチオーバー メカニズム

アクティブ スーパバイザ モジュールに障害が発生すると、スタンバイ モジュールに自動的に切り替わります。アクティブ スーパバイザ モジュールからスタンバイ スーパバイザ モジュールへのスイッチオーバーを手動で開始することができます。

スイッチオーバー プロセスが開始すると、安定したスタンバイ スーパバイザ モジュールを利用できるまで、同一のスイッチで別のスイッチオーバー プロセスを開始できません。


注意 スーパバイザ モジュールが安定した状態でない場合(オンラインまたは電源が切断)、スイッチオーバーが実行されません。

HAスイッチオーバーの特長

HAスイッチオーバーには次のような特長があります。

制御トラフィックが影響を受けないため、ステートフル(中断なし)です。

スイッチング モジュールが影響を受けないため、データ トラフィックに影響しません。

スイッチング モジュールがリセットされません。

スイッチオーバーの開始

アクティブ スーパバイザ モジュールからスタンバイ スーパバイザ モジュールへのスイッチオーバーを手動で開始するには、 system switchover コマンドを入力します。入力後は、安定したスタンバイ スーパバイザ モジュールを利用できるまで、同一のスイッチで別のスイッチオーバー プロセスを開始できません。

HAスイッチオーバーを行うことができるかどうかを確認するには、 show system redundancy status コマンドまたは show module コマンドを入力します。スタンバイ スーパバイザ モジュールのコマンド出力に HA-standby ステートが表示される場合は、スイッチオーバーが可能です。

スイッチオーバーの注意事項

スイッチオーバーを実行する際は、次の注意事項を確認してください。

手動でスイッチオーバーを開始する場合、システム メッセージに2つのスーパバイザ モジュールの存在が表示されます。

2つのスーパバイザ モジュールがスイッチで稼働している場合にのみ、スイッチオーバーを実行できます。

シャーシのモジュールが、設計どおりに稼働していることを確認します。

スイッチオーバーを実行できるかどうかの確認

ここでは、スイッチオーバーの前に行うスイッチとモジュールのステータスの確認方法について説明します。

show system redundancy status コマンドを使用して、システムでスイッチオーバーを行うことができる状態か確認します。

show module コマンドを使用して、いつでもモジュールのステータス(および存在)を確認できます。 show module コマンドの出力例は、次のとおりです。

switch# show module
Mod Ports Module-Type Model Status
--- ----- ------------------------------- ------------------ ------------
2 8 IP Storage Services Module DS-X9308-SMIP ok
5 0 Supervisor/Fabric-1 DS-X9530-SF1-K9 active *
6 0 Supervisor/Fabric-1 DS-X9530-SF1-K9 ha-standby
8 0 Caching Services Module DS-X9560-SMAP ok
9 32 1/2 Gbps FC Module DS-X9032 ok
 
Mod Sw Hw World-Wide-Name(s) (WWN)
--- ----------- ------ --------------------------------------------------
2 1.3(0.106a) 0.206 20:41:00:05:30:00:00:00 to 20:48:00:05:30:00:00:00
5 1.3(0.106a) 0.602 --
6 1.3(0.106a)) 0.602 --
8 1.3(0.106a) 0.702 --
9 1.3(0.106a) 0.3 22:01:00:05:30:00:00:00 to 22:20:00:05:30:00:00:00
 
Mod MAC-Address(es) Serial-Num
--- -------------------------------------- ----------
2 00-05-30-00-9d-d2 to 00-05-30-00-9d-de JAB064605a2
5 00-05-30-00-64-be to 00-05-30-00-64-c2 JAB06350B1R
6 00-d0-97-38-b3-f9 to 00-d0-97-38-b3-fd JAB06350B1R
8 00-05-30-01-37-7a to 00-05-30-01-37-fe JAB072705ja
9 00-05-30-00-2d-e2 to 00-05-30-00-2d-e6 JAB06280ae9
 
* this terminal session
 

出力の Status カラムでは、スイッチング モジュールには ok ステータス、スーパバイザ モジュールにはactiveまたは HA-standby ステータスが表示されている必要があります。ステータスが ok またはactiveである場合、設定を継続できます。

プロセスの再開

プロセスの再開は、Cisco MDS 9000ファミリー スイッチのHA機能を提供します。プロセス レベルの障害がシステム レベルの障害を発生させる原因にならないようにします。また、障害が発生したプロセスを自動的に再開します。維持に必要なこのプロセスは、スイッチの内部にあるインフラストラクチャで機能します。

「システム プロセスの表示」を参照してください。

スーパバイザ モジュールの同期化

アクティブ スーパバイザ モジュールによって、稼働中のイメージがスタンバイ スーパバイザ モジュールに自動的に同期化されます。ブート変数は、このプロセス中に同期化されます。

スタンバイ スーパバイザ モジュールは、アクティブ スーパバイザ モジュールで稼働中のイメージを使ってそのイメージを自動的に同期化させます。

「モジュールの交換」を参照してください。

スタンバイ スーパバイザへのイメージのコピー

アクティブ スーパバイザ モジュールに存在し、スタンバイ スーパバイザ モジュールにはないブート変数イメージを、スタンバイ スーパバイザ モジュールにコピーできます。スタンバイ スーパバイザ モジュールに設定されているKICKSTARTおよびSYSTEMブート変数のみをコピーすることができます。スタンバイ スーパバイザ モジュールにモジュール(ライン カード)イメージのブート変数が存在しない場合、スタンバイ スーパバイザ モジュールの該当する場所(bootflashまたはslot0)にこれらすべてのブート変数がコピーされます。

ブート変数の自動コピー

ブート変数の自動コピーをイネーブルまたはディセーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# boot auto-copy

 

アクティブ スーパバイザ モジュールからスタンバイ スーパバイザ モジュールへのブート変数の自動コピーをイネーブルにします。

switch(config)# no boot auto-copy

自動コピー機能をディセーブルにします(デフォルト)。

コピーされたブート変数の確認

show boot auto-copy コマンドを使用して、コピーされたブート変数の現在のステートを確認します(例5-1および例5-2を参照)。

例5-1 イネーブル ステートのauto-copyオプションの表示

switch# show boot auto-copy
Boot variables Auto-Copy ON

例5-2 ディセーブル ステートのauto-copyオプションの表示

switch# show boot auto-copy
Boot variables Auto-Copy OFF
 

show boot auto-copy list コマンドを使用して、コピーされるファイルを確認します。例5-3は、スタンバイ スーパバイザ モジュールのbootflashにコピーされるイメージを表示します。この作業が正常に行われると、次のファイルがimage2.binになります。このコマンドは、アクティブ スーパバイザ モジュール上のファイルだけを表示します。

例5-3 コピーされるファイルの表示

switch# show boot auto-copy list
File: /bootflash:/image1.bin
Bootvar: kickstart
 
File:/bootflash:/image2.bin
Bootvar: system
 

例5-4 は、 auto-copy オプションがディセーブルの場合、またはファイルがコピーされない場合の一般的なメッセージを表示します。

例5-4 現在のauto-copyステートの表示

switch# show boot auto-copy list
No file currently being auto-copied

HA情報の表示

show system redundancy status コマンドを使用して、システムのHAステータスを表示します( 例5-5 を参照)。 表 5-1 5-3 は、冗長ステート、スーパバイザ ステート、内部ステートの有効な出力値について説明します。

例5-5 冗長ステータスの表示

switch# show system redundancy status
Redundancy mode
---------------
administrative: HA
operational: HA
This supervisor (sup-1)
-----------------------
Redundancy state: Active
Supervisor state: Active
Internal state: Active with HA standby
Other supervisor (sup-2)
------------------------
Redundancy state: Standby
Supervisor state: HA standby
Internal state: HA standby
 

次の状態は、自動同期化が可能な時を特定します。

片方のスーパバイザ モジュールの内部ステートが Active with HA standby で、もう一方のスーパバイザ モジュールの内部ステートが HA standby の場合、スイッチは操作上HAであり、自動同期化を実行できます。

片方のスーパバイザ モジュールの内部ステートが none の場合、スイッチは自動同期化を実行できません。

表 5-1 は、冗長ステートの有効値を表示します。

 

表 5-1 冗長ステート

ステート
説明

Not present

スーパバイザ モジュールが存在せず、シャーシに接続されていません。

Initializing

診断にパスし、設定がダウンロードされます。

Active

アクティブ スーパバイザ モジュールであり、スイッチを設定できる状態です。

Standby

スイッチオーバーが可能な状態です。

Failed

スイッチが初期化でスーパバイザ モジュールの障害を検出して、モジュールの電源の切断と再投入が3回自動試行されます。3回の試行のあとに、失敗したステートを表示し続けます。

Offline

デバッギングのため、スーパバイザ モジュールが意図的にシャットダウンされます。

At BIOS

スイッチがスーパバイザへの接続を確立し、スーパバイザ モジュールが診断を実行しています。

Unknown

スイッチが無効なステートにあります。この状態が続く場合、TACに連絡してください。

表 5-2 は、スーパバイザ モジュール ステートの有効値を表示します。

 

表 5-2 スーパバイザ ステート

ステート
説明

Active

スイッチ内のアクティブ スーパバイザ モジュールを設定できる状態です。

HA standby

スイッチオーバーが可能な状態です。

Offline

デバッギングのためで、スイッチが意図的にシャットダウンされます。

Unknown

スイッチが無効なステートにあり、TACへ連絡する必要があります。

表 5-3 は、内部冗長ステートの有効値を表示します。

 

表 5-3 内部ステート

ステート
説明

HA standby

スタンバイ スーパバイザ モジュールのHAスイッチオーバー メカニズムがイネーブルにされています(HAスイッチオーバーの特長を参照)。

Active with no standby

スイッチオーバーが可能な状態です。

Active with HA standby

スイッチ内のアクティブ スーパバイザ モジュールを設定できる状態です。スタンバイ モジュールは、HA standbyステートです。

Shutting down

スイッチがシャットダウンされます。

HA switchover in progress

スイッチがHAスイッチオーバー メカニズムに切り替わる過程にあります。

Offline

デバッギングのためで、スイッチが意図的にシャットダウンされます。

HA synchronization in progress

スタンバイ スーパバイザ モジュールがアクティブ スーパバイザ モジュールにステートを同期化している最中です。

Standby (failed)

スタンバイ スーパバイザ モジュールが機能していません。

Active with failed standby

アクティブ スーパバイザ モジュールです。2番めのスーパバイザ モジュールがありますが、機能していません。

Other

スイッチがトランジェント ステートにあります。この状態が続く場合、TACに連絡してください。