Cisco MDS 9000 ファミリー コンフィギュレーション ガイド Release 2.x
ドメイン パラメータの設定
ドメイン パラメータの設定
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

ドメイン パラメータの設定

fcdomainフェーズの概要

ドメインの再起動

ドメインの設定

スイッチ プライオリティ

許可ドメインIDリスト

安定したファブリックの結合

連続ドメインの割り当て

fcdomainの起動

ファブリック名

着信RCF

永続的FC ID

永続的FC IDの手動設定

一部のHBAに対する一意のエリアFC ID

永続的FC IDの選択的な消去

fcdomain情報の表示

デフォルト設定値

ドメイン パラメータの設定

Fibre Channel domain(fcdomain)機能は、FC-SW-2標準に従って、主要スイッチの選択、ドメインIDの配信、FC IDの割り当て、およびファブリック再設定機能を実行します。ドメインはVSAN単位で設定されます。ドメインIDを設定しない場合、ローカル スイッチはランダムなIDを使用します。


注意 fcdomainパラメータは、通常変更しないでください。これらの変更は管理者や、スイッチの動作に精通した担当者が実行する必要があります。


ヒント 設定を変更した場合は、実行コンフィギュレーションを保存してください。次回にスイッチを再起動すると、保存されたコンフィギュレーションが使用されます。コンフィギュレーションを保存しない場合は、前回保存されたスタートアップ コンフィギュレーションが使用されます。


この章の具体的な内容は、次のとおりです。

「fcdomainフェーズの概要」

「ドメインの再起動」

「ドメインの設定」

「スイッチ プライオリティ」

「許可ドメインIDリスト」

「安定したファブリックの結合」

「連続ドメインの割り当て」

「fcdomainの起動」

「ファブリック名」

「着信RCF」

「永続的FC ID」

「永続的FC IDの手動設定」

「永続的FC IDの選択的な消去」

「fcdomain情報の表示」

「デフォルト設定値」

fcdomainフェーズの概要

ここでは、fcdomainの各フェーズについて説明します。

主要スイッチの選択 ― ファブリック内で一意の主要スイッチを選択できます。

ドメインIDの配信 ― ファブリック内のスイッチごとに、一意のドメインIDを取得できます。

FC IDの割り当て ― ファブリック内の対応するスイッチに接続された各デバイスに、一意のFC IDを割り当てることができます。

ファブリックの再設定 ― ファブリック内のすべてのスイッチを再同期化して、新しい主要スイッチ選択フェーズを同時に再起動できるようにします。

図 31-1を参照してください。

図 31-1 fcdomainの設定例

 


) すべての手順で使用されるドメインIDおよびVSAN値は、単なる例です。ご使用の設定に適用されるIDおよび値を使用してください。


ドメインの再起動

fcdomainには、中断再起動または非中断再起動を実行できます。中断再起動を実行した場合は、Reconfigure Fabric(RCF)フレームがファブリック内のその他のスイッチに送信されます。非中断再起動を実行した場合は、Build Fabric(BF)フレームがファブリック内のその他のスイッチに送信されます。


) スタティック ドメインはユーザによって設定されるため、実行時のドメインと異なることがあります。ドメインIDが異なる場合は、次回の再起動後にスタティック ドメインIDを使用するように、実行時のドメインIDが変更されます。



ヒント VSANがinteropモードの場合は、このVSANに対してfcdomainの中断再起動を実行できません。


ほとんどの設定は、対応する実行時の値に適用することができます。ここでは、実行時の値にfcdomainパラメータを適用する方法について詳細に説明します。

fcdomain restart コマンドを使用すると、変更が実行時の設定に適用されます。対応する実行時の値に設定を適用するには、 restart disruptive オプションを使用します。

ファブリックの中断再起動または非中断再起動を実行する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain restart vsan 1

トラフィックを中断しないで再設定するようにVSANを設定します。

switch(config)# fcdomain restart disruptive vsan 1

データ トラフィックを中断して再設定するようにVSANを設定します。

ドメインの設定

設定済みドメインIDのタイプは preferred または static になります。デフォルトで、設定済みドメインは 0 、設定タイプは preferred です。ドメインIDを設定しない場合、ローカル スイッチは要求内でランダムなIDを送信します。

下位スイッチがドメインを要求する場合は、次のプロセスが実行されます(図 31-2を参照)。

1. ローカル スイッチは主要スイッチに設定済みドメインのIDを送信します。

2. 要求されたドメインIDが使用可能な場合、主要スイッチはこのIDを割り当てます。使用不可能な場合は、使用可能な別のドメインIDを割り当てます。

図 31-2 preferredオプションを使用した設定プロセス

 

下位スイッチの動作は、許可ドメインIDのリスト、設定済みドメインID、および主要スイッチが要求元スイッチに割り当てたドメインIDによって異なります。

受信されたドメインIDが許可リストに含まれない場合は、要求されたドメインIDが実行時ドメインIDになり、該当するVSANのすべてのインターフェイスが隔離されます。

割り当てられたドメインIDと要求されたドメインIDが同じである場合は、 preferred および static オプションは関係せず、割り当てられたドメインIDが実行時ドメインIDになります。

割り当てられたドメインIDと要求されたドメインIDが異なる場合は、次のようになります。

設定タイプが static の場合は、割り当てられたドメインIDが廃棄され、すべてのローカル インターフェイスが隔離され、ローカル スイッチには設定済みのドメインIDが自動的に割り当てられます(このIDが実行時ドメインIDになります)。

設定タイプが preferred の場合、ローカル スイッチは主要スイッチによって割り当てられたドメインIDを受け入れて、割り当てられたIDが実行時ドメインIDになります。

設定済みドメインIDを変更したときに、変更が受けいれられるのは、新しいドメインIDが、VSAN内に現在設定されているすべての許可ドメインIDリストに含まれている場合のみです。また、0 preferredのドメインIDを設定することもできます。


) 値0(ゼロ)を設定できるのは、preferredオプションを使用した場合のみです。


static オプションは中断再起動または非中断再起動のあとに実行時に適用できますが、 preferred オプションは中断再起動後に限って実行時に適用できます(ドメインの再起動を参照)。


ヒント 指定されたVSAN内でFICON機能がイネーブルの場合、このVSANのドメインIDはstaticステートのままです。static ID値を変更できますが、preferredオプションに変更することはできません。



注意 設定済みドメインの変更を実行時ドメインに適用する場合は、fcdomain restartコマンドを発行する必要があります。

preferred または static ドメインIDを指定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain domain 3 preferred vsan 8

preferredドメインID 3を要求するようにVSAN 8内のスイッチを設定し、主要スイッチによって割り当てられた値をすべて受け入れます。

switch(config)# no fcdomain domain 3 preferred vsan 8

VSAN 8内の設定済みドメインIDを0(デフォルト)にリセットします。設定済みドメインIDは0 preferredになります。

ステップ 3

switch(config)# fcdomain domain 2 static vsan 237

特定の値のみを受け入れるようにVSAN 237内のスイッチを設定し、要求されたドメインIDが許可されない場合は、VSAN 237内のローカル インターフェイスを隔離ステートに移行します。

switch(config)# no fcdomain domain 18 static vsan 237

VSAN 237内の設定済みドメインIDを出荷時の設定にリセットします。設定済みドメインIDは0 preferredになります。

スイッチ プライオリティ

デフォルトでは、プライオリティ128が設定されます。プライオリティの有効範囲は1~254で、プライオリティ1が最大プライオリティです。値255は、他のスイッチに設定されている場合は受け入れられますが、ローカルに設定することはできません。

安定したファブリックに追加された新しいスイッチが、主要スイッチになることはありません。主要スイッチ選択フェーズ中に、プライオリティが最大のスイッチが主要スイッチになります。2つのスイッチに同じプライオリティが設定されている場合、WWNが小さなスイッチが主要スイッチになります。

プライオリティ設定は、fcdomainの再起動の実行時に適用されます(ドメインの再起動を参照)。この設定は、中断再起動および非中断再起動のどちらにも適用できます。

主要スイッチにプライオリティを設定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain priority 25 VSAN 99

VSAN 99内のローカル スイッチにプライオリティ25を設定します。

switch(config)# no fcdomain priority 25 VSAN 99

VSAN 99のプライオリティを出荷時の設定(128)に戻します。

許可ドメインIDリスト

デフォルトでは、割り当てられたドメインIDリストの有効範囲は1~239です。許可ドメインIDリストに含める複数の範囲を指定し、各範囲をカンマで区切ることができます。主要スイッチを使用すると、ローカルに設定された許可ドメイン リストで使用可能なドメインIDを割り当てることができます。


ヒント ファブリック内の1つのスイッチに許可リストを設定する場合は、整合性を保つために、ファブリック内のその他のすべてのスイッチに同じリストを設定することをお勧めします。


許可ドメインIDリストは、次の条件を満たす必要があります。

スイッチが主要スイッチである場合は、現在割り当てられているすべてのドメインIDが許可リストに含まれなければなりません。

このスイッチが下位スイッチである場合は、ローカル実行時ドメインIDが許可リストに含まれなければなりません。

ローカルに設定されたスイッチのドメインIDは、許可リスト内に含まれなければなりません。

割り当てられたドメインIDとその他の設定済みドメインIDのリストには、重複部分が存在しなくてはなりません。

許可ドメインIDリストを設定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain allowed 50-110 vsan 4

VSAN 4内のドメインIDが50~110のスイッチを許可するようにリストを設定します。

switch(config)# no fcdomain allowed 50-110 vsan 5

VSAN 5内のドメインID 1~239のスイッチを許可する出荷時の設定に戻します。

安定したファブリックの結合

デフォルトでは、 auto-reconfigure オプションはディセーブルです。重複ドメインを含む、2つの異なる安定したファブリックに属する2つのスイッチを結合した場合は、次のようになります。

両方のスイッチで auto-reconfigure オプションがイネーブルの場合、中断再設定フェーズが開始します。

いずれかまたは両方のスイッチで auto-reconfigure オプションがディセーブルの場合は、2つのスイッチ間のリンクが隔離されます。

auto-reconfigure オプションは実行時に即座に有効になります。fcdomainを再起動する必要はありません。重複しているためにドメインが現在隔離されているときに、両方のスイッチであとで auto-reconfigure オプションをイネーブルにする場合、ファブリックは引き続き隔離状態になります。ただし、両方のスイッチで auto-reconfigure オプションをイネーブルにしてから、ファブリックを結合すると、中断再設定(RCF)が発生します。中断再設定が発生すると、データ トラフィックが影響を受けることがあります。fcdomainに非中断再設定を行うには、重複リンク上の設定済みドメインを変更し、ドメインの重複を排除します。

特定のVSAN(またはVSAN範囲)で自動再設定をイネーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain auto-reconfigure vsan 10

VSAN 10で自動再設定オプションをイネーブルにします。

switch(config)# no fcdomain auto-reconfigure 69

VSAM 69で自動再設定オプションをディセーブルにし、出荷時の設定に戻します。

連続ドメインの割り当て

デフォルトでは、 contiguous-allocation オプションはディセーブルです。下位スイッチが主要スイッチに複数の不連続ドメインを要求した場合は、次のようになります。

主要スイッチで contiguous-allocation オプションがイネーブルの場合、主要スイッチは連続ドメインを特定し、それらを下位スイッチに割り当てます。連続ドメインが使用できない場合、SAN-OSソフトウェアはこの要求を拒否します。

主要スイッチで contiguous-allocation オプションがディセーブルの場合、主要スイッチは使用可能なドメインを下位スイッチに割り当てます。

contiguous-allocation オプションは実行時に即座に有効になります。fcdomainを再起動する必要はありません。

特定のVSAN(またはVSAN範囲)で連続ドメインをイネーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain contiguous-allocation vsan 81-83

VSAN 81~83で連続割り当てオプションをイネーブルにします。

switch(config)# no fcdomain contiguous-allocation vsan 1030

VSAN 1030で連続割り当てオプションをディセーブルにし、出荷時の設定に戻します。

fcdomainの起動

デフォルトでは、各スイッチでfcdomain機能がイネーブルです。スイッチ内でfcdomain機能をディセーブルにすると、そのスイッチはファブリック内のその他のスイッチと共存できなくなります。fcdomain設定は中断再起動の実行時に適用されます。

fcdomain機能をディセーブルにするには、 no fcdomain コマンドを使用します。

単一のVSANまたはVSAN範囲でfcdomainをディセーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# no fcdomain vsan 7-200

VSAN 7~200でfcdomain設定をディセーブルにします。

switch(config)# fcdomain vsan 2008

VSAN 2008でfcdomain設定をイネーブルにします。

ファブリック名

デフォルトでは、設定済みファブリックの名前は20:01:00:05:30:00:28:dfです。

fcdomain機能がディセーブルの場合、実行時ファブリック名は設定済みファブリック名と同じです。

fcdomain機能がイネーブルの場合、実行時ファブリック名は主要スイッチのWWNと同じです。

fcdomainがディセーブルに設定されている場合は、このファブリック名が中断再起動の実行時に適用されます(ドメインの再起動を参照)。

ディセーブル化されたfcdomainにファブリック名を設定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain fabric-name 20:1:ac:16:5e:0:21:01 vsan 3

VSAN 3に設定済みファブリック名の値を割り当てます。

switch(config)# no fcdomain fabric-name 20:1:ac:16:5e:0:21:01 vsan 3010

VSAN 3010のファブリック名の値を出荷時の設定(20:01:00:05:30:00:28:df)に変更します。

着信RCF

rcf-reject オプションはインターフェイス単位、VSAN単位で設定します。デフォルトでは、 rcf-reject オプションはディセーブルです(つまり、RCF要求フレームは自動的に拒否されません)。

rcf-reject オプションは、中断再起動の実行時に即座に有効になります(ドメインの再起動を参照)。

着信RCF要求フレームを停止する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# int fc1/1

switch(config-if)#

指定されたインターフェイスを設定します。

ステップ 3

switch(config-if)# fcdomain rcf-reject vsan 1

VSAN 1内の指定されたインターフェイス上でRCFフィルタをイネーブルにします。

switch(config-if)# no fcdomain rcf-reject vsan 1

VSAN 1内の指定されたインターフェイス上でRCFフィルタをディセーブルにします。

永続的FC ID

Cisco SAN-OS Release 2.0(1b)以降では、永続的FC IDはデフォルトでイネーブルです。このため、再起動してもFCIDは変更されません。このオプションは、各VSANに対してディセーブルにできます。

Cisco MDS 9000ファミリー スイッチにログインしたNまたはNLポートには、FC IDが割り当てられます。デフォルトでは、永続的FC ID機能はイネーブルです。この機能がディセーブルの場合は、次のようになります。

NまたはNLポートはCisco MDS 9000ファミリー スイッチにログインし、要求元NまたはNLポートのWWNおよび割り当てられたFC IDが維持され、揮発性キャッシュに格納されます。揮発性キャッシュの内容は、再起動時に保存されません。

スイッチは、FC IDとWWNのバインディングをベストエフォート方式で保持するように設計されています。たとえば、スイッチから1つのNポートを切断したあとに、別のデバイスからFC IDが要求されると、この要求が許可されて、WWNと初期FC IDの関係が解除されます。

揮発性キャッシュには、WWNとFC IDバインディング エントリを4000個まで格納できます。このキャッシュが一杯になると、新しい(より最近の)エントリによって、キャッシュ内の最も古いエントリが上書きされます。この場合、最も古いエントリの対応するWWNとFC IDの関係が失われます。

スイッチ接続動作は、NポートとNLポートで異なります。

Nポートを取り外し、同じスイッチの任意のポートに取り付け直した場合、(このポートが同じVSANに属する限り)このNポートには同じFC IDが割り当てられます。

NLポートに同じFC IDが割り当てられるのは、本来接続されていたスイッチの同じポートにこのNLポートを接続し直した場合のみです。

この機能がイネーブルのままの場合は、次のようになります。

fcdomain内の現在 使用中 のFC IDは、再起動後も保持されます。

fcdomainはデータベースに、デバイス(ホストまたはディスク)をポート インターフェイスに接続したあとに学習されたダイナミック エントリを自動的に入力します。


) AIXまたはHP-UXホストからスイッチに接続している場合は、これらのホストに接続されたVSAN内で永続的FC ID機能をイネーブルにしてください。


Fポートに割り当てられた永続的FC IDをインターフェイス間で移動した場合、永続的FC IDは変化しません。


) ループ接続デバイス(FLポート)を含む永続的FC IDは、本来設定されていたポートと同じポートに引き続き接続されなければなりません。


永続的FC ID機能をイネーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain fcid persistent vsan 1000

FCID(s) persistent feature is enabled.

VSAN 1000のFC ID永続性をアクティブ(デフォルト)にします。

switch(config-if)# no fcdomain fcid persistent vsan 20

VSAN 20のFC ID永続性機能をディセーブルにします。

永続的FC IDの手動設定

永続的FC ID機能をイネーブルにすると、永続的FC IDサブモードを開始して、FC IDデータベースにスタティックまたはダイナミックエントリを追加できるようになります。デフォルトでは、追加されたすべてのエントリはスタティックです。永続的FC IDはVSAN単位で設定します。永続的FC IDを手動で設定するための要件は、次のとおりです。

永続的FC ID機能が目的のVSAN内でイネーブル化されていることを確認します。

目的のVSANがアクティブVSANであることを確認します。永続的FC IDを設定できるのは、アクティブVSANのみです。

FC IDのドメイン部分が目的のVSAN内の実行時ドメインIDと同じであることを確認します。ソフトウェアがドメインの不一致を検出した場合、コマンドは拒否されます。

エリアを設定するときに、FC IDのポート フィールドが0(ゼロ)であることを確認します。


) FICON対応VSANには、永続的なFC IDを設定できません。


永続的FC IDを設定する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# fcdomain fcid database

指定されたVSAN内でFC IDの永続性をアクティブにします。

ステップ 3

switch(config-fcid-db)# vsan 1000 wwn 33:e8:00:05:30:00:16:df fcid 0x070128

VSAN 1000のデバイスWWN(33:e8:00:05:30:00:16:df)にFC ID 0x070128を設定します。

switch(config-fcid-db)# vsan 1000 wwn 11:22:11:22:33:44:33:44 fcid 0x070123 dynamic

ダイナミック モードで、VSAN 1000のデバイスWWN(11:22:11:22:33:44:33:44)にFC ID 0x070123を設定します。

switch(config-fcid-db)# vsan 1000 wwn 11:22:11:22:33:44:33:44 fcid 0x070100 area

VSAN 1000のデバイスWWN(11:22:11:22:33:44:33:44)にFC ID 0x070100~0x701FFを設定します。


) このfcdomainのエリア全体を保護するには、FC IDの末尾2文字に00を割り当てます。


一部のHBAに対する一意のエリアFC ID


) ここに記載された説明が適用されるのは、HBAポートおよびストレージ ポートが同じスイッチに接続されている場合だけです。


HBAとストレージ ポートが同じスイッチに接続されている場合は、それぞれのポートに異なるエリアIDを設定しなければならないことがあります。たとえば、ストレージ ポートFC IDが0x6f7704の場合、このポートのエリアは77です。この場合、HBAポートのエリアには77以外の値を設定できます。HBAポートのFC IDはストレージ ポートのFC IDと異なる値に手動で設定する必要があります。

Cisco MDS 9000ファミリー スイッチでは、FC IDの永続性機能によってこの要件が満たされます。この機能を使用すると、ストレージ ポートまたはHBAポートに異なるエリアを持つFC IDを事前に割り当てることができます。この例の手順では、111(16進値では6f)のスイッチ ドメインを使用します。HBAポートはインターフェイスfc1/9に接続され、ストレージ ポートは同じスイッチのインターフェイスfc 1/10に接続されます。

HBAポートに異なるエリアIDを設定する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 show flogi database コマンドを使用して、HBAのポートWWN(Port Nameフィールド)IDを取得します。

switch# show flogi database
------------------------------------------------------------------------------------------
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME
------------------------------------------------------------------------------------------
fc1/9 3 0x6f7703 50:05:08:b2:00:71:c8:c2 50:05:08:b2:00:71:c8:c0
fc1/10 3 0x6f7704 50:06:0e:80:03:29:61:0f 50:06:0e:80:03:29:61:0f
 

) この設定では、両方のFC IDに同じエリア77が割り当てられています。


ステップ 2 MDSスイッチのHBAインターフェイスをシャットダウンします。

switch# conf t
switch(config)# interface fc1/9
switch(config-if)# shutdown
switch(config-if)# end
switch#
 

ステップ 3 show fcdomain vsan コマンドを使用して、FC ID機能がイネーブルであることを確認します。

switch# show fcdomain vsan 1
...
Local switch configuration information:
State: Enabled
FCID persistence: Disabled
 

この機能がディセーブルの場合は、この手順を継続して、FC ID永続性機能をイネーブルにします。

この機能がすでにイネーブルの場合は、ステップ 5に進んでください。

ステップ 4 Cisco MDSスイッチでFC ID永続性機能をイネーブルにします。

switch# conf t
switch(config)# fcdomain fcid persistent vsan 1
switch(config)# end
switch#
 

ステップ 5 異なるエリアの新しいFC IDを割り当てます。この例では、 77 ee で置き換えます。

switch# conf t
switch(config)# fcdomain fcid database
switch(config-fcid-db)# vsan 3 wwn 50:05:08:b2:00:71:c8:c2 fcid 0x6fee00 area
 

ステップ 6 Cisco MDSスイッチのHBAインターフェイスをイネーブルにします。

switch# conf t
switch(config)# interface fc1/9
switch(config-if)# no shutdown
switch(config-if)# end
switch#
 

ステップ 7 show flogi database コマンドを使用して、HBAのpWWN IDを確認します。

switch# show flogi database
------------------------------------------------------------------------------------------
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME
------------------------------------------------------------------------------------------
fc1/9 3 0x6fee00 50:05:08:b2:00:71:c8:c2 50:05:08:b2:00:71:c8:c0
fc1/10 3 0x6f7704 50:06:0e:80:03:29:61:0f 50:06:0e:80:03:29:61:0f
 

) これで、両方のFC IDにそれぞれ異なるエリアが割り当てられました。



 

永続的FC IDの選択的な消去

永続的FC IDは、選択的に消去することができます。現在使用中のスタティック エントリおよびFC IDは、削除できません。 表 31-1 に、永続的FC IDの消去時に削除または保持されるFC IDエントリを示します。

 

表 31-1 消去されるFC ID

永続的FC IDの状態
永続的FC IDの使用状態
アクション

スタティック

使用中

削除されない

スタティック

使用中でない

削除されない

ダイナミック

使用中

削除されない

ダイナミック

使用中でない

削除される

使用中でないダイナミックFC IDを削除するには、 purge fcdomain コマンドを使用します( 表 31-1 を参照)。

永続的FC IDを消去する手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

switch# purge fcdomain fcid vsan 4

VSAN 4の未使用のダイナミックFC IDをすべて消去します。

switch# purge fcdomain fcid vsan 3-5

VSAN 3、4、および5の未使用のダイナミックFC IDを消去します。

fcdomain情報の表示

fcdomain設定に関するグローバル情報を表示するには、 show fcdomain コマンドを使用します。例31-1を参照してください。


例31-1では、fcdomain機能はディセーブルです。したがって、実行時ファブリック名は設定済みファブリック名と同じです。


例31-1 グローバルfcdomain情報の表示

switch# show fcdomain vsan 2
The local switch is the Principal Switch.
 
Local switch run time information:
State: Stable
Local switch WWN: 20:01:00:0b:46:79:ef:41
Running fabric name: 20:01:00:0b:46:79:ef:41
Running priority: 128
Current domain ID: 0xed(237)
 
Local switch configuration information:
State: Enabled
FCID persistence: Disabled
Auto-reconfiguration: Disabled
Contiguous-allocation: Disabled
Configured fabric name: 20:01:00:05:30:00:28:df
Configured priority: 128
Configured domain ID: 0x00(0) (preferred)
 
Principal switch run time information:
Running priority: 128
 
No interfaces available.
 

指定されたVSANに属するすべてのスイッチのドメインIDリストを表示するには、 show fcdomain domain-list コマンドを使用します。このリストには、各ドメインIDを所有するスイッチのWWNが記載されています(例31-2を参照)。

例31-2 fcdomainリストの表示

switch# show fcdomain domain-list vsan 1
 
Number of domains: 1
Domain ID WWN
--------- -----------------------
0x16(22) 20:01:00:05:30:00:16:df [Local] [Principal]
 

現在のスイッチに設定された許可ドメインIDのリストを表示するには、 show fcdomain allowed vsan コマンドを使用します(例31-3を参照してください)。

例31-3 許可ドメインIDリストの表示

switch# show fcdomain allowed vsan 1
Assigned or unallowed domain IDs: 1-96,100,111-239.
[Interoperability Mode 1] allowed domain IDs: 97-127.
[User] configured allowed domain IDs: 50-110.

ヒント このスイッチにinterop 1モードが必要な場合は、要求されたドメインIDがCisco SAN OSソフトウェア チェックに合格することを確認してください。


指定されたVSANの既存の永続的FC IDをすべて表示するには、 show fcdomain fcid persistent コマンドを使用します。 unused オプションを指定すると、未使用の永続的FC IDのみを表示することもできます(例 31-4 および 31-5 を参照)。

例31-4 指定された VSAN の永続的FC IDの表示

switch# show fcdomain fcid persistent vsan 1000
Total entries 2.

Persistent FCIDs table contents:
VSAN WWN FCID Mask Used Assignment
---- ----------------------- -------- ----------- ---- ----------
1000 11:11:22:22:11:11:12:23 0x700101 SINGLE FCID NO STATIC
1000 44:44:33:33:22:22:11:11 0x701000 ENTIRE AREA NO DYNAMIC
 

例31-5 fcdomainのすべての永続的FC IDの表示

switch# show fcdomain fcid persistent

Total entries 2.

Persistent FCIDs table contents:
VSAN WWN FCID Mask Used Assignment
---- ----------------------- -------- ----------- ---- ----------
1000 11:11:22:22:11:11:22:22 0x700501 SINGLE FCID NO STATIC
1003 44:44:33:33:22:22:11:11 0x781000 ENTIRE AREA YES DYNAMIC

指定されたVSANまたはポート チャネルのフレームおよびその他のfcdomain統計情報を表示するには、 show fcdomain statistics コマンドを使用します(例31-6および例31-7を参照)。

例31-6 指定されたVSANのfcdomain統計情報の表示

switch# show fcdomain statistics vsan 1
VSAN Statistics
Number of Principal Switch Selections: 5
Number of times Local Switch was Principal: 0
Number of 'Build Fabric's: 3
Number of 'Fabric Reconfigurations': 0
 

例31-7 指定されたポート チャネルのfcdomain統計情報の表示

switch# show fcdomain statistics interface port-channel 10 vsan 1
Interface Statistics:
Transmitted Received
----------- --------
EFPs 13 9
DIAs 7 7
RDIs 0 0
ACCs 21 25
RJTs 1 1
BFs 2 2
RCFs 4 4
Error 0 0
Total 48 48
Total Retries: 0
Total Frames: 96
----------- --------
 

割り当てられたFC IDおよび空いているFC IDのリストを含めて、FC ID割り当てに関する統計情報を表示するには、 show fcdomain address-allocation コマンドを使用します(例31-8を参照してください)。

例31-8 FC ID情報の表示

switch# show fcdomain address-allocation vsan 1
Free FCIDs: 0x020000 to 0x02fdff
0x02ff00 to 0x02fffe
 
Assigned FCIDs: 0x02fe00 to 0x02feff
0x02ffff
 
Reserved FCIDs: 0x020100 to 0x02f0ff
0x02fe00 to 0x02feff
0x02ffff
 
 
Number free FCIDs: 65279
Number assigned FCIDs: 257
Number reserved FCIDs: 61697
 

有効なアドレス割り当てキャッシュを表示するには、 show fcdomain address-allocation cache コマンドを使用します。ファブリックから取り除かれたデバイス(ディスクやホスト)を元のファブリックに戻す場合、主要スイッチはキャッシュを使用してFC IDを再度割り当てます。キャッシュ内では、VSANはこのデバイスを含むVSANを、WWNはFC IDを所有していたデバイスを、マスクはFC IDに対応する1つのエリアまたはエリア全体を表します(例31-9を参照してください)。

例31-9 アドレス割り当て情報の表示

switch# show fcdomain address-allocation cache
Cache content:
line# VSAN WWN FCID mask
----- ---- ----------------------- -------- -----------
1. 12 21:00:00:e0:8b:08:a2:21 0xef0400 ENTIRE AREA
2. 6 50:06:04:82:c3:a1:2f:5c 0xef0002 SINGLE FCID
3. 8 20:4e:00:05:30:00:24:5e 0xef0300 ENTIRE AREA
4. 8 50:06:04:82:c3:a1:2f:52 0xef0001 SINGLE FCID
 

デフォルト設定値

表 31-2 に、すべてのfcdomainパラメータのデフォルト設定値を示します。

 

表 31-2 デフォルトfcdomainパラメータ

パラメータ
デフォルト

fcdomain機能

イネーブル

設定済みドメインID

0(ゼロ)

設定済みドメイン

preferred

auto-reconfigure オプション

ディセーブル

contiguous-allocation オプション

ディセーブル

プライオリティ

128

許可リスト

1~239

ファブリック名

20:01:00:05:30:00:28:df

rcf-reject

ディセーブル

永続的FC ID

イネーブル(Release 2.0(1b)以降ではVSAN単位でのみ設定可能)