Cisco MDS 9000 ファミリー SAN Volume Controller コンフィギュレーション ガイド
クラスタの作成および管理
クラスタの作成および管理
発行日;2012/02/06 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

クラスタの作成および管理

CSMノードの概要

クラスタの概要

物理トポロジー

クラスタのノードの選択

管理トラフィックの隔離

クラスタの作成

クラスタへのノードの追加

クラスタ内のノードの確認

クラスタからのノードの削除

クラスタの削除

クラスタの作成および管理

この章では、クラスタを作成する手順を説明します。初期設定後に他のSVC機能を設定するか、またはスイッチにアクセスするには、次のいずれかのCLI(コマンドライン インターフェイス)またはGUI(グラフィカル ユーザ インターフェイス)を使用します。

Cisco MDS 9000ファミリーCLI ― Cisco MDS CLIを使用する場合は、このマニュアルに記載された手順に従ってください。


) 以降の手順では、Cisco CLIを使用してCisco MDSスイッチを設定します。


IBM SAN Volume Controller CLI ― IBM CLIを使用する場合は、『IBM TotalStorage SAN Volume Controller Storage Software for Cisco MDS 9000 Command-Line Interface User's Guide』を参照してください。

IBM SAN Volume Controller GUI ― IBMのWebベースGUIを使用する場合は、『IBM TotalStorage SAN Volume Controller Storage Software for Cisco MDS 9000 Configuration Guide』を参照してください。

この章の内容は、次のとおりです。

「CSMノードの概要」

「クラスタの概要」

「クラスタのノードの選択」

「管理トラフィックの隔離」

「クラスタの作成」

「クラスタへのノードの追加」

「クラスタ内のノードの確認」

「クラスタからのノードの削除」

CSMノードの概要

ノードはSANに対して、仮想化、キャッシング、マイグレーション、およびコピー サービスを提供します。ノードはペアで配置し、ノードの各ペアが1つのI/Oグループを形成します。同じI/Oグループに属するノードは、電源領域が異なっている必要があります。つまり、1つのI/Oグループに属するノードは、それぞれ別の2つのCSM上に存在している必要があります。I/Oグループのどちらか一方のノードが故障した場合、そのI/Oグループのもう一方のノードが、故障したノードの動作を引き継ぎます。I/Oグループの両方のノードでI/O読み取り/書き込みキャッシュ情報をミラーリングすることによって、ノード障害時のデータ損失を防止します。

クラスタの概要

ノードをグループ化することによって、最大2ペアのノードからなるクラスタを構成します。これらのノードは1つの集合(クラスタ)として管理され、設定およびサービス アクティビティに関する一元的な制御を提供します。I/Oに関しては、単一ポイントでのアベイラビリティ損失を回避するために、各ノードをペア構成にして(I/Oグループ)、特定のVディスクのI/Oを処理する動作を1つのペアで担当させます。特定のVディスクへのI/Oトラフィックは、常に1つのI/Oグループのノードだけが処理します。このように、クラスタに多数のノードが存在しても、I/O処理は個々の独立したペアによって実行されます。つまり、I/Oグループを追加することによって簡単にスループットを高めることができるので、クラスタのI/O能力はスケーラビリティに優れています。

クラスタ内のノードがペア単位でなく、すべて連携して動作する状況がいくつかあります。設定アクティビティの管理には、クラスタ内の1つのノードが常に使用されます。クラスタを作成したノードが、最初の設定ノードになります。この設定ノードが、クラスタ構成を記述するコンフィギュレーション情報のキャッシュを管理し、コンフィギュレーション コマンドの入力ポイントになります。同様に、クラスタの全体的な管理には、クラスタ内の1つのノードが常に管理ノードとして動作します。設定ノードまたは管理ノードに障害が発生した場合、クラスタ内の別のノードがその動作を引き継ぎます。また、「コピー サービスの設定」で説明するデータ マイグレーション機能を実装する場合にも、一連のノードが連携して動作します。

ノードの集合をクラスタとして管理する場合、次のような利点があります。

クラスタ関連の設定は、すべて設定ノードで実行されます。

ノードの追加、削除、シャットダウンなど、個々のノードに対する操作を設定ノードで実行できます。

クラスタの全ノードが同じソフトウェア バージョンで動作します。ソフトウェアをアップグレードする場合、ノード単位でなく、クラスタ全体を対象にアップグレードすることができます。

物理トポロジー

図 3-1では、Cisco MDS 9500シリーズ スイッチのスロット3およびスロット7にCSMが搭載されています。CSM 3の2つのノードは、 interface svc 3/1およびinterface svc 3/2 で識別されます。CSM 7の2つのノードは、 interface svc 7/1 および interface svc 7/2 で識別されます。これら4つのインターフェイスが、4ノードのクラスタを形成するように設定されています。

I/Oグループ1には、interface svc 3/1(ノード1)およびinterface svc 7/1(ノード3)が含まれます。

I/Oグループ2は、interface svc 3/2(ノード2)およびinterface svc 7/2(ノード4)で構成されています。

これら2つのI/Oグループで、1つのSVCクラスタを形成しています。したがってSVCインターフェイス3/1、3/2、7/1、および7/2は、1つのクラスタに属します。

図 3-1には、2台のホストおよび1台のバックエンド ストレージ デバイスも示されています。以下、この物理トポロジーを例として使用し、SVCの設定について説明します。

図 3-1 Cisco MDSスイッチを使用するSVC構成の例

 

クラスタのノードの選択

この4ノード構成を設定する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 SVCコンフィギュレーション モードを開始します。

switch1# svc-config
 

ステップ 2 ローカル スイッチ(スイッチ1)上の使用可能なノードを表示します。

switch1(svc)# show nodes local
-------------------------------------------------------------------------------
Node cluster config cluster node sw
node status status version
-------------------------------------------------------------------------------
svc3/1 No unconfigured free 1.3(1)
svc3/2 No unconfigured free 1.3(1)
svc7/1 No unconfigured free 1.3(1)
svc7/2 No unconfigured free 1.3(1)
 


 

管理トラフィックの隔離

同じクラスタに属する一連のCSMノードの管理トラフィックを隔離するには、トラフィック ドメイン セパレータ(たとえば、VSANまたはゾーン)を使用します。

VSANを使用して個別のトラフィック ドメインを作成する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 SVCコンフィギュレーション モードを終了し、コンフィギュレーション モードを開始します。

switch1(svc)# exit
switch1# config t
switch1(config)#
 

ステップ 2 VSAN 2をCSM管理トラフィック用に設定します。

switch1(config)# vsan database
switch1(config-vsan-db)# vsan 2
switch1(config-vsan-db)# exit
switch1(config)#
 

ステップ 3 VSAN 2の管理Nポートを、4つのSVCノードすべてに設定します。

switch1(config)# interface svc3/1
switch1(config-if)# mgmt vsan 2
switch1(config-if)# no mgmt vsan 1 <--- 明示的にvsan 1を削除する必要があります。
switch1(config-if)# no shut
switch1(config-if)# exit
switch1(config)# interface svc3/2
switch1(config-if)# mgmt vsan 2
switch1(config-if)# no mgmt vsan 1 <--- 明示的にvsan 1を削除する必要があります。
switch1(config-if)# no shut
switch1(config-if)# exit
switch1(config)# interface svc7/1
switch1(config-if)# mgmt vsan 2
switch1(config-if)# no mgmt vsan 1 <--- 明示的にvsan 1を削除する必要があります。
switch1(config-if)# no shut
switch1(config-if)# exit
switch1(config)# interface svc7/2
switch1(config-if)# mgmt vsan 2
switch1(config-if)# no mgmt vsan 1 <--- 明示的にvsan 1を削除する必要があります。
switch1(config-if)# no shut
switch1(config-if)# exit
switch1(config)#
 

ステップ 4 FCネーム サーバ データベースを表示します。

switch1# show fcns database vsan 2
VSAN 2:
--------------------------------------------------------------------------
FCID TYPE PWWN (VENDOR) FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x770000 N 22:32:00:05:30:00:11:69 (Cisco) scsi-fcp:both svc
0x770001 N 22:33:00:05:30:00:11:69 (Cisco) scsi-fcp:both svc
0x770002 N 22:34:00:05:30:00:11:69 (Cisco) scsi-fcp:both svc
0x770003 N 22:35:00:05:30:00:11:69 (Cisco) scsi-fcp:both svc
Total number of entries = 4
 

ステップ 5 VSAN 2のデフォルト ゾーン設定はpermitです。

switch1(config)# zone default-zone permit vsan 2
switch1(config)#
 


 

クラスタの作成

1つのノードを使用して、SampleClusterという名前のクラスタを作成します。この例では、 interface svc3/1 からクラスタ作成プロセスを開始します。さらに、スイッチ1の管理用IPネットワークと同じサブネットに存在するIPアドレス 10.1.1.100 も使用します。


) クラスタが複数のスイッチにまたがる場合、スイッチの管理IPアドレスは、クラスタのIPアドレスと同じサブネットに存在する必要があります。クラスタIPアドレスは(SVC設定ノードによって)いずれかのスイッチに移動する可能性があるからです。


クラスタを作成する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 SVCコンフィギュレーション モードで cluster add コマンドを使用し、クラスタを作成します。

switch1# svc-config
switch1(svc)# cluster add SampleCluster ip 10.1.1.100 node svc3/1
Cluster creation going on. Please wait....--->この処理には数秒かかります。
 

ステップ 2 新しく作成したクラスタを、設定されたノードについて確認します。

switch1(svc)# show nodes local
-------------------------------------------------------------------------------
Node cluster config cluster node sw
node status status version
-------------------------------------------------------------------------------
svc3/1 SampleCluster Yes active active 1.3(1)
svc3/2 No unconfigured free 1.3(1)
svc7/1 No unconfigured free 1.3(1)
svc7/2 No unconfigured free 1.3(1)
 

ステップ 3 設定されたクラスタを表示します。

switch1(svc)# show cluster SampleCluster nodes
Node node1 is online(3)
Node WWN is 22:26:00:05:30:00:11:69
Serial number is JAB072006AQ
Unique id is 01:00:07:20:30:36:41:51
Node is in config mode
Node is part of iogroup id 1 name io_grp0
 

設定されたノードは、このクラスタの唯一のノードです。


 

クラスタへのノードの追加

最初のノードを使用してクラスタを作成したあと、同じクラスタにその他の必要なノードを追加できます。使用可能なノードを調べるには、 show cluster cluster-name nodes candidate コマンドを使用します。

クラスタにその他のノードを追加する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 クラスタにその他のノードを追加します。

a. クラスタに追加できるノードを確認します。SAN上に複数のSVCノードがある場合、このステップが重要です。

switch1(svc)# show cluster SampleCluster nodes candidate
-----------------------------------------------------------------------------
NODE NWWN
-----------------------------------------------------------------------------
switch1.7.2 21:28:00:05:30:00:11:69
switch1.7.1 21:26:00:05:30:00:11:69
switch1.3.2 21:2a:00:05:30:00:11:69
 

この例では、SAN上でこのクラスタの候補ノードであるSVCノードが3つあります。ノード名は、<スイッチ名>.<スロット番号>.<ノードID>で表されています。たとえば、switch1.7.2は、スイッチ名switch1、スロット7、ノード2です。


注意 同じCSMから、2つのノードをクラスタの同じI/Oグループに追加しないでください。Cisco MDS SVCでは、この構成は認めていません。両方のノードが1つの電源領域に含まれるからです。クラスタの同じI/Oグループに両方のノードが含まれていて、電源に障害が発生すると、両方のノードがダウンすることになります。

b. 選択したクラスタ(SampleCluster)のコンフィギュレーション サブモードを開始し、新しく作成したクラスタに他のノード(スイッチ1/スロット3/ノード2、スイッチ1/スロット7/ノード1、およびスイッチ1/スロット7/ノード2)を追加します。

switch1(svc)# cluster config SampleCluster
switch1(svc-cluster)# node nwwn 21:28:00:05:30:00:11:69 iogroup 1
switch1(svc-cluster)# node nwwn 21:26:00:05:30:00:11:69 iogroup 2
switch1(svc-cluster)# node nwwn 21:2a:00:05:30:00:11:69 iogroup 2
switch(svc-cluster)# exit
 


 

クラスタ内のノードの確認

クラスタを作成して必要なノードを追加したあと、クラスタ内の各ノードのステータスおよび対応するI/Oグループを表示して、設定を確認することができます。

クラスタ作成プロセスでは、ノードのステータスは adding から pending へ、さらに online へ移行します。

クラスタ内のノードを確認する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 クラスタ内のノードを確認します。

switch1(svc)# show cluster SampleCluster nodes
Node node1 is online(3)
Node WWN is 22:26:00:05:30:00:11:69
Serial number is JAB072006AQ
Unique id is 01:00:07:20:30:36:41:51
Node is in config mode
Node is part of iogroup id 1 name io_grp0
 
Node node2 is online(3)
Node WWN is 21:28:00:05:30:00:11:69
Serial number is JAB076607H8
Unique id is 01:00:07:66:30:37:48:38
Node is in non config mode
Node is part of iogroup id 1 name io_grp0
 
Node node3 is pending(2)
Node WWN is 21:26:00:05:30:00:11:69
Serial number is JAB071007H8
Unique id is 01:00:07:10:30:37:48:38
Node is in non config mode
Node is part of iogroup id 2 name io_grp1
 
Node node4 is adding(6)
Node WWN is 00:00:00:00:00:00:00:00
Serial number is JAB076606AQ
Unique id is 01:00:07:66:30:36:41:51
Node is in non config mode
Node is part of iogroup id 2 name io_grp1
 

ステップ 2 I/Oグループのステータスを確認します。

switch1(svc)# show cluster SampleCluster iogroup
ID Name Node count VLUN count
--- --------------- ---------- ---------
1 io_grp0 2 0
2 io_grp1 2 0
3 io_grp2 0 0
4 io_grp3 0 0
5 recovery_io_grp 0 0
 

) recovery_io_groupは、クラスタ回復時に使用される内部的なI/Oグループです。


ステップ 3 スイッチ上の全ノードのステータスを表示します。

switch(svc)# show nodes local
Config Cluster Node Sw
Node Cluster node status status version
-------- ---------------- ------ ------- ------ -----------
svc3/1 SampleCluster Yes Active Active 1.3(1)
svc3/2 SampleCluster No Active Active 1.3(1)
svc7/1 SampleCluster No Active Active 1.3(1)
svc7/2 SampleCluster No active Active 1.3(1)
 

作成した4ノード クラスタの各ノードは、VSAN 2で相互に通信しています。スイッチ上の全ノードがアクティブであり、クラスタSampleClusterに属しています。SVC設定ノードはsvc3/1です(図 3-2を参照)。

図 3-2 4ノード クラスタの作成

 


 

クラスタからのノードの削除

クラスタからノードを削除するには、クラスタ コンフィギュレーション モードで no node コマンドを使用します。

オンラインになっているノードを削除する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 該当するクラスタのクラスタ コンフィギュレーション モードを開始します。

switch1# svc-config
switch1(svc)# cluster config SampleCluster
 

ステップ 2 no node nwwn コマンドを発行します。

switch1(svc-cluster)# no node nwwn 21:28:00:05:30:00:11:69 iogroup 1
 


 

オフライン ステートになっているノードを削除する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 該当するクラスタのクラスタ コンフィギュレーション モードを開始します。

switch1# svc-config
switch1(svc)# cluster config SampleCluster
 

ステップ 2 no node name コマンドを発行します。

switch1(svc-cluster)# no node name node3
 


 

クラスタ内のノードを削除すると、そのノードはクラスタ ステートから除外されます。さらに、削除したノードのローカル ステートも更新され、どのクラスタにも属していない状態になります。

ノードがオフラインの場合には、 node svc x/y delete コマンドを使用して、削除するノードのローカル ステートを明示的に更新する必要があります。

クラスタの削除

MDS CLIでは、クラスタを削除するための明示的なコマンドはありません。クラスタ内の最後のノードが削除された時点で、そのクラスタは自動的に削除されます。