Cisco MDS 9000 ファミリー SAN Volume Controller コンフィギュレーション ガイド
SVC製品概要
SVC製品概要
発行日;2012/02/06 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

SVC製品概要

SVCの概要

SVCの機能

SVC製品概要

この『 Cisco MDS 9000ファミリーSAN V olume Controllerコンフィギュレーション ガイド』では、Cisco MDS 9000ファミリーCaching Services Module(CSM)を使用してSAN Volume Controller(SVC)ストレージ ソフトウェアを設定する手順について説明します。

IBM TotalStorage SVCストレージ ソフトウェアの詳細については、『IBM TotalStorage SAN Volume Controller Storage Software for Cisco MDS 9000 Configuration Guide』または『IBM TotalStorage SAN Volume Controller Storage Software for Cisco MDS 9000 Command-Line Interface User's Guide』を参照してください。

この章では、SVCおよびサポートする機能について説明します。具体的な内容は、次のとおりです。

「SVCの概要」

「SVCの機能」

SVCの概要

IBMとシスコシステムズは、SANベースのストレージ管理に伴うコストおよび複雑性を緩和するために、IBM TotalStorage SVCストレージ ソフトウェアをCisco MDS 9000 CSMと組み合わせています。このソリューションは、今日のストレージ環境に要求される高度なアベイラビリティとスケーラビリティを備えた、キャッシュ ベースのクラスタ型アーキテクチャを提供します。

SVCストレージ ソフトウェアとCisco MDS 9000シリーズCSMの組み合わせは、Cisco MDS 9000ファミリーの1つの機能として提供されます。スイッチ上のクラスタ ペアになったCSMで、SVCソフトウェアが動作します。

このソリューションは仮想化テクノロジーを基盤としており、SANに接続する複数のストレージ サブシステムからなる仮想化ストレージのプールをサポートしています。結合されたストレージ ボリュームを中央から一元的に管理し、計画された停止時にダウンタイムを回避し、容量を有効に活用するとともに、1つのライセンスで複数のストレージ デバイスへのコピー サービスを実現します。

このストレージ プールにより、使用されていないストレージ容量が活用され、効率性が向上します。オープン システム環境における高度なパフォーマンスと継続的なアベイラビリティをサポートする統合型ソリューションとして設計されています。ストレージ ボリュームは、アプリケーションに対して仮想ディスク(Vディスク)として提示されます。これらのVディスクは、ストレージ エンジンの向こう側にある管理対象のディスクのプールから作成されます。ストレージ管理者は、ストレージ エンジンの追加によってパフォーマンスを拡大し、管理対象ストレージ プールへのディスクの追加によって容量を拡大できます。

IBM ― シスコのSVCストレージ ソリューションは、次のような利点をもたらします。

複雑性の緩和

SANベース ストレージの管理コストの削減

複数のストレージ デバイスから1つのプールを作成し、利用可能容量を増大

管理の簡易化

キャッシュ ベースのクラスタ型アーキテクチャによる高度なアベイラビリティ

今日のストレージ環境に要求されるスケーラビリティおよびパフォーマンス

ストレージの移行の簡易化

コピー サービスの一元化

SVCの機能

ここでは、SVCストレージ ソフトウェアとCisco MDS 9000シリーズCSMを組み合わせたソリューションで提供される機能について説明します。

中央からの一元的なボリューム管理

Cisco MDS 9000ファミリーのSAN-OSソフトウェアを使用すると、仮想化によって複数のストレージ サブシステムにまたがる管理対象ディスクのプールを作成できます。これらの管理対象ディスクは、サーバ アプリケーションが使用するVディスクにマッピングされ、既存のストレージをより効率良く利用できます。この簡素なインターフェイスは、Storage Management Initiative Specification(SMIS)アプリケーション プログラミング インターフェイス(API)を組み込むとともに、IBMが重視するオープン スタンダードにも対応しています。

ダイナミック データ マイグレーション

Cisco MDS 9000 SAN-OSソフトウェアには、1台のデバイスから、そのデバイスをオンラインにしたままで他のデバイスにストレージを移行できる、ダイナミック データ マイグレーション機能があります。この機能を使用すると、管理者はアプリケーションを中断させずに、ストレージ容量の再配置や拡大を行うことができます。このソリューションではさらに、LANやサーバを必要としないバックアップがサポートされており、ハイ アベイラビリティを実現するように設計されたクラスタ構成によって、中断のないソフトウェア アップグレードが可能です。Cisco MDS 9000のSVCは、IBM TotalStorage Enterprise Storage Server ™マルチパス ソフトウェアにも対応しています。

リソース利用効率の向上

このソリューションを使用すると、人材面および技術面においても、リソースの効率的な活用が可能になります。個々のストレージ コントローラにあるボリュームを1つのユーザ インターフェイスから集中的に管理できるので、管理者の生産性が向上します。さらに、複数のデバイスのストレージをプールすることにより、利用できるストレージ容量が増加します。最大2ペタバイト(PB)の使用可能な総ストレージ容量を管理できるCisco MDS 9000のSVCは、ストレージ エンジン ペアの追加によって、さらに高いパフォーマンスにも対応します。クラスタ内のすべてのストレージ エンジンが連携して、ストレージ プールの全体的な容量を管理します。

高度なコピー サービス

従来のSANディスク アレイでは、コピー動作はボックス内、または同種のボックス間だけに限定されています。一方、SVCソフトウェアでは、コピー サービスが個別のストレージ コントローラからSANに移されます。管理者はネットワーク上の異なるストレージ デバイス間にコピー サービスを適用できます。管理対象ストレージ全体でFlashCopy®、Peer-to-Peer Remote Copy(PPRC)などの高度なコピー サービスがサポートされます。

Cisco MDS 9000 CSM

CSMは2つの高性能な処理ノードを統合化し、Cisco MDS 9000 SAN-OSソフトウェアとの併用によって、ネットワークによる仮想化サービスおよび複製サービスを提供します。各CSMに含まれる8 GBのローカル キャッシュに、最近アクセスしたデータ ブロックが保管されます。オンボードのデュアル冗長バッテリおよびハード ディスク ドライブによって、電源に障害が発生してもキャッシングされたデータが保護されます。データのアベイラビリティおよび完全性をさらに確保するために、各ノードをハイ アベイラビリティ クラスタ内の他のCSM上のノードとペアにすることができます。

分散型キャッシュ ベースの仮想化

Cisco MDS 9000 CSMの仮想化アーキテクチャは、他の仮想化アーキテクチャに見られる固有のボトルネックを克服しています。CSMの追加により、仮想化パフォーマンスを必要とするレベルまで簡単に拡大することができます。ディスク ブロックのローカル キャッシングによって、アプリケーションI/O応答時間が他の仮想化アーキテクチャよりも改善されています。Cisco MDS 9000の仮想化はスイッチ ベースなので、ホストがSANのどの場所に接続したかを問わず、どのホストでも、ファブリックのどこからでも任意の仮想ボリュームにアクセスすることができます。仮想化および複製サービスだけでなく、Cisco MDS 9000 CSMはCisco MDS 9000プラットフォームで使用できるすべての高度なSAN-OS機能を活用し、セキュリティ、診断、および管理を簡易化します。

インテリジェントなネットワーキング サービスを使用するファブリック ベースの仮想化

Cisco MDS 9000のファブリック ベースの仮想化機能は、ホストまたは仮想化装置に基づくソリューションでは得られないレベルで、インテリジェントSANサービスとの統合化を実現します。CSMを搭載したCisco MDS 9000プラットフォームは、ストレージ ネットワークのスケーラビリティ、アベイラビリティ、セキュリティ、およびマネージャビリティを大幅に改善するハードウェアの革新的な技術も含めて、マルチレイヤ インテリジェント ストレージ エリア ネットワークを実現するために必要なインテリジェンスおよび高度な機能を提供します。その結果、有用性が向上し、Total Cost of Ownership(TCO;総所有コスト)が削減されます。

VSAN

Virtual SAN(VSAN;仮想SAN)を使用すると、1つのSANファブリック内にハードウェア ベースで隔離された複数の環境を作成し、効率的にSANを利用することができます。VSANごとに独自のファブリック サービスを維持するので、スケーラビリティと耐障害性が向上します。SAN内でのゾーニングは、さらにフレキシブルな設定を可能にします。VSANによってトラフィックの絶対的な隔離とセキュリティを確保しながら、設定に対する制御をVSAN単位で独自に残しつつ、SANインフラのコストをより多くのユーザで共有できるようになります。VSANはアプリケーション ホストと物理ストレージの間に保護壁を提供し、仮想ストレージ環境におけるデータの完全性を強化します。

総合的なセキュリティ

Cisco CSMおよびSAN-OSソフトウェアのシームレスな統合化によって、攻撃を受ける可能性のあるすべてのポイントに徹底的なセキュリティ対策が適用されます。SSH、RADIUS、SNMPv3、および役割ベースのアクセス制御を使用して、不正アクセスをブロックします。疑いのある制御トラフィックの防止には、Fibre Channel Security Protocol(FC-SP)によって、機密性、データ発信元の認証、およびコネクションレスな完全性がファブリック全体で提供されます。データ プレーン トラフィックはVSANによって保護され、共有ファブリックでのトラフィックの隔離を保証します。また、ゾーニングによってVSAN内部でのトラフィック隔離に関する要件を満たすことができます。ハードウェア ベースのACL(アクセス制御リスト)は、さらにきめ細かい高度なセキュリティ オプションを提供します。

ハイ アベイラビリティ

CSMは他のすべてのCisco MDS 9000ファミリー モジュールと同様、ホットスワップ対応で、Cisco MDS 9000のハイ アベイラビリティ アーキテクチャに完全に統合化します。Cisco MDS 9000のSAN-OSソフトウェア アーキテクチャは、障害が発生したスーパバイザ プロセスの自動的な再起動を含む高度なアベイラビリティを提供するほか、16本の物理リンクを1つの論理インターフェイスに集約できるCisco PortChannel機能を通じて、ファブリック レベルのアベイラビリティも提供します。ポート、ASIC、またはモジュールに障害が発生しても、論理インターフェイスがアクティブな状態を保ち、物理リンクの障害にリセットせずに耐えることができます。さらに、Fabric Shortest Path First(FSPF)マルチパスによって、最大16の等価パス間で負荷を分散し、スイッチに障害が発生した場合、ダイナミックにトラフィックを再ルーティングするインテリジェンスが提供されます。クラスタ ペアで配置し、SAN-OSソフトウェアと併用することによって、アベイラビリティがボリューム レベルまで拡張され、最大限のアップタイムが保証されます。

管理オプション

Cisco MDS 9000ファミリーCSMは、仮想ストレージ環境を管理するための基本的な3種類のモードを提供しています。Cisco MDS 9000ファミリーCLI(コマンドライン インターフェイス)、Cisco MDS 9000 CLIに対応するIBMのSVC、およびIBMのICAT管理GUIです。SANおよびボリューム管理の両方で共通のインターフェイスを使用したいユーザのために、Cisco SAN-OSのCLIには、仮想ストレージ環境をSAN-OSコマンドラインから管理するために必要なあらゆる機能が含まれています。