Cisco Service Control Management Suite Quota
クォータ管理シナリオ
クォータ管理シナリオ
発行日;2012/02/01 | 英語版ドキュメント(2011/03/23 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 1MB) | フィードバック

目次

クォータ管理シナリオ

概要

加入者セッションにおけるクォータの保存

集約期間の変更

クォータ違反

クォータの精度の最大化

SM 起動シーケンス

EM エージェントの起動シーケンス

加入者のログイン

加入者のログアウト

クォータ状態の通知

しきい値以下のクォータ通知

クォータ枯渇通知

クォータ補充

ペナルティ フロー

設定からの SCE の削除

SM フェールオーバー

SCE フェールオーバー

クォータ管理シナリオ

概要

この章では、Quota Manager(QM)の動作をよりよく理解し、Subscriber Manager(SM)と Service Control Engine(SCE)との間におけるメッセージを理解するためのさまざまなシナリオについて説明します。

「加入者セッションにおけるクォータの保存」

「集約期間の変更」

「クォータ違反」

「クォータの精度の最大化」

「SM 起動シーケンス」

「EM エージェントの起動シーケンス」

「加入者のログイン」

「加入者のログアウト」

「クォータ状態の通知」

「しきい値以下のクォータ通知」

「クォータ枯渇通知」

「クォータ補充」

「ペナルティ フロー」

「設定からの SCE の削除」

「SM フェールオーバー」

「SCE フェールオーバー」

加入者セッションにおけるクォータの保存

このセクションでは、セッションにおける加入者クォータを保存する方法について説明します。図 2-1 にそのシナリオを示します。

図 2-1 加入者セッションにおけるクォータの保存

 

このシナリオの内容は次のとおりです。

1. 加入者が SM にログインします。

2. SM が SCE に対するログオン操作を実行し、SCE がクォータ状態の復元指示によって応答します。この指示は、加入者のクォータがどのくらい残っているか確認してほしいという、SCE による SM に対する要求です。

3. SM はデータベースに対してクエリーを実行してから、クォータ設定操作を使用して SCE に対して応答します。これにより、加入者パッケージおよび関連クォータ プロファイルに基づいて、加入者に割り当てられるクォータの量が設定されます。

4. 加入者セッション中、および加入者がクォータを消費している間に、SCE によって残りクォータ指示が送信されます。これらの送信は定期的に実行され、送信で使用される周波数は、Service Control Application for Broadband(SCA BB)コンソールを使用して PQB を設定するときに定義します。

5. SM によって、残りクォータ指示が受信されると、Quota Manager によって、加入者バケットから必要な量のクォータが削除されます。


) 残りクォータ指示の比率が高いほど、加入者クォータ値の精度は高くなります。ただし、ネットワーク上の管理メッセージの数も増加します。


6. 加入者セッションが終了すると、SM が SCE 上のログアウト操作を実行し、SCE が残りクォータ指示を使用して応答します。SM では、指示内に格納されている値が使用され、加入者が消費するクォータが削除されます。

7. クォータ値は、データベースに書き込まれて、次の加入者がログインするまで保存されます。


) クォータが加入者クォータ アカウントから差し引かれるのは、クォータが消費された後だけで、プロビジョニングされたときではありません。これにより、SCE フェールオーバーの場合に、クォータの誤差が加入者に有利になるように計算されます。


集約期間の変更

図 2-2 に、新しい集約期間の開始時に各加入者に対して実行されるアクションを示します。

図 2-2 集約期間の変更

 

図 2-2 では、加入者がログインしてクォータが消費されています。

1. 図の上半分には、SCE によって残りクォータ指示が生成され、SM によって加入者バケットから使用済みクォータが削除されています。

2. パッケージおよび関連クォータ プロファイルに従って、新しい集約期間が開始されます。

3. 新しい集約期間の開始後に、SCE によって、残りクォータ指示が送信されます。

4. SM によって残りクォータ指示が受信されると、クォータ プロファイルによって定義されているクォータ量により、バケットが補充されます。


) SCE の設定によっては、新しい集約期間が開始されても、最初の残りクォータ指示がただちに実行されない場合もあります。図 2-2 では、この期間が青で強調表示されています。この期間に消費されるクォータは、前の集約期間に割り当てられたクォータから消費されます。クォータ値の間違いはクォータ使用量以下であり、残りクォータ指示の比率に応じて変化します。これはアプリケーションの制限です。



) 残りクォータ指示が送信される比率が高い場合、加入者クォータが、新しい集約期間の開始時刻にごく近い時刻に補充されます。ただし、これによりネットワーク上の管理メッセージの数が増加します。


クォータ違反

図 2-3 に、加入者がクォータを完全に枯渇させた場合に実行されるアクションを示しています。

図 2-3 クォータ違反

 

図 2-3 では、加入者がクォータ バケットからのデータを消費し、SCE によって残りクォータ指示が生成されています。

1. クォータが設定可能なしきい値に達すると、SCE によって、クォータしきい値指示が送信されます。

2. 加入者に対してより多くのクォータを提供できる場合、クォータ設定操作が実行されます。図 2-3 では、加入者が使用できるクォータは存在していません。

3. 加入者は、クォータ バケットが空になるまでにクォータを消費し続けます。クォータ バケットが空になると、SCE によってクォータ違反指示が送信されます。同時に、SCA BB コンソールで設定された違反後のアクションが、加入者に適用されます。

4. 新しい集約期間が開始された後は、加入者に提供可能なクォータは増加します。ただし、クォータが補充されるのは、Quota Manager によって、残りクォータ指示が受信されて以降です。

5. クォータが補充されると、クォータ設定操作が実行され、加入者がクォータを消費し続けられるようになります。


) SCE の設定によっては、新しい集約期間が開始されても、最初の残りクォータ指示がただちに実行されない場合もあります。図 2-3 では、この期間が青で強調表示されています。加入者が違反し、さらに最初の残りクォータ指示が到着しないので、加入者はクォータを消費できません。これは、クォータの誤差が加入者に有利にならなくなる唯一のケースです。


クォータの精度の最大化

QM の最も重要な点の 1 つは、すべての加入者のクォータ レベルの精度です。外部サーバを使用してクォータをプロビジョニングする場合、クォータ精度とネットワーク メッセージ数との間にトレードオフの関係が存在します。

精度を最大化するには、定期的な残りクォータ指示の比率を高い値に設定し、クォータ使用量を低い値に設定します。設定によって、ネットワーク内で生成されるメッセージ数が多くなることから、パフォーマンスの低下が生じます。

ある集約期間から次の集約期間への変更中、または SCE のフェールオーバーを原因として、クォータの誤差が発生する場合があります。誤差のレベルは、次のパラメータの設定によって異なります。

定期的な残りクォータ指示の比率

クォータ使用量値

集約期間の変更中は、第一クォータ指示が新しい集約期間中に受信されるまで、次の事象が発生します。

加入者によって消費されるクォータが、前の集約期間から差し引かれます。

クォータ使用量値によって、すべてのクォータ エラーのサイズが制限されます。

各残りクォータ指示間の間隔によって、消費されるクォータが前の集約期間から差し引かれる時間の長さが制限されます。

SCE フェールオーバーの場合、障害が発生した SCE における最終指示と、新しいアクティブ SCE における第一指示との間において、次の事象が発生します。

加入者によって消費されるどのクォータも、加入者バケットから削除されません。

クォータ使用量値によって、すべてのクォータ エラーのサイズが制限されます。

クォータが消費される時間の長さが、各残りクォータ指示間における間隔によって制限されます。

誤差が生じるすべての場合において、残りのクォータが、加入者に有利になるように計算されます。唯一の例外は、加入者クォータがすでに違反状態にあるときに集約期間の変更が実行された場合だけです。

SM 起動シーケンス

SM 起動中の処理は次のとおりです。

1. ネットワーク モデルにより、QM に対して、設定に追加された新しい SCE のリストが通知されます。

2. QM によって、設定に追加された個々の新 SCE の PPRC_SCESubsciberApi インスタンスが作成されます。

3. QM によって QuotaListenerImpl インスタンスが作成され、そのインスタンスが、設定に追加される各新 SCE の API インスタンスに登録されます。

4. アクティブ SM が、API インスタンスを使用しているすべての SCE に接続されます。スタンバイ SM は接続されません。

5. SM によって、QM コンフィギュレーション ファイルが変更されているかが確認され、QM コンフィギュレーション ファイルの変更内容に基づいて、すべての加入者に対してクォータ補充操作が実行されます。

EM エージェントの起動シーケンス

EM エージェントの起動中には、次の処理が行われます。

1. SCAS_BB MBean によって、次のものが登録されます。

SML から受信されたクォータ RDR を管理するための、RDR サーバ MBean 上の QuotaRdrListener。

SCE 加入者 API から受信されたクォータ アップデートを処理するための、SCESubscriberApiMBean 上の QuotaOperationHandler。

2. QuotaRdrListener と QuotaOperationHandler が登録されると、CESubscriberApiMBean が、QM からの受信 PRPC 接続を待機します。

加入者のログイン

加入者のログイン時には、次の処理が行われます。

1. SM によって、SCE へ加入者がログインされます。

2. SML によって、ログインが検知され、加入者のクォータ状態復元 RDR が生成されます。

3. QuotaRdrListener によって RDR が受信され、SCESubscriberApiMBean が使用されて、PRPC クォータ状態復元通知が生成されます。

4. QM によって通知が受信され、すべてのバケット上の加入者の既存クォータが確認されます。

5. 加入者が使用できるクォータが存在する場合、QM によって quotaUpdate 操作が呼び出されます。

6. SCESubscriberApiMBean によって、呼び出しが管理され、QuotaOperationHandler に対してクォータの追加が指示されます。

7. QuotaOperationHandler によって SCE 上の加入者のクォータが更新されます(クォータ追加操作を使用)。

加入者のログアウト

加入者のログアウト時には、次の処理が行われます。

1. SM によって、SCE から加入者がログアウトされます。

2. ログアウトの結果として、SML によって残りクォータ Raw Data Record(RDR; 未加工データ レコード)が生成されます(理由 1)。

3. QuotaRdrListener によって、RDR が受信され、SCESubscriberApiMBean が使用されて、クォータ状態 Proprietary Remote Procedure Call(PRPC; 専用のリモート プロシージャ コール)通知が生成されます。

4. QM によって通知が受信され、現在のクォータと、SCE の直近にレポートされたクォータとが比較され、次に、現在のクォータと、直近にレポートされたクォータとの相違が減少されます。

クォータ状態の通知

SML によって、残りクォータ RDR が定期的に生成されます(理由 0)。

1. QuotaRdrListener によって RDR が受信され、SCESubscriberApiMBean が使用されて、クォータ状態 PRPC 通知が生成されます。

2. QM によって通知が受信され、現在のクォータと、SCE の直近にレポートされたクォータとが比較され、現在のクォータと、直近にレポートされたクォータとの相違が減少されます。

3. 現在のクォータがマイナスの場合、QM によって、より多くのクォータが使用可能であるかどうかが確認され、より多くのクォータが使用可能である場合、quotaUpdate(PRPC 呼び出し)が呼び出されます。

4. SCESubscriberApiMBean によって、呼び出しが管理され、QuotaOperationHandler に対してクォータの追加が指示されます。

5. QuotaOperationHandler によって加入者のクォータが更新されます(クォータ追加操作を使用)。

しきい値以下のクォータ通知

SML によって、しきい値以下のクォータ RDR が生成されます。

1. QuotaRdrListener によって RDR が受信され、SCESubscriberApiMBean が使用されて、PRPC 通知が生成されます。

2. QM によって通知が受信され、現在のクォータと、SCE の直近にレポートされたクォータとが比較され、現在のクォータと、直近にレポートされたクォータとの相違が減少されます。

3. QM によって、より多くのクォータが使用可能であるかどうかが確認され、追加のクォータが使用可能である場合、quotaUpdate(PRPC 呼び出し)が呼び出されます。

4. SCESubscriberApiMBean によって、呼び出しが管理され、QuotaOperationHandler に対してクォータの追加が指示されます。

5. (CAS_BB MBean の)QuotaOperationHandler によって加入者のクォータが更新されます(クォータ追加操作を使用)。

クォータ枯渇通知

SML によってクォータ違反(クォータ枯渇)RDR が生成されると、次の処理が行われます。

1. QuotaRdrListener によって RDR が受信され、SCESubscriberApiMBean が使用されて、PRPC 通知が生成されます。

2. QM によって通知が受信され、現在のクォータと、SCE の直近にレポートされたクォータとが比較され、現在のクォータと、直近にレポートされたクォータとの相違が減少されます。

3. QM によって、より多くのクォータが使用可能であるかどうかが確認され、追加のクォータが使用可能である場合、quotaUpdate(PRPC 呼び出し)が呼び出されます。

4. SCESubscriberApiMBean によって、呼び出しが管理され、QuotaOperationHandler に対してクォータの追加が指示されます。

5. QuotaOperationHandler によって加入者のクォータが更新されます(クォータ追加操作を使用)。

クォータ補充

クォータ補充が実行されるシナリオは次のとおりです。

新しい集約期間は、スライスの数が 1 である場合に発生します(古いクォータ モデルのサポート)。

最初のクォータ通知は、加入者の有効期限内に実行されます。

QM の起動時。直近の設定は保存されていないので、その設定が変更されたかどうかは認識されません。QM は、設定が変更されていると仮定し、クォータ補充を呼び出します。

お客様がグローバル フラグ recet_quota_on_profile_change を設定し、次のいずれかが発生した場合。

加入者のクォータ プロファイル(パッケージ ID)が変更される(SM CLU によって、または、ペナルティ パッケージに移動するか、ペナルティ パッケージから出たため)。

クォータ ポリシーのスタティック設定が変更され、新しい設定が QM にロードされる。

ペナルティ フロー

加入者が、ウィンドウ(集約期間)が終了し、加入者パッケージの設定済みペナルティ プロファイルに入る前にクォータ全体を使用すると、加入者はペナルティ モードになります。このような状況が認識されると、次の処理が行われます。

加入者が、設定された期間への設定済み「ペナルティ」パッケージに移動されます。

設定されている場合、ペナルティ前に加入者クォータの使用履歴が、SM DB に保存されます。

ペナルティ時間が経過すると、QM によって、ペナルティ中の加入者の使用状況が確認され、設定に従って、加入者がポストペナルティ パッケージに移動されます。加入者クォータの使用状況が、いずれのポストペナルティしきい値内にも収まっていなかった場合、その加入者は、次のペナルティ期間においてもペナルティの状態に留まります。

設定からの SCE の削除

SCE が設定から削除されると、次の処理が行われます。

1. NetworkModel によって、QM に対して SCE が設定から削除されたことが通知されます。

2. QM によって、削除された SCE からクォータ リスナーの登録が解除され、削除された SCE から QM の接続が解除されます。

SM フェールオーバー

SM に障害が発生すると、次の処理が行われます。

1. クォータ リスナーの登録を解除することなく、各 SCE から障害が発生した SM の接続が解除されます。

2. クォータ通知は、各 SCE の内部バッファに蓄積されます。

3. スタンバイ SM が各 SCE に接続され、クォータ通知が新しいアクティブ SM に送信されます。

SCE フェールオーバー

QM が、直近のクォータ通知を送信する SCE を保存します。QM によって異なる SCE から通知が受信されると、クォータの使用量が計算されず(関連のない直近の SCE バケット サイズは無視されます)、その通知に従って、直近の SCE バケット サイズが更新されます。直近の通知以来、障害が発生した SCE 上で消費されたクォータはアカウントされません。