Cisco Service Control Management Suite Collection Manager ユーザ ガイド Rel. 3.1
概要
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発行日;2012/02/04 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 600KB) | フィードバック

目次

概要

Cisco Service Control の概要

Cisco Service Control ソリューション

無線サービス プロバイダーでサービス コントロールを使用する場合

DSL プロバイダーおよび ISP でサービス コントロールを使用する場合

ケーブル MSO でサービス コントロールを使用する場合

Cisco Service Control の機能

SCE プラットフォーム

管理および収集

ネットワーク管理

加入者管理

サービス設定の管理

データ収集

Cisco Service Control Application for Broadband

概要

この章では、Cisco Service Control ソリューションの概要を示します。まず、Cisco Service Control の概要について、さらにサービス コントロール機能について説明します。

また、Service Control Engine(SCE)プラットフォームのハードウェア機能、およびCisco Service Control ソリューションを構成するシスコ固有のアプリケーションについても簡単に説明します。

「Cisco Service Control の概要」

「Cisco Service Control の機能」

「SCE プラットフォーム」

「管理および収集」

「Cisco Service Control Application for Broadband」

Cisco Service Control の概要

「Cisco Service Control ソリューション」

Cisco Service Control ソリューション

Cisco Service Control ソリューションは、サービス プロバイダーが直面するさまざまなサービス コントロールの課題を解決する専用ハードウェア、および特定のソフトウェア ソリューションが組み合わさって実現されます。SCE プラットフォームの設計目的は、インターネット/IP トラフィックの調査、分析、および制御をサポートすることです。

サービス プロバイダーはサービス コントロールを使用することにより、既存インフラストラクチャに投資しながら、利益を上げる仕組みを新規に作成することができます。また、マルチギガビット ワイヤ回線速度で IP ネットワーク トラフィックを分析、課金、および制御することもできます。さらに、収益力の高いコンテンツベース サービスを探して実現し、配信できるようにするための必要なツールにもなり得ます。

電気通信業界の低迷が示すように、IP サービス プロバイダーのビジネス モデルには、利益を上げるために再編が必要です。プロバイダーは、より巨大なデータ リンクを構築するために莫大な資金を投下し、多額の負債を抱え、コストは上昇し続けました。その一方で、アクセスおよび帯域幅という商品の価格は継続的に下落し、利益は消滅しました。現在、サービス プロバイダーは、自身のネットワーク上を往来するトラフィックやサービスからより多くの収入を得るには、付加価値のあるサービスを提供する必要があることを認識しています。ただし、IP サービスから実際に利益を得るには、データ リンク上でこれらのサービスを単に提供するだけでなく、詳細なモニタリングと精度、リアルタイム制御、およびサービス提供時のサービス認識が必要となります。シスコが提供する Service Control ソリューションを使用すると、サービス プロバイダーはこのギャップを埋めることができます。

「無線サービス プロバイダーでサービス コントロールを使用する場合」

「DSL プロバイダーおよび ISP でサービス コントロールを使用する場合」

「ケーブル MSO でサービス コントロールを使用する場合」

無線サービス プロバイダーでサービス コントロールを使用する場合

無線サービス プロバイダーは、加入者に 2.5G および 3G ベースのデータ サービスを提供することに成功しています。これらのサービスでは、ビジネス モデルを維持したり、新規サービスを迅速に提供したりするためにきわめて重要とされる、Average Revenue Per User(ARPU; ユーザあたりの平均売上高)を大幅に増加させることが期待されています。

これらのデータ サービスでは、サービスを提供したり、加入者にこれらのサービスを課金するための新しい方法が必要なのです。Cisco Service Control ソリューションを使用すると、以下のことが可能になります。

複数の課金モデルのサポート

リアルタイム サービス コントロールによる課金漏れの回避

柔軟な支払プラン ― 後払い、前払い、MRC、利用回数による支払

各種アプリケーションのコンテンツベースの課金

登録制の段階的アプリケーション サービス

DSL プロバイダーおよび ISP でサービス コントロールを使用する場合

個人宅およびビジネス向けのブロードバンドユーザ層をターゲットとする DSL プロバイダーおよび ISP は、広範な IP サービスの提供によって差別化を図りながら、既存インフラストラクチャから最大限の収益を上げる新しい方法を見つける必要があります。

シスコ製品を使用すると、既存ネットワークに新たなサービス インテリジェンス レイヤおよび制御機能が追加され、以下のことが可能になります。

ネットワーク使用状況の詳細表示

アプリケーション SLA または Acceptable Use Policy(AUP; アクセプタブル ユース ポリシー)の自動適用

異なるタイプの顧客、コンテンツ、またはアプリケーション向けのさまざまなサービス レベルの実装

エンドツーエンドのサービス コントロールのための、ネットワーク エッジからネットワーク コアまでの配置

既存のネットワーク要素および BSS/OSS システムと、シスコ製ソリューションとの統合の簡素化

ケーブル MSO でサービス コントロールを使用する場合

ケーブル MSO は、多数のユーザ宅に高速ケーブル モデム サービスを配置してきました。現在、ケーブル MSO は差別化されたサービスを導入し、ブロードバンド インフラストラクチャを介したサービス配信の完全管理に対応したサービス コントロールを実装することにより、ブロードバンド アクセスを提供するだけのビジネスから脱却する必要があります。Cisco Service Control ソリューションを使用すると、以下のことが可能になります。

容量計画のための、加入者レベルおよび集約レベルでのネットワーク トラフィックのレポートおよび分析

AUP に違反しているネットワーク不正使用者の識別

ピアツーピア トラフィック、NNTP(ニュース)トラフィック、およびスパム不正使用者の識別および管理。AUP の適用

加入者宅でのサービス使用の制限、および複数の(未払い)PCの使用制限

直感的な利用が可能な階層型アプリケーション サービスおよびアプリケーション SLA の保証

加入者の管理および課金のための標準 OSS または従来の OSS との完全な統合

Cisco Service Control の機能

Cisco Service Control ソリューションの中心には、専用ネットワーク ハードウェア デバイスであるSCE があります。Service Control ソリューションを提供するためのアプリケーションを広範にサポートする、SCE プラットフォームのコア機能には、次のようなものがあります。

加入者およびアプリケーション認識機能 ― アプリケーションレベルで IP トラフィックを調査することにより、加入者単位での使用状況およびコンテンツを詳細かつリアルタイムに認識および制御することができます。

加入者の認識 ― IP フローと特定の加入者を対応付けて、プラットフォーム経由でトラフィックを送信している各加入者の状態を維持したり、この加入者トラフィックに適切なポリシーを適用することができます。

加入者認識機能を実現するには、DHCP や RADIUS サーバなどの加入者管理リポジトリと統合するか、RADIUS または DHCP トラフィックのスニッフィングを通じて行います。

アプリケーション認識 ― アプリケーション プロトコル レイヤ(レイヤ 7)までのトラフィックを認識および分析できます。

バンドルされたフローを使用して実装されたアプリケーション プロトコル(制御およびデータ フローを使用して実装された FTP[ファイル転送プロトコル]など)の場合、SCE プラットフォームはフロー間のバンドリング接続を認識して、適切に処理します。

アプリケーションレイヤでのステートフルなリアルタイム トラフィック制御 ― 詳細な帯域幅の測定やシェーピング、クォータ管理とリダイレクション、アプリケーションレイヤでのステートフルなリアルタイム トラフィック トランザクション処理の使用など、高度な制御機能を実行できます。そのためには、適応性の高いプロトコルおよびアプリケーション レベル インテリジェンスが必要です。

プログラム可能性 ― 新規プロトコルを迅速に追加して、常に変化するサービス プロバイダー環境に新規サービスおよびアプリケーションを容易に適応させることができます。プログラム可能性を実現するには、Cisco Service Modeling Language(SML)を使用します。

プログラム可能であるということは、新規サービスを迅速に配置し、ネットワーク、アプリケーション、またはサービスの拡張に合わせて容易にアップグレードできるということです。

堅牢で柔軟なバックオフィス統合 ― サービス プロバイダーで使用されている、プロビジョニング システム、加入者リポジトリ、課金システム、OSS システムなどのサード パーティ製システムと統合できます。SCE には、詳しいマニュアルが付属したさまざまな公開 API が用意されていて、迅速かつ強固な統合プロセスを実行できます。

スケーラブルな高性能サービス エンジン ― これらすべての操作をワイヤ スピードで実行することのできる機能

SCE プラットフォーム

プログラム可能なネットワーク デバイスである SCE ファミリーには、IP トラフィックのアプリケーションレイヤ ステートフル フロー インスペクションを実行したり、設定可能な規則に基づいてトラフィックを制御する機能があります。SCE は、ASIC(特定用途向け IC)コンポーネントおよび RISC(縮小命令セット コンピュータ)プロセッサを利用する専用ネットワーク デバイスです。これにより、パケットをカウントするだけでなく、ネットワーク トラフィックの内容を詳細に調べることができます。双方向トラフィック フローにプログラム可能なステートフル インスペクションを実行したり、これらのフローとユーザ所有権を対応付けることにより、SCE プラットフォームはネットワークの使用状況をリアルタイムで分類できます。この情報は SCE プラットフォームの高度なトラフィック制御および帯域幅シェーピング機能の基礎となります。多くの帯域幅シェイパ機能が適用されない条件下でも、SCE プラットフォームは次のような制御およびシェーピング オプションを提供します。

レイヤ 7 のステートフル ワイヤ速度パケット インスペクションおよび分類

次のような 600 を超えるプロトコルおよびアプリケーションの安定したサポート

一般 ― HTTP、HTTPS、FTP、TELNET、NNTP、SMTP、POP3、IMAP、WAP など

P2P ファイル共有 ― FastTrack-KazaA、Gnutella、BitTorrent、Winny、Hotline、eDonkey、DirectConnect、Piolet など

P2P VoIP ― Skype、Skinny、DingoTel など

ストリーミングおよびマルチメディア ― RTSP、SIP、HTTP ストリーミング、RTP/RTCP、など

プログラム可能なシステム コアによる、柔軟性のあるレポートおよび帯域幅の制御

透過的なネットワークおよび BSS/OSS と既存ネットワークの統合

加入者の認識による、トラフィックおよび使用状況と特定のカスタマーとの関連付け

次の図に、ネットワーク内の SCE プラットフォーム配置例を示します。

図1-1 ネットワーク内の SCE プラットフォーム

 

管理および収集

Cisco Service Control ソリューションには、サービス コントロール ソリューションのあらゆる面を管理する、次の管理コンポーネントを備えた完全な管理インフラストラクチャが含まれています。

ネットワーク管理

加入者管理

サービス コントロール管理

これらの管理インターフェイスの設計目的は、一般的な管理基準に準拠して、既存 OSS インフラストラクチャとの統合を容易にすることです。

図1-2 サービス コントロールの管理インフラストラクチャ

 

ネットワーク管理

シスコは、完全なネットワーク FCAPS 管理(障害、設定、アカウンティング、パフォーマンス、セキュリティ)を提供します。

ネットワーク管理用のインターフェイスが 2 つ用意されています。

CLI(コマンドライン インターフェイス) ― コンソール ポートまたは Telnet 接続を通じてアクセス可能な CLI は、設定およびセキュリティ機能に使用します。

SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル) ― (SNMP トラップによる)障害管理およびパフォーマンス モニタリング機能を提供します。

加入者管理

Cisco Service Control Application for Broadband(SCA BB)が加入者毎に個別のポリシーを実施して、個別の加入者ベースで使用状況を追跡している場合、OSS と SCE プラットフォーム間のブリッジングに Cisco Service Control Management Suite(SCMS)Subscriber Manager(SM)がミドルウェア ソフトウェアとして使用されている場合があります。加入者情報は SM データベースに格納され、実際の加入者配置に従って、複数のプラットフォーム間で配信できます。

SM は、ネットワーク ID と加入者 ID のマッピングによって加入者認識機能を実現しています。SM は RADIUS や DHCP サーバなどの AAA(認証、認可、アカウンティング)デバイスと統合された専用統合モジュールを使用して、加入者情報を取得します。

加入者情報は、次のいずれかの方法で取得することができます。

プッシュ モード ― 加入者がログオンすると、SM は加入者情報を SCE プラットフォームに自動的にプッシュします。

プル モード ― SCE プラットフォームからのクエリーの応答で、SM は加入者情報を SCE プラットフォームに送信します。

サービス設定の管理

サービス設定管理は、サービス コントロール アプリケーションの一般的なサービス定義を設定する機能です。トラフィック分類、課金およびレポート、および制御の設定を含むサービス コンフィギュレーション ファイルが作成されて、SCE プラットフォームに適用されます。SCA BB アプリケーションは、これらのコンフィギュレーション ファイルを SCE プラットフォームに自動的に配信するツールです。このシンプルで標準ベースの手法により、大規模なネットワークにある複数のデバイスを簡単に管理することができます。

サービス コントロールは、これらのファイルの編集と作成を行うための簡単に使用できる GUI(グラフィカル ユーザ インターフェイス)と、その作成を自動化する API のセットを提供しています。

データ収集

SCE プラットフォームの分析およびデータ処理機能を実行すると、Raw Data Record(RDR)が生成されます。これらの RDR はCisco Service Control Management Suite Collection Manager(CM)で処理されます。CM ソフトウェアは、1 つ以上の SCE プラットフォームから RDR を取得する収集システムが実装されたものです。このソフトウェアはこれらのレコードを収集し、いずれかのアダプタで処理します。各アダプタは、RDR に特定のアクションを実行します。

RDR には、システム設定に応じてさまざまな情報および統計情報が含まれます。RDR には主に 3 つのカテゴリがあります。

トランザクション RDR ― トランザクションがネットワーク トラフィックで検出された単一イベントである場合に、トランザクションごとに生成されるレコード。トランザクション ID は、特定のアプリケーションまたはプロトコルに依存します。

加入者使用状況 RDR ― 定義期間中に加入者によって生成されたトラフィックを記述する、加入者単位で生成されるレコード

リンク RDR ― 定義期間中にリンク上で伝達されるトラフィックを記述する、リンク単位で生成されるレコード

Cisco Service Control Application for Broadband

シスコでは、SCE プラットフォームの最上部で動作し、サービス プロバイダーが直面する IP ネットワーク コントロールの問題に対処するソリューションを提供しています。そのソリューションが Cisco Service Control Application for Broadband(SCA BB)です。

SCA BB を使用すると、サービス プロバイダーは複雑かつ検知の難しいネットワーク アプリケーション プロトコル(P2P など)を検出し、ビジネスおよびサービスの配信要件に従って制御できます。また、サービス プロバイダーが収益を上げたり、エンド カスタマーに競争力のあるサービスを提供するために使用する、差別化された階層型サービスを作成できます。SCA BB のプログラム可能なアプリケーション検出機能および加入者認識機能により、ネットワーク内にある特定の地点から階層型サービスを使用できるようになります。SCA BB はネットワークの変更やアップグレードを必要としません。既存のすべての IP ネットワーク スイッチ、ルータ、およびインフラストラクチャと互換性があります。