Cisco AnyConnect VPN Client アドミニストレータ ガイド リリース2.4
AnyConnect クライアントとインストーラの カスタマイズとローカライズ
AnyConnect クライアントとインストーラのカスタマイズとローカライズ
発行日;2012/02/05 | 英語版ドキュメント(2010/05/11 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 4MB) | フィードバック

目次

AnyConnect クライアントとインストーラのカスタマイズとローカライズ

AnyConnect クライアントのカスタマイズ

個別の GUI コンポーネントとカスタム コンポーネントの置き換え

クライアント API を使用する実行ファイルの展開

トランスフォームを使用した GUI のカスタマイズ

トランスフォームの例

カスタム アイコンおよびロゴの作成について

デフォルトの AnyConnect の英語メッセージの変更

AnyConnect クライアントの GUI とインストーラのローカライズ

AnyConnect GUI のローカライズ

ASDM 変換テーブル エディタを使用した翻訳

変換テーブルのエクスポートと編集による翻訳

AnyConnect インストーラ画面のローカライズ

ツールを使用した社内展開用メッセージ カタログの作成

新しい翻訳テンプレートと変換テーブルの統合

AnyConnect クライアントとインストーラのカスタマイズとローカライズ

AnyConnect VPN クライアントは、クライアントとインストーラのプログラムが異なる言語にローカライズ(翻訳)されるようにカスタマイズすることができます。

この章は、次の内容で構成されています。

「AnyConnect クライアントのカスタマイズ」

「デフォルトの AnyConnect の英語メッセージの変更」

「AnyConnect クライアントの GUI とインストーラのローカライズ」

AnyConnect クライアントのカスタマイズ

AnyConnect VPN クライアントをカスタマイズして、Windows、Linux、および Mac OS X コンピュータ上で稼動するクライアントを含むリモート ユーザに、自社企業のイメージを表示することができます。


) Windows Mobile デバイスで稼動する AnyConnect クライアントのカスタマイズはサポートされていません。


クライアントをカスタマイズするには、次の 3 つ方法のいずれかを使用します。

企業ロゴおよびアイコンなど個別のクライアント GUI コンポーネントをセキュリティ アプライアンスにインポートし、インストーラからリモート コンピュータに展開することによって、クライアントのブランドを変更する。

独自の GUI または CLI を提供し、AnyConnect API を使用する、独自のプログラムをインポートする(Windows および Linux のみ)。

多数のブランド変更のために作成したトランスフォームをインポートする(Windows のみ)。インストーラを使用してセキュリティ アプライアンスから展開されます。

これらの方法の手順について、次の項で説明します。

「個別の GUI コンポーネントとカスタム コンポーネントの置き換え」

「クライアント API を使用する実行ファイルの展開」

「トランスフォームを使用した GUI のカスタマイズ」

「カスタム アイコンおよびロゴの作成について」

個別の GUI コンポーネントとカスタム コンポーネントの置き換え

独自のカスタム ファイルをセキュリティ アプライアンスにインポートし、その新しいファイルをクライアントに展開することによって、AnyConnect クライアントをカスタマイズすることができます。 表 6-2 表 6-3 、および 表 6-4 に、オリジナルの GUI アイコンのサンプル イメージとそのサイズを示します。この情報は、カスタム ファイルの作成に使用できます。

カスタム ファイルをインポートし、クライアントに展開するには、次の手順に従います。


ステップ 1 [Configuration] > [Remote Access VPN] > [Network (Client) Access] > [AnyConnect Customization/Localization] > [Resources] の順に選択します。

[Import] をクリックします。[Import AnyConnect Customization Object] ウィンドウが表示されます(図 6-1)。

図 6-1 カスタマイゼーション オブジェクトのインポート

 

ステップ 2 インポートするファイルの名前を入力します。置き換え可能なすべての GUI コンポーネントのファイル名については、 表 6-2 表 6-3 、および 表 6-4 を参照してください。


) カスタム コンポーネントのファイル名は、AnyConnect クライアント GUI に使用されるファイル名と一致している必要があります。この GUI コンポーネントのファイル名は OS によって異なり、Mac と Linux では大文字と小文字が区別されます。たとえば、Windows クライアント用の企業ロゴを置き換えるには、独自の企業ロゴを company_logo.bmp としてインポートする必要があります。別のファイル名でインポートすると、AnyConnect インストーラはそのコンポーネントを変更しません。ただし、独自の実行ファイルを展開して GUI をカスタマイズする場合は、その実行ファイルから任意のファイル名のリソース ファイルを呼び出すことができます。


ステップ 3 プラットフォームを選択し、インポートするファイルを指定します。[Import Now] をクリックします。ファイルがテーブル(図 6-2)に表示されます。

図 6-2 テーブルに表示されたインポート済みのファイル

 


) イメージをソース ファイルとして(たとえば、company_logo.bmp)インポートする場合、インポートしたイメージは、同じファイル名を使用して別のイメージを再インポートするまで、AnyConnect クライアントをカスタマイズします。たとえば、company_logo.bmp をカスタム イメージに置き換えて、このイメージを削除する場合、同じファイル名を使用して新しいイメージ(または元のシスコ ロゴ イメージ)をインポートするまで、クライアントはこのイメージの表示を継続します。



 

クライアント API を使用する実行ファイルの展開

Windows、Linux、または Mac(PPC または Intel ベース)コンピュータの場合、AnyConnect クライアント API を使用する独自のクライアントを展開できます。クライアントのバイナリ ファイルを置き換えることによって、AnyConnect GUI または AnyConnect CLI を置き換えます。 表 6-1 に、クライアント実行ファイルのファイル名を、オペレーティング システム別に示します。

 

表 6-1 クライアント実行ファイルのファイル名前

クライアント OS
クライアント GUI ファイル
クライアント CLI ファイル

Windows

vpnui.exe

vpncli.exe

Linux

vpnui

vpn

Mac

非サポート1

vpn

1.セキュリティ アプライアンスからの展開はサポートされません。ただし、Altiris Agent などの他の手段によって、クライアント GUI を置き換える Mac 用の実行ファイルを展開できます。

セキュリティ アプライアンスにインポートした、ロゴ イメージなどの任意のリソース ファイルを実行ファイルから呼び出すことができます(図 6-1 を参照)。事前定義された GUI コンポーネントを置き換える場合とは異なり、独自の実行ファイルを展開する場合は、リソース ファイルに任意のファイル名を使用できます。

セキュリティ アプライアンスにインポートするカスタム Windows クライアント バイナリ(GUI または CLI バージョン)には、署名することをお勧めします。署名付きバイナリには、使用可能な多くの機能があります。バイナリが署名されていないと、次の機能に影響が生じます。

Web-Launch:クライアントレス ポータルは使用可能でユーザ認証も可能です。ただし、トンネル確立周辺の動作が予期したとおりに行われません。クライアントに署名のない GUI が存在すると、クライアントレス接続試行の一部がクライアントで開始されません。また、この状態が検出された場合、クライアントでの接続試行が中断されます。

SBL:Start Before Logon 機能では、ユーザのクレデンシャルを要求するために使用するクライアント GUI には署名が必要です。署名がないと、GUI は開始されません。SBL は CLI プログラムでサポートされないため、影響を受けるのは GUI バイナリ ファイルだけです。

自動アップグレード:クライアントの新バージョンへのアップグレード中は古い GUI が存在しますが、新しい GUI がインストールされると新規 GUI が開始されます。新しい GUI は署名がないと開始されません。Web-Launch と同様、この GUI に署名がないと VPN 接続は終了します。ただし、アップグレード後のクライアントはインストールされたままになります。

クライアント GUI をカスタマイズする実行ファイルをインポートする手順は、次のとおりです。


ステップ 1 [Configuration] > [Remote Access VPN] > [Network (Client) Access] > [AnyConnect Customization/Localization] > [Binary] の順に選択します。

[Import] をクリックします。[Import AnyConnect Customization Objects] ウィンドウが表示されます( 表 6-1 )。

図 6-3 実行ファイルのインポート

 

ステップ 2 インポートするファイルの名前を入力します。

実行ファイルのファイル名は、AnyConnect クライアント GUI に使用されるファイル名と一致している必要があります。たとえば、Windows クライアント用のクライアント GUI を置き換えるには、独自の実行ファイルを vpnui.exe としてインポートする必要があります。別のファイル名でインポートすると、AnyConnect インストーラはその実行ファイルを変更しません。

ステップ 3 プラットフォームを選択し、インポートするファイルを指定します。[Import Now] をクリックします。ファイルがテーブル(図 6-2)に表示されます。

図 6-4 テーブルに表示されたインポート済みの実行ファイル

 


 

トランスフォームを使用した GUI のカスタマイズ

作成した独自のトランスフォームを、クライアント インストーラ プログラムを使用して展開することによって、AnyConnect クライアント GUI を大幅にカスタマイズすることができます(Windows のみ)。トランスフォームをセキュリティ アプライアンスにインポートすると、インストーラ プログラムを使用して展開されます。

MSI トランスフォームを作成するには、Microsoft から Orca という名前の無料データベース エディタをダウンロードし、インストールします。このツールを使用して、既存のインストレーションを修正し、場合によっては新しいファイルを追加します。Orca ツールは、Microsoft Windows Installer Software Development Kit(SDK)の一部で、Microsoft Windows SDK に同梱されています。次のリンクから Orca プログラムを含むバンドルを入手できます。

http://msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en-us/msi/setup/orca_exe.asp

SDK をインストールすると、Orca MSI は、次の場所に格納されています。

C:¥Program Files¥Microsoft SDK SP1¥Microsoft Platform SDK¥Bin¥Orca.msi

Orca ソフトウェアをインストールしてから、[Start] > [All Programs] メニューを選択して Orca プログラムにアクセスします。

トランスフォームをインポートする手順は、次のとおりです。


ステップ 1 [Configuration] > [Remote Access VPN] > [Network (Client) Access] > [AnyConnect Customization/Localization] > [Customized Installer Transforms] の順に選択します。[Import] をクリックします。[Import AnyConnect Customization Objects] ウィンドウが表示されます(図 6-5)。

図 6-5 カスタマイズ用トランスフォームのインポート

 

ステップ 2 インポートするファイルの名前を入力します。他のカスタマイズ用オブジェクトの名前とは異なり、この名前はセキュリティ アプライアンスにとって重要ではないため、自由に指定できます。

ステップ 3 プラットフォームを選択し、インポートするファイルを指定します。[Import Now] をクリックします。ファイルがテーブル(図 6-6)に表示されます。


) トランスフォームの適用先として選択できるのは Windows だけです。


図 6-6 テーブルに表示されたカスタマイズ用のトランスフォーム

 


 

トランスフォームの例

このマニュアルでは、トランスフォームの作成についてのチュートリアルを提供できませんが、トランスフォームの代表的なエントリをいくつか次に示します。これらのエントリでは、company_logo.bmp がローカル コピーと置き換えられ、カスタム プロファイル MyProfile.xml がインストールされます。

DATA CHANGE - Component Component ComponentId
+ MyProfile.xml {39057042-16A2-4034-87C0-8330104D8180}
 
Directory_ Attributes Condition KeyPath
Profile_DIR 0 MyProfile.xml
 
DATA CHANGE - FeatureComponents Feature_ Component_
+ MainFeature MyProfile.xml
 
DATA CHANGE - File File Component_ FileName FileSize Version Language Attributes Sequence
+ MyProfile.xml MyProfile.xml MyProf~1.xml|MyProfile.xml 601 8192 35
<> company_logo.bmp 37302{39430} 8192{0}
 
DATA CHANGE - Media DiskId LastSequence DiskPrompt Cabinet VolumeLabel Source
+ 2 35
 

カスタム アイコンおよびロゴの作成について

次の表で、AnyConnect クライアントがサポートするオペレーティング システムごとに、置き換えることができるファイルを示します。


) 独自のカスタム イメージを作成してクライアント アイコンを置き換えるには、使用するイメージのサイズを、オリジナルの Cisco イメージと同じサイズにする必要があります。


Windows の場合

Windows のファイルはすべて、%PROGRAMFILES%¥Cisco¥Cisco AnyConnect VPN Client¥res¥ にあります。 表 6-2 に、置き換えることができるファイルと、その影響を受けるクライアント GUI エリアを示します。


) %PROGRAMFILES% は、同じ名前の環境変数を指します。ほとんどの Windows インストレーションでは、C:¥Program Files です。


 

表 6-2 Windows 用 AnyConnect クライアントのアイコン ファイル

Windows インストレーションでのファイル名
影響を受けるクライアント GUI エリア
イメージ サイズ(ピクセル数、幅×高さ)

AboutTab.ico

 

[About] タブに表示されるアイコン。

16×16

company_logo.bmp

 

ユーザ インターフェイスの各タブに表示される企業ロゴ。

142×92

connected.ico

 

クライアントが接続中のときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

ConnectionTab.ico

 

[Connection] タブに表示されるアイコン。

16×16

disconnecting.ico

 

クライアントが接続解除の処理中であるときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

GUI.ico

 

Windows Vista の [Start Before Login] 画面に表示されるアイコン。

48×48
32×32
24×24
16×16

reconnecting.ico

 

クライアントが再接続の処理中であるときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

StatsTab.ico

 

[Statistics] タブに表示されるアイコン。

16×16

unconnected.ico

 

クライアントが接続中でないときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

Linux の場合

Linux のファイルはすべて、/opt/cisco/vpn/pixmaps/ にあります。 表 6-3 に、置き換えることができるファイルと、その影響を受けるクライアント GUI エリアを示します。

 

表 6-3 Linux 用 AnyConnect クライアントのアイコン ファイル

Linux インストレーションでのファイル名
影響を受けるクライアント GUI エリア
イメージ サイズ(ピクセル数、幅×高さ)

company-logo.png

 

ユーザ インターフェイスの各タブに表示される企業ロゴ。

142×92

cvc-about.png

 

[About] タブに表示されるアイコン。

16×16

cvc-connect.png

 

[Connect] ボタンの隣、および [Connection] タブに表示されるアイコン。

16×16

cvc-disconnect.png

 

[Disconnect] ボタンの隣に表示されるアイコン。

16×16

cvc-info.png

 

[Statistics] タブに表示されるアイコン。

16×16

systray_connected.png

 

クライアントが接続中のときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

systray_notconnected.png

 

クライアントが接続中でないときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

systray_disconnecting.png

 

クライアントが接続解除の処理中のときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

systray_reconnecting.png

 

クライアントが再接続中のときに表示されるトレイ アイコン。

16×16

vpnui48.png

 

メイン プログラム アイコン。

48×48

Mac OS X の場合

OS X のファイルはすべて、/Applications/Cisco AnyConnect VPN Client/Contents/Resources にあります。 表 6-4 に、置き換えることができるファイルと、その影響を受けるクライアント GUI エリアを示します。

 

表 6-4 Mac OS X 用 AnyConnect クライアントのアイコン ファイル

Mac OS X インストレーションでのファイル名
影響を受けるクライアント GUI エリア
イメージ サイズ(ピクセル数、幅×高さ)

bubble.png

 

クライアントが接続または接続解除したときに表示される通知バブル。

142×92

connected.png

 

クライアントが接続中のときに、接続解除ボタンの下に表示されるアイコン。

32×32

logo.png

 

メイン画面の右上に表示されるロゴ アイコン。

50×33

menu_connected.png

 

接続状態のメニューバー アイコン。

16×16

menu_error.png

 

エラー状態のメニューバー アイコン。

16×16

menu_idle.png

 

接続解除されているアイドル メニューバー アイコン。

16×16

menu_reconnecting.png

 

再接続処理中のメニューバー アイコン。

16×16

warning.png

 

さまざまな認証/証明書警告のログイン フィールドの代わりに表示されるアイコン。

40×40

vpngui.icns

 

すべてのアイコン サービス(Dock、Sheets、Finder など)で使用される Mac OS X アイコン ファイル フォーマット。

128×128

デフォルトの AnyConnect の英語メッセージの変更

英語変換テーブルを追加し、ASDM の編集ウィンドウでメッセージ テキストを変更することによって、AnyConnect クライアント GUI に表示される英語のメッセージを変更できます。

ここでは、デフォルトの英語メッセージを変更する方法について説明します。


ステップ 1 [Configuration] > [Remote Access VPN] > [Network (Client) Access] > [AnyConnect Customization/Localization] > [GUI Text and Messages] の順に選択します。[Add] をクリックします。[Add Language Localization Entry] ウィンドウが表示されます(図 6-9)。

図 6-7 英語変換テーブルの追加

 

ステップ 2 [Language] ドロップ リストをクリックし、言語として [English (en)] を指定します。英語の変換テーブルが、ペインの言語リストに表示されます。

ステップ 3 [Edit] をクリックして、メッセージの編集を開始します。[Edit Language Localization Entry] ウィンドウが表示されます(図 6-8)。msgid の引用符で囲まれたテキストは、クライアントに表示されるデフォルトの英語テキストです。変更してはいけません。msgstr の文字列には、msgid のデフォルト テキストを置き換えるために、クライアントで使用されるテキストが含まれます。msgstr の引用符の間に、使用するテキストを挿入します。

次の例では、「Call your network administrator at 800-553-2447」が挿入されています。

図 6-8 メッセージ テキストの編集

 

ステップ 4 [OK] をクリックしてから、[GUI Text and Messages] ペインで [Apply] をクリックして、変更を保存します。


 

AnyConnect クライアントの GUI とインストーラのローカライズ

AnyConnect VPN クライアントまたはクライアント インストーラの表示メッセージは、リモート ユーザが希望する言語に翻訳することができます。


) Altiris Agent などの社内の IT 展開ソフトウェアを使用して AnyConnect クライアントを展開する場合、翻訳できるのはインストーラだけです。クライアントは翻訳できません。セキュリティ アプライアンスからクライアントを展開する場合は、クライアントだけを翻訳できます。


ここでは、この機能の設定について説明し、手順を示します。

「AnyConnect GUI のローカライズ」

「AnyConnect インストーラ画面のローカライズ」

「ツールを使用した社内展開用メッセージ カタログの作成」

「新しい翻訳テンプレートと変換テーブルの統合」

AnyConnect GUI のローカライズ

セキュリティ アプライアンスは、変換テーブルを使用して AnyConnect クライアントに表示されるユーザ メッセージを翻訳します。この変換テーブルは、翻訳されたメッセージ テキストを挿入する文字列が記述されたテキスト ファイルです。Windows 用 AnyConnect クライアント パッケージ ファイルには、AnyConnect メッセージとして使用する、英語の言語テンプレートが含まれています。クライアント イメージをロードすると、セキュリティ アプライアンスによって自動的にこのファイルがインポートされます。このファイルには、メッセージ文字列の最新の変更が含まれています。これを使用すると、別の言語用の変換テーブルを新しく作成できます。

リモート ユーザがセキュリティ アプライアンスに接続してクライアントをダウンロードすると、クライアントはそのコンピュータの設定言語を検出して、該当する変換テーブルを適用します。クライアントは、オペレーティング システムのインストール時に指定されたロケールを検出します。セキュリティ アプライアンスの変換テーブルを更新する場合、クライアントを再起動し、別の接続に成功するまで、変換されたメッセージは更新されません。

Windows の言語オプションの詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.microsoft.com/windowsxp/using/setup/winxp/yourlanguage.mspx
http://www.microsoft.com/globaldev/reference/win2k/setup/changeUI.mspx


) クライアントをセキュリティ アプライアンスから展開せずに、Altiris Agent などの社内のソフトウェア展開システムを使用する場合は、Gettext などのカタログ ユーティリティを使用して、手動で AnyConnect 変換テーブル(anyconnect.po)を a .mo ファイルに変換し、その a .mo ファイルをクライアント コンピュータの適切なフォルダにインストールします。詳細は「ツールを使用した社内展開用メッセージ カタログの作成」を参照してください。


次の項では、GUI テキストを翻訳する 2 つの異なる方法について、詳しい手順を説明します。

「ASDM 変換テーブル エディタを使用した翻訳」

「変換テーブルのエクスポートと編集による翻訳」

ASDM 変換テーブル エディタを使用した翻訳

ここでは、ASDM を使用して AnyConnect クライアント GUI をローカライズする方法について説明します。


ステップ 1 [Configuration] > [Remote Access VPN] > [Language Localization] の順に選択します。[Add] をクリックします。[Add Language Localization Entry] ウィンドウが表示されます(図 6-9)。

図 6-9 [Language Localization] ペイン

 

ステップ 2 [Translation Domain] ドロップ リストをクリックし、[AnyConnect] を選択します(図 6-10)。これによって、AnyConnect GUI 関連のメッセージだけが編集用に表示されます。

図 6-10 翻訳ドメイン

 

ステップ 3 この変換テーブルの言語を指定します(図 6-11)。ASDM では、Windows およびブラウザで認識される標準的な言語略称が、このテーブルで使用されます(スペイン語は es など)。

図 6-11 言語の選択

 

ステップ 4 変換テーブルが、ペインの言語リストに表示されます(この例では es)。ただし、翻訳されたメッセージはありません。翻訳されたテキストの追加を開始するには、[Edit] をクリックします。[Edit Language Localization Entry] ウィンドウが表示されます(図 6-12)。

メッセージ文字列(msgstr)の引用符の間に、翻訳したテキストを追加します。次の例では、メッセージ文字列の引用符の間に「Connectado」(「Connected」のスペイン語)を挿入しています。

[OK] をクリックしてから、[Language Localization] ペインで [Apply]をクリックして変更を保存します。

図 6-12 変換テーブルの編集

 


 

変換テーブルのエクスポートと編集による翻訳

ここでは、AnyConnect 翻訳テンプレートをリモート コンピュータにエクスポートしてから、エディタや、Gettext または Poedit などのサードパーティ製ツールを使用して変換テーブルを編集する手順について説明します。

GNU プロジェクトの Gettext ユーティリティには Windows 版があり、コマンド ウィンドウで実行できます。詳しくは、GNU の Web サイト(gnu.org)を参照してください。また、Poedit などの、Gettext を使用する GUI ベースのユーティリティを使用することもできます。このソフトウェアは poedit.net から入手できます。


ステップ 1 AnyConnect 翻訳テンプレートをエクスポートします。

[Configuration] > [Remote Access VPN] > [Language Localization] の順に選択します。[Language Localization] ペインが表示されます(図 6-13)。[Templates] リンクをクリックすると、利用可能なテンプレートのテーブルが表示されます。[AnyConnect] テンプレートを選択し、[Export] をクリックします。[Export Language Localization] ウィンドウが表示されます。エクスポートの方法を選択し、ファイル名を指定します。図 6-13 では、ファイル名 AnyConnect_translation_table で、ローカル コンピュータにエクスポートしています。

図 6-13 翻訳テンプレートのエクスポート

 

ステップ 2 変換テーブルを編集します。

次の例は、AnyConnect テンプレートの一部を示しています。この出力の最後には、メッセージ Connected のメッセージ ID フィールド(msgid)とメッセージ文字列フィールド(msgstr)があります。このメッセージは、AnyConnect クライアントが VPN 接続を確立したときに、クライアントの GUI に表示されます(テンプレート全体には、メッセージ フィールドのペアが多数含まれています)。

# SOME DESCRIPTIVE TITLE.
# Copyright (C) YEAR THE PACKAGE'S COPYRIGHT HOLDER
# This file is distributed under the same license as the PACKAGE package.
# FIRST AUTHOR <EMAIL@ADDRESS>, YEAR.
#
#, fuzzy
msgid ""
msgstr ""
"Project-Id-Version: PACKAGE VERSION¥n"
"Report-Msgid-Bugs-To: ¥n"
"POT-Creation-Date: 2006-11-01 16:39-0700¥n"
"PO-Revision-Date: YEAR-MO-DA HO:MI+ZONE¥n"
"Last-Translator: FULL NAME <EMAIL@ADDRESS>¥n"
"Language-Team: LANGUAGE <LL@li.org>¥n"
"MIME-Version: 1.0¥n"
"Content-Type: text/plain; charset=CHARSET¥n"
"Content-Transfer-Encoding: 8bit¥n"
 
msgid "Connected"
msgstr ""
 

msgid には、デフォルトの翻訳が記述されています。msgid の後の msgstr が、翻訳を表しています。翻訳を作成するには、翻訳したテキストを、msgstr 文字列の引用符の間に入力します。たとえば、メッセージ「Connected」をスペイン語に翻訳するには、次のように、対応するスペイン語を引用符の間に挿入します。

msgid "Connected"
msgstr "Conectado"
 

ファイルを必ず保存してください。

ステップ 3 この翻訳テンプレートを、指定した言語用の新しい変換テーブルとしてインポートします。

[Configuration] > [Remote Access VPN] > [Language Localization] の順に選択します。[Language Localization] ペインが表示されます(図 6-13)。[Import] をクリックします。[Import Language Localization] ウィンドウが表示されます。

ステップ 4 この変換テーブルの言語を選択します。[Language] ドロップ リストをクリックして、言語とその一般的な略称を表示します。手動で略称を入力する場合は、ブラウザおよびオペレーティング システムが認識できる略称を使用してください。

ステップ 5 [Translation Domain] として AnyConnect を指定し、インポート方法を選択して、ファイル名を指定します。[Import Now] をクリックします。テーブルが正常にインポートされたことを示すメッセージが表示されます。

[Apply] をクリックし、変更を必ず保存してください。

図 6-13 では、言語として [Spanish (es)] を指定し、ステップ 1 でエクスポートしたファイル(AnyConnect_translation_table)をインポートしています。図 6-15 では、AnyConnect の言語リストに、スペイン語用の新しい変換テーブルが表示されています。

図 6-14 新しい変換テーブルとしての翻訳テンプレートのインポート

 

図 6-15 言語テーブルに表示された新しい言語

 


 

AnyConnect インストーラ画面のローカライズ

AnyConnect クライアント GUI と同様に、クライアント インストーラ プログラムに表示されるメッセージを翻訳できます。セキュリティ アプライアンスはトランスフォームを使用して、インストーラに表示されるメッセージを翻訳します。トランスフォームによってインストレーションが変更されますが、元のセキュリティ署名 MSI は変化しません。これらのトランスフォームではインストーラ画面だけが翻訳され、クライアント GUI 画面は翻訳されません。

言語にはそれぞれ独自のトランスフォームがあります。トランスフォームは Orca などのトランスフォーム エディタで編集して、メッセージの文字列を変更できます。その後、トランスフォームをセキュリティ アプライアンスにインポートします。ユーザがクライアントをダウンロードすると、クライアントはコンピュータの目的の言語(オペレーティング システムのインストール時に指定されたロケール)を検出し、該当するトランスフォームを適用します。

現時点では、30 の言語に対応するトランスフォームが用意されています。これらのトランスフォームは、cisco.com の AnyConnect クライアント ソフトウェア ダウンロード ページから、次の .zip ファイルで入手できます。

anyconnect-win-<VERSION>-web-deploy-k9-lang.zip

このファイルの <VERSION> は、AnyConnect のリリース バージョン(2.2.103 など)を表します。

パッケージには使用可能な翻訳用のトランスフォーム(.mst ファイル)が含まれています。用意されている 30 以外の言語をリモート ユーザに表示する必要がある場合は、独自のトランスフォームを作成し、それを新しい言語としてセキュリティ アプライアンスにインポートすることができます。Microsoft のデータベース エディタ Orca を使用して、既存のインストレーションおよび新規ファイルを修正できます。Orca は、Microsoft Windows Installer Software Development Kit(SDK)の一部で、Microsoft Windows SDK に同梱されています。次のリンクから Orca プログラムを含むバンドルを入手できます。

http://msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en-us/msi/setup/orca_exe.asp

SDK をインストールすると、Orca MSI は、次の場所に格納されています。

C:¥Program Files¥Microsoft SDK SP1¥Microsoft Platform SDK¥Bin¥Orca.msi

ここでは、ASDM を使用してトランスフォームをセキュリティ アプライアンスにインポートする方法について説明します。


ステップ 1 トランスフォームをインポートします。[Configuration] > [Remote Access VPN] > [Network (Client) Access] > [AnyConnect Customization/Localization] > [Localized Installer Transforms] の順に選択します。[Import] をクリックします。[Import MST Language Localization] ウィンドウが表示されます(図 6-16)。

図 6-16 インストーラ プログラムを翻訳するトランスフォームのインポート

 

ステップ 2 このトランスフォームの言語を選択します。[Language] ドロップ リストをクリックして、言語とその一般的な略称を表示します。手動で略称を入力する場合は、ブラウザおよびオペレーティング システムが認識できる略称を使用してください。

ステップ 3 [Import Now] をクリックします。テーブルが正常にインポートされたことを示すメッセージが表示されます。

[Apply] をクリックし、変更を必ず保存してください。

図 6-16 では、言語に [Spanish (es)] を指定しています。図 6-17 では、AnyConnect の言語リストに、スペイン語用の新しいトランスフォームが表示されています。

図 6-17 テーブルに表示されたインポート済みのトランスフォーム

 


 

ツールを使用した社内展開用メッセージ カタログの作成

クライアントをセキュリティ アプライアンスから展開せずに、Altiris Agent などの社内のソフトウェア展開システムを使用する場合は、Gettext などのユーティリティを使用して、手動で AnyConnect 変換テーブルをメッセージ カタログに変換できます。テーブルを a .po ファイルから a .mo ファイルに変換後、そのファイルをクライアント コンピュータ上の該当するフォルダに配置します。

Gettext は GNU プロジェクトのユーティリティであり、コマンド ウィンドウで実行できます。詳しくは、GNU の Web サイト(gnu.org)を参照してください。また、Poedit などの、Gettext を使用する GUI ベースのユーティリティを使用することもできます。このソフトウェアは poedit.net から入手できます。

AnyConnect クライアント メッセージのテンプレートは、次のフォルダにあります。

Windows XP:

%ALLUSERSPROFILE%¥Application Data¥Cisco¥Cisco AnyConnect VPN Client¥l10n¥<LANGUAGE-CODE>¥LC_MESSAGES

Windows Vista:

%ALLUSERSPROFILE%¥Cisco¥Cisco AnyConnect VPN Client¥l10n¥
<LANGUAGE-CODE>¥LC_MESSAGES

Mac OS X および Linux:

/opt/cisco/vpn/l10n/<LANGUAGE-CODE>/LC_MESSAGES

Gettext を使用してメッセージ カタログを作成する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 Gettext ユーティリティを http://www.gnu.org/software/gettext/ からダウンロードし、管理用のコンピュータ(リモートのユーザ コンピュータ以外)にインストールします。

ステップ 2 AnyConnect クライアントがインストールされたコンピュータにある、AnyConnect メッセージ テンプレート AnyConnect.po を取得します。

ステップ 3 この AnyConnect.po ファイルを編集し(notepad.exe または任意のプレーン テキスト エディタを使用)、必要に応じて文字列を変更します。

ステップ 4 Gettext のメッセージ ファイル コンパイラを実行して、次のように .po ファイルから .mo ファイルを作成します。

msgfmt -o AnyConnect.mo AnyConnect.po

ステップ 5 .mo ファイルを、ユーザのコンピュータ上の適切なフォルダに格納します。

新しい翻訳テンプレートと変換テーブルの統合

当社では、クライアント接続に関する有用な情報を提供するため、AnyConnect ユーザに表示する新しいメッセージを追加することがあります。そのような新しいメッセージの翻訳を可能にするため、当社で新しいメッセージ文字列を作成し、それを最新のクライアント イメージにパッケージされた翻訳テンプレートに含めてあります。そのため、最新のクライアントにアップグレードすると、新しいメッセージが含まれたテンプレートも入手できます。ただし、前のクライアントに含まれていたテンプレートを基礎に変換テーブルを作成してある場合は、リモート ユーザに新しいメッセージが自動的に表示されるわけではありません。最新のテンプレートを変換テーブルに統合し、変換テーブルに新しいメッセージを含める必要があります。

統合には、便利なサードパーティ製のツールを利用できます。GNU プロジェクトの Gettext ユーティリティには Windows 版があり、コマンド ウィンドウで実行できます。詳しくは、GNU の Web サイト(gnu.org)を参照してください。また、Poedit などの、Gettext を使用する GUI ベースのユーティリティを使用することもできます。このソフトウェアは poedit.net から入手できます。両方の手順を次に示します。


ステップ 1 [Remote Access VPN] > [Language Localization] > [Templates] を選択し、最新の AnyConnect 翻訳テンプレートをエクスポートします。AnyConnect.pot というファイル名で、テンプレートをエクスポートします。このファイル名にすると、msgmerge.exe プログラムからメッセージ カタログ テンプレートとして認識されます。


) この手順は、すでに最新の AnyConnect イメージ パッケージをセキュリティ アプライアンスにロードしてあることが前提になっています。まだロードしていない場合は、テンプレートをエクスポートできません。


ステップ 2 AnyConnect テンプレートおよび変換テーブルを統合します。

Windows 版の Gettext ユーティリティを使用している場合は、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。このコマンドでは、次のように、AnyConnect 変換テーブル(.po)とテンプレート(.pot)が統合され、AnyConnect_merged.po ファイルが新しく作成されます。

msgmerge -o AnyConnect_merged.po AnyConnect.po AnyConnect.pot

このコマンドの実行結果の例を次に示します。

C:¥Program Files¥GnuWin32¥bin> msgmerge -o AnyConnect_merged.po AnyConnect.po AnyConnect.pot
....................................... done.
 

Poedit を使用している場合は、初めに AnyConnect.po ファイルを開きます。それには、[File] > [Open] > <AnyConnect.po> の順に選択します。
次に、[Catalog] > [Update from POT file] > <AnyConnect.pot> の順に選択して、テンプレートと統合します。
新しい文字列と使用されなくなった文字列の両方を示す、[Update Summary] ウィンドウが表示されます。ファイルを保存します。このファイルを次の手順でインポートします。

ステップ 3 [Remote Access VPN] > [Language Localization] から、統合した変換テーブルをインポートします。[Import] をクリックし、言語を指定して、翻訳ドメインとして AnyConnect を選択します。インポートするファイルとして AnyConnect_merged.po を指定します。