Cisco Security Appliance コマンド ライン コンフィギュレーション ガイド Version 7.0(4)
VPN の IP アドレスの設定
VPN の IP アドレスの設定
発行日;2012/01/08 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 5MB) | フィードバック

目次

VPN の IP アドレスの設定

IP アドレスの割り当て方式の設定

ローカル IP アドレス プールの設定

AAA アドレッシングの設定

DHCP アドレッシングの設定

VPN の IP アドレスの設定

この章では、IP アドレスの割り当て方式について説明します。

インターネットワーク接続は、IP アドレスによって可能になります。IP アドレスは、送信者と受信者の両方に接続用の番号が割り当てられている必要があるという点で、電話番号に似ています。ただし、VPN では、実際には 2 セットのアドレスが存在します。最初のセットは、パブリック ネットワーク上でクライアントとサーバを接続します。この接続が確立されると、2 番目のセットが VPN トンネル経由でクライアントとサーバを接続します。

セキュリティ アプライアンスのアドレス管理では、この IP アドレスの 2 番目のセットを扱います。これらのプライベート IP アドレスは、クライアントをトンネル経由でプライベート ネットワーク上のリソースに接続し、プライベート ネットワークに直接接続されているかのようなクライアント機能を提供します。また、ここでは、クライアントに割り当てられたプライベート IP アドレスのみを扱います。プライベート ネットワーク上のその他のリソースに割り当てられた IP アドレスは、VPN 管理ではなく、ネットワーク管理業務の一部に位置づけられます。したがって、ここで IP アドレスに言及する場合は、クライアントをトンネルのエンドポイントとして機能させる、プライベート ネットワークのアドレッシング方式で取得される IP アドレスを意味します。

次の事項について説明します。

「IP アドレスの割り当て方式の設定」

「ローカル IP アドレス プールの設定」

「AAA アドレッシングの設定」

「DHCP アドレッシングの設定」

IP アドレスの割り当て方式の設定

セキュリティ アプライアンスでは、リモートアクセス クライアントに IP アドレスを割り当てる際に、次の 1 つ以上の方式を使用することができます。複数のアドレス割り当て方式を設定すると、セキュリティ アプライアンスは IP アドレスが見つかるまで各オプションを検索します。デフォルトでは、すべての方式がイネーブルになっています。現在のコンフィギュレーションを表示するには、 show running-config all vpn-addr-assign コマンドを入力します。

aaa:ユーザ単位で外部認証サーバからアドレスを取得します。IP アドレスが設定された認証サーバを使用している場合は、この方式を使用することを推奨します。

dhcp:DHCP サーバから IP アドレスを取得します。DHCP を使用する場合は、DHCP サーバを設定する必要があります。また、DHCP サーバで使用可能な IP アドレスの範囲も定義する必要があります。

local:内部アドレス プールを使用します。 内部的に設定されたアドレス プールは、最も設定が簡単なアドレス プール割り当て方式です。local を選択する場合は、 ip-local-pool コマンドを使用して、使用する IP アドレスの範囲も定義する必要があります。

リモートアクセス クライアントへの IP アドレス割り当て方式を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで vpn-addr-assign コマンドを入力します。シンタックスは、vpn-addr-assign {aaa | dhcp | local} です。

ローカル IP アドレス プールの設定

VPN リモートアクセス トンネルに使用する IP アドレス プールを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip local pool コマンドを入力します。アドレス プールを削除するには、このコマンドの no 形式を入力します。

セキュリティ アプライアンスは、該当の接続用のトンネルグループに基づいたアドレス プールを使用します。1 つのトンネルグループに複数のアドレス プールを設定する場合、セキュリティ アプライアンスは設定された順にそれらのプールを使用します。

ローカルでないサブネットのアドレスを割り当てる場合は、そのようなネットワーク用のルートの追加が容易になるように、サブネットの境界を担当するプールを追加することを推奨します。

ローカル アドレス プールのコンフィギュレーションの概要は、次のようになります。

hostname(config)# vpn-addr-assign local
hostname(config)# ip local pool firstpool 10.20.30.40-10.20.30.50 mask 255.255.255.0
hostname(config)

ステップ 1 アドレス割り当て方式として IP アドレス プールを設定するには、 local 引数を指定して vpn-addr-assign コマンドを入力します。

hostname(config)# vpn-addr-assign local
hostname(config)#
 

ステップ 2 アドレス プールを設定するには、 ip local pool コマンドを使用します。 シンタックスは、ip local pool poolname first-address--last-address mask mask です。

次の例では、firstpool という名前の IP アドレス プールを設定しています。開始アドレスは 10.20.30.40 で、終了アドレスは 10.20.30.50 です。ネットワーク マスクは 255.255.255.0 です。

hostname(config)# ip local pool firstpool 10.20.30.40-10.20.30.50 mask 255.255.255.0
hostname(config)
 


 

AAA アドレッシングの設定

AAA サーバを使用して VPN リモートアクセス クライアントにアドレスを割り当てるには、まず AAA サーバまたは AAA サーバ グループを設定する必要があります。『 Cisco Security Appliance Command Reference 』の aaa-server protocol コマンドと、このマニュアルの 第10章「AAA サーバとローカル データベースの設定」 の「 AAA サーバ グループおよびサーバの識別 」を参照してください。

また、ユーザは RADIUS 認証用に設定されたトンネルグループと一致している必要があります。

次の例は、firstgroup という名前のトンネルグループに、RAD2 という AAA サーバ グループを定義する方法を示しています。例の中に 1 つ余分な手順が入っていますが、これは以前にそのトンネルグループに名前を付け、トンネルグループ タイプを定義していた場合のためです。この手順が次の例に記載されているのは、これらの値を設定しない限り、後続の tunnel-group コマンドにアクセスできないので、注意を促すためです。

この例で作成されるコンフィギュレーションの概要は、次のとおりです。

hostname(config)# vpn-addr-assign aaa
hostname(config)# tunnel-group firstgroup type ipsec-ra
hostname(config)# tunnel-group firstgroup general-attributes
hostname(config-general)# authentication-server-group RAD2
 

IP アドレッシング用に AAA を設定するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 アドレス割り当て方式として AAA を設定するには、 aaa 引数を指定して vpn-addr-assign コマンドを入力します。

hostname(config)# vpn-addr-assign aaa
hostname(config)#
 

ステップ 2 firstgroup というトンネルグループをリモートアクセスまたは LAN-to-LAN トンネルグループとして確立するには、 type キーワードを指定して tunnel-group コマンドを入力します。次の例は、リモートアクセス トンネルグループを設定します。

hostname(config)# tunnel-group firstgroup type ipsec-ra
hostname(config)#
 

ステップ 3 一般アトリビュート コンフィギュレーション モードに入り、firstgroup というトンネルグループの AAA サーバ グループを定義するには、 general-attributes 引数を指定して tunnel-group コマンドを入力します。

hostname(config)# tunnel-group firstgroup general-attributes
hostname(config-general)#
 

ステップ 4 認証に使用する AAA サーバ グループを指定するには、 authentication-server-group コマンドを入力します。

hostname(config-general)# authentication-server-group RAD2
hostname(config-general)#
 

このコマンドには、この例で示すより多くの引数があります。詳細については、『 Cisco Security Appliance Command Reference 』を参照してください。


 

DHCP アドレッシングの設定

DHCP を使用して VPN クライアントのアドレスを割り当てるには、まず DHCP サーバ、およびその DHCP サーバで使用可能な IP アドレスの範囲を設定する必要があります。その後、トンネルグループ単位で DHCP サーバを定義します。また、オプションとして、該当のトンネルグループまたはユーザ名に関連付けられたグループポリシー内に、DHCP ネットワーク スコープも定義できます。このスコープは、使用する IP アドレス プールを DHCP サーバに指定するための、IP ネットワーク番号または IP アドレスです。

次の例では、firstgroup という名前のトンネルグループに、IP アドレス 172.33.44.19 の DHCP サーバを定義しています。また、この例では、remotegroup というグループポリシーに対して、192.86.0.0 という DHCP ネットワーク スコープも定義しています(remotegroup というグループポリシーは、firstgroup というトンネルグループに関連付けられています)。ネットワーク スコープを定義しない場合、DHCP サーバはアドレス プールの設定順にプール内を探して IP アドレスを割り当てます。未割り当てのアドレスが見つかるまで、プールが順に検索されます。

次のコンフィギュレーションには、本来不要な手順が含まれています。これらは、以前にそのトンネルグループに名前を付け、トンネルグループ タイプをリモートアクセスとして定義していたり、グループポリシーに名前を付け、内部または外部として指定していた場合のためです。これらの手順が次の例に記載されているのは、これらの値を設定しないない限り、後続の tunnel-group コマンドおよび group-policy コマンドにアクセスできないので、注意を促すためです。

この例で作成されるコンフィギュレーションの概要は、次のとおりです。

hostname(config)# vpn-addr-assign dhcp
hostname(config)# tunnel-group firstgroup type ipsec-ra
hostname(config)# tunnel-group firstgroup general-attributes
hostname(config-general)# dhcp-server 172.33.44.19
hostname(config-general)# exit
hostname(config)# group-policy remotegroup internal
hostname(config)# group-policy remotegroup attributes
hostname(config-group-policy)# dhcp-network-scope 192.86.0.0
 

IP アドレッシング用に DHCP サーバを設定するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 アドレス割り当て方式として DHCP を設定するには、 dhcp 引数を指定して vpn-addr-assign コマンドを入力します。

hostname(config)# vpn-addr-assign dhcp
hostname(config)#
 

ステップ 2 firstgroup というトンネルグループをリモートアクセスまたは LAN-to-LAN トンネルグループとして確立するには、 type キーワードを指定して tunnel-group コマンドを入力します。次の例は、リモートアクセス トンネルグループを設定します。

hostname(config)# tunnel-group firstgroup type ipsec-ra
hostname(config)#
 

ステップ 3 一般アトリビュート コンフィギュレーション モードに入って DHCP サーバを定義するには、 general-attributes 引数を指定して tunnel-group コマンドを入力します。

hostname(config)# tunnel-group firstgroup general-attributes
hostname(config)#
 

ステップ 4 DHCP サーバを定義するには、 dhcp-server コマンドを入力します。次の例では、IP アドレス 172.33.44.19 の DHCP サーバを設定しています。

hostname(config-general)# dhcp-server 172.33.44.19
hostname(config-general)#
 

ステップ 5 トンネルグループ モードを終了します。

hostname(config-general)# exit
hostname(config)#
 

ステップ 6 remotegroup というグループポリシーを、内部的または外部的に設定されたグループとして定義するには、 internal 引数または external 引数を指定して group-policy コマンドを入力します。次の例では、内部グループを設定しています。

hostname(config)# group-policy remotegroup internal
hostname(config)#
 

ステップ 7 (オプション)グループポリシー アトリビュート コンフィギュレーション モードに入り、DHCP サーバで使用する IP アドレスのサブネットワークを設定するには、 attributes キーワードを指定して group-policy コマンドを入力します。

hostname(config)# group-policy remotegroup attributes
hostname(config-group-policy)#
 

ステップ 8 (オプション)remotegroup というグループポリシーのユーザにアドレスを割り当てるために DHCP サーバで使用する IP アドレスの範囲を指定するには、dhcp-network-scope コマンドを入力します。次の例では、192.86.0.0 というネットワーク スコープを設定しています。

hostname(config-group-policy)# dhcp-network-scope 192.86.0.0
hostname(config-group-policy)#