Cisco ASA 5500 シリーズ コンフィギュレーション ガイド(CLI を使用)
ネットワーク オブジェクト NA T の設定
ネットワーク オブジェクト NAT の設定
発行日;2012/02/04 | 英語版ドキュメント(2011/07/15 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 15MB) | フィードバック

目次

ネットワーク オブジェクト NAT の設定

ネットワーク オブジェクト NAT に関する情報

ネットワーク オブジェクト NAT のライセンス要件

ネットワーク オブジェクト NAT の前提条件

ガイドラインと制限事項

ネットワーク オブジェクト NAT の設定

ダイナミック NAT の設定

ダイナミック PAT(隠蔽)の設定

スタティック NAT またはポート変換を設定したスタティック NAT の設定

アイデンティティ NAT の設定

ネットワーク オブジェクト NAT のモニタリング

ネットワーク オブジェクト NAT の設定例

内部 Web サーバへのアクセスの提供(スタティック NAT)

内部ホストの NAT(ダイナミック NAT)および外部 Web サーバの NAT(スタティック NAT)

複数のマッピング アドレス(スタティック NAT、1 対多)を持つ内部ロード バランサ

FTP、HTTP、および SMTP の単一アドレス(ポート変換を設定したスタティック NAT)

マッピング インターフェイス上の DNS サーバ、実際のインターフェイス上の Web サーバ(DNS 修正を設定したスタティック NAT)

マッピング インターフェイス上の DNS サーバおよび Web サーバ、Web サーバが変換される(DNS 修正を設定したスタティック NAT)

ネットワーク オブジェクト NAT の機能履歴

ネットワーク オブジェクト NAT の設定

ネットワーク オブジェクトのパラメータとして設定されているすべての NAT 規則は、 ネットワーク オブジェクト NAT 規則と見なされます。ネットワーク オブジェクト NAT は、1 つの IP アドレス、アドレスの範囲、またはサブネットであるネットワーク オブジェクトの NAT を設定するための迅速かつ容易な方法です。ネットワーク オブジェクトを設定したら、このオブジェクトのマッピング アドレスを識別できます。

この章では、ネットワーク オブジェクト NAT を設定する方法について説明します。この章は、次の項で構成されています。

「ネットワーク オブジェクト NAT に関する情報」

「ネットワーク オブジェクト NAT のライセンス要件」

「ネットワーク オブジェクト NAT の前提条件」

「ガイドラインと制限事項」

「ネットワーク オブジェクト NAT の設定」

「ネットワーク オブジェクト NAT のモニタリング」

「ネットワーク オブジェクト NAT の設定例」

「ネットワーク オブジェクト NAT の機能履歴」


) NAT の機能の詳細については、「NAT に関する情報」を参照してください。


ネットワーク オブジェクト NAT に関する情報

パケットが適応型セキュリティ アプライアンスに入ると、送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスの両方がネットワーク オブジェクト NAT 規則と照合されます。個別の照合が行われる場合、パケット内の送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスは、個別の規則によって変換できます。これらの規則は、相互に結び付けられていません。トラフィックに応じて、異なる組み合わせの規則を使用できます。

規則がペアになることはありません。したがって、宛先 X に向かう場合は送信元アドレスが A と変換され、宛先 Y に向かう場合は B と変換されるように指定することはできません。この種の機能には、Twice NAT を使用します(Twice NAT を使用すると、1 つの規則で送信元アドレスおよび宛先アドレスを識別できます)。

Twice NAT とネットワーク オブジェクト NAT の違いの詳細については、「NAT の実装方法」を参照してください。

ネットワーク オブジェクト NAT 規則は、NAT 規則テーブルのセクション 2 に追加されます。NAT の順序の詳細については、「NAT 規則の順序」を参照してください。

ネットワーク オブジェクト NAT のライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

モデル
ライセンス要件

すべてのモデル

基本ライセンス

ネットワーク オブジェクト NAT の前提条件

コンフィギュレーションによって、必要に応じてマッピング アドレスをインラインに設定するか、マッピング アドレスのネットワーク オブジェクトまたはネットワーク オブジェクト グループを作成できます( object network コマンドまたは object-group network コマンド)。ネットワーク オブジェクト グループは、非連続的な IP アドレス範囲または複数のホストやサブネットで構成されるマッピング アドレスを作成する場合に特に便利です。ネットワーク オブジェクトまたはグループを作成するには、「オブジェクトとグループの設定」を参照してください。

オブジェクトおよびグループに関する特定のガイドラインについては、設定する NAT タイプの設定の項を参照してください。「ガイドラインと制限事項」の項も参照してください。

ガイドラインと制限事項

この項では、この機能のガイドラインと制限事項について説明します。

コンテキスト モードのガイドライン

シングルコンテキスト モードとマルチコンテキスト モードでサポートされています。

ファイアウォール モードのガイドライン

ルーテッド ファイアウォール モードと透過ファイアウォール モードでサポートされています。

トランスペアレント モードでは、実際のインターフェイスおよびマッピング インターフェイスを指定する必要があります。 any は使用できません。

トランスペアレント モードでは、インターフェイス PAT を設定できません。トランスペアレント モードのインターフェイスには、IP アドレスが設定されていないためです。管理 IP アドレスもマッピング アドレスとして使用できません。

IPv6 のガイドライン

IPv6 はサポートされません。

追加のガイドライン

NAT コンフィギュレーションを変更したときに、既存の変換がタイムアウトするまで待機せずに新しい NAT 情報を使用する必要がある場合は、 clear xlate コマンドを使用して変換テーブルを消去できます。ただし、変換テーブルを消去すると、変換を使用している現在の接続がすべて切断されます。


) ダイナミック NAT または PAT 規則を削除し、次に削除した規則に含まれるアドレスと重複するマッピング アドレスを含む新しい規則を追加すると、新しい規則は、削除された規則に関連付けられたすべての接続がタイムアウトするか、clear xlate コマンドを使用してクリアされるまで使用されません。この予防手段のおかげで、同じアドレスが複数のホストに割り当てられないようにできます。


NAT で使用されるオブジェクトおよびオブジェクト グループを未定義にすることはできません。IP アドレスを含める必要があります。

マッピング IP アドレス プールは、次のアドレスを含むことができません。

マッピング インターフェイスの IP アドレス。規則に any インターフェイスを指定すると、すべてのインターフェイスの IP アドレスが拒否されます。インターフェイス PAT(ルーテッド モードのみ)では、IP アドレスではなく、 interface キーワードを使用します。

(トランスペアレント モード)管理 IP アドレス。

(ダイナミック NAT)VPN がイネーブルの場合は、スタンバイ インターフェイスの IP アドレス。

既存の VPN プールのアドレス。

ネットワーク オブジェクト NAT の設定

この項では、ネットワーク オブジェクト NAT を設定して、ダイナミック NAT、ダイナミック PAT、スタティック NAT、ポート変換を設定したスタティック NAT、およびアイデンティティ NAT の規則を作成する方法について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「ダイナミック NAT の設定」

「ダイナミック PAT(隠蔽)の設定」

「スタティック NAT またはポート変換を設定したスタティック NAT の設定」

「アイデンティティ NAT の設定」

ダイナミック NAT の設定

この項では、ネットワーク オブジェクト NAT を使用してダイナミック NAT を設定する方法について説明します。詳細については、「ダイナミック NAT」を参照してください。

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

ネットワーク オブジェクト:

object network obj_name

range ip_address_1 ip_address_2

 

ネットワーク オブジェクト グループ:

object-group network grp_name

{ network-object { object net_obj_name | host ip_address } | group-object grp_obj_name }
 
 

hostname(config)# object network TEST

hostname(config-network-object)# range 10.1.1.1 10.1.1.70

 

hostname(config)# object network TEST2

hostname(config-network-object)# range 10.1.2.1 10.1.2.70

 

hostname(config-network-object)# object-group network MAPPED_IPS

hostname(config-network)# network-object object TEST

hostname(config-network)# network-object object TEST2

hostname(config-network)# network-object host 10.1.2.79

(変換先である)マッピング アドレスを指定するには、ネットワーク オブジェクトまたはネットワーク オブジェクト グループを設定します。ネットワーク オブジェクト グループは、オブジェクトまたはインライン アドレス、あるいはその両方を含むことができます。

必要に応じて、別のダイナミック NAT 規則とこのマッピング オブジェクトを共有できます。

拒否されるマッピング IP アドレスについては、「ガイドラインと制限事項」を参照してください。

詳細については、「オブジェクトの設定」を参照してください。

ステップ 2

object network obj_name

 

hostname(config)# object network my-host-obj1

NAT を設定するネットワーク オブジェクトを設定するか、既存のネットワーク オブジェクトについてオブジェクト ネットワーク コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

{ host ip_address | subnet subnet_address netmask | range ip_address_1 ip_address_2 }

 

hostname(config-network-object)# subnet 10.1.1.0 255.255.255.0

新しいネットワーク オブジェクトを作成している場合、変換する実際の IP アドレスを定義します。

ステップ 4

nat [ ( real_ifc , mapped_ifc ) ] dynamic mapped_obj [ interface ] [ dns ]

 

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) dynamic MAPPED_IPS interface

オブジェクト IP アドレスのダイナミック NAT を設定します。次のガイドラインを参照してください。

インターフェイス:実際のインターフェイスおよびマッピング インターフェイスを指定しない場合、すべてのインターフェイスが使用されます。1 つまたは両方のインターフェイスに any キーワードを指定することもできます。コマンドには、丸カッコを含める必要があります。

マッピング IP アドレス:次のものとしてマッピング IP アドレスを指定します。

既存のネットワーク オブジェクト(ステップ 1 を参照)

既存のネットワーク オブジェクト グループ(ステップ 1 を参照)

(注) このマッピング オブジェクトは、必要に応じて、別のダイナミック NAT 規則と共有できます。

インターフェイス PAT フォールバック:マッピング オブジェクトまたはグループの後ろに interface キーワードを指定すると、マッピング インターフェイスの IP アドレスは、その他すべてのマッピング アドレスがすでに割り当てられている場合に限り使用されます。このオプションでは、 mapped_ifc に特定のインターフェイスを設定する必要があります(トランスペアレント モードでは、 interface を指定できません)。

DNS: dns キーワードは、DNS 応答を変換します。DNS 検査がイネーブルになっていることを確認してください(デフォルトではイネーブルです)。詳細については、「DNS および NAT」を参照してください。

 

次の例では、外部アドレスの範囲(2.2.2.1 ~ 2.2.2.10)の背後に 192.168.2.0 ネットワークを隠蔽するダイナミック NAT を設定します。

hostname(config)# object network my-range-obj
hostname(config-network-object)# range 2.2.2.1 2.2.2.10
hostname(config)# object network my-inside-net
hostname(config-network-object)# subnet 192.168.2.0 255.255.255.0
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) dynamic my-range-obj
 

次の例では、ダイナミック PAT バックアップを設定したダイナミック NAT を設定します。ネットワーク 10.76.11.0 内のホストは、まず nat-range1 プール(10.10.10.10 ~ 10.10.10.20)にマッピングされます。nat-range1 プール内のすべてのアドレスが割り当てられたら、pat-ip1 アドレス(10.10.10.21)を使用してダイナミック PAT が実行されます。PAT 変換もすべて使用されることはほとんどありませんが、このような場合には、外部インターフェイス アドレスを使用してダイナミック PAT が実行されます。

hostname(config)# object network nat-range1
hostname(config-network-object)# range 10.10.10.10 10.10.10.20
 
hostname(config-network-object)# object network pat-ip1
hostname(config-network-object)# host 10.10.10.21
 
hostname(config-network-object)# object-group network nat-pat-grp
hostname(config-network-object)# network-object object nat-range1
hostname(config-network-object)# network-object object pat-ip1
 
hostname(config-network-object)# object network my_net_obj5
hostname(config-network-object)# subnet 10.76.11.0 255.255.255.0
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) dynamic nat-pat-grp interface
 

ダイナミック PAT(隠蔽)の設定

この項では、ネットワーク オブジェクト PAT を使用してダイナミック NAT(隠蔽)規則を設定する方法について説明します。詳細については、「ダイナミック PAT」を参照してください。

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

(オプション)

object network obj_name

host ip_address
 
 

hostname(config)# object network MAPPED_IP

hostname(config-network-object)# host 10.1.1.1

(変換先である)マッピング アドレスを指定するには、ネットワーク オブジェクトを設定します。または、 nat コマンドのインライン値として IP アドレスを入力できます。

(注) このマッピング オブジェクトは、必要に応じて、別のダイナミック PAT 規則と共有できます。

拒否されるマッピング IP アドレスについては、「ガイドラインと制限事項」を参照してください。

詳細については、「オブジェクトの設定」を参照してください。

ステップ 2

object network obj_name

 

hostname(config)# object network my-host-obj1

NAT を設定するネットワーク オブジェクトを設定するか、既存のネットワーク オブジェクトについてオブジェクト ネットワーク コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

{ host ip_address | subnet subnet_address netmask | range ip_address_1 ip_address_2 }

 

hostname(config-network-object)# range 10.1.1.1 10.1.1.90

新しいネットワーク オブジェクトを作成している場合、変換する実際の IP アドレスを定義します。

ステップ 4

nat [ ( real_ifc , mapped_ifc ) ] dynamic { mapped_inline_host_ip | mapped_obj | interface } [ dns ]

 

hostname(config-network-object)# nat (any,outside) dynamic interface

オブジェクト IP アドレスのダイナミック PAT を設定します。次のガイドラインを参照してください。

インターフェイス:実際のインターフェイスおよびマッピング インターフェイスを指定しない場合、すべてのインターフェイスが使用されます。1 つまたは両方のインターフェイスに any キーワードを指定することもできます。コマンドには、丸カッコを含める必要があります。

マッピング IP アドレス:マッピング IP アドレスを次のものとして指定できます。

インライン ホスト アドレス。

ホスト アドレスとして定義される既存のネットワーク オブジェクト(ステップ 1を参照)。

interface :(ルーテッド モードのみ)マッピング インターフェイスの IP アドレスは、マッピング アドレスとして使用されます。このオプションでは、 mapped_ifc に特定のインターフェイスを設定する必要があります。このキーワードは、インターフェイスの IP アドレスを使用するときに使用する必要があります。インラインで、またはオブジェクトとして入力することはできません。

(注) このマッピング IP アドレスは、必要に応じて、別のダイナミック PAT 規則と共有できます。

DNS: dns キーワードは、DNS 応答を変換します。DNS 検査がイネーブルになっていることを確認してください(デフォルトではイネーブルです)。詳細については、「DNS および NAT」を参照してください。

 

 

次の例では、アドレス 2.2.2.2 の背後に 192.168.2.0 ネットワークを隠蔽するダイナミック PAT を設定します。

hostname(config)# object network my-inside-net
hostname(config-network-object)# subnet 192.168.2.0 255.255.255.0
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) dynamic 2.2.2.2
 

次の例では、外部インターフェイス アドレスの背後に 192.168.2.0 ネットワークを隠蔽するダイナミック PAT を設定します。

hostname(config)# object network my-inside-net
hostname(config-network-object)# subnet 192.168.2.0 255.255.255.0
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) dynamic interface
 

スタティック NAT またはポート変換を設定したスタティック NAT の設定

この項では、ネットワーク オブジェクト NAT を使用してスタティック NAT 規則を設定する方法について説明します。詳細については、「スタティック NAT」を参照してください。

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

(オプション)

ネットワーク オブジェクト:

object network obj_name

{ host ip_address | subnet subnet_address netmask | range ip_address_1 ip_address_2 }

 

ネットワーク オブジェクト グループ:

object-group network grp_name

{ network-object { object net_obj_name | subnet_address netmask | host ip_address } | group-object grp_obj_name }
 
 

hostname(config)# object network MAPPED_IPS

hostname(config-network-object)# subnet 10.1.1.0 255.255.255.0

(変換先である)マッピング アドレスを指定するには、ネットワーク オブジェクトまたはネットワーク オブジェクト グループを設定します。ネットワーク オブジェクト グループは、オブジェクトまたはインライン アドレス、あるいはその両方を含むことができます。

拒否されるマッピング IP アドレスについては、「ガイドラインと制限事項」を参照してください。

詳細については、「オブジェクトの設定」を参照してください。

ステップ 2

object network obj_name

 

hostname(config)# object network my-host-obj1

NAT を設定するネットワーク オブジェクトを設定するか、既存のネットワーク オブジェクトについてオブジェクト ネットワーク コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

{ host ip_address | subnet subnet_address netmask | range ip_address_1 ip_address_2 }

 

hostname(config-network-object)# subnet 10.2.1.0 255.255.255.0

新しいネットワーク オブジェクトを作成している場合、変換する実際の IP アドレスを定義します。

ステップ 4

nat [ ( real_ifc , mapped_ifc ) ] static { mapped_inline_ip | mapped_obj | interface } [ dns | service { tcp | udp } real_port mapped_port ]

 

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static MAPPED_IPS service tcp 80 8080

オブジェクト IP アドレスのスタティック NAT を設定します。次のガイドラインを参照してください。

インターフェイス:実際のインターフェイスおよびマッピング インターフェイスを指定しない場合、すべてのインターフェイスが使用されます。1 つまたは両方のインターフェイスに any キーワードを指定することもできます。コマンドには、丸カッコを含める必要があります。

マッピング IP アドレス:マッピング IP アドレスを次のものとして指定できます。

インライン IP アドレス。マッピング ネットワークのネットマスクまたは範囲は、実際のネットワークと同じです。たとえば、実際のネットワークがホストの場合、このアドレスは、ホスト アドレスです。範囲の場合、マッピング アドレスには、実際の範囲と同じ数のアドレスが含まれます。たとえば、実際のアドレスが 10.1.1.1 ~ 10.1.1.6 の範囲として定義され、172.20.1.1 をマッピング アドレスとして指定する場合、マッピング範囲には、172.20.1.1 ~ 172.20.1.6 が含まれます。

既存のネットワーク オブジェクト(ステップ 1 を参照)

既存のネットワーク オブジェクト グループ(ステップ 1 を参照)

インターフェイス :(ポート変換を設定したスタティック NAT のみ)このオプションでは、 mapped_ifc に特定のインターフェイスを設定する必要があります。 service キーワードも必ず設定します(トランスペアレント モードでは、 interface を指定できません)。

通常、1 対 1 のマッピングでは、実際のアドレスと同じ数のマッピング アドレスを設定します。しかし、アドレスの数が一致しない場合もあります。詳細については、「スタティック NAT」を参照してください。

DNS: dns キーワードは、DNS 応答を変換します。DNS 検査がイネーブルになっていることを確認してください(デフォルトではイネーブルです)。詳細については、「DNS および NAT」を参照してください。 service キーワードを指定した場合、このオプションは使用できません

(ポート変換を設定したスタティック NAT のみ)ポート変換: tcp または udp および実際のマッピング ポートを指定します。ポート番号または予約済みポートの名前( ftp など)のいずれかを入力できます。

 

 

次の例では、DNS リライトをイネーブルにした状態で、内部の実際のホスト 1.1.1.1 のスタティック NAT を外部の 2.2.2.2 に設定します。

hostname(config)# object network my-host-obj1
hostname(config-network-object)# host 1.1.1.1
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static 2.2.2.2 dns
 

次の例では、内部の実際のホスト 1.1.1.1 のスタティック NAT を外部の 2.2.2.2 に、マッピング オブジェクトを使って設定します。

hostname(config)# object network my-mapped-obj
hostname(config-network-object)# host 2.2.2.2
 
hostname(config-network-object)# object network my-host-obj1
hostname(config-network-object)# host 1.1.1.1
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static my-mapped-obj
 

次の例では、TCP ポート 21 で 1.1.1.1 のポート変換が設定されたスタティック NAT をポート 2121 で外部インターフェイスに設定します。

hostname(config)# object network my-ftp-server
hostname(config-network-object)# host 1.1.1.1
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static interface service tcp 21 2121
 

アイデンティティ NAT の設定

この項では、ネットワーク オブジェクト NAT を使用してアイデンティティ NAT 規則を設定する方法について説明します。詳細については、「アイデンティティ NAT」を参照してください。

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

(オプション)

object network obj_name

{ host ip_address | subnet subnet_address netmask | range ip_address_1 ip_address_2 }
 
 

hostname(config)# object network MAPPED_IPS

hostname(config-network-object)# subnet 10.1.1.0 255.255.255.0

(実際のアドレスと同じ)マッピング アドレスについて、ネットワーク オブジェクトを設定します。

詳細については、「オブジェクトの設定」を参照してください。

ステップ 2

object network obj_name

 

hostname(config)# object network my-host-obj1

アイデンティティ NAT を実行するネットワーク オブジェクトを設定するか、既存のネットワーク オブジェクトについてオブジェクト ネットワーク コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

{ host ip_address | subnet subnet_address netmask | range ip_address_1 ip_address_2 }

 

hostname(config-network-object)# subnet 10.1.1.0 255.255.255.0

新しいネットワーク オブジェクトを作成している場合、アイデンティティ NAT を実行する実際の IP アドレスを定義します。

ステップ 4

nat [ ( real_ifc , mapped_ifc ) ] static { mapped_inline_ip | mapped_obj }

 

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static MAPPED_IPS

オブジェクト IP アドレスのアイデンティティ NAT を設定します。次のガイドラインを参照してください。

実際のインターフェイスおよびマッピング インターフェイスを指定しない場合、すべてのインターフェイスが使用されます。1 つまたは両方のインターフェイスに any キーワードを指定することもできます。コマンドには、丸カッコを含める必要があります。

マッピング アドレスと実際のアドレスの両方に同じ IP アドレスを設定してください。通常、インライン アドレスとしてアドレスを入力しますが、同じ IP アドレスが定義された第 2 のネットワーク オブジェクトを作成し、このオブジェクトを使用できます(ステップ 1を参照)。

 

次の例では、インラインのマッピング アドレスを使用して、ホスト アドレスを自身にマッピングします。

hostname(config)# object network my-host-obj1

hostname(config-network-object)# host 10.1.1.1

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static 10.1.1.1

 

次の例では、ネットワーク オブジェクトを使用して、ホスト アドレスを自身にマッピングします。

hostname(config)# object network my-host-obj1-identity

hostname(config-network-object)# host 10.1.1.1

 

hostname(config-network-object)# object network my-host-obj1

hostname(config-network-object)# host 10.1.1.1

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static my-host-obj1-identity

 

ネットワーク オブジェクト NAT のモニタリング

オブジェクト NAT をモニタするには、次のいずれかのコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

show nat

各 NAT 規則のヒットを含む NAT の統計情報を表示します。

show nat pool

割り当てられたアドレスとホスト、および割り当て回数を含む、NAT プールの統計情報を表示します。

show running-config nat

NAT コンフィギュレーションを表示します。

コマンドが定義される場所で表示されます。このコマンド出力によって、オブジェクト、オブジェクト グループ、NAT の順に定義されることが保証されます。次に例を示します。

hostname# show running-config
...
object network obj1
range 192.168.49.1 192.150.49.100
object network obj2
object 192.168.49.100
object network network-1
subnet <network-1>
object network network-2
subnet <network-2>
object-group network pool
network-object object obj1
network-object object obj2
...
object network network-1
nat (inside,outside) dynamic pool
object network network-2
nat (inside,outside) dynamic pool

show xlate

現在の NAT セッション情報を表示します。

ネットワーク オブジェクト NAT の設定例

この項では、次の設定例を示します。

「内部 Web サーバへのアクセスの提供(スタティック NAT)」

「内部ホストの NAT(ダイナミック NAT)および外部 Web サーバの NAT(スタティック NAT)」

「複数のマッピング アドレス(スタティック NAT、1 対多)を持つ内部ロード バランサ」

「FTP、HTTP、および SMTP の単一アドレス(ポート変換を設定したスタティック NAT)」

「マッピング インターフェイス上の DNS サーバ、実際のインターフェイス上の Web サーバ(DNS 修正を設定したスタティック NAT)」

「マッピング インターフェイス上の DNS サーバおよび Web サーバ、Web サーバが変換される(DNS 修正を設定したスタティック NAT)」

内部 Web サーバへのアクセスの提供(スタティック NAT)

次の例では、内部 Web サーバに対してスタティック NAT を実行します。実際のアドレスはプライベート ネットワーク上にあるので、パブリック アドレスが必要です。スタティック NAT は、固定アドレスにある Web サーバへのトラフィックをホストが開始できるようにするために必要です(図 26-1 を参照)。

図 26-1 内部 Web サーバのスタティック NAT

 

ステップ 1 内部 Web サーバのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network myWebServ
 

ステップ 2 Web サーバのアドレスを定義します。

hostname(config-network-object)# host 10.1.2.27
 

ステップ 3 オブジェクトのスタティック NAT を設定します。

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static 209.165.201.10
 


 

内部ホストの NAT(ダイナミック NAT)および外部 Web サーバの NAT(スタティック NAT)

次の例では、プライベート ネットワーク上の内部 ユーザが外部にアクセスする場合、このユーザにダイナミック NAT を設定します。また、内部ユーザが外部 Web サーバに接続する場合、この Web サーバのアドレスが内部ネットワークに存在するように見えるアドレスに変換されます(図 26-2 を参照)。

図 26-2 内部のダイナミック NAT、外部 Web サーバのスタティック NAT

 


ステップ 1 内部アドレスに変換するダイナミック NAT プールのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network myNatPool
hostname(config-network-object)# range 209.165.201.20 209.165.201.30
 

ステップ 2 内部ネットワークのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network myInsNet
hostname(config-network-object)# subnet 10.1.2.0 255.255.255.0
 

ステップ 3 内部ネットワークのダイナミック NAT をイネーブルにします。

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) dynamic myNatPool
 

ステップ 4 外部 Web サーバのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network myWebServ
 

ステップ 5 Web サーバのアドレスを定義します。

hostname(config-network-object)# host 209.165.201.12
 

ステップ 6 Web サーバのスタティック NAT を設定します。

hostname(config-network-object)# nat (outside,inside) static 10.1.2.20
 


 

複数のマッピング アドレス(スタティック NAT、1 対多)を持つ内部ロード バランサ

次の例では、複数の IP アドレスに変換される内部ロード バランサを示しています。外部ホストがマッピング IP アドレスの 1 つにアクセスする場合、1 つのロード バランサのアドレスには変換されません。要求される URL に応じて、トラフィックを正しい Web サーバにリダイレクトします。(図 26-3 を参照)。

図 26-3 内部ロード バランサのスタティック NAT(1 対 多)

 


ステップ 1 ロード バランサをマッピングするアドレスのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network myPublicIPs
hostname(config-network-object)# range 209.165.201.3 209.265.201.8
 

ステップ 2 ロード バランサのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network myLBHost
 

ステップ 3 ロード バランサのアドレスを定義します。

hostname(config-network-object)# host 10.1.2.27
 

ステップ 4 ロード バランサのスタティック NAT を設定します。

hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static myPublicIPs
 


 

FTP、HTTP、および SMTP の単一アドレス(ポート変換を設定したスタティック NAT)

次のポート変換を設定したスタティック NAT の例では、リモート ユーザが FTP、HTTP、および SMTP にアクセスするための単一のアドレスを提供します。実際にはこれらのサーバは、実際のネットワーク上の異なるデバイスですが、各サーバに対して、異なるポートでも同じマッピング IP アドレスを使用するというポート変換規則を設定したスタティック NAT を指定できます(図 26-4 を参照)。

図 26-4 ポート変換を設定したスタティック NAT

 


ステップ 1 FTP サーバ アドレスのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network FTP_SERVER
 

ステップ 2 FTP サーバのアドレスを定義し、アイデンティティ ポート変換を設定したスタティック NAT を FTP サーバに設定します。

hostname(config-network-object)# host 10.1.2.27
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static 209.165.201.3 service tcp ftp ftp
 

ステップ 3 HTTP サーバ アドレスのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network HTTP_SERVER
 

ステップ 4 HTTP サーバのアドレスを定義し、アイデンティティ ポート変換を設定したスタティック NAT を HTTP サーバに設定します。

hostname(config-network-object)# host 10.1.2.28
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static 209.165.201.3 service tcp http http
 

ステップ 5 SMTP サーバ アドレスのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network SMTP_SERVER
 

ステップ 6 SMTP サーバのアドレスを定義し、アイデンティティ ポート変換を設定したスタティック NAT を SMTP サーバに設定します。

hostname(config-network-object)# host 10.1.2.29
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static 209.165.201.3 service tcp smtp smtp
 


 

マッピング インターフェイス上の DNS サーバ、実際のインターフェイス上の Web サーバ(DNS 修正を設定したスタティック NAT)

たとえば、DNS サーバが外部インターフェイスからアクセス可能であるとします。ftp.cisco.com というサーバが内部インターフェイス上にあります。ftp.cisco.com の実際のアドレス(10.1.3.14)を、外部ネットワーク上で可視のマッピング アドレス(209.165.201.10)にスタティックに変換するように、適応型セキュリティ アプライアンスを設定します(図 26-5 を参照)。この場合、このスタティック規則で DNS 応答修正をイネーブルにする必要があります。これにより、実際のアドレスを使用して ftp.cisco.com にアクセスすることを許可されている内部ユーザは、マッピング アドレスではなく実際のアドレスを DNS サーバから受信できるようになります。

内部ホストが ftp.cisco.com のアドレスを求める DNS 要求を送信すると、DNS サーバは応答でマッピング アドレス(209.165.201.10)を示します。適応型セキュリティ アプライアンスは、内部サーバのスタティック規則を参照し、DNS 応答内のアドレスを 10.1.3.14 に変換します。DNS 応答修正をイネーブルにしない場合、内部ホストは ftp.cisco.com に直接アクセスする代わりに、209.165.201.10 にトラフィックを送信することを試みます。

図 26-5 DNS 応答修正

 


ステップ 1 FTP サーバ アドレスのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network FTP_SERVER
 

ステップ 2 FTP サーバのアドレスを定義し、DNS 修正を設定したスタティック NAT を設定します。

hostname(config-network-object)# host 10.1.3.14
hostname(config-network-object)# nat (inside,outside) static 209.165.201.10 dns
 


 

マッピング インターフェイス上の DNS サーバおよび Web サーバ、Web サーバが変換される(DNS 修正を設定したスタティック NAT)

図 26-6 に、外部の Web サーバと DNS サーバを示します。適応型セキュリティ アプライアンスには、外部サーバ用のスタティック変換があります。この場合、ftp.cisco.com のアドレスを DNS サーバに要求すると、DNS サーバは応答で実際のアドレス 209.165.20.10 を示します。ftp.cisco.com のマッピング アドレス(10.1.2.56)が内部ユーザによって使用されるようにするには、スタティック変換に対して DNS 応答修正を設定する必要があります。

図 26-6 外部 NAT を使用する DNS 応答修正

 


ステップ 1 FTP サーバ アドレスのネットワーク オブジェクトを作成します。

hostname(config)# object network FTP_SERVER
 

ステップ 2 FTP サーバのアドレスを定義し、DNS 修正を設定したスタティック NAT を設定します。

hostname(config-network-object)# host 209.165.201.10
hostname(config-network-object)# nat (outside,inside) static 10.1.2.56 dns
 


 

ネットワーク オブジェクト NAT の機能履歴

表 26-1 に、各機能変更と、それが実装されたプラットフォーム リリースを示します。

 

表 26-1 ネットワーク オブジェクト NAT の機能履歴

機能名
プラットフォーム リリース
機能情報

ネットワーク オブジェクト NAT

8.3(1)

ネットワーク オブジェクトの IP アドレスの NAT を設定します。

nat (オブジェクト ネットワーク コンフィギュレーション モード)、 show nat show xlate show nat pool コマンドが導入または変更されました。