Cisco ASA 5500 シリーズ コンフィギュレーション ガイド(CLI8.2 を使用)
音声とビデオのプロトコルの検査の設定
音声とビデオのプロトコルの検査の設定
発行日;2012/02/01 | 英語版ドキュメント(2011/09/19 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 21MB) | フィードバック

目次

音声とビデオのプロトコルの検査の設定

CTIQBE 検査

CTIQBE 検査の概要

制限事項

CTIQBE 検査の確認と監視

H.323 検査

H.323 検査の概要

H.323 の動作

H.245 メッセージでの H.239 のサポート

制限事項

検査制御を追加するための H.323 検査ポリシーマップの設定

H.323 および H.225 タイムアウト値の設定

H.323 検査の確認と監視

H.225 セッションの監視

H.245 セッションの監視

H.323 RAS セッションの監視

MGCP 検査

MGCP 検査の概要

検査制御を追加するための MGCP 検査ポリシーマップの設定

MGCP タイムアウト値の設定

MGCP 検査の確認と監視

RTSP 検査

RTSP 検査の概要

RealPlayer の使用

制限事項

検査制御を追加するための RTSP 検査ポリシーマップの設定

SIP 検査

SIP 検査の概要

SIP インスタント メッセージ

検査制御を追加するための SIP 検査ポリシーマップの設定

SIP タイムアウト値の設定

SIP 検査の確認と監視

Skinny(SCCP)検査

SCCP 検査の概要

Cisco IP Phone のサポート

制限事項

検査制御を追加するための Skinny(SCCP)検査ポリシーマップの設定

SCCP 検査の確認と監視

音声とビデオのプロトコルの検査の設定

この章では、アプリケーション レイヤ プロトコル検査を設定する方法について説明します。検査エンジンは、ユーザのデータ パケット内に IP アドレッシング情報を埋め込むサービスや、ダイナミックに割り当てられるポート上でセカンダリ チャネルを開くサービスに必要です。これらのプロトコルでは、高速パスでパケットを渡すのではなく、適応型セキュリティ アプライアンスで詳細なパケット検査を行う必要があります。そのため、検査エンジンがスループット全体に影響を与えることがあります。

適応型セキュリティ アプライアンスでは、デフォルトでいくつかの一般的な検査エンジンがイネーブルになっていますが、ネットワークによっては他の検査エンジンをイネーブルにしなければならない場合があります。この章には、次の項があります。

「CTIQBE 検査」

「H.323 検査」

「MGCP 検査」

「RTSP 検査」

「SIP 検査」

「Skinny(SCCP)検査」

CTIQBE 検査

この項では、CTIQBE アプリケーション検査について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「CTIQBE 検査の概要」

「制限事項」

「CTIQBE 検査の確認と監視」

CTIQBE 検査の概要

CTIQBE プロトコル検査は、Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)、Port Address Translation(PAT; ポート アドレス交換)、および双方向 NAT をサポートします。これによって、Cisco IP SoftPhone と他の Cisco TAPI/JTAPI アプリケーションが Cisco CallManager と連動し、 適応型セキュリティ アプライアンス を越えてコール セットアップを行えるようになります。

TAPI と JTAPI は、多くの Cisco VoIP アプリケーションで使用されます。CTIQBE は、Cisco TSP が Cisco CallManager と通信するために使用されます。

制限事項

CTIQBE アプリケーション検査の使用時に適用される制限を次にまとめます。

CTIQBE アプリケーション検査は、alias コマンドを使用するコンフィギュレーションをサポートしません。

CTIQBE コールのステートフル フェールオーバーはサポートされていません。

debug ctiqbe コマンドを入力すると、メッセージの伝送が遅れる場合があり、リアルタイム環境のパフォーマンスに影響することがあります。このデバッグまたはログをイネーブルにし、適応型セキュリティ アプライアンスを介して Cisco IP SoftPhone でコール セットアップを完了できない場合は、Cisco IP SoftPhone の動作するシステムで Cisco TSP 設定のタイムアウト値を増やしてください。

次に、CTIQBE アプリケーション検査を特定の事例で使用する際に、特別に注意が必要な事項をまとめます。

2 つの Cisco IP SoftPhone が異なる Cisco CallManager に登録されていて、各 CallManager が適応型セキュリティ アプライアンスの異なるインターフェイスに接続されている場合、これら 2 つの電話間のコールは失敗します。

Cisco IP SoftPhone と比較して Cisco CallManager の方がセキュリティの高いインターフェイス上に配置されている状態で、NAT または外部 NAT が Cisco CallManager IP アドレスに必要な場合、マッピングはスタティックである必要があります。Cisco IP SoftPhone では Cisco CallManager IP アドレスを PC 上の Cisco TSP コンフィギュレーションで明示的に指定することが必要なためです。

PAT または外部 PAT を使用しているときに Cisco CallManager の IP アドレスを変換する場合、Cisco IP SoftPhone を正常に登録するためには、TCP ポート 2748 を PAT(インターフェイス)アドレスの同一ポートに対してスタティックにマッピングする必要があります。CTIQBE 受信ポート(TCP 2748)は固定されていて、Cisco CallManager、Cisco IP SoftPhone、Cisco TSP のいずれにおいてもユーザによる設定はできません。

CTIQBE 検査の確認と監視

show ctiqbe コマンドは、適応型セキュリティ アプライアンスを越えて確立されている CTIQBE セッションに関する情報を表示します。CTIQBE 検査エンジンで割り当てられたメディア接続に関する情報が表示されます。

次の条件における show ctiqbe コマンドの出力例を示します。適応型セキュリティ アプライアンスを越えてセットアップされているアクティブ CTIQBE セッションは 1 つだけです。そのセッションは、ローカル アドレス 10.0.0.99 の内部 CTI デバイス(たとえば、Cisco IP SoftPhone)と 172.29.1.77 の外部 Cisco CallManager の間で確立されています。ここで、TCP ポート 2748 は、Cisco CallManager です。このセッションのハートビート間隔は 120 秒です。

hostname# # show ctiqbe
 
Total: 1
LOCAL FOREIGN STATE HEARTBEAT
---------------------------------------------------------------
1 10.0.0.99/1117 172.29.1.77/2748 1 120
----------------------------------------------
RTP/RTCP: PAT xlates: mapped to 172.29.1.99(1028 - 1029)
----------------------------------------------
MEDIA: Device ID 27 Call ID 0
Foreign 172.29.1.99 (1028 - 1029)
Local 172.29.1.88 (26822 - 26823)
----------------------------------------------
 

CTI デバイスは、すでに CallManager に登録されています。デバイスの内部アドレスおよび RTP 受信ポートは 172.29.1.99 の UDP ポート 1028 に PAT 変換されています。Real-Time Control Protocol(RTCP; リアルタイム制御プロトコル)受信ポートは UDP 1029 に PAT 変換されています。

RTP/RTCP : PAT xlates: で始まる行は、内部 CTI デバイスが外部 CallManager に登録され、CTI デバイスのアドレスとポートがその外部インターフェイスに PAT 変換されている場合に限り表示されます。この行は、CallManager が内部インターフェイス上にある場合、または内部 CTI デバイスのアドレスとポートが、CallManager が使用しているのと同じ外部インターフェイスに変換されている場合は、表示されません。

この出力は、コールがこの CTI デバイスと 172.29.1.88 にある別の電話機の間に確立されていることを示します。他の電話機の RTP および RTCP 受信ポートは、UDP 26822 および 26823 です。適応型セキュリティ アプライアンスは 2 番目の電話機と CallManager に関連する CTIQBE セッション レコードを維持できないので、他の電話機は、CallManager と同じインターフェイス上にあります。CTI デバイス側のアクティブ コール レッグは、Device ID 27 および Call ID 0 で確認できます。

これらの CTIQBE 接続の show xlate debug コマンドの出力例を示します。

hostname# show xlate debug
3 in use, 3 most used
Flags: D - DNS, d - dump, I - identity, i - inside, n - no random,
r - portmap, s - static
TCP PAT from inside:10.0.0.99/1117 to outside:172.29.1.99/1025 flags ri idle 0:00:22 timeout 0:00:30
UDP PAT from inside:10.0.0.99/16908 to outside:172.29.1.99/1028 flags ri idle 0:00:00 timeout 0:04:10
UDP PAT from inside:10.0.0.99/16909 to outside:172.29.1.99/1029 flags ri idle 0:00:23 timeout 0:04:10
 

show conn state ctiqbe コマンドは、CTIQBE 接続のステータスを表示します。出力には、CTIQBE 検査エンジンによって割り当てられたメディア接続が「C」フラグで示されます。次に、 show conn state ctiqbe コマンドの出力例を示します。

hostname# show conn state ctiqbe
1 in use, 10 most used
hostname# show conn state ctiqbe detail
1 in use, 10 most used
Flags: A - awaiting inside ACK to SYN, a - awaiting outside ACK to SYN,
B - initial SYN from outside, C - CTIQBE media, D - DNS, d - dump,
E - outside back connection, F - outside FIN, f - inside FIN,
G - group, g - MGCP, H - H.323, h - H.225.0, I - inbound data,
i - incomplete, J - GTP, j - GTP data, k - Skinny media,
M - SMTP data, m - SIP media, O - outbound data, P - inside back connection,
q - SQL*Net data, R - outside acknowledged FIN,
R - UDP RPC, r - inside acknowledged FIN, S - awaiting inside SYN,
s - awaiting outside SYN, T - SIP, t - SIP transient, U - up
 

H.323 検査

この項では、H.323 アプリケーション検査について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「H.323 検査の概要」

「H.323 の動作」

「H.245 メッセージでの H.239 のサポート」

「制限事項」

「検査制御を追加するための H.323 検査ポリシーマップの設定」

「H.323 および H.225 タイムアウト値の設定」

「H.323 検査の確認と監視」

H.323 検査の概要

H.323 検査は、Cisco CallManager や VocalTec Gatekeeper など、H.323 準拠のアプリケーションをサポートします。H.323 は、International Telecommunication Union(ITU; 国際電気通信連合)によって定義されている、LAN を介したマルチメディア会議用のプロトコル群です。適応型セキュリティ アプライアンスは、H.323 v3 機能の同一コール シグナリング チャネルでの複数コールを含めて、H.323 を Version 6 までサポートします。

H.323 検査をイネーブルにした場合、適応型セキュリティ アプライアンスは、H.323 Version 3 で導入された機能である同一コール シグナリング チャネルでの複数コールをサポートします。この機能によってセットアップ時間が短縮され、適応型セキュリティ アプライアンスでのポート使用が減少します。

H.323 検査の 2 つの主要機能は次のとおりです。

H.225 と H.245 の両メッセージ内に埋め込まれている必要な IPv4 アドレスを NAT 処理します。H.323 メッセージは PER 符号化形式で符号化されているため、適応型セキュリティ アプライアンスでは ASN.1 デコーダを使用して H.323 メッセージを復号化します。

ネゴシエートされた H.245 と RTP/RTCP 接続をダイナミックに割り当てます。

H.323 の動作

H.323 のプロトコルのコレクションは、合計で最大 2 つの TCP 接続と 4 ~ 8 つの UDP 接続を使用できます。FastConnect は 1 つの TCP 接続だけを使用し、RAS は登録、アドミッション、およびステータス用に 1 つの UDP 接続を使用します。

H.323 クライアントは、最初に TCP ポート 1720 を使用して、H.323 サーバへの TCP 接続を確立し、Q.931 コール セットアップを要求します。H.323 端末は、コール セットアップ プロセスの一部として、H.245 TCP 接続に使用するため、クライアントに 1 つのポート番号を供給します。H.323 ゲートキーパーが使用されている環境では、初期パケットは UDP を使用して送信されます。

H.323 検査は、Q.931 TCP 接続を監視して、H.245 ポート番号を決定します。H.323 端末が、FastConnect を使用していない場合は、適応型セキュリティ アプライアンスが H.225 メッセージの検査に基づいて、H.245 接続をダイナミックに割り当てます。


) RAS を使用すると、H.225 接続もダイナミックに割り当てることができます。


各 H.245 メッセージ内で、H.323 エンドポイントが、後続の UDP データ ストリームに使用するポート番号を交換します。H.323 検査は、H.245 メッセージを調査して、ポート番号を識別し、メディア交換用の接続をダイナミックに作成します。RTP はネゴシエートされたポート番号を使用し、RTCP はその次に高いポート番号を使用します。

H.323 制御チャネルは、H.225、H.245、および H.323 RAS を処理します。H.323 検査では、次のポートが使用されます。

1718:ゲートキーパー検出 UDP ポート

1719:RAS UDP ポート

1720:TCP 制御ポート

RAS シグナリング用に予約済み H.323 ポート 1719 のトラフィックを許可する必要があります。さらに、H.225 コール シグナリング用に、予約済み H.323 ポート 1720 のトラフィックを許可する必要があります。ただし、H.245 シグナリング ポートは、H.225 シグナリングのエンドポイント間でネゴシエートされます。H.323 ゲートキーパーの使用時には、適応型セキュリティ アプライアンスは、ACF および RCF メッセージの検査に基づいて、H.225 接続を開きます。

H.225 メッセージを検査した後、適応型セキュリティ アプライアンスは H.245 チャネルを開き、H.245 チャネルで送信されるトラフィックも検査します。適応型セキュリティ アプライアンスを通過するすべての H.245 メッセージは、H.245 アプリケーション検査を受けます。この検査では、埋め込み IP アドレスが変換され、H.245 メッセージでネゴシエートされたメディア チャネルが開かれます。

H.323 ITU 規準では、メッセージ長を定義する TPKT ヘッダーが最初に送信されてから、H.225 と H.245 が信頼できる接続上を送信されることが要求されています。TPKT ヘッダーは、必ずしも H.225 メッセージや H.245 メッセージと同一の TCP パケットで送信される必要はないため、適応型セキュリティ アプライアンスは、メッセージを正しく処理して復号化するために TPKT 長を記憶しておく必要があります。適応型セキュリティ アプライアンスは、次のメッセージに備えて、TPKT 長が含まれるレコードを接続ごとに保持します。

適応型セキュリティ アプライアンスでメッセージ内の IP アドレスに NAT を行う必要がある場合、チェックサム、UUIE 長、および TPKT(H.225 メッセージが入っている TCP パケットに含まれている場合)は変更されます。TPKT が別の TCP パケットで送信される場合、適応型セキュリティ アプライアンスがその TPKT へのプロキシ ACK を実行し、新しい TPKT を新しい長さで H.245 メッセージに追加します。


) 適応型セキュリティ アプライアンスは、TPKT に対する ACK の代理処理では TCP オプションをサポートしていません。


H.323 検査を通過するパケットが通る各 UDP 接続は、H.323 接続としてマークされ、 timeout コマンドで設定された H.323 タイムアウト値でタイムアウトします。

H.245 メッセージでの H.239 のサポート

適応型セキュリティ アプライアンスは、2 つの H.323 エンドポイントの間に存在します。2 つの H.323 エンドポイントが、スプレッドシート データなどのデータ プレゼンテーションを送受信できるようにテレプレゼンテーション セッションをセットアップするとき、適応型セキュリティ アプライアンスはエンドポイント間で H.239 ネゴシエーションが成功することを保証します。

H.239 は単一のコールで H.300 シリーズのエンドポイントに追加ビデオ チャネルを開く機能を提供する規格です。コールで、エンドポイント(ビデオ電話など)はビデオ用チャネルとデータ プレゼンテーション用チャネルを送信します。H.239 ネゴシエーションは H.245 チャネルで発生します。

適応型セキュリティ アプライアンスが追加メディア チャネル用とメディア制御チャネル用のピンホールを開きます。エンドポイントは、Open Logical Channel Message(OLC; オープン論理チャネル メッセージ)を使用して新しいチャネルの作成を通知します。メッセージ拡張は H.245 バージョン 13 の一部です。

テレプレゼンテーション セッションの復号化と符号化はデフォルトでイネーブルにされます。H.239 の符号化と復号化は ASN.1 コーダによって実行されます。

制限事項

H.323 アプリケーション検査の使用に関して、次の既知の問題および制限があります。

スタティック PAT は、H.323 メッセージのオプション フィールドに埋め込まれた IP アドレスを正しく変換できないことがあります。この問題が発生した場合は、H.323 でスタティック PAT を使用しないでください。

H.323 アプリケーション検査は、同一セキュリティ レベルのインターフェイス間の NAT ではサポートされていません。

NetMeeting クライアントが H.323 ゲートキーパーに登録し、同じく H.323 ゲートキーパーに登録されている H.323 ゲートウェイを呼び出そうとすると、接続は確立されますが、どちらの方向でも音声が聞こえません。この問題は、適応型セキュリティ アプライアンスの問題ではありません。

ネットワーク スタティック アドレスを設定した場合、このネットワーク スタティック アドレスが第三者のネットマスクおよびアドレスと同じであると、すべての発信 H.323 接続が失敗します。

検査制御を追加するための H.323 検査ポリシーマップの設定

メッセージがパラメータに違反したときのアクションを指定するには、H.323 検査ポリシーマップを作成します。作成した検査ポリシーマップは、H.323 検査をイネーブルにすると適用できます。

H.323 検査ポリシーマップを作成するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 (オプション)「正規表現の作成」に従って、1 つ以上の正規表現をトラフィック照合コマンドに追加して使用できるようにします。ステップ 3 に記載されている match コマンドで照合できるテキストのタイプを参照してください。

ステップ 2 (オプション)「正規表現クラスマップの作成」に従って、1 つ以上の正規表現のクラスマップを作成して正規表現をグループ化します。

ステップ 3 (オプション)次の手順に従って、H.323 検査のクラスマップを作成します。

クラスマップは複数のトラフィックとの照合をグループ化します。クラスマップと一致するには、トラフィックは、 すべて match コマンドと一致する必要があります。または、 match コマンドを直接ポリシーマップに指定できます。クラスマップを作成することと検査ポリシーマップでトラフィックとの照合を直接定義することの違いは、クラスマップでは複雑な照合基準を作成でき、クラスマップを再利用できるということです。

クラスマップと照合しないトラフィックを指定するには、 match not コマンドを使用します。たとえば、 match not コマンドで文字列「example.com」を指定すると、「example.com」が含まれるすべてのトラフィックはクラスマップと照合されません。

このクラスマップで特定するトラフィックに対して、接続のドロップ、リセット、接続のロギングなどのアクションを検査ポリシーマップに指定できます。

match コマンドごとに異なるアクションを実行する場合、ポリシーマップに直接トラフィックを特定する必要があります。

a. 次のコマンドを入力して、クラスマップを作成します。

hostname(config)# class-map type inspect h323 [match-all | match-any] class_map_name
hostname(config-cmap)#
 

class_map_name には、クラスマップの名前を指定します。 match-all キーワードはデフォルトです。トラフィックがクラスマップと一致するには、すべての基準と一致する必要があることを指定します。 match-any キーワードは、トラフィックが少なくとも基準の 1 つに一致したらクラスマップと一致することを指定します。CLI がクラスマップ コンフィギュレーション モードに入り、1 つ以上の match コマンドを入力できます。

b. (オプション)クラスマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-cmap)# description string
 

string には、クラスマップの説明を 200 文字以内で指定します。

c. (オプション)受信側を照合するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-cmap)# match [not] called-party regex {class class_name | regex_name}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

d. (オプション)メディア タイプを照合するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-cmap)# match [not] media-type {audio | data | video}
 

ステップ 4 H.323 検査ポリシーマップを作成するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# policy-map type inspect h323 policy_map_name
hostname(config-pmap)#
 

policy_map_name には、ポリシーマップの名前を指定します。CLI はポリシーマップ コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 5 (オプション)このポリシーマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-pmap)# description string
 

ステップ 6 一致したトラフィックにアクションを適用するには、次の手順を実行します。

a. 次のいずれかの方法を使用して、アクションを実行するトラフィックを指定します。

次のコマンドを入力して、ステップ 3 で作成した H.323 クラスマップを指定します。

hostname(config-pmap)# class class_map_name
hostname(config-pmap-c)#
 

ステップ 3 で説明されている match コマンドのいずれかを使用して、ポリシーマップに直接トラフィックを指定します。 match not コマンドを使用すると、 match not コマンドの基準に一致しないすべてのトラフィックにアクションが適用されます。

b. 次のコマンドを入力して、一致したトラフィックに対して実行するアクションを指定します。

hostname(config-pmap-c)# {[drop [send-protocol-error] | drop-connection [send-protocol-error]| mask | reset] [log] | rate-limit message_rate}
 

match コマンドまたは class コマンドですべてのオプションを使用できるわけではありません。使用できる正確なオプションについては、CLI ヘルプまたは『 Cisco ASA 5500 Series Command Reference 』を参照してください。

drop キーワードを指定すると、一致するすべてのパケットをドロップします。

send-protocol-error キーワードを指定すると、プロトコル エラー メッセージを送信します。

drop-connection キーワードを指定すると、パケットをドロップし、接続を閉じます。

mask キーワードを指定すると、パケットの一致部分をマスクします。

reset キーワードを指定すると、パケットをドロップして接続を閉じ、サーバとクライアントの両方またはいずれかに TCP リセットを送信します。

log キーワードを指定すると、システム ログ メッセージを送信します。このキーワードは単独で、または他のキーワードのいずれかと一緒に使用できます。

rate-limit message_rate 引数では、メッセージのレートを制限します。

ポリシーマップには、複数の class コマンドまたは match コマンドを指定できます。 class コマンドと match コマンドの順序については、「検査ポリシーマップのアクションの定義」を参照してください。

ステップ 7 検査エンジンに影響のあるパラメータを設定するには、次の手順を実行します。

a. パラメータ コンフィギュレーション モードに入るには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)#
 

b. H.323 コールの制限時間を定義するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# call-duration-limit time
 

time には、コールの制限時間を秒単位で指定します。範囲は、0:0:0 ~ 1163:0:0です。値 0 は、タイムアウトしないことを示します。

c. コール セットアップで発信側の番号を使用させるには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# call-party-number
 

d. H.245 トンネル ブロッキングを実施するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# h245-tunnel-block action {drop-connection | log}
 

e. hsi グループを定義し、hsi グループ コンフィギュレーション モードに入るには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# hsi-group id
 

id には、hsi グループ ID を指定します。範囲は 0 ~ 2147483647 です。

hsi グループに hsi を追加するには、hsi グループ コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。

hostname(config-h225-map-hsi-grp)# hsi ip_address
 

ip_address には、追加するホストを指定します。hsi グループごとに最大 5 つのホストを指定できます。

hsi グループにエンドポイントを追加するには、hsi グループ コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。

hostname(config-h225-map-hsi-grp)# endpoint ip_address if_name
 

ip_address には追加するエンドポイント、if_name にはエンドポイントがセキュリティ アプライアンスへの接続に使用するインターフェイスを指定します。hsi グループごとに最大 10 個のエンドポイントを使用できます。

f. ピンホールに流れる RTP パケットがプロトコルに準拠しているかどうかをチェックするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# rtp-conformance [enforce-payloadtype]
 

enforce-payloadtype キーワードを指定すると、シグナリング交換に基づいてペイロード タイプを強制的に音声やビデオにします。

g. ステート チェック検証をイネーブルにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# state-checking {h225 | ras}
 


 

次の例は、電話番号のフィルタリングを設定する方法を示しています。

hostname(config)# regex caller 1 “5551234567”
hostname(config)# regex caller 2 “5552345678”
hostname(config)# regex caller 3 “5553456789”
 
hostname(config)# class-map type inspect h323 match-all h323_traffic
hostname(config-pmap-c)# match called-party regex caller1
hostname(config-pmap-c)# match calling-party regex caller2
 
hostname(config)# policy-map type inspect h323 h323_map
hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)# class h323_traffic
hostname(config-pmap-c)# drop
 

H.323 および H.225 タイムアウト値の設定

H.225 シグナリング接続を閉じるまでのアイドル時間を設定するには、 timeout h225 コマンドを使用します。H.225 タイムアウトのデフォルトは 1 時間です。

H.323 制御接続を閉じるまでのアイドル時間を設定するには、 timeout h323 コマンドを使用します。デフォルトは 5 分です。

H.323 検査の確認と監視

ここでは、H.323 セッションに関する情報を表示する方法について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「H.225 セッションの監視」

「H.245 セッションの監視」

「H.323 RAS セッションの監視」

H.225 セッションの監視

show h225 コマンドは、適応型セキュリティ アプライアンスを越えて確立されている H.225 セッションの情報を表示します。このコマンドは、 debug h323 h225 event debug h323 h245 event 、および show local-host コマンドとともに、H.323 検査エンジンの問題のトラブルシューティングに使用されます。

show h225 show h245 、または show h323-ras コマンドを入力する前に、 pager コマンドを設定することをお勧めします。多くのセッション レコードが存在し、 pager コマンドが設定されていない場合、 show コマンドの出力が最後まで到達するには、しばらく時間がかかることがあります。異常なほど多くの接続が存在する場合は、デフォルトのタイムアウト値または設定した値に基づいてセッションがタイムアウトしているかどうか確認します。タイムアウトしていなければ問題があるので、調査が必要です。

次に、 show h225 コマンドの出力例を示します。

hostname# show h225
Total H.323 Calls: 1
1 Concurrent Call(s) for
Local: 10.130.56.3/1040 Foreign: 172.30.254.203/1720
1. CRV 9861
Local: 10.130.56.3/1040 Foreign: 172.30.254.203/1720
0 Concurrent Call(s) for
Local: 10.130.56.4/1050 Foreign: 172.30.254.205/1720
 

この出力は、現在適応型セキュリティ アプライアンスを通過しているアクティブ H.323 コールが 1 つ、ローカル エンドポイント 10.130.56.3 と外部のホスト 172.30.254.203 の間にあることを示しています。また、これらの特定のエンドポイントの間に、同時コールが 1 つあり、そのコールの CRV が 9861 であることを示しています。

ローカル エンドポイント 10.130.56.4 と外部ホスト 172.30.254.205 に対して、同時コールは 0 です。つまり H.225 セッションがまだ存在しているものの、このエンドポイント間にはアクティブ コールがないことを意味します。この状況は、 show h225 コマンドを実行したときに、コールはすでに終了しているが、H.225 セッションがまだ削除されていない場合に発生する可能性があります。または、2 つのエンドポイントが、「maintainConnection」を TRUE に設定しているため、TCP 接続をまだ開いたままにしていることを意味する可能性もあります。したがって、「maintainConnection」を再度 FALSE に設定するまで、またはコンフィギュレーション内の H.225 タイムアウト値に基づくセッションのタイムアウトが起こるまで、セッションは開いたままになります。

H.245 セッションの監視

show h245 コマンドは、スロースタートを使用しているエンドポイントが適応型セキュリティ アプライアンスを越えて確立した H.245 セッションの情報を表示します。スロースタートは、コールの 2 つのエンドポイントが H.245 用の別の TCP コントロール チャネルを開いた場合です。ファースト スタートは、H.245 メッセージが H.225 コントロール チャネル上の H.225 メッセージの一部として交換された場合です。このコマンドは、 debug h323 h245 event debug h323 h225 event 、および show local-host コマンドとともに、H.323 検査エンジンの問題のトラブルシューティングに使用されます。

次に、 show h245 コマンドの出力例を示します。

hostname# show h245
Total: 1
LOCAL TPKT FOREIGN TPKT
1 10.130.56.3/1041 0 172.30.254.203/1245 0
MEDIA: LCN 258 Foreign 172.30.254.203 RTP 49608 RTCP 49609
Local 10.130.56.3 RTP 49608 RTCP 49609
MEDIA: LCN 259 Foreign 172.30.254.203 RTP 49606 RTCP 49607
Local 10.130.56.3 RTP 49606 RTCP 49607
 

適応型セキュリティ アプライアンスを越えているアクティブな H.245 コントロール セッションが、現在 1 つあります。ローカル エンドポイントは、10.130.56.3 であり、TPKT 値が 0 であることから、このエンドポイントからの次のパケットには TPKT ヘッダーがあると予測します。TKTP ヘッダーは、各 H.225/H.245 メッセージの前に送られる 4 バイトのヘッダーです。このヘッダーで、この 4 バイトのヘッダーを含むメッセージの長さがわかります。外部のホストのエンドポイントは、172.30.254.203 であり、TPKT 値が 0 であることから、このエンドポイントからの次のパケットには TPKT ヘッダーがあると予測します。

これらのエンドポイント間でネゴシエートされたメディアには、258 という LCN があり、外部に 172.30.254.203/49608 という RTP IP アドレス/ポート ペアと 172.30.254.203/49609 という RTCP IP アドレス/ポート ペアを持ち、ローカルに 10.130.56.3/49608 という RTP IP アドレス/ポート ペアと 49609 という RTCP ポートを持っています。

259 という 2 番目の LCN には、外部に 172.30.254.203/49606 という RTP IP アドレス/ポート ペアと 172.30.254.203/49607 という RTCP IP アドレス/ポート ペアがあり、ローカルに 10.130.56.3/49606 という RTP IP アドレス/ポート ペアと 49607 という RTCP ポートを持っています。

H.323 RAS セッションの監視

show h323-ras コマンドは、適応型セキュリティ アプライアンスを越えてゲートキーパーとその H.323 エンドポイントの間に確立されている H.323 RAS セッションの情報を表示します。このコマンドは、 debug h323 ras event および show local-host コマンドとともに、H.323 RAS 検査エンジンの問題のトラブルシューティングに使用されます。

show h323-ras コマンドは、H.323 検査エンジンの問題のトラブルシューティングに使用される接続情報を表示します。次に、 show h323-ras コマンドの出力例を示します。

hostname# show h323-ras
Total: 1
GK Caller
172.30.254.214 10.130.56.14
 

この出力は、ゲートキーパー 172.30.254.214 とそのクライアント 10.130.56.14 の間にアクティブな登録が 1 つあることを示しています。

MGCP 検査

この項では、MGCP アプリケーション検査について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「MGCP 検査の概要」

「検査制御を追加するための MGCP 検査ポリシーマップの設定」

「MGCP タイムアウト値の設定」

「MGCP 検査の確認と監視」

MGCP 検査の概要

MGCP は、メディア ゲートウェイ コントローラまたはコール エージェントと呼ばれる外部のコール制御要素からメディア ゲートウェイを制御するために使用するマスター/スレーブ プロトコルです。メディア ゲートウェイは一般に、電話回線を通じた音声信号と、インターネットまたは他のパケット ネットワークを通じたデータ パケットとの間の変換を行うネットワーク要素です。NAT および PAT を MGCP とともに使用すると、限られた外部(グローバル)アドレスのセットで、内部ネットワークの多数のデバイスをサポートできます。メディア ゲートウェイの例は次のとおりです。

トランキング ゲートウェイ。電話ネットワークと Voice over IP ネットワークとの間のインターフェイスです。このようなゲートウェイは通常、大量のデジタル回線を管理します。

住宅用ゲートウェイ。従来のアナログ(RJ11)インターフェイスを Voice over IP ネットワークに提供します。住宅用ゲートウェイの例としては、ケーブル モデムやケーブル セットトップ ボックス、xDSL 装置、ブロードバンド ワイヤレス装置などがあります。

ビジネス ゲートウェイ。従来のデジタル PBX(構内交換機)インターフェイスまたは統合 soft PBX インターフェイスを Voice over IP ネットワークに提供します。


) ASA バージョン 7.1 からのアップグレード時にポリシーがエラーにならないように、レイヤ 7 およびレイヤ 3 のポリシーにはすべて固有の名前を付ける必要があります。たとえば、以前に設定されたポリシーマップの名前が以前に設定された MGCP マップと同じである場合は、アップグレードの前に変更する必要があります。


MGCP メッセージは UDP を介して送信されます。応答はコマンドの送信元アドレス(IP アドレスと UDP ポート番号)に返送されますが、コマンド送信先と同じアドレスからの応答は到達しない場合があります。これは、複数のコール エージェントがフェールオーバー コンフィギュレーションで使用されているときに、コマンドを受信したコール エージェントが制御をバックアップ コール エージェントに引き渡し、バックアップ コール エージェントが応答を送信する場合に起こる可能性があります。図 42-1 に、MGCP でどのように NAT が使用されるかを示します。

図 42-1 NAT と MGCP の使用

 

MGCP エンドポイントは、物理または仮想のデータ送信元および宛先です。メディア ゲートウェイには、他のマルチメディア エンドポイントとのメディア セッションを確立して制御するために、コール エージェントが接続を作成、変更、および削除できるエンドポイントが含まれています。また、コール エージェントは、特定のイベントを検出してシグナルを生成するようにエンドポイントに指示できます。エンドポイントは、サービス状態の変化を自動的にコール エージェントに伝達します。

MGCP トランザクションは、コマンドと必須応答で構成されます。次の 8 種類のコマンドがあります。

CreateConnection

ModifyConnection

DeleteConnection

NotificationRequest

Notify

AuditEndpoint

AuditConnection

RestartInProgress

最初の 4 つのコマンドは、コール エージェントからゲートウェイに送信されます。Notify コマンドは、ゲートウェイからコール エージェントに送信されます。ゲートウェイは、DeleteConnection を送信することもあります。MGCP ゲートウェイをコール エージェントに登録するには、RestartInProgress コマンドを使用します。AuditEndpoint コマンドおよび AuditConnection コマンドは、コール エージェントからゲートウェイに送信されます。

すべてのコマンドは、コマンドヘッダーと、その後ろに続くオプションのセッション記述で構成されます。すべての応答は、応答ヘッダーと、その後ろに続くオプションのセッション記述で構成されます。

ゲートウェイがコール エージェントからのコマンドを受信するポート。通常、ゲートウェイは UDP ポート 2427 を受信します。

コール エージェントがゲートウェイからのコマンドを受信するポート。通常、コールエージェントは UDPポート 2727 を受信します。


) MGCP 検査では、MGCP シグナリングと RTP データで異なる IP アドレスを使用することはサポートされていません。一般的かつ推奨される方法は、ループバック IP アドレスや仮想 IP アドレスなどの復元力のある IP アドレスから RTP データを送信することです。ただし、適応型セキュリティ アプライアンスは、MGCP シグナリングと同じアドレスから RTP データを受信する必要があります。


検査制御を追加するための MGCP 検査ポリシーマップの設定

適応型セキュリティ アプライアンスがピンホールを開く必要のあるコール エージェントとゲートウェイがネットワークに複数ある場合、MGCP マップを作成します。作成した MGCP マップは、MGCP 検査をイネーブルにすると適用できます。

MGCP マップを作成するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 MGCP 検査ポリシーマップを作成するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# policy-map type inspect mgcp map_name
hostname(config-pmap)#
 

policy_map_name には、ポリシーマップの名前を指定します。CLI はポリシーマップ コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2 (オプション)このポリシーマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-pmap)# description string
 

ステップ 3 検査エンジンに影響のあるパラメータを設定するには、次の手順を実行します。

a. パラメータ コンフィギュレーション モードに入るには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)#
 

b. コール エージェントを設定するには、コール エージェントごとに次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# call-agent ip_address group_id
 

1 つ以上のゲートウェイを管理できるコール エージェントのグループを指定するには、 call-agent コマンドを使用します。コール エージェントのグループ情報は、どのコール エージェントも応答を送信できるように、グループ内の(ゲートウェイがコマンドを送信する先以外の)コール エージェントに接続を開くために使用されます。同じ group_id のコール エージェントは、同じグループに属します。1 つのコール エージェントは複数のグループに所属できます。 group_id オプションには、0 ~ 4294967295 の数字を指定します。 ip_address オプションには、コール エージェントの IP アドレスを指定します。


) MGCP コール エージェントは、AUEP メッセージを送信して、MGCP エンドポイントが存在するかどうかを判定します。これによって、適応型セキュリティ アプライアンスを通過するフローが確立され、MGCP エンドポイントをコール エージェントに登録できます。


c. ゲートウェイを設定するには、ゲートウェイごとに次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# gateway ip_address group_id
 

特定のゲートウェイを管理しているコール エージェントのグループを指定するには、 gateway コマンドを使用します。 ip_address オプションを使用して、ゲートウェイの IP アドレスを指定します。 group_id オプションには 0 ~ 4294967295 の数字を指定します。この数字は、ゲートウェイを管理しているコール エージェントの group_id に対応している必要があります。1 つのゲートウェイは 1 つのグループだけに所属できます。

d. MGCP コマンド キューに入れることができるコマンドの最大数を変更するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# command-queue command_limit
 


 

次の例は、MGCP マップを定義する方法を示しています。

hostname(config)# policy-map type inspect mgcp sample_map
hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)# call-agent 10.10.11.5 101
hostname(config-pmap-p)# call-agent 10.10.11.6 101
hostname(config-pmap-p)# call-agent 10.10.11.7 102
hostname(config-pmap-p)# call-agent 10.10.11.8 102
hostname(config-pmap-p)# gateway 10.10.10.115 101
hostname(config-pmap-p)# gateway 10.10.10.116 102
hostname(config-pmap-p)# gateway 10.10.10.117 102
hostname(config-pmap-p)# command-queue 150
 

MGCP タイムアウト値の設定

timeout mgcp コマンドを使用して、MGCP メディア接続を閉じるまでの非アクティビティ間隔を設定できます。デフォルトは 5 分です。

timeout mgcp-pat コマンドを使用して、PAT xlate のタイムアウトを設定できます。MGCP にはキープアライブ メカニズムがないため、Cisco 以外の MGCP ゲートウェイ(コール エージェント)を使用すると、デフォルトのタイムアウト間隔(30 秒)の後で PAT xlate は切断されます。

MGCP 検査の確認と監視

show mgcp commands コマンドは、コマンド キュー内の MGCP コマンド数を表示します。 show mgcp sessions コマンドは、既存の MGCP セッション数を表示します。 detail オプションは、各コマンド(またはセッション)に関する追加情報を出力に含めます。次に、 show mgcp commands コマンドの出力例を示します。

hostname# show mgcp commands
1 in use, 1 most used, 200 maximum allowed
CRCX, gateway IP: host-pc-2, transaction ID: 2052, idle: 0:00:07
 

次に、 show mgcp detail コマンドの出力例を示します。

hostname# show mgcp commands detail
1 in use, 1 most used, 200 maximum allowed
CRCX, idle: 0:00:10
Gateway IP host-pc-2
Transaction ID 2052
Endpoint name aaln/1
Call ID 9876543210abcdef
Connection ID
Media IP 192.168.5.7
Media port 6058
 

次に、 show mgcp sessions コマンドの出力例を示します。

hostname# show mgcp sessions
1 in use, 1 most used
Gateway IP host-pc-2, connection ID 6789af54c9, active 0:00:11
 

次に、 show mgcp sessions detail コマンドの出力例を示します。

hostname# show mgcp sessions detail
1 in use, 1 most used
Session active 0:00:14
Gateway IP host-pc-2
Call ID 9876543210abcdef
Connection ID 6789af54c9
Endpoint name aaln/1
Media lcl port 6166
Media rmt IP 192.168.5.7
Media rmt port 6058
 

RTSP 検査

この項では、RTSP アプリケーション検査について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「RTSP 検査の概要」

「RealPlayer の使用」

「制限事項」

「検査制御を追加するための RTSP 検査ポリシーマップの設定」

RTSP 検査の概要

RTSP 検査エンジンを使用することにより、適応型セキュリティ アプライアンスは RTSP パケットを通過させることができます。RTSP は、RealAudio、RealNetworks、Apple QuickTime 4、RealPlayer、および Cisco IP/TV 接続によって使用されます。


) Cisco IP/TV では、RTSP TCP ポート 554 と TCP 8554 を使用します。


RTSP アプリケーションは、制御チャネルとしての TCP(例外的に UDP)とともに予約済みポート 554 を使用します。適応型セキュリティ アプライアンスは、RFC 2326 に準拠して、TCP だけをサポートします。この TCP 制御チャネルは、クライアント上で設定されているトランスポート モードに応じて、音声/ビデオ トラフィックの送信に使用されるデータ チャネルのネゴシエーションに使用されます。

サポートされている RDT トランスポートは、rtp/avp、rtp/avp/udp、x-real-rdt、x-real-rdt/udp、x-pn-tng/udp です。

適応型セキュリティ アプライアンスは、ステータス コード 200 の SETUP 応答メッセージを解析します。SETUP 応答メッセージが、着信方向に移動している場合は、サーバは適応型セキュリティ アプライアンスとの相対位置関係で外部に存在することになるため、サーバから着信する接続に対してダイナミック チャネルを開くことが必要になります。この応答メッセージが発信方向である場合、適応型セキュリティ アプライアンスは、ダイナミック チャネルを開く必要はありません。

RFC 2326 では、クライアント ポートとサーバ ポートが、SETUP 応答メッセージ内に含まれていることは必要でないため、適応型セキュリティ アプライアンスでは、状態を維持し、SETUP メッセージ内のクライアント ポートを記憶します。QuickTime が、SETUP メッセージ内にクライアント ポートを設定すると、サーバは、サーバ ポートだけで応答します。

RTSP 検査は、PAT またはデュアル NAT をサポートしていません。また、適応型セキュリティ アプライアンスは、RTSP メッセージが HTTP メッセージ内に隠される HTTP クローキングを認識できません。

RealPlayer の使用

RealPlayer を使用するときは、転送モードを正しく設定することが重要です。適応型セキュリティ アプライアンスでは、サーバからクライアントに、またはその逆に access-list コマンドを追加します。RealPlayer の場合、[Options] > [Preferences] > [Transport] > [RTSP] [Settings] をクリックして転送モードを変更します。

RealPlayer で TCP モードを使用する場合は、[Use TCP to Connect to Server] チェックボックスおよび [Attempt to use TCP for all content] チェックボックスをオンにします。適応型セキュリティ アプライアンスで、検査エンジンを設定する必要はありません。

RealPlayer で UDP モードを使用する場合、[Use TCP to Connect to Server] チェックボックスおよび [Attempt to use UDP for static content, and for live content not available via Multicast] チェックボックスをオンにします。適応型セキュリティ アプライアンスで、 inspect rtsp port コマンドを追加します。

制限事項

inspect rtsp コマンドには、次の制限事項が適用されます。

適応型セキュリティ アプライアンスは、マルチキャスト RTSP または UDP による RTSP メッセージをサポートしません。

適応型セキュリティ アプライアンスには、RTSP メッセージが HTTP メッセージ内に隠されている HTTP クローキングを認識する機能はありません。

埋め込み IP アドレスが HTTP メッセージまたは RTSP メッセージの一部として SDP ファイル内に含まれているため、適応型セキュリティ アプライアンスは、RTSP メッセージに NAT を実行できません。パケットはフラグメント化する可能性があり、適応型セキュリティ アプライアンスはフラグメント化されたパケットに対して NAT を実行できません。

Cisco IP/TV では、メッセージの SDP 部分に対して適応型セキュリティ アプライアンスが実行する変換の数は、Content Manager にあるプログラム リストの数に比例します(各プログラム リストには、少なくとも 6 個の埋め込み IP アドレスを含めることができます)。

Apple QuickTime 4 または RealPlayer 用の NAT を設定できます。Cisco IP/TV は、ビューアと Content Manager が外部ネットワークにあり、サーバが内部ネットワークにあるときにだけ NAT を使用できます。

検査制御を追加するための RTSP 検査ポリシーマップの設定

メッセージがパラメータに違反したときのアクションを指定するには、RTSP 検査ポリシーマップを作成します。作成した検査ポリシーマップは、RTSP 検査をイネーブルにすると適用できます。

RTSP 検査ポリシーマップを作成するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 (オプション)「正規表現の作成」に従って、1 つ以上の正規表現をトラフィック照合コマンドに追加して使用できるようにします。ステップ 3 に記載されている match コマンドで照合できるテキストのタイプを参照してください。

ステップ 2 (オプション)「正規表現クラスマップの作成」に従って、1 つ以上の正規表現のクラスマップを作成して正規表現をグループ化します。

ステップ 3 (オプション)次の手順に従って、RTSP 検査のクラスマップを作成します。

クラスマップは複数のトラフィックとの照合をグループ化します。クラスマップと一致するには、トラフィックは、 すべて match コマンドと一致する必要があります。または、 match コマンドを直接ポリシーマップに指定できます。クラスマップを作成することと検査ポリシーマップでトラフィックとの照合を直接定義することの違いは、クラスマップでは複雑な照合基準を作成でき、クラスマップを再利用できるということです。

クラスマップと照合しないトラフィックを指定するには、 match not コマンドを使用します。たとえば、 match not コマンドで文字列「example.com」を指定すると、「example.com」が含まれるすべてのトラフィックはクラスマップと照合されません。

このクラスマップで特定するトラフィックに対して、接続のドロップや接続のロギングなどのアクションを検査ポリシーマップに指定できます。

match コマンドごとに異なるアクションを実行する場合、ポリシーマップに直接トラフィックを特定する必要があります。

a. 次のコマンドを入力して、クラスマップを作成します。

hostname(config)# class-map type inspect rtsp [match-all | match-any] class_map_name
hostname(config-cmap)#
 

class_map_name には、クラスマップの名前を指定します。 match-all キーワードはデフォルトです。トラフィックがクラスマップと一致するには、すべての基準と一致する必要があることを指定します。 match-any キーワードは、トラフィックが少なくとも基準の 1 つに一致したらクラスマップと一致することを指定します。CLI がクラスマップ コンフィギュレーション モードに入り、1 つ以上の match コマンドを入力できます。

b. (オプション)クラスマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-cmap)# description string
 

c. (オプション)RTSP の要求方式を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] request-method method
 

method には、照合する方式のタイプ(announce、describe、get_parameter、options、pause、play、record、redirect、setup、set_parameter、teardown)を指定します。

d. (オプション)URL フィルタリングを照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] url-filter regex {class class_name | regex_name}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

ステップ 4 RTSP 検査ポリシーマップを作成するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# policy-map type inspect rtsp policy_map_name
hostname(config-pmap)#
 

policy_map_name には、ポリシーマップの名前を指定します。CLI はポリシーマップ コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 5 (オプション)このポリシーマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-pmap)# description string
 

ステップ 6 一致したトラフィックにアクションを適用するには、次の手順を実行します。

a. 次のいずれかの方法を使用して、アクションを実行するトラフィックを指定します。

次のコマンドを入力して、ステップ 3 で作成した RTSP クラスマップを指定します。

hostname(config-pmap)# class class_map_name
hostname(config-pmap-c)#
 

ステップ 3 で説明されている match コマンドのいずれかを使用して、ポリシーマップに直接トラフィックを指定します。 match not コマンドを使用すると、 match not コマンドの基準に一致しないすべてのトラフィックにアクションが適用されます。

b. 次のコマンドを入力して、一致したトラフィックに対して実行するアクションを指定します。

hostname(config-pmap-c)# {[drop [send-protocol-error] | drop-connection [send-protocol-error]| mask | reset] [log] | rate-limit message_rate}
 

match コマンドまたは class コマンドですべてのオプションを使用できるわけではありません。使用できる正確なオプションについては、CLI ヘルプまたは『 Cisco ASA 5500 Series Command Reference 』を参照してください。

drop キーワードを指定すると、一致するすべてのパケットをドロップします。

send-protocol-error キーワードを指定すると、プロトコル エラー メッセージを送信します。

drop-connection キーワードを指定すると、パケットをドロップし、接続を閉じます。

mask キーワードを指定すると、パケットの一致部分をマスクします。

reset キーワードを指定すると、パケットをドロップして接続を閉じ、サーバとクライアントの両方またはいずれかに TCP リセットを送信します。

log キーワードを指定すると、システム ログ メッセージを送信します。このキーワードは単独で、または他のキーワードのいずれかと一緒に使用できます。

rate-limit message_rate 引数では、メッセージのレートを制限します。

ポリシーマップには、複数の class コマンドまたは match コマンドを指定できます。 class コマンドと match コマンドの順序については、「検査ポリシーマップのアクションの定義」を参照してください。

ステップ 7 検査エンジンに影響のあるパラメータを設定するには、次の手順を実行します。

a. パラメータ コンフィギュレーション モードに入るには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)#
 

b. メディア ネゴシエーション用の予約済みポートの使用を制限するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# reserve-port-protect
 

c. メッセージ内で許容される URL 長の制限を設定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# url-length-limit length
 

length 引数には、URL の長さをバイト単位で指定します(0 ~ 6000)。


 

次の例は、RTSP 検査ポリシーマップを定義する方法を示しています。

hostname(config)# regex badurl1 www.url1.com/rtsp.avi
hostname(config)# regex badurl2 www.url2.com/rtsp.rm
hostname(config)# regex badurl3 www.url3.com/rtsp.asp
 
hostname(config)# class-map type regex match-any badurl-list
hostname(config-cmap)# match regex badurl1
hostname(config-cmap)# match regex badurl2
hostname(config-cmap)# match regex badurl3
 
hostname(config)# policy-map type inspect rtsp rtsp-filter-map
hostname(config-pmap)# match url-filter regex class badurl-list
hostname(config-pmap-p)# drop-connection
 
hostname(config)# class-map rtsp-traffic-class
hostname(config-cmap)# match default-inspection-traffic
 
hostname(config)# policy-map rtsp-traffic-policy
hostname(config-pmap)# class rtsp-traffic-class
hostname(config-pmap-c)# inspect rtsp rtsp-filter-map
 
hostname(config)# service-policy rtsp-traffic-policy global

SIP 検査

この項では、SIP アプリケーション検査について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「SIP 検査の概要」

「SIP インスタント メッセージ」

「検査制御を追加するための SIP 検査ポリシーマップの設定」

「SIP タイムアウト値の設定」

「SIP 検査の確認と監視」

SIP 検査の概要

IETF で定義されている SIP により、特に 2 者間の音声会議などのコール処理セッションまたは「コール」が使用可能になります。SIP は、コール シグナリング用の SDP で動作します。SDP は、メディア ストリーム用のポートを指定します。SIP を使用することにより、適応型セキュリティ アプライアンスは SIP VoIP ゲートウェイおよび VoIP プロキシ サーバをサポートできます。SIP と SDP の定義は、次の RFC に記載されています。

SIP:Session Initiation Protocol、RFC 3261

SDP:Session Description Protocol、RFC 2327

適応型セキュリティ アプライアンス経由の SIP コールをサポートする場合は、シグナリング メッセージは予約済みの宛先ポート(UDP/TCP 5060)経由で送信され、メディア ストリームはダイナミックに割り当てられるため、メディア接続アドレスのシグナリング メッセージ、メディア ポート、およびメディアの初期接続を検査する必要があります。また、SIP は、IP パケットのユーザデータ部分に IP アドレスを埋め込みます。SIP 検査は、それらの埋め込まれた IP アドレスに NAT を適用します。

PAT を SIP で使用する場合、次の制限事項が適用されます。

適応型セキュリティ アプライアンスで保護されているネットワークの SIP プロキシにリモート エンドポイントを登録しようとすると、次のような一定の条件下で登録が失敗します。

PAT がリモート エンドポイント用に設定されている。

SIP レジストラ サーバが外部ネットワークにある。

エンドポイントからプロキシ サーバに送信された REGISTER メッセージの接続先フィールドにポートが設定されていない。

SDP 部分の所有者/作成者フィールド(o=)の IP アドレスが接続フィールド(c=)の IP アドレスと異なるパケットを SIP デバイスが送信すると、o= フィールドの IP アドレスが正しく変換されない場合があります。これは、o= フィールドでポート値を提供しない SIP プロトコルの制限によるものです。

SIP インスタント メッセージ

インスタント メッセージとは、ほぼリアルタイムにユーザ間でメッセージを転送することです。SIP は、Windows Messenger RTC Client バージョン 4.7.0105 を使用する Windows XP のチャット機能のみをサポートします。次の RFC で定義されているように、MESSAGE/INFO 方式および 202 Accept 応答を使用して IM をサポートします。

Session Initiation Protocol(SIP)-Specific Event Notification、RFC 3265

Session Initiation Protocol(SIP)Extension for Instant Messaging、RFC 3428

MESSAGE/INFO 要求は、登録または加入の後、任意の時点で着信する可能性があります。たとえば、2 人のユーザはいつでもオンラインになる可能性がありますが、何時間もチャットをすることはありません。そのため、SIP 検査エンジンは、設定されている SIP タイムアウト値に従ってタイムアウトするピンホールを開きます。この値は、登録継続時間よりも 5 分以上長く設定する必要があります。登録継続時間は Contact Expires 値で定義し、通常 30 分です。

MESSAGE/INFO 要求は、通常、ポート 5060 以外の動的に割り当てられたポートを使用して送信されるため、SIP 検査エンジンを通過する必要があります。


) 現在は、チャット機能のみがサポートされています。ホワイトボード、ファイル転送、アプリケーション共有はサポートされていません。RTC Client 5.0 はサポートされていません。


SIP 検査は、テキストベースの SIP メッセージを変換し、メッセージの SDP 部分の内容長を再計算した後、パケット長とチェックサムを再計算します。また、エンドポイントが受信すべきアドレスまたはポートとして、SIP メッセージの SDP 部分に指定されたポートに対するメディア接続をダイナミックに開きます。

SIP 検査では、SIP ペイロードから取得したインデックス CALL_ID/FROM/TO を持つデータベースが使用されます。これらのインデックスにより、コール、送信元、宛先が識別されます。このデータベースには、SDP のメディア情報フィールド内で見つかったメディア アドレスとメディア ポート、およびメディア タイプが格納されます。1 つのセッションに対して、複数のメディア アドレスとポートが存在することが可能です。適応型セキュリティ アプライアンスは、これらのメディア アドレス/ポートを使用して、2 つのエンドポイント間に RTP/RTCP 接続を開きます。

初期コール セットアップ(INVITE)メッセージでは、予約済みポート 5060 を使用する必要があります。ただし、後続のメッセージにはこのポート番号がない場合もあります。SIP 検査エンジンはシグナリング接続のピンホールを開き、それらの接続を SIP 接続としてマークします。これは、SIP アプリケーションに到達した変換対象のメッセージに対して行われます。

コールのセットアップ時に、SIP セッションは、着信側エンドポイントから応答メッセージでメディア アドレスとメディア ポートを受信し、着信側エンドポイントがどの RTP ポートで受信するかを知らされるまで「一時的な」状態にあります。1 分以内に、応答メッセージの受信に障害があった場合は、シグナリング接続は切断されます。

最終的なハンドシェイクが行われると、コール状態はアクティブに移行し、シグナリング接続は、BYE メッセージの受信まで継続されます。

内部エンドポイントが、外部エンドポイントに発呼した場合、メディア ホールが、外部インターフェイスに対して開き、内部エンドポイントから送信された INVITE メッセージで指定された内部エンドポイントのメディア アドレスとメディア ポートに、RTP/RTCP UDP パケットが流れることが許可されます。内部インターフェイスに対する要求外の RTP/RTCP UDP パケットは、適応型セキュリティ アプライアンスのコンフィギュレーションで特別に許可されない限り、適応型セキュリティ アプライアンスを通過できません。

検査制御を追加するための SIP 検査ポリシーマップの設定

メッセージがパラメータに違反したときのアクションを指定するには、SIP 検査ポリシーマップを作成します。作成した検査ポリシーマップは、SIP 検査をイネーブルにすると適用できます。

SIP 検査ポリシーマップを作成するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 (オプション)「正規表現の作成」に従って、1 つ以上の正規表現をトラフィック照合コマンドに追加して使用できるようにします。ステップ 3 に記載されている match コマンドで照合できるテキストのタイプを参照してください。

ステップ 2 (オプション)「正規表現クラスマップの作成」に従って、1 つ以上の正規表現のクラスマップを作成して正規表現をグループ化します。

ステップ 3 (オプション)次の手順に従って、SIP 検査のクラスマップを作成します。

クラスマップは複数のトラフィックとの照合をグループ化します。クラスマップと一致するには、トラフィックは、 すべて match コマンドと一致する必要があります。または、 match コマンドを直接ポリシーマップに指定できます。クラスマップを作成することと検査ポリシーマップでトラフィックとの照合を直接定義することの違いは、クラスマップでは複雑な照合基準を作成でき、クラスマップを再利用できるということです。

クラスマップと照合しないトラフィックを指定するには、 match not コマンドを使用します。たとえば、 match not コマンドで文字列「example.com」を指定すると、「example.com」が含まれるすべてのトラフィックはクラスマップと照合されません。

このクラスマップで特定するトラフィックに対して、接続のドロップ、リセット、接続のロギングなどのアクションを検査ポリシーマップに指定できます。

match コマンドごとに異なるアクションを実行する場合、ポリシーマップに直接トラフィックを特定する必要があります。

a. 次のコマンドを入力して、クラスマップを作成します。

hostname(config)# class-map type inspect sip [match-all | match-any] class_map_name
hostname(config-cmap)#
 

class_map_name には、クラスマップの名前を指定します。match-all キーワードはデフォルトです。トラフィックがクラスマップと一致するには、すべての基準と一致する必要があることを指定します。match-any キーワードは、トラフィックが少なくとも基準の 1 つと一致したらクラスマップと一致することを指定します(CLI がクラスマップ コンフィギュレーション モードに入り、1 つ以上の match コマンドを入力できます)。

b. (オプション)クラスマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-cmap)# description string
 

string には、クラスマップの説明を 200 文字以内で指定します。

c. (オプション)To ヘッダーに指定されている受信側を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] called-party regex {class class_name | regex_name}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

d. (オプション)From ヘッダーに指定されている発信側を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] calling-party regex {class class_name | regex_name}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

e. (オプション)SIP ヘッダーのコンテンツの長さを照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] content length gt length
 

length には、コンテンツの最小バイト数を指定します。0 ~ 65536 で指定します。

f. (オプション)SDP コンテンツ タイプまたは正規表現を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] content type {sdp | regex {class class_name | regex_name}}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

g. (オプション)SIP IM の登録者を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] im-subscriber regex {class class_name | regex_name}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

h. (オプション)SIP の via ヘッダーを照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] message-path regex {class class_name | regex_name}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

i. (オプション)SIP の要求方式を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] request-method method
 

method には、照合する方式のタイプ(ack、bye、cancel、info、invite、message、notify、options、prack、refer、register、subscribe、unknown、update)を指定します。

j. (オプション)第三者の登録の要求者を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] third-party-registration regex {class class_name | regex_name}
 

regex regex_name 引数には、ステップ 1 で作成した正規表現を指定します。 class regex_class_name には、ステップ 2 で作成した正規表現のクラスマップを指定します。

k. (オプション)SIP ヘッダー内の URI を照合するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-cmap)# match [not] uri {sip | tel} length gt length
 
Where length is the number of bytes the URI is greater than. 0 to 65536.

ステップ 4 SIP 検査ポリシーマップを作成するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# policy-map type inspect sip policy_map_name
hostname(config-pmap)#
 

policy_map_name には、ポリシーマップの名前を指定します。CLI はポリシーマップ コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 5 (オプション)このポリシーマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-pmap)# description string
 

ステップ 6 一致したトラフィックにアクションを適用するには、次の手順を実行します。

a. 次のいずれかの方法を使用して、アクションを実行するトラフィックを指定します。

次のコマンドを入力して、ステップ 3 で作成した SIP クラスマップを指定します。

hostname(config-pmap)# class class_map_name
hostname(config-pmap-c)#
 

ステップ 3 で説明されている match コマンドのいずれかを使用して、ポリシーマップに直接トラフィックを指定します。 match not コマンドを使用すると、 match not コマンドの基準に一致しないすべてのトラフィックにアクションが適用されます。

b. 次のコマンドを入力して、一致したトラフィックに対して実行するアクションを指定します。

hostname(config-pmap-c)# {[drop [send-protocol-error] | drop-connection [send-protocol-error]| mask | reset] [log] | rate-limit message_rate}
 

match コマンドまたは class コマンドですべてのオプションを使用できるわけではありません。使用できる正確なオプションについては、CLI ヘルプまたは『 Cisco ASA 5500 Series Command Reference 』を参照してください。

drop キーワードを指定すると、一致するすべてのパケットをドロップします。

send-protocol-error キーワードを指定すると、プロトコル エラー メッセージを送信します。

drop-connection キーワードを指定すると、パケットをドロップし、接続を閉じます。

mask キーワードを指定すると、パケットの一致部分をマスクします。

reset キーワードを指定すると、パケットをドロップして接続を閉じ、サーバとクライアントの両方またはいずれかに TCP リセットを送信します。

log キーワードを指定すると、システム ログ メッセージを送信します。このキーワードは単独で、または他のキーワードのいずれかと一緒に使用できます。

rate-limit message_rate 引数では、メッセージのレートを制限します。

ポリシーマップには、複数の class コマンドまたは match コマンドを指定できます。 class コマンドと match コマンドの順序については、「検査ポリシーマップのアクションの定義」を参照してください。

ステップ 7 検査エンジンに影響のあるパラメータを設定するには、次の手順を実行します。

a. パラメータ コンフィギュレーション モードに入るには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)#
 

b. インスタント メッセージをイネーブルまたはディセーブルにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# im
 

c. IP アドレスのプライバシーをイネーブルまたはディセーブルにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# ip-address-privacy
 

d. ヘッダーの Max-forwards フィールドが 0 かどうか(宛先に届くまで 0 になることはない)のチェックをイネーブルにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# max-forwards-validation action {drop | drop-connection | reset | log} [log]
 

e. ピンホールに流れる RTP パケットがプロトコルに準拠しているかどうかのチェックをイネーブルにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# rtp-conformance [enforce-payloadtype]
 

enforce-payloadtype キーワードを指定すると、シグナリング交換に基づいてペイロード タイプを強制的に音声やビデオにします。

f. ヘッダーの Server フィールドと User-Agent フィールド(サーバまたはエンドポイントのソフトウェアのバージョンを示す)を特定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# software-version action {mask | log} [log]
 

mask キーワードを指定すると、SIP メッセージのソフトウェア バージョンをマスクします。

g. ステート チェック検証をイネーブルにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# state-checking action {drop | drop-connection | reset | log} [log]
 

h. RFC 3261 に準拠した、SIP メッセージのヘッダー フィールドの厳密な検証をイネーブルにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# strict-header-validation action {drop | drop-connection | reset | log} [log]
 

i. SIP 以外のトラフィックに予約済みの SIP シグナリング ポートの使用を許可するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# traffic-non-sip
 

j. ヘッダーの Alert-Info フィールドと Call-Info フィールドにある SIP 以外の URI を特定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# uri-non-sip action {mask | log} [log]
 


 

次の例は、SIP を使用したインスタント メッセージをディセーブルにする方法を示しています。

hostname(config)# policy-map type inspect sip mymap
hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)# no im
 
hostname(config)# policy-map global_policy
hostname(config-pmap)# class inspection_default
hostname(config-pmap-c)# inspect sip mymap
 
hostname(config)# service-policy global_policy global
 

SIP タイムアウト値の設定

メディア接続は、接続がアイドル状態になってから 2 分以内に切断されます。ただし、これは設定可能なタイムアウトであり、時間間隔は変更することが可能です。SIP 制御接続のタイムアウトを設定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# timeout sip hh:mm:ss
 

このコマンドは、SIP 制御接続を閉じるまでのアイドル タイムアウトを設定します。

SIP メディア接続のタイムアウトを設定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# timeout sip_media hh:mm:ss
 

このコマンドは、SIP メディア接続を閉じるまでのアイドル タイムアウトを設定します。

SIP 検査の確認と監視

show sip コマンドは、SIP 検査エンジンの問題のトラブルシューティングに役立ちます。説明は、 inspect protocol sip udp 5060 コマンドと一緒にします。 show timeout sip コマンドは、指示されているプロトコルのタイムアウト値を表示します。

show sip コマンドは、適応型セキュリティ アプライアンスを越えて確立されている SIP セッションの情報を表示します。このコマンドは、 debug sip および show local-host コマンドとともに、SIP 検査エンジンの問題のトラブルシューティングに使用されます。


show sip コマンドを入力する前に pager コマンドを設定することをお勧めします。多くの SIP セッション レコードが存在し、pager コマンドが設定されていない場合、show sip コマンドの出力が最後まで到達するには、しばらく時間がかかることがあります。


次に、 show sip コマンドの出力例を示します。

hostname# show sip
Total: 2
call-id c3943000-960ca-2e43-228f@10.130.56.44
state Call init, idle 0:00:01
call-id c3943000-860ca-7e1f-11f7@10.130.56.45
state Active, idle 0:00:06
 

この例は、適応型セキュリティ アプライアンス上の 2 つのアクティブな SIP セッションを示しています(Total フィールドで示されているように)。各 call-id は、コールを表しています。

最初のセッションは、call-id c3943000-960ca-2e43-228f@10.130.56.44 で、Call Init 状態にあります。これは、このセッションはまだコール セットアップ中であることを示しています。コール セットアップは、コールへの最後の応答が受信されるまでは完了しません。たとえば、発信者はすでに INVITE を送信して、100 Response を受信した可能性がありますが、200 OK はまだ受信していません。したがって、コール セットアップはまだ完了していません。1xx で始まっていない応答メッセージは最後の応答と考えられます。このセッションは、1 秒間アイドル状態でした。

2 番目のセッションは、Active 状態です。ここでは、コール セットアップは完了して、エンドポイントはメディアを交換しています。このセッションは、6 秒間アイドル状態でした。

Skinny(SCCP)検査

この項では、SCCP アプリケーション検査について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「SCCP 検査の概要」

「Cisco IP Phone のサポート」

「制限事項」

「検査制御を追加するための Skinny(SCCP)検査ポリシーマップの設定」

「SCCP 検査の確認と監視」

SCCP 検査の概要

Skinny(SCCP)は、VoIP ネットワークで使用される簡易プロトコルです。SCCP を使用する Cisco IP Phone は、H.323 環境でも使用できます。Cisco CallManager と併用すると、SCCP クライアントは、H.323 準拠端末と同時使用できます。適応型セキュリティ アプライアンスにおけるアプリケーション レイヤ機能では、SCCP Version 3.3 が認識されます。SCCP プロトコルには、2.4、3.0.4、3.1.1、3.2、3.3.2 の 5 つのバージョンがあります。適応型セキュリティ アプライアンスは、バージョン 3.3.2 までのすべてのバージョンをサポートします。

適応型セキュリティ アプライアンスは、SCCP に対して PAT と NAT をサポートします。IP 電話で使用できるグローバル IP アドレスよりも IP 電話が多い場合は、PAT が必要です。Skinny アプリケーション検査は、SCCP シグナリング パケットの NAT と PAT をサポートすることで、すべての SCCP シグナリング パケットとメディア パケットが適応型セキュリティ アプライアンスを通過できるようにします。

Cisco CallManager と Cisco IP Phones 間の通常のトラフィックは SCCP を使用しており、特別な設定をしなくても SCCP 検査によって処理されます。適応型セキュリティ アプライアンスは、TFTP サーバの場所を Cisco IP Phone とその他の DHCP クライアントに送信することで、DHCP オプション 150 および 66 もサポートします。Cisco IP Phone では、デフォルト ルートを設定する DHCP オプション 3 を要求に含めることもできます。詳細については、「DHCP サーバを利用する Cisco IP Phone の使用」を参照してください。

Cisco IP Phone のサポート

Cisco CallManager が Cisco IP Phone と比べてセキュリティの高いインターフェイスにあるトポロジでは、NAT が Cisco CallManager の IP アドレスに必要な場合、マッピングはスタティックである必要があります。これは、Cisco IP Phone では Cisco CallManager の IP アドレスをコンフィギュレーションで明示的に指定する必要があるためです。スタティック アイデンティティ エントリを使用すると、セキュリティが高いインターフェイス上にある Cisco CallManager が Cisco IP Phone からの登録を受け付けるようにできます。

Cisco IP Phone では、TFTP サーバにアクセスして、Cisco CallManager サーバに接続するために必要な設定情報をダウンロードする必要があります。

TFTP サーバと比較して Cisco IP Phone の方がセキュリティの低いインターフェイス上にある場合は、アクセスリストを使用して UDP ポート 69 の保護された TFTP サーバに接続する必要があります。TFTP サーバに対してはスタティック エントリが必要ですが、識別スタティック エントリにする必要はありません。NAT を使用する場合、識別スタティック エントリは同じ IP アドレスにマッピングされます。PAT を使用する場合は、同じ IP アドレスとポートにマッピングされます。

Cisco IP Phone が TFTP サーバおよび Cisco CallManager と比べてセキュリティの高いインターフェイス上にある場合、Cisco IP Phone が接続を開始できるようにするために、アクセスリストやスタティック エントリは必要ありません。

制限事項

SCCP に対する現在のバージョンの PAT および NAT サポートに適用される制限は、次のとおりです。

PATは、alias コマンドを含むコンフィギュレーションでは動作しません。

外部 NAT および PAT はサポート されません

内部の Cisco CallManager のアドレスが NAT または PAT 用に別の IP アドレスかポートを設定している場合、適応型セキュリティ アプライアンスは現在のところ TFTP を経由して転送するファイルの内容に対して NAT または PAT をサポートしていないため、外部の Cisco IP Phone 用の登録は失敗します。適応型セキュリティ アプライアンスは TFTP メッセージの NAT をサポートし、TFTP ファイル用にピンホールを開きますが、適応型セキュリティ アプライアンスは電話の登録中に TFTP によって転送された Cisco IP Phone のコンフィギュレーション ファイルに埋め込まれた Cisco CallManager の IP アドレスとポートを変換することはできません。


) 適応型セキュリティ アプライアンスは、コール セットアップ中のコールを除き、SCCP コールのステートフル フェールオーバーをサポートします。


検査制御を追加するための Skinny(SCCP)検査ポリシーマップの設定

メッセージがパラメータに違反したときのアクションを指定するには、SCCP 検査ポリシーマップを作成します。作成した検査ポリシーマップは、SCCP 検査をイネーブルにすると適用できます。

SCCP 検査ポリシーマップを作成するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 (オプション)「正規表現の作成」に従って、1 つ以上の正規表現をトラフィック照合コマンドに追加して使用できるようにします。ステップ 3 に記載されている match コマンドで照合できるテキストのタイプを参照してください。

ステップ 2 (オプション)「正規表現クラスマップの作成」に従って、1 つ以上の正規表現のクラスマップを作成して正規表現をグループ化します。

ステップ 3 SCCP 検査ポリシーマップを作成するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# policy-map type inspect skinny policy_map_name
hostname(config-pmap)#
 

policy_map_name には、ポリシーマップの名前を指定します。CLI はポリシーマップ コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 4 (オプション)このポリシーマップに説明を追加するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config-pmap)# description string
 

ステップ 5 一致したトラフィックにアクションを適用するには、次の手順を実行します。

a. 次のいずれかの方法を使用して、アクションを実行するトラフィックを指定します。

次のコマンドを入力して、ステップ 3 で作成した SCCP クラスマップを指定します。

hostname(config-pmap)# class class_map_name
hostname(config-pmap-c)#
 

ステップ 3 で説明されている match コマンドのいずれかを使用して、ポリシーマップに直接トラフィックを指定します。 match not コマンドを使用すると、 match not コマンドの基準に一致しないすべてのトラフィックにアクションが適用されます。

b. 次のコマンドを入力して、一致したトラフィックに対して実行するアクションを指定します。

hostname(config-pmap-c)# {[drop [send-protocol-error] | drop-connection [send-protocol-error]| mask | reset] [log] | rate-limit message_rate}
 

match コマンドまたは class コマンドですべてのオプションを使用できるわけではありません。使用できる正確なオプションについては、CLI ヘルプまたは『 Cisco ASA 5500 Series Command Reference 』を参照してください。

drop キーワードを指定すると、一致するすべてのパケットをドロップします。

send-protocol-error キーワードを指定すると、プロトコル エラー メッセージを送信します。

drop-connection キーワードを指定すると、パケットをドロップし、接続を閉じます。

mask キーワードを指定すると、パケットの一致部分をマスクします。

reset キーワードを指定すると、パケットをドロップして接続を閉じ、サーバとクライアントの両方またはいずれかに TCP リセットを送信します。

log キーワードを指定すると、システム ログ メッセージを送信します。このキーワードは単独で、または他のキーワードのいずれかと一緒に使用できます。

rate-limit message_rate 引数では、メッセージのレートを制限します。

ステップ 6 ポリシーマップには、複数の class コマンドまたは match コマンドを指定できます。 class コマンドと match コマンドの順序については、「検査ポリシーマップのアクションの定義」を参照してください。検査エンジンに影響のあるパラメータを設定するには、次の手順を実行します。

a. パラメータ コンフィギュレーション モードに入るには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)#
 

b. 登録を実行してコールを開始できるようにするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# enforce-registration
 

c. SCCP のステーション メッセージ ID の許容最大値を設定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# message-ID max hex_value
 

hex_value 引数には、ステーション メッセージ ID を 16 進数で指定します。

d. ピンホールに流れる RTP パケットがプロトコルに準拠しているかどうかをチェックするには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# rtp-conformance [enforce-payloadtype]
 

enforce-payloadtype キーワードを指定すると、シグナリング交換に基づいてペイロード タイプを強制的に音声やビデオにします。

e. SCCP プレフィックス値の許容最小長と最大長を設定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# sccp-prefix-len {max | min} value_length
 

value_length 引数には、最大値または最小値を指定します。

f. シグナリングおよびメディア接続のタイムアウト値を設定するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config-pmap-p)# timeout
 


 

次の例は、SCCP 検査ポリシーマップを定義する方法を示しています。

hostname(config)# policy-map type inspect skinny skinny-map
hostname(config-pmap)# parameters
hostname(config-pmap-p)# enforce-registration
hostname(config-pmap-p)# match message-id range 200 300
hostname(config-pmap-p)# drop log
hostname(config)# class-map inspection_default
hostname(config-cmap)# match default-inspection-traffic
hostname(config)# policy-map global_policy
hostname(config-pmap)# class inspection_default
hostname(config-pmap-c)# inspect skinny skinny-map
hostname(config)# service-policy global_policy global
 

SCCP 検査の確認と監視

show skinny コマンドは、SCCP(Skinny)検査エンジンの問題のトラブルシューティングに役立ちます。次の条件での show skinny コマンドの出力例を示します。適応型セキュリティ アプライアンスを越えて 2 つのアクティブな Skinny セッションがセットアップされています。最初の Skinny セッションは、ローカル アドレス 10.0.0.11 にある内部 Cisco IP Phone と 172.18.1.33 にある外部 Cisco CallManager の間に確立されています。TCP ポート 2000 は、CallManager です。2 番目の Skinny セッションは、ローカル アドレス 10.0.0.22 にある別の内部 Cisco IP Phone と同じ Cisco CallManager の間に確立されています。

hostname# show skinny
LOCAL FOREIGN STATE
---------------------------------------------------------------
1 10.0.0.11/52238 172.18.1.33/2000 1
MEDIA 10.0.0.11/22948 172.18.1.22/20798
2 10.0.0.22/52232 172.18.1.33/2000 1
MEDIA 10.0.0.22/20798 172.18.1.11/22948
 

この出力は、2 つの内部 Cisco IP Phone 間でコールが確立されていることを示します。最初と 2 番目の電話機の RTP リスン ポートは、それぞれ UDP 22948 と 20798 です。

次に、これらの Skinny 接続の show xlate debug コマンドの出力例を示します。

hostname# show xlate debug
2 in use, 2 most used
Flags: D - DNS, d - dump, I - identity, i - inside, n - no random,
r - portmap, s - static
NAT from inside:10.0.0.11 to outside:172.18.1.11 flags si idle 0:00:16 timeout 0:05:00
NAT from inside:10.0.0.22 to outside:172.18.1.22 flags si idle 0:00:14 timeout 0:05:00