Cisco ASA 5500 シリーズ コンフィギュレーション ガイド(CLI8.2 を使用)
AAA サーバとローカル データベースの設定
AAA サーバとローカル データベースの設定
発行日;2012/02/06 | 英語版ドキュメント(2011/09/19 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 21MB) | フィードバック

目次

AAA サーバとローカル データベースの設定

AAA の概要

認証の概要

認可の概要

アカウンティングの概要

AAA サーバおよびローカル データベースのサポート

サポートの要約

RADIUS サーバのサポート

認証方法

アトリビュートのサポート

RADIUS 認可機能

TACACS+ サーバのサポート

RSA/SDI サーバのサポート

RSA/SDI バージョンのサポート

2 ステップ認証プロセス

SDI プライマリ サーバおよびレプリカ サーバ

NT サーバのサポート

Kerberos サーバのサポート

LDAP サーバのサポート

HTTP Form でのクライアントレス SSL VPN に対する SSO のサポート

ローカル データベースのサポート

ユーザ プロファイル

フォールバック サポート

ローカル データベースの設定

AAA サーバ グループおよびサーバの識別

LDAP サーバの設定

LDAP による認証

VPN のための LDAP での認可

LDAP アトリビュートのマッピング

証明書とユーザ ログイン クレデンシャルの使用

ユーザ ログイン クレデンシャルの使用

証明書の使用

Zone Labs Integrity サーバのサポート

Integrity サーバとセキュリティ アプライアンスの相互関係の概要

Integrity サーバのサポートの設定

AAA サーバとローカル データベースの設定

この章では、AAA(「トリプル エー」と発音)のサポート、および AAA サーバとローカル データベースの設定方法について説明します。

ここでは、次の項目を取り上げます。

「AAA の概要」

「AAA サーバおよびローカル データベースのサポート」

「ローカル データベースの設定」

「AAA サーバ グループおよびサーバの識別」

「LDAP サーバの設定」

「証明書とユーザ ログイン クレデンシャルの使用」

「Zone Labs Integrity サーバのサポート」

AAA の概要

AAA によって、適応型セキュリティ アプライアンスが、ユーザが誰か(認証)、ユーザが何を実行できるか(認可)、およびユーザが何を実行したか(アカウンティング)を判別することが可能になります。

AAA には、ユーザ アクセスに対して、アクセスリストだけを使用する場合よりもレベルの高い保護および制御機能が用意されています。たとえば、すべての外部ユーザが DMZ ネットワークのサーバ上の Telnet にアクセスできるようにするアクセスリストを作成できます。一部のユーザだけがサーバにアクセスできるようにするが、そのユーザの IP アドレスを常に認識しているとは限らない場合、AAA を使用すると、認証済みまたは認可済みのユーザだけが適応型セキュリティ アプライアンスを介してアクセスすることが許可されるようにできます (Telnet サーバもまた、認証を実行します。適応型セキュリティ アプライアンスは、認可されないユーザがサーバにアクセスできないようにします)。

認証だけで使用することも、認可およびアカウンティングとともに使用することもできます。認可では必ず、ユーザの認証が最初に済んでいる必要があります。アカウンティングだけで使用することも、認証および認可とともに使用することもできます。

この項は、次の内容で構成されています。

「認証の概要」

「認可の概要」

「アカウンティングの概要」

認証の概要

認証では、有効なユーザ クレデンシャルを要求してアクセスを制御します。このクレデンシャルは通常、ユーザ名とパスワードです。次の項目を認証するように、適応型セキュリティ アプライアンスを設定できます。

適応型セキュリティ アプライアンスへのすべての管理接続(この接続には、次のセッションが含まれます)

Telnet

SSH

シリアル コンソール

ASDM(HTTPS を使用)

VPN 管理アクセス

enable コマンド

ネットワーク アクセス

VPN アクセス

認可の概要

認可では、ユーザ認証後、 ユーザごと にアクセスを制御します。次の項目を認可するように、適応型セキュリティ アプライアンスを設定できます。

管理コマンド

ネットワーク アクセス

VPN アクセス

認可では、各認証済みユーザが使用可能なサービスおよびコマンドを制御します。認可をイネーブルにしていない場合は、認証だけで、すべての認証済みユーザがサービスに同じようにアクセスできます。

認可で提供される制御が必要な場合、広範な認証規則を設定して、詳細な認可が設定できます。たとえば、外部ネットワーク上のサーバにアクセスする内部ユーザを認証して、特定のユーザがアクセスできる外部サーバを認可によって制限します。

適応型セキュリティ アプライアンスはユーザあたり最初の 16 件の認可要求をキャッシュするため、ユーザが現在の認証セッション中に同じサービスにアクセスした場合、適応型セキュリティ アプライアンスは認可サーバに要求を再送信しません。

アカウンティングの概要

アカウンティングは、適応型セキュリティ アプライアンスを通過するトラフィックを追跡して、ユーザ アクティビティを記録できるようにします。トラフィックの認証をイネーブルにすると、ユーザごとにトラフィックをアカウンティングできます。トラフィックを認証しない場合は、IP アドレスごとにトラフィックをアカウンティングできます。アカウンティング情報には、セッションの開始時刻と終了時刻、ユーザ名、そのセッションで適応型セキュリティ アプライアンスを経由したバイト数、使用されたサービス、セッションの継続時間が含まれます。

AAA サーバおよびローカル データベースのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスは、さまざまな AAA サーバ タイプおよび適応型セキュリティ アプライアンスに保存されているローカル データベースをサポートします。ここでは、各 AAA サーバ タイプとローカル データベースに関するサポートについて説明します。

ここでは、次の項目について説明します。

「サポートの要約」

「RADIUS サーバのサポート」

「TACACS+ サーバのサポート」

「RSA/SDI サーバのサポート」

「NT サーバのサポート」

「Kerberos サーバのサポート」

「LDAP サーバのサポート」

「HTTP Form でのクライアントレス SSL VPN に対する SSO のサポート」

「ローカル データベースのサポート」

サポートの要約

表 36-1 に、各 AAA サービスのサポート状況の要約を AAA サーバ タイプ(ローカル データベースを含む)別に示します。特定の AAA サーバ タイプのサポートの詳細については、表に続く項目を参照してください。

 

表 36-1 AAA サポートの要約

AAA サービス
データベース タイプ
ローカル
RADIUS
TACACS+
SDI
NT
Kerberos
LDAP
HTTP Form
認証

VPN ユーザ1

あり

あり

あり

あり

あり

あり

あり

あり2

ファイアウォール セッション

あり

あり

あり

あり

あり

あり

あり

なし

管理者

あり

あり

あり

あり3

あり

あり

あり

なし

認可

VPN ユーザ

あり

あり

なし

なし

なし

なし

あり

なし

ファイアウォール セッション

なし

あり4

あり

なし

なし

なし

なし

なし

管理者

あり5

なし

あり

なし

なし

なし

なし

なし

アカウンティング

VPN 接続

なし

あり

あり

なし

なし

なし

なし

なし

ファイアウォール セッション

なし

あり

あり

なし

なし

なし

なし

なし

管理者

なし

あり6

あり

なし

なし

なし

なし

なし

1.SSL VPN 接続では、PAP または MS-CHAPv2 のいずれかを使用できます。

2.HTTP Form プロトコルは、クライアントレス SSL VPN ユーザだけにシングル サインオン認証をサポートしています。

3.SDI は、HTTP 管理アクセスに対してサポートされていません。

4.ファイアウォール セッションの場合、RADIUS 認可はユーザ固有のアクセスリストでだけサポートされます。このアクセスリストは RADIUS 認証応答で受信または指定されます。

5.ローカル コマンド認可は、特権レベルに限りサポートされます。

6.コマンド アカウンティングは、TACACS+ でだけ使用できます。

RADIUS サーバのサポート

ASA は、ASA 自体で利用可能な RADIUS サーバに加えて、次の AAA 用 RADIUS サーバをサポートします。

Cisco Secure ACS 3.2、4.0、4.1

RSA 認証マネージャ 5.2 および 6.1 の RSA Radius

認証方法

適応型セキュリティ アプライアンスは、RADIUS で次の認証方法をサポートします。

PAP:すべての接続タイプの場合。

CHAP:L2TP-over-IPsec の場合。

MS-CHAPv1:L2TP-over-IPsec の場合。

MS-CHAPv2:L2TP-over-IPsec の場合。また、パスワード管理機能がイネーブルで、通常の IPsec リモート アクセス接続の場合。MS-CHAPv2 は、クライアントレス接続でも使用できます。

認証プロキシ モード:RADIUS から Active Directory、RADIUS から RSA/SDI、RADIUS からトークンサーバ、および RSA/SI から RADIUS。


) MS-CHAPv2 を、適応型セキュリティ アプライアンスと RADIUS サーバの間の VPN 接続で使用されるプロトコルとしてイネーブルにするには、トンネルグループ一般アトリビュートでパスワード管理をイネーブルにする必要があります。パスワード管理をイネーブルにすると、適応型セキュリティ アプライアンスから RADIUS サーバへの MS-CHAPv2 認証要求が生成されます。詳細については、password-management コマンドの説明を参照してください。

二重認証を使用し、トンネル グループでパスワード管理をイネーブルにした場合は、プライマリ認証要求とセカンダリ認証要求に MS-CHAPv2 要求アトリビュートが含まれます。RADIUS サーバが MS-CHAPv2 をサポートしない場合は、no mschapv2-capable コマンドを使用して、そのサーバが MS-CHAPv2 以外の認証要求を送信するように設定できます。


アトリビュートのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスは、次の RADIUS アトリビュートのセットをサポートします。

RFC 2138 に定義されている認証アトリビュート

RFC 2139 に定義されているアカウンティング アトリビュート

RFC 2868 に定義されているトンネル プロトコル サポート用の RADIUS アトリビュート

RADIUS ベンダー ID 9 によって識別される Cisco IOS VSA

RADIUS ベンダー ID 3076 によって識別される Cisco VPN 関連 VSA

RFC 2548 に定義されている Microsoft VSA

RADIUS 認可機能

適応型セキュリティ アプライアンスでは RADIUS サーバを使用して、ダイナミック アクセスリストまたはユーザごとのアクセスリスト名を使用するネットワーク アクセスに対して、ユーザ認可を実行できます。ダイナミック アクセスリストを実装するには、これをサポートするように RADIUS サーバを設定する必要があります。ユーザを認証する場合、RADIUS サーバによってダウンロード可能なアクセスリスト、またはアクセスリスト名が適応型セキュリティ アプライアンスに送信されます。所定のサービスへのアクセスがアクセスリストによって許可または拒否されます。認証セッションの有効期限が切れると、適応型セキュリティ アプライアンスによってアクセスリストが削除されます。

TACACS+ サーバのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスは、ASCII、PAP、CHAP、および MS-CHAPv1 で TACACS+ 認証をサポートします。

RSA/SDI サーバのサポート

RSA SecureID サーバは、SDI サーバとも呼ばれます。

ここでは、次の項目について説明します。

「RSA/SDI バージョンのサポート」

「2 ステップ認証プロセス」

「SDI プライマリ サーバおよびレプリカ サーバ」

RSA/SDI バージョンのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスでは、SDI バージョン 5.0 および 6.0 がサポートされています。SDI は、SDI プライマリ サーバおよび SDI レプリカ サーバの概念を使用します。各プライマリおよびそのレプリカは、シングルノード秘密ファイルを共有します。そのノード秘密ファイルの名前は、.sdi が付加された ACE/サーバ IP アドレスの 16 進数値に基づきます。

適応型セキュリティ アプライアンスに設定するバージョン 5.0 または 6.0 SDI サーバは、プライマリでも、レプリカのいずれか 1 つでもかまいません。ユーザ認証のための SDI エージェントによるサーバの選択方法の詳細については、「SDI プライマリ サーバおよびレプリカ サーバ」を参照してください。

2 ステップ認証プロセス

SDI バージョン 5.0 および 6.0 は 2 ステップのプロセスを使用して、侵入者が RSA SecurID 認証要求から情報を取り込み、それを使用して別のサーバに認証を証明しないように防止します。エージェントはまず、SecurID サーバにロック要求を送信してから、ユーザ認証要求を送信します。サーバはユーザ名をロックして、別の(レプリカ)サーバがユーザ名を受信できないようにします。これは、同じユーザが、同じ認証サーバを同時に使用して、2 つの適応型セキュリティ アプライアンスに認証を証明することができないことを意味します。ユーザ名のロックに成功すると、適応型セキュリティ アプライアンスはパスコードを送信します。

SDI プライマリ サーバおよびレプリカ サーバ

適応型セキュリティ アプライアンスは、最初のユーザが設定済みサーバ(プライマリでもレプリカでもかまいません)に認証を証明するときに、サーバ リストを取得します。次に、適応型セキュリティ アプライアンスはリスト上の各サーバにプライオリティを割り当て、その後のサーバ選択では、この割り当てられたプライオリティのサーバから無作為に抽出します。最もプライオリティの高いサーバが選択される可能性が高くなります。

NT サーバのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスは、NTLM バージョン 1(集合的に NT サーバと呼びます)をサポートしている Microsoft Windows サーバ オペレーティング システムをサポートします。


) NT サーバでは、ユーザ パスワードの最大長は 14 文字です。それより長いパスワードは切り捨てられます。これは、NTLM バージョン 1 の制限です。


Kerberos サーバのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスは、3DES、DES、および RC4 暗号タイプをサポートしています。


) 適応型セキュリティ アプライアンスは、トンネル ネゴシエーション中のユーザ パスワードの変更はサポートしていません。この状況が意図せずに発生することを回避するために、適応型セキュリティ アプライアンスに接続するユーザの Kerberos/Active Directory サーバでのパスワード期限切れをディセーブルにします。


単純な Kerberos サーバ コンフィギュレーションの例については、 「例 36-2」(P.36-13) を参照してください。

LDAP サーバのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスでは LDAP をサポートしています。詳細については、「LDAP サーバの設定」を参照してください。

HTTP Form でのクライアントレス SSL VPN に対する SSO のサポート

適応型セキュリティ アプライアンスでは、クライアントレス SSL VPN ユーザの Single Sign-On(SSO; シングル サインオン)認証だけに HTTP Form プロトコルを使用できます。シングル サインオンのサポートを使用すると、クライアントレス SSL VPN のユーザは、ユーザ名とパスワードを 1 回入力するだけで、複数の保護されたサービスや Web サーバにアクセスできます。適応型セキュリティ アプライアンスで実行するクライアントレス SSL VPN サーバは、認証サーバに対するユーザのプロキシとして動作します。ユーザがログインすると、クライアントレス SSL VPN サーバは、ユーザ名とパスワードを含む SSO 認証要求を HTTPS を使用して認証サーバに送信します。サーバが認証要求を受け入れた場合は、クライアントレス SSL VPN サーバに SSO 認証クッキーを戻します。適応型セキュリティ アプライアンスは、ユーザの代わりにこのクッキーを保持し、ユーザの認証にこのクッキーを使用して、SSO サーバで保護されているドメイン内の Web サイトの安全を守ります。

HTTP Form プロトコル以外に、クライアントレス SSL VPN 管理者は、HTTP Basic と NTLM 認証プロトコル( auto-singon コマンド)、または Computer Associates eTrust SiteMinder SSO サーバ(従来の Netegrity SiteMinder)を使用して SSO を設定することを選択できます。HTTP Form、 auto-signon または SiteMinder を使用した SSO の設定の詳細については、 クライアントレス SSL VPN の設定の章を参照してください。

ローカル データベースのサポート

適応型セキュリティ アプライアンスは、ユーザ プロファイルを取り込むことができるローカル データベースを管理します。

ここでは、次の項目について説明します。

「ユーザ プロファイル」

「フォールバック サポート」

ユーザ プロファイル

ユーザ プロファイルには、少なくともユーザ名が含まれています。通常、パスワードはオプションですが、各ユーザ名にパスワードが割り当てられます。

username attributes コマンドによって、ユーザ名モードに移行できます。このモードでは、特定のユーザ プロファイルにその他の情報を追加できます。追加できる情報には、VPN セッション タイムアウト値など VPN 関連アトリビュートが含まれます。

フォールバック サポート

ローカル データベースは、複数の機能のフォールバック方式として動作できます。この動作は、適応型セキュリティ アプライアンスから誤ってロックアウトされないようにすることを意図しています。

フォールバック サポートを必要とするユーザでは、ローカル データベース内のユーザ名とパスワードと AAA サーバ内のユーザ名とパスワードを一致させることをお勧めします。これにより、透過フォールバックがサポートされます。ユーザは、AAA サーバとローカル データベースのどちらがサービスを提供しているかが判別できないので、ローカル データベースのユーザ名およびパスワードとは異なるユーザ名およびパスワードを AAA サーバで使用することは、指定するべきユーザ名とパスワードをユーザが確信できないことを意味します。

ローカル データベースでサポートされているフォールバック機能は次のとおりです。

コンソールおよびイネーブル パスワード認証 aaa authentication console コマンドを使用する場合、AAA サーバ グループ タグの後に LOCAL キーワードが追加できます。グループ内のサーバがすべて使用できない場合、適応型セキュリティ アプライアンスはローカル データベースを使用して管理アクセスを認証します。これには、イネーブル パスワード認証も含めることができます。

コマンド認可 aaa authorization command コマンドを使用する場合、AAA サーバ グループ タグの後に LOCAL キーワードが追加できます。グループ内の TACACS+ サーバがすべて使用できない場合、特権レベルに基づいてコマンドを認可するためにローカル データベースが使用されます。

VPN 認証および認可:VPN 認証および認可は、通常この VPN サービスをサポートしている AAA サーバが使用できない場合、適応型セキュリティ アプライアンスへのリモート アクセスをイネーブルにするためにサポートされます。 authentication-server-group コマンド(トンネルグループ一般アトリビュート モードで使用可能)を使用すると、トンネル グループのアトリビュートを設定するときに、 LOCAL キーワードが指定できます。管理者である VPN クライアントが、ローカル データベースへのフォールバックを設定されたトンネル グループを指定する場合、AAA サーバ グループが使用できない場合でも、ローカル データベースが必要なアトリビュートで設定されていれば、VPN トンネルが確立できます。

ローカル データベースの設定

ここでは、ローカル データベース内のユーザの管理方法について説明します。ローカル データベースは、CLI アクセス認証、特権モード認証、コマンド認可、ネットワーク アクセス認証、および VPN 認証および認可に使用できます。ネットワーク アクセス認証には、ローカル データベースは使用できません。ローカル データベースはアカウンティングをサポートしません。

マルチコンテキスト モードの場合、システム実行スペースでユーザ名を設定し、 login コマンドを使用して個々のログインを指定できます。しかし、システム実行スペースでは aaa コマンドは設定できません。

ローカル データベースにユーザ アカウントを定義するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 ユーザ アカウントを作成するには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# username name {nopassword | password password [mschap]} [privilege priv_level]
 

username キーワードは、4 ~ 64 文字の文字列です。

password password 引数は、3 ~ 16 文字の文字列です。

mschap キーワードは、パスワードを入力した後に、そのパスワードが Unicode に変換され、MD4 を使用してハッシュされることを示します。ユーザが MSCHAPv1 または MSCHAPv2 を使用して認証されている場合は、このキーワードを使用します。

privilege level 引数では、0 ~ 15 の特権レベルを設定します。デフォルトは 2 です。この特権レベルは、コマンド認可で使用されます。


注意 コマンド認可を使用していない場合(aaa authorization command LOCAL コマンド)、デフォルトのレベル 2 を使用して特権 EXEC モードにアクセスできます。特権 EXEC モードへのアクセスを制限する場合、特権レベルを 0 または 1 に設定するか、または service-type コマンドを使用します(ステップ 4 を参照)。

nopassword キーワードは、パスワードを指定しないユーザ アカウントを作成します。


) 通常、encrypted および nt-encrypted キーワードは表示専用です。username コマンドでパスワードを定義する場合、適応型セキュリティ アプライアンスはパスワードをコンフィギュレーションに保存するときに、セキュリティのために暗号化します。show running-config コマンドを入力すると、username コマンドは実際のパスワードを表示しません。このコマンドは暗号化されたパスワードを表示し、次に encrypted または nt-encrypted キーワード(mschap を指定する場合)を表示します。たとえば、パスワードに「test」と入力すると、show running-config は次のように表示します。

username pat password DLaUiAX3l78qgoB5c7iVNw== nt-encrypted
 

実際に CLI で encrypted または nt-encrypted キーワードを入力するのは、ある設定を他の適応型セキュリティ アプライアンスにカット アンド ペーストして、同じパスワードを使用している場合だけです。


 

ステップ 2 (オプション)管理アクセスを認証するユーザに、ユーザ固有のアクセス レベルを強制するには( aaa authentication console LOCAL コマンドを参照)、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# aaa authorization exec authentication-server
 

このコマンドにより、ローカル ユーザと、RADIUS、LADA、および TACACS+ で認証されたすべてのユーザの管理認可がイネーブルになります。AAA サーバのユーザを管理認可が有効になるように設定する方法については、「管理認可によるユーザ CLI および ASDM アクセスの制限」を参照してください。

ローカル ユーザの場合、ステップ 4 で説明する service-type コマンドを使用してアクセスのレベルを設定します。

ステップ 3 (オプション)ユーザ名アトリビュートを設定するには、次のコマンドを使用します。

hostname(config)# username username attributes
 

username 引数はステップ 1 で作成したユーザ名です。

ステップ 4 (オプション)ステップ 2 で管理認可を設定した場合、次のコマンドを入力してユーザ レベルを設定します。

hostname(config-username)# service-type {admin | nas-prompt | remote-access}
 

admin キーワードは、 aaa authentication console LOCAL コマンドによって指定されたサービスへのフル アクセスを許可します。デフォルトは admin です。 admin がデフォルトです。

nas-prompt キーワードは、 aaa authentication { telnet | ssh | serial} console LOCAL コマンドを設定しているときに CLI へのアクセスを許可しますが、 aaa authentication http console LOCAL コマンドを設定しているときは ASDM へのコンフィギュレーション アクセスを拒否します。ASDM のモニタリング アクセスは許可されます。 aaa authentication enable console LOCAL コマンドを使用してイネーブル認証を設定している場合、ユーザは、 enable コマンドを使用して(または login コマンドを使用して)特権 EXEC モードにアクセスできません。

remote-access キーワードは管理アクセスを拒否します。ユーザは、 aaa authentication console LOCAL コマンドで指定されているいずれのサービスも使用できません( serial キーワードは除きます。この場合、シリアル アクセスは許可されます)。

ステップ 5 (オプション)VPN 認証にこのユーザ名を使用している場合、そのユーザに多くの VPN アトリビュートを設定できます。「ユーザ アトリビュートの設定」を参照してください。


 

たとえば、次のコマンドは、admin ユーザ アカウントに対して特権レベル 15 を割り当てます。

hostname(config)# username admin password passw0rd privilege 15
 

次のコマンドは、パスワードを指定しないユーザ アカウントを作成します。

hostname(config)# username bcham34 nopassword
 

次のコマンドは、管理認可をイネーブルにし、パスワードを指定するユーザ アカウントを作成し、ユーザ名アトリビュート コンフィギュレーション モードに移行して、service-type アトリビュートを指定します。

hostname(config)# aaa authorization exec authentication-server
hostname(config)# username rwilliams password gOgeOus
hostname(config)# username rwilliams attributes
hostname(config-username)# service-type nas-prompt
 

AAA サーバ グループおよびサーバの識別

認証、認可、またはアカウンティングに外部 AAA サーバを使用する場合は、まず AAA プロトコルあたり少なくとも 1 つの AAA サーバ グループを作成して、各グループに 1 つ以上のサーバを追加する必要があります。AAA サーバ グループは名前で識別されます。各サーバ グループは、Kerberos、LDAP、NT、RADIUS、SDI、または TACACS+ というサーバの 1 つのタイプ専用となります。

適応型セキュリティ アプライアンスは、グループ内の最初のサーバにアクセスします。そのサーバが使用できない場合、適応型セキュリティ アプライアンスはグループ内の次のサーバにアクセスします(設定されている場合)。グループ内のすべてのサーバが使用できない場合、適応型セキュリティ アプライアンスは、ローカル データベースがフォールバック方式として設定されていると、ローカル データベースに接続しようとします(管理認証および認可限定)。フォールバック方式として設定されていない場合、適応型セキュリティ アプライアンスは引き続き AAA サーバにアクセスしようとします。

サーバ グループを作成して、AAA サーバを追加するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 作成する必要のある AAA サーバについて、次の手順を実行します。

a. サーバ グループ名とプロトコルを指定します。これを行うには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# aaa-server server_group protocol {kerberos | ldap | nt | radius | sdi | tacacs+}
 

たとえば、RADIUS を使用してネットワーク アクセスを認証し、TACACS+ を使用して CLI アクセスを認証するには、RADIUS サーバ用に 1 つ、TACACS+ サーバ用に 1 つというように、最低 2 つのサーバ グループを作成する必要があります。

最大 15 のシングルモード サーバ グループまたは 4 つのマルチモード サーバ グループを指定できます。各サーバ グループには、シングルモードで最大 16 台、マルチモードで最大 4 台のサーバを含めることができます。

aaa-server protocol コマンドを入力する場合は、グループ モードに移行します。

b. 次のサーバを作成する前に、グループ内の AAA サーバに送信される要求の最大数を指定する場合は、次のコマンドを入力します。

hostname(config-aaa-server-group)# max-failed-attempts number
 

number には、1 ~ 5 の値を指定できます。デフォルトは 3 です。

ローカル データベースを使用してフォールバック方式を設定し(管理アクセスだけの場合は、「システム管理者用 AAA の設定」および「TACACS+ コマンド認可の設定」を参照してフォールバック メカニズムを設定)、グループ内のすべてのサーバが応答できなかった場合、グループは非応答と見なされ、フォールバック方式が試行されます。サーバ グループで、追加の AAA 要求によるアクセスがない、非応答と見なされる時間が 10 分間(デフォルト)続いたら、ただちにフォールバック方式が使用されます。非応答時間をデフォルトから変更するには、次のステップの reactivation-mode コマンドを参照してください。

フォールバック方式として設定されていない場合、適応型セキュリティ アプライアンスは引き続きグループ内のサーバにアクセスしようとします。

c. グループ内の障害の発生したサーバが再度アクティブ化される方法(再アクティブ化ポリシー)を指定する場合は、次のコマンドを入力します。

hostname(config-aaa-server-group)# # reactivation-mode {depletion [deadtime minutes] | timed}
 

depletion キーワードは、グループ内のすべてのサーバが非アクティブになった後に、障害の発生したサーバを再度アクティブ化します。

deadtime minutes 引数は、グループ内の最後のサーバをディセーブルにしてから、次にすべてのサーバを再度イネーブルにするまでの経過時間を分単位で 0 ~ 1440 から指定します。デフォルトは 10 分です。

timed キーワードは、30 秒間のダウンタイムの後に障害が発生したサーバを再度アクティブ化します。

d. グループのすべてのサーバにアカウンティング メッセージを送信する場合(RADIUS または TACACS+ 限定)、次のコマンドを入力します。

hostname(config-aaa-server-group)# accounting-mode simultaneous
 

アクティブ サーバだけ送信メッセージをデフォルトに戻すには、 accounting-mode single コマンドを入力します。

ステップ 2 ネットワーク上の各 AAA サーバについて、次の手順を実行します。

a. サーバを、所属する AAA サーバ グループを含めて、指定します。これを行うには、次のコマンドを入力します。

hostname(config)# aaa-server server_group (interface_name) host server_ip
 

aaa-server host コマンドを入力する場合、ホスト モードに移行します。

b. 必要に応じて、ホスト モード コマンドを使用して、さらに AAA サーバを設定します。

ホスト モードでのコマンドは、すべての AAA サーバ タイプに適用されるわけではありません。 表 36-2 に、使用可能なコマンド、適用先のサーバ タイプ、および新規 AAA サーバ定義にそのコマンドのデフォルト値が指定されているかどうかを示します。コマンドが、指定したサーバ タイプに適用可能で、デフォルト値が用意されていない場合は(「--」で示す)、コマンドを使用して値を指定します。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco ASA 5500 Series Command Reference 』を参照してください。

 

表 36-2 ホスト モード コマンド、サーバ タイプ、およびデフォルト

コマンド
適用可能な AAA サーバ タイプ
デフォルト値

accounting-port

RADIUS

1646

acl-netmask-convert

RADIUS

標準

authentication-port

RADIUS

1645

kerberos-realm

Kerberos

--

key

RADIUS

--

TACACS+

--

ldap-attribute-map

LDAP

--

ldap-base-dn

LDAP

--

ldap-login-dn

LDAP

--

ldap-login-password

LDAP

--

ldap-naming-attribute

LDAP

--

ldap-over-ssl

LDAP

--

ldap-scope

LDAP

--

maschapv2-capable

RADIUS

イネーブル

nt-auth-domain-controller

NT

--

radius-common-pw

RADIUS

--

retry-interval

Kerberos

10 秒

RADIUS

10 秒

SDI

10 秒

sasl-mechanism

LDAP

--

server-port

Kerberos

88

LDAP

389

NT

139

SDI

5500

TACACS+

49

server-type

LDAP

auto-discovery

timeout

すべて

10 秒


 

例 36-1 に、1 つのプライマリ サーバと 1 つのバックアップ サーバを持つ 1 つの TACACS+ グループ、単一のサーバを持つ 1 つの RADIUS グループ、および 1 つの NT ドメイン サーバを追加するコマンドを示します。

例 36-1 複数の AAA サーバ グループおよびサーバ

hostname(config)# aaa-server AuthInbound protocol tacacs+
hostname(config-aaa-server-group)# max-failed-attempts 2
hostname(config-aaa-server-group)# reactivation-mode depletion deadtime 20
hostname(config-aaa-server-group)# exit
hostname(config)# aaa-server AuthInbound (inside) host 10.1.1.1
hostname(config-aaa-server-host)# key TACPlusUauthKey
hostname(config-aaa-server-host)# exit
hostname(config)# aaa-server AuthInbound (inside) host 10.1.1.2
hostname(config-aaa-server-host)# key TACPlusUauthKey2
hostname(config-aaa-server-host)# exit
hostname(config)# aaa-server AuthOutbound protocol radius
hostname(config-aaa-server-group)# exit
hostname(config)# aaa-server AuthOutbound (inside) host 10.1.1.3
hostname(config-aaa-server-host)# key RadUauthKey
hostname(config-aaa-server-host)# exit
hostname(config)# aaa-server NTAuth protocol nt
hostname(config-aaa-server-group)# exit
hostname(config)# aaa-server NTAuth (inside) host 10.1.1.4
hostname(config-aaa-server-host)# nt-auth-domain-controller primary1
hostname(config-aaa-server-host)# exit
 

例 36-2 に、watchdogs という名前の Kerberos AAA サーバ グループを設定し、そのグループに AAA サーバを追加して、そのサーバの Kerberos 領域を定義するコマンドを示します。例 36-2 では、リトライ インターバルと Kerberos サーバがリスンするポートを定義していないため、適応型セキュリティ アプライアンスは、これら 2 つのサーバ固有のパラメータにデフォルト値を使用します。 表 36-2 に、すべての AAA サーバ ホスト モード コマンドのデフォルト値を示します。


) Kerberos 領域名では数字と大文字だけを使用します。適応型セキュリティ アプライアンスは領域名に小文字を受け入れますが、小文字を大文字に変換しません。大文字だけを使用してください。


例 36-2 Kerberos サーバ グループおよびサーバ

hostname(config)# aaa-server watchdogs protocol kerberos
hostname(config-aaa-server-group)# aaa-server watchdogs host 192.168.3.4
hostname(config-aaa-server-host)# kerberos-realm EXAMPLE.COM
hostname(config-aaa-server-host)# exit
hostname(config)#

LDAP サーバの設定

この項では、ユーザ認証と VPN 認可に適応型セキュリティ アプライアンスを利用する LDAP ディレクトリの使用方法について説明します。この項は、次の内容で構成されています。

「LDAP による認証」

「VPN のための LDAP での認可」

「LDAP アトリビュートのマッピング」

LDAP による認証または認可をセットアップする設定手順の例については、 付録 D「認可および認証用の外部サーバの設定」 を参照してください。

LDAP による認証

認証中、適応型セキュリティ アプライアンスは、ユーザの LDAP サーバへのクライアント プロキシとして機能し、プレーン テキストまたは Simple Authentication and Security Layer(SASL)プロトコルのいずれかを使って LDAP サーバに対する認証を行います。デフォルトで、適応型セキュリティ アプライアンスは、通常はユーザ名とパスワードである認証パラメータを LDAP サーバにプレーン テキストで渡します。SASL とプレーン テキストのいずれを使用する場合でも、 ldap-over-ssl コマンドを使用して、SSL で適応型セキュリティ アプライアンスと LDAP サーバの間の通信を保護できます。


) SASL を設定しない場合、SSL で LDAP 通信を保護することを強くお勧めします。『Cisco ASA 5500 Series Command Reference』の ldap-over-ssl コマンドを参照してください。


ユーザ LDAP 認証が成功すると、LDAP サーバは認証されたユーザのアトリビュートを返します。VPN 認証では、通常これらのアトリビュートには、VPN セッションに適用される認可データが含まれます。したがって、LDAP を使用すると、認証と認可が 1 つのステップで行われます。

SASL を使用した LDAP 認証の保護

適応型セキュリティ アプライアンスでは、次の SASL メカニズムをサポートしています。次に、強度の低い順番に示します。

Digest-MD5:適応型セキュリティ アプライアンスは、ユーザ名とパスワードから計算した MD5 値を使用して LDAP サーバに応答します。

Kerberos:適応型セキュリティ アプライアンスは、Generic Security Services Application Programming Interface(GSSAPI; 汎用セキュリティ サービス API)Kerberos メカニズムを使用して、ユーザ名と領域を送信することで LDAP サーバに応答します。

これらの SASL メカニズムの任意の組み合せをサポートするように、適応型セキュリティ アプライアンスと LDAP サーバを設定できます。複数のメカニズムを設定した場合、適応型セキュリティ アプライアンスはサーバに設定されている SASL メカニズムのリストを取得し、認証メカニズムを適応型セキュリティ アプライアンスとサーバの両方に設定されているメカニズムで最も強力なものに設定します。たとえば、LDAP サーバと適応型セキュリティ アプライアンスの両方がこれら両方のメカニズムをサポートしている場合、適応型セキュリティ アプライアンスは、より強力な方の Kerberos メカニズムを選択します。

次の例では、ldap_dir_1 という名前の LDAP ディレクトリ サーバに対する認証に digest-MD5 SASL メカニズムを使用し、SSL で保護された接続で通信するように適応型セキュリティ アプライアンスを設定します。

hostname(config)# aaa-server ldap_dir_1 protocol ldap
hostname(config-aaa-server-group)# aaa-server ldap_dir_1 host 10.1.1.4
hostname(config-aaa-server-host)# sasl-mechanism digest-md5
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-over-ssl enable
hostname(config-aaa-server-host)#

LDAP サーバ タイプの設定

適応型セキュリティ アプライアンスは LDAP バージョン 3 をサポートしており、Sun Microsystems JAVA System Directory Server(従来の Sun ONE Directory Server)、Microsoft Active Directory、およびその他の LDAPv3 ディレクトリ サーバと互換性があります。

デフォルトで、適応型セキュリティ アプライアンスは、Microsoft Active Directory、Sun LDAP ディレクトリ サーバ、または汎用 LDAPv3 ディレクトリ サーバのどれに接続されているかを自動検出します。ただし、自動検出で LDAP サーバ タイプを特定できず、そのサーバが Microsoft、Sun、または汎用 LDAP サーバのいずれであるかを把握している場合は、キーワード sun microsoft 、または generic を使用して、サーバ タイプを手動で設定できます。次の例では、LDAP ディレクトリ サーバ ldap_dir_1 を Sun Microsystems タイプに設定します。

hostname(config)# aaa-server ldap_dir_1 protocol ldap
hostname(config-aaa-server-group)# aaa-server ldap_dir_1 host 10.1.1.4
hostname(config-aaa-server-host)# server-type sun
hostname(config-aaa-server-host)#

) • Sun:Sun ディレクトリ サーバにアクセスするように適応型セキュリティ アプライアンスで設定されている DN は、そのサーバのデフォルト パスワード ポリシーにアクセスできる必要があります。ディレクトリ管理者、またはディレクトリ管理特権のあるユーザを DN として使用することをお勧めします。または、デフォルトのパスワード ポリシーに ACI を設定することもできます。

Microsoft:Microsoft Active Directory でのパスワード管理をイネーブルにするために LDAP over SSL を設定する必要があります。

Generic:適応型セキュリティ アプライアンスでは、汎用 LDAPv3 ディレクトリ サーバでのパスワードの管理をサポートしていません。


 

VPN のための LDAP での認可

VPN アクセスのためのユーザ LDAP 認証が成功すると、適応型セキュリティ アプライアンスは、LDAP アトリビュートを返す LDAP サーバのクエリーを実行します。通常これらのアトリビュートには、VPN セッションに適用される認可データが含まれます。したがって、LDAP を使用すると、認証と認可が 1 つのステップで行われます。

ただし、場合によっては、認可メカニズムとは別の異なる認可を LDAP ディレクトリ サーバから取得する必要があります。たとえば、認証に SDI または証明書サーバを使用している場合、認可情報は返されません。この場合、ユーザ認可では、認証の成功後に LDAP ディレクトリのクエリーを実行するため、認証と認可は 2 つのステップで行われます。

LDAP を使用する VPN ユーザ認可を設定するには、最初に AAA サーバ グループとトンネル グループを作成する必要があります。次に、 tunnel-group general-attributes コマンドを使用して、サーバとトンネル グループを関連付けます。特定の要件で使用できる認可関連のコマンドとオプションは他にもありますが、次の例では、LDAP でのユーザ認可をイネーブルにする基本のコマンドを示します。この例では、remote-1 という名前の IPsec リモート アクセス トンネル グループを作成し、以前作成した認可のための ldap_dir_1 AAA サーバに、その新しいトンネル グループを割り当てます。

hostname(config)# tunnel-group remote-1 type ipsec-ra
hostname(config)# tunnel-group remote-1 general-attributes
hostname(config-general)# authorization-server-group ldap_dir_1
hostname(config-general)#
 

この基本設定作業が完了したら、ディレクトリ パスワード、ディレクトリ検索の開始点、ディレクトリ検索の範囲など、追加の LDAP 認可パラメータを次のように設定できます。

hostname(config)# aaa-server ldap_dir_1 protocol ldap
hostname(config-aaa-server-group)# aaa-server ldap_dir_1 host 10.1.1.4
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-login-dn obscurepassword
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-base-dn starthere
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-scope subtree
hostname(config-aaa-server-host)#
 

詳細については、『 Cisco ASA 5500 Series Command Reference 』の LDAP コマンドを参照してください。

LDAP アトリビュートのマッピング

既存の LDAP ディレクトリに適応型セキュリティ アプライアンスを導入する場合、その LDAP アトリビュートの名前および値は、既存のものとは異なる場合があります。既存のユーザ定義のアトリビュートの名前および値を、適応型セキュリティ アプライアンスと互換性のあるシスコのアトリビュートの名前と値にマッピングする LDAP アトリビュート マップを作成する必要があります。それらのアトリビュート マップを LDAP サーバにバインドしたり、必要に応じて削除したりすることができます。また、アトリビュート マップを表示または消去することもできます。


) アトリビュート マッピング機能を適切に使用するには、シスコの LDAP アトリビュートの名前と値、およびユーザ定義のアトリビュートと値を理解する必要があります。


グローバル コンフィギュレーション モードで入力された次のコマンドは、att_map_1 という名前の空の LDAP アトリビュート マップ テーブルを作成します。

hostname(config)# ldap attribute-map att_map_1
hostname(config-ldap-attribute-map)#
 

次のコマンドは、ユーザ定義のアトリビュート名 department を、シスコのアトリビュート名 IETF-Radius-Class にマッピングします。2 つ目のコマンドは、ユーザ定義のアトリビュート値 Engineering を、ユーザ定義のアトリビュート department とシスコ定義のアトリビュート値 group1 にマッピングします。

hostname(config)# ldap attribute-map att_map_1
hostname(config-ldap-attribute-map)# map-name department IETF-Radius-Class
hostname(config-ldap-attribute-map)# map-value department Engineering group1
hostname(config-ldap-attribute-map)#
 

次のコマンドは、アトリビュート マップ att_map_1 を、LDAP サーバ ldap_dir_1 にバインドします。

hostname(config)# aaa-server ldap_dir_1 host 10.1.1.4
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-attribute-map att_map_1
hostname(config-aaa-server-host)#

) アトリビュート マップを作成するためのコマンド(ldap attribute-map)と、それを LDAP サーバにバインドするためのコマンド(ldap-attribute-map)は、ハイフン 1 つとモードが異なります。


次のコマンドは、実行コンフィギュレーション内のすべての LDAP アトリビュート マップを表示または消去します。

hostname# show running-config all ldap attribute-map
hostname(config)# clear configuration ldap attribute-map
hostname(config)#
 

頻繁にマッピングされるシスコの LDAP アトリビュートの名前と、一般にマッピングされるユーザ定義のアトリビュートのタイプは次のとおりです。

IETF-Radius-Class -- Department or user group
IETF-Radius-Filter-Id -- Access control list
IETF-Radius-Framed-IP-Address -- A static IP address
IPSec-Banner1 -- A organization title
Tunneling-Protocols -- Allow or deny dial-in
 

次の例は、accessType という名前の LDAP アトリビュートに基づいて管理セッションを適応型セキュリティ アプライアンスに制限する方法を示しています。accessType アトリビュートの有効な値は次の 3 つです。

VPN

admin

helpdesk

各値は、適応型セキュリティ アプライアンスでサポートされる有効な IETF RADIUS Service-Type(remote-access(Service-Type 5)発信、admin(Service-Type 6)管理、および nas-prompt(Service-Type 7)NAS プロンプト)のいずれかにマッピングされます。

hostname(config)# ldap attribute-map MGMT
hostname(config-ldap-attribute-map)# map-name accessType IETF-Radius-Service-Type
hostname(config-ldap-attribute-map)# map-value accessType VPN 5
hostname(config-ldap-attribute-map)# map-value accessType admin 6
hostname(config-ldap-attribute-map)# map-value accessType helpdesk 7
 
hostname(config-ldap-attribute-map)# aaa-server LDAP protocol ldap
hostname(config-aaa-server-group)# aaa-server LDAP (inside) host 10.1.254.91
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-base-dn CN=Users,DC=cisco,DC=local
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-scope subtree
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-login-password test
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-login-dn CN=Administrator,CN=Users,DC=cisco,DC=local
hostname(config-aaa-server-host)# server-type auto-detect
hostname(config-aaa-server-host)# ldap-attribute-map MGMT
 

シスコの LDAP アトリビュートの名前と値のリストについては、 付録 D「認可および認証用の外部サーバの設定」 を参照してください。または、次の例のように ldap-attribute-map モードで「?」と入力して、シスコの LDAP アトリビュート名の完全なリストを表示することもできます。

hostname(config)# ldap attribute-map att_map_1
hostname(config-ldap-attribute-map)# map-name att_map_1 ?
 
ldap mode commands/options:
cisco-attribute-names:
Access-Hours
Allow-Network-Extension-Mode
Auth-Service-Type
Authenticated-User-Idle-Timeout
Authorization-Required
Authorization-Type
:
:
X509-Cert-Data
hostname(config-ldap-attribute-map)#
 

証明書とユーザ ログイン クレデンシャルの使用

この項では、認証と認可に証明書およびユーザ ログイン クレデンシャル(ユーザ名とパスワード)を使用する、さまざまな方法について説明します。これは IPsec とクライアントレス SSL VPN の両方に適用されます。

すべての場合において、LDAP 認可では、パスワードをクレデンシャルとして使用しません。RADIUS 認可では、すべてのユーザの共通パスワードまたはユーザ名のいずれかを、パスワードとして使用します。

ユーザ ログイン クレデンシャルの使用

認証および認可のデフォルトの方法では、ユーザ ログイン クレデンシャルを使用します。

認証

認証サーバ グループ設定によってイネーブルにされます。

ユーザ名とパスワードをクレデンシャルとして使用します。

認可

認可サーバ グループ設定によってイネーブルにされます。

ユーザ名をクレデンシャルとして使用します。

証明書の使用

ユーザ デジタル証明書が設定されている場合、セキュリティ アプライアンスは最初に証明書を検証します。ただし、証明書の DN を認証用のユーザ名として使用しません。

認証と認可の両方がイネーブルになっている場合、セキュリティ アプライアンスは、ユーザの認証と認可の両方にユーザ ログイン クレデンシャルを使用します。

認証

認証サーバ グループ設定によってイネーブルにされます。

ユーザ名とパスワードをクレデンシャルとして使用します。

認可

認可サーバ グループ設定によってイネーブルにされます。

ユーザ名をクレデンシャルとして使用します。

認証がディセーブルで認可がイネーブルになっている場合、セキュリティ アプライアンスは認可にプライマリ DN フィールドを使用します。

認証

認証サーバ グループ設定によってディセーブル(None に設定)になります。

クレデンシャルは使用されません。

認可

認可サーバ グループ設定によってイネーブルにされます。

証明書のプライマリ DN フィールドのユーザ名の値をクレデンシャルとして使用します。


) 証明書にプライマリ DN フィールドが存在しない場合、セカンダリ DN フィールドの値を認可要求のユーザ名として使用します。


次の Subject DN フィールドと値が含まれるユーザ証明書を例に挙げます。

Cn=anyuser,OU=sales;O=XYZCorporation;L=boston;S=mass;C=us;ea=anyuser@example.com .

プライマリ DN = EA(電子メール アドレス)およびセカンダリ DN = CN(通常名)の場合、認可要求で使われるユーザ名は anyuser@example.com になります。

Zone Labs Integrity サーバのサポート

この項では Zone Labs Integrity サーバ(Check Point Integrity サーバとも呼ばれる)について説明し、Zone Labs Integrity サーバをサポートするように適応型セキュリティ アプライアンスを設定する手順の例を示します。Integrity サーバは、リモート PC 上でセキュリティ ポリシーを設定および実行するための中央管理ステーションです。リモート PC が Integrity サーバによって指定されたセキュリティ ポリシーと適合しない場合、Integrity サーバおよび適応型セキュリティ アプライアンスが保護するプライベート ネットワークへのアクセス権が与えられません。

この項は、次の内容で構成されています。

「Integrity サーバとセキュリティ アプライアンスの相互関係の概要」

「Integrity サーバのサポートの設定」

Integrity サーバとセキュリティ アプライアンスの相互関係の概要

VPN クライアント ソフトウェアと Integrity クライアント ソフトウェアは、リモート PC 上に共に常駐しています。次の手順では、リモート PC と企業のプライベート ネットワーク間にセッションを確立する際のリモート PC、適応型セキュリティ アプライアンス、および Integrity サーバのアクションをまとめます。

1. VPN クライアント ソフトウェア(Integrity クライアント ソフトウェアと同じリモート PCに常駐)は、適応型セキュリティ アプライアンスに接続し、それがどのタイプのファイアウォール クライアントであるかを適応型セキュリティ アプライアンスに知らせます。

2. クライアント ファイアウォールのタイプを承認すると、適応型セキュリティ アプライアンスは Integrity サーバのアドレス情報を Integrity クライアントに返します。

3. 適応型セキュリティ アプライアンスはプロキシとして動作し、Integrity クライアントは Integrity サーバとの制限付き接続を確立します。制限付き接続は、Integrity クライアントとサーバの間だけで確立されます。

4. Integrity サーバは、Integrity クライアントが指定されたセキュリティ ポリシーに準拠しているかどうかを特定します。クライアントがセキュリティ ポリシーに準拠している場合、Integrity サーバは適応型セキュリティ アプライアンスに対して、接続を開いて接続の詳細をクライアントに提供するように指示します。

5. リモート PC では、VPN クライアントが接続の詳細を Integrity クライアントに渡し、ポリシーの実施がただちに開始され、クライアントはプライベート ネットワークに入ることができない旨を知らせます。

6. 接続が確立すると、サーバは、クライアント ハートビート メッセージを使用してクライアントの状態の監視を続けます。


) ユーザ インターフェイスが最大 5 つの Integrity サーバの設定をサポートしている場合でも、現在のリリースのセキュリティ アプライアンスが一度にサポートする Integrity サーバは 1 つです。アクティブ サーバに障害が発生したら、適応型セキュリティ アプライアンス上に別の Integrity サーバを設定してから、クライアント VPN セッションを再度確立します。


Integrity サーバのサポートの設定

この項では、Zone Labs Integrity サーバをサポートするように適応型セキュリティ アプライアンスを設定するための例の手順を説明します。この手順には、アドレス、ポート、接続障害タイムアウトおよび障害の状態、および SSL 証明書パラメータの設定が含まれます。

まず、Integrity サーバのホスト名または IP アドレスを設定する必要があります。次のコマンド例は、グローバル コンフィギュレーション モードで入力され、IP アドレス 10.0.0.5 を使用して Integrity サーバを設定します。また、Integrity サーバと通信するために、ポート 300(デフォルト ポートは 5054)と内部インターフェイスを指定します。

hostname(config)# zonelabs-integrity server-address 10.0.0.5
hostname(config)# zonelabs-integrity port 300
hostname(config)# zonelabs-integrity interface inside
hostname(config)#
 

適応型セキュリティ アプライアンスと Integrity サーバの間の接続で障害が発生した場合、エンタープライズ VPN が Integrity サーバの障害によって中断されないように、デフォルトで VPN クライアント接続は開いたままになります。ただし、Zone Labs Integrity サーバに障害が発生すると、場合によっては VPN 接続を閉じる必要があります。次のコマンドによって、Integrity サーバに障害があることを宣言して VPN クライアント接続を閉じる前に、適応型セキュリティ アプライアンスはアクティブまたはスタンバイ Integrity サーバからの応答を 12 秒間待ちます。

hostname(config)# zonelabs-integrity fail-timeout 12
hostname(config)# zonelabs-integrity fail-close
hostname(config)#
 

次のコマンドは、設定された VPN クライアント接続の障害状態をデフォルトに戻して、クライアント接続を開いたままにします。

hostname(config)# zonelabs-integrity fail-open
hostname(config)#
 

次の例のコマンドは、Integrity サーバが適応型セキュリティ アプライアンス上のポート 300(デフォルトはポート 80)に接続して、サーバの SSL 証明書を要求するように指定します。サーバの SSL 証明書は常に認証されますが、これらのコマンドでは、Integrity サーバのクライアント SSL 証明書も認証されるように指定します。

 
hostname(config)# zonelabs-integrity ssl-certificate-port 300
hostname(config)# zonelabs-integrity ssl-client-authentication
hostname(config)#
 

ファイアウォール クライアントのタイプを Zone Labs Integrity タイプに設定するには、「ファイアウォール ポリシーの設定」で説明するように、 client-firewall コマンドを使用します。ファイアウォールのタイプが zonelabs-integrity の場合、Integrity サーバがポリシーを決定するため、ファイアウォール ポリシーを指定するコマンド引数は使用されません。