IP アドレッシング:NAT コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(ASR 1000)
変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング
変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング
発行日;2013/07/22   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

目次

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能では、IPv6 ドメイン経由の IPv4 ホストへの接続を提供します。 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)は、カスタマー エッジ(CE)デバイスおよび境界ルータでダブル変換(IPv4 から IPv6 およびその逆)を実行するメカニズムです。

このモジュールでは、MAP-T の概要と、この機能を設定する方法について説明します。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このマニュアルの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの制約事項

  • 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)カスタマー エッジ(CE)機能はサポートされません。
  • 最大 128 個の MAP-T ドメインがサポートされます。
  • 転送マッピング ルール(FMR)はサポートされません。

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングについて

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの概要

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能では、IPv6 ドメイン経由の IPv4 ホストへの接続を提供します。 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)は、RFC 6052、6144、および 6145 で指定されている、既存のステートレス IPv4 および IPv6 アドレス変換手法を基にしています。

MAP-T は、カスタマー エッジ(CE)デバイスおよび境界ルータでダブル変換(IPv4 から IPv6 およびその逆)を実行するメカニズムです。 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能では、MAP-T 境界ルータ機能のみをサポートします。 この機能は MAP-T CE 機能はサポートしません。

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能では、ネットワーク アドレス変換 64(NAT64)変換エンジンを活用し、MAP-T 境界ルータ機能を NAT64 ステートレス機能に追加します。 MAP-T は、IPv4 および IPv6 インターフェイスでイネーブルにされます。 MAP-T では、IPv4 および IPv6 転送、IPv4 および IPv6 フラグメンテーション機能、および NAT64 変換機能を使用します。 MAP-T ドメインは、1 つ以上の MAP CE デバイスおよび境界ルータです。これらはすべて同じ IPv6 ネットワークに接続されています。

MAP-T CE デバイスは、ユーザのプライベート IPv4 アドレスおよびネイティブ IPv6 ネットワークを IPv6 専用 MAP-T ドメインに接続します。 MAP-T 境界ルータでは、ステートレス IPv4/IPv6 変換を使用して、1 つ以上の MAP-T ドメインで使用可能なすべてのデバイスに外部 IPv4 ネットワークを接続します。 MAP-T は、ネットワークごとに IPv6 プレフィックスを 1 つのみ必要とし、標準的な IPv6 プレフィックス/アドレス割り当てメカニズムをサポートします。 MAP-T ドメインには、IPv4-Translatable IPv6 アドレスを持つ標準的な IPv6 専用ホストまたはサーバが含まれます。 MAP-T では、IPv4 オーバーレイ ネットワークが動作している必要も、非ネイティブ IPv6 ネットワーク デバイスまたはサーバ機能を導入する必要もありません。

MAP-T 設定により、次の機能が提供されます。
  • IPv4 エンド ホストが、IPv6 ドメインを経由して他の IPv4 ホストと通信する機能を保持します。
  • 個別の IPv4 アドレス割り当ておよび事前定義されたポート範囲との IPv4 アドレス共有の両方を許可します。
  • IPv4 専用エンド ホストおよび IPv6 がイネーブルにされているエンド ホストと、IPv4-Translatable IPv6 アドレスを使用するドメイン内のネイティブ IPv6 専用サーバとの間の通信を許可します。
  • IPv6 ネイティブ ネットワーク操作の使用を許可します。これには、IP トラフィックの分類機能や、ドメイン外の IPv4 宛先に対するピアリング ポリシーに基づくルーティングの最適化といった、IP トラフィック ルーティング最適化ポリシーの実行機能が含まれます。

MAP-T マッピング ルール

マッピング ルールは、IPv4 プレフィックスおよび IPv4 アドレス間のマッピング、または共有 IPv4 アドレスおよび IPv6 プレフィックス/アドレス間のマッピングを定義します。 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)ドメインごとに異なるマッピング ルールを使用します。

MAP-T 設定では、各 MAP-T ドメインに 1 つの基本マッピング ルール(BMR)、1 つのデフォルト マッピング ルール(DMR)、および 1 つ以上の転送マッピング ルール(FMR)があります。 MAP-T ドメインの BMR を設定する前に、DMR を設定する必要があります。

以下に、3 種類のマッピング ルールについて説明します。
  • BMR は、MAP IPv6 アドレスまたはプレフィックスを設定します。 基本マッピング ルールは、送信元アドレス プレフィックスに対して設定されます。 IPv6 プレフィックスごとに設定できる基本マッピング ルールは 1 つのみです。 基本マッピング ルールは、MAP-T CE によって、それ自身に IPv4 アドレス、IPv4 プレフィックス、または IPv6 プレフィックスからの共有 IPv4 アドレスを設定するために使用されます。 基本マッピング ルールは、IPv4 宛先アドレスおよび宛先ポートが IPv6 アドレス/プレフィックスにマッピングされている場合のパケットの転送にも使用できます。 各 MAP-T ノード(CE デバイスが MAP-T ノードです)は、基本マッピング ルールを使用してプロビジョニングする必要があります。 MAP-T BMR のポート パラメータを設定するには、port-parameters コマンドを使用します。
  • DMR は、MAP-T ドメイン外の宛先の IPv6 アドレスに IPv4 情報をマッピングするために使用される必須ルールです。 0.0.0.0/0 エントリは、このルール用に、MAP ルール テーブル(MRT)に自動的に設定されます。
  • FMR はパケットを転送するために使用されます。 各 FMR によって、ルール IPv4 プレフィックスについて MRT 内にエントリが生成されます。 FMR は、MAP-T ドメイン内での IPv4 および IPv6 宛先のマッピングに使用されるオプションのルールです。

    (注)  


    FMR は、変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能ではサポートされません。


MAP-T アドレス形式

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)カスタマー エッジ(CE)デバイス アドレス形式は、IETF ドラフト『Mapping of Address and Port (MAP)』により定義されます。 アドレス形式は、マッピング ルール操作中に、送信元および宛先 IPv6 アドレスを作成するために使用されます。


(注)  


転送マッピング ルール(FMR)は、変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能ではサポートされません。


以下の図は、MAP-T 設定で定義されている、マッピングされた CE アドレス形式を示します。 このアドレス形式は、基本マッピング ルール(BMR)および FMR 操作で使用されます。

図 1. BMR および FMR の IPv4-Translatable アドレス

以下の図は、MAP-T のデフォルト マッピング ルール(DMR)で使用されるアドレス形式である、MAP-T 設定に固有の IPv4-Translated アドレスを示します。

図 2. DMR 用の IPv4-Translated アドレス

MAP-T カスタマー エッジ デバイスでのパケット転送

IPv4-to-IPv6 パケット転送


(注)  


変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能では、MAP-T カスタマー エッジ(CE)機能をサポートしていません。 CE 機能は、サードパーティ製デバイスにより提供されます。


IPv4 パケットを受信する、変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)CE デバイスは、ネットワーク アドレス変換(NAT)を実行し、適切な NAT ステートフル バインディングを作成します。 作成される IPv4 パケットには、MAP-T で定義される送信元 IPv4 アドレスおよび送信元トランスポート番号が含まれます。 この IPv4 パケットは、IPv4-to-IPv6 ステートレス変換を実行する CE の MAP-T に転送されます。 続けて、IPv6 送信元および宛先アドレスが MAP-T 変換によって取得され、IPv4 ヘッダーが IPv6 ヘッダーに置き換えられます。

IPv6-to-IPv4 パケット転送

IPv6 パケットを受信する MAP-T CE デバイスは、通常の IPv6 操作を実行します。 基本マッピング ルール(BMR)アドレスを宛先とするパケットのみが CE の MAP-T に送信されます。 他の IPv6 トラフィックはすべて、CE デバイス上で IPv6 ルーティング ルールに基づいて転送されます。 CE デバイスは、MAP-T から受信するパケットのトランスポート層宛先ポート番号が、設定された範囲内にあるかどうかを確認し、その範囲内にあるポート番号を持つパケットを転送します。 CE デバイスは、設定に準拠しないパケットをすべてドロップし、インターネット制御メッセージ プロトコル バージョン 6(ICMPv6)の「Address Unreachable」メッセージで応答します。

境界ルータでのパケット転送

IPv4-to-IPv6 パケット転送

着信 IPv4 パケットは IPv4 入力インターフェイスにより処理され、宛先ルート検索によって、IPv4 パケットが、変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)仮想インターフェイスにルーティングされます。 境界ルータでは、IPv4 プレフィックス ルックアップ単位(PLU)ツリーに照らしてパケットを比較し、対応する基本マッピング ルール(BMR)、デフォルト マッピング ルール(DMR)、および転送マッピング ルール(FMR)を取得します。 BMR または FMR ルールに基づき、境界ルータは、埋め込みアドレス(EA)ビットを符号化し、サフィックスを追加することにより、IPv6 宛先アドレスを作成します。 IPv6 送信元アドレスは DMR ルールから作成されます。

IPv6 送信元および宛先アドレスの作成後、パケットではネットワーク アドレス変換 64(NAT64)IPv4-to-IPv6 変換を使用して、IPv6 パケットを作成します。 ルーティング検索は IPv6 パケットで実行され、パケットは IPv6 出力インターフェイスに処理および伝送のために転送されます。

IPv6-to-IPv4 パケット転送

着信 IPv6 パケットは IPv6 入力インターフェイスにより処理され、宛先ルート検索によって IPv6 パケットが MAP-T 仮想インターフェイスにルーティングされます。 ソフトウェアは、IPv6 PLU ツリーに照らしてパケットを比較し、対応する BMR、DMR、および FMR ルールを取得します。 境界ルータは、ポート セット ID(PSID)およびポート セットが一致するかどうかを確認します。 ポート セット ID およびポート セットが一致する場合、DMR ルールは IPv6 パケットのパケット宛先に一致します。 BMR および FMR に基づき、境界ルータは、IPv4 送信元アドレスを作成し、IPv6 宛先アドレスから IPv4 宛先アドレスを抽出します。 IPv6 パケットでは、NAT64 IPv6-to-IPv4 変換エンジンを使用して、IPv6 パケットから IPv4 パケットを作成します。 ルーティング検索は IPv4 パケットで実行され、IPv4 パケットは IPv4 出力インターフェイスに処理および伝送のために転送されます。

MAP-T 用の ICMP/ICMPv6 ヘッダー変換

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)カスタマー エッジ(CE)デバイスおよび境界ルータでは、ポート範囲のアドレス共有のために ICMP/ICMPv6 変換を使用します。

送信元および宛先アドレスを表すために 2 つのポート フィールドを提供する TCP および UDP とは異なり、インターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)および ICMP バージョン 6(ICMPv6)クエリー メッセージ ヘッダーには ID フィールドが 1 つだけあります。

MAP-T CE デバイス外に存在する IPv4 ホストから送信された ICMP クエリー メッセージでは、ICMP ID フィールドは IPv4 ホストを識別するためにだけ使用されます。 MAP-T CE デバイスでは ID フィールドを、IPv4-to-IPv6 変換中に基本マッピング ルール(BMR)により取得されるポート セット値に書き換え、境界ルータでは ICMPv6 パケットを ICMP に変換します。

MAP-T 境界ルータでは、MAP-T ドメイン内の共有アドレス宛の、ID フィールドを含む ICMP パケットを受信した場合、その ID フィールドを宛先ポートの代わりとして使用して、IPv6 宛先アドレスを決定します。 境界ルータは、ID フィールドを含まないパケットについては、ポート情報なしで宛先 IPv4 アドレスをマッピングすることにより宛先 IPv6 アドレスを取得し、対応する CE デバイスが ICMPv6 パケットを ICMP に変換します。

MAP-T での Path MTU 検出およびフラグメンテーション

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)では、IPv4 ヘッダーのサイズ(20 個を超えるオクテット)および IPv6 ヘッダーのサイズ(40 個のオクテット)が異なるため、IPv4-to-IPv6 変換でパス最大伝送単位(MTU)検出およびフラグメンテーションを使用します。 MTU では、インターフェイスがパケットのフラグメンテーションを必要とせずに送信できるパケットの最大サイズを定義します。 MTU より大きい IP パケットは、IP フラグメンテーション プロシージャを経由する必要があります。

IPv4 ノードがパケット ヘッダーに Don't Fragment(DF)ビットを設定してパス MTU 検出を実行すると、パス MTU 検出は MAP-T 境界ルータおよびカスタマー エッジ(CE)トランスレータにわたりエンドツーエンドで動作します。 IPv4 パス MTU 検出中は、IPv4 デバイスまたは IPv6 デバイスが ICMP の「Packet Too Big」メッセージを送信元に送信できます。 IPv6 デバイスがこれらのメッセージをインターネット制御メッセージ プロトコル バージョン 6(ICMPv6)エラーとして送信すると、そのメッセージ後のパケットはトランスレータを通過し、結果として IPv4 送信元に適切な ICMP エラー メッセージが送信されます。

IPv4 送信元で DF ビットが設定されない場合、トランスレータでは IPv4 パケットをフラグメント化して、パケットが最少の MTU 1280 バイト IPv6 パケット内に収まるようパケットをフラグメント ヘッダーに含めます。 パケットが送信元または IPv4 デバイスのいずれかによってフラグメント化されると、パケットが正しく再構成されるように、フラグメントの識別番号の下位 16 ビットが MAP-T ドメインを経由してエンドツーエンドで伝送されます。

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの設定方法

変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの設定

はじめる前に
前提条件
  • 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能を設定するインターフェイスで ipv6 enable コマンドを設定します。
  • 基本マッピング ルールを設定する前に、デフォルト マッピング ルールを設定します。
  • 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)の設定中、デフォルト マッピング ルール(DMR)プレフィックス、IPv6 ユーザ プレフィックス、および埋め込みアドレス(EA)ビットが追加された IPv6 プレフィックスは 64 ビット以下である必要があり、共有率、連続するポート、開始ポートの合計が 16 ビットである必要があります。
手順の概要

    1.    enable

    2.    configure terminal

    3.    nat64 map-t domain number

    4.    default-mapping-rule ipv6-prefix/prefix-length

    5.    basic-mapping-rule

    6.    ipv6-prefix prefix/length

    7.    ipv4-prefix prefix/length

    8.    port-parameters share-ratio ratio [start-port port-number]

    9.    end

    10.    show nat64 map-t domain name


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    Device> enable 
     
    特権 EXEC モードをイネーブルにします。
    • パスワードを入力します(要求された場合)。
     
    ステップ 2 configure terminal


    例:
    Device# configure terminal
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3 nat64 map-t domain number


    例:
    Device(config)# nat64 map-t domain 1 
     

    変換を使用したアドレスおよびポートのネットワーク アドレス変換 64(NAT64)マッピング(MAP-T)ドメインを設定し、NAT64 MAP-T コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 4 default-mapping-rule ipv6-prefix/prefix-length


    例:
    Device(config-nat64-mapt)# default-mapping-rule 2001:DB8:B001:FFFF::/64
     

    MAP-T ドメインのデフォルト ドメイン マッピング ルールを設定します。

     
    ステップ 5 basic-mapping-rule


    例:
    Device(config-nat64-mapt)# basic-mapping-rule  
     

    MAP-T ドメインの基本マッピング ルール(BMR)を設定し、NAT64 MAP-T BMR コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 6 ipv6-prefix prefix/length


    例:
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# ipv6-prefix 2001:DB8:B001::/56
     

    MAP-T BMR の IPv6 アドレスおよびプレフィックスを設定します。

     
    ステップ 7 ipv4-prefix prefix/length


    例:
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# ipv4-prefix 209.165.202.129/28
     

    MAP-T BMR の IPv4 アドレスおよびプレフィックスを設定します。

     
    ステップ 8 port-parameters share-ratio ratio [start-port port-number]


    例:
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# port-parameters share-ratio 16 
     

    MAP-T BMR のポート パラメータを設定します。

     
    ステップ 9 end


    例:
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# end 
     

    NAT64 MAP-T BMR コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

     
    ステップ 10 show nat64 map-t domain name


    例:
    Device# show nat64 map-t domain 1 
     

    MAP-T ドメイン情報を表示します。

     

    例:

    次に、show nat64 map-t domain コマンドの出力例を示します。

    Device# show nat64 map-t domain 1
    
    MAP-T Domain 1
       Mode MAP-T
       Default-mapping-rule
          Ip-v6-prefix 2001:DB8:B001:FFFF::/64
       Basic-mapping-rule
          Ip-v6-prefix 2001:DB8:B001::/56
          Ip-v4-prefix 209.165.202.129/28
          Port-parameters
             Share-ratio 16   Contiguous-ports 256   Start-port 4096
             Share-ratio-bits 4   Contiguous-ports-bits 8   Port-offset-bits 4

    変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの設定例

    例:変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの設定

    Device# configure terminal
    Device(config)# nat64 map-t domain 1
    Device(config-nat64-mapt)# default-mapping-rule 2001:DB8:B001:FFFF::/64
    Device(config-nat64-mapt)# basic-mapping-rule
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# ipv6-prefix 2001:DB8:B001::/56
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# ipv4-prefix 209.165.202.129/28
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# port-parameters share-ratio 16 
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# end

    例:MAP-T 展開シナリオ

    次の図に、変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)の展開シナリオを示します。

    MAP-T 展開シナリオの設定を次に示します。

    Device# configure terminal
    Device(config)# nat64 map-t domain 1
    Device(config-nat64-mapt)# default-mapping-rule 2001:DB8:B001:FFFF::/64
    Device(config-nat64-mapt)# basic-mapping-rule
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# ipv6-prefix 2001:DB8:B001::/48
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# ipv4-prefix 202.38.102.128/28
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# port-parameters share-ratio 16 start-port 1024
    Device(config-nat64-mapt-bmr)# end

    PC において:

    IPv4 パケットは、192.168.1.12 から 74.1.1.1 に送信されます。 カスタマー エッジ(CE)デバイスで、変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)機能によってパケットが 2001:DB8:B001:20:CB:2666:8200:: Dest: 2001:DB8:B001:FFFF:4a:01001:100:: に変換されます。

    境界ルータで、MAP-T 境界ルータによってパケットが次のように変換されます。

    パケット送信元 192.168.1.2 ---> 74.1.1.1、source 6400、destination port: 80

    CPE で、MAP-T CE 機能により、

    パケットが 2001:DA8:B001:20:CB:2666:8200:: Dest: 2001:DA8:B001:FFFF:4a:0101:100:: に変換されます

    BR で、MAP-T BR 機能により、パケットが

    Src:203.38.102.130 Dst:74.1.1.1 SrcPort:6400 DstPort:80 に変換されます

    エンド デバイスから:

    Src:74.1.1.1 Dst:203.38.102.130 SrcPort:80 DstPort:6400

    BR で、MAP-T BR 機能により、パケットが

    Src: 2001:DA8:B001:FFFF:4a:0101:100:: Dest: 2001:DA8:B001:20:CB:2666:8200:: に変換されます

    CE で、MAP-T CE 機能により、パケットが

    Src: 2001:DA8:B001:FFFF:4a:0101:100:: Dest: 2001:DA8:B001:20:CB:2666:8200::

    から

    Src:74.1.1.1 Dst:203.38.102.130 SrcPort:80 Dstport:6400 に変換されます

    例に問題がある場合はお知らせください。

    変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングに関するその他の関連資料

    関連資料

    関連項目

    マニュアル タイトル

    Cisco IOS コマンド

    『Cisco IOS Master Command List, All Releases』

    NAT コマンド

    『Cisco IOS IP Addressing Services Command Reference』

    シスコのテクニカル サポート

    説明

    リンク

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    変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの機能情報

    次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

    プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

    表 1 変換を使用したアドレスおよびポートのマッピングの機能情報

    機能名

    リリース

    機能情報

    変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング

    Cisco IOS XE Release 3.8S

    変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング機能では、IPv6 ドメイン経由の IPv4 ホストへの接続を提供します。 MAP-T は、CE デバイスおよび境界ルータでダブル変換(IPv4 から IPv6 およびその逆)を実行するメカニズムです。

    コマンド basic-mapping-ruledefault-mapping-ruleipv4-prefixipv6-prefixmode (nat64)nat64 map-t domainport-parameters、および show nat64 map-t が導入または変更されています。

    用語集

    EA ビット:埋め込みアドレス ビット。 IPv6 アドレスの IPv4 EA ビットは、IPv4 プレフィックス/アドレス(またはその一部)または共有 IPv4 アドレス(またはその一部)とポート セット ID を識別します。

    IP フラグメンテーション:データグラムが、後に再構成が可能な多数の断片に分割されるプロセス。 IP ヘッダー内の More Fragments および Don't Fragment(DF)フラグとともに、IP 送信元、宛先、識別番号、合計長、およびフラグメントのオフセット フィールドが IP フラグメンテーションおよび再構成のために使用されます。 DF ビットは IP ヘッダー内のビットで、このビットは、デバイスがパケットのフラグメント化を許可されているかどうか判別します。

    IPv4-Translatable アドレス:IPv4 ホストを表すために使用される IPv6 アドレス。 これらのアドレスは、IPv6 アドレスへの明示的なマッピング関係を持ちます。 この関係は、IPv6 アドレスで IPv4 アドレスをマッピングすることにより、自動的に示されます。 ステートレスおよびステートフル トランスレータはいずれも IPv4-Translatable(IPv4-Converted とも呼びます)IPv6 アドレスを使用して IPv4 ホストを表します。

    IPv6-Translatable アドレス:ステートレス変換のために IPv6 ホストに割り当てられる IPv6 アドレス。 これらの IPv6-Translatable アドレス(IPv6-Converted アドレスとも呼びます)は、IPv4 アドレスへの明示的なマッピング関係を持ちます。 この関係は、IPv6 アドレスで IPv4 アドレスをマッピングすることにより、自動的に示されます。 ステートレス トランスレータは、対応する IPv4 アドレスを使用して、IPv6 ホストを表します。 ステートフル トランスレータでは、IPv6-Translatable アドレスは使用されません。これは、IPv6 ホストが、ダイナミック ステートを介して、トランスレータ内の IPv4 アドレス プールにより表されるためです。

    MAP ルール:IPv4 プレフィックス、IPv4 アドレス、または共有 IPv4 アドレスと、IPv6 プレフィックスまたはアドレス間のマッピングを定義するパラメータのセット。 各 MAP ドメインで異なるマッピング ルール セットが使用されます。

    MAP-T 境界ルータ:MAP-T ドメインに接続を提供する、MAP ドメインのエッジにある、変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)対応ルータまたはトランスレータ。 境界リレー ルータには、少なくとも 1 つの IPv6 対応インターフェイスと、ネイティブ IPv4 ネットワークに接続されている 1 つの IPv4 インターフェイスがあり、このルータは複数の MAP-T ドメインに対応できます。

    MAP-T CE:MAP-T 展開で、カスタマー エッジ(CE)ルータとして動作するデバイス。 MAP ルールを採用する一般的な MAP-T CE デバイスは、1 つの WAN 側インターフェイスと 1 つ以上の LAN 側インターフェイスを持つ家庭向けサイトに対応します。 MAP-T CE デバイスは、MAP-T ドメインのコンテキスト内で「CE」と呼ばれることもあります。

    MAP-T ドメイン:変換を使用したアドレスおよびポートのマッピング(MAP-T)ドメイン。 1 つ以上のカスタマー エッジ(CE)デバイスおよび境界ルータ。すべて同じ IPv6 ネットワークに接続されています。 サービス プロバイダーは、単一の MAP-T ドメインを展開することも、複数の MAP ドメインを使用することもできます。

    MRT:MAP ルール テーブル。 最長一致検索をサポートするアドレスおよびポート対応データ構造。 MRT は MAP-T 転送機能により使用されます。

    パス MTU:パス最大伝送単位(MTU)検出は、エンドポイント間のパスのフラグメンテーションを防止します。 パス MTU 検出は、パケットの送信元から宛先までのパス上で、最も低い MTU をダイナミックに判断するために使用されます。 パス MTU 検出は、TCP および UDP でのみサポートされます。 パス MTU 検出は IPv6 では必須ですが、IPv4 ではオプションです。 IPv6 デバイスによりパケットがフラグメント化されることはありません。パケットをフラグメント化できるのは送信元のみです。

    ステートフル変換:フローで最初のパケットが受信されたときに、フローごとのステートを作成します。 パケットの送信または受信によって、関連するネットワーク要素のデータ構造が作成または変更される場合、変換アルゴリズムはステートフルであるとされます。 ステートフル変換は、複数のトランスレータを同等に使用できる以外に、ある程度のレベルの拡張性もあります。 ステートフル変換では、IPv6 クライアントおよびピアが、マッピングされた IPv4 アドレスなしで IPv4 専用サーバおよびピアに接続できるようにします。

    ステートレス変換:ステートフルではない変換アルゴリズム。 ステートレス変換ではスタティック変換テーブルを設定する必要があります。設定しない場合、変換対象のメッセージからアルゴリズムによって情報を取得できます。 ステートレス変換に必要な計算のオーバーヘッドは、ステートフル変換より少なくなります。 また、ステートを保持するために必要なメモリも少なくなります。これは、変換テーブルおよびその関連メソッドとプロセスは、ステートフル アルゴリズムに存在し、ステートレス アルゴリズムには存在しないためです。 ステートレス変換では、IPv4 専用クライアントおよびピアが、IPv4 埋め込み IPv6 アドレスを備えた IPv6 専用サーバまたはピアへの接続を開始できるようにします。 IPv4 専用スタブ ネットワークまたは ISP IPv6 専用ネットワークのスケーラブルな調整も可能にします。 IPv6-to-IPv4 変換の送信元ポートは、適切にフローを識別できるように変更する必要がある場合があるため、IPv4-to-IPv6 方向の送信元ポートを変更する必要はありません。