パフォーマンス ルーティング コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
パフォーマンス ルーティングの traceroute レポート
パフォーマンス ルーティングの traceroute レポート
発行日;2013/07/17   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

パフォーマンス ルーティングの traceroute レポート

パフォーマンス ルーティング(PfR)では traceroute レポートをサポートしているので、ホップバイホップ ベースでプレフィックスのパフォーマンスを監視できます。 遅延、損失、および到達可能性の測定が、プローブ ソース(境界ルータ)からターゲット プレフィックスへのホップごとに収集されます。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このマニュアルの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator には、www.cisco.com/​go/​cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

パフォーマンス ルーティングの traceroute レポートの概要

PfR のロギングとレポート

Cisco IOS PfR では、標準の syslog 機能をサポートしています。 デフォルトでは、通知レベルの syslog がイネーブルになります。 システム ロギングの enable と設定は、グローバル コンフィギュレーション モードで行います。 PfR マスター コントローラまたは PfR 境界ルータ コンフィギュレーション モードでは、logging (PfR) コマンドは、PfR でシステム ロギングをイネーブルまたはディセーブルにする場合にのみ使用します。 PfR システム ロギングは、次のメッセージ タイプをサポートします。

  • エラー メッセージ:これらのメッセージは、通常の PfR 動作に影響する可能性のある PfR の動作障害や通信問題を示します。
  • デバッグ メッセージ:これらのメッセージは、動作上の問題やソフトウェアの問題を診断するため、詳細な PfR の動作を監視するときに使用します。
  • 通知メッセージ:これらのメッセージは、PfR が通常の動作状態にあることを示します。
  • 警告メッセージ:これらのメッセージは、PfR が正しく機能しているものの、PfR の外部のイベントが通常の PfR の動作に影響する可能性があることを示します。

(注)  


CSCtx06699 では、表示されるメッセージ数を最小限に抑えるために PfR syslog レベルが追加され、トラフィック クラスの 30 % がポリシー違反の場合に表示する syslog 通知が追加されています。



(注)  


CSCts74631 では、表示されるメッセージ数を最小限に抑えるために PfR syslog レベルが追加され、トラフィック クラスの 30 % がポリシー違反の場合に表示する syslog 通知が追加されています。また、PfR バージョンの不一致、MC-BR 認証エラー、および動作可能な外部インターフェイスが 2 つ未満のために、PfR の最小要件を満たさず、マスター コントローラがディセーブルになっている場合の新しい syslog アラートが追加されています。


システム、端末、宛先、およびその他のシステム グローバル ロギング パラメータを変更するには、グローバル コンフィギュレーション モードで logging コマンドを使用します。 システム ロギングのグローバル コンフィギュレーションの詳細については、『Cisco IOS Network Management Configuration Guide』の「Troubleshooting, Logging, and Fault Management」を参照してください。

traceroute レポートを使用した PfR のトラブルシューティング

PfR では、syslog および debug コマンドライン インターフェイス(CLI)コマンドを使用して問題を診断することができますが、コストベース最適化と traceroute レポートに対する OER のサポート機能により、traceroute レポートもサポートされるようになりました。 traceroute レポートの使用により、PfR では、traceroute プローブを使用してホップバイホップ ベースの遅延が判断され、トラフィック クラスのパフォーマンスが報告されます。

traceroute レポートが導入される前は、出口リンクでトラフィック クラスに予期しないラウンドトリップ遅延値が報告されるような状況でも、ホップ単位の遅延を測定する方法はありませんでした。 PfR では、ユーザ データグラム プロトコル(UDP)の traceroute を使用してホップ単位の遅延統計が収集されます。 traceroute は、所定の IP アドレスまたはホスト名を持つデバイスへのルートをトレースするものとして定義され、デバイスへのパスに存在する問題の場所を検出するのに役立ちます。 デフォルトでは従来の UDP ベースの traceroute が使用されますが、ファイアウォールを通じて許可される TCP SYN パケットを特定のポートに送信するよう、PfR を設定することができます。

traceroute レポートの設定は、マスター コントローラで行います。 traceroute プローブは、境界ルータの出口がソースとなります。 この機能を利用することにより、ホップバイホップ ベースでトラフィック クラスのパフォーマンスを監視できます。 traceroute レポートがイネーブルである場合、自律システム番号、IP アドレス、および遅延測定が、プローブ ソースからターゲット プレフィックスへのホップごとに収集されます。 デフォルトでは、トラフィック クラスがポリシー違反(OOP)になった場合に限り、traceroute プローブが送信されます。 TCP ベースの traceroute は手動で設定でき、traceroute プローブの時間間隔も変更できます。 デフォルトでは、ホップ単位の遅延レポートはディセーブルになります。

traceroute プローブを設定するには、次の方法を使用します。

  • 定期:traceroute プローブは、新しいプローブ サイクルごとにトリガーされます。 1 つの出口だけをプローブするオプションが選択されている場合、トラフィック クラスの現在の出口がプローブのソースとなります。 すべての出口をプローブするオプションが選択されている場合、使用可能なすべての出口が traceroute プローブのソースとなります。
  • ポリシーベース:traceroute プローブは、トラフィック クラスがポリシー違反状態になると自動的にトリガーされます。 PfR マップの match 句に指定されているすべてのトラフィック クラスに対して、traceroute レポートをイネーブルにすることができます。 トラフィック クラスがポリシー準拠状態に戻ると、ポリシーベースの traceroute レポートは停止します。
  • オンデマンド:定期的な traceroute レポートも、すべてのパスに関するホップ単位の統計情報も不要である場合には、traceroute プローブをオンデマンドでトリガーできます。 show pfr master prefix コマンドのオプションのキーワードと引数を使用して、特定のパスの特定のトラフィック クラス、またはすべてのパスに関する traceroute レポートを開始できます。

パフォーマンス ルーティングの traceroute レポートの設定方法

PfR の traceroute レポートの設定

traceroute レポートを設定するには、マスター コントローラでこのタスクを実行します。 PfR アクティブ プローブを使用した場合に、ホスト アドレスが PfR プローブ メッセージに応答しないことがあります。 プローブ メッセージに応答しない理由としては、ファイアウォールまたはその他のネットワークの問題が考えられますが、PfR ではそのホスト アドレスが到達不能と見なされ、プレフィックスの制御が解放されます。 traceroute レポートが導入される前は、出口リンクでトラフィック クラスに予期しないラウンドトリップ遅延値が報告されるような状況でも、ホップ単位の遅延を測定する方法はありませんでした。 応答しないターゲット アドレスとホップ単位の遅延情報不足の両方を解決するには、UDP の traceroute と任意で TCP の traceroute を使用します。 traceroute レポートの設定はマスター コントローラで行いますが、traceroute プローブのソースは境界ルータ出口となります。

このタスクでは、3 つの方法を使用して traceroute プローブを設定します。 定期およびポリシーベースの traceroute レポートは、PfR マップを使用して set traceroute reporting (PfR) コマンドで設定します。 オンデマンドの traceroute プローブは、特定のパラメータを指定して show pfr master prefix コマンドを入力することによってトリガーされます。 また、このタスクでは、traceroute probe-delay (PfR) コマンドを使用して traceroute プローブ間の時間間隔を変更する方法も示します。

traceroute レポートがイネーブルの場合、traceroute プローブのデフォルトの時間間隔は 1000 ミリ秒です。

手順の概要

    1.    enable

    2.    configure terminal

    3.    pfr master

    4.    traceroute probe-delay milliseconds

    5.    exit

    6.    pfr-map map-name sequence-number

    7.    match pfr learn {delay | throughput}

    8.    set traceroute reporting [policy {delay | loss | unreachable}]

    9.    end

    10.    show pfr master prefix [detail | learned [delay | throughput] | prefix [detail | policy | traceroute [exit-id | border-address | current] [now]]]


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    Router> enable
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。

    • パスワードを入力します(要求された場合)。
     
    ステップ 2 configure terminal


    例:
    Router# configure terminal
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3 pfr master


    例:
    Router(config)# pfr master 
     

    PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを開始して、マスター コントローラとしてルータを設定し、グローバル処理およびポリシーを設定します。

     
    ステップ 4 traceroute probe-delay milliseconds


    例:
    Router(config-pfr-mc)# traceroute probe-delay 500 
     

    traceroute プローブ サイクルの時間間隔を設定します。

    • traceroute プローブ間のデフォルトの時間間隔は 1000 ミリ秒です。
    • 例では、プローブの間隔が 500 ミリ秒に設定されます。
     
    ステップ 5 exit


    例:
    Router(config-pfr-mc)# exit 
     

    PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

     
    ステップ 6 pfr-map map-name sequence-number


    例:
    Router(config)# pfr-map TRACEROUTE 10
     

    PfR マップ コンフィギュレーション モードを開始して、選択した IP プレフィックスにポリシーを適用するように PfR マップを設定します。

    • 各 PfR マップ シーケンスには、match 句を 1 つだけ設定できます。
    • 例では、TRACEROUTE という名前の PfR マップが作成されます。
     
    ステップ 7 match pfr learn {delay | throughput}


    例:
    Router(config-pfr-map)# match pfr learn delay 
     

    学習済みのプレフィックスに一致させるために、PfR マップ内で match 句エントリを作成します。

    • 最高遅延または最高アウトバウンド スループットに基づいてプレフィックスを学習するように設定できます。
    • 各 PfR マップ シーケンスには、match 句を 1 つだけ設定できます。
    • 例では、最高遅延に基づいて学習されたトラフィックを一致させる match 句エントリが作成されます。
     
    ステップ 8 set traceroute reporting [policy {delay | loss | unreachable}]


    例:
    Router(config-pfr-map)# set traceroute reporting 
     

    traceroute レポートをイネーブルにします。

    • PfR マップには、監視対象プレフィックスが含まれている必要があります。 これらのプレフィックスは学習することも、手動で選択することもできます。
    • キーワードを指定せずにこのコマンドを入力すると、継続的なモニタリングがイネーブルになります。
    • ポリシー キーワードを指定してこのコマンドを入力すると、ポリシーベースの traceroute レポートがイネーブルになります。
     
    ステップ 9 end


    例:
    Router(config-pfr-map)# end 
     

    PfR マスター コントローラ コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

     
    ステップ 10 show pfr master prefix [detail | learned [delay | throughput] | prefix [detail | policy | traceroute [exit-id | border-address | current] [now]]]


    例:
    Router# show pfr master prefix 10.5.5.5 traceroute now 
     

    監視対象プレフィックスのステータスを表示します。

    • オンデマンドの traceroute プローブを開始するには、current キーワードおよび now キーワードを入力します。
    • current キーワードを指定すると、現在の出口に関する最新の traceroute プローブの結果が表示されます。
    • 指定の境界ルータ出口に関する traceroute プローブの結果を表示するには、exit-id または border-address 引数を入力します。
    • 例では、10.5.5.55 プレフィックスに関するオンデマンドの traceroute プローブが開始されます。
     

    パフォーマンス ルーティングの traceroute レポートの設定例

    PfR の traceroute レポートの設定例

    次に、グローバル コンフィギュレーション モードで開始し、遅延に基づいて学習されたトラフィック クラスの継続的な traceroute レポートを設定する例を示します。

    Router(config)# pfr master
     
    Router(config-pfr-mc)# traceroute probe-delay 10000
     
    Router(config-pfr-mc)# exit
     
    Router(config)# pfr-map TRACE 10
     
    Router(config-pfr-map)# match pfr learn delay 
    Router(config-pfr-map)# set traceroute reporting 
    Router(config-pfr-map)# end
    

    次に、特権 EXEC モードで開始し、10.5.5.5 プレフィックスに関するオンデマンドの traceroute プローブを開始する例を示します。

    Router# show pfr master prefix 10.5.5.55 traceroute current now
     
    Path for Prefix: 10.5.5.0/24         Target: 10.5.5.5 
    Exit ID: 2, Border: 10.1.1.3         External Interface: Et1/0    
    Status: DONE, How Recent: 00:00:08 minutes old
    Hop  Host            Time(ms) BGP 
    1    10.1.4.2        8        0   
    2    10.1.3.2        8        300 
    3    10.5.5.5        20       50 

    その他の関連資料

    関連資料

    関連項目

    マニュアル タイトル

    Cisco IOS コマンド

    『Cisco IOS Master Command List, All Releases』

    Cisco IOS PfR のコマンド:コマンド構文の詳細、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト設定、使用上の注意事項、および例

    『Cisco IOS Performance Routing Command Reference』

    Cisco IOS XE Release での基本的な PfR 設定

    「ベーシック パフォーマンス ルーティングの設定」モジュール

    Cisco IOS XE Release 3.1 および 3.2 の境界ルータ専用機能の設定に関する情報

    「パフォーマンス ルーティング境界ルータ専用機能」モジュール

    Cisco IOS XE Release のパフォーマンス ルーティングの運用フェーズを理解するために必要な概念

    「パフォーマンス ルーティングの理解」モジュール

    Cisco IOS XE Release でのアドバンスド PfR 設定

    「アドバンスド パフォーマンス ルーティングの設定」モジュール

    IP SLA の概要

    「Cisco IOS IP SLAs Overview」モジュール

    シスコの DocWiki コラボレーション環境の PfR 関連のコンテンツへのリンクがある PfR ホーム ページ

    PfR:Home

    MIB

    MIB

    MIB のリンク

    • CISCO-PFR-MIB
    • CISCO-PFR-TRAPS-MIB

    選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

    http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

    シスコのテクニカル サポート

    説明

    リンク

    シスコのサポートおよびドキュメンテーション Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュアル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リソースを提供しています。 これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。 この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

    http:/​/​www.cisco.com/​cisco/​web/​support/​index.html

    パフォーマンス ルーティングの traceroute レポートの機能情報

    次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

    プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator には、www.cisco.com/​go/​cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

    表 1 パフォーマンス ルーティングの traceroute レポートの機能情報

    機能名

    リリース

    機能情報

    コストベースの最適化および traceroute レポートに対する OER のサポート

    Cisco IOS XE Release 3.3S

    パフォーマンス ルーティングでは traceroute レポートをサポートしているので、ホップバイホップ ベースでプレフィックスのパフォーマンスを監視できます。 遅延、損失、および到達可能性の測定が、プローブ ソース(境界ルータ)からターゲット プレフィックスへのホップごとに収集されます。

    この機能により、次のコマンドが導入または変更されました。set traceroute reporting (PfR)traceroute probe-delay (PfR)、および show pfr master prefix