IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
Source Specific Multicast の設定
Source Specific Multicast の設定
発行日;2013/07/26   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

Source Specific Multicast の設定

このモジュールでは、Source Specific Multicast(SSM)の設定方法を説明します。 Source Specific Multicast 機能は、レシーバが明示的に参加したマルチキャスト ソースからのみデータグラム トラフィックがレシーバに転送される IP マルチキャストの拡張機能です。 SSM 用に設定されたマルチキャスト グループは、(共有ツリーではなく)ソース固有のマルチキャスト配信ツリーのみが作成されます。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラットフォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

Source Specific Multicast の制約事項

SSM 範囲のレガシー アプリケーションに関する制約

SSM にまだ対応していない、ネットワーク内の既存のアプリケーションは、(S, G)チャネル加入をサポートするように変更されているか、URD によってイネーブルになっていない限り、SSM 範囲内では機能しません。 そのため、既存のアプリケーションが指定の SSM 範囲内のアドレスを使用する場合、ネットワークで SSM をイネーブルにすると問題が発生することがあります。

IGMP v3lite および URD には Cisco ラスト ホップ ルータが必要

SSM および IGMPv3 は IETF で標準化されたソリューションです。 しかし、IGMP v3lite と URD はシスコが開発したソリューションです。 ホストの IGMP v3lite と URD が正しく動作するには、そのホスト方向のラスト ホップ ルータが IGMP v3lite または URD がイネーブルになった Cisco ルータである必要があります。


(注)  


ホストが IGMPv3 のカーネル サポートを備えている場合、HSIL は IGMP v3lite の代わりにカーネル IGMPv3 を使用するため、この制約は HSIL を使用しているアプリケーションには適用されません。


アドレス管理に関する制約

SSM をレイヤ 2 スイッチング メカニズムとともに使用する場合は、ある程度のアドレス管理が必要となります。 Cisco Group Management Protocol(CGMP)、IGMP スヌーピング、または Router-Port Group Management Protocol(RGMP)は現在、(S, G)チャネル固有のフィルタリングではなく、グループ固有のフィルタリングのみをサポートしています。 スイッチド ネットワークの別のレシーバが、同じグループを共有している別の(S, G)チャネルを要求すると、これらの既存のメカニズムの利点は活用できません。 代わりに、両方のレシーバが (S, G) チャネル トラフィックをすべて受信(入力で不要なトラフィックをフィルタリング)します。 SSM は SSM 範囲のグループ アドレスを多くの独立したアプリケーションに再利用できるため、この状況により、スイッチド ネットワークでトラフィック フィルタリングが予想を下回る可能性があります。 このため、SSM の IETF ドラフトに記載されている推奨事項に従い、SSM 範囲外のランダム IP アドレスをアプリケーションに使用し、SSM 範囲内で異なるアプリケーションが 1 つのアドレスを再利用する可能性を最小限に抑えることが重要です。 たとえば、TV チャネル セットを提供するアプリケーション サービスで、SSM を使用する場合は、各 TV(S, G)チャネルに異なるグループを使用する必要があります。 この設定によって、同じアプリケーション サービス内の異なるチャネルの複数のレシーバがレイヤ 2 スイッチを含むネットワーク内でトラフィックのエイリアスを経験することがなくなります。

IGMP スヌーピングおよび CGMP の制限

IGMPv3 は、古い IGMP スヌーピング スイッチに正しく認識されない可能性のある新しいメンバーシップ レポート メッセージを使用します。この場合、ホストがトラフックを正しく受信しません。 IGMP v3lite と URD は IGMPv1 または IGMPv2 メンバーシップ レポートのみに依存するため、この状況は、URD または IGMP v3lite がオペレーティング システムが IGMPv3 用にアップグレードされていないホストで使用されている場合は問題ではありません。

URD インターセプト URL の制約事項

URD インターセプト URL の文字列は 256 バイト未満で、/path 引数で始まる必要があります。 HTTP/TCP 接続では、この文字列は単一の TCP/IP パケット内に含まれている必要もあります。 たとえば、256 バイトの文字列の場合、ホストと代行受信ルータ間のリンク最大伝送単位(MTU)が 128 バイトでは、URD が正しく動作しません。

ステート管理の制限事項

PIM-SSM で、適切な(S, G)加入がインターフェイス上にある場合、ラスト ホップ ルータは(S, G)加入メッセージを定期的に送り続けます。 このため、レシーバが(S, G)加入を送信する限り、ソースが長時間(または二度と)トラフィックを送信しなくてもレシーバからソースへの最短パス ツリー(SPT)状態が維持されます。

これは、送信元がトラフィックを送信し、レシーバーがグループに加入している場合にだけ(S, G)ステートが維持される PIM-SM とは対照的です。 PIM-SM では、送信元がトラフィックの送信を 3 分間停止すると、(S, G)ステートは削除され、再確立されるのは、その送信元からのパケットが RPT を通じて再度到達した場合だけです。 PI-SSM では、送信元がアクティブであることをレシーバに通知するメカニズムがないので、レシーバが(S, G)チャネルの受信を要求している限り、(S, G)ステートを維持する必要があります。

HSIL の制限事項

IGMP v3lite ホスト シグナリングの概要で説明されているように、HSIL はホスト オペレーティング システムが IGMPv3 をサポートするかどうかを判別しようとします。 このチェックは、オペレーティング システムが IGMPv3 にアップグレードされているホストとオペレーティング システムが IGMPv1 または IGMPv2 のみをサポートするホストの両方で単一のアプリケーションが使用できるように行われます。

HSIL が提供された時点でこのオペレーティング システムの少なくとも 1 つのバージョンに対して IGMPv3 カーネル サポートが存在する場合、ホスト オペレーティング システムでの IGMPv3 のアベイラビリティのチェックは、HSIL でのみ実行できます。 このような IGMPv3 カーネル実装が最近まで使用できなかった場合、HSIL でコンパイルされたアプリケーションが動的に最新バージョンの HSIL にバインドされるように、ユーザはホストで HSIL もアップグレードする必要のある場合があります。最新バージョンの HSIL は、オペレーティング システム カーネルで IGMPv3 のチェックをサポートしています。 HSIL のアップグレードは、アプリケーション自体のアップグレードとは別に実行できます。

Source Specific Multicast について

SSM の概要

Source Specific Multicast(SSM)。 SSM は、レシーバが明示的に参加したマルチキャスト ソースからのみデータグラム トラフィックがレシーバに転送される IP マルチキャストの拡張機能です。 SSM 用に設定されたマルチキャスト グループは、(共有ツリーではなく)ソース固有のマルチキャスト配信ツリーのみが作成されます。

SSM のコンポーネント

SSM は、1 対多のアプリケーション(ブロードキャスト アプリケーション)に最適なデータグラム配信モデルです。 SSM は、オーディオおよびビデオ ブロードキャスト アプリケーション環境を対象とした IP マルチキャスト ソリューションの Cisco 実装のコア ネットワーキング テクノロジーで、RFC 3569 に説明されています。 次の 2 つのコンポーネントは共に SSM の実装をサポートします。

  • Protocol Independent Multicast Source-Specific Mode(PIM-SSM)
  • インターネット グループ管理プロトコル バージョン 3(IGMPv3)

Protocol Independent Multicast(PIM)SSM(PIM-SSM)は、SSM の実装をサポートするルーティング プロトコルで、PIM スパース モード(PIM-SM)から派生しました。 IGMP は、ホストがルータにマルチキャスト グループ メンバーシップを伝えるために使用するインターネット技術特別調査委員会(IETF)標準トラック プロトコルです。 IGMP バージョン 3 は、SSM に必要なソース フィルタリングをサポートします。 SSM を IGMPv3 と共に実行するには、SSM がルータ、アプリケーションが実行されるホスト、およびアプリケーション自体でサポートされる必要があります。

Internet Standard Multicast と SSM の違い

インターネットと多くの企業イントラネットの標準 IP マルチキャスト インフラストラクチャは、PIM-SM プロトコルと Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)に基づいています。 これらのプロトコルは信頼でき、広範で、効率的であることが証明されています。 しかし、インターネット標準マルチキャスト(ISM)サービス モデルの複雑さと機能性の制限があります。 たとえば、ISM では、ネットワークは、実際にマルチキャスト トラフィックを送信しているホストについての情報を維持する必要があります。 SSM では、この情報は IGMPv3 によってラスト ホップ デバイスにリレーされるソース アドレスを通してレシーバによって提供されます。 SSM は、ISM に関連付けられた問題への対応を強化し、ネットワーク内で ISM 用に開発されたプロトコルと共存することを目的としています。 一般に、SSM は SSM を使用するアプリケーションに IP マルチキャスト サービスを提供します。

ISM サービスについては RFC 1112 で説明されています。 このサービスは、任意のソースからマルチキャスト ホスト グループと呼ばれるレシーバのグループへの IP データグラムの配信によって構成されています。 マルチキャスト ホスト グループのデータグラム トラフィックは、任意の IP ユニキャスト送信元アドレス S と IP 宛先アドレスとしてのマルチキャスト グループ アドレス G のデータグラムで構成されます。 システムはホスト グループのメンバになることによってこのトラフィックを受信します。 ホスト グループのメンバーシップには IGMP バージョン 1、2、または 3 によるホスト グループのシグナリングが必要です。

SSM では、データグラムは(S, G)チャネルに基づいて配信されます。 1 つの (S, G) チャネルのトラフィックは、IP 宛先アドレスとして IP ユニキャスト ソース アドレス S とマルチキャスト グループ アドレス G を持つデータグラムで構成されています。 システムは、(S, G)チャネルのメンバになることによって、このトラフィックを受信します。 SSM と ISM のどちらでも、ソースになるためにシグナリングは必要ありません。 ただし、SSM では、レシーバーは特定の送信元からのトラフィックの受信または非受信を決めるために(S, G)への加入または脱退を行う必要があります。 つまり、レシーバーは加入した(S, G)チャネルからだけトラフィックを受信できます。一方、ISM では、レシーバーは受信するトラフィックの送信元の IP アドレスを知る必要はありません。 提案されているチャネル加入シグナリングの標準的な方法では、IGMP INCLUDE モード メンバーシップ レポートを使用します。これは、IGMP バージョン 3 でのみサポートされています。

IP マルチキャスト グループ アドレス範囲の設定済みのサブセットに SSM 配信モデルを適用することにより、SSM と ISM サービスを一緒に使用できます。 インターネット割り当て番号局(IANA)は、SSM アプリケーションおよびプロトコル用に 232.0.0.0 ~ 232.255.255.255 のアドレス範囲を確保しています。 ソフトウェアでは、224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の IP マルチキャスト アドレス範囲の任意のサブセットの SSM 設定を許可します。 SSM 範囲が定義されると、(アプリケーションが明示的な(S, G)チャネル加入を使用するように変更されているか、URL Rendezvous Directory(URD)によって SSM に対応していない限り)SSM 範囲内でアドレスを使用しようとする場合に既存の IP マルチキャスト レシーバ アプリケーションはトラフィックを受信しません。

SSM の動作

確立されているネットワークは、IP マルチキャスト サービスが PIM SM に基づいているので、SSM サービスをサポートできます。 SSM は、ドメイン間の PIM-SM に必要なプロトコルがすべて揃っていないネットワークで単独で配備することもできます。 つまり、SSM には RP が必要ではないため、Auto-RP、MSDP、ブートストラップ ルータ(BSR)などの RP メカニズムは必要ありません。

SSM がすでに PIM-SM 用に設定済みのネットワークで配備されている場合、ラスト ホップ ルータのみを、SSM をサポートするソフトウェア イメージにアップグレードする必要があります。 レシーバに直接接続されていないルータを SSM をサポートするソフトウェア イメージにアップグレードする必要はありません。 一般的に、これらのラスト ホップではないルータは、SSM 範囲で PIM-SM のみを実行する必要があります。 これらは、MSDP シグナリング、登録、または PIM-SM 共有ツリー動作が SSM 範囲内で発生することを抑制するために、追加のアクセス コントロール設定を必要とする場合もあります。

SSM モードの動作は、ip pim ssm グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して SSM 範囲を設定することによってイネーブルにできます。 この設定による影響は次のとおりです。

  • SSM 範囲内のグループの場合、(S, G) チャネル加入は IGMPv3 INCLUDE モード メンバーシップ レポートによって受け入れられます。
  • SSM 範囲のアドレスの PIM 動作は、PIM-SM の派生モードである PIM-SSM に変更されます。 このモードでは、PIM (S, G) 加入およびプルーニング メッセージのみがルータによって生成されます。 ランデブー ポイント ツリー(RPT)動作に関連した着信メッセージは無視されるか、拒否され、着信 PIM 登録メッセージは登録停止メッセージによってただちに応答されます。 ラストホップ ルータ以外のルータでは、PIM-SSM は PIM-SM と下位互換性を保ちます。 したがって、ラストホップ ルータ以外のルータは SSM グループに PIM-SM を使用できます(SSM をサポートしていない場合など)。
  • SSM 範囲内のグループの場合、SSM 範囲内の MSDP Source-Active(SA)メッセージは受け入れ、生成、または転送されません。

IGMPv3 ホスト シグナリング

IGMPv3 は、ホストがマルチキャスト グループのラスト ホップ ルータにメンバーシップを伝える IETF 標準トラック プロトコルの第 3 バージョンです。 IGMPv3 は、グループ メンバーシップを伝える能力をホストに与えます。これによってソースに関するフィルタリングが可能になります。 ホストは、特定のソースを除いて、グループに送信するすべてのソースからトラフィックを受信したい(EXCLUDE と呼ばれるモード)、またはグループに送信する特定のソースからのみトラフィックを受信したい(INCLUDE と呼ばれるモード)と伝えることができます。

IGMPv3 は、ISM および SSM と同時に動作可能です。 ISM では、EXCLUDE モードと INCLUDE モードの両方のレポートがラスト ホップ ルータによって受け入れられます。 SSM では、INCLUDE モード レポートのみがラスト ホップ ルータによって受け入れられます。

Source Specific Multicast の利点

IP マルチキャスト アドレス管理が不要

ISM サービスで、トラフィック ディストリビューションは使用する IP マルチキャスト グループ アドレスにのみ基づくため、アプリケーションは一意の IP マルチキャスト グループ アドレスを取得する必要があります。 異なるソースとレシーバを持つ 2 つのアプリケーションが同じ IP マルチキャスト グループ アドレスを使用すると、両方のアプリケーションのレシーバが両方のアプリケーションのソースからトラフィックを受信します。 適切にプログラムしている場合、レシーバは不要なトラフィックをフィルタできますが、この状態は一般的に許容できないレベルの不要なトラフィックを生み出します。

アプリケーションへの一意の IP マルチキャスト グループ アドレスの割り当ては問題となります。 最も短期のアプリケーションはセッション記述プロトコル(SDP)やセッション通知プロトコル(SAP)のようなメカニズムを使用して、ランダム アドレスを取得します。これは、インターネット内のアプリケーションの増加によってうまく機能しないソリューションです。 長期アプリケーションの現在のベスト ソリューションは、RFC 2770 に説明されていますが、このソリューションは各自律システムが 255 の使用可能な IP マルチキャスト アドレスのみに限定される制限の影響を受けます。

SSM で、他のソースからのトラフィックとは関係なく、各ソースからのトラフィックはネットワーク内のルータ間で転送されます。 このため、異なるソースが SSM 範囲のマルチキャスト グループ アドレスを再利用できます。

望ましくないソースからのサービス拒否攻撃の阻止

SSM で、個別の各ソースからのマルチキャスト トラフィックは、(IGMPv3、IGMP v3lite、または URD メンバーシップによって)レシーバから要求された場合にのみネットワーク中に転送されます。 これに対し、ISM はマルチキャスト グループに送信するアクティブなソースからそのマルチキャスト グループを要求するすべてのレシーバにトラフィックを転送します。 インターネット ブロードキャスト アプリケーションで、トラフィックを同じマルチキャスト グループにただ送信するだけで、望ましくないソースが実際のインターネット ブロードキャスト ソースを簡単に妨害できるため、この ISM の動作は非常に望ましくありません。 この状況は、レシーバ側で不要なトラフィックによって帯域幅を消耗させるため、インターネット ブロードキャストの無停止の受信を妨害します。 SSM では、トラフィックをマルチキャスト グループにただ送信するだけでは、このような種類の DoS 攻撃は行えません。

インストールと管理が容易

ネットワークがマルチキャスト グループに送信しているアクティブ ソースについての情報を維持する必要がないため、SSM は簡単にインストールし、ネットワークでプロビジョニングできます。 この要件は、(IGMPv1、IGMPv2、または IGMPv3 を使用する)ISM でのみ存在します。

ISM サービスの現在の標準ソリューションは PIM-SM と MSDP です。 PIM-SM(Auto-RP または BSR の必要性を含む)および MSDP での Rendezvous Point(RP)管理は、ネットワークがアクティブ ソースについて学習するためにのみ必要です。 この管理は SSM では必要ありません。このため、SSM は ISM よりインストールや管理が簡単で、配備での動作面の拡張も ISM より簡単です。 SSM のインストールが簡単であるその他の要素は、既存の PIM-SM ネットワークを活用でき、ラスト ホップ ルータをアップグレードするだけで IGMPv3、IGMP v3lite、または URD をサポートできる点です。

インターネット ブロードキャスト アプリケーションに最適

上記の 3 つの利点により、次の理由で SSM はインターネット ブロードキャスト スタイルのアプリケーションに理想的です。

  • 一意の IP マルチキャスト アドレスなしで SSM によって、インターネット ブロードキャスト サービスを提供できるため、コンテンツ プロバイダーはサービスを簡単に提供できます(コンテンツ プロバイダーにとって、IP マルチキャスト アドレス割り当てはこれまで深刻な問題でした)。
  • インターネット ブロードキャスト サービスは多数のレシーバに公開されることにより、DoS 攻撃の最も一般的な対象となるため、このような攻撃の阻止はインターネット ブロードキャスト サービスの重要な要素です。
  • SSM はインストールや動作が簡単なため、特に、コンテンツを複数の独立した PIM ドメイン間で転送する必要のある場合(SSM のために PIM ドメイン間で MSDP を管理する必要がないため)、ネットワーク オペレータにとって理想的です。

IGMP v3lite ホスト シグナリング

IGMP v3lite は、SSM アプリケーションのプログラミングをすぐに開始できるように、アプリケーション開発者向けにシスコが開発した移行ソリューションです。 これによって、オペレーティング システム カーネルで IGMPv3 をサポートしていないホストで SSM アプリケーションを記述し、実行できます。

IGMP v3lite の場合、アプリケーションは Host Side IGMP Library(HSIL)でコンパイルする必要があります。 このソフトウェアは、SSM アプリケーションの記述に必要な IGMPv3 アプリケーション プログラミング インターフェイス(API)のサブセットをアプリケーションに提供します。 HSIL は Talarian によってシスコ用に開発され、次の Web ページで入手できます。

http://www.talarianmulticast.com/cgi-bin/igmpdownld

HSIL の一部は SSM アプリケーションにリンクされているクライアント ライブラリです。 これは、IGMPv3 API の SSM のサブセットを SSM アプリケーションに提供します。 可能な場合は、オペレーティング システム カーネルが IGMPv3 をサポートしているかどうかをライブラリがチェックします。 サポートしている場合、API コールはそのままカーネルに渡されます。 カーネルが IGMPv3 をサポートしない場合、ライブラリは、IGMP v3lite メカニズムを使用します。

IGMP v3lite メカニズムを使用している場合、ライブラリはオペレーティング システム カーネルにマルチキャスト グループ全体に参加するように呼びかけます。これは、(オペレーティング システム カーネルが IGMPv1 または IGMPv2 のみをサポートしている場合)グループ全体に参加することが、アプリケーションがそのマルチキャスト グループのトラフィックを受信する唯一の方法であるためです。 また、ライブラリは IGMP v3lite サーバ プロセスに(S, G)チャネル加入を伝えます。これは HSIL の一部でもあります。 複数の SSM アプリケーションが同じホスト上にある場合があるため、サーバ プロセスが必要です。 このサーバ プロセスは、その後、IGMP v3lite 固有の(S, G)チャネル加入をラスト ホップ Cisco IOS ルータに送信します。これは、IGMP v3lite 用にイネーブルにする必要があります。 このルータは、オペレーティング システム カーネルから IGMPv1 または IGMPv2 グループ メンバーシップ レポートを参照し、HSIL デーモンから(S, G)チャネル加入も参照します。 ルータが両方のメッセージを参照すると、これらを SSM(S, G)チャネル加入と解釈して、PIM-SSM によってチャネルに参加します。 お使いのアプリケーションでの IGMP v3lite の使用方法の詳細については、HSIL ソフトウェアに付属しているマニュアルを参照することを推奨します。

IGMP v3lite は、HSIL から独立したルータの機能としてではなく、HSIL による API を通してのみシスコからサポートされます。 デフォルトでは、IGMP v3lite はディセーブルになっています。 IGMP v3lite がインターフェイス上で ip igmp v3lite インターフェイス コンフィギュレーション コマンドによって設定されている場合、SSM 範囲の IP マルチキャスト アドレスに対してのみアクティブになります。

URD ホスト シグナリング

URD はシスコが開発した移行ソリューションで、アプリケーションを変更したり、アプリケーションを実行しているレシーバ ホスト上のソフトウェアを変更または追加することなく、既存の IP マルチキャスト レシーバ アプリケーションを SSM と共に使用できます。 URD は、Web ブラウザからレシーバ アプリケーションを開始したり制御できるコンテンツ プロバイダー ソリューションです。

URD は、特殊な URL を Web ブラウザからラスト ホップ ルータに渡すことによって機能します。 この URL は、URD インターセプト URL と呼ばれます。 URD インターセプト URL は、(S, G)チャネル加入で符号化され、ラスト ホップ ルータが簡単に代行受信できる形式になっています。

アプリケーションがマルチキャスト グループ G のメンバーシップを維持する限り、ラスト ホップ ルータが URD インターセプト URL で符号化された (S, G) チャネル加入を代行受信し、レシーバ アプリケーションから同じマルチキャスト グループの IGMP グループ メンバーシップ レポートを参照するとただちに、ラスト ホップ ルータが PIM-SSM を使用して (S, G) チャネルに参加します。 URD インターセプト URL は、当初、参加のためにソースのアドレスをラスト ホップ ルータに提供するためにのみ必要です。

URD インターセプト URL の構文は、次のとおりです。

http://
webserver
:465/
path
?group=
group
&source=
source1
&...source=
sourceN
&

webserver ストリングは、URL がターゲットとする名前または IP アドレスです。 ラスト ホップ ルータが URD メカニズムをサポートできないことを Web サーバが確認する場合以外は、このターゲットは既存の Web サーバの IP アドレスである必要はありません。 465 という番号は URD ポートを示します。 ポート 465 は、URD メカニズムのために IANA によってシスコ用に確保されています。このため、他のアプリケーションはこのポートを使用できません。

ホストのブラウザが URD インターセプト URL を検出すると、ポート 465 上で Web サーバへの TCP 接続を開こうとします。 ルータがホストから TCP パケットを受信するインターフェイスで URD 用にラスト ホップ ルータがイネーブルの場合、(Web サーバのアドレスとは関係のない)TCP 接続の実際の宛先アドレスから独立したポート 465 への TCP 接続のすべてのパケットを代行受信します。 代行受信すると、ラスト ホップ ルータはこの TCP 接続で HTTP の非常に単純なサブセットを伝え、Web サーバをエミュレートします。 ラスト ホップ ルータが理解し、応答する唯一の HTTP 要求は、次の GET 要求です。

GET 
argument
 HTTP/1.0
argument
 = /
path
?group=
group
&source=
source1
&...source=
sourceN
&

GET コマンドを受信すると、ルータはこの構文に従って引数を解析し、1 つまたは複数の (S, G) チャネル メンバーシップを取得しようとします。 引数の path ストリングは、最初の疑問符まで(最初の疑問符を含まない)で無視されます。 groupsource1 から sourceN までのストリングは、この引数が加入要求であるチャネルの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名です。 引数が表示された構文に一致する場合、ルータは(source1group)から(sourceNgroup)チャネルに加入する引数を解釈します。

次の条件が満たされると、ルータはチャネル加入を受け入れます。

  • マルチキャスト グループの IP アドレスは SSM 範囲内です。
  • TCP 接続の元となるホストの IP アドレスはルータに直接接続されます。

チャネル加入が受け入れられると、ルータは次の HTML ページ形式で TCP 接続に応答します。

HTTP/1.1 200 OK
Server:cisco IOS
Content-Type:text/html
<html>
<body>
Retrieved URL string successfully
</body>
</html>

エラー状態が発生すると、返信 HTML ページの <body> 部分が適切なエラー メッセージを表示します。 HTML ページは URD メカニズムの副産物です。 URD インターセプト URL を表示する Web ページの設計方法に応じて、この返信テキストはユーザに表示されるか、または、実際の返信 HTML ページが表示されないようにサイズが決定されます。

URD メカニズムの主な影響は、ルータが受信したチャネル加入を記憶し、ホストによって受信された IGMP グループ メンバーシップ レポートと一致させます。 ルータは、IGMP グループ メンバーシップ レポートと一致させずに、URD (S, G) チャネル加入を 3 分まで記憶します。 ルータは、マルチキャスト グループ G の IGMP グループ メンバーシップ レポートと、同じグループ G の URD(S, G)チャネル加入の両方を受信したことを確認すると、すぐに PIM-SSM を介して(S, G)チャネルに参加します。 ルータは、ホストからの継続中の IGMP メンバーシップの存在だけに基づいて(S, G)チャネルへの参加を続けます。 このため、当初の URD チャネル加入は、URD で SSM をイネーブルにするために Web ページ経由で唯一追加される必要があります。

レシーバ ホストからのラスト ホップ ルータが URD に対してイネーブルでない場合、ポート 465 の Web サーバへの HTTP 接続は代行受信されません。 この状況により、Web サーバ上でポート 465 への TCP 接続が発生します。 Web サーバ上でさらにプロビジョニングが行われない場合、URD インターセプト URL を表示するための Web ページのエリアに(この出力を表示するように Web ページが設計されている場合)通知(「Connection refused」など)が表示される場合があります。 ポート 465 で Web サーバに要求を「リッスン」させ、Web サーバがチャネル加入が失敗したかどうかを知る(たとえば、後でより複雑なエラー説明をユーザに返信する)ことができる Common Gateway Interface(CGI)スクリプトをインストールすることもできます。

ルータはテキストと HTML のコンテンツタイプを返すため、URD インターセプト URL を Web ページに含める最善の方法は、フレームを使用する方法です。 フレームのサイズを定義することによって、表示されているページで URD インターセプト URL を非表示にすることもできます。

デフォルトでは、URD はすべてのインターフェイス上でディセーブルです。 URD がインターフェイス上で ip urd インターフェイス コンフィギュレーション コマンドによって設定されている場合、SSM 範囲の IP マルチキャスト アドレスに対してのみアクティブになります。

Source Specific Multicast の設定方法

SSM の設定

SSM を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して次のコマンドを使用します。

手順の概要

    1.    Router(config)# ip pim ssm [default | rangeaccess-list ]

    2.    Router(config)# interface type number

    3.    Router(config-if)# ip pim {sparse-mode | sparse-dense-mode}

    4.    次のいずれかを実行します。

    • Router(config-if)# ip igmp version 3
    • Router(config-if)# ip igmp v3lite


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 Router(config)# ip pim ssm [default | rangeaccess-list ] 

    IP マルチキャスト アドレスの SSM 範囲を定義します。

     
    ステップ 2 Router(config)# interface type number 

    IGMPv3、IGMP v3lite、および URD をイネーブルにできるホストに接続されているインターフェイスを選択します。

     
    ステップ 3 Router(config-if)# ip pim {sparse-mode | sparse-dense-mode} 

    インターフェイス上の PIM をイネーブルにします。 sparse mode と sparse-dense mode のどちらかを使用する必要があります。

     
    ステップ 4次のいずれかを実行します。
    • Router(config-if)# ip igmp version 3
    • Router(config-if)# ip igmp v3lite


    例:
    
     


    例:
    
     


    例:
              


    例:
    Router(config-if)# ip urd
     

    このインターフェイス上で IGMPv3 をイネーブルにします。 デフォルトでは、IGMP のバージョン 2 が設定されます。

    または

    インターフェイスで IGMP v3lite メンバーシップ レポートの受け入れと処理をイネーブルにします。

    または

    インターフェイスで確保された URD ポート 465 に送信された TCP パケットの代行受信と URD チャネル加入レポートの処理をイネーブルにします。

     

    SSM のモニタリング

    SSM をモニタするには、必要に応じて特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。

    コマンド

    目的

    Router# show ip igmp groups detail

    IGMPv3、IGMP v3lite、または URD で (S, G) チャネル加入を表示します。

    Router# show ip mroute

    マルチキャスト グループが SSM サービスをサポートしているかどうか、またはソース固有のホスト レポートが受信されたかどうかを表示します。

    Source Specific Multicast の設定例

    IGMPv3 を使用した SSM の例

    次の例は、SSM 用に(IGMPv3 を実行する)ルータを設定する方法を示しています。

    ip multicast-routing 
    !
    interface GigabitEthernet3/1/0 
     ip address 172.21.200.203 255.255.255.0 
     description backbone interface 
    	ip pim sparse-mode 
    ! 
    interface GigabitEthernet3/2/0 
    	ip address 131.108.1.2 255.255.255.0 
    	ip pim sparse-mode 
    	description ethernet connected to hosts 
    	ip igmp version 3 
    ! 
    ip pim ssm default 

    IGMP v3lite と URD を使用した SSM の例

    次の例は、SSM 用にホストに接続されたインターフェイス上で IGMP v3lite と URD を設定する方法を示しています。 IGMP v3lite と URD の設定は、バックボーン インターフェイスでは必須でも推奨事項でもありません。

    interface gigabitethernet 3/1/1
     ip address 172.21.200.203 255.255.255.0
     ip pim sparse-dense-mode
     description gigabitethernet connected to hosts
    !
    interface gigabitethernet 1/1/1
    description gigabitethernet connected to hosts
     ip address 131.108.1.2 255.255.255.0
     ip pim sparse-dense-mode
     ip urd
     ip igmp v3lite

    SSM フィルタリング例

    次の例は、SSM ルーティングをサポートしないソフトウェア リリースを実行しているレガシー RP ルータでフィルタリングを設定する方法を示しています。 このフィルタリングは SSM 範囲で不要な PIM-SM および MSDP トラフィックをすべて抑制します。 このフィルタリングがなくても SSM は動作しますが、レガシーのファースト ホップ ルータとラスト ホップ ルータがネットワークに存在する場合、追加の RPT トラフィックがある場合があります。

    ip access-list extended  no-ssm-range
      deny   ip any 232.0.0.0 0.255.255.255 ! SSM range
      permit ip any any
    ! Deny registering in SSM range
    ip pim accept-register list no-ssm-range
    ip access-list extended msdp-nono-list
      deny   ip any 232.0.0.0 0.255.255.255 ! SSM Range
      ! .
      ! .
      ! .
      ! See ftp://ftpeng.cisco.com/ipmulticast/config-notes/msdp-sa-filter.txt for other SA
      ! messages that typically need to be filtered.
      permit ip any any
    ! Filter generated SA messages in SSM range. This configuration is only needed if there
    ! are directly connected sources to this router. The “ip pim accept-register” command
    ! filters remote sources.
    ip msdp redistribute list msdp-nono-list
    ! Filter received SA messages in SSM range. “Filtered on receipt” means messages are
    ! neither processed or forwarded. Needs to be configured for each MSDP peer.
    ip msdp sa-filter in msdp-peer1 list msdp-nono-list
    ! .
    ! .
    ! .
    ip msdp sa-filter in msdp-peerN list msdp-nono-list
    

    その他の関連資料

    ここでは、Source Specific Multicast に関する関連資料について説明します。

    関連資料

    関連項目

    マニュアル タイトル

    PIM-SM と SSM の概念および設定例

    「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュール

    IP マルチキャスト コマンド:コマンド構文の詳細、コマンド モード、デフォルト設定、コマンド履歴、使用に関する注意事項、および例

    『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』

    標準

    標準

    タイトル

    この機能でサポートされる新規の標準または変更された標準はありません。また、既存の標準のサポートは変更されていません。

    --

    MIB

    MIB

    MIB のリンク

    この機能がサポートする新しい MIB または変更された MIB はありません。また、この機能で変更された既存規格のサポートはありません。

    選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE リリース、およびフィーチャ セットの MIB を検索してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

    http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

    RFC

    RFC

    タイトル

    この機能がサポートする新しい RFC または変更された RFC はありません。また、この機能は既存の規格に対するサポートに影響を及ぼしません。

    --

    シスコのテクニカル サポート

    説明

    リンク

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    http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​support/​index.html

    Source Specific Multicast の機能情報

    次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

    プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

    表 1 Source Specific Multicast の機能情報

    機能名

    リリース

    機能情報

    Source Specific Multicast(SSM)

    12.3(4)T

    12.2(25)S

    12.0(28)S

    12.2(33)SXH

    12.2(33)SRA

    15.0(1)S

    Cisco IOS XE Release 2.1

    Cisco IOS XE Release 3.1.0SG

    Cisco IOS XE Release 3.5S

    SSM は、レシーバが明示的に参加したマルチキャスト ソースからのみデータグラム トラフィックがレシーバに転送される IP マルチキャストの拡張機能です。 SSM 用に設定されたマルチキャスト グループは、(共有ツリーではなく)ソース固有のマルチキャスト配信ツリーのみが作成されます。

    Cisco IOS XE Release 3.5S では、Cisco ASR 903 ルータのサポートが追加されました。