IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
発行日;2013/07/26   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

目次

IP マルチキャスト テクノロジーの概要

IP マルチキャストは、単一の情報ストリームを何千もの潜在的な企業および家庭に同時に配信することによってトラフィックを削減する帯域幅節約テクノロジーです。 マルチキャストを利用するアプリケーションには、ビデオ会議、企業コミュニケーション、通信教育、およびソフトウェア、株価情報、ニュースの配信などが含まれます。

この章では、IP マルチキャストの技術的概要を説明します。 IP マルチキャストは、ネットワーク リソース(特に、音声やビデオなどの帯域幅集約型サービス)を効率的に使用する方法です。 IP マルチキャストの設定を開始する前に、このモジュールに示す情報を理解することが重要です。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラットフォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

IP マルチキャスト テクノロジーに関する情報

情報配信における IP マルチキャストの役割

IP マルチキャストは、単一の情報ストリームを何千もの潜在的な企業および家庭に同時に配信することによってトラフィックを削減する帯域幅節約テクノロジーです。 マルチキャストを利用するアプリケーションには、ビデオ会議、企業コミュニケーション、通信教育、およびソフトウェア、株価情報、ニュースの配信などが含まれます。

IP マルチキャスト ルーティングを使用すると、ホスト(送信元)は IP「マルチキャスト グループ アドレス」と呼ばれる特殊な形式の IP アドレスを使用し、IP ネットワーク内の任意の場所にあるホスト(レシーバー)のグループにパケットを送信できます。 ソースのホストは、マルチキャスト グループ アドレスをパケットの宛先 IP アドレス フィールドに挿入します。IP マルチキャスト ルータおよびマルチレイヤ スイッチは、受信した IP マルチキャスト パケットを、マルチキャスト グループのメンバにつながるすべてのインターフェイスから転送します。 どのホストも、グループのメンバであるかどうかにかかわらず、グループに送信できます。 ただし、グループのメンバだけがメッセージを受信します。

マルチキャスト グループの転送方式

IP 通信は、最初の図に示すように、トラフィックの送信側と受信側として機能するホストで構成されます。 送信側をソースと呼びます。 従来の IP 通信は、別の単一ホスト(ユニキャスト転送)またはすべてのホスト(ブロードキャスト転送)に送信する単一ホストによって実現されます。 IP マルチキャストは、1 つのホストがすべてのホストのサブセットにパケットを送信できる 3 番目の方式(マルチキャスト転送)を提供します。 この受信側ホストのサブセットは、マルチキャスト グループと呼ばれます。 マルチキャスト グループに属するホストは、グループ メンバと呼ばれます。

マルチキャストは、このグループの概念に基づいています。 マルチキャスト グループは、特定のデータ ストリームを受信するためにグループに加入する任意の数のレシーバです。 このマルチキャスト グループには、物理的境界または地理的境界はありません。ホストは、インターネット上または任意のプライベート インターネットワーク内の任意の場所に配置できます。 ソースから特定のグループへのデータの受信に関与するホストは、そのグループに加入する必要があります。 グループへの加入は、インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)を介してホスト レシーバによって行われます。

マルチキャスト環境では、どのホストも、グループのメンバであるかどうかにかかわらず、グループに送信できます。 ただし、グループのメンバだけがそのグループに送信されたパケットを受信できます。 IP ユニキャスト パケットと同様、マルチキャスト パケットは、ベストエフォート型の信頼性を使用してグループに配信されます。



次の図では、レシーバ(指定されたマルチキャスト グループ)はソースからビデオ データ ストリームを受信します。 これらのレシーバは、ネットワーク内のルータに IGMP ホスト レポートを送信することによってその意思を示します。 ルータは、ソースからレシーバへのデータ配信を行います。 ルータは、Protocol Independent Multicast(PIM)を使用して、マルチキャスト配信ツリーを動的に作成します。 ビデオ データ ストリームは、ソースとレシーバの間のパスにあるネットワーク セグメントだけに配信されます。



IP マルチキャスト ルーティング プロトコル

ソフトウェアでは、IP マルチキャスト ルーティングを実装するため、次のプロトコルがサポートされています。

  • IGMP は、ホストがメンバになっているマルチキャスト グループを追跡するために LAN 上のホストと LAN 上のルータ間で使用されます。
  • プロトコル独立マルチキャスト(PIM)は、相互に転送されるマルチキャスト パケット、および直接接続されている LAN に転送されるマルチキャスト パケットを追跡するためにルータ間で使用されます。
  • ディスタンス ベクトル マルチキャスト ルーティング プロトコル(DVMRP)は、MBONE(インターネットのマルチキャスト バックボーン)に使用されます。 ソフトウェアは PIM と DVMRP の相互作用をサポートします。
  • Cisco グループ管理プロトコル(CGMP)は、IGMP によって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalyst スイッチに接続されたルータ上で使用されます。

図に、これらのプロトコルが動作する IP マルチキャスト環境内の位置を示します。

図 1. IP マルチキャスト ルーティング プロトコル

IP マルチキャスト グループ アドレッシング

マルチキャスト グループは、マルチキャスト グループ アドレスによって識別されます。 マルチキャスト パケットは、そのマルチキャスト グループ アドレスに送信されます。 単一のホストを一意に識別するユニキャスト アドレスとは異なり、マルチキャスト IP アドレスは、特定のホストを識別しません。 マルチキャスト アドレスに送信されたデータを受信するには、ホストは、そのアドレスによって識別されるグループに加入する必要があります。 データは、マルチキャスト アドレスに送信され、そのグループに送信されたトラフィックを受信する意思を示してグループに加入しているすべてのホストによって受信されます。 マルチキャスト グループ アドレスは、ソースでグループに割り当てられます。 マルチキャスト グループ アドレスを割り当てるネットワーク管理者は、アドレスが、インターネット割り当て番号局(IANA)によって予約されているマルチキャスト アドレス範囲の割り当てに準拠していることを確認する必要があります。

IP クラス D アドレス

IP マルチキャスト アドレスは、IANA によって IPv4 クラス D アドレス空間に割り当てられています。 クラス D アドレスの上位 4 ビットは 1110 です。 したがって、ホスト グループ アドレスの範囲は 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 であると考えられます。 マルチキャスト アドレスがソース(送信側)でマルチキャスト グループの受信先として選択されます。


(注)  


クラス D アドレス範囲は、IP マルチキャスト トラフィックのグループ アドレスまたは宛先アドレスだけに使用されます。 マルチキャスト データグラムのソース アドレスは、常にユニキャスト ソースアドレスです。


IP マルチキャスト アドレスのスコーピング

マルチキャスト アドレス範囲は、さまざまなアドレス範囲に対して、およびより小さなドメイン内でアドレスを再使用する場合に、予測可能な動作を提供するために細分化されています。 表に、マルチキャスト アドレス範囲の概要を示します。 それに続いて、各範囲について簡単に説明します。

表 1 マルチキャスト アドレス範囲の割り当て

名前

範囲

説明

予約済みリンク ローカル アドレス

224.0.0.0 ~ 224.0.0.255

ローカル ネットワーク セグメント上のネットワーク プロトコル用に予約されています。

グローバル スコープ アドレス

224.0.1.0 ~ 238.255.255.255

組織間およびインターネット上でのマルチキャスト データの送信用に予約されています。

Source Specific Multicast

232.0.0.0 ~ 232.255.255.255

明示的にグループに加入している受信側のみにデータを転送する SSM データグラム配信モデル用に予約されています。

GLOP アドレス

233.0.0.0 ~ 233.255.255.255

割り当て済みの自律システム(AS)ドメイン番号をすでに持つ組織によって静的に定義されるアドレス用に予約されています。

限定スコープ アドレス

239.0.0.0 ~ 239.255.255.255

プライベート マルチキャスト ドメイン用の管理スコープ アドレスまたは限定スコープ アドレスとして予約されています。

予約済みリンク ローカル アドレス

224.0.0.0 ~ 224.0.0.255 の範囲は、IANA によってローカル ネットワーク セグメント上のネットワーク プロトコル用に予約されています。 この範囲のアドレスを持つパケットのスコープはローカルであり、IP ルータによって転送されません。 通常、リンク ローカル宛先アドレスを持つパケットは存続可能時間(TTL)値 1 を使用して送信されるため、ルータによって転送されません。

この範囲内の予約済みリンクローカル アドレスは、それぞれに予約されたネットワーク プロトコル機能を提供します。 ネットワーク プロトコルは、これらのアドレスをルータの自動検出および重要なルーティング情報の伝達用に使用します。 たとえば、Open Shortest Path First(OSPF)は、IP アドレス 224.0.0.5 および 224.0.0.6 を使用してリンク ステート情報を交換します。

IANA は、アドレス範囲 224.0.1.xxx からネットワーク プロトコルまたはネットワーク アプリケーションに 1 つのマルチキャスト アドレス要求を割り当てます。 マルチキャスト ルータは、これらのマルチキャスト アドレスを転送します。

グローバル スコープ アドレス

224.0.1.0 ~ 238.255.255.255 の範囲のアドレスは、グローバル スコープ アドレスと呼ばれます。 これらのアドレスは、組織間およびインターネット上でのマルチキャスト データの送信に使用します。 これらのアドレスの一部は、IANA によってマルチキャスト アプリケーション用に予約されています。 たとえば、IP アドレス 224.0.1.1 は、ネットワーク タイム プロトコル(NTP)用に予約されています。

Source Specific Multicast アドレス

232.0.0.0/8 のアドレス範囲は、Source Specific Multicast(SSM)用に予約されています。 Cisco IOS ソフトウェアでは、ip pim ssm コマンドを使用して任意の IP マルチキャスト アドレスに SSM を設定することもできます。 SSM は、1 対多の通信で効率的なデータ配信メカニズムを可能にする Protocol Independent Multicast(PIM)の拡張です。 SSM については、IP マルチキャスト配信モードを参照してください。

GLOP アドレス

RFC 2770『GLOP Addressing in 233/8』で提唱されている GLOP アドレッシングでは、予約済みの AS 番号をすでに持つ組織は、静的に定義するアドレス用に 233.0.0.0/8 の範囲を予約することを推奨しています。 これは、GLOP アドレッシングと呼ばれます。 ドメインの AS 番号は、233.0.0.0/8 アドレス範囲の 2 番目と 3 番目のオクテットに組み込まれます。 たとえば、AS62010 は 16 進形式では F23A と記述します。 この 2 つのオクテット F2 および 3A を分割すると、結果は 10 進数でそれぞれ 242 および 58 となります。 これらの値から 233.242.58.0/24 のサブネットが得られ、AS62010 用にグローバルに予約されます。

限定スコープ アドレス

239.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の範囲のアドレスは、プライベート マルチキャスト ドメイン用の限定スコープアドレスまたは管理スコープ アドレスとして予約されています。 これらのアドレスは、ローカル グループまたは組織に使用するように制限されています。 会社、大学、およびその他の組織は、ドメインの外に転送されないローカル マルチキャスト アプリケーション用に、限定スコープ アドレスを使用できます。 通常、このアドレス範囲内のマルチキャスト トラフィックが自律システム(AS)またはユーザ定義のドメイン外に流出することを防ぐため、ルータにフィルタを設定します。 AS またはドメイン内では、ローカル マルチキャスト境界を定義できるように、限定スコープ アドレス範囲を細分化することもできます。


(注)  


ネットワーク管理者は、インターネット上の他のユーザと競合することなく、この範囲のマルチキャスト アドレスをドメイン内で使用できます。


レイヤ 2 マルチキャスト アドレス

従来、LAN セグメント上のネットワーク インターフェイス カード(NIC)が受信できるのは、Burned-In MAC Address またはブロードキャスト MAC アドレスを宛先とするパケットに限られていました。 IP マルチキャストでは、共通の宛先 MAC アドレスを使用して、複数のホストが単一のデータ ストリームを受信できる必要があります。 複数のホストが同じパケットを受信する場合、複数のマルチキャスト グループを区別できるように、何らかの方法を考案する必要があります。 そのための 1 つの方法は、IP マルチキャスト クラス D アドレスを MAC アドレスに直接マッピングすることです。 この方法を使用すると、NIC は多くの異なる MAC アドレスを宛先とするパケットを受信できます。

Cisco グループ管理プロトコル(CGMP)は、IGMP によって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalyst スイッチに接続されたルータ上で使用されます。 IP マルチキャスト データ パケットと IGMP レポート メッセージ(いずれも MAC レベルで同じグループ アドレスにアドレス指定されます)を区別できない Catalyst スイッチの場合、CGMP が必要になります。

IP マルチキャスト配信モード

IP マルチキャスト配信モードは、レシーバ ホストでのみ異なり、ソース ホストでは異なりません。 ソース ホストは、自身の IP アドレスをパケットの IP ソース アドレスとして、グループ アドレスをパケットの IP 宛先アドレスとして、IP マルチキャスト パケットを送信します。

Any Source Multicast(ASM)

Any Source Multicast(ASM)配信モードでは、IP マルチキャストのレシーバ ホストは、任意のバージョンの IGMP を使用してマルチキャスト グループに加入できます。 ルーティング テーブル ステート表記では、このグループは G として表記されます。 レシーバ ホストは、このグループに加入することにより、任意のソースからグループ G に送信された IP マルチキャスト トラフィックを受信する意思を示します。 ネットワークは、宛先アドレス G を持つ任意のソース ホストから送信された IP マルチキャスト パケットを、グループ G に加入しているネットワーク内のすべてのレシーバ ホストに配信します。

ASM では、ネットワーク内でグループ アドレスを割り当てる必要があります。 常に、ASM グループは、1 つのアプリケーションでのみ使用される必要があります。 2 つのアプリケーションが同じ ASM グループを同時に使用する場合は、両方のアプリケーションのレシーバ ホストが両方のアプリケーション ソースからトラフィックを受信します。 その結果、ネットワーク内で予期しない過剰なトラフィックが生成される場合があります。 この状況では、ネットワーク リンクの輻輳およびアプリケーションのレシーバ ホストの誤動作が発生する可能性があります。

Source Specific Multicast

Source Specific Multicast(SSM)は、ブロードキャスト アプリケーションとしても知られる 1 対多アプリケーションをサポートする最善のデータグラム配信モデルです。 SSM は、オーディオおよびビデオのブロードキャスト アプリケーション環境を対象としたシスコの IP マルチキャスト実装の中核的なネットワーク テクノロジーです。

SSM 配信モードでは、IP マルチキャストのレシーバ ホストは、IGMP バージョン 3(IGMPv3)を使用してチャネル(S, G)にサブスクライブする必要があります。 レシーバ ホストは、このチャネルにサブスクライブすることにより、ソース ホスト S からグループ G に送信された IP マルチキャスト トラフィックを受信する意思を示します。 ネットワークは、ソース ホスト S からグループ G に送信された IP マルチキャスト パケットを、チャネル (S, G) にサブスクライブしているネットワーク内のすべてのホストに配信します。

SSM では、ネットワーク内でグループ アドレスを割り当てる必要はありません。各ソース ホスト内で割り当てるだけです。 同じソース ホストで実行されている異なるアプリケーションは、異なる SSM グループを使用する必要があります。 異なるソース ホストで実行されている異なるアプリケーションは、ネットワーク上で過剰なトラフィックを発生させることなく、任意に SSM グループ アドレスを再利用できます。

プロトコル独立マルチキャスト

プロトコル独立マルチキャスト(PIM)プロトコルは、レシーバによって開始されたメンバーシップの現在の IP マルチキャスト サービス モードを維持します。 PIM は、特定のユニキャスト ルーティング プロトコルには依存しません。これは、IP ルーティング プロトコルに依存せず、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、Open Shortest Path First(OSPF)、Border Gateway Protocol(BGP)、スタティック ルートなど、ユニキャスト ルーティング テーブルに入力するために使用されるユニキャスト ルーティング プロトコルをすべて利用できます。 PIM は、ユニキャスト ルーティング情報を使用してマルチキャスト転送機能を実行します。

PIM はマルチキャスト ルーティング プロトコルと呼ばれますが、実際は完全な非依存型のマルチキャスト ルーティング テーブルを構築するのではなく、ユニキャスト ルーティング テーブルを使用してリバース パス転送(RPF)チェック機能を実行します。 他のルーティング プロトコルとは異なり、PIM は、ルータ間のルーティング アップデートを送受信しません。

PIM は、RFC 2362『Protocol-Independent Multicast-Sparse Mode (PIM-SM): Protocol Specification』で定義されています。

PIM は、デンス モードまたはスパース モードで動作できます。 ルータは、スパース グループとデンス グループの両方を同時に処理できます。 これらのモードは、ルータによるマルチキャスト ルーティング テーブルの書き込み方法と、ルータが直接接続された LAN から受信したマルチキャスト パケットの転送方法を決定します。

PIM の転送(インターフェイス)モードについては、次の項を参照してください。

PIM デンス モード(PIM-DM)

PIM デンス モード(PIM-DM)は、プッシュ モデルを使用してマルチキャスト トラフィックをネットワークの隅々にまでフラッディングします。 このプッシュ モデルは、データを要求するレシーバを使用せずにデータをレシーバに配信するための方式です。 この方式は、ネットワークのあらゆるサブネットにアクティブなレシーバが存在する特定の配置には効率的です。

デンス モードでは、ルータは、他のすべてのルータが特定のグループのマルチキャスト パケットの転送を求めていると想定します。 あるルータがマルチキャスト パケットを受信した場合、直接接続されたメンバまたは PIM ネイバーが存在しないときは、ソースにプルーニング メッセージが返送されます。 後続のマルチキャスト パケットは、このプルーニングされたブランチ上のこのルータにはフラッディングされません。 PIM は、ソース ベースのマルチキャスト配信ツリーを構築します。

PIM-DM は最初に、ネットワーク全体にマルチキャスト トラフィックをフラッディングします。 ダウンストリーム ネイバーを持たないルータは、不要なトラフィックをプルーニングします。 このプロセスは 3 分ごとに繰り返されます。

ルータはフラッディングおよびプルーニング メカニズムを通じてデータ ストリームを受信することにより、ステート情報を蓄積します。 これらのデータ ストリームには、ダウンストリーム ルータがマルチキャスト転送テーブルを構築できるように、ソースおよびグループの情報が含まれます。 PIM-DM ではソース ツリー、つまり(S, G)エントリしかサポートされないので、共有配信ツリーは作成できません。


(注)  


デンス モードはあまり使用されないため、使用は推奨されていません。 このため、関連モジュールの設定作業では指定しません。


PIM スパース モード

PIM スパース モード(PIM-SM)は、プル モデルを使用してマルチキャスト トラフィックを配信します。 明示的にデータを要求したアクティブなレシーバを含むネットワーク セグメントだけがトラフィックを受信します。

デンス モードのインターフェイスと異なり、スパース モードのインターフェイスは、ダウンストリームのルータから定期的に加入メッセージを受信する場合またはインターフェイスに直接接続のメンバがある場合のみマルチキャスト ルーティング テーブルに追加されます。 LAN から転送する場合、グループが認識している RP があれば、SM 動作が行われます。 その場合、パケットはカプセル化され、その RP に送信されます。 認識している RP がなければ、パケットは DM 方式でフラッディングされます。 特定のソースからのマルチキャスト トラフィックが十分である場合、レシーバのファースト ホップ ルータは、ソース ベースのマルチキャスト配信ツリーを構築するために加入メッセージをソースに向けて送信できます。

PIM-SM は、共有ツリー上のデータ パケットを転送することによって、アクティブな送信元に関する情報を配布します。 PIM-SM は少なくとも最初は共有ツリーを使用するので、ランデブー ポイント(RP)を使用する必要があります。 RP は管理上メットワークで設定されている必要があります。 詳細については、ランデブー ポイントを参照してください。

スパース モードでは、ルータは、トラフィックに対する明示的な要求がない限り、他のルータはグループのマルチキャスト パケットを転送しないと見なします。 ホストがマルチキャスト グループに加入すると、直接接続されたルータは RP に PIM 加入メッセージを送信します。 RP はマルチキャスト グループを追跡します。 マルチキャスト パケットを送信するホストは、そのホストのファースト ホップ ルータによって RP に登録されます。 その後、RP は、ソースに加入メッセージを送信します。 この時点で、パケットが共有配信ツリー上で転送されます。 特定のソースからのマルチキャスト トラフィックが十分である場合、ホストのファースト ホップ ルータは、ソース ベースのマルチキャスト配信ツリーを構築するために加入メッセージをソースに向けて送信できます。

ソースが RP に登録すると、データは共有ツリーを下方向に転送され、レシーバに到達します。 エッジ ルータは、RP を介してソースから共有ツリーでデータ パケットを受信するときに、そのソースについて学習します。 次に、エッジ ルータは、そのソースに向けて PIM (S, G)加入メッセージを送信します。 リバース パスに沿った各ルータは、RP アドレスのユニキャスト ルーティング メトリックをソース アドレスのメトリックと比較します。 ソース アドレスのメトリックの方が良い場合は、ソースに向けて PIM(S, G)加入メッセージを転送します。 RP のメトリックと同じ、または RP のメトリックの方が良い場合は、RP と同じ方向に PIM (S, G)加入メッセージが送信されます。 この場合、共有ツリーとソース ツリーは一致すると見なされます。

共有ツリーがソースとレシーバの間の最適なパスでない場合、ルータは動的にソース ツリーを作成し、共有ツリーの下方向へのトラフィック フローを停止します。 この動作は、ソフトウェアのデフォルトの動作です。 ネットワーク管理者は、ip pim spt-threshold infinity コマンドを使用して、トラフィックを強制的に共有ツリー上で保持することができます。

PIM-SM は、WAN リンク付きのネットワークを含む、任意のサイズのネットワークに合わせて拡大または縮小します。 明示的な加入メカニズムによって、不要なトラフィックが WAN リンクでフラッディングするのを防ぎます。

スパース-デンス モード

インターフェイス上でスパース モードまたはデンス モードを設定すると、そのインターフェイス全体にスパース性またはデンス性が適用されます。 ただし、環境によっては、単一リージョン内の一部のグループについては PIM をスパース モードで実行し、残りのグループについてはデンス モードで実行しなければならない場合があります。

デンス モードだけ、またはスパース モードだけをイネーブルにする代わりに、スパース-デンス モードをイネーブルにできます。 この場合、グループがデンス モードであればインターフェイスはデンス モードとして処理され、グループがスパース モードであればインターフェイスはスパース モードとして処理されます。 インターフェイスがスパース-デンス モードである場合にグループをスパース グループとして処理するには、RP が必要です。

スパース-デンス モードを設定すると、ルータがメンバになっているグループにスパース性またはデンス性の概念が適用されます。

スパース-デンス モードのもう 1 つの利点は、Auto-RP 情報をデンス モードで配信しながら、ユーザ グループのマルチキャスト グループをスパース モード方式で使用できることです。 したがって、リーフ ルータ上にデフォルト RP を設定する必要はありません。

インターフェイスがデンス モードで処理される場合、次のいずれかの条件が満たされると、そのインターフェイスはマルチキャスト ルーティング テーブルの発信インターフェイス リストに追加されます。

  • インターフェイス上にメンバまたは DVMRP ネイバーが存在する。
  • PIM ネイバーが存在し、グループがプルーニングされていない。

インターフェイスがスパース モードで処理される場合、次のいずれかの条件が満たされると、そのインターフェイスはマルチキャスト ルーティング テーブルの発信インターフェイス リストに追加されます。

  • インターフェイス上にメンバまたは DVMRP ネイバーが存在する。
  • インターフェイス上の PIM ネイバーが明示的な加入メッセージを受信した。

双方向 PIM

双方向 PIM(Bidir-PIM)は、個々の PIM ドメイン内での効率的な多対多通信用に設計された PIM プロトコルの拡張機能です。 双方向モードのマルチキャスト グループは、追加オーバーヘッドを最小限に抑えながら、任意の数のソースに対応できます。

PIM スパース モードで作成される共有ツリーは単方向性です。 これは、データ ストリームが RP(共有ツリーのルート)にもたらされるようにソース ツリーを作成する必要があることを意味します。これにより、データ ストリームはブランチを下方向に転送され、レシーバに到達できます。 ソースのデータは、共有ツリーの上方向にある RP に向かって流れることはできません。これは、双方向共有ツリーと見なされます。

双方向モードでは、トラフィックは、グループの RP をルートとする双方向共有ツリーに沿ってのみ、ルーティングされます。 Bidir-PIM では、RP の IP アドレスは、すべてのルータがその IP アドレスをルートとするループフリーのスパニングツリー トポロジを確立するうえで重要な役割を果たします。 この IP アドレスはルータ アドレスである必要はなく、PIM ドメイン内のどこからでも到達可能なネットワーク上の任意の未割り当て IP アドレスを使用できます。

Bidir-PIM は PIM スパース モード(PIM-SM)のメカニズムから派生しており、共有ツリー動作の多くを共有します。 Bidir-PIM にも、共有ツリーのアップストリームにある RP に向けてソース トラフィックを無条件に転送する機能がありますが、PIM-SM のようなソースの登録プロセスはありません。 これらの変更は、すべてのルータで (*, G) マルチキャスト ルーティング エントリだけに基づいてトラフィックを転送できるようにするには、必要にして十分なものです。 この機能では、ソース固有のステートは不要であり、スケーリング機能を使用して任意の数のソースに対応できます。

マルチキャスト グループ モード

PIM では、マルチキャスト グループのパケット トラフィックは、そのマルチキャスト グループのために設定されたモードのルールに従ってルーティングされます。 PIM の Cisco 実装は、マルチキャスト グループ用に次の 4 つのモードをサポートしています。

  • PIM 双方向モード
  • PIM スパース モード
  • PIM デンス モード
  • PIM Source Specific Multicast(SSM)モード

ルータは、異なるマルチキャスト グループに対して、4 つのモードすべて、またはそれらの任意の組み合わせを同時にサポートできます。

双方向モード

双方向モードでは、トラフィックは、グループのランデブー ポイント(RP)をルートとする双方向共有ツリーに沿ってのみ、ルーティングされます。 Bidir-PIM では、RP の IP アドレスは、すべてのルータがその IP アドレスをルートとするループフリーのスパニングツリー トポロジを確立するうえで重要な役割を果たします。 この IP アドレスはルータである必要はなく、PIM ドメイン内のどこからでも到達可能なネットワーク上の任意の未割り当て IP アドレスを使用できます。 この技術は、Bidir-PIM の冗長 RP 設定を確立するための優先設定方式です。

双方向グループに対するメンバーシップは、明示的な加入メッセージを通じて伝えられます。 ソースからのトラフィックは、無条件で、共有ツリーの上方向にある RP に向けて送信され、ツリーの下方向にある各ブランチ上のレシーバに渡されます。

スパース モード

スパース モード動作は 1 つの単方向共有ツリーを中心としており、そのルート ノードは Rendezvous Point(RP)と呼ばれます。 マルチキャスト トラフィックが RP 経由で共有ツリーを下方向に流れるためには、ソースが RP に登録する必要があります。 この登録プロセスでは、ネットワーク内のグループにアクティブなレシーバが存在すると、実際に RP によって最短パス ツリー(SPT)加入がソースに向けてトリガーされます。

スパース モード グループは、明示的な相互運用加入モデルを使用します。 レシーバ ホストは、ランデブー ポイント(RP)でグループに加入します。 異なるグループは、異なる RP を持つ可能性があります。

マルチキャスト トラフィック パケットは、共有ツリーを下方向へ流れ、トラフィックの受信を明示的に求めたレシーバだけに到達します。

デンス モード

デンス モードは、ブロードキャスト(フラッディング)およびプルーニング モデルを使用して動作します。

マルチキャスト ルーティング テーブルに値を入力する際には、デンス モード インターフェイスが常にテーブルに追加されます。 マルチキャスト トラフィックは、発信インターフェイス リスト内のすべてのインターフェイスからすべてのレシーバへ転送されます。 インターフェイスは、プルーニングと呼ばれるプロセスで発信インターフェイス リストから削除されます。 デンス モードでは、直接接続されたレシーバが存在しないなど、さまざまな理由でインターフェイスがプルーニングされます。

プルーニングされたインターフェイスは再構築が可能です。つまり、マルチキャスト トラフィックのフローを最小限の遅延で再開できるように再接合できます。

ランデブー ポイント

ランデブー ポイント(RP)は、デバイスが Protocol Independent Multicast(PIM)のスパース モード(SM)で動作しているときに実行する役割です。 RP が必要になるのは、PIM SM を実行しているネットワークだけです。 PIM SM モデルでは、マルチキャスト データを明示的に要求したアクティブなレシーバを含むネットワーク セグメントだけにトラフィックが転送されます。 マルチキャスト データを配信するこの方法は、PIM デンス モード(PIM-DM)とは対照的です。 PIM DM では、マルチキャスト トラフィックは、最初にネットワークのすべてのセグメントにフラッディングされます。 ダウンストリーム ネイバーを持たないルータやレシーバに直接接続されたルータは、不要なトラフィックをプルーニングします。

RP は、マルチキャスト データのソースとレシーバの接点として機能します。 PIM-SM ネットワークでは、ソースは RP にトラフィックを送信する必要があります。 このトラフィックは、それから共有配信ツリーを下ってレシーバに転送されます。 デフォルトでは、レシーバのファースト ホップ デバイスは、ソースを認識すると、ソースに加入メッセージを直接送信し、ソースからレシーバへのソース ベースの配信ツリーを作成します。 ソースとレシーバ間の最短パス内に RP が存在しない限り、このソース ツリーには RP は含まれません。

ほとんどの場合、ネットワークにおける RP の配置は複雑な判断を必要としません。 デフォルトでは、RP が必要になるのは、ソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始する場合だけです。 その結果、RP では、トラフィックのフローまたは処理によるオーバーヘッドはほとんど発生しません。 PIM バージョン 2 では、ステートを作成する RP にソースが定期的に登録するだけなので、RP が実行する処理は PIM バージョン 1 より少なくなります。

Auto-RP

PIM-SM の最初のバージョンでは、すべてのリーフ ルータ(ソースまたはレシーバに直接接続されたルータ)は、RP の IP アドレスを使用して手動で設定する必要がありました。 このような設定は、スタティック RP 設定とも呼ばれます。 スタティック RP の設定は、小規模のネットワークでは比較的容易ですが、大規模で複雑なネットワークでは困難を伴う可能性があります。

PIM-SM バージョン 1 の導入に続き、シスコは、Auto-RP 機能を備えた PIM-SM のバージョンを実装しました。 Auto-RP は、PIM ネットワークにおけるグループから RP へのマッピングの配信を自動化します。 Auto-RP には、次の利点があります。

  • さまざまなグループにサービスを提供するために、ネットワーク内で複数の RP を設定することが比較的容易です。
  • Auto-RP を使用すると、複数の RP 間で負荷を分散し、グループに加入するホストの場所に従って RP を配置できます。
  • Auto-RP により、接続の問題の原因となる、矛盾した手動 RP 設定を回避できます。

複数の RP を使用して、異なるグループ範囲にサービスを提供したり、互いにバックアップとしての役割を果たしたりできます。 Auto-RP が機能するためには、RP 通知メッセージを RP から受信して競合を解決する RP マッピング エージェントとしてルータが指定されている必要があります。 その後、RP マッピング エージェントは、グループから RP への一貫したマッピングを他のすべてのルータに送信するようになります。 これにより、すべてのルータは、サポート対象のグループに使用する RP を自動的に検出します。


(注)  


PIM をスパース モードまたはデンス モードに設定し、Auto-RP を設定しない場合は、RP を静的に設定する必要があります。



(注)  


ルータ インターフェイスがスパース モードに設定されている場合、Auto-RP グループに対してすべてのルータが 1 つのスタティック アドレスで設定されているときは、引き続き Auto-RP グループを使用できます。


Auto-RP が機能するためには、RP 通知メッセージを RP から受信して競合を解決する RP マッピング エージェントとしてルータが指定されている必要があります。 その後、RP マッピング エージェントは、デンス モード フラッディングにより、グループから RP への一貫したマッピングを他のすべてのルータに送信するようになります。 これにより、すべてのルータは、サポート対象のグループに使用する RP を自動的に検出します。 インターネット割り当て番号局(IANA)は、224.0.1.39 と 224.0.1.40 という 2 つのグループ アドレスを Auto-RP 用に割り当てています。 Auto-RP の利点の 1 つは、指定した RP に対するすべての変更は、RP であるルータ上で設定するだけで、リーフ ルータ上で設定する必要がないことです。 Auto-RP のもう 1 つの利点は、ドメイン内で RP アドレスのスコープを設定する機能を提供することです。 スコーピングを設定するには、Auto-RP アドバタイズメントに許容されている存続可能時間(TTL)値を定義します。

RP の各設定方式には、それぞれの長所、短所、および複雑度のレベルがあります。 従来の IP マルチキャスト ネットワーク シナリオにおいては、Auto-RP を使用して RP を設定することを推奨します。Auto-RP は、設定が容易で、十分にテストされており、安定しているためです。 代わりの方法として、スタティック RP、Auto-RP、およびブートストラップ ルータを使用して RP を設定することもできます。

Auto-RP のスパース-デンス モード

Auto-RP の前提条件は、ip pim sparse-dense-mode インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、すべてのインターフェイスをスパース - デンス モードで設定する必要があることです。 スパース-デンス モードで設定されたインターフェイスは、マルチキャスト グループの動作モードに応じてスパース モードまたはデンス モードで処理されます。 マルチキャスト グループ内に既知の RP が存在する場合、インターフェイスはスパース モードで処理されます。 グループ内に既知の RP が存在しない場合、デフォルトでは、インターフェイスはデンス モードで処理され、このインターフェイス上にデータがフラッディングされます (デンス モード フォールバックを回避することもできます。「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュールを参照してください)。

Auto-RP を正常に実装し、224.0.1.39 および 224.0.1.40 以外のグループがデンス モードで動作することを回避するには、「シンク RP」(「ラスト リゾート RP」とも呼ばれます)を設定することを推奨します。 シンク RP は、ネットワーク内に実際に存在するかどうかわからない静的に設定された RP です。 デフォルトでは、Auto-RP メッセージはスタティック RP 設定よりも優先されるため、シンク RP の設定は Auto-RP の動作と干渉しません。 未知のソースや予期しないソースをアクティブにできるため、ネットワーク内の可能なすべてのマルチキャスト グループにシンク RP を設定することを推奨します。 ソースの登録を制限するように設定された RP がない場合は、グループがデンス モードに戻り、データがフラッディングされる可能性があります。

BSR

PIM-SM バージョン 2 では、Auto-RP に続いてブートストラップ ルータ(BSP)と呼ばれるもう 1 つの RP 選択モデルが導入されました。 BSR は、RP 機能およびグループの RP 情報のリレーに候補ルータを使用するという点において Auto-RP と同様に動作します。 RP 情報は、PIM メッセージ内で伝送される BSR メッセージを通じて配信されます。 PIM メッセージは、PIM ルータから PIM ルータに送信されるリンクローカル マルチキャスト メッセージです。 RP 情報を広めるこのシングル ホップ方式のために、TTL スコーピングは BSR と一緒に使用できません。 デンス モード動作に戻るというリスクを冒さないこと、およびドメイン内でスコープ設定機能を提供しないことを除いて、BSR は RP と同様に動作します。

Multicast Source Discovery Protocol

PIM スパース モード モデルでは、マルチキャスト ソースおよびレシーバはローカルのランデブー ポイント(RP)に登録する必要があります。 実際には、ソースまたはレシーバに最も近いルータが RP に登録しますが、注目すべき重要点は、RP が特定のグループのすべてのソースおよびレシーバを認識していることです。 他のドメインの RP が他のドメインに存在するソースについて知る方法はありません。 Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)は、この問題を解決するための洗練された手段です。

MSDP は、アクティブなソースに関する情報を RP が共有できるようにするメカニズムです。 RP は、ローカル ドメイン内のレシーバを認識しています。 リモート ドメインの RP は、アクティブなソースについてヒアリングすると、その情報をそれぞれのローカル レシーバに渡すことができます。 その後、ドメイン間でマルチキャスト データを転送できるようになります。 MSDP の便利な機能は、他のドメインに依存しない独自の RP を各ドメインが維持することは許可するが、RP がドメイン間でトラフィックを転送することは許可しないことです。 マルチキャスト ドメイン間でのトラフィックの転送には、PIM-SM が使用されます。

各ドメインの RP は、TCP 接続を使用して、他のドメインの RP または他のドメインに接続する境界ルータとの MSDP ピアリング セッションを確立します。 RP は、(正規の PIM 登録メカニズムを通じて)自身のドメイン内にある新しいマルチキャスト ソースについて知ると、Source-Active(SA)メッセージの最初のデータ パケットをカプセル化し、その SA をすべての MSDP ピアに送信します。 各受信側ピアは、相互接続されたネットワーク(理論的には、マルチキャスト インターネット全体)内のすべての MSDP ルータに SA が到達するまで、修正されたリバース パス転送(RPF)チェックを使用して SA を転送します。 受信側の MSDP ピアが RP であり、その RP に SA 内のグループに対する (*, G) エントリがある(該当する受信先が存在する)場合、RP はソースに対して (S, G) ステートを作成し、ソースの最短パス ツリーに加入します。 このカプセル化されたデータはカプセル化解除され、その RP の共有ツリーを下方向に転送されます。 ラスト ホップ ルータ(レシーバに最も近いルータ)は、マルチキャスト パケットを受信すると、ソースへの最短パス ツリーに加入できるようになります。 MSDP スピーカーは、その RP のドメイン内のすべてのソースを含む SA を定期的に送信します。

MSDP は、インターネット サービス プロバイダー(ISP)間のピアリングを実現するために開発されました。 ISP は、競合する ISP によって管理された RP に依存して顧客にサービスを提供することを望んでいませんでした。 MSDP により、各 ISP は独自のローカル RP を持ちながら、インターネットに対してマルチキャスト トラフィックを送受信できます。

エニーキャスト RP

エニーキャスト RP は、MSDP の有益な応用です。 本来、MSDP は、ドメイン間マルチキャスト アプリケーション用に開発されたものですが、冗長性および負荷分散機能を提供するドメイン間機能としてエニーキャスト RP にも使用されます。 エンタープライズ カスタマーは、通常、単一のマルチキャスト ドメイン内の耐障害性要件を満たすために、エニーキャスト RP を使用して Protocol Independent Multicast スパース モード(PIM-SM)ネットワークを設定します。

エニーキャスト RP では、ループバック インターフェイス上で同じ IP アドレスを使用して複数の RP を設定します。 エニーキャスト RP ループバック アドレスは、32 ビット マスクを使用して設定し、ホスト アドレスにする必要があります。 すべてのダウンストリーム ルータは、このエニーキャスト RP ループバック アドレスがローカル RP の IP アドレスであることを認識するように設定する必要があります。 IP ルーティングでは、トポロジ的に最も近い RP が各ソースおよびレシーバに自動的に選択されます。 ソースはネットワークの周囲に等間隔に配置されていると仮定すると、各 RP には同数のソースが登録されます。 つまり、ソースを登録するプロセスは、ネットワーク内のすべての RP によって均等に共有されます。

ソースは 1 つの RP に登録でき、レシーバは異なる RP に加入できるため、RP にはアクティブなソースに関する情報を交換するための手段が必要です。 この情報の交換は、MSDP を使用して行われます。

エニーキャスト RP では、すべての RP が互いに MSDP ピアになるように設定されます。 ソースが 1 つの RP に登録すると、特定のマルチキャスト グループにアクティブなソースが存在することを通知する SA メッセージが他の RP に送信されます。 その結果、各 RP は、他の RP のエリア内に存在するアクティブなソースを認識します。 いずれかの RP で障害が発生すると、IP ルーティングが収束し、他の RP のいずれかが複数のエリアのアクティブ RP になります。 新しいソースは、バックアップ RP に登録します。 レシーバはこれらの新しい RP に加入し、接続が維持されます。


(注)  


RP は、通常、ソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始するためだけに必要になります。 RP は、ソースとレシーバがマルチキャスト データ フローを直接確立できるように、共有ツリーを支援します。 すでにソースとレシーバの間にマルチキャスト データ フローが確立されている場合、そのセッションは RP 障害による影響を受けません。 エニーキャスト RP を使用すると、いつでもソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始できます。


マルチキャスト転送

マルチキャスト トラフィックの転送は、マルチキャスト対応ルータによって行われます。 このようなルータは、すべてのレシーバにトラフィックを配信するために、IP マルチキャストがネットワーク上でたどるパスを制御する配信ツリーを作成します。

マルチキャスト トラフィックは、すべてのソースをグループ内のすべてのレシーバに接続する配信ツリー上で、ソースからマルチキャスト グループに流れます。 このツリーは、すべてのソースで共有できます(共有ツリー)。または、各ソースに個別の配信ツリーを作成することもできます(ソース ツリー)。 共有ツリーは一方向または双方向です。

ソース ツリーと共有ツリーの構造を説明する前に、マルチキャスト ルーティング テーブルで使用する表記について触れておきます。 これらの表記には次のものが含まれます。

  • (S, G) = (マルチキャスト グループ G のユニキャスト ソース, マルチキャスト グループ G)
  • (*, G) = (マルチキャスト グループ G のすべてのソース, マルチキャスト グループ G)

(S, G) という表記(「S カンマ G」と読みます)は、最短パス ツリーの列挙です。S はソースの IP アドレス、G はマルチキャスト グループ アドレスを表します。

共有ツリーは (*, G) で表されます。ソース ツリーは (S, G) で表され、常にソースでルーティングされます。

マルチキャスト配信のソース ツリー

マルチキャスト配信ツリーの最も単純な形式は、ソース ツリーです。 ソース ツリーは、ソース ホストをルートとし、ネットワークを介してレシーバに接続するスパニングツリーを形成するブランチを持ちます。 このツリーはネットワーク上での最短パスを使用するため、最短パス ツリー(SPT)とも呼ばれます。

図に、ソース(ホスト A)をルートとし、2 つのレシーバ(ホスト B およびホスト C)に接続するグループ 224.1.1.1 の SPT の例を示します。



標準表記を使用すると、図の例の SPT は(192.168.1.1, 224.1.1.1)となります。

(S, G)という表記は、各グループに送信する個々のソースに個別の SPT が存在することを意味します。

マルチキャスト配信の共有ツリー

ソースをルートとするソース ツリーとは異なり、共有ツリーはネットワーク内の選択されたポイントに配置された単一の共通ルートを使用します。 この共有されたルートは、ランデブー ポイント(RP)と呼ばれます。

図 5 に、ルータ D にルートが配置されたグループ 224.2.2.2 の共有ツリーを示します。 この共有ツリーは一方向です。 ソース トラフィックは、ソース ツリー上の RP に向けて送信されます。 このトラフィックは、次に RP から共有ツリーを下方向に転送され、すべてのレシーバに到達します(レシーバがソースと RP の間に配置されていない場合は、直接サービスが提供されます)。



この例では、ソース(ホスト A およびホスト D)からのマルチキャスト トラフィックは、ルート(ルータ D)に送信された後、共有ツリーを下方向に転送され、2 つのレシーバ(ホスト B およびホスト C)に到達します。 マルチキャスト グループ内のすべてのソースが同じ共有ツリーを使用するため、このツリーは、(*, G)というワイルドカード表記(「スター カンマ G」と読みます)を使用して表されます。 この場合、* はすべてのソースを意味し、G はマルチキャスト グループを表します。 したがって、図 5 の共有ツリーは(*, 224.2.2.2)と表記します。

ソース ツリーと共有ツリーは、どちらもループフリーです。 ツリーが分岐する場所でのみ、メッセージが複製されます。 マルチキャスト グループのメンバは常に加入または脱退する可能性があるため、配信ツリーを動的に更新する必要があります。 特定のブランチに存在するすべてのアクティブ レシーバが特定のマルチキャスト グループに対してトラフィックを要求しなくなると、ルータは配信ツリーからそのブランチをプルーニングし、そのブランチから下方向へのトラフィック転送を停止します。 そのブランチの特定のレシーバがアクティブになり、マルチキャスト トラフィックを要求すると、ルータは配信ツリーを動的に変更し、トラフィック転送を再開します。

ソース ツリーの利点

ソース ツリーには、ソースとレシーバの間に最適なパスを作成するという利点があります。 この利点により、マルチキャスト トラフィックの転送におけるネットワーク遅延を最小限に抑えることができます。 ただし、この最適化は代償を伴います。 ルータがソースごとにパス情報を維持する必要があるのです。 何千ものソース、何千ものグループが存在するネットワークでは、このオーバーヘッドがすぐにルータ上でのリソースの問題につながる可能性があります。 ネットワーク設計者は、マルチキャスト ルーティング テーブルのサイズによるメモリ消費について考慮する必要があります。

共有ツリーの利点

共有ツリーには、各ルータにおいて要求されるステートの量が最小限に抑えられるという利点があります。 この利点により、共有ツリーだけが許容されるネットワークの全体的なメモリ要件が緩和されます。 共有ツリーの欠点は、特定の状況でソースとレシーバの間のパスが最適パスではなくなり、パケット配信に遅延を生じる可能性があることです。 たとえば、上の図の場合、ホスト A(ソース 1)とホスト B(レシーバ)の間の最短パスは、ルータ A およびルータ C であると考えられます。 ここでは、ルータ D を共有ツリーのルートとして使用しているため、トラフィックは、ルータ A、ルータ B、ルータ D、ルータ C の順に通過する必要があります。 共有ツリーだけの環境を実装する場合、ネットワーク設計者は、Rendezvous Point(RP)の配置を慎重に検討する必要があります。

ユニキャスト ルーティングでは、トラフィックは、ネットワーク上でソースから宛先ホストまでの単一パスに沿ってルーティングされます。 ユニキャスト ルータは、ソース アドレスを考慮せず、宛先アドレスおよびその宛先へのトラフィックの転送方法だけを考慮します。 ルータは、ルーティング テーブル全体をスキャンして宛先アドレスを取得し、適正なインターフェイスから宛先の方向へユニキャスト パケットのコピーを転送します。

マルチキャスト転送では、ソースは、マルチキャスト グループ アドレスによって表される任意のホスト グループにトラフィックを送信します。 マルチキャスト ルータは、どの方向が(ソースへ向かう)アップストリーム方向で、どの方向(1 方向または複数の方向)が(レシーバへ向かう)ダウンストリーム方向であるかを決定する必要があります。 複数のダウンストリーム パスがある場合、ルータはパケットを複製し、それを適切なダウンストリーム パス(最善のユニキャスト ルート メトリック)で下方向に転送します。これらのパスがすべてであるとは限りません。 レシーバの方向ではなく、ソースから遠ざかる方向へのマルチキャスト トラフィック転送は、リバース パス転送(RPF)と呼ばれます。 RPF については、次の項を参照してください。

リバース パス転送

ユニキャスト ルーティングでは、トラフィックは、ネットワーク上でソースから宛先ホストまでの単一パスに沿ってルーティングされます。 ユニキャスト ルータは、ソース アドレスを考慮せず、宛先アドレスおよびその宛先へのトラフィックの転送方法だけを考慮します。 ルータは、ルーティング テーブル全体をスキャンして宛先ネットワークを取得し、適正なインターフェイスから宛先の方向へユニキャスト パケットのコピーを転送します。

マルチキャスト転送では、ソースは、マルチキャスト グループ アドレスによって表される任意のホスト グループにトラフィックを送信します。 マルチキャスト ルータは、どの方向が(ソースへ向かう)アップストリーム方向で、どの方向(1 方向または複数の方向)が(レシーバへ向かう)ダウンストリーム方向であるかを決定する必要があります。 複数のダウンストリーム パスがある場合、ルータはパケットを複製し、それを適切なダウンストリーム パス(最善のユニキャスト ルート メトリック)で下方向に転送します。これらのパスがすべてであるとは限りません。 レシーバの方向ではなく、ソースから遠ざかる方向へのマルチキャスト トラフィック転送は、リバース パス転送(RPF)と呼ばれます。 RPF は、マルチキャスト データグラムの転送に使用されるアルゴリズムです。

Protocol Independent Multicast(PIM)は、ユニキャスト ルーティング情報を使用して、レシーバからソースへ向かうリバース パスに沿って配信ツリーを作成します。 その後、マルチキャスト ルータは、その配信ツリーに沿ってソースからレシーバにパケットを転送します。 RPF は、マルチキャスト転送における重要な概念です。 RPF により、ルータは、配信ツリーの下方向へ正しくマルチキャスト トラフィックを転送できます。 RPF は、既存のユニキャスト ルーティング テーブルを使用して、アップストリーム ネイバーとダウンストリーム ネイバーを決定します。 ルータは、アップストリーム インターフェイスで受信した場合にのみ、マルチキャスト パケットを転送します。 この RPF チェックにより、配信ツリーがループフリーであることを保証できます。

RPF チェック

マルチキャスト パケットがルータに到達すると、ルータはそのパケットに対して RPF チェックを実行します。 RPF チェックが成功すると、パケットが転送されます。 そうでない場合、パケットはドロップされます。

ソース ツリーを下方向へ流れるトラフィックに対する RPF チェック手順は次のとおりです。

  1. ルータは、ユニキャスト ルーティング テーブルでソース アドレスを検索して、ソースへのリバース パス上にあるインターフェイスにパケットが到達したかどうかを判定します。
  2. ソースに戻すインターフェイスにパケットが到達した場合、RPF チェックは成功し、マルチキャスト ルーティング テーブル エントリの発信インターフェイス リストに示されているインターフェイスからパケットが転送されます。
  3. ステップ 2 で RPF チェックに失敗した場合は、パケットがドロップされます。

図に、RPF チェックの失敗例を示します。

図 2. RPF チェックの失敗

図では、ソース 151.10.3.21 からのマルチキャスト パケットはシリアル インターフェイス 0(S0)上で受信されています。 ユニキャスト ルート テーブルのチェック結果は、このルータが 151.10.3.21 にユニキャスト データを転送するために使用するインターフェイスは S1 であることを示しています。 パケットはインターフェイス S0 に到達しているため、このパケットは廃棄されます。

図に、RPF チェックの成功例を示します。

図 3. RPF チェックの成功

この例では、マルチキャスト パケットはインターフェイス S1 に到達しています。 ルータはユニキャスト ルーティング テーブルを参照し、S1 が適正なインターフェイスであることを知ります。 RPF チェックが成功し、パケットが転送されます。

PIM デンス モード フォールバック

ミッション クリティカルなネットワークで IP マルチキャストを使用する場合は、PIM-DM(デンス モード)の使用を回避する必要があります。

デンス モード フォール バックとは、(RP が必要になる)スパース モードから(RP を使用しない)デンス モードに PIM モードを変更(フォールバック)するイベントです。 デンス モード フォールバックは、RP 情報が失われると発生します。

スパース モード用に設定されたインターフェイス上ではデンス モード グループを作成できないため、ip pim sparse-mode コマンドを使用してすべてのインターフェイスを設定している場合はデンス モード フォールバックは発生しません。

デンス モード フォールバックの原因と結果

PIM は、マルチキャスト グループが PIM-DM モードで動作するか、PIM-SM モードで動作するかを、グループから RP へのマッピング キャッシュ内の RP 情報の存在だけに基づいて決定します。 Auto-RP を設定している場合やブートストラップ ルータ(BSR)を使用して RP 情報を配信する場合には、ネットワークの輻輳が原因ですべての RP、Auto-RP、またはグループの BSR に障害が発生すると RP 情報が失われる可能性があります。 この障害により、ネットワークの一部または全部が PIM-DM にフォールバックすることがあります。

ネットワークが PIM-DM にフォールバックした場合、AutoRP または BSR が使用されているときは、デンス モード フラッディングが発生します。 RP 情報が失われたルータがデンス モードにフォールバックし、障害が発生したグループに対して作成される必要がある新しいステートがデンス モードで作成されます。

デンス モード フォールバックを回避することによる効果

PIM-DM フォールバックを回避するまでは、グループから RP へのマッピングを使用しないすべてのマルチキャスト グループはデンス モードで処理されます。

PIM-DM フォールバックを回避すると、デンス モード フラッディングを回避するように PIM-DM フォールバック動作が変更されます。 デフォルトでは、(ip pim sparse-mode コマンドを使用して)すべてのインターフェイスが PIM スパース モードで動作するように設定する場合は、no ip pim dm-fallback コマンドを設定する必要はありません(つまり、PIM-DM フォールバック動作がデフォルトでイネーブルになります)。 ip pim sparse-mode コマンド(たとえば、ip pim sparse-dense-mode コマンド)を使用して設定したインターフェイスがない場合は、no ip pim dm-fallback コマンドを使用して PIM-DM フォールバック動作を明示的にディセーブルにできます。

no ip pim dm-fallback コマンドを設定している場合、またはすべてのインターフェイス上で ip pim sparse-mode を設定している場合、スパース モードで実行されている既存のグループは引き続きスパース モードで動作しますが、0.0.0.0 に設定された RP を使用します。 RP アドレスが 0.0.0.0 に設定されたマルチキャスト エントリは、次のように動作します。

  • 既存の (S, G) ステートを維持します。
  • (*, G) または (S, G, RPbit) の PIM 加入またはプルーニング メッセージは送信しません。
  • 受信した (*, G) または (S, G, RPbit) 加入またはプルーニング メッセージは無視します。
  • 登録は送信せず、ファースト ホップのトラフィックはドロップします。
  • 受信した登録には、登録停止で応答します。
  • 資産は変更しません。
  • (*, G) 発信インターフェイス リスト(olist)は、インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)ステートに対してのみ維持します。
  • RP 0.0.0.0 グループに対する Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)Source-Active(SA)メッセージは、引き続き受信して転送します。

PIM モードの選択に関するガイドライン

設定プロセスを開始する前に、どの PIM モードを使用する必要があるかを決定する必要があります。 この決定は、ネットワーク上でサポートするアプリケーションによって異なります。

基本的なガイドラインには次のものが含まれます。

  • 一般に、本質的な 1 対多または多対多アプリケーションでは PIM-SM を正常に使用できます。
  • 1 対多アプリケーションで最適なパフォーマンスを得るには、SSM が適しています。ただし、IGMP バージョン 3 サポートが必要です。
  • 多対多アプリケーションで最適なパフォーマンスを得るには、双方向 PIM が適しています。ただし、ハードウェア サポートは、シスコ デバイスおよび Sup720 を搭載した Catalyst 6000 シリーズ スイッチに制限されます。

次の作業

  • 基本 IP マルチキャストの設定については、「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュールを参照してください。

その他の関連資料

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

Cisco IOS コマンド

『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』

IP マルチキャスト コマンド

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』

標準

標準

タイトル

新しい規格または変更された規格はサポートされていません。また、既存の規格に対するサポートに変更はありません。

--

MIB

MIB

MIB のリンク

CISCO-PIM-MIB

選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

RFC

RFC

タイトル

RFC 2934

『Protocol Independent Multicast MIB for IPv4』

シスコのテクニカル サポート

説明

リンク

シスコのサポートおよびドキュメンテーション Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュアル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リソースを提供しています。 これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。 この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http:/​/​www.cisco.com/​cisco/​web/​support/​index.html

IP マルチキャスト テクノロジーの機能情報の概要

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

表 2 IP マルチキャスト テクノロジーの機能情報の概要

機能名

リリース

機能の設定情報

ネットワークにおける RP 情報損失後の PIM デンス モード フォールバック回避

12.3(4)T

ネットワークにおける RP 情報損失後の PIM デンス モード フォールバック回避機能は、すべての RP で障害が発生したときに PIM-DM のフォールバックを回避できるようにします。 信頼性が重大な意味を持つマルチキャスト ネットワークにとって、デンス モードの使用を回避することは非常に重要です。 この機能は、スパース モードでマルチキャスト グループを保持するためのメカニズムを提供し、それによってデンス モード フラッディングを回避します。

用語集

基本マルチキャスト:インタラクティブなドメイン内マルチキャスト。 企業キャンパス内でマルチキャスト アプリケーションをサポートします。 信頼性の高いマルチキャスト転送である Pragmatic General Multicast(PGM)を含めることにより、ネットワークに追加の完全性を提供できます。

bidir PIM:双方向 PIM は、双方向のデータ フローを提供する共有スパース ツリーを実装するプロトコルの PIM スイートに対する拡張機能です。 PIM-SM とは対照的に、Bidir-PIM ではソース固有のステートをルータに保持することを回避できるため、ツリーを拡張して任意の数のソースに対応できます。

ブロードキャスト:ノードが受信することを求めているかどうかに関係なく、すべてのノードに対してメッセージのコピーを 1 つ送信する 1 対全の通信。

Cisco グループ管理プロトコル(CGMP):レイヤ 2 スイッチが Cisco ルータ上の IGMP 情報を利用してレイヤ 2 転送の決定を行うことを可能にする、シスコによって開発されたプロトコル。 これにより、スイッチは、トラフィックを必要としているポートだけにマルチキャスト トラフィックを転送できます。

デンス モード(DM)(インターネット ドラフト仕様):すべての潜在的なレシーバに対してマルチキャスト データの送信をアクティブに試行し(フラッディング)、セルフプルーニング(グループからの削除)に依存して目的の配信を行います。

指定ルータ(DR):IGMP ホストから受信した IGMP メンバーシップ情報に応えて、加入/プルーニング メッセージのカスケードをアップストリームの RP にルーティングする、PIM-SM ツリー上のルータ。

配信ツリー:マルチキャスト トラフィックは、すべてのソースをグループ内のすべてのレシーバに接続する配信ツリー上で、ソースからマルチキャスト グループに流れます。 このツリーをすべてのソース(共有ツリー)で共有したり、ソース(ソース ツリー)ごとに個別の配信ツリーを構築したりできます。 共有ツリーは一方向または双方向です。

IGMP メッセージ:IGMP メッセージは、IP プロトコル番号 2 および IP ルータ アラート オプション(RFC 2113)を使用して標準 IP データグラムにカプセル化されます。

IGMP スヌーピング:IGMP スヌーピングは、LAN スイッチに対して、ホストからルータに送信された IGMP パケットに含まれるレイヤ 3 情報を検査(「スヌーピング」)することを要求します。 特定のマルチキャスト グループのホストからの IGMP レポートをヒアリングすると、スイッチは、そのホストのポート番号を関連するマルチキャスト テーブル エントリに追加します。 ホストからの IGMP グループ脱退メッセージをヒアリングすると、スイッチは、そのホストのポートをテーブル エントリから削除します。

IGMP 単方向リンク ルーティング(UDLR):シスコの他の UDLR ソリューションでは、IP マルチキャスト ルーティングを、UDLR に対応するように強化された IGMP と組み合わせて使用します。 このソリューションは、多くの衛星リンクに対する優れた拡張性を備えています。

インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)v2:IP ルータおよびそれらに直接接続されたホストがマルチキャスト グループ メンバーシップ ステートをやりとりするために使用します。

インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)v3:IGMP は、隣接するマルチキャスト ルータに IP マルチキャスト グループ メンバーシップを報告するために IPv4 システムが使用するプロトコルです。 IGMP バージョン 3 では、「ソース フィルタリング」のサポートが追加されています。これは、特定のマルチキャスト アドレスに送信された特定のソース アドレスからのみ(または、特定のソース アドレスを除くすべてのアドレスから)パケットを受信するかどうかを報告するためのシステム機能です。

マルチキャスト:IP トラフィックを 1 つのソースまたは複数のソースから送信し、複数の宛先に配信できるルーティング手法。 各宛先に、個々のパケットを送信する代わりに、マルチキャスト グループと呼ばれる宛先のグループに 1 つのパケットが送信されます。このグループは 1 つの IP 宛先グループ アドレスで識別されます。 マルチキャスト アドレッシングは、複数ホストへの 1 つの IP データグラムの転送をサポートします。

Multicast Routing Monitor(MRM):大規模マルチキャスト ルーティング インフラストラクチャにおいてネットワーク障害検出および分離機能を提供する管理診断ツール。 マルチキャスト ルーティングの問題をほぼリアルタイムでネットワーク管理者に通知するように設計されています。

Multicast Source Discovery Protocol(MSDP):複数の PIM スパース モード(PIM-SM)ドメインを接続するためのメカニズム。 MSDP により、異なるドメインのすべての Rendezvous Point(RP)がマルチキャスト グループのソースを認識できます。 各 PIM-SM ドメインは自身の RP を使用するため、他のドメインの RP に依存する必要はありません。 RP は、MSDP を TCP 上で実行して他のドメインのマルチキャスト ソースを検出します。 MSDP は、グループを送信する送信元のアナウンスにも使用されます。 これらのアナウンスは、ドメイン RP で発信する必要があります。 MSDP は、ドメイン間の動作に関して Multicast BGP(マルチキャスト BGP)に大きく依存しています。

Protocol Independent Multicast(PIM):既存の IP ネットワークでの IP マルチキャスト ルーティングを可能にする、IETF によって規定されたマルチキャスト ルーティング アーキテクチャ。 OSPF や BGP などの基礎となるユニキャスト プロトコルから独立している点が重要です。

プルーニング:マルチキャスト対応ルータが適切なマルチキャスト メッセージを送信して、特定のマルチキャスト グループのマルチキャスト ツリーから自身を削除することを意味するマルチキャスト ルーティング用語。 そのグループにアドレス指定されたマルチキャスト データの受信を停止するため、グループに再加入するまで、接続先のホストにデータを配信できません。

クエリー:接続先のホストからマルチキャスト グループ メンバーシップ情報を引き出すためにルータから送信される IGMP メッセージ。

ランデブー ポイント(RP):PIM-SM 共有マルチキャスト配信ツリーのルートとなるマルチキャスト ルータ。

レポート:マルチキャスト グループにおいてメンバーシップの加入、維持、または脱退を行うホストから送信される IGMP メッセージ。

ソース ツリー:ソースとレシーバの指定ルータ(またはランデブー ポイント)を直接接続し、ネットワークの最短パスを取得するマルチキャスト配信パス。 ソースとレシーバの間で最も効率的にデータをルーティングできますが、RP 以外のデバイスで構築されると、ネットワーク全体で不要なデータ重複が発生する可能性があります。

スパース モード(SM)(RFC 2362):マルチキャスト グループのレシーバへのマルチキャスト データの送信を試行するまで、明示的な加入方式に依存します。

UDLR トンネル:バック チャネル(別のリンク)を使用して、ルーティング プロトコルが一方向のリンクを双方向として認識するようにします。 バック チャネル自体は、特殊な単方向総称ルーティング カプセル化(GRE)トンネルであり、これによってユーザ データ フローの反対方向のトラフィック フローを制御します。 この機能により、IP および関連するユニキャスト/マルチキャスト ルーティング プロトコルは、単方向リンクを論理的な双方向リンクとして認識できます。 このソリューションでは、プロトコルを変更せずに、すべての IP ユニキャストおよびマルチキャスト ルーティング プロトコルに対応できます。 ただし、拡張性がないため、20 を超えるトンネルをアップストリーム ルータにフィードできません。 単方向 GRE トンネルの目的は、制御パケットをダウンストリーム ノードからアップストリーム ノードに移動することです。

ユニキャスト:各要求者に個別にメッセージのコピーを送信するようにソースに要求するポイントツーポイント送信。

単方向リンク ルーティング プロトコル(UDLR):物理的な単方向インターフェイス(広帯域幅の衛星リンクなど)上で、バック チャネルを持つスタブ ネットワークにマルチキャスト パケットを転送するための手段を提供するルーティング プロトコル。

URL Rendezvous Directory(URD):URD は、コンテンツ ストリームの特定のソースに関する情報をネットワークに直接提供する Multicast-Lite ソリューションです。 これにより、ネットワークは、ソースからレシーバへの最も直接的な配信パスをすばやく確立できるため、ストリーミング メディアの受信に必要な時間と労力が大幅に削減されます。 URD により、アプリケーションは、Web ページ リンクまたは Web を介してコンテンツ ストリームのソースを直接識別できます。 この情報は、アプリケーションに戻された後、URD を使用して再びネットワークに伝送されます。

この機能では、URD 対応の Web ページは、Web ページ上のソース、グループ、およびアプリケーションに関する情報を(media-type 経由で)提供します。 関心のあるホストは、Web ページをクリックして HTTP トランザクション内の情報をプルします。 レシーバへのラスト ホップ ルータは、このトランザクションを代行受信し、IANA によって割り当てられた特別なポートに送信します。 ラスト ホップ ルータも URD に対応し、この情報を使用して、PIM ソースであるグループ (S, G) 加入をホストに代わって開始します。