Cisco Unified Border Element(SP Edition)コンフィギュレーション ガイド:統合モデル
SIP 再ネゴシエーション
SIP 再ネゴシエーション
発行日;2012/07/12 | 英語版ドキュメント(2012/03/30 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 7MB) | フィードバック

目次

SIP 再ネゴシエーション

内容

デルタ再ネゴシエーションに関する制約事項

デルタ再ネゴシエーションに関する情報

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポートに関する制約事項

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポートに関する情報

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポートの設定

設定例:NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート

SIP 再ネゴシエーション

Cisco Unified Border Element(SP Edition)では、次の 2 つの Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)再ネゴシエーション関連機能がサポートされます。

デルタ再ネゴシエーション

デルタ再ネゴシエーション機能は、メディアの再ネゴシエーション時に Session Border Controller(SBC; セッション ボーダー コントローラ)によって使用される SIP 再ネゴシエーション モード(デルタ再ネゴシエーションまたは Make-Before-Break(作成してから切断する)再ネゴシエーション)を判別します。

ネットワーク アドレス変換(NAT)経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート

Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能を使用すると、削除したストリームのピンホールを保持して、そのストリームが再度イネーブルになった場合に、Cisco Unified Border Element(SP Edition)で同じピンホールが再利用されるようにできます。

これらの機能によって、メディア ポートが通話中に変更されるような状況が大幅に減り、相互運用性とネットワーク アドレス変換(NAT)トラバーサルの利点が得られます。


) Cisco IOS XE Release 2.4 では、デルタ再ネゴシエーション機能と NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能は、統合モデルだけでサポートされます。


Cisco Unified Border Element(SP Edition)は、以前は Integrated Session Border Controller と呼ばれており、このマニュアルでは通常 Session Border Controller(SBC; セッション ボーダー コントローラ)と呼びます。

本章で使用されているコマンドの詳細な説明については、次の場所にある『 Cisco Unified Border Element (SP Edition) Command Reference: Unified Model 』を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/sbc/command/reference/sbcu_book.html

すべての Cisco IOS コマンドの詳細については、http://tools.cisco.com/Support/CLILookup にある Command Lookup Tool を使用するか、Cisco IOS マスター コマンド リストを参照してください。

SIP 再ネゴシエーションの機能履歴

 

リリース
変更内容

Cisco IOS XE Release 2.4

デルタ再ネゴシエーション機能と NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能が、統合モデルのサポートともに Cisco IOS XRに追加されました。

デルタ再ネゴシエーションに関する制約事項

デルタ再ネゴシエーションに関する制約事項は次のとおりです。

デルタ再ネゴシエーション モードの使用中は、デルタ再ネゴシエーション時ではなくコールの終了時にストリームの統計情報と Secure Device Provisioning(SDP)課金情報が出力されます。

デルタ再ネゴシエーション モードの使用中は、次の規則が適用されます。

再ネゴシエーションによって、DiffServ コード ポイント(DSCP)作成ポリシーが変更されることがあります。

ポート範囲は、ストリームの初期の具体化によって異なります。

特定のシナリオでは、デルタ再ネゴシエーションの進行中に Cisco Unified Border Element(SP Edition)がフェールオーバーすると、メディア リソース(ピンホールや帯域幅の許容量など)が不必要に割り当てられることがあります。

デルタ再ネゴシエーションに関する情報

デルタ再ネゴシエーション機能は、メディアの再ネゴシエーション時に Cisco Unified Border Element(SP Edition)によって使用される SIP 再ネゴシエーション モードを判別します。

デルタ再ネゴシエーション モード

Cisco Unified Border Element(SP Edition)は、デルタ再ネゴシエーションの実行時に、既存のメディア ピンホールを保持し、その変数を変更します。デルタ再ネゴシエーション モードは、SIP/H.323 インターワーキング コールと IP Multimedia Subsystem(IMS; IP マルチメディア サブシステム)コールに使用されます。

Make-Before-Break(作成してから切断する)再ネゴシエーション モード

Cisco Unified Border Element(SP Edition)は、Make-Before-Break(作成してから切断する)再ネゴシエーションの実行時に、提案されたメディア プロパティを持つ新しいピンホールを作成してから、再ネゴシエーションの完了時に既存のピンホールを削除します。これらの新しいピンホールは一時的に、既存の(古い)メディア ピンホールと同時に存在します。再ネゴシエーションの完了時に、Cisco Unified Border Element(SP Edition)は古いメディア ピンホールを削除し、新しいピンホールだけを残します。(または、再ネゴシエーションが失敗した場合は、新しいピンホールを削除して古いステートにロール バックします)。

デルタ再ネゴシエーション モードは、Cisco Unified Border Element(SP Edition)におけるすべての SIP-SIP ネゴシエーションでのデフォルトの SIP 再ネゴシエーション モードですが、次の例外があります。

アドレス ファミリの変更

再ネゴシエーションによってアドレス ファミリが IPv4 から IPv6(またはその逆)に変更される場合は、新しいメディア アドレスが必要となるため、Make-Before-Break(作成してから切断する)再ネゴシエーション モードが使用されます。

通話中のメディア再ルーティング

再ネゴシエーションによって、コールでメディア バイパス モードと非メディア バイパス モードが切り替えられる場合は、エンドポイントはメディア アドレスの変更を認識するため、Make-Before-Break(作成してから切断する)再ネゴシエーション モードが使用されます。

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポートに関する制約事項

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能に関する制約事項は次のとおりです。

ストリームの統計情報と SDP 課金情報は、デルタ再ネゴシエーション時ではなくコールの終了時に出力されます。

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポートに関する情報

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能を使用すると、削除したストリームのメディア ピンホールを保持して、ストリームが再度イネーブルになった場合に、Cisco Unified Border Element(SP Edition)で同じピンホールが再利用されるようにできます。

この機能は、デルタ再ネゴシエーション モードが有効になっていて、ビデオ送信が一時停止されているような NAT シナリオでビデオ ピンホールの割り当て解除を回避するために使用されます。ビデオ送信が一時停止される場合の標準の SDP プロトコルでは、ビデオ ストリームは「a=inactive」(SBC がストリームの割り当てを維持する必要があることを示します)に設定されますが、一時停止のためにビデオ ストリームが「a=inactive」に設定されないデバイスが存在することがわかっています。代わりに、そのようなデバイスは、ポートを 0 に設定してビデオ ストリームを削除します。メディア ストリームの再ネゴシエーション中に SBC がポート値 0 を受信した場合でも、ストリームが割り当てられたままにして、ピンホールが保持されるようにするには、NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能をイネーブルにします。

コール単位で NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能をイネーブルにするには、 media address preserve コマンドを使用します。

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポートの設定

ここでは、コール単位で削除されたストリームのメディア ピンホールを保持する、NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能を設定する手順について説明します。

手順の概要

1. configure

2. sbc service-name

3. sbe

4. cac-policy-set policy-set-id

5. first-cac-table table-name

6. cac-table table-name

7. table-type { policy-set | limit { list of limit tables }}

8. entry entry-id

9. cac-scope {list of scope options}

10. [no] media address preserve

11. action cac complete

12. complete

13. active-cac-policy set policy-set-id

14. show sbc service-name sbe cac-policy-set policy-set-id table table-name entry entry-id

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

Router# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

Router(config)# sbc mysbc

SBC サービスのモードを開始します。

service-name 引数を使用して、サービスの名前を定義します。

ステップ 3

sbe

 

Router(config-sbc)# sbe

SBC サービス内で SBE エンティティのモードを開始します。

ステップ 4

cac-policy-set policy-set-id

 

Router(config-sbc-sbe)# cac-policy-set 1

SBE エンティティ内で CAC ポリシー セット コンフィギュレーション モードを開始して、必要に応じて新規ポリシー セットを作成します。

ステップ 5

first-cac-table table-name

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy)# first-cac-table 1

ポリシーのアドミッション コントロール ステージの実行時に処理する最初のポリシー テーブル名を設定します。

ステップ 6

cac-table table-name

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy)# cac-table 1

SBE ポリシー セットのコンテキスト内で、アドミッション コントロール テーブル(必要に応じて作成します)のコンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 7

table-type {policy-set | limit {list of limit tables}}

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy-cactable)# table-type policy-set

SBC ポリシー セットのコンテキスト内で CAC テーブルのテーブル タイプを設定します。

list of limit tables には、次のいずれかの値を指定できます。

account :アカウント名を比較します。

adj-group :隣接グループ名を比較します。

adjacency :隣接名を比較します。

all :比較タイプはありません。すべてのイベントがこのタイプと一致します。

call-priority :コール プライオリティと比較します。

category :番号分析が割り当てられたカテゴリを比較します。

dst-account :宛先アカウント名を比較します。

dst-adj-group :宛先隣接グループ名を比較します。

dst-adjacency :宛先隣接名を比較します。

dst-prefix :着信ディジット ストリングの先頭を比較します。

event-type :CAC ポリシー イベント タイプと比較します。

src-account :送信元アカウント名を比較します。

src-adj-group :送信元隣接グループ名を比較します。

src-adjacency :送信元隣接名を比較します。

src-prefix :発番号ストリングの先頭を比較します。

機能は、個々の隣接ごとに行う場合と同じように、CAC 設定から隣接グループごとにイネーブルまたはディセーブルにできます。adj-group テーブル タイプは、送信元または宛先の隣接グループで一致します。

policy-set キーワードが指定されている場合、cac-scope コマンドを使用して、CAC ポリシー セット テーブル内で制限が適用される、各エントリ内の範囲を設定します。

ステップ 8

entry entry-id

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy-cactable)# entry 1

アドミッション コントロール テーブル内のエントリを作成または変更するモードを開始します。

ステップ 9

cac-scope { list of scope options }

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy-cactable-entry)# cac-scope src-adjacency

CAC の制限がポリシー セット テーブル内の各エントリに適用される範囲を選択します。

list of scope options: イベント照合に使用される次のいずかのストリングを指定します。

account:同じアカウントからのイベント。

adjacency:同じ隣接からのイベント。

adj-group:同じ隣接グループのメンバーからのイベント。

call:スコープの限界は単一コール単位です。

category:同じカテゴリを持つイベント。

dst-account:同じアカウントに送信されるイベント。

dst-adj-group:同じ隣接グループに送信されるイベント。

dst-adjacency:同じ隣接に送信されるイベント。

dst-number:宛先が同じイベント。

global:スコープの限界はグローバルです。

src-account:同じアカウントからのイベント。

src-adj-group:同じ隣接グループからのイベント。

src-adjacency:同じ隣接からのイベント。

src-number:同じ送信元番号を持つイベント。

ステップ 10

media address preserve

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy-cactable-entry)# media address preserve

削除したストリームのメディア ピンホールが保持される(ディセーブルにされる)ようにします。

[no] :削除したストリームのメディア ピンホールを削除できるようにします。

ステップ 11

action cac-complete

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy-cactable-entry)# action cac complete

イベントが一致する場合は、この CAC ポリシーは終了します。

ステップ 12

complete

 

Router(config-sbc-sbe-cacpolicy)# complete

セット全体をコミットしたら、CAC ポリシー セットを完了します。

ステップ 13

active cac-policy-set policy-set-id

 

Router(config-sbc-sbe)# active cac-policy-set 1

SBE エンティティ内でアクティブな CAC ポリシー セットを設定します。

ステップ 14

show sbc service-name sbe cac-policy-set policy-set-id table table-name entry entry-id

 

Router# show sbc mysbc sbe cac-policy-set 1 table 1 entry 1

NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能がイネーブルになっているかどうかを含め、CAC ポリシー テーブル内にある特定のエントリに関する詳細情報をリストします。この機能がイネーブルになっている場合は、「Media Address」フィールドには値「Preserve」が表示されます。

設定例:NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート

次の例では、この章で説明した NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能をコール単位でイネーブルにします。

sbc mysbc
sbe
cac-policy-set 1
first-cac-table 1
cac-table 1
table-type policy-set
entry 1
media address preserve
action cac-complete
complete
active-cac-policy-set 1
 

次の例は、NAT 経由で再ネゴシエーション済みのコールのサポート機能がイネーブルになっていることを示す値「Preserve」が示された「Media Address」フィールドを含め、CAC ポリシー セット 1、テーブル 1、エントリ 1 の詳細出力を示します。

Router# show sbc mysbc sbe cac-policy-set 1 table 1 entry 1
SBC Service "mysbc"
Policy set 1 table 1 entry 1
Match value
Action Next table
Next-table
Max calls Unlimited
Max call rate Unlimited
Max in-call rate Unlimited
Max out-call rate Unlimited
Max registrations Unlimited
Max reg. rate Unlimited
Max bandwidth Unlimited
Max channels Unlimited
Transcoder Allowed
Caller privacy setting Never hide
Callee privacy setting Never hide
Early media Allowed
Early media direction Both
Early media timeout None
Restrict codecs to list default
Restrict caller codecs to list default
Restrict callee codecs to list default
Media bypass Allowed
SRTP Transport Trusted-Only (by default)
Callee hold setting Standard
Caller hold setting Standard
Media Address Preserve
Renegotiate Delta
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