QoS:分類コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類
レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類

目次

レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類

この機能は、IP ヘッダーのレイヤ 3 パケット長に基づいて、トラフィックを照合して分類する追加機能を提供します。 レイヤ 3 パケット長とは、IP データグラム長と IP ヘッダー長の合計です。 この新しい一致基準は、IP precedence、Diffserv コード ポイント(DSCP)値、サービス クラス(CoS)などの他の一致基準を補完するものです。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよびソフトウェア リリースの Bug Search Tool およびリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類の前提条件

この機能を設定する場合は、先に、モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス(CLI)(MQC)を使用してポリシー マップ(サービス ポリシーまたはトラフィック ポリシーと呼ばれることもある)を作成する必要があります。 そのため、MQC を使用してポリシーを作成するための手順に精通しておく必要があります。

MQC を使用したポリシー マップ(トラフィック ポリシー)の作成方法については、『Applying QoS Features Using the MQC』モジュールを参照してください。

レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類の制約事項

  • この機能は、IP パケットでのみ使用するように意図されています。

  • この機能では、IP ヘッダー内のレイヤ 3 パケット長のみが考慮されます。 レイヤ 2 オーバーヘッドは考慮されません。

レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類に関する情報

MQC とレイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類

レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類をイネーブルにするには、MQC を使用します。 MQC は、トラフィック ポリシーを作成し、QoS 機能(パケット分類など)をイネーブルにし、それらのポリシーをインターフェイスに適用するための CLI です。

MQC では、class-map コマンドは、トラフィック クラスの定義に使用されます(トラフィック クラスは、その後、トラフィック ポリシーに関連付けされます)。 トラフィック クラスの目的は、トラフィックを分類することです。

MQC は、次の 3 つのプロセスで構成されます。

  • class-map コマンドを使用したトラフィック クラスの定義

  • トラフィック クラスを 1 つまたは複数の QoS 機能と関連付けてトラフィック ポリシーを作成(policy-map コマンドを使用)

  • service-policy コマンドを使用した、トラフィック ポリシーのインターフェイスへのアタッチ

トラフィック クラスに含まれる 3 つの主な要素は、名前、一連の match コマンド、そしてトラフィック クラスに複数の match コマンドが存在する場合に match コマンドを評価する方法です。 トラフィック クラスの名前は、class-map コマンド ラインで付けます。たとえば、CLI でトラフィック クラスを設定するときに class-mapcisco コマンドを入力すると、トラフィック クラスの名前は「cisco」になります。

match コマンドは、パケット分類のためのさまざまな基準を指定するために使用します。 パケットは、match コマンドで指定された基準に合っているかどうかを判断するために、チェックされます。 指定された基準に合っていれば、パケットはクラスのメンバーと見なされ、トラフィック ポリシーで設定された QoS 仕様に従って転送されます。 一致基準を満たさないパケットは、デフォルトのトラフィック クラスのメンバーとして分類されます。

レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類の設定方法

レイヤ 3 パケット長に基づいて照合するためのクラス マップの設定

クラス マップは、特定の QoS 機能を受信可能なグループにパケットを分類するために使用できます。 たとえば、1 つ以上のユーザ指定基準(DSCP 値やアクセス リスト番号など)に基づいてパケットを照合するようにクラス マップを設定できます。 この手順では、レイヤ 3 パケット長に基づいて照合するようにクラス マップを設定します。

手順の概要

    1.    enable

    2.    configure terminal

    3.    class-map class-map-name

    4.    match packet length {maxmaximum-length-value [minminimum-length-value] | minminimum-length-value [maxmaximum-length-value]}

    5.    end


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    Router> enable
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。

    • パスワードを入力します(要求された場合)。

     
    ステップ 2 configure terminal


    例:
    Router# configure terminal
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3 class-map class-map-name


    例:
    Router(config)# class-map class1
     

    作成するクラス マップの名前を指定し、クラスマップ コンフィギュレーション モードを開始します。

    • クラス マップ名を入力します。

     
    ステップ 4 match packet length {maxmaximum-length-value [minminimum-length-value] | minminimum-length-value [maxmaximum-length-value]}


    例:
    Router(config-cmap)# match packet length min 100 max 300
     

    レイヤ 3 パケット長に基づいてトラフィックを照合するようにクラス マップを設定します。

    • レイヤ 3 パケット長をバイト単位で入力します。

     
    ステップ 5 end


    例:
    Router(config-cmap)# end
     

    (任意)クラスマップ コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

     

    ポリシー マップのインターフェイスへの適用

    はじめる前に

    ポリシー マップをインターフェイスに適用する前に、MQC を使用してポリシー マップを作成する必要があります。

    手順の概要

      1.    enable

      2.    configure terminal

      3.    interface type number

      4.    pvc [name] vpi/vci [ilmi | qsaal | smds]

      5.    service-policy {input| output} policy-map-name

      6.    end


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 enable


      例:
      Device> enable
       

      特権 EXEC モードをイネーブルにします。

      • パスワードを入力します(要求された場合)。

       
      ステップ 2 configure terminal


      例:
      Device# configure terminal
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 3 interface type number


      例:
      Device(config)# interface serial4/0/0 
       

      インターフェイス(またはサブインターフェイス)タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 4 pvc [name] vpi/vci [ilmi | qsaal | smds]


      例:
      Device(config-if)# pvc cisco 0/16 ilmi
       

      (任意)ATM PVC の名前を作成するか、名前を割り当てて、ATM PVC 上のカプセル化タイプを指定し、ATM VC コンフィギュレーション モードを開始します。

      (注)     

      この手順は、ポリシー マップを ATM PVC に適用する場合にのみ必要です。 ポリシー マップを ATM PVC に適用しない場合は、この手順を省略します。

       
      ステップ 5 service-policy {input| output} policy-map-name

      例:
      Device(config-if)# service-policy input policy1


      例:
      Device(config-if-atm-vc)# service-policy input policy1
       

      インターフェイスの入力方向と出力方向のどちらかに適用するポリシー マップの名前を指定します。

      (注)     

      ポリシー マップは、入力デバイスまたは出力デバイスで設定できます。 また、入力方向または出力方向のインターフェイスにも適用できます。 ポリシー マップを適用する方向(入力または出力)とデバイス(入力または出力)は、ネットワーク構成によって異なります。 service-policy コマンドを使用してポリシー マップをインターフェイスに適用する場合は、ネットワーク構成に適したデバイスとインターフェイスの方向を選択してください。

       
      ステップ 6 end


      例:
      Device(config-if)# end


      例:
      Device(config-if-atm-vc)# end
       

      (任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードまたは ATM VC コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。

       

      レイヤ 3 パケット長分類設定の確認

      手順の概要

        1.    enable

        2.    show class-map [class-map-name]

        3.    show policy-map interface interface-name [vc [vpi/] vci] [dlcidlci] [input| output]

        4.    exit


      手順の詳細
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 enable


        例:
        Router> enable
         

        特権 EXEC モードをイネーブルにします。

        • パスワードを入力します(要求された場合)。

         
        ステップ 2 show class-map [class-map-name]


        例:
        Router# show class-map class1
         

        (任意)一致基準を含む、クラス マップに関するすべての情報が表示されます。

        • クラス マップ名を入力します。

         
        ステップ 3 show policy-map interface interface-name [vc [vpi/] vci] [dlcidlci] [input| output]


        例:
        Router# 
        show policy-map interface serial4/0/0
         

        (任意)指定されたインターフェイスまたはサブインターフェイス、またはインターフェイス上の特定の PVC のどちらかで、すべてのポリシーに対して設定されたすべてのクラスのパケット統計値を表示します。

        • インターフェイス名を入力します。

         
        ステップ 4 exit


        例:
        Router# exit
         

        (任意)特権 EXEC モードを終了します。

         

        トラブルシューティングのヒント

        「レイヤ 3 パケット長分類設定の確認」に示すコマンドを使用すると、意図した設定が完了し、機能が正しく動作していることを確認できます。 上記の show コマンドの使用後に、設定が正しくないか、機能が期待したとおりに働いていないことが判明した場合は、次の操作を実行します。

        意図した設定になっていない場合は、次の操作を実行します。

        • showrunning-config コマンドを使用して、コマンドの出力を分析します。

        • ポリシー マップが showrunning-config コマンドの出力に表示されない場合は、loggingconsole コマンドをイネーブルにします。

        • ポリシー マップをインターフェイスに再度アタッチします。

        パケットが正しく照合されていない(たとえば、パケット カウンタが正しく増加していない)場合は、次の手順を行います。

        • showpolicy-map コマンドを実行して、コマンドの出力を分析します。

        • showrunning-config コマンドを実行して、コマンドの出力を分析します。

        • showpolicy-mapinterface コマンドを実行して、コマンドの出力を分析します。 次の点を確認します。
          • ポリシー マップでキューイングが適用され、パケットが正しいクラスに一致しているにもかかわらず、予期しない結果が生じる場合は、キューのパケット数と、一致したパケット数を比較します。
          • インターフェイスが混雑していて、一致するパケット数が少ない場合には、tx リングの調整を確認し、tx リングでキューイングが実行されているかどうかを評価します。 これを行うには、showcontrollers コマンドを使用し、出力で tx 回数の値を確認します。

        レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類の設定例

        一致基準としてのレイヤ 3 パケット長の設定例

        次の例では、「class 1」という名前のクラス マップが作成され、一致基準としてレイヤ 3 パケット長が指定されています。 この例では、最小レイヤ 3 パケット長が 100 バイトで、最大レイヤ 3 パケット長が 300 バイトのパケットが一致基準を満たしているとされています。 この基準と一致するパケットが class1 に配置されます。

        Router(config)# class map class1
        Router(config-cmap)# match packet length min 100 max 300
        

        レイヤ 3 パケット長設定の確認例

        クラス マップとポリシー マップの一致基準として使用されるレイヤ 3 パケット長の値の設定を確認するには、showclass-map コマンドと showpolicy-mapinterface コマンドのいずれかを使用します。 ここでは、まず showclass-map コマンドの出力例を示し、その後 showpolicy-mapinterface コマンドの出力例を紹介します。

        showclass-map コマンドの出力例には、定義されたクラス マップと指定された一致基準が表示されます。 次の例では、class1 という名前のクラス マップを定義します。 レイヤ 3 パケット長がクラスの一致基準として指定されています。 レイヤ 3 長が 100 ~ 300 バイトのパケットが class1 に属します。

        Router# show class-map 
        class-map match-all class1
            match packet length min 100 max 300
        

        showpolicy-mapinterface コマンドの出力例には、「mypolicy」という名前のサービス ポリシーが適用される FastEthernet インターフェイス 4/1/1 の統計情報が表示されます。 「mypolicy」という名前のポリシー マップの設定は次のとおりです。

        Router(config)# policy-map mypolicy
        Router(config-pmap)# class class1
        Router(config-pmap-c)# set qos-group 20
        Router(config-pmap-c)# exit
        Router(config-pmap)# exit
        Router(config)# interface fastethernet4/1/1
        Router(config-if)# service-policy input mypolicy
        

        次に、FastEthernet インターフェイス 4/1/1 に適用される「mypolicy」という名前のポリシー マップの統計情報を示します。 これらの統計情報で、レイヤ 3 パケット長に基づくマッチングが一致条件として設定されていることが確認できます。

        Router# show policy-map interface
         FastEthernet4/1/1
         FastEthernet4/1/1 
          Service-policy input: mypolicy
            Class-map: class1 (match-all)
               500 packets, 125000 bytes
               5 minute offered rate 4000 bps, drop rate 0 bps
               Match: packet length min 100 max 300
               QoS Set
                 qos-group 20
                   Packets marked 500
        

        その他の関連資料

        関連資料

        関連項目

        マニュアル タイトル

        Cisco IOS コマンド

        『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』

        QoS コマンド:コマンド構文の詳細、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト設定、使用上のガイドライン、および例

        『Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference』

        ポリシー マップのインターフェイスへの適用に関する MQC および情報

        『Applying QoS Features Using the MQC』モジュール

        パケット分類に使用できる追加の一致基準

        『Classifying Network Traffic』モジュール

        ネットワーク トラフィックのマーキング

        『Marking Network Traffic』モジュール

        規格

        規格

        タイトル

        新しい規格または変更された規格はサポートされていません。また、既存の規格に対するサポートに変更はありません。

        --

        MIB

        MIB

        MIB のリンク

        • CISCO-CLASS-BASED-QOS-CAPABILITY-MIB

        • CISCO-CLASS-BASED-QOS-MIB

        選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットの MIB の場所を検索しダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

        http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

        RFC

        RFC

        タイトル

        新しい RFC または変更された RFC はサポートされていません。また、既存の RFC に対するサポートに変更はありません。

        --

        テクニカル サポート

        説明

        リンク

        右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。 この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

        http:/​/​www.cisco.com/​cisco/​web/​support/​index.html

        レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類の機能情報

        次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、特定のソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースのみを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

        プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

        表 1 レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類の機能情報

        機能名

        リリース

        機能情報

        レイヤ 3 パケット長に基づくパケット分類

        12.2(13)T

        12.2(18)SXE

        Cisco IOS XE Release 2.2

        この機能は、IP ヘッダーのレイヤ 3 パケット長に基づいて、トラフィックを照合して分類する追加機能を提供します。

        この機能は、Release 12.2(13)T で初めて導入されました。

        この機能は、Cisco IOS Release 12.2(18)SXE に統合されました。

        この機能は、Cisco IOS XE Release 2.2 に統合されました。

        matchpacketlength コマンド(class-map)、showclass-map コマンド、および showpolicy-mapinterface コマンドが導入または変更されています。