Cisco 7600 シリーズ ルータ Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 12.2SX
電源管理および環境モニタ
電源管理および環境モニタ
発行日;2012/02/04 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 8MB) | フィードバック

目次

電源管理および環境モニタ

電源管理の機能概要

電源の冗長構成のイネーブル化およびディセーブル化

モジュールの電源切断および電源投入

システムの電力ステータスの確認

モジュールの電源オフ/オン

システムの所要電力の判別

環境モニタの機能概要

システム環境ステータスのモニタ

LED環境表示の概要

電源管理および環境モニタ

この章では、Cisco 7600シリーズ ルータの電源管理および環境モニタ機能について説明します。


) この章で使用しているコマンドの構文および使用方法の詳細については、『Cisco 7600 Series Router Cisco IOS Command Reference』を参照してください。


この章の構成は次のとおりです。

「電源管理の機能概要」

「環境モニタの機能概要」

電源管理の機能概要

ここでは、Cisco 7600シリーズ ルータの電源管理について説明します。

「電源の冗長構成のイネーブル化およびディセーブル化」

「モジュールの電源切断および電源投入」

「システムの電力ステータスの確認」

「モジュールの電源オフ/オン」

「システムの所要電力の判別」


) システムの電源装置を冗長構成にする場合は、両方の電源装置のワット数が同じでなければなりません。Cisco 7600シリーズ ルータでは、同一シャーシ内でAC入力およびDC入力電源装置の両方を使用できます。サポートされる電源構成についての詳細については、『Cisco 7600 Series Router Installation Guide』を参照してください。


モジュールは、所要電力がそれぞれ異なります。構成によっては、必要とされる電力が1台の電源装置では足りない場合があります。電源管理機能を使用すると、電源装置2台で搭載されたモジュールすべてに電力供給できます。ただし、両方の電源装置から供給される合計電力が1台の電源装置の電力容量よりも大きくなることはないので、冗長構成はこの構成ではサポートされません。ここでは、冗長および非冗長の電源構成について説明します。

システムの所要電力については、「システムの所要電力の判別」を参照してください。

電源の冗長構成のイネーブル化およびディセーブル化

冗長構成をディセーブルまたはイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードでpower redundancy-mode combined | redundant コマンドを入力します。電源装置の構成は、いつでも冗長または非冗長に変更できます。

冗長構成をディセーブルにするには、 combined キーワードを使用します。非冗長構成では、システムで使用できる電力量は、2台の電源装置で供給できる合計電力です。システムは合計電力量の許容範囲以内であれば、何個でもモジュールに電力を供給できます。ただし、1台の電源装置が故障し、それまでに電力が供給されていた全モジュールに供給できる十分な電力がない場合、システムは十分な電力を供給できないモジュールの電源を切断します。

冗長構成をイネーブルにするには、 redundant キーワードを使用します。冗長構成では、両方の電源装置から供給される合計電力が、1台の電源装置の電力容量よりも大きくなることはありません。1台の電源装置が故障した場合、もう1台がシステムの負荷全体を引き継ぎます。2台の電源装置を搭載して電源をオンにすると、それぞれの電源装置がシステムに必要な電力の約半分を同時に供給します。負荷分散と冗長構成は自動的にイネーブルになるので、ソフトウェアの設定は必要ありません。

各モジュールの現在のステートおよび使用できる総電力量を表示するには、 show power コマンドを使用します(システムの電力ステータスの確認を参照)。

表 42-1 に、電源装置の構成を変更した場合のシステムへの影響について説明します。

 

表 42-1 電源装置の構成を変更した場合の影響

構成の変更内容
影響

冗長から非冗長へ

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムの電力が、両方の電源装置の合計電力量に増加します。

十分な電力がある場合、 show power コマンド出力のoper stateフィールドで power-deny と表示されていたモジュールに電源が入ります。

非冗長から冗長へ(両方の電源装置でワット数が同じであるものとします)

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムの電力が、一方の電源装置の電力量に減少します。

それまでに電力が供給されていた全モジュールに供給できる十分な電力がない場合は、一部のモジュールの電源が切断され、そのモジュールについては show power コマンド出力のoper stateフィールドで power-deny と表示されます。

冗長構成がイネーブルで、同じワット数の電源装置を取り付けた場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムの電力が、一方の電源装置の電力量と等しくなります。

供給できる電力量には変化がないので、モジュールのステータスは変化しません。

冗長構成がディセーブルで、同じワット数の電源装置を取り付けた場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムの電力が、両方の電源装置の合計電力量に増加します。

十分な電力がある場合、 show power コマンド出力のoper stateフィールドで power-deny と表示されていたモジュールに電源が入ります。

冗長構成がイネーブルで、ワット数がより大きいまたは小さい電源装置を取り付けた場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

取り付けた電源装置のワット数がすでに搭載されている電源装置のワット数より大きくても、システムはワット数の異なる電源装置の使用を認めません。新しく取り付けた電源装置はシャットダウンされます。

冗長構成がディセーブルで、ワット数がより大きいまたは小さい電源装置を取り付けた場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムの電力が、両方の電源装置の合計電力量に増加します。

十分な電力がある場合、 show power コマンド出力のoper stateフィールドで power-deny と表示されていたモジュールに電源が入ります。

冗長構成がイネーブルの電源装置を取り外した場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

供給できる電力量には変化がないので、モジュールのステータスは変化しません。

冗長構成がディセーブルの電源装置を取り外した場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムの電力が、一方の電源装置の電力量に減少します。

それまでに電力が供給されていた全モジュールに供給できる十分な電力がない場合は、一部のモジュールの電源が切断され、そのモジュールについては show power コマンド出力のoper stateフィールドで power-deny と表示されます。

ワット数が異なり冗長構成がイネーブルの電源装置を取り付けてシステムを起動した場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムは、冗長構成ではワット数の異なる電源装置の使用を認めません。ワット数の小さい方の電源装置がシャットダウンされます。

ワット数が等しいかまたは異なり、冗長構成がディセーブルの電源装置を取り付け、システムを起動した場合

システム ログと、Syslogメッセージが表示されます。

システムの電力が、両方の電源装置の合計電力と等しくなります。

システムは合計電力量の許容範囲以内であれば、何個でもモジュールに電力を供給できます。

モジュールの電源切断および電源投入

CLI(コマンドライン インターフェイス)からモジュールの電源を切断するには、no power enable module slot コマンドを使用します。


) no power enable module slotコマンドを使用してモジュールの電源を切断した場合、そのモジュールの設定は保存されません。


電源を切断したモジュールに電源投入するには、グローバル コンフィギュレーション モードで
power enable module slot コマンドを使用します。

システムの電力ステータスの確認

各システム コンポーネントの現在の電力ステータスを表示するには、 show power コマンドを使用します。

Router# show power
system power redundancy mode = redundant
system power total = 1153.32 Watts (27.46 Amps @ 42V)
system power used = 397.74 Watts ( 9.47 Amps @ 42V)
system power available = 755.58 Watts (17.99 Amps @ 42V)
Power-Capacity PS-Fan Output Oper
PS Type Watts A @42V Status Status State
---- ------------------ ------- ------ ------ ------ -----
1 WS-CAC-2500W 1153.32 27.46 OK OK on
2 none
Pwr-Requested Pwr-Allocated Admin Oper
Slot Card-Type Watts A @42V Watts A @42V State State
---- ------------------ ------- ------ ------- ------ ----- -----
1 WS-X6K-SUP2-2GE 142.38 3.39 142.38 3.39 on on
2 - - 142.38 3.39 - -
5 WS-X6248-RJ-45 112.98 2.69 112.98 2.69 on on
Router#

モジュールの電源オフ/オン

モジュールの電源をオフ/オン(リセット)するには、グローバル コンフィギュレーション モードで power cycle module slot コマンドを使用します。モジュールの電源は5秒間オフになり、それからオンになります。

システムの所要電力の判別

電源装置のサイズにより、システムの所要電力が異なります。1000 Wおよび1300 Wの電源装置を使用する場合、シャーシのサイズ、および搭載するモジュールのタイプによって、構成が制約される場合があります。電源消費量の詳細については、次のURLの『 Release Notes for the Catalyst 6000 Family Switches and Cisco 7600 Internet Router for Cisco IOS 』を参照してください。

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/relnotes/index.htm

環境モニタの機能概要

シャーシ コンポーネントの環境をモニタすることにより、コンポーネント障害の兆候を早期に発見し、安全で信頼性の高いシステム運用を実現するとともに、ネットワーク障害を防止することができます。ここでは、これらの重要なシステム コンポーネントをモニタし、システム内でハードウェア関連の問題点を特定し、すみやかに修正する方法を説明します。

システム環境ステータスのモニタ

システム ステータス情報を表示するには、 show environment [ alarm | cooling | status | temperature ]コマンドを入力します。キーワードを指定することで、次の情報が表示されます。

alarm ― 環境アラームを表示します。

status ― アラーム ステータスを表示します。

thresholds ― アラーム スレッシュホールドを表示します。

cooling ― ファン トレイのステータス、シャーシ冷却容量、室温、およびスロット単位の冷却容量を表示します。

status ― Field-Replaceable Unit(FRU)の動作ステータスおよび電源と温度の情報を表示します。

temperature ― FRUの温度情報を表示します。

システム ステータス情報を表示するには、 show environment コマンドを入力します。

Router# show environment
environmental alarms:
no alarms
 
Router# show environment alarm
environmental alarms:
no alarms
 
Router# show environment cooling
fan-tray 1:
fan-tray 1 fan-fail: failed
fan-tray 2:
fan 2 type: FAN-MOD-9
fan-tray 2 fan-fail: OK
chassis cooling capacity: 690 cfm
ambient temperature: 55C ["40C (user-specified)" if temp-controlled]
chassis per slot cooling capacity: 75 cfm
 
module 1 cooling requirement: 70 cfm
module 2 cooling requirement: 70 cfm
module 5 cooling requirement: 30 cfm
module 6 cooling requirement: 70 cfm
module 8 cooling requirement: 70 cfm
module 9 cooling requirement: 30 cfm
 
Router# show environment status
backplane:
operating clock count: 2
operating VTT count: 3
fan-tray 1:
fan-tray 1 type: WS-9SLOT-FAN
fan-tray 1 fan-fail: OK
VTT 1:
VTT 1 OK: OK
VTT 1 outlet temperature: 33C
VTT 2:
VTT 2 OK: OK
VTT 2 outlet temperature: 35C
VTT 3:
VTT 3 OK: OK
VTT 3 outlet temperature: 33C
clock 1:
clock 1 OK: OK, clock 1 clock-inuse: in-use
clock 2:
clock 2 OK: OK, clock 2 clock-inuse: not-in-use
power-supply 1:
power-supply 1 fan-fail: OK
power-supply 1 power-output-fail: OK
module 1:
module 1 power-output-fail: OK
module 1 outlet temperature: 30C
module 1 device-2 temperature: 35C
RP 1 outlet temperature: 35C
RP 1 inlet temperature: 36C
EARL 1 outlet temperature: 33C
EARL 1 inlet temperature: 31C
module 2:
module 2 power-output-fail: OK
module 2 outlet temperature: 31C
module 2 inlet temperature: 29C
module 3:
module 3 power-output-fail: OK
module 3 outlet temperature: 36C
module 3 inlet temperature: 29C
module 4:
module 4 power-output-fail: OK
module 4 outlet temperature: 32C
module 4 inlet temperature: 32C
module 5:
module 5 power-output-fail: OK
module 5 outlet temperature: 39C
module 5 inlet temperature: 34C
module 7:
module 7 power-output-fail: OK
module 7 outlet temperature: 42C
module 7 inlet temperature: 29C
EARL 7 outlet temperature: 45C
EARL 7 inlet temperature: 32C
module 9:
module 9 power-output-fail: OK
module 9 outlet temperature: 41C
module 9 inlet temperature: 36C
EARL 9 outlet temperature: 33C
EARL 9 inlet temperature: N/O
 

LED環境表示の概要

LEDは2種類のアラームを示します。メジャーおよびマイナーです。メジャー アラームは、システムのシャットダウンを引き起こす可能性のある重大な問題を表します。マイナー アラームは、解消されなければ重大な問題に発展する可能性のある問題を表すメッセージです。

過熱状態により、システムが(メジャーまたはマイナー)アラームを表示した場合、5分間アラームはキャンセルされず、いかなる(モジュールのリセットまたはシャットダウンなどの)措置も行われません。この間に温度がアラーム スレッシュホールドより5°C(41°F)下がると、アラームはキャンセルされます。

表 42-2 に、スーパバイザ エンジンおよびスイッチング モジュールに関する環境インジケータを示します。


) スーパバイザ エンジンのSYSTEM LEDを含む、LEDについての詳細は、『Cisco 7600 Series Router Module Installation Guide』を参照してください。


 

表 42-2 スーパバイザ エンジンおよびスイッチング モジュールの環境モニタ

コンポーネント
アラーム
の種類
LED表示
アクション

スーパバイザ エンジンの温度センサがメジャー スレッシュホールドを超過1

メジャー

STATUS2 LEDレッド3

SyslogメッセージおよびSNMPトラップを生成します。

冗長構成の場合、システムは冗長スーパバイザ エンジンに切り替え、アクティブなスーパバイザ エンジンはシャットダウンします。

冗長構成ではなく、過熱状態が改善されない場合、システムは5分後にシャットダウンします。

スーパバイザ エンジンの温度センサが、マイナー スレッシュホールドを超過

マイナー

STATUS LEDオレンジ

SyslogメッセージおよびSNMPトラップを生成します。

状況をモニタします。

冗長スーパバイザ エンジンの温度センサがメジャーまたはマイナー スレッシュホールドを超過

メジャー


マイナー

ステータスLEDレッド


STATUS LEDオレンジ

SyslogメッセージおよびSNMPトラップを生成します。

メジャー アラームが発生し過熱状態が改善されない場合、システムは5分後にシャットダウンします。

マイナー アラームが生成された場合、状態をモニタします。

スイッチング モジュールの温度センサがメジャー スレッシュホールドを超過

メジャー

STATUS LEDレッド

SyslogメッセージおよびSNMPを生成します。

モジュールの電源を切断します4

スイッチング モジュールの温度センサがマイナー スレッシュホールドを超過

マイナー

STATUS LEDオレンジ

SyslogメッセージおよびSNMPトラップを生成します。

状況をモニタします。

1.温度センサは、主要なスーパバイザ エンジン コンポーネント(ドータカードも含む)をモニタします。

2.STATUS LEDは、スーパバイザ エンジンの前面パネルおよびすべてのモジュールの前面パネルにあります。

3.STATUS LEDは、スーパバイザ エンジンが故障するとレッドになります。冗長構成のスーパバイザがない場合は、SYSTEM LEDもレッドになります。

4.手順については、「電源管理の機能概要」を参照してください。