Cisco 7600 シリーズ ルータ セッション ボーダ コン トローラ コンフィギュレーション ガイド
SBC QoS の実装(マーキング)
SBC QoS の実装(マーキング)
発行日;2012/01/30 | 英語版ドキュメント(2011/06/15 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

SBC QoS の実装(マーキング)

この章の構成

QoS の実装の前提条件

QoS の実装について

QoS の実装方法

QoS プロファイルの設定

SIP Resource-Priority ヘッダーの分析

SIP 隣接のリソース プライオリティ セットの設定

CAC を使用した Qos プロファイルの選択

QoS プロファイルの設定例

IP precedence マーキングを使用した QoS 音声プロファイルの設定例

DSCP マーキングを使用した QoS 音声プロファイルの設定例

CAC を使用した Qos プロファイルの選択例

リソース プライオリティ セットを使用した SIP 隣接の設定例

SBC QoS の実装(マーキング)

Session Border Controller(SBC; セッション ボーダ コントローラ)は、インテグレータがデータ パス上の IP パケットをマーキングするために設定する Quality of Service(QoS; サービス品質)プロファイルをサポートしています。SBC では、IP パケット マーキングを次のコンテキストで使用しています。

メディア パケットの Real-Time Transport Protocol(RTP)および Real-Time Control Protocol(RTCP)マーキングをコール単位のスコープに基づいて設定

音声サービスの Differentiated Services Code Point(DSCP)マーキングおよび IP precedence/Type of Service(ToS; タイプ オブ サービス)マーキングのサポート

メディア パケットが送信されるコールの分岐先(コール元またはコール先)に応じて、メディア パケットを区別してマーキングする機能の提供

Session Initiation Packet(SIP)Resource-Priority ヘッダーに基づくシグナリングおよびメディア パケット マーキングのサポート


) ACE SBC Release 3.0.00 では、この機能は統合モデルに限りサポートされます。


この章で使用されるコマンドの詳細については、 第 39 章「Cisco セッション ボーダ コントローラ コマンド」 を参照してください。この章に記載されたその他のコマンドのマニュアルを特定するには、コマンド リファレンスのマスター インデックスを使用するか、またはオンラインで検索してください。

SBC QoS の実装機能の履歴

 

リリース
変更内容

ACE SBC Release 3.0.00

この機能は、SBC 統合モデルのサポートとともに Cisco7600 シリーズ ルータに追加されました。

この章の構成

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「QoS の実装の前提条件」

「QoS の実装について」

「QoS の実装方法」

「QoS プロファイルの設定例」

QoS の実装の前提条件

次に、SBC に QoS を実装するための前提条件を示します。

Application Control Engine(ACE)モジュールで SBC コマンドを入力するには、Admin ユーザである必要があります。詳細については、次の URL にある『Application Control Engine Module Administration Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/modules/ps2706/products_configuration_guide_book09186a00806838f4.html

QoS を実装する前に、SBC を作成しておく必要があります。 第 2 章「SBC の ACE を設定するための前提条件」 に記載された手順に従ってください。

QoS の実装について

SBC に QoS マーキングを実装するには、SBC に QoS プロファイルをいくつか設定し、それぞれに一意の名前を付けます。これらの QoS プロファイルは、パケットのマーキング専用となります。

各 QoS プロファイルには、次の相互排他的なパラメータが含まれています。

6 ビットの DSCP 値(QoS と一致したパケットのマーキングに使用)

3 ビットの IP precedence 値および 4 ビットの ToS 値(QoS と一致したパケットのマーキングに使用)


) 変更も削除もできないデフォルトの QoS プロファイルが SBC に事前に設定されています。QoS プロファイルを定義しないと、デフォルトの QoS プロファイルがパケットのマーキングに使用されます。


QoS の実装方法

SBC に QoS マーキングを実装するには、次に示す手順に従ってください。

「QoS プロファイルの設定」

「CAC を使用した Qos プロファイルの選択」

QoS プロファイルの設定

このタスクでは、QoS と一致したパケットのマーキングに IP precedence 値の 1 および ToS 値の 12 を使用するように、シグナリング QoS プロファイルを設定します。

手順概要

1. configure

2. sbc service-name

3. sbe

4. qos sig name

5. marking type

6. ip precedence value

7. ip tos value

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

host1/Admin(config-sbc)#

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

host1/Admin(config-sbc-sbe)#

SBC サービス内で Signaling Border Element(SBE; シグナリング ボーダ エレメント)エンティティ モードを開始します。

ステップ 4

qos sig name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# qos sig residential

host1/Admin(config-sbc-sbe-qos-sig)#

QoS プロファイルを設定するモードを開始します。name パラメータには、既存の QoS プロファイルの名前を指定する必要があります。ストリング「default」は予約されています。

ステップ 5

marking type

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-qos-sig)# marking ip-precedence

QoS プロファイルがパケットのマーキングに DSCP 値を使用するのか、または IP precedence と ToS 値を使用するのかを設定します。type は次のいずれかです。

dscp

ip-precedence

このコマンドの no 形式を使用すると、パケットをマーキングしないように QoS プロファイルが設定されます。

ステップ 6

ip precedence value

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-qos-sig)#
ip precedence 1

指定の QoS プロファイルに属する IP パケットのマーキングに使用する IP precedence を設定します。IP precedence 値の範囲は 0 ~ 7 です。

このコマンドの no 形式を使用すると、デフォルトの IP precedence 値が 0 に設定されます。

(注) パケットをマーキングするように QoS プロファイルが設定されている場合は、DSCP 値が優先されます。

ステップ 7

ip tos value

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-qos-sig)#
ip tos 12

指定の QoS プロファイルに属する IP パケットのマーキングに使用する IP ToS を設定します。 value パラメータはビット フィールドです。次の 1 ビットまたは複数ビットの OR がとられます。

8:遅延の最小化

4:スループットの最大化

2:信頼性の最大化

1:金銭的コストの最小化

SIP Resource-Priority ヘッダーの分析

Resource-Priority ヘッダー ストリングを持つ SIP パケットを次の SBC プライオリティ値にマッピングするように、SBC を設定できます。

Routine

Priority

Immediate

Flash

Flash override

Critical

Call Admission Control(CAC; コール アドミッション制御)は、割り当てられたプライオリティ値を使用して QoS プロファイルを選択します。

このタスクでは、Resource-Priority ヘッダー ストリング「dsn.flash」を持つ SIP パケットに対して、プライオリティ値「flash」を割り当てるように、SBC を設定します。

手順概要

1. configure

2. sbc service name

3. sbe

4. resource-priority-set name

5. resource-priority string value

6. priority priority-value

詳細手順

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

SBC サービス内で SBE エンティティ モードを開始します。

ステップ 4

resource-priority-set name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# resource-priority-set dsn

SIP Resource-Priority ヘッダー ストリングを SBC プライオリティ値にマッピングするモードを開始します。

ステップ 5

resource-priority string value

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-rsrc-pri-set)# resource-priority dsn.flash

Resource-Priority ヘッダー ストリングのプライオリティを設定するモードを開始します。

ステップ 6

priority priority-value

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-rsrc-pri)# priority flash

 

Resource-Priority ヘッダー ストリングの SBC プライオリティ値を設定します。

SBC プライオリティ値は、次のいずれかになります。

routine

priority

immediate

flash

flash-override

critical

SIP 隣接のリソース プライオリティ セットの設定

このタスクでは、リソース プライオリティ セット「dsn」を使用するように、SIP 隣接「SipToIsp42」を設定します。

手順概要

1. configure

2. sbc service name

3. sbe

4. adjacency sip adjacency-name

5. resource-priority-set name

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

SBC サービス内で SBE エンティティ モードを開始します。

ステップ 4

adjacency sip adjacency-name

 

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# adjacency sip SipToIsp42

指定したリソース プライオリティ セットを使用するように、SIP 隣接を設定します。

ステップ 5

resource-priority-set name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-sip)# resource-priority-set dsn

指定したリソース プライオリティ セットを使用するように、SIP 隣接を設定します。

CAC を使用した Qos プロファイルの選択

このタスクでは、SBC からコール元に送信されるパケットに対して、音声 QoS プロファイル「enterprise」を使用するように、アカウント「cisco」からのコールを設定します。


) このコマンドは、コール単位のスコープでだけ実行できます。その他のスコープでこのコマンドを設定した場合、CAC ポリシーはアクティブになりません。


手順概要

1. configure

2. sbc service-name

3. sbe

4. cac-policy-set policy-set-id

5. first-cac-scope scope-name

6. first-cac-table table-name

7. cac-table table-name

8. match-type table-type

9. entry entry-id

10. match-value key

11. caller-voice-qos-profile profile-name

12. caller-video-qos-profile profile-name

13. caller-sig-qos-profile profile name

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

SBC サービス モードを開始します。

サービス名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

SBC サービス内で SBE エンティティ モードを開始します。

ステップ 4

cac-policy-set policy-set-id

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# cac-policy-set 1

SBE エンティティ内でコール アドミッション制御(CAC)ポリシー セット コンフィギュレーション モードを開始します。必要に応じて新しいポリシー セットを作成します。

ステップ 5

first-cac-scope scope-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy)# first-cac-scope call

ポリシーのアドミッション制御段階の実行時に、制限の定義を開始するスコープを設定します。

scope-name 引数には、制限が最初に定義されるスコープを設定します。有効な値は次のとおりです。

adj-group

call

dst-account

dst-adj-group

dst-adjacency

dst-number

global

src-account

src-adj-group

arc-adjacency

ステップ 6

first-cac-table table-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy)# first-cac-table MyCacTable

ポリシーのアドミッション制御段階の実行時に、最初に処理するポリシー テーブルの名前を設定します。

ステップ 7

cac-table table-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy)# cac-table MyCacTable

SBE ポリシー セットのコンテキスト内で、アドミッション制御テーブルを設定するためのモードを開始します(必要に応じてテーブルを作成します)。

ステップ 8

match-type table-type

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy-
cactable)# match-type src-account

テーブルのタイプ。このパラメータは、テーブルに含まれるエントリの match-value フィールドの構文を制御します。テーブルに含まれるエントリはすべて、コール プライオリティの値に対応しています。値は、次のいずれかのストリングになります。

account:アカウントの名前を比較します。

adj-group:隣接グループの名前を比較します。

adjacency:隣接の名前を比較します。

all:比較タイプはありません。このタイプにはすべてのイベントが一致します。

call-priority:コール プライオリティを比較します。

category:番号分析で割り当てられたカテゴリを比較します。

dst-account:宛先アカウントの名前を比較します。

dst-adj-group:宛先隣接グループの名前を比較します。

dst-adjacency:宛先隣接の名前を比較します。

dst-prefix:着信ディジット ストリングの先頭部分を比較します。

event-type:CAC ポリシー イベント タイプと比較します。

policy-set:match-type は cac-policy-table です。

src-account:送信元アカウントの名前を比較します。

src-adj-group:送信元隣接グループの名前を比較します。

src-adjacency:送信元隣接の名前を比較します。

src-prefix:コール元番号ストリングの先頭部分を比較します。

sub-category:加入者カテゴリに基づいて照合します。

sub-category-pfx:加入者カテゴリの IP プレフィクスに基づいて照合します。

match-type パラメータは、テーブルの作成時に指定する必要があります。

ステップ 9

entry entry-id

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy-
cactable)# entry 1

アドミッション制御テーブルにエントリを設定するためのモードを開始します。必要に応じてエントリを作成します。

ステップ 10

match-value key

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy-
cac-table-ent)# match-value cisco

アドミッション制御テーブルにエントリの照合値を設定します。

ステップ 11

caller-voice-qos-profile profile-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy-
cac-table-ent)# caller-voice-qos-profile enterprise

元のコール元に送信される音声メディア パケットに使用する QoS プロファイルを設定します。

ステップ 12

caller-video-qos-profile profile-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy-
cac-table-ent)# caller-video-qos-profile enterprise

元のコール元に送信されるパケットに使用する QoS プロファイルを設定します。

ステップ 13

caller-sig-qos-profile profile-name

 

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-cacpolicy-
cac-table-ent)# caller-sig-qos-profile enterprise

元のコール元に送信されるシグナリング パケットに使用する QoS プロファイルを設定します。

QoS プロファイルの設定例

ここでは、次の設定例を示します。

「IP precedence マーキングを使用した QoS 音声プロファイルの設定例」

「DSCP マーキングを使用した QoS 音声プロファイルの設定例」

「CAC を使用した Qos プロファイルの選択例」

「リソース プライオリティ セットを使用した SIP 隣接の設定例」

IP precedence マーキングを使用した QoS 音声プロファイルの設定例

このタスクでは、QoS と一致したパケットのマーキングに IP precedence 値の 1 および ToS 値の 12 を使用するように、QoS 音声プロファイルを設定します。

configure
sbc mysbc
sbe
qos voice residential
marking ip-precedence
ip precedence 1
ip tos 12

 

DSCP マーキングを使用した QoS 音声プロファイルの設定例

このタスクでは、QoS と一致したパケットのマーキングに IP precedence 値の 1 および ToS 値の 12 を使用するように、QoS 音声プロファイルを設定します。

configure
sbc mysbc
sbe
qos voice residential
marking dscp
dscp 10
 

CAC を使用した Qos プロファイルの選択例

このタスクでは、SBC からコール元に送信されるパケットに対して、音声 QoS プロファイル「enterprise」を使用するように、アカウント「cisco」からのコールを設定します。

configure
sbc mysbc
sbe
cac-policy-set 1
first-cac-scope call
first-cac-table MyCacTable
cac-table MyCacTable
match-type src-account
entry 1
match-value cisco
caller-voice-qos-profile enterprise
caller-video-qos-profile enterprise
 
 

sbc mysbc

sbe

cac-policy-set 1

first-cac-scope call

first-cac-table MyCacTable

cac-table MyCacTable

match-type src-account

entry 1

match-value cisco

caller-video-qos-profile enterprise

caller-voice-qos-profile enterprise

!

!

!

リソース プライオリティ セットを使用した SIP 隣接の設定例

ここでは、次の設定例を示します。

configure
sbc mysbc
sbe
adjacency sip SipToIsp42
resource-priority-set dsn