Cisco 7600 シリーズ ルータ セッション ボーダ コン トローラ コンフィギュレーション ガイド
H.323 サポート
H.323 サポート
発行日;2012/01/30 | 英語版ドキュメント(2010/04/20 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

H.323 サポート

この章の構成

H.323 サポートの前提条件

H.323 サポートの制約事項

H.323 サポートに関する情報

H.245 個別制御チャネル

H.245 個別制御チャネルの制約事項

H.245 パススルー

H.245 パススルーの制約事項

スロー スタート メディア リレー

スロー スタート メディア リレーの制約事項

コーデック マッピング

DTMF インターワーキング

DTMF インターワーキングの制約事項

トランスコーディング

トランスコーディングの制約事項

RAS テクノロジー プレフィクス

RAS テクノロジー プレフィクスの制約事項

ユーザ プロトコル タイマー制御

制約事項

T.38 Fax リレー

T.38 H.245 と SDP のマッピング

H.245 モード要求

RAS 最大ビット レート

H.323 Annex D と T.38 Annex B の相互運用性

制約事項

Q.931/H.225 パススルー

Call Proceeding のパススルー

サポート対象外のメッセージ

プライバシー

プロトコル バージョンの設定

Q.931/H.225 ベース パススルー プロファイル

制約事項

H.323 プライバシー

制約事項および制限事項

H.323 機能の設定

H.245 個別制御チャネルの設定

RAS テクノロジー プレフィクスの設定

ユーザ プロトコル タイマー制御の設定

H.323 プライバシーの設定

H.245 個別制御チャネルおよび RAS テクノロジー プレフィクスの設定:例

ユーザ プロトコル タイマー制御の設定:例

H.323 サポート

現在、Session Border Controller(SBC; セッション ボーダ コントローラ)は、Session Initiation Protocol(SIP)だけでなく、H.323 もサポートしています。これにより、複数のベンダーのマルチメディア製品およびアプリケーションの相互運用が可能となり、また、ユーザは互換性を気にすることなく通信できます。

H.323 は、Local Area Network(LAN; ローカルエリア ネットワーク)、Wide Area Network(WAN; ワイドエリア ネットワーク)、インターネットなどのパケット交換網におけるマルチメディア通信の国際標準です。最初の H.323 は 1996 年に International Communications Union(ITU)によって定義されました。最新版は、H.323 バージョン 5(2003)です。


) ACE SBC Release 3.0.00 以降では、この機能は統合モデルに限りサポートされます。



注意 進行中の H.323 コールは、サービス カードからスタンバイ カードへの SBC スイッチオーバー時に切断されます。

H.323 サポート機能の履歴

 

リリース
変更内容

ACE SBC Release 3.1.00

H.323 のパフォーマンス改善のためのサポートが追加されました。

ACE SBC Release 3.0.00

この機能は、SBC 統合モデルのサポートとともに Cisco 7600 シリーズ ルータに追加されました。

H.323 サポートの前提条件

この機能を使用するには、H.323 関連の ITU 標準、ゲートキーパー、およびゲートウェイの基本的な知識が必要です。ゲートウェイは、Public Switched Telephone Network(PSTN; 公衆電話交換網)と H.323 ネットワークの間のエッジ ルーティングの決定を行います。ゲートキーパーは、ゲートウェイを論理的ゾーンにまとめて、ゾーン間のコール ルーティングを実行します。

H.323 サポートの制約事項

この章では、H.323 サポートの制約事項について機能別に説明します。また、このガイドの他の H.323 関連の章にも機能別の制約事項が記載されています。

H.323 サポートに関する情報

H.323 は、ITU-T 標準 H.323、H.225.0、H.245、H.450 シリーズ、および H.460 シリーズを含むプロトコル スイートおよび文書です。H.323 は、データ コラボレーションおよびファイル転送用の T.120 をサポートしています。H.323 標準システムには、H.323 のすべてのコンポーネントが必須であるというわけではありません。たとえば、番号ポータビリティを記述した H.460.2 は、一般的に企業向けビデオ会議システムには使用されません。

H.323 は、Voice over Internet Protocol(VoIP)や IP ベースのビデオ会議に使用され、Session Initiation Protocol(SIP)と同じ役割を果たします。H.323 は、IP 以外のパケット交換網で動作する場合もありますが、開発当初から主に IP ネットワークで動作するように設計されています。ほとんどのユーザは H.323 プロトコルに規定されているマルチポイント機能を活用していませんが、H.323 はマルチポイントの音声およびビデオ会議機能を使用できるように設計されています。

H.323 は機能的には SIP より進んでいますが、柔軟性の面では SIP より劣ります。SIP は現在、それほど明確には規定されていませんが、スケーラビリティが高いためインターネット アプリケーションの統合を簡単に実現できます。SIP と同様、H.323 は世界中のネットワークを経由した音声およびビデオ伝送の世界市場で中心的な標準であり、毎月膨大な量の音声トラフィックを生成しています。SBC は、SIP と H.323 を両方ともサポートしているため、複数のベンダーのマルチメディア製品およびアプリケーションの相互運用が可能となり、また、ユーザは互換性を気にすることなく通信できます。

サポート対象の次の H.323 機能については、このガイドの他の該当箇所で個別に説明されていたり、Q.931/H.225 標準プロトコルの一部として記述されていたりします。

H.323/SIP インターワーキング:定義済みの SIP/H.323 のコールおよびメディア シグナリング各部の相互機能です。

シグナリング ピアの Domain Name Server(DNS; ドメイン ネーム サーバ)コンフィギュレーション:この機能を使用すると、adjacency-signal-peer のコンフィギュレーションで IP アドレスの代わりにドメイン名を使用できます。

ハンティング:障害時に SBC が他のルートまたは宛先隣接をハントできるようにします。ハンティングとは、ルートをリトライすることを意味します。

基本的な会議パススルー(この機能は Q.931/H.225 パススルーの一部です):conferenceID および conferenceGoal のパススルーです。会議は、コール マネージャなど、サードパーティ製機器で制御されます。SBC は会議関連のすべての情報をパススルーできるようにします。

H.450 パススルー(この機能は Q.931/H.225 パススルーの一部です):コール レッグ間の H.450 エレメントのパススルーです。

この章では、サポート対象の次の H.323 機能について説明します。

「H.245 個別制御チャネル」

「H.245 パススルー」

「スロー スタート メディア リレー」

「コーデック マッピング」

「DTMF インターワーキング」

「トランスコーディング」

「RAS テクノロジー プレフィクス」

「ユーザ プロトコル タイマー制御」

「T.38 Fax リレー」

「Q.931/H.225 パススルー」

「H.323 プライバシー」

H.245 個別制御チャネル

H.323 手順では、SBC が TCP を介した個別の H.245 制御チャネルをセットアップすることを要件としています。この機能によって、トンネル型 H.245 サポートが補完され、ユーザはトンネリングを使用するかどうかを制御できます。

SBC は、この新機能によって H.323 同士のコールを実行し、2 つのコール レッグは異なる H.245 トランスポート メカニズムのネゴシエーションを実行できるようになります。各コール レッグは、H.245 個別制御チャネルを使用するかどうかを独自に決定します。

SBC が H.245 個別制御チャネルをセットアップするのは、次のいずれかの場合だけです。

SBC が startH245 Facility を受信した場合

SBC が H.245 メッセージを送信する必要があり、かつトンネリングを使用できない場合

トンネリングが使用できる場合には、「disable tunneling」Command Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)コマンドが設定されない限り、SBC は H.245 個別制御チャネルを要求しません(「H.245 個別制御チャネルの設定」を参照)。SBC が H.245 アドレスに接続しないのは、単にピアが h245Address を提供しているためです。

SBC は必要となるまで H.245 アドレスを提供せず、次のように動作します。

SBC は、可能な限り、別の方法でピアに接続します。

他の方法が使用できない場合には、SBC は startH245 Facility に独自の H.245 アドレスを入れ、ピアの接続を 10 秒間待ちます。このタイムアウト値の設定変更はできません。

H.323 v2 以降、Facility reason として startH245 がサポートされたため、この機能はすべてのピア デバイスでサポートされると考えられます。ピアが H.245 接続を要求し、H.245 接続がない場合、相手側は startH245 Facility を使用して SBC に接続を促す必要があります。

使用可能な H.245 トランスポートがないのに(トンネル型も個別も)、SBC が H.245 メッセージを送信する必要がある場合、このコールは終了します。

SBC は provisionalRespToH245Tunnelling を受信すると、個別 H.245 を試行する前に待機して、最終的なトンネリング結果を判断します。H.245 メッセージはこの時点でキューに入れられ、H.245 トランスポートが使用可能になってから送信されます。

H.245 コネクション レースの発生時に、SBC が切断するのは、負けた場合だけです。相手側が負けた場合は相手側が切断する必要があります。レースの解消は、リッスン アドレス/ポート(接続アドレス/ポートではない)の比較によって実行されます。

複数のコールが 1 つの接続を共有する場合は、コール スコープまたは接続スコープでバック プレッシャが使用されます。したがって、コール レッグ B が何らかの理由で H.245 メッセージを転送できない場合、コール レッグ A の接続はピアで TCP バック プレッシャを実行することがあります。コール レッグ A が H.245 トンネリングを実行し、他のコールと Q.931 TCP 接続を共有している場合、ピアでは他のコールでもバック プレッシャが実行されます。

該当するソケットがクローズすると、SBC は H.245 個別接続をそのコールと同じ時点でティアダウンします。

H.245 個別制御チャネルの制約事項

次に、H.245 制御チャネルの制約事項を示します。

H.323 同士のコールのピアに、ピア間または Data Border Element(DBE; データ ボーダ エレメント)との間で直接 H.245 TCP 接続をセットアップさせるようなモデルは SBC ではサポートされていません。

隣接単位またはコール単位での H.245 トランスポートのステータスをリストする show コマンドはありません。

H.245 セキュリティはサポートされていません。

H.245 パススルー

メディア バイパスでは、2 つの H.323 コール レッグ間で H.245 コンテンツは変更されずに通過します(メディア バイパスの詳細については、 「SBC 隣接の実装」 「メディア ルーティングへの隣接の影響」を参照してください)。パススルーは、H.245 メッセージが H.245 のトンネル型トランスポートと個別制御チャネルのどちらで受信されたかに関係なく発生します。また、パススルーでは、両方の H.323 コール レッグが同じ H.245 トランスポート メカニズムを使用する必要はありません。この機能によって、通過する H.245 コンテンツを変更せずに、2 つの H.323 デバイス間に SBC を挿入できます。

これが可能なのは、エンドポイント間で H.245 メッセージが不透明にパススルーされるためです。ファスト スタートの要求および応答は、H.245 本体と同様にパススルーされます。SBC が調べるのは、ファスト スタートと論理チャネル シグナリングのメッセージだけです。これらは、コールに使用される帯域幅を獲得するために使用されます。

H.245 パススルーの制約事項

次に、H.245 パススルーの制約事項を示します。

この機能には、一部のメッセージまたはメッセージ エレメントのパススルーをブロックするコンフィギュレーションはありません。このようなコンフィギュレーションは別に用意されています。

メディア バイパス コールでは、Session Description Protocol(SDP)は課金レコードに表示されません。

SBC は、全シグナリング トラフィックの一般的なレート制限を除いて、パススルーされる H.245 トラフィックのレート制限をサポートしていません。

スロー スタート メディア リレー

SBC は、単方向 H.245 チャネルのメディア リレー(DBE によるメディア パススルー)をサポートしています。H.245 コーデック タイプは、DBE プログラミング、トランスコーダ プログラミング、および課金を目的として、Session Description Protocol(SDP)に変換されます。これはコーデック マッピング テーブルを使用して実行されます(「T.38 Fax リレー」を参照)。SDP マッピングがないコーデック タイプを処理する場合、Signaling Border Element(SBE; シグナリング ボーダ エレメント)はベストエフォート方式で試行し、可能な最良の SDP 一致を探します。

2 つの H.323 デバイス間に SBC を挿入しても、H.245 機能に影響はありません(「H.245 パススルー」を参照)。たとえば、SBC はメディア リレー コールの H.245 チャネルの論理チャネル番号を変更しません。分散 DBE モデルでは、DBE 上で必要なメディアの停止を確立するために H.248 信号が使用されます。

SBC は、次のような H.245 手順を使用してメディアの再ネゴシエーションをサポートします。

fax upspeed:エンドポイントは低ビット レートの音声コーデックを ITU-T G.711 に切り替えます。

TCS=0:一方のエンドポイントが他方に対し、一時的にすべてのチャネルをクローズするように働きかけます。

T.38 Fax への切り替えについては、下記の「T.38 Fax リレー」を参照してください。

スロー スタート メディア リレーの制約事項

次に、スロー スタート メディア リレーの制約事項を示します。

SBC は、ファスト スタートと Open Logical Channel Close(OLC)のいずれでも、双方向 H.245 チャネルをサポートしていません。

異なるタイプの UserInputIndication 間では Dual Tone MultiFrequency(DTMF)インターワーキングはサポートされません。

DTMF インターワーキングを制御するユーザ コンフィギュレーションはありません。DTMF インターワーキングは機能ネゴシエーションによってだけトリガーされます。

特定のコーデックのセットアップをブロックする手段も、未知のコーデックを無視する手段もありません。上記のベストエフォート型の機能が常にイネーブルになります。

SBC はマルチポイント機能をサポートしません。

コーデック マッピング

SBC は、次の用途において H.245 コーデックを SDP として表すために、表 20-1 のコーデック マッピングを使用します。

課金レコード(メディア リレーだけ)。

DBE プログラミング(メディア リレーだけ)。

帯域幅割り当て(メディア リレーおよびメディア バイパス)。この帯域幅は、H.245 から直接ではなく、SDP に基づいて計算されます。

 

コーデック マッピング

H.245 コーデック
表現

g711Alaw64k

PCMA/8000

g711Ulaw64k

PCMU/8000

g722_64k

G722/8000

g7231

G723.1/80

g728

G728/8000

g729

G729/8000

g729AnnexA

G729/8000

g729wAnnexB

G729/8000

g729AnnexAwAnnexB

G729/8000

gsmHalfRate

GSM-HR/8000

gsmFullRate

GSM/8000

その他のすべての音声コーデック

PCMU/8000(デフォルト コーデック)

T.38

「T.38 Fax リレー」を参照

次の点に留意してください。

SBC は、メディア リレーでもメディア バイパスでも、T.38 を除く H.245 のビデオおよびデータ コーデックをサポートしません。

H.323/SIP インターワーキング用にサポートされているコーデックの範囲はさらに少なくなります(詳細については、 「H.323-SIP インターワーキング」 を参照してください)。

DTMF インターワーキング

ユーザ要求の転送には、Dual Tone MultiFrequency(DTMF)トーンが使用されます。各種システムでサポートされる DTMF の形式は異なる可能性があります。SBC は、これらのシステム間の DTMF インターワーキングを可能にします。

たとえば、一部の非標準 H.323 デバイスは英数字 UserInputIndication の最小公分母をサポートしません。このようなデバイスが DTMF をシグナリングできるのは、RFC2833 テレフォニー イベントを通じて、またはインバンド メディア データとしてだけです。一方、UserInputIndication をサポートして、RFC2833 テレフォニー イベントはサポートしないデバイスもあります。

このような 2 つのデバイスがバックツーバックで配置された場合、インバンド メディア データと同様に DTMF トーンを送信するという選択肢しかありません。これらのデバイスの間に SBC を配置すると、両者の間の SBC インターワーキングにより、両側ともサポート対象のシグナリング メソッドを使用して(一方は UserInputIndication、もう一方は RFC2833)、DTMF を送信できます。

この機能を使用するためには、コールの特定の側(RFC2833 だけのデバイス側)で RFC2833 DTMF の代行受信と挿入をイネーブルにするように SBE が DBE をプログラムする必要があります。そのあとで、SBE と DBE は協力して、H.245 制御チャネルと RTP ストリームの間の DTMF シグナリングを転送します。

DTMF インターワーキングでは、TerminalCapabilitySet を通じてネゴシエーションが行われます。したがって、SBC は英数字と RFC2833 の両メソッドをサポートしていることをアドバタイズするために、TerminalCapabilitySet を送出できる必要があります。

ここで説明する機能は、既存のすべての H.323 DTMF インターワーキング機能に代わるものです。H.323 コールは、英数字 UserInputIndication と RFC2833 の間の DTMF インターワーキングをサポートする必要があります。この場合、SBE は DBE と連携して、Real-Time Protocol(RTP)で DTMF の挿入および代行受信を実行します。

DTMF インターワーキングでは、手動コンフィギュレーションではなく、TerminalCapabilitySet を通じてネゴシエーションが行われます。そのため、SBC は必要な場合は通過時に TerminalCapabilitySet を送出することにより、英数字と RFC2833 の両メソッドをサポートしていることを必ずアドバタイズする必要があります (TCS=0 は例外)。

DTMF インターワーキングの制約事項

次に、DTMF インターワーキングの制約事項を示します。

DTMF インターワーキングでは、英数字 UserInputIndication メソッドだけがサポートされます。

SBE は、ピアが任意の形式の UserInputCapability をアドバタイズし、英数字 DTMF を送受信できると想定します。

手動コンフィギュレーションで DTMF インターワーキングを強制することはできません。

インバンド音声データとしての DTMF の検出と挿入はいずれもサポートされていません。

トランスコーディング

SBC はスロー スタート コールのトランスコーディングをサポートしているため、通常なら相互に通信できないようなコーデックの異なるエンドポイント間での通信が可能です。バックツーバック配置の 2 つの H.323 エンドポイントには、相互に受け入れ可能な共通のコーデックがない場合もあります。

典型的な例としては、一方が帯域幅制限や管理ポリシーのために狭帯域幅のコーデック(ITU-T G.729 など)を要求し、もう一方は G.711 だけをサポートしているといった場合が考えられます。たとえば、コール元が g711alaw を使用し、コール先が G.729 annex B を使用する場合、SBC は G.711 alaw コーデックを G.729 annex B コーデックに変換して、この 2 者間の通信を可能にします。SBC はコーデックのネゴシエーションが必要であることを検出すると、メディア ゲートウェイとして Cisco MGX 8880 スイッチの Cisco Voice Interworking Service Module(VISM; 音声インターワーキング サービス モジュール)を使用して、トランスコーディングを実行します。MGX 8880 トランスコーダとともに、エンドポイント間に SBC を配置すると、こうしたコールを成功させることができます。

以前のリリースでサポートされていたのは、ファスト スタート専用のトランスコーディング バージョンでした。この機能は TerminalCapabilitySet からトリガーされるトランスコーディングの実装に置き換えられています。

トランスコーディングの制約事項

次に、トランスコーディングの制約事項を示します。

トランスコーダを使用するかどうかは各コールで 1 回決定され、エンドポイントがアップデートされた TerminalCapabilitySet(TCS=0 を含む)を発行しても変更されません。

トランスコーディングが必要な場合、SBC はコールに対称コーデックを強制します。

ファスト スタート コールではトランスコーディングは呼び出されません。適切なチャネルがない場合、エンドポイントは、トランスコーディングを呼び出すことのできる時点でスロー スタートに落とす必要があります。

トランスコーディング用にサポートされているコーデックは G.711 と G.729 だけです。これらのコーデックとの動作がテストされているトランスコーダは Cisco MGX 8880 スイッチだけです。

RAS テクノロジー プレフィクス

テクノロジー プレフィクスは、オプションの H.323 標準ベースの機能です。ゲートウェイやゲートキーパーでサポートされ、H.323 VoIP ネットワーク内で、より柔軟なコール ルーティングを可能にします。ゲートキーパーはテクノロジー プレフィクスを使用して同じタイプのエンドポイントをグループにまとめます。テクノロジー プレフィクスは、ゲートウェイのタイプ、クラス、またはプールの識別にも使用できます。この機能によって、RAS テクノロジー プレフィクスの隣接単位のコンフィギュレーションが可能となり、ゲートキーパーにこのプレフィクスを登録できます。

現在、H.323 隣接には、オプションとして、1 ~ 32 桁の着信ディジットからなる単一のテクノロジー プレフィクスを設定できるようになっています。H.323 隣接では、RAS 登録要求(RRQ)の次のフィールドでテクノロジー プレフィクスがゲートキーパーに発行されます。

 

terminalType.gateway.protocol.voice.supportedPrefixes.
 

既存の隣接コンフィギュレーションと同様、このフィールドは、隣接が接続されている間は変更できません。この機能は、着信番号のディジットの追加と削除に対する既存の SBC のサポートと連携して機能します( 「SBC ポリシーの実装」 「番号操作」を参照)。

RAS テクノロジー プレフィクスの制約事項

この機能では、たとえばプレフィクス AliasAddresses のゲートキーパーへの登録のようなゾーン プレフィクスはサポートされていません。

ユーザ プロトコル タイマー制御

H.323 標準では、さまざまなメッセージにタイマー、タイムアウト、およびリトライ回数が推奨されています。これらの値は固定されず、範囲で表します。これらの値を定義する機能は、異なるデバイス間のインターワーキングに役立ちます。現在、H.323 タイマーとリトライ回数は、グローバル レベルと隣接単位でユーザによる設定が可能です。タイマーは秒単位で設定します。

設定可能な Q.931/H.225 タイマーは次のとおりです。

Q.931/H.225 セットアップ タイマー T303

Q.931/H.225 確立タイマー T301

Q.931/H.225 着信コール設定処理タイマー T310

設定可能な RAS タイムアウトおよびリトライ回数は次のとおりです。

GRQ

RRQ

URQ

ARQ

BRQ

DRQ

RAS RRQ TTL およびキープアライブ時間(ライトウェイト RRQ 動作を制御)は設定可能です。これら 2 つの設定値は相互に関連しています。特定の隣接に安全でない値を設定すると、SBE は値をデフォルト値に戻します。

隣接リトライ タイマーは設定可能であり、何らかの理由で隣接で障害が発生した場合の自動隣接接続再試行に使用できます。

次のタイマーはハードコードされています。

TCP シャットダウン タイムアウト:TCP 接続の通常クローズ時に、リモート クローズが異常終了になるまでの許容時間。ハードコードされている値は 1 秒です。

TCP 接続タイムアウト:リモート ピアへの TCP 接続試行を停止するまでの許容時間。ハードコードされている値は 1 秒です。

制約事項

次に、ユーザ プロトコル タイマー制御の制約事項を示します。

隣接接続中にタイマー値またはリトライ回数を変更できます。ただし、進行中のタイマーやゲートキーパーのトランザクションには影響しません。

すべての RAS タイムアウトを一度に設定できるファシリティはありません。

H.245 タイマーは、インターワーキングの場合にだけ機能するため、ここでは取り上げません。

次の Q.931/H.225 タイマーのコンフィギュレーションは SBC でサポートされていません。

Q.931/H.225 オーバーラップ送信タイマー T302

Q.931/H.225 オーバーラップ受信タイマー T304

Q.931/H.225 ステータス タイマー T322

次の RAS タイマーのコンフィギュレーションは SBC でサポートされていません。

IRQ

IRR

RAI

SCI

T.38 Fax リレー

この機能は、T.38 Fax のメディア リレーに対するサポートを提供します。次の機能がサポートされています。

Fax だけと、Fax および音声のコール

音声から T.38 Fax への切り替え

Unnumbered Datagram Protocol Transport Layer(UDPTL)だけの T.38 リレーおよび単方向 H.245 チャネルだけ

T.38 H.245 と SDP のマッピング

次に、T.38 H.245 と SDP のマッピングを示します。

DataApplicationCapability
application
t38fax
t38FaxProtocol m=image 40000 {udptl | tcp} t38
t38FaxProfile
fillBitRemoval a=T38FaxFillBitRemoval
transcodingJBIG a=T38FaxTranscodingJBIG
transcodingMMR a=T38FaxTranscodingMMR
version a=T38FaxVersion:<digits>
t38FaxRateManagement a=T38FaxRateManagement:{localTCF | transferredTCF}
t38FaxUdpOptions OPTIONAL
t38FaxMaxBuffer a=T38FaxMaxBuffer:<digits>
t38FaxMaxDatagram a=T38FaxMaxDatagram:<digits>
t38FaxUdpEC a=T38FaxUdpEC:{t38UDPFEC | t38UDPRedundancy}
t38FaxTcpOptions OPTIONAL
t38TCPBidirectionalMode [no mapping]
maxBitRate a=T38maxBitRate:<digits> (UDP only)

 

メディア リレー機能に必要なパラメータは、ポートとピークビット レートだけです。上記の例では、これらのパラメータは強調表示されています。したがって、T.38 Fax 機能があると、次のように SDP が DBE に送信されます。

m=image <remote T.38 port> udptl t38
a=T38maxBitRate:14400

 

インターワーキングの場合には、完全なマッピングの実行が必要です。ただし、ACE SBC Release 3.0.00 ではサポートされていません。

H.245 モード要求

音声から Fax への切り替えは、RequestMode の交換によって処理されます。H.323 同士のコールでは、この交換は DBE シグナリングなしにコール レッグ間で透過的にパススルーされます。これにより、エンドポイントは T.38 チャネルとの音声の交換を調整できます。

RAS 最大ビット レート

SBC は、H.323v5 標準に従って、ゲートキーパーとの間で同意した最大ビット レートに関して UDP のカウントを行いますが、TCP はカウントしません。

H.323 Annex D と T.38 Annex B の相互運用性

T.38 Annex B は、H.323 Annex D のファスト スタート専用(非 H.245)バージョンです。SBC は、Annex B ノードとの相互運用をサポートしていません。

制約事項

次に、制約事項を示します。

SBC は、RAS メッセージの SupportedProtocols の t38FaxAnnexbOnly フィールドをアドバタイズするようには設定できません。このフィールドを受信しても無視します。

TCP または Secure Real-Time Transport Protocol(SRTP)のトランスポートはサポートされていません。

双方向 H.245 チャネル シグナリングはサポートされていません。

Q.931/H.225 パススルー

これは、2 つの H.323 コール レッグ間で Q.931/H.225 のメッセージ エレメントがパススルーされるようにする機能です。ここでは、SBC の「ベース パススルー プロファイル」について説明します。このプロファイルは、Q.931/H.225 メッセージのパススルーできる部分を示します。

ベース パススルー プロファイルでは、次の表記法が使用されます。

この文書には、Q.931/H.225 メッセージの ASN.1 構文が複製されます。

ASN.1 サブツリーに次のタグが付加されることにより、パススルー動作が特定されます。

P = 「passthrough」。このサブツリーは、コール レッグ間を不透明に(わからないように)通過します。

P* = 「passthrough with privacy implications」。「P」と同様ですが、このサブツリーのパススルーでは、エンドポイントについての情報やリモートの電話番号が明らかになる可能性があります。

B = 「block」。このサブツリーは、SBC によって無条件にブロックされ、含まれている情報は失われます。

SBC。このサブツリーは SBC によって操作されます。通常、SBC 独自の値に置換されます。

Call Proceeding のパススルー

Call Proceeding メッセージはパススルーされません。ただし、このメッセージのフィールドは抽出されて、アップストリーム コール ログの Progress または Facility に挿入されます。

Progress が使用されるのは、Call Proceeding に progress インジケータが含まれている場合です。

それ以外の場合は、Facility が使用されます。

サポート対象外のメッセージ

次の ITU-T Q.931 メッセージは SBC ではサポートされていません。H.323 で禁止されているため、または対応する機能を現在 SBC がサポートしていないためです。

Status, Status Enquiry

SetupAck

Information

Notify

userInformation

プライバシー

CAC ポリシーでプライバシーがイネーブルに設定されている発信コール レッグでは、「P*」(「passthrough with privacy implications」)とマーキングされているサブツリーは自動的にブロックされます。この自動ブロックはコンフィギュレーションによって無効にすることはできません。したがって、このフィールドをパススルーさせるためには、プライバシーをディセーブルに設定する必要があります。

プロトコル バージョンの設定

SBC は、メッセージをパススルーする際に、発信メッセージのバージョンを、元のプロトコル メッセージで受信された値よりも低い独自の ASN.1 値に設定します。

Q.931/H.225 ベース パススルー プロファイル

Q931Message
protocolDiscriminator SBC
callReferenceValue SBC
message
setup
sendingComplete P
bearerCapability P
facility P
progressIndicator P
progressIndicator31 P
notificationIndicator P
display P*
keypadFacility P
signal P
callingPartyNumber SBC
callingPartySubaddress B
calledPartyNumber SBC
calledPartySubaddress B
redirectingNumber P*
userUser
h323-uu-pdu
h323-message-body
setup
protocolIdentifier SBC
h245Address SBC
sourceAddress SBC
sourceInfo SBC
destinationAddress SBC
destCallSignalAddress SBC
destExtraCallInfo B
destExtraCRV B
activeMC P
conferenceID P
conferenceGoal P
callServices P
callType B
sourceCallSignalAddress SBC
remoteExtensionAddress B
callIdentifier P
h245SecurityCapability B
tokens B
cryptoTokens B
fastStart SBC
mediaWaitForConnect P
canOverlapSend B
endpointIdentifier P*
multipleCalls SBC
maintainConnection SBC
connectionParameters P
language P
presentationIndicator SBC
screeningIndicator SBC
serviceControl P
symmetricOperationRequired P
capacity B
circuitInfo SBC
desiredProtocols B
neededFeatures B
desiredFeatures B
supportedFeatures B
parallelH245Control B
additionalSourceAddresses B
nonStandardData P
h4501SupplementaryService P
h245Tunneling SBC
h245Control SBC
nonStandardControl P
callLinkage P
tunnelledSignallingMessage P
provisionalRespToH245Tunneling SBC
stimulusControl P
genericData P
user-data P
callProceeding
bearerCapability P
facility P
progressIndicator SBC
progressIndicator31 SBC
notificationIndicator P
display P
userUser
h323-uu-pdu
h323-message-body
callProceeding
protocolIdentifier SBC
destinationInfo P*
h245Address SBC
callIdentifier P
h245SecurityMode B
tokens B
cryptoTokens B
fastStart SBC
multipleCalls SBC
maintainConnection SBC
fastConnectRefused SBC
featureSet B
nonStandardData P
h4501SupplementaryService P
h245Tunneling SBC
h245Control SBC
nonStandardControl P
callLinkage P
tunnelledSignallingMessage P
provisionalRespToH245Tunneling SBC
stimulusControl P
genericData P
user-data P
alerting
bearerCapability P
facility P
progressIndicator SBC
progressIndicator31 SBC
notificationIndicator P
display P*
signal P
userUser
h323-uu-pdu
h323-message-body
alerting
protocolIdentifier SBC
destinationInfo P*
h245Address SBC
callIdentifier P
h245SecurityMode B
tokens B
cryptoTokens B
fastStart SBC
multipleCalls SBC
maintainConnection SBC
alertingAddress P*
presentationIndicator SBC
screeningIndicator SBC
fastConnectRefused SBC
serviceControl P
capacity B
featureSet B
nonStandardData P
h4501SupplementaryService P
h245Tunneling SBC
h245Control SBC
nonStandardControl P
callLinkage P
tunnelledSignallingMessage P
provisionalRespToH245Tunneling SBC
stimulusControl P
genericData P
user-data P
connect
bearerCapability P
facility P
progressIndicator SBC
progressIndicator31 SBC
notificationIndicator P
display P*
dateTime P
connectedNumber P*
connectedSubaddress P*
userUser
h323-uu-pdu
h323-message-body
connect
protocolIdentifier SBC
h245Address SBC
destinationInfo P*
conferenceID P
callIdentifier P
h245SecurityMode B
tokens B
cryptoTokens B
fastStart SBC
multipleCalls SBC
maintainConnection SBC
language P
connectedAddress P*
presentationIndicator SBC
screeningIndicator SBC
fastConnectRefused SBC
serviceControl P
capacity B
featureSet B
nonStandardData P
h4501SupplementaryService P
h245Tunneling SBC
h245Control SBC
nonStandardControl P
callLinkage P
tunnelledSignallingMessage P
provisionalRespToH245Tunneling SBC
stimulusControl P
genericData P
user-data P
progress
bearerCapability P
cause P
facility P
progressIndicator SBC
progressIndicator31 SBC
notificationIndicator P
display P*
userUser
h323-uu-pdu
h323-message-body
progress
protocolIdentifier SBC
destinationInfo SBC
h245Address SBC
callIdentifier P
h245SecurityMode B
tokens B
cryptoTokens B
fastStart SBC
multipleCalls SBC
maintainConnection SBC
fastConnectRefused SBC
nonStandardData P
h4501SupplementaryService P
h245Tunneling SBC
h245Control SBC
nonStandardControl P
callLinkage P
tunnelledSignallingMessage P
provisionalRespToH245Tunneling SBC
stimulusControl P
genericData P
user-data P
releaseComplete
cause SBC
facility P
notificationIndicator P
display P*
signal P
userUser
h323-uu-pdu
h323-message-body
connect
protocolIdentifier SBC
reason SBC
callIdentifier P
tokens B
cryptoTokens B
busyAddress P*
presentationIndicator SBC
screeningIndicator SBC
capacity B
serviceControl P
featureSet B
nonStandardData P
h4501SupplementaryService P
h245Tunneling SBC
h245Control SBC
nonStandardControl P
callLinkage P
tunnelledSignallingMessage P
provisionalRespToH245Tunneling SBC
stimulusControl P
genericData P
user-data
facility
facility P
notificationIndicator P
display P*
callingPartyNumber P*
calledPartyNumber P*
userUser
h323-uu-pdu
h323-message-body
facility
protocolIdentifier SBC
alternativeAddress B
alternativeAliasAddress P
conferenceID P
reason P
callIdentifier P
destExtraCallInfo P
remoteExtensionAddress P
tokens B
cryptoTokens B
conferences P
h245Address SBC
fastStart SBC
multipleCalls SBC
maintainConnection SBC
fastConnectRefused SBC
serviceControl P
circuitInfo B
featureSet B
destinationInfo P*
h245SecurityMode B
empty
nonStandardData P
h4501SupplementaryService P
h245Tunneling SBC
h245Control SBC
nonStandardControl P
callLinkage P
tunnelledSignallingMessage P
provisionalRespToH245Tunneling SBC
stimulusControl P
genericData P
user-data P

制約事項

ここに記載されていない Q.931/H.225 メッセージ エレメントはパススルーできません。

セキュリティ トークンのパススルーはサポートされていません。

H.323 プライバシー

H.323 プライバシー機能を使用すると、Q.931/H.225 メッセージで非表示になっている ID を呼び出すことができます。この機能が実装されると、SBC は、リモートのコール元またはコール先についての情報を示す Q.931/H.225 メッセージ エレメントを削除してから、そのメッセージをエンドポイントに渡します。


) プライバシーに影響する Q.931/H.225 メッセージ エレメントは、H.323 パススルー プロファイルに定義されています。


ユーザが送信したプライバシー要求がメッセージに含まれている場合、または SBC に対する Call Admission Control(CAC; コール アドミッション制御)ポリシーでコール元またはコール先単位でプライバシーがイネーブルに設定されている場合、SBC はそのメッセージにプライバシー サービスを適用します。ただし、プライバシーのコンフィギュレーション フィールドがデフォルト値に設定されている場合には、SBC はそのメッセージにプライバシー サービスを適用せずに次のコール レッグに転送します。H.323 プライバシー サービスを隣接単位で提供するように SBC を設定することもできます。

SBC は、H.323 プライバシー サービスを提供する際に次の規則を適用します。

H.323 隣接の設定でプライベート情報が許可されていると、着信メッセージが要求しても、また CAC ポリシーでプライバシーがイネーブルに設定されていても、SBC はプライバシー サービスを適用しません。

H.323 隣接の設定ではプライベート情報が許可されているが、CAC ポリシーではプライバシーがイネーブルに設定されている場合には、SBC は発信メッセージにプライバシー サービスを適用します。

着信メッセージがプライバシー サービスを要求しているが、CAC ポリシーではプライバシーがイネーブルに設定されていない場合、SBC はその隣接にプライバシー サービスの適用が設定されていれば、プライバシー サービスを適用します。

CAC ポリシーと隣接のどちらにもプライバシー サービスの適用が設定されていない場合は、着信メッセージがプライバシー サービスを要求しても、SBC はプライバシー サービスを適用せず、プライベート情報のパススルーを許可します。

制約事項および制限事項

次に、制約事項および制限事項を示します。

SBC は、H.245 および RAS メッセージには H.323 プライバシー サービスを適用しません。

現在、コール先のプライバシーに関する CAC ポリシーは、connectedNumber がある場合に限り、「接続時」に H.323 シグナリング スタックに対して使用できます。したがって、connectedNumber がない場合、コールの接続前または接続後にパススルーされる Q.931 プロトコル メッセージにコール先のプライバシー サービスは適用されません。この制限のため、SBC は Q.931 Alerting、Q.931 Progress、および Q.931 Release Complete のメッセージの転送時に、プライバシー サービス要求を適用しません。

インターワーキング コールの場合、SBC は CAC ポリシーに基づくプライバシー要求だけを適用します。

H.323 機能の設定

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「H.245 個別制御チャネルの設定」

「RAS テクノロジー プレフィクスの設定」

「ユーザ プロトコル タイマー制御の設定」

「H.323 プライバシーの設定」

H.245 個別制御チャネルの設定

このコマンドを使用すると、隣接単位でトンネリングをディセーブルにできます。この機能は、トンネリングによって混乱するような既存デバイスとの相互運用に役立ちます。このコマンドは、着信コールと発信コールの両方を制御します。

手順概要

1. configure

2. sbc service-name

3. sbe

4. adjacency h323 adjacency-name

5. h245 tunnel disable

6. exit

詳細手順

 

 
コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

SBC の SBE 機能モードを開始します。

ステップ 4

adjacency h323 adjacency-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# adjacency h323 2651XM-5

SBE H.323 隣接モードを開始します。

H.323 隣接の名前を定義するには、 adjacency-name 引数を使用します。

ステップ 5

h245 tunnel disable

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# h245 tunnel disable

隣接単位でトンネリングをディセーブルにします。この機能は、トンネリングによって混乱するような既存デバイスとの相互運用に役立ちます。このコマンドは、着信コールと発信コールの両方を制御します。

デフォルトでは、トンネリングはイネーブルになっています。

ステップ 6

exit

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# exit

メディア アドレス モードを終了し、DBE モードに戻ります。

RAS テクノロジー プレフィクスの設定

この機能によって、RAS テクノロジー プレフィクスの隣接単位のコンフィギュレーションが可能となり、ゲートキーパーにこのプレフィクスを登録できます。RAS テクノロジー プレフィクスは、1 ~ 32 桁の着信ディジットで構成できます。

手順概要

1. configure

2. sbc service-name

3. sbe

4. adjacency h323 adjacency-name

5. tech-prefix tech-prefix

6. exit

詳細手順

 

 
コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

SBC のシグナリング ボーダ エレメント(SBE)機能モードを開始します。

ステップ 4

adjacency h323 adjacency-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# adjacency h323 2651XM-5

SBE H.323 隣接モードを開始します。

H.323 隣接の名前を定義するには、 adjacency-name 引数を使用します。

ステップ 5

tech-prefix tech-prefix

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# tech-prefix 32#

RAS テクノロジー プレフィクスの隣接単位のコンフィギュレーションを行い、ゲートキーパーにこのプレフィクスを登録できます。RAS テクノロジー プレフィクスは、1 ~ 32 桁の着信ディジットとその後ろの # 記号で構成できます。

デフォルトでは、テクノロジー プレフィクスは設定されません。

ステップ 6

exit

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# exit

メディア アドレス モードを終了し、DBE モードに戻ります。

ユーザ プロトコル タイマー制御の設定

手順概要

1. configure

2. sbc service-name

3. sbe

4. h323 | adjacency h323 adjacency-name

5. adjacency timeout value

6. h225 timeout

7. ras retry

8. ras rrq ttl value

9. ras rrq keepalive value

10. ras timeout

11. exit

12. show services sbc sbc-name sbe h323 timers

詳細手順

 

 
コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

SBC の SBE 機能モードを開始します。

ステップ 4

h323 | adjacency h323 adjacency-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# adjacency h323 2651XM-5

全 H.323 隣接または指定した H.323 隣接のいずれかのモードを開始します。

H.323 隣接の名前を定義するには、 adjacency-name 引数を使用します。

ステップ 5

adjacency timeout value

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# adjacency timeout 10000

ミリ秒単位の時間を定義します。接続障害が発生した場合、この時間の間、SBC はそのリモート シグナリング ピアへの再接続試行とそのピアからのキープアライブ メッセージの受信を継続します。

値の範囲は 10000 ~ 30000 です。

ステップ 6

h225 timeout [establishment timeout-value | proceeding timeout-value | setup timeout-value |

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# h225 timeout establishment 250000

H.225 メッセージの受信待ち時間を定義します。

establishment timeout-value:h225 確立状態のタイムアウト値(ミリ秒単位)。デフォルト値は 180000 です。値の範囲は 30000 ~ 300000 です。

proceeding timeout-value:h225 処理中状態のタイムアウト値(ミリ秒単位)。 10000.値の範囲は 1000 ~ 30000 です。

setup timeout-value:h225 セットアップのタイムアウト値(ミリ秒単位)。デフォルト値は 4000 です。値の範囲は 1000 ~ 30000 です。

ステップ 7

ras retry [arq | brq | drq | grq | rrq | urq] retry count

 
host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)#
ras retry arq 2
ras retry brq 2
ras retry drq 2
ras retry rrq 2

ras retry urq 2

RAS メッセージの送信に失敗した場合の RAS メッセージ再送信試行回数を定義します。

arq retry count:ARQ トランザクションをリトライする回数

brq retry count:BRQ トランザクションをリトライする回数

drq retry count:DRQ トランザクションをリトライする回数

grq retry count:GRQ トランザクションをリトライする回数

rrq retry count:RRQ トランザクションをリトライする回数

urq retry count:URQ トランザクションをリトライする回数

値の範囲は 0 ~ 30 です。

ステップ 8

ras rrq ttl value

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# ras rrq ttl 100

登録要求(RRQ)の Time To Live(TTL; 存続可能時間)メッセージを秒単位で定義します。

デフォルト値は 60 です。値の範囲は 16 ~ 300 です。

ステップ 9

ras rrq keepalive value

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# ras rrq keepalive 100000

登録要求(RRQ)のキープアライブ メッセージの時間をミリ秒単位で定義します。

デフォルト値は 45000 です。値の範囲は 15000 ~ 150000 です。

ステップ 10

ras timeout [arq | brq | drq | grq | rrq | urq] timeout

 
host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)#
ras timeout arq 1000
ras timeout brq 1000
ras timeout drq 1000
ras timeout grq 1000
ras timeout rrq 1000
ras timeout urq 1000

すべての RAS メッセージに対する共通のタイムアウト値をミリ秒単位で定義します。

arq timeout:ARQ トランザクションのタイムアウト値

brq timeout:BRQ トランザクションのタイムアウト値

drq timeout:DRQ トランザクションのタイムアウト値

grq timeout:GRQ トランザクションのタイムアウト値

rrq timeout:RRQ トランザクションのタイムアウト値

urq timeout:URQ トランザクションのタイムアウト値

デフォルト値は 5000 です。値の範囲は 1000 ~ 45000 です。

ステップ 11

exit

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# exit

H.323 グローバル隣接モードまたは指定した隣接モードを終了します。

ステップ 12

show services sbc service-name sbe h323 timers

 

host1/Admin# show services sbc mysbc sbe h323 timers

すべての H.323 タイマーの値を表示します。

H.323 プライバシーの設定

この機能によって、SBC は発信メッセージに H.323 プライバシー サービスを適用できます。

手順概要

1. configure

2. sbc service-name

3. sbe

4. adjacency h323 adjacency-name

5. allow private info

6. privacy restrict outbound

7. exit

詳細手順

 

 
コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc mysbc

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

sbe

 

host1/Admin(config-sbc)# sbe

SBC の SBE 機能モードを開始します。

ステップ 4

adjacency h323 adjacency-name

 

host1/Admin(config-sbc-sbe)# adjacency h323 2651XM-5

SBE H.323 隣接モードを開始します。

H.323 隣接の名前を定義するには、 adjacency-name 引数を使用します。

ステップ 5

allow private info

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# allow private info

CAC ポリシーにプライバシー サービスの適用が設定されていても、またユーザがプライバシー サービスを要求しても、H.323 隣接が送信するメッセージのプライベート情報を許可するように設定します。H.323 隣接によるプライベート情報の送信許可を停止するように設定するには、このコマンドの no バージョンを使用します。

ステップ 6

privacy restrict outbound

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# privacy restrict outbound

ユーザがプライバシー サービスを要求した場合に発信メッセージにプライバシー制限を適用するように H.323 隣接を設定します。H.323 隣接によるプライベート情報メッセージの送信を許可するように設定するには、このコマンドの no バージョンを使用します。

ステップ 7

exit

 

host1/Admin(config-sbc-sbe-adj-h323)# exit

SBE H.323 グローバル隣接モードまたは指定した隣接モードを終了します。

H.245 個別制御チャネルおよび RAS テクノロジー プレフィクスの設定:例

configure
sbc mysbc
sbe
adjacency h323 h323-fxs-1b
signaling-address ipv4 88.110.128.13
signaling-port 1720
remote-address ipv4 10.0.0.0/8
signaling-peer 10.124.2.2
signaling-peer-port 1720
account h323-fxs-1b
tech-prefix 2#
h245-tunnel disable
attach
exit

ユーザ プロトコル タイマー制御の設定:例

configure
sbc mysbc
sbe
adjacency h323 abcd
adjacency timeout 10000
h225 timeout establishment 40000
adjacency timeout 10000?
h225 timeout ?
establishment h225 establishment state timeout value.
proceeding h225 proceeding state timeout value.
setup h225 setup timeout value.
h225 timeout proceeding 30000
h225 timeout setup 30000
ras ?
retry RAS retry configuration.
rrq RRQ (Registration Request) configuration.
timeout RAS timeout configuration.
ras retry ?
arq Retry count for an ARQ transaction.
brq Retry count for an BRQ transaction.
drq Retry count for an DRQ transaction.
grq Retry count for an GRQ transaction.
rrq Retry count for an RRQ transaction.
urq Retry count for an URQ transaction.
ras retry arq 2
ras retry brq 2
ras retry drq 2
ras retry rrq 2
ras retry rrq 2
ras rrq ?
keepalive Rate for keepalive msgs to refresh an H323 adjacency registration.
ttl TTL (time to live) value for an RRQ request.
ras rrq keepalive ?
<15000-150000> Keepalive refresh time in milliseconds - default: 45000 ras rrq keepalive 15000
ras rrq ttl ?
<16-300> TTL value in seconds - default: 60
ras rrq ttl 30
adjacency timeout 30000
ras timeout ?
arq Timeout value for an ARQ transaction.
brq Timeout value for an BRQ transaction.
drq Timeout value for an DRQ transaction.
grq Timeout value for an GRQ transaction.
rrq Timeout value for an RRQ transaction.
urq Timeout value for an URQ transaction.
ras timeout arq ?
<1000-45000> Timeout value in milliseconds - default: 5000
ras timeout arq 1000
ras timeout brq 1000
ras timeout drq 1000
ras timeout grq 1000
ras timeout rrq 1000
ras timeout urq 1000