Cisco 7600 シリーズ ルータ セッション ボーダ コン トローラ コンフィギュレーション ガイド
メディア アドレス プール
メディア アドレス プール
発行日;2012/01/30 | 英語版ドキュメント(2011/06/13 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

メディア アドレス プール

この章の構成

前提条件:メディア アドレス プールの実装

メディア アドレス プールの設定に関する制約事項

メディア アドレス プール

DBE シグナリング ピンホール

DBE シグナリング ピンホールに関する制約事項

メディア アドレス プールの設定

メディア アドレス プールの設定例

メディア アドレス プール

Session Border Controller(SBC; セッション ボーダ コントローラ)に単一のメディア アドレスまたは一連のメディア アドレスを設定できます。さらに、設定されたアドレスに対して使用可能なポート範囲を 1 つ以上定義できます。この機能を使用すると、管理者はポート範囲の有無に関係なく、アドレス プールによって Data Border Element(DBE; データ ボーダ エレメント)アドレスを設定または制限したり、ポート範囲ごとに Class of Service(CoS; サービス クラス)アフィニティを定義したりできます。


) ACE SBC Release 3.0.00 では、この機能は統合モデルと分散モデルの両方でサポートされます。


この章で使用されているコマンドの詳細については、 第 39 章「Cisco セッション ボーダ コントローラ コマンド」 を参照してください。この章に記載されたその他のコマンドのマニュアルを特定するには、コマンド リファレンスのマスター インデックスを使用するか、またはオンラインで検索してください。

メディア アドレス プール機能の履歴

 

リリース
変更内容

ACE SBC Release 3.1.00

DBE シグナリング ピンホールのサポートが追加されました。

ACE SBC Release 3.0.00

SBC 統合モデルのサポートが追加されました。

ACE SBC Release 2.0.00

この機能が Cisco 7600 シリーズ ルータに追加されました。

前提条件:メディア アドレス プールの実装

次に、メディア アドレス プールを実装するための前提条件を示します。

Application Control Engine(ACE)モジュールで SBC コマンドを入力するには、Admin ユーザである必要があります。詳細については、次の URL にある『Application Control Engine Module Administration Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/modules/ps2706/products_configuration_guide_book09186a00806838f4.html

メディア アドレス プールを実装する前に、スタティック ルートを作成する必要があります。詳細については、「スタティック ルートの設定」を参照してください。


) メディア アドレスのインターフェイス VLAN として同じ VLAN 上にリモート ピアが存在していると、スタティック ルートの作成は失敗します。


メディア アドレス プールを実装する前に、SBC を作成しておく必要があります。 第 2 章「SBC の ACE を設定するための前提条件」 に記載された手順に従ってください。

メディア アドレス プールの設定に関する制約事項

メディア アドレス プールの設定に関する制約事項は、次のとおりです。

末尾アドレスは開始アドレスよりも数値的に大きくなければなりません。

最小ポートは最大ポートよりも数値的に小さくなければなりません。

ポート範囲は重複できません。

アドレス範囲は重複できません。

アドレス範囲および単一アドレスは重複できません。

単一コマンドでアドレス範囲を定義した場合、割り当てられている任意のポート範囲が共有されます。メディア アドレスごとにポート範囲が異なるという要件がある場合は、アドレスを個別に設定する必要があります。

メディア アドレスおよびポート範囲を削除できるのは、DBE をアクティブにする前に限られます。DBE をアクティブにしたあとに、メディア アドレスおよびポート範囲を削除するには、DBE を非アクティブにする必要があります。

設定されたメディア アドレスおよびアドレス プールを削除するには、DBE を削除する必要があります。

メディア アドレス プール

ポート範囲を指定しない場合、使用可能なすべての VoIP ポート番号が有効になります。完全な VoIP ポート範囲は、16384 ~ 32767 です(両端を含む)。

ポート範囲ごとに、CoS アフィニティを定義できます。CoS セットは、Quality of Service(QoS; サービス品質)パケット マーキングに使用されるセットと一貫性があり、音声およびビデオで構成されています。対応する CoS アフィニティを定義しない場合、アフィニティの対象はすべてのコール タイプになります。

既存のポート範囲、または既存のポート範囲の CoS アフィニティを変更したり、既存のポート範囲を削除したりできます。設定を変更した場合、変更内容は既存のコールには適用されませんが、設定をコミットしたあとにセットアップされたコールには適用されます。

DBE シグナリング ピンホール

シグナリング サービス クラスを選択して、シグナリング ピンホールのメディア アドレス プールを設定することもできます。DBE では、アプリケーション レベルのピンホールを作成して、DBE から SBE にシグナリング パケットを転送できます。通常の IP 転送は DBE の SBC インターフェイス上でディセーブルになるため、ピンホール経由でパケットがプロバイダー ネットワークに到達しなくなります。

シグナリング ピンホールは、H.248 のメディア ピンホールと同じ方法で設定します。シグナリング ピンホールは、セッション記述によってメディア ピンホールと区別できます。セッション記述は、ローカル記述子およびリモート記述子に含まれる Session Description Protocol(SDP)で定義されています。「m=application」行は、終端がシグナリング ピンホールであることを示します。

DBE は、設定済みのピンホールで受信するトラフィックだけを転送します。パケットの宛先は、VPN、アドレス、およびポートにする必要があります。受信したパケットは、パケットを受信したアドレス/ポートおよび VPN Routing and Forwarding(VRF; VPN ルーティングおよび転送)名に基づいて、ピンホールにリンクされます。次に、送信元のアドレス/ポートが、ピンホールに設定されたアドレス/ポートと照合して再度チェックされます。ピンホールが見つからない SBC インターフェイス上で受信されたトラフィックは、すべてドロップされます。

DBE は、TCP データまたは UDP データの IP リレーを実行します。DBE は、IP、UDP、または TCP のヘッダー内の情報を書き換えます。転送パケットの他の部分は更新しません。

シグナリング ピンホールは、メディア ピンホールと同じ耐障害性保護機能を備えているため、プライマリ デバイスで障害が発生した場合は、バックアップ デバイスがシグナリング トラフィックの転送を引き継ぐことができます。

DBE により、シグナリング ピンホールに対して重複したローカル アドレスを使用できます。つまり、SBE では、異なるシグナリング ピンホールに対して同じローカル IP アドレスとローカル ポートを指定できます。ただし、この場合は、ローカル IP アドレス、ポート、転送プロトコル、および VRF 名の組み合せがメディア ピンホールまたはシグナリング ピンホールで一意となるように、転送プロトコルまたは VRF 名が異なっている必要があります。

DBE シグナリング ピンホールに関する制約事項

次の制約事項が DBE シグナリング ピンホールに適用されます。

IPv6 はサポートされていません。

Stream Control Transmission Protocol(SCTP)はサポートされていません。

SDP の接続行内のドメイン名はサポートされていません。

CLI のイネーブル化またはディセーブル化はサポートされていません。

メディア ダウン表示はサポートされていません (DBE シグナリング ピンホールはタイムアウトすることがなく、MGC によって明示的に終了された場合にだけ終了します)。

メディア アドレス プールの設定

ここでは、メディア アドレス プールの設定手順を示します。

手順概要

1. configure

2. sbc service-name

3. dbe

4. media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port any

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port signaling

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port video

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port voice

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port any

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port signaling

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port video

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port voice

5. end

6. show services sbc service-name dbe addresses

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

host1/Admin# config

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

host1/Admin(config)# sbc test

SBC サービス モードを開始します。

SBC 名を定義するには、 service-name 引数を使用します。

ステップ 3

dbe

 

host1/Admin(config-sbc)# dbe

SBC の DBE 機能モードを開始します。

ステップ 4

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.10.1 10.10.10.20

DBE がローカル メディア アドレスとして使用できる、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port any

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.10.1 10.10.10.20 port-range 16384 30000 any

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、ポート範囲のサービス クラスが任意である、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port signaling

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.10.10 10.10.10.20 port-range 5000 6000 signaling

DBE がローカル メディア アドレスとして使用できる、シグナリング ピンホールのメディア アドレス プールを設定します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port video

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.10.1 10.10.10.20 port-range 16384 30000 video

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、ポート範囲のサービス クラスがビデオである、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H port-range min-port max-port voice

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.10.1 10.10.10.20 port-range 16384 30000 voice

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、ポート範囲のサービス クラスが音声である、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 21.21.21.10 21.21.21.19 vrf vpn1

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、特定の VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスに対応する IPv4 アドレスとしての、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port any

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 21.21.21.10 21.21.21.19 vrf vpn2 port-range 10000 10099 any

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、ポート範囲のサービス クラスが任意である、特定の VRF インスタンスに対応する IPv4 アドレスとしての、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port signaling

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 21.21.21.10 21.21.21.19 vrf vpn2 port-range 10000 10099 any

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、ポート範囲のサービス クラスがシグナリングである、特定の VRF インスタンスに対応する IPv4 アドレスとしての、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port video

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 21.21.21.10 21.21.21.19 vrf vpn3 port-range 10000 10099 video

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、ポート範囲のサービス クラスがビデオである、特定の VRF インスタンスに対応する IPv4 アドレスとしての、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

または

media-address pool ipv4 A.B.C.D E.F.G.H vrf vrf-name port-range min-port max-port voice

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 21.21.21.10 21.21.21.19 vrf vpn4 port-range 10000 10099 voice

DBE がローカル メディア アドレスとして使用でき、ポート範囲のサービス クラスが音声である、特定の VRF インスタンスに対応する IPv4 アドレスとしての、連続する IPv4 メディア アドレスのプールを作成します。

ステップ 5

end

 

host1/Admin(config-sbc-dbe)# end

EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show services sbc dbe addresses

 

host1/Admin# show services sbc dmsbc-node9 dbe address

DBE 上に設定されたアドレスをリストします。

メディア アドレス プールの設定例

ここでは、メディア アドレス プールの設定例を示します。

この例では、メディア アドレス プールのスタティック ルートを示します。

スーパーバイザ:

Router(config)# ip route 87.87.29.8 255.255.255.248 87.87.29.100
!

ACE:

host1/Admin(config)# interface vlan 87

host1/Admin(config-if)# ip address 87.87.29.2 255.255.255.0

host1/Admin(config-if)# alias 87.87.29.100 255.255.255.0

host1/Admin(config-if)# peer ip address 87.87.29.3 255.255.255.0

host1/admin(config-if)# no shutdown

 
host1/Admin(config)# sbc test

Router//Admin(config-sbc)# dbe

host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool 87.87.29.8 87.87.29.15

 

次のサンプル スクリプトは、単一アドレス(10.10.10.1)、および 2 つのアドレス範囲(10.10.11.1 ~ 10.10.11.10 および 10.10.11.21 ~ 10.10.11.30)をデフォルト メディア アドレス プールに追加します。

単一アドレスには、2 つのポート範囲が設定されています。最初のポート範囲は 16384 ~ 20000(両端を含む)であり、音声トラフィックに対応しています。2 番目のポート範囲は 20001 ~ 65535(両端を含む)であり、ビデオ トラフィックに対応しています。

最初のアドレス範囲にも同様なポート範囲が 2 つ設定されていて、範囲内の 10 個のアドレスすべてに適用されます。

2 番目のアドレス範囲にはポート範囲が 1 つ定義されています。サービス クラスは関連付けられていません。

host1/Admin(config)# sbc test
Router//Admin(config-sbc)# dbe
host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address ipv4 10.10.10.1 port-range 16384 20000 voice
host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address ipv4 10.10.10.1 port-range 20001 65535 video
host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.11.1 10.10.11.10 port-range 16384 30000 voice
host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.11.1 10.10.11.10
port-range 30001 40000 video
host1/Admin(config-sbc-dbe)# media-address pool ipv4 10.10.11.21 10.10.11.30 port-range 20000 40000 any