Cisco 7600 シリーズ ルータ Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 12.1E
Supervisor Engine 1 での IPX ユニ キャスト レイヤ 3 スイッチングの設定
Supervisor Engine 1 での IPX ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定
発行日;2012/01/13 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 7MB) | フィードバック

目次

Supervisor Engine 1 での IPX ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定

IPX MLS の機能概要

IPX MLS の概要

IPX MLS フロー

レイヤ 3 の MLS キャッシュ

フロー マスク

フロー マスク モード

フロー マスク モードと show mls entry コマンド出力

レイヤ 3 スイッチド パケットの書き換え

IPX MLS の動作

IPX MLS のデフォルト設定

設定時の注意事項および制約事項

IPX MLS の設定

IPX MLS のグローバルなイネーブル化

レイヤ 3 インターフェイス上での IPX MLS のイネーブル化

MLS エージング タイムの設定

最小 IPX MLS フロー マスクの設定

IPX MLS 情報の表示

IPX MLS キャッシュ エントリの表示

すべての IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定の宛先アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定の送信元アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定のインターフェイスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定の MAC 宛先または送信元アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

IPX MLS コンテンション テーブルの表示

IPX MLS VLAN 統計情報の表示

IPX MLS キャッシュ エントリの消去

IPX MLS のトラブルシューティング

Supervisor Engine 1 での IPX ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定


) この章で説明する機能は、Supervisor Engine 1、PFC、および MSFC または MSFC2 上でのみサポートされます。Supervisor Engine 2、PFC2、および MSFC2 に関する情報は、第17章「Supervisor Engine 2 での IP ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定」を参照してください。


PFC および MSFC または MSFC2 を装備した Supervisor Engine 1 は、Multilayer Switching(MLS; マルチレイヤ スイッチング)を使用するレイヤ 3 スイッチングを提供します。この章では、Cisco 7600 シリーズ ルータに Internetwork Packet Exchange(IPX)レイヤ 3 スイッチングを設定する方法について説明します。


) この章で使用しているコマンドの構文および使用方法の詳細については、『Cisco 7600 Series Router Cisco IOS Command Reference』を参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「IPX MLS の機能概要」

「IPX MLS のデフォルト設定」

「設定時の注意事項および制約事項」

「IPX MLS の設定」

「IPX MLS 情報の表示」

「IPX MLS キャッシュ エントリの消去」

「IPX MLS のトラブルシューティング」


) MSFC は、MLS を使用する Catalyst 5000 ファミリー スイッチ用の MLS Route Processor(MLS-RP)として指定できます。MLS の設定手順については、『Layer 3 Switching Configuration Guide ― Catalyst 5000 Family, 4000 Family, 2926G Series, 2926 Series, and 2948G』を参照してください。


IPX MLS の機能概要

ここでは、MLS の概要を紹介し、その機能について説明します。

「IPX MLS の概要」

「IPX MLS フロー」

「レイヤ 3 の MLS キャッシュ」

「フロー マスク」

「レイヤ 3 スイッチド パケットの書き換え」

「IPX MLS の動作」

IPX MLS の概要

IPX MLS は、Cisco 7600 シリーズ ルータに高性能なハードウェア ベースのレイヤ 3 スイッチング機能を提供します。IPX MLS は、高度な Application-Specific Integrated Circuit(ASIC; 特定用途向け集積回路)スイッチング ハードウェアを使用して、ネットワーク間のユニキャスト IPX データ パケット フローをスイッチングします。その結果、ネットワーク ルータのプロセッサに掛かるパケット ルーティングの負荷が軽減されます。

2 つのホスト間に部分的または完全なスイッチド パスが存在する場合、パケット転送機能がレイヤ 3 スイッチに移されます。宛先に到達するための部分的または完全なスイッチド パスがないパケットについては、ルータが転送します。ルートの決定には、標準ルーティング プロトコル(Routing Information Protocol [RIP]、Enhanced Interior Gateway Protocol [EIGRP]、NetWare Link Services Protocol [NLSP; Netware リンク サービス プロトコル])が使用されます。

IPX MLS フロー

IP、IPX などのレイヤ 3 プロトコルは、コネクションレス型であり、すべてのパケットが他のパケットから独立して配信されます。ただし、実際のネットワーク トラフィックは、ユーザ間またはアプリケーション間でエンドツーエンドで行われる多数の対話(フロー)から成り立っています。

フローとは、同じプロトコルおよびネットワーク レイヤ情報を共有する特定の送信元と宛先との間でやり取りされる、単方向の連続したパケットです。クライアントからサーバへの通信と、サーバからクライアントへの通信は、それぞれ別のフローです。

フローはレイヤ 3 アドレスのみに基づきます。したがって、フローを識別するために宛先 IPX アドレスだけが使用されている場合は、複数のユーザまたはアプリケーションから特定の宛先へ向かう IPX トラフィックを、1 つのフローで伝送することができます。

レイヤ 3 の MLS キャッシュ

Policy Feature Card(PFC; ポリシー フィーチャ カード)はレイヤ 3 スイッチド フローに使用するレイヤ 3 スイッチング テーブル(MLS キャッシュ)を維持します。このキャッシュには、パケットがスイッチングされるとアップデートされるトラフィックの統計情報のエントリが含まれています。MLS キャッシュが作成されたあと、既存のフローに属することが識別されたパケットは、キャッシュ情報に基づいてレイヤ 3 スイッチングすることができます。MLS キャッシュは、すべてのアクティブ フローに関するフロー情報を維持します。

IPX MLS キャッシュ エントリは、各フローの最初のパケットに対応して作成されます。現在 MLS キャッシュに格納されている、どのフローとも一致しないパケットを受信した場合には、新しい IPX MLS エントリが作成されます。

パケット トラフィックがアクティブであるかぎり、フローの状態およびアイデンティティが維持されます。フローのトラフィックが途切れると、エントリは期限切れになります。MLS キャッシュに保存される IPX MLS エントリのエージング タイムを設定できます。あるエントリが一定期間にわたって使用されない状態が続くと、そのエントリは期限切れになり、そのフローに関する統計情報をフロー コレクタ アプリケーションにエクスポートできるようになります。

MLS キャッシュの最大サイズは 128K エントリです。ただし、MLS キャッシュが 32K エントリを超過すると、フローが PFC によってスイッチングされなくなり、MSFC に転送される可能性が高くなります。

フロー マスク

PFC はフロー マスク モードを使用して、IPX MLS エントリの作成方法を決定します。フロー マスク モードは、IPX MLS ルータ インターフェイス上に設定されたアクセス リストに基づいています。

ここでは、各種のフロー マスク モードの機能について説明します。

「フロー マスク モード」

「フロー マスク モードと show mls entry コマンド出力」

フロー マスク モード

PFC がサポートするのは、1 つのフロー マスク(最も固有性の高いマスク)だけです。PFC フロー マスクが変更されると、MLS キャッシュ全体が消去されます。PFC がキャッシュされたエントリをエクスポートすると、現在のフロー マスク モードに基づいてフロー レコードが作成されます。現在のモードによっては、フロー レコードの一部のフィールドに値が入らない場合があります。サポートされていないフィールドには、ダッシュ(-)が充填されます。

IPX MLS のフロー マスクは、次のとおりです。

destination モード ― 最も固有性の低いフロー マスク モードです。PFC は宛先 IPX アドレス(ネットワークおよびノード)ごとに IPX MLS エントリを 1 つ維持します。特定の宛先 IPX アドレスへ向かうフローはすべて、この IPX MLS エントリを使用します。送信元 IPX アドレスに基づくアクセス リストが、IPX MLS ルータ インターフェイスのどれにも設定されていない場合に、このモードが使用されます。

destination-source モード ― PFC は宛先(ネットワークおよびノード)と送信元(ネットワークのみ)の IPX アドレス ペアごとに、MLS エントリを 1 つ維持します。特定の送信元と宛先間のすべてのフローは、IPX ソケットに関係なく、この MLS エントリを使用します。いずれかの IPX MLS インターフェイスに送信元ネットワークをフィルタするアクセス リストが設定されている場合に、このモードが使用されます。

フロー マスク モードと show mls entry コマンド出力

フロー マスク モードは、 show mls ipx コマンドの画面出力に影響します。destination モードの場合は、スイッチド フローの宛先 IPX アドレスとともに、パケット書き換え情報(書き換えられた宛先 MAC、書き換えられた VLAN、および出力インターフェイス)が表示されます。

レイヤ 3 スイッチド パケットの書き換え

送信元ホストから宛先ホストへパケットがレイヤ 3 スイッチングされると、PFC は MSFC から学習して MLS キャッシュに保管した情報に基づいて、パケットの書き換えを実行します。

ホスト A とホスト B が異なる VLAN に属し、ホスト A が MSFC にパケットを送信してホスト B へルーティングさせる場合、PFC はそのパケットが MSFC の MAC アドレスに送信されたことを認識します。PFC は MLS キャッシュをチェックして、該当するフローと一致するエントリを検索します。

受信した IPX パケットのフォーマットは(概念的には)次のとおりです。

 

レイヤ 2 フレーム ヘッダー
レイヤ 3 IPX ヘッダー
データ
FCS

宛先

送信元

チェックサム/
IPX 長/
トランスポート制御

宛先ネットワーク/
ノード/
ソケット

送信元ネットワーク/
ノード/
ソケット

 

 

MSFC MAC

Source A MAC

n

Destination B IPX

Source A IPX

PFC はレイヤ 2 フレーム ヘッダーを書き換えて、宛先 MAC アドレスをホスト B の MAC アドレスに、送信元 MAC アドレスを MSFC の MAC アドレスに変更します(これらの MAC アドレスは、このフローの IPX MLS キャッシュ エントリに保存されています)。レイヤ 3 IPX アドレスは変更されません。PFC はスイッチド レイヤ 3 パケットを書き換え、これらのパケットがルータによってルーティングされたように見せかけます。

PFC は書き換えたパケットをホスト B の VLAN に転送し(宛先 VLAN は IPX MLS キャッシュ エントリに格納されています)、ホスト B がこのパケットを受信します。

スイッチが IPX パケットの書き換えを行ったあとのフォーマットは、(概念的には)次のとおりです。

 

レイヤ 2 フレーム ヘッダー
レイヤ 3 IPX ヘッダー
データ
FCS

宛先

送信元

チェックサム/
IPX 長/
トランスポート制御

宛先ネットワーク/
ノード/
ソケット

送信元ネットワーク/
ノード/
ソケット

 

 

Destination B
MAC

MSFC MAC

n+1

Destination B IPX

Source A IPX

IPX MLS の動作

図20-1 に、IPX MLS ネットワーク トポロジの概念図を示します。この例では、ホスト A はセールス部門の VLAN(IPX アドレス 01.Aa)、ホスト B はマーケティング部門の VLAN(IPX アドレス 03.Bb)、ホスト C はエンジニアリング部門の VLAN(IPX アドレス 02.Cc)に属します。

ホスト A がホスト C へのファイル転送を開始すると、このフローの IPX MLS エントリが作成されます(このエントリは図20-1 に示すテーブル内の 2 番目の項目です)。MSFC がスイッチを介してホスト A からホスト C に最初のパケットを転送すると、PFC は MSFC およびホスト C の MAC アドレスを IPX MLS エントリに格納します。PFC はこの情報を使用して、それ以後、ステーション A からステーション C に送信されるパケットを書き換えます。

同様に、ホスト A からホスト B へのトラフィック、およびホスト B からホスト A へのトラフィックについても、それぞれ個別の IPX MLS エントリが MLS キャッシュ内に作成されます。各 IPX MLS エントリの一部分として宛先 VLAN が格納されるので、トランク リンク上でトラフィックをカプセル化するとき、正しい VLAN ID が使用されます。

図20-1 IPX MLS のトポロジ例

 

IPX MLS のデフォルト設定

表20-1 に、IPX MLS のデフォルト設定を示します。

 

表20-1 IPX MLS のデフォルト設定

機能
デフォルト値

IPX MLS イネーブル ステート

イネーブル

IPX MLS エージング タイム

256 秒

IPX MLS fast エージング タイム

32 秒

IPX MLS fast エージング タイム パケットしきい値

100 パケット

IPX MLS long エージング タイム

900 秒

設定時の注意事項および制約事項

IPX MLS に影響する Cisco IOS ソフトウェア機能およびコマンドは、次のとおりです。

IPX アカウンティング ― IPX MLS 対応のインターフェイス上では、IPX アカウンティングをイネーブルにすることはできません。

IPX EIGRP ― Transport Control(TC)の最大値がデフォルト(16)より大きい値に設定されている場合、EIGRP インターフェイスに関して MLS がサポートされます。

clear ipx route コマンドを実行すると、すべての IPX MLS キャッシュ エントリが消去されます。

no ipx routing コマンドを実行すると、すべての IPX MLS キャッシュ エントリが消去され、IPX MLS がディセーブルになります。

ipx security インターフェイス コマンドを実行すると、インターフェイス上で IPX MLS がディセーブルになります。

IPX では、2 つの通信エンド ポイントが、使用する最大伝送ユニット(Maximum Transmission Unit; MTU)をネゴシエートします。MTU サイズはメディア タイプによって制限されます。

IPX MLS の設定

ここでは、IPX MLS を設定する手順について説明します。

「IPX MLS のグローバルなイネーブル化」

「レイヤ 3 インターフェイス上での IPX MLS のイネーブル化」

「MLS エージング タイムの設定」

「最小 IPX MLS フロー マスクの設定」


) スイッチに VLAN を設定する手順については、第7章「レイヤ 2 スイッチング用 LAN ポートの設定」を参照してください。



) Release 12.1(11b)E 以降を使用している場合に、コンフィギュレーション モードで EXEC モードレベルのコマンドを入力するには、EXEC モードレベルのコマンドの前に do キーワードを入力します。


IPX MLS のグローバルなイネーブル化

IPX MLS はグローバルにイネーブルに設定されていて、ディセーブルにすることはできません。

レイヤ 3 インターフェイス上での IPX MLS のイネーブル化

特定のインターフェイス上で IPX MLS をイネーブルにする手順は、次のとおりです。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type 1 slot/port } | { port-channel number }}

設定するインターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# mls ipx

IPX MLS をイネーブルにします。

Router(config-if)# no mls ipx

IPX MLS をディセーブルにします。

1.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、インターフェイス FastEthernet 5/5 上で IPX MLS をイネーブルにする例を示します。

Router(config)# interface fastethernet 5/5
Router(config-if)# mls ipx
Router(config-if)#
 

IPX MLS インターフェイスの設定を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show [ ipx [ interface {{ vlan vlan_ID } | { type 2 slot/port } | { port-channel number }}] | nde ]

インターフェイスに関する MLS の詳細情報を表示します。

2.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、インターフェイス VLAN 200 について IPX MLS のインターフェイス情報を表示する例を示します。

Router# show ipx interface vlan 200
Vlan200 is up, line protocol is up
IPX address is 2.0050.3e8d.6400, NOVELL-ETHER [up]
Delay of this IPX network, in ticks is 1 throughput 0 link delay 0
IPXWAN processing not enabled on this interface.
IPX SAP update interval is 60 seconds
IPX type 20 propagation packet forwarding is disabled
Incoming access list is not set
Outgoing access list is not set
IPX helper access list is not set
SAP GGS output filter list is not set
SAP GNS processing enabled, delay 0 ms, output filter list is not set
SAP Input filter list is not set
SAP Output filter list is not set
SAP Router filter list is not set
Input filter list is not set
Output filter list is not set
Router filter list is not set
Netbios Input host access list is not set
Netbios Input bytes access list is not set
Netbios Output host access list is not set
Netbios Output bytes access list is not set
Updates each 60 seconds aging multiples RIP: 3 SAP: 3
SAP interpacket delay is 55 ms, maximum size is 480 bytes
RIP interpacket delay is 55 ms, maximum size is 432 bytes
RIP response delay is not set
IPX accounting is disabled
IPX fast switching is configured (enabled)
RIP packets received 0, RIP packets sent 1, 0 Throttled
RIP specific requests received 0, RIP specific replies sent 0
RIP general requests received 0, 0 ignored, RIP general replies sent 0
SAP packets received 0, SAP packets sent 1, 0 Throttled
SAP GNS packets received 0, SAP GNS replies sent 0
SAP GGS packets received 0, 0 ignored, SAP GGS replies sent 0
IPX mls switching is enabled
Router#

MLS エージング タイムの設定

MLS エージング タイムは、すべての MLS キャッシュ エントリに適用されます。「MLS エージング タイムの設定」を参照してください。


) IPX MLS は、fast エージングを使用しません。


最小 IPX MLS フロー マスクの設定

PFC 上の MLS キャッシュに、フロー マスクの最小の細かさを設定できます。実際に使用されるフロー マスクは、最低でもこのコマンドで指定した細かさを持つようになります。各種フロー マスクの機能については、「フロー マスク」を参照してください。


注意 このコマンドを実行すると、MLS キャッシュ内の既存のショートカットがすべて消去され、PFC 上のアクティブなショートカット数が変わります。このコマンドは、慎重に使用してください。

最小 IPX MLS フロー マスクを設定するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router(config)# mls flow ipx {destination | destination-source}

最小 IPX MLS フロー マスクを設定します。

Router(config)# no mls flow ipx

デフォルトの IPX MLS フロー マスクに戻します。

次に、最小 IPX MLS フロー マスクを destination に設定する例を示します。

Router(config)# mls flow ipx destination
Router(config)#
 

IPX MLS フロー マスク設定を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls flowmask

フロー マスクの設定を表示します。

次に、MLS フロー マスクの設定を表示する例を示します。

Router# show mls flowmask
current ip flowmask for unicast: destination only
current ipx flowmask for unicast: destination only

IPX MLS 情報の表示

ここでは、IPX MLS の設定やスイッチおよび各種インターフェイスに関する統計情報を表示するコマンドについて説明します。具体的な内容は次のとおりです。

「IPX MLS キャッシュ エントリの表示」

「IPX MLS コンテンション テーブルの表示」

「IPX MLS VLAN 統計情報の表示」

IPX MLS キャッシュ エントリの表示

show mls ipx コマンドを実行すると、IPX ショートカットのキャッシュ エントリが表示されます。次のパラメータを指定して、表示する情報を絞り込むことができます。

source および destination パラメータを指定すると、これらのエントリに対応する送信元および宛先 IPX ネットワーク アドレスが表示されます。

interface 引数を指定すると、特定のインターフェイス番号に対応するキャッシュ エントリだけが表示されます。

slot を指定すると、特定のスロット番号に対応するキャッシュ エントリだけが表示されます。

macs および macd 引数および IPX ネットワーク アドレスを指定すると、これらのエントリに対応する送信元および宛先 MAC アドレスが表示されます。

スイッチ上のすべての IPX MLS エントリを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ipx [destination ipx_network_address | interface {{ vlan vlan_ID } | { type 3 slot/port } | { port-channel number }} | macd destination_mac_address | macs source_mac_address | source ipx_network_address ]]

各種の IPX MLS キャッシュ エントリを表示します。

3.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

ここでは、スイッチ上の特定の IPX MLS キャッシュ エントリを表示する例を示します。

「すべての IPX MLS キャッシュ エントリの表示」

「特定の宛先アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示」

「特定の送信元アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示」

「特定のインターフェイスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示」

「特定の MAC 宛先または送信元アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示」

すべての IPX MLS キャッシュ エントリの表示

スイッチ上のすべての IPX MLS キャッシュ エントリを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ipx

すべての IPX MLS エントリを表示します。

次に、スイッチ上のすべての IPX MLS エントリを表示する例を示します。

Router# show mls ipx
DstNet-DstNode SrcNet DstVlan-DstMac Pkts Bytes
-----------------------------------------------------------------------
SrcDstPorts SrcDstEncap Age LastSeen
----------------------------------------
 
Number of Entries Found = 0
 
Router#
 

特定の宛先アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定の宛先 IPX アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ipx [ destination ipx_addr ]

特定の宛先アドレス( net_address . node_address )に対応する IPX MLS エントリを表示します。

次に、特定の宛先アドレスに対応する IPX MLS エントリを表示する例を示します。

Router# show mls ipx destination 1.2.2.2
DstNet-DstNode SrcNet DstVlan-DstMac Pkts Bytes
-----------------------------------------------------------------------
SrcDstPorts SrcDstEncap Age LastSeen
----------------------------------------
 
Number of Entries Found = 0
 
Router#
 

特定の送信元アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定の送信元ネットワーク アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ipx source ipx_address

特定の送信元ネットワーク アドレス(net_address)に対応する IPX MLS エントリを表示します。


) この作業は、destination-source モードの IPX フローに対して行う必要があります。詳細については、「フロー マスク モード」を参照してください。


次に、特定の送信元 IPX アドレスに対応する IPX MLS エントリを表示する例を示します。

Router# show mls ipx source 1.2.2.2
DstNet-DstNode SrcNet DstVlan-DstMac Pkts Bytes
-----------------------------------------------------------------------
SrcDstPorts SrcDstEncap Age LastSeen
----------------------------------------
 
Number of Entries Found = 0
 
Router#
 

特定のインターフェイスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定のインターフェイスに対応する IPX MLS エントリを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ipx interface {{ vlan vlan_ID } | { type 4 slot/port } | { port-channel number }}

特定のインターフェイスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリを表示します。

4.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、IPX インターフェイス FastEthernet 5/4 に対応する IPX MLS エントリを表示する例を示します。

Router# show mls ipx interface fastethernet 5/4
DstNet-DstNode SrcNet DstVlan-DstMac Pkts Bytes
-----------------------------------------------------------------------
SrcDstPorts SrcDstEncap Age LastSeen
----------------------------------------
 
Number of Entries Found = 0
 
Router#
 

特定の MAC 宛先または送信元アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリの表示

特定の MAC 宛先または送信元アドレスに対応する IPX MLS エントリを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ipx [ macd destination_address | macs source_address ]

特定の宛先または送信元 MAC アドレスに対応する IPX MLS キャッシュ エントリを表示します。

次に、特定の MAC 宛先アドレスに対応する IPX MLS エントリを表示する例を示します。

Router# show mls ipx macd aaaa.bbbb.bbbb
DstNet-DstNode SrcNet DstVlan-DstMac Pkts Bytes
-----------------------------------------------------------------------
SrcDstPorts SrcDstEncap Age LastSeen
----------------------------------------
 
Number of Entries Found = 0
 
Router#
 

IPX MLS コンテンション テーブルの表示

show mls table-contention コマンドを実行すると、スイッチのフロー コンテンション レベルが表示されます。Table Contention Level(TCL)が 0(標準)~ 3(最大)の範囲で表示されます。TCL がレベル 1 ~ 3 に達すると、より高速なエージングが開始され、現在のコンテンション レートを小さくするための最適なレートでエントリを期限切れにする処理が行われます。detailed オプションを設定すると、フローごとにコンテンションが分類されて表示されます。

スイッチに関する MLS コンテンション テーブルおよび VLAN 統計情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls table-contention [detailed | summary]

IPX MLS コンテンション テーブルを表示します。

次に、スイッチに関する IPX MLS コンテンション テーブルを表示する例を示します。

Router# show mls table-contention detailed
Detailed Table Contention Level Information
===========================================
Layer 3
-------
L3 Contention Level: 0
Page Hits Requiring 1 Lookup = 10
Page Hits Requiring 2 Lookups = 0
Page Hits Requiring 3 Lookups = 0
Page Hits Requiring 4 Lookups = 0
Page Hits Requiring 5 Lookups = 0
Page Hits Requiring 6 Lookups = 0
Page Hits Requiring 7 Lookups = 0
Page Hits Requiring 8 Lookups = 0
Page Misses = 0
 
Router#
 

IPX MLS VLAN 統計情報の表示

show mls vlan-statistics コマンドを実行すると、IPX MLS キャッシュ エントリに関する VLAN ベースの統計情報が表示されます。VLAN ID を指定すると、該当する VLAN のショートカットだけが表示されます。スロットを指定すると、そのスロットに関する情報だけが表示されます。VLAN ID やスロットを指定しないと、すべてのエントリが表示されます。

スイッチに関する IPX MLS VLAN 統計情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls vlan-statistics 1-1024

IPX MLS VLAN 統計情報を表示します。

次に、スイッチの各スロットの VLAN 1に関する VLAN 統計情報を表示する例を示します。

Router# show mls vlan-statistics 1
Slot 0
=======
Vlan 1 Statistics Information:
-------------------------------
65280 Layer 2 Packets Bridged, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Input, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Output, 0 Bytes
Slot 1
=======
Vlan 1 Statistics Information:
-------------------------------
65280 Layer 2 Packets Bridged, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Input, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Output, 0 Bytes
Slot 2
=======
Vlan 1 Statistics Information:
-------------------------------
65280 Layer 2 Packets Bridged, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Input, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Output, 0 Bytes
Slot 3
=======
Vlan 1 Statistics Information:
-------------------------------
65280 Layer 2 Packets Bridged, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Input, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Output, 0 Bytes
Slot 4
=======
Vlan 1 Statistics Information:
-------------------------------
65280 Layer 2 Packets Bridged, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Input, 0 Bytes
65280 Layer 3 Packets Output, 0 Bytes
Slot 5
 
(テキスト出力は省略)
 

IPX MLS キャッシュ エントリの消去

入力する基準に従って、レイヤ 3 テーブル内の IPX ショートカット エントリを消去します。clear mls ipx コマンドを使用すると、レイヤ 3 テーブル内で指定のパラメータに一致するショートカット エントリが消去されます。次に示すパラメータを入力しないと、テーブル内のすべての IPX レイヤ 3 エントリが消去されます。

destination または source ― 送信元および宛先ポイントの IPX アドレスを指定してエントリを消去します。

interface およびその引数を指定する必要があります。この場合、指定したインターフェイスに対応するエントリに限って消去します。

macd(MAC destination)または macs(MAC source) ― 消去するエントリを検索するときに使用すべき送信元ポートまたは宛先インターフェイスの引数を指定します。

slot ― 特定のスロット番号に関連づけられたキャッシュ エントリだけが消去されます。

IPX MLS 統計情報を消去するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# clear mls ipx [exclude protocol [all port 1-96 | tcp port 1-96 | udp port 1-96 ] | [destination [ hostname | ipx_address ] interface {{ vlan vlan_ID } | { type 5 slot/port } | { port-channel number }} | macd destination_mac_address | macs source_mac_address ]]

IPX MLS 統計情報を消去します。

5.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、レイヤ 3 テーブル内の IPX インターフェイス、FastEthernet 5/5 の MLS キャッシュ エントリを消去する例を示します。

Router# clear mls ipx interface fastethernet 5/5
Router#
 

MLS エントリを表示して、これらが消去されたことを確認する手順については、「IPX MLS 情報の表示」を参照してください。

IPX MLS のトラブルシューティング

表20-2 に、IPX MLS の問題に関するトラブルシューティングに使用できる debug コマンドを示します。

 

表20-2 IPX MLS debug コマンド

コマンド
説明
[ no ] debug l3-mgr events

レイヤ 3 のマネージャ関連イベントを表示します。

[ no ] debug l3-mgr packets

レイヤ 3 のマネージャ パケットを表示します。

[ no ] debug l3-mgr global

IP グローバル消去イベントのバグ トレースを表示します。

[ no ] debug l3-mgr all

レイヤ 3 のマネージャ デバッギング メッセージをすべてオンにします。

[ no ] debug mls ipx

MLS に関する IPX 関連のイベント(ルートの削除、アクセス リストおよびフロー マスクの変更など)をオンにします。

[ no ] debug mls locator

MLS 探索パケットを使用して、特定のフローをスイッチングしているスイッチを特定します。

[ no ] debug mls all

すべての MLS デバッギング イベントをオンにします。

IPX MLS の問題のトラブルシューティングに使用できる debug コマンドを設定するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router(config)# debug mls {ipx {all | error | events | messages} | rp {all | error| events | ip | ipx | locator | packets | verbose}}

IPX MLS のデバッギングを設定します。

Router(config)# { no | undebug } mls {all | ipx {all | error | events | messages} | rp {all | error| events | ipx | locator | packets | verbose}}

MLS のデバッギングをディセーブルにします。

次に、すべての IPX デバッギングを設定する例を示します。

Router# debug mls ipx all
mls ip all debugging is on
Router#

show tech-support コマンドを実行すると、スイッチのシステム情報が表示されます。特定のアプリケーションに関する詳細情報を取得するには、アプリケーション固有のコマンドを使用します。


表20-3 に、Ethernet Out-of-Band Channel(EOBC)上で動作している Serial Control Protocol(SCP)のトラブルシューティングを行うための SCP 関連の debug コマンドを示します。

 

表20-3 SCP debug コマンド

コマンド
説明
[ no ] debug scp async

SCP システムを通過する非同期データのトレースを表示します。

[ no ] debug scp data

パケット データのトレースを表示します。

[ no ] debug scp errors

SCP のエラーおよび警告を表示します。

[ no ] debug scp packets

SCP システムを通過するパケット データを表示します。

[ no ] debug scp timeouts

タイムアウトを報告します。

[ no ] debug scp all

すべての SCP デバッギング メッセージをオンにします。