Cisco 7304 ルータ モジュラ サービス カード/共有ポート アダプタ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
ファスト イーサネットSPAおよびギガ ビット イーサネットSPAの概要
ファスト イーサネットSPAおよびギガビット イーサネットSPAの概要
発行日;2012/01/09 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

ファスト イーサネットSPAおよびギガビット イーサネットSPAの概要

リリース履歴

サポートされる機能

Cisco 7304 MSC-100の機能

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPA および2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAの機能

制限事項

サポート対象MIB

SPAのアーキテクチャ

パケットの入力方向パス

パケットの出力方向パス

TCAMフィルタリング

SPAハードウェア タイプの表示

show interfacesコマンドの例

show controllersコマンドの例

ファスト イーサネットSPAおよびギガビット イーサネットSPAの概要

この章では、リリース履歴の概要、および4-Port 10/100 Fast Ethernet SPA(共有ポート アダプタ)や2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAを装着したCisco 7304 MSC-100の機能とMIB(管理情報ベース)サポートについて説明します。

この章は、次のセクションから構成されます。

「リリース履歴」

「サポートされる機能」

「制限事項」

「サポート対象MIB」

「SPAのアーキテクチャ」

「SPAハードウェア タイプの表示」

リリース履歴

 

リリース
変更内容

Cisco IOS Release 12.2(20)S3

MSC-100および使用可能なSPAに、Stateful Switchover(SSO)/
Non-Stop Forwarding(NSF)機能が導入されました。

Cisco IOS Release 12.2(20)S2

Cisco 7304ルータに、次のハードウェア サポートが導入されました。

Cisco 7304 Modular Services Card(MSC;モジュラ サービス カード)100(MSC-100)

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPA(SPA-4FE-7304)

2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPA(SPA-2GE-7304)

サポートされる機能

ここでは、MSCおよびSPAのハードウェアとソフトウェアでサポートされる主な機能の一部を示します。

Cisco 7304 MSC-100の機能

Online Insertion and Removal(OIR;ホットスワップ)

HA(ハイ アベイラビリティ)サポート ― SSO

デフォルトのHAモードは、Cisco 7304ルータではSSOです。このモードは、MSCおよびSPAが搭載されたCisco 7304ルータに使用できます。何らかの理由によりSSOに障害が発生した場合は、RPRも使用できます。ただし、SPAおよびMSCが搭載されたCisco 7304ルータでは、現在RPR+はサポートされていません。

Cisco 7304ルータのHAの詳細については、次のURLを参照してください。

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122s/122snwft/release/122s18/12e_rpr.htm


) MSCおよびSPAが搭載されたCisco 7304でSSOがサポートされるようになったのは、Cisco IOS Release 12.2(20)S3以降です。したがって、MSCおよびSPAをサポートする最初のCisco IOSリリースであるCisco IOS Release 12.2(20)S2では、SSOはサポートされません。Cisco 7304ルータのデフォルトのHAモードはSSOですが、デバイスがサポート対象外の場合、ルータは自動的にRPRモードになります。したがって、Cisco IOS Release 12.2(20)S2が稼働するCisco 7304ルータのMSCでは、RPRが使用されます。


Field Programmable Gate Array(FPGA)アップグレードのサポート

MSC-100はCisco 7304ルータの標準FPGAアップグレード方式をサポートします。FPGAサポートの詳細については、 第5章「FPDのアップグレード」 を参照してください。

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPA および2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAの機能

次に、4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAと2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAの両方でサポートされる重要なハードウェアおよびソフトウェア機能の一部を示します。

銅線(RJ45)および光ファイバ(Small Form-factor Pluggable[SFP])メディア タイプを両方とも使用している場合の速度、デュプレックス、およびIEEE 802.3xフロー制御(ポーズ フレーム)の自動ネゴシエーション。銅線モードでは、自動ネゴシエーション中に10/100/1000の速度および全二重/半二重がアドバタイズされます。光ファイバ モードでは、1000 Mbpsの速度および全二重のみがアドバタイズされます。イーサネット ポーズ フレーム機能もアドバタイズされます。

IEEE 802.3xフロー制御および非対称フロー制御

ローカル(内部)ループバックおよび外部ループバック

ストレート ケーブルおよびMedia Dependent Interface Crossover(MDIX;メディア依存型インターフェイス クロスオーバー)ケーブルの自動検知

ジャンボ フレーム(最大9216バイト)およびレイヤ2ヘッダー バイト

最小パケット サイズ(64バイト)より小さなフレームに対するフレーム パディング

SPAにつき、合計2048個のMAC(メディア アクセス制御)宛先アドレス エントリ。インターフェイスごとに、次のエントリ数がサポートされます。

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAの場合 ― インターフェイスごとに512個のMAC宛先アドレス

2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAの場合 ― インターフェイスごとに1024個のMAC宛先アドレス

SPAにつき、合計4096個のVLAN(仮想LAN)エントリ。インターフェイスごとに、次のエントリ数がサポートされます。

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAの場合 ― インターフェイスごとに1024個のVLAN

2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAの場合 ― インターフェイスごとに2048個のVLAN

MSC-100に依存しない、またはMSC-100を使用した、CLI(コマンドライン インターフェイス)制御のOIR

インターフェイス単位のポリシー ドロップ用ポート カウンタ、オーバーサブスクライブ ドロップ、Cyclic Redundancy Check(CRC;巡回冗長検査)エラー ドロップ、パケット サイズ、ユニキャスト、マルチキャスト、およびブロードキャスト パケット

Application Specific Integrated Circuit(ASIC;特定用途向けIC)エラーおよび不連続メモリ エラーに関するパリティおよびCRC検出

SFPデバイスのセキュリティ チェック

FPGAアップグレードのサポート

FPGAサポートの詳細については、 第5章「FPDのアップグレード」 を参照してください。

制限事項

Cisco IOS Release 12.2(20)S2では、4-Port 10/100 Fast Ethernet SPA および2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAは次の機能をサポートしません。

EtherChannel ― 802.1ADリンク アグリゲーション

イーサネットAutomatic Protection Switching(APS;自動保護スイッチング)

ISL(スイッチ間リンク)カプセル化

Universal Transport Interface(UTI)

サポート対象MIB

Cisco 7304ルータに4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAおよび2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAが搭載されている場合、Cisco IOS Release 12.2(20)S2では次のMIBがサポートされます。

CISCO-ENTITY-ALARM-MIB

CISCO-CLASS-BASED-QOS-MIB

CISCO-ENVMON-MIB(Network Processing Engine [NPE;ネットワーク処理エンジン]、Network Service Engine [NSE;ネットワーク サービス エンジン]、ライン カード、およびMSC専用)

CISCO-ENTITY-ASSET-MIB

CISCO-ENTITY-FRU-CONTROL-MIB

CISCO-ENTITY-SENSOR-MIB

ENTITY-MIB

ETHERLIKE-MIB

IF-MIB

RMON-MIB

MPLS-LDP-MIB

MPLS-LSR-MIB

MPLS-TE-MIB

MPLS-VPN-MIB

Cisco 7304ルータでサポートされているMIBの詳細については、次のURLにある『 Cisco 7304 Router MIB Specifications Guide 』を参照してください。

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/core/cis7300/7304mibs/

選択されたプラットフォーム、Cisco IOSリリース、およびフィーチャ セットに対応するMIBを検索し、ダウンロードするには、次のURLにあるCisco MIB Locatorを使用します。

http://tools.cisco.com/ITDIT/MIBS/servlet/index

必要なMIB情報がCisco MIB Locatorでサポートされていない場合は、次のURLにあるCisco MIBページからサポート対象MIBのリストを入手して、MIBをダウンロードすることもできます。

http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml

Cisco MIB Locatorにアクセスするには、Cisco.comのアカウントが必要です。アカウント情報を忘れたり、紛失した場合は、cco-locksmith@cisco.comに空の電子メールを送信してください。送信された電子メール アドレスがCisco.comに登録されているかどうか、自動チェック機能によって確認されます。チェックに成功すると、アカウントの詳細と新規のランダム パスワードが電子メールで通知されます。承認されたユーザは次のURLの指示に従って、Cisco.comのアカウントを確立できます。

http://www.cisco.com/register

SPAのアーキテクチャ

ここでは、4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAのアーキテクチャの概要、およびパケットの入出力方向パスを示します。アーキテクチャの一部は、SPAソフトウェアで参照されます。また、一部のSPA CLIおよび show コマンド出力のトラブルシューティングや解釈を行うときに、アーキテクチャの知識があると理解する上で役に立ちます。

図 3-1に、4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAおよび2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAのアーキテクチャに含まれるハードウェア デバイスの一部を示します。この図には、ファスト イーサネットSPAでのみサポートされているRJ-45ポートが4つ示されています。

図 3-1 4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAのアーキテクチャ

 

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAのすべての着信および発信パケットは、PHY(物理)、MAC、およびFPGAデバイスを経由します。

パケットの入力方向パス

ここでは、4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAを経由する入力パケットのパスについて説明します。

1. PHYデバイスは4つのRJ-45インターフェイス コネクタのいずれかから、ポート単位で着信フレームを受信します。

2. PHYデバイスは受信したフレームを処理し、RGMIIパスを介してMACデバイスに送信します。

3. MACデバイスはフレームを受信し、ポート単位のFirst-in first-out(FIFO;先入れ先出し)受信バッファに格納して、MACレベルのフレーム処理を実行します。MACデバイスでは、フレームのCRCが削除されません。

4. 受信フレームの確認が終了すると、MACデバイスはフレームをFPGAデバイスに転送します。

5. FPGAデバイスはフレームを受信し、ポート単位のFIFO受信バッファに格納します。

6. FPGAデバイスはインターフェイスがプロミスキャス モードで動作しているかどうかに基づいて、フィルタリングを実行します。インターフェイスがプロミスキャス モードで動作している場合、フィルタリングは発生せず、FPGAデバイスはすべてのフレームをさらに処理します。

インターフェイスがプロミスキャス モードで動作していない場合、FPGAデバイスは2つのTernary CAM(TCAM)テーブル検索を実行して、MAC宛先アドレスおよびVLAN IDに基づいて受信フレームをフィルタリングします。許可されるMAC宛先アドレスおよびVLAN IDは、サポートされているルータ設定によって決まります。

TCAM処理の詳細については、「TCAMフィルタリング」を参照してください。

7. フレームがTCAMフィルタリング処理を通過した場合、FPGAはレイヤ2 CRCを除去し、SPI4.2パスを介してMSCにフレームを転送します。

8. Cisco 7304 MSC-100はフレームを受信し、ポート単位の受信バッファに格納します。MSCがフレーム全体を受信すると、フレームはNSEまたはNPEに送信されて、さらに処理されます。

パケットの出力方向パス

ここでは、Cisco 7304 MSC-100から4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAを介して送信される出力パケットのパスについて説明します。

1. Cisco 7304 MSC-100はNSEまたはNPEからフレームを受信し、出力リンク ヘッダーを除去し、ポート単位の送信バッファに格納します。

2. Cisco 7304 MSC-100は完全なフレームを受信すると、インターリーブ モードでSPA FPGAデバイスにフレームを転送します。

3. FPGAデバイスは(必要に応じて)フレームにパディングし、レイヤ2 CRCを追加して、フレームをMACデバイスに送信します。

4. MACデバイスはフレームを受信し、ポート単位のFIFO送信バッファに格納して、MACレベルのフレーム処理を実行します。

5. MACデバイスは完全なフレームを受信すると、フレームをPHYデバイスに転送します。

6. PHYデバイスはフレームを符号化して、一列に並べ、物理インターフェイス(4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAの4つのRJ-45インターフェイス コネクタのいずれか)を介してフレームを送信します。

TCAMフィルタリング

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAおよび2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPAは、インターフェイスごとにTCAM領域を2つサポートします。1つは、MAC宛先アドレス フィルタリング用です(ファスト イーサネットSPAでは、インターフェイスごとに512個、ギガビット イーサネットSPAではインターフェイスごとに1024個、合計で2048個のエントリをサポートします)。もう1つは、VLAN IDフィルタリング用です(ファスト イーサネットSPAでは、インターフェイスごとに1024個、ギガビット イーサネットSPAではインターフェイスごとに2048個、合計で4096個のエントリをサポートします)。インターフェイスがプロミスキャス ポートで動作していない場合、フィルタリングはデフォルトでイネーブルです。インターフェイスがプロミスキャス モードで動作している場合、またはTCAMテーブルが一杯の場合、フィルタリングは発生しません。これら以外に、フィルタリングのイネーブル化およびディセーブル化をユーザが設定することはできません。

TCAMエントリでサポートされるのは、許可フィルタリングのみです。たとえば、インターフェイスのTCAMテーブルにMAC宛先アドレスが存在しない場合、フレームは廃棄されます。MAC宛先アドレス エントリは、ルーティング プロトコルのマルチキャスト アドレスのようなものとして、TCAMにが追加されます。ユニキャスト アドレスは通常テーブルに格納されません。デフォルトでは、ルータのリロード時に、ローカル インターフェイス アドレス、イーサネット ブロードキャスト アドレス、およびイーサネット マルチキャスト アドレスの3つの宛先アドレスがTCAMテーブルに追加されます。

VLANフィルタリングの場合、テーブルにはVLAN IDが0の2つのデフォルト エントリが常に格納されています。これらはプロミスキャス モードおよび非VLANパケットの処理に使用するローカル インターフェイス ポートを表します。インターフェイスの設定に応じて、テーブルには他のVLAN IDが格納されます。

インターフェイスのTCAMテーブルのステータスを表示するには、 show controllers fastethernet コマンドまたは show controllers gigabitethernet コマンドを使用します。

SPAハードウェア タイプの表示

ご使用のCisco 7304ルータに搭載されたSPAハードウェア タイプを確認するには、 show interfaces コマンドまたは show controllers コマンドを使用します。Cisco 7304ルータには、 show c7300 show diag コマンドなど、SPAハードウェア情報を表示するコマンドがほかにもあります。これらのコマンドの詳細については、 第8章「コマンド リファレンス」 を参照してください。

表 3-1 に、Cisco 7304ルータでサポートされているSPAのタイプごとに、 show コマンド出力に表示されるハードウェアの説明を示します。

 

表 3-1 showコマンドで表示されるSPAハードウェアの説明

SPA
show interfacesおよびshow controllers
コマンドの説明

4-Port 10/100 Fast Ethernet SPA

Hardware is SPA-4FE-7304

2-Port 10/100/1000 Gigabit Ethernet SPA

Hardware is SPA-2GE-7304

show interfacesコマンドの例

次に、スロット4に4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAが搭載されたCisco 7304ルータに show interfaces fastethernet コマンドを実行した場合の出力例を示します。

Router# show interfaces fastethernet 4/0/0
FastEthernet4/0/0 is up, line protocol is up
Hardware is SPA-4FE-7304, address is 00b0.64ff.5d80 (bia 00b0.64ff.5d80)
Internet address is 192.168.50.1/24
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.
.

show controllersコマンドの例

次に、スロット4に4-Port 10/100 Fast Ethernet SPAが搭載されたCisco 7304ルータに show controllers fastethernet コマンドを実行した場合の出力例を示します。

Router# show controllers fastethernet 4/0/0
Interface FastEthernet4/0/0
Hardware is SPA-4FE-7304
Connection mode is auto-negotiation
Interface state is up, link is up
Configuration is Auto Speed, Auto Duplex
Selected media-type is RJ45
.
.
.