Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
IEEE 802.1Q VLAN に対する IP アンナンバードの設定
IEEE 802.1Q VLAN に対する IP アンナンバードの設定
発行日;2012/02/05 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 7MB) | フィードバック

目次

IEEE 802.1Q VLAN に対する IP アンナンバードの設定

VLAN 上の IP アンナンバード機能の履歴

VLAN の IP アンナンバードの利点

VLAN の IP アンナンバードの制約事項

VLAN の IP アンナンバードの設定作業

イーサネット VLAN サブインターフェイスに対する IP アンナンバードの設定

イーサネット VLAN サブインターフェイスの範囲に対する IP アンナンバードの設定

VLAN 上の IP アンナンバードの設定例

IP アンナンバード イーサネット VLAN サブインターフェイスのモニタリングおよびメンテナンス

IEEE 802.1Q VLAN に対する IP アンナンバードの設定

サービス プロバイダーは、ネットワーク構成の簡素化と低価格化を絶えず模索し、加入者のプロビジョニング コストを削減しています。サービス プロバイダーがこのような結果を得るための 1 つの方法は、ATM ネットワークから IP ネットワークに移行し、ATM アップリンクではなく、ギガビット イーサネット アップリンクを使用するために Digital Subscriber Line Access Multiplexer(DSLAM; デジタル加入者線アクセス マルチプレクサ)をアップグレードして、Cisco 10000 シリーズ ルータなどの集約ルータに DSLAM を接続することです。

Digital Subscriber Line(DSL; デジタル加入者線)環境では、サービス プロバイダーは集約ルータのアンナンバード インターフェイスに ATM Routed Bridge Encapsulation(RBE; ルーテッド ブリッジ エンカプセレーション)を設定するサービス モデルを使用します。この設定では、加入者に IP ルートを関連付け、Virtual Path Identifier/Virtual Connection Identifier(VPI/VCI; 仮想パス識別子/仮想チャネル識別子)ペアを使用して IP ルートを識別します。この方法によって、すべての加入者が同一のサブネットを安全に共有でき、サービス プロバイダーは IP アドレス スペースを節約できます。DHCP サーバが加入者に IP アドレスを提供する際に、集約ルータが IP ルートを動的に設定します。

Cisco 10000 シリーズ ルータは、アンナンバード インターフェイス サービス モデルに RBE を構築することにより、IEEE 802.1Q VLAN に対して IP アンナンバードを設定できるようにします。VPI/VCI ペアを使用して加入者のルートを識別するのではなく、Cisco 10000 シリーズ ルータはイーサネット インターフェイスで加入者に Virtual LAN(VLAN)識別子をマッピングします。

Cisco 10000 シリーズ ルータは、IEEE 802.1Q VLAN の IP アンナンバード方式をサポートします。Cisco IOS Release 12.3(7)XI1 より前のリリースにおける VLAN サブインターフェイスの IP サポートでは、VLAN を終端する各サブインターフェイスに対して別個の IP サブネットを設定する必要がありました。その結果、VLAN に割り当てられたホストに IP サブネット全体が必要とされない場合が多く、IP アドレス スペースが非効率的に使用されていました。VLAN の IP アンナンバードは、イーサネット VLAN サブインターフェイスを含むサービス プロバイダー設定の IP アドレス スペースを節約するのに役立ちます。

IP アンナンバードが設定された VLAN サブインターフェイスは、IP アドレス割り当てに対して DHCP をサポートします。DHCP サーバは DHCP Option 82 の情報を使用して、VLAN 上のホストに IP アドレスを割り当てます。ルーティング テーブルは動的にアップデートされ、各サブインターフェイスに割り当てられた IP アドレスの IP ルートを挿入します。これらの IP ホスト ルートは、DHCP リース時間が終了またはホストがリース済みアドレスを解放するまで存在します。


) Option 82 に関する詳細については、「DHCP リレー エージェント情報オプション ― Option 82」を参照してください。


サブインターフェイスがダウンした場合、IP ホスト ルートは DHCP リース時間が終了するまで存在します。ただし、show ip route dhcp コマンドを入力する場合、IP ホスト ルートが表示されません。DHCP リース時間が終了していない場合、サブインターフェイスがアップ状態に戻ったあとに、show ip route dhcp コマンドを入力すると、IP ホスト ルートが表示されます。

この章では、IEEE 802.1Q VLAN 上の IP アンナンバード機能について説明します。

「VLAN 上の IP アンナンバード機能の履歴」

「VLAN の IP アンナンバードの利点」

「VLAN の IP アンナンバードの制約事項」

「VLAN の IP アンナンバードの設定作業」

「VLAN 上の IP アンナンバードの設定例」

「IP アンナンバード イーサネット VLAN サブインターフェイスのモニタリングおよびメンテナンス」

VLAN 上の IP アンナンバード機能の履歴

 

Cisco IOS リリース
説明
必要な PRE

12.3(7)XI1

この機能が Cisco 10000 シリーズ ルータに導入されました。

PRE2

12.2(28)SB

この機能が Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合されました。

PRE2

VLAN の IP アンナンバードの利点

VLAN の IP アンナンバード方式は、サービス プロバイダーにとって、次のような利点があります。

DSL プロバイダーは、ATM ネットワークから IP ネットワークに簡単に移行でき、ルータへの接続のために DSLAM を ATM アップリンクからギガビット イーサネット アップリンクに移行できます。

1 つのルータと同一のサービス モデルを使用することにより、プロバイダーは DSL およびメトロ イーサネット加入者に対してレイヤ 2 アクセスを集約できます。

すべてのポートが同一のサブネットを共有できるので、IP アドレス スペースを節約できます。

各 IP アンナンバード サブインターフェイスは 1 つの VLAN をサポートし、各 VLAN は複数の IP アドレスを持つことができます。

加入者を簡単に識別できるため、加入者単位で異なるポリシーを適用することが可能です。

DHCP は、アドレス管理を簡略化します。

VLAN の使用によって、セキュリティが強化されます。

VLAN の使用によって、セキュリティが増します。ルーティング情報が DHCP から取得されるため、ARP および Media Access Control(MAC; メディア アクセス制御)エントリが偽造されません。

VLAN の IP アンナンバードの制約事項

VLAN の IP アンナンバードには次の制約事項があります。

IP アンナンバードを設定できるのは、イーサネット VLAN サブインターフェイスと point-to-point(p2p; ポイントツーポイント)インターフェイスだけです。

14,000 を超える IP アンナンバード サブインターフェイスを設定し、ルータ上のすべてのインターフェイスに Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)を設定している場合は、ルータが応答を停止する可能性があります。この問題を回避するには、 passive-interface default コマンド(すべてのルータ インターフェイスのルーティング アップデート送信をディセーブルにする)を使用してから、ルーティング アップデートを送信するインターフェイスとして選択したインターフェイスに no passive-interface コマンドを設定します。

VLAN の IP アンナンバードの設定作業

VLAN の IP アンナンバードを設定するには、次の設定作業を少なくとも 1 つ実行します。

「イーサネット VLAN サブインターフェイスに対する IP アンナンバードの設定」

「イーサネット VLAN サブインターフェイスの範囲に対する IP アンナンバードの設定」

イーサネット VLAN サブインターフェイスに対する IP アンナンバードの設定

イーサネット VLAN サブインターフェイスに対して IP アンナンバードを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface type number slot / module / port . subinterface

サブインターフェイスを設定して、サブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

Router(config-subif)# encapsulation dot1q vlan-id [ native ]

VLAN に指定されたサブインターフェイス上のトラフィックの IEEE 802.1Q カプセル化をイネーブルにします。デフォルトでは、IEEE 802.1Q カプセル化がディセーブルにされています。

vlan-id 引数は、VLAN ID です。有効値は 1 ~ 4095 です。

native オプションは、ポートの VLAN ID 値を vlan-id 引数に指定した値に設定します。

ステップ 3

Router(config-subif)# ip unnumbered type number

インターフェイスに明示的な IP アドレスを割リ当てずに、シリアル インターフェイス上の IP 処理をイネーブルにします。デフォルトでは、IP アンナンバードがディセーブルにされています。

type および number の引数は、ルータが IP アドレスを割り当てた他のインターフェイスのタイプおよび番号を示します。このインターフェイスは、他のアンナンバード インターフェイスではありません。

例7-1 では、サブインターフェイス Fast Ethernet 1/0.1 に IP アンナンバードを設定します。

例7-1 イーサネット VLAN サブインターフェイスに対する IP アンナンバードの設定

Router(config)# interface fastethernet 1/0.1
Router(config-subif)# encapsulation dot1q 10
Router(config-subif)# ip unnumbered ethernet3/0
 

イーサネット VLAN サブインターフェイスの範囲に対する IP アンナンバードの設定

イーサネット VLAN サブインターフェイスの範囲に IP アンナンバードを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface range type number slot / module / port . subinterface - type number slot / module / port . subinterface

サブインターフェイス範囲を指定して、サブインターフェイス レンジ設定モードを開始します。

ステップ 2

Router(config-subif-range)# encapsulation dot1q vlan-id [ native ]

interface range コマンドを使用して指定する範囲内の各サブインターフェイスに VLAN ID を適用します。

vlan-id 引数で指定する VLAN ID が、範囲内の最初のサブインターフェイスに適用されます。各インターフェイスには、指定された vlan-id にサブインターフェイス番号を加え、最初のサブインターフェイス番号を引いた VLAN ID が割り当てられます。次に、例を示します。

VLAN ID + サブインターフェイス番号 - 最初のサブインターフェイス番号

ステップ 3

Router(config-subif-range)# ip unnumbered type number

インターフェイスに明示的な IP アドレスを割リ当てずに、シリアル インターフェイス上の IP 処理をイネーブルにします。デフォルトでは、IP アンナンバードがディセーブルにされています。

type および number の引数は、ルータが IP アドレスを割り当てた他のインターフェイスのタイプおよび番号を示します。このインターフェイスは、他のアンナンバード インターフェイスではありません。

例7-2 では、1/0.1 ~ 1/0.1000 のファスト イーサネット サブインターフェイスに IP アンナンバードを設定します。

例7-2 イーサネット VLAN サブインターフェイスの範囲に対する IP アンナンバードの設定

Router(config)# interface range fastethernet 1/0.1 - fastethernet 1/0.1000
Router(config-subif-range)# ip unnumbered ethernet 3/0

VLAN 上の IP アンナンバードの設定例

次に、VLAN サブインターフェイス Fast Ethernet 0/0.1 の IP アンナンバードをイネーブルにする例を示します。

!
interface fastethernet0/0.1
encapsulation dot1q 101
ip unnumbered ethernet 0
 

次に、VLAN サブインターフェイスの範囲に対して IP アンナンバードをイネーブルにする例を示します。

interface range fastethernet0/0.11 - fastethernet0/0.60
encapsulation dot1q 101
ip unnumbered ethernet 0

IP アンナンバード イーサネット VLAN サブインターフェイスのモニタリングおよびメンテナンス

IP アンナンバード イーサネット VLAN サブインターフェイスを監視およびメンテナンスするには、特権 EXEC モードで次のコマンドのいずれかを入力します。

 

コマンド
目的

Router# show interfaces type number slot / module / port . subinterface

指定されたインターフェイスの情報を表示します。

Router# show running-config

現在稼働しているコンフィギュレーション ファイルの内容を表示します。

Router# show running-config [ interface type number ]

特定のインターフェイスの設定を表示します。

Router# show vlans

VLAN サブインターフェイスの情報を表示します。