Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
APS の設定
APS の設定
発行日;2012/02/05 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 7MB) | フィードバック

目次

APS の設定

MR-APS

MR-APS 機能の履歴

MR-APSの制約事項

MR-APS の設定作業

非チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定

チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定

スタティック ルートによる MR-APS の設定

非チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定

チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定

MR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス

SR-APS

SR-APS 機能の履歴

SR-APS の設定

SR-APS のディセーブル化

SR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス

threshold コマンド

SR-APS 信号劣化 BER しきい値の指定

SR-APS 信号障害 BER しきい値の指定

APS の設定

自動保護スイッチング(APS)は、回線が故障した場合に、SONET(Synchronous Optional Network)接続を別の回線に切り替えることを可能にする SONET ネットワークの保護メカニズムです。保護インターフェイスは、実行インターフェイスのバックアップ インターフェイスとして機能します。実行インターフェイスが故障すると、保護インターフェイスはただちにトラフィック負荷を引き継ぎます。この章では、次の APS 機能について説明します。

「MR-APS」

「SR-APS」

MR-APS

Multirouter Automatic Protection Switching(MR-APS)機能によって、回線が故障した場合に、インターフェイス接続を 1 つの回線から別の回線に切り替えることができます。ルータ故障、チャネル信号の劣化または損失、手動介入が発生すると、インターフェイスが切り替わります。マルチルータ環境では、MR-APS 機能によって、SONET 保護インターフェイスを SONET 実行インターフェイスとは別のルータに常駐させることが可能です。

この機能に使用される保護メカニズムには、リニア 1+1 アーキテクチャ(Bellcore の
TR-TSY-000253、『 SONET Transport Systems; Common Generic Criteria 』Section 5.3 に記述)があります。この接続は、双方向、およびリバーティブまたは非リバーティブに設定できます。単一方向 MR-APS はサポートされていません。デフォルトは、双方向になります。スイッチング モードは、接続の遠端でも同一である必要があります。

1+1 アーキテクチャでは、保護インターフェイス(回線)が各実行インターフェイスとペアになります。通常は、保護インターフェイスと実行インターフェイスが Add/Drop Multiplexer(ADM; add/drop マルチプレクサ)に接続され、同一の信号ペイロードが実行インターフェイスと保護インターフェイスに送信されます。

図14-1 は、MR-APS の設定を示します。この図では、実行回線と保護回線の終端が、異なる 2 つのルータに搭載された別々のラインカードとなります。MR-APS 設定におけるインターフェイスは、SONET または SDH(Synchronous Digital Hierarchy)フレーミングのどちらかで設定できます。

図14-1 MR-APS の設定

 

保護回線では、SONET フレームの Line Overhead(LOH)からの K1/K2 バイトが APS 接続の現在の状態を示し、アクションの要求を伝達します。同期化を維持するために接続の終端間では、シグナリング チャネルが使用されます。

ルータを終端とする実行回線および保護回線自体は、実行回線および保護回線から引き離された、独立通信チャネルを通じて同期化されます。図14-1 では、この独立チャネルが異なる Asynchronous Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)接続または低帯域幅の接続である可能性があります。MR-APS 用に設定されたルータでは、保護インターフェイスの設定に、実行インターフェイスを持つルータの IP アドレス(通常、ループバック アドレス)が含まれます。

この章では、次の MR-APS 機能について説明します。

「MR-APS 機能の履歴」

「MR-APSの制約事項」

「MR-APS の設定作業」

「MR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス」

MR-APS 機能の履歴

 

Cisco IOS リリース
説明
必要な PRE

12.0(23)SX

この機能が Cisco 10000 シリーズ ルータに導入されました。

PRE1

12.0(26)S

この機能が Cisco IOS Release 12.0(26)S に統合されました。

PRE1

12.3(7)XI2

この機能が Cisco IOS Release 12.3(7)XI2 に統合されました。

PRE2

12.2(28)SB

この機能が Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合されました。

PRE2

MR-APSの制約事項

Cisco IOS Releases 12.3(7)XI2 および 12.2(28)SB では、次のラインカードの MR-APS がサポートされます。

4 ポート OC3/STM-1 ATM ラインカード

1 ポート OC-12 ATM ラインカード

1 ポート チャネライズド OC-12/STM-4 ラインカード

4 ポート チャネライズド OC-3/STM-1 ラインカード

Cisco IOS Release 12.0(26)S では、次のラインカードでも MR-APS がサポートされます。

6 ポート OC-3/STM-1 Packet over SONET ラインカード

1 ポート OC-12 Packet over SONET ラインカード

非チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定

非チャネライズド ライン カード上で MR-APS を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# redundancy

冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのラインカードを冗長ペアとして関連付けることができます。

ステップ 2

Router(config-r)# associate slot slot-one mr-aps

APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に関連付けます。

MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行インターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応する保護インターフェイスに関連付ける必要があります。

ステップ 3

Router(config-r)# exit

冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 4

Router(config)# interface type number

インターフェイスのタイプと番号を指定します。インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

Router(config-if)# aps group group-number

ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実行インターフェイスをサポートできるようにします。

ステップ 6

Router(config-if)# aps working circuit-number

インターフェイスを実行インターフェイスとして設定します。

ステップ 7

Router(config-if)# exit

インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 8

2 番めのルータ上でステップ 1 ~ 5 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット番号、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 5 が完了したら、ステップ 9 に進みます。

ステップ 9

Router(config-if)# aps protect circuit-number ip-address

インターフェイスを保護インターフェイスとして設定します。

ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータの IP アドレスを指定します。

ステップ 10

Router(config-if)# exit

インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定

チャネライズド ライン カード上で MR-APS を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# redundancy

冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのラインカードを冗長ペアとして関連付けることができます。

ステップ 2

Router(config-r)# associate slot slot-one mr-aps

APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に関連付けます。

MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行インターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応する保護インターフェイスに関連付ける必要があります。

ステップ 3

Router(config-r)# exit

冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 4

Router(config)# controller SONET slot#/subslot#/port#

インターフェイスのタイプと番号を指定します。コントローラ設定モードを開始します。

ステップ 5

Router(config-controller)# aps group group-number

ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実行インターフェイスをサポートできるようにします。

ステップ 6

Router(config-controller)# aps working circuit-number

インターフェイスを実行インターフェイスとして設定します。

ステップ 7

Router(config-controller)# exit

コントローラ設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 8

2 番めのルータ上でステップ 1 ~ 5 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット番号、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 5 が完了したら、ステップ 9 に進みます。

ステップ 9

Router(config-controller)# aps protect circuit-number ip-address

インターフェイスを保護インターフェイスとして設定します。

ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータの IP アドレスを指定します。

ステップ 10

Router(config-controller)# exit

コントローラ設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

例14-1 は、ATM インターフェイス上の MR-APS の設定を示します。この例では、ルータ A に実行インターフェイス、ルータ B に保護インターフェイスが設定されています。ルータ A 上の実行インターフェイスが使用できなくなると、自動的にルータ B 上の保護インターフェイスに接続が切り替わります。

例14-1 MR-APS の設定

ルータ A(実行インターフェイス)

configure terminal
interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.7 255.255.255.0
!
redundancy
associate slot 2 mr-aps
!
interface atm 2/0/0
aps group 1
aps working 1
 

ルータ B(保護インターフェイス)

interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.6 255.255.255.0
!
redundancy
associate slot 3 mr-aps
!
interface atm 3/0/0
aps group 1
aps protect 1 10.7.7.7
 

スタティック ルートによる MR-APS の設定

スタティック ルートにより MR-APS を設定するには、次の手順を実行します。

「非チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定」

「チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定」

非チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定

MR-APS を非チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートにより設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを入力します(任意)。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# redundancy

冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのラインカードを冗長ペアとして関連付けることができます。

ステップ 2

Router(config-r)# associate slot slot-one mr-aps

APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に関連付けます。

MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行インターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応する保護インターフェイスに関連付ける必要があります。

ステップ 3

Router(config-r)# exit

冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 4

Router(config)# ip route prefix mask { ip-address | interface-type interface-number [ ip-address ]} [ distance ] [ name ] [ permanent ] [tag tag]

固定 IP アドレスを設定します。

APS を設定する場合、ルーティング パフォーマンスを向上させるために、インターフェイスのオプションの IP アドレスを指定することを推奨します。

ステップ 5

Router(config)# interface type number

インターフェイスのタイプと番号を指定します。インターフェイス コンフィギュレーション モードまたはコントローラ設定モードを開始します。

ステップ 6

Router(config-if)# ip route static update immediate

(任意)インターフェイスがアクティブになった直後にスタティック ルートがルーティング テーブルに追加されるように指定します。

ステップ 7

Router(config-if)# carrier-delay [seconds | msec seconds]

秒単位またはミリ秒単位でキャリア遅延タイマー値を設定します。

このコマンドを使用すると、リンクの停止をフィルタリングし、キャリア遅延タイマーが切れる前に発生した場合でもリンク ダウン イベントとして報告しないようにできます。MR-APS では、リンク ダウン イベント メッセージが最小限に保たれ、システム パフォーマンスを強化できます。

ステップ 8

Router(config-if)# aps group group-number

ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実行インターフェイスをサポートできるようにします。

ステップ 9

Router(config-if)# aps working circuit-number

インターフェイスを実行インターフェイスとして設定します。

ステップ 10

Router(config-if)# exit

インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 11

2 番めのルータ上でステップ 1 ~ 8 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット番号、IP アドレス、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 8 が完了したら、ステップ 12 に進みます。

ステップ 12

Router(config-if)# aps protect circuit-number ip-address

インターフェイスを保護インターフェイスとして設定します。

ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータの IP アドレスを指定します。

ステップ 13

Router(config-if)# exit

インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定

MR-APS をチャネライズド ライン カード上のスタティック ルートにより設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを入力します(任意)。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# redundancy

冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのラインカードを冗長ペアとして関連付けることができます。

ステップ 2

Router(config-r)# associate slot slot-one mr-aps

APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に関連付けます。

MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行インターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応する保護インターフェイスに関連付ける必要があります。

ステップ 3

Router(config-r)# exit

冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 4

Router(config)# ip route prefix mask { ip-address | interface-type interface-number [ ip-address ]} [ distance ] [ name ] [ permanent ] [tag tag]

固定 IP アドレスを設定します。

APS を設定する場合、ルーティング パフォーマンスを向上させるために、インターフェイスのオプションの IP アドレスを指定することを推奨します。

ステップ 5

Router(config)# controller SONET slot#/subslot#/port#

インターフェイスのタイプと番号を指定します。コントローラ設定モードを開始します。

ステップ 6

Router(config-controller)# ip route static update immediate

(任意)インターフェイスがアクティブになった直後にスタティック ルートがルーティング テーブルに追加されるように指定します。

ステップ 7

Router(config-controller)# carrier-delay [seconds | msec seconds]

秒単位またはミリ秒単位でキャリア遅延タイマー値を設定します。

このコマンドを使用すると、リンクの停止をフィルタリングし、キャリア遅延タイマーが切れる前に発生した場合でもリンク ダウン イベントとして報告しないようにできます。MR-APS では、リンク ダウン イベント メッセージが最小限に保たれ、システム パフォーマンスを強化できます。

ステップ 8

Router(config-controller)# aps group group-number

ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実行インターフェイスをサポートできるようにします。

ステップ 9

Router(config-controller)# aps working circuit-number

インターフェイスを実行インターフェイスとして設定します。

ステップ 10

Router(config-controller)# exit

コントローラ設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 11

2 番めのルータ上でステップ 1 ~ 8 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット番号、IP アドレス、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 8 が完了したら、ステップ 12 に進みます。

ステップ 12

Router(config-controller)# aps protect circuit-number ip-address

インターフェイスを保護インターフェイスとして設定します。

ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータの IP アドレスを指定します。

ステップ 13

Router(config-controller)# exit

コントローラ設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

例14-2 は、ATM インターフェイス上のスタティック ルートによる MR-APS の設定を示します。ルータ A に実行インターフェイス、ルータ B に保護インターフェイスが設定されています。ルータ A 上の実行インターフェイスが使用できなくなると、自動的にルータ B 上の保護インターフェイスに接続が切り替わります。172.16.1.0 はトラフィックの宛先ネットワークのアドレスで、Peer Group Protocol(PGP)リンクを介したルートは、MR-APS 実行インターフェイスより大きい距離メトリックの番号を持ちます。

例14-2 スタティック ルートによる MR-APS の設定

ルータ A(実行インターフェイス)

configure terminal
interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.7 255.255.255.0
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
redundancy
associate slot 2 mr-aps
!
interface atm 2/0/0
aps group 1
aps working 1
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 2/0/0 10
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 1/0/0 10.7.7.6 20
 

ルータ B(保護インターフェイス)

configure terminal
interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.6 255.255.255.0
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
redundancy
associate slot 3 mr-aps
!
interface atm 3/0/0
aps group 1
aps protect 1 10.7.7.7
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 3/0/0 10
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 1/0/0 10.7.7.7 20

MR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス

MR-APS の設定を監視およびメンテナンスするには、特権 EXEC モードで次のコマンドのいずれか 1 つを入力します。

 

コマンド
目的

Router# show aps

APS が設定されたインターフェイスについて表示します。

Router# debug aps

APS に関連するデバッグ情報を表示します。

Router(config-if)# aps force circuit-number (unchannelized line cards)

または

Router(config-controller)# aps force circuit-number (channelized line cards)

同等または高いプライオリティの要求が有効でない場合は、手動で指定された回線を保護インターフェイスに切り替えます。

circuit-number は、保護インターフェイスに切り替える回線番号です。


) 保護チャネルがすでにアクティブなチャネルの場合は、このコマンドは機能しません。


Router(config-if)# aps manual circuit-number (unchannelized line cards)

または

Router(config-controller)# aps manual circuit-number (channelized line cards)

手動で回線を保護インターフェイスに切り替えます。

Router# aps lockout [POS | SONET] slot#/subslot#/port#

チャネルがアクティブ、現用、または保護状態に自動的に切り替わらないようにします。


注意 デバッグ出力は CPU プロセスで高優先順位に割り当てられているので、システムを使用不能な状態にする可能性があります。そのため、特定の問題をトラブルシューティングする場合、またはシスコシステムズのテクニカル サポート担当者とのトラブルシューティング セッション時以外はデバッグ コマンドを使用しないようにしてください。また、ネットワーク トラフィックが低く、ユーザが少ないときにデバッグ コマンドを使用するのが最適です。このような時間にデバッグを行えば、デバッグ コマンドの増加したオーバーヘッド処理によってシステム利用に影響が及ぶ可能性が軽減されます。

SR-APS

Cisco 10000 シリーズ ルータは、OC-3 ATM、OC-12 ATM、OC-12 POS、6 ポート OC-3 POS、チャネライズド OC-12、およびチャネライズド 4 ポート STM-1 ラインカードの SONET Single-router Automatic Protection Switching(SR-APS)冗長性をサポートします。次のタイプの SR-APS がサポートされます。

シングル ポート付きラインカード(OC-12 POS など)の SR-APS 1+1 サポートはカード間で実行されます。アクティブ回線が故障すると冗長回線に引き継がれます。

マルチ ポート付きラインカード(OC-3 POS など)の SR-APS 1:1 サポートはポート間で実行されます。Performance Routing Engine(PRE)からアクティブ回線および冗長回線にデータが送信されます。アクティブ ラインカードのポートが故障すると、冗長ラインカードの対応するポートに引き継がれます。複数のポート ライン カードは、ポート フェールオーバーに加えてラインカード フェールオーバーもサポートしています。実行カードが故障すると、保護カードおよびそのカード上のすべてのポートがアクティブになります。

スロットを関連付けると、ソフトウェアによって、奇数番号のスロットがその次の偶数番号のスロットに対応付けられます。

奇数番号のスロット ― プライマリ カードつまり現用カードを搭載します。

偶数番号のスロット ― セカンダリ カードつまり保護カードを搭載します。

図14-2 に、Cisco 10008 シャーシの冗長スロット ペア構成を示します。

図14-2 Cisco 10008 シリーズ ルータの冗長スロット ペア構成

 


) Cisco 10005 シャーシで APS 冗長に使用できるのはスロット 1 と 2、およびスロット 3 と 4 だけです。スロット 5 には対応する次の偶数番号のスロットがないので、APS 冗長には使用できません。


この章では、次の SR-APS 機能について説明します。

「SR-APS 機能の履歴」

「SR-APS の設定」

「SR-APS のディセーブル化」

「SR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス」

「threshold コマンド」

SR-APS 機能の履歴

 

Cisco IOS リリース
説明
必要な PRE

12.0(21)ST

この機能が Cisco 10000 シリーズ ルータに導入されました。

PRE1

12.2(13)BZ

この機能が Cisco IOS Release 12.2(13)S に統合されました。

PRE1

12.3(7)XI

この機能が Cisco IOS Release 12.3(7)XI に統合されました。

PRE2

12.2(28)SB

この機能が Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合されました。

PRE2

SR-APS の設定

SR-APS を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# redundancy

冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのラインカードを冗長ペアとして関連付けることができます。

ステップ 2

Router(config-r)# associate slot odd- slot even-slot

2 つのラインカードを冗長ペアとして関連付けます。

SR-APS を動作させるには、奇数番号のスロットに搭載したラインカードを冗長ペアの最初の番号に指定し、2 番めのラインカードを右隣の偶数番号のスロットに搭載します。

ステップ 3

Router(config-r)# exit

冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。


) 冗長性を設定すると、ソフトウェアではこのペアを 1 つのスロットに搭載されているかのように処理します。インターフェイス スロット番号は常に冗長ペアの奇数番号です。たとえば、スロット 5 と 6 に搭載した冗長ペアの場合、show interface pos 5/0/0 コマンドはアクティブ カードを表します(アクティブ カードがスロット 6 に搭載されている場合も同様です)。


SR-APS のディセーブル化

SR-APS 冗長動作をディセーブルにするには、 associate slot コマンドの no 形式を使用します。次に、例を示します。

Router(config-r)# no associate slot 3 4
 

冗長構成がディセーブル化されると、ソフトウェアは次の方法で実行コンフィギュレーションを変更します。

1. すべての SR-APS 構成情報を削除する。

2. プライマリ カード用と保護カード用の 2 つの構成を作成する。

表14-1 に、冗長性がイネーブルの場合とディセーブルの場合のコンフィギュレーション ファイルの例を示します。

 

表14-1 コンフィギュレーション ファイル ― 冗長性がイネーブルの場合とディセーブルの場合

冗長性がイネーブルの場合
冗長性がディセーブルの場合
card 5/0 1oc12pos-1
card 6/0 1oc12pos-1
!
redundancy
associate slot 5 6
!
interface POS5/0/0
ip address 5.5.5.5 255.255.255.0
no ip directed-broadcast
ip mtu 1500
loopback internal
no keepalive
aps mode linear 1+1 nonreverting unidirectional
aps signal-fail BER threshold 3
aps signal-degrade BER threshold 5
crc 32
clock source internal
pos scramble-atm
pos threshold sd-ber 5
pos flag c2 0
pos flag j0 0
 
card 5/0 1oc12pos-1
card 6/0 1oc12pos-1
!
interface POS5/0/0
ip address 5.5.5.5 255.255.255.0
no ip directed-broadcast
ip mtu 1500
loopback internal
no keepalive
crc 32
clock source internal
pos scramble-atm
pos threshold sd-ber 5
pos flag c2 0
pos flag j0 0
!
interface POS6/0/0
ip address 6.6.6.6 255.255.255.0
no ip directed-broadcast
ip mtu 1500
no ip route-cache cef
no keepalive

SR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス

SR-APS の設定を監視およびメンテナンスするには、特権 EXEC モードで次のコマンドのいずれかを入力します。

 

コマンド
目的

Router# show aps

APS が設定されたスロットの状態を示します。

Router# aps clear [POS | SONET] slot#/subslot#/port#

チャネルの SR-APS コマンドを消去し、自動 SR-APS スイッチングをイネーブルにします。

Router# aps force [POS | SONET] slot#/subslot#/port# from [working | protection]

スイッチを現用チャネルから保護チャネルに、または保護チャネルから現用チャネルに切り替えます。

from working ― スイッチを現用チャネルから保護チャネルに切り替えます。


) 保護チャネルが現在アクティブなチャネルの場合は、このコマンドは機能しません。


from protection ― スイッチを保護チャネルから現用チャネルに切り替えます。


) 現用チャネルが現在アクティブなチャネルの場合は、このコマンドは機能しません。


Router# aps lockout [POS | SONET] slot#/subslot#/port#

チャネルがアクティブ、現用、または保護状態に自動的に切り替わらないようにします。

Router# aps manual [POS | SONET] slot#/subslot#/port# from [working | protection]

現用チャネルから保護チャネルに、または保護チャネルから現用チャネルに手動で切り替えます。

from working ― 現用チャネルから保護チャネルに手動で切り替えます。


) 保護チャネルが現在アクティブなチャネルの場合は、このコマンドは機能しません。


from protection ― 保護チャネルから現用チャネルに手動で切り替えます。


) 現用チャネルが現在アクティブなチャネルの場合は、このコマンドは機能しません。


例14-3 チャネルの SR-APS コマンドを消去

例14-3 に、スロット 5 および 6 に搭載した冗長チャネライズド OC-12 POS カードの SR-APS コマンドを消去する方法を示します。

Router# aps clear pos 5/0/0
 

例14-4 SR-APS 切り替えの実行

例14-4 に、スイッチを現用チャネルから保護チャネルに切り替える方法を示します。

Router# aps force POS 5/0/0 from working
 

例14-5 手動による SR-APS 切り替え

例14-5 に、アクティブ チャネルを現用チャネルから保護チャネルに手動で切り替える方法を示します。

Router# aps manual POS 5/0/0 from working
 

threshold コマンド

threshold コマンドを使用すると、カットオーバーを開始する基準を指定できます。さらに threshold コマンドで設定した基準以外にも、Section Loss of Signal(SLOS; セクション信号損失)クリティカル アラーム、Section Loss of Frame(SLOF; セクション フレーム損失)クリティカル アラームおよび Line Alarm Indicate Signal(LAIS; 回線アラーム検出信号)メジャー アラームによってもカットオーバーは開始されます。

SR-APS 信号劣化 BER しきい値の指定

aps signal-degrade BER threshold コマンドを使用して Bit Error Rate(BER; ビット誤り率)しきい値を変更します。このしきい値を超過した場合、APS カットオーバーが開始されます。

aps signal-degrade BER threshold value
[no] aps signal-degrade
 

value は 10 -5 ~ 10 -9 です。この値には 5 ~ 9 の整数を指定します。

デフォルトの信号劣化 BER しきい値は 10 -6 です。

しきい値をデフォルトに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

次の例では、しきい値が 10 -8 に設定されています。

Router(config)# interface pos 8/0/0
Router(config-if)# aps signal-degrade BER threshold 8
 

SR-APS 信号障害 BER しきい値の指定

aps signal-fail BER threshold コマンドを使用して BER しきい値を変更します。このしきい値を超過した場合、APS カットオーバーが開始されます。

aps signal-fail BER threshold value
[no] aps signal-degrade
 

value は 10 -3 ~ 10 -5 です。この値には 3 ~ 5 の整数を指定します。

デフォルトの信号障害 BER しきい値は 10 -3 です。

しきい値をデフォルトに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

次の例では、しきい値が 10 -4 に設定されています。

Router(config)# interface pos 8/0/0
Router(config-if)# aps signal-fail BER threshold 4