Cisco CRS-1 シリーズ キャリア ルーティング システム 8 スロット ライン カード シャーシのシステム概要
冷却システム
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発行日;2012/02/06 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

冷却システム

冷却システムの概要

ラインカード シャーシ内のエアーフロー

冷却システムの動作

熱アラーム

クイック シャットダウン モード

冷却システムの冗長性

ラインカード シャーシのファン トレイ

冷却システム

この章では、Cisco CRS-1 8 スロット ラインカード シャーシの冷却システムを構成しているコンポーネントについて説明します。内容は次のとおりです。

冷却システムの概要

ラインカード シャーシ内のエアーフロー

冷却システムの動作

冷却システムの冗長性

ラインカード シャーシのファン トレイ

冷却システムの概要

ラインカード シャーシの冷却システムは、ルーティング システムで発生する熱を放出してシャーシ内のコンポーネントの温度を調節します。冷却システムは完全に冗長化されたアーキテクチャとなっているので、単一障害故障(ファン、またはファン トレイが 1 つ故障、など)が発生しても、ルーティング システムは動作し続けることができます。詳細は、「冷却システムの冗長性」を参照してください。またこのアーキテクチャは、冗長負荷分散も可能な設計になっています。

フル装備のシャーシ冷却システムには次のものが含まれています。

ファン トレイ× 2(ファン トレイあたりファン× 4)

温度センサー(シャーシ内のカードとモジュール上に配置)

制御ソフトウェアおよびロジック

エアー フィルタ× 1、吸排気口、およびベゼル

空きシャーシ スロット用インピーダンス キャリア

PDU には専用の冷却ファンも内蔵されています。

ファン トレイにある 4 つのファンは 1 つのグループとして動作します。したがって、通気量を増減する必要がある場合は、トレイ内のファンすべての回転速度が一緒に増減します。シャーシ内で 2つのファン トレイが動作している場合は、両方のトレイのファンの速度が一緒に調節されます。

ラインカード シャーシのいたるところ(吸気口、排気口、および高温箇所)に熱センサーが配置されており、温度値を監視して、システムが適切に冷却されていない状況を判別します。

ファンの動きを制御するために、種類の異なるいくつかの SP モジュール上で動作するソフトウェアが利用されます。この SP モジュールは、内部で RP のシステム コントローラとイーサネットで接続されています。

ラインカード シャーシ内のエアーフロー

ラインカード シャーシ内のエアーフローは、吸気/排気の構造で制御されます(図3-1 参照)。下部のファン トレイはシャーシ前面最下部から外気を取り入れ、最上部のファンがその空気をカード ケージ内を上方に吸い上げたあと、暖まった空気をシャーシ背面の下部から外に排出します。

図3-1 ラインカード シャーシ内のエアーフロー

 

ラインカード シャーシ内の通気量は次のとおりです。

シャーシ通気量:最大 25,485 リットル(900 立方フィート)/分

電源システムのエアーフロー:最大 6,800 リットル(240 立方フィート)/分

シャーシは、下部ファン トレイの上にある引き出し式トレイに、交換可能なエアー フィルタが取り付けられています。ラインカード シャーシのエアー フィルタは、 図3-2 に示すように、シャーシの背面(MSC 側)から差し込みます。

エアー フィルタは必要に応じてときどき交換してください。環境が汚れている場合や温度アラームが頻繁に作動するようになったときは、吸気グリルを点検してゴミや埃をチェックし、エアー フィルタの交換が必要かどうかを確認してください。エアー フィルタを取り外して交換するときは、スペアのフィルタを手元に用意してください。そのように準備したあと、汚れたフィルタを外して、シャーシにスペアのフィルタを取り付けます。


) エアー フィルタは月に 1 度、チェックすることをお勧めします。埃が大量にたまっている場合は、フィルタを交換してください。


図3-2 エアー フィルタ

 

 

1

エアー フィルタのカバー プレート

2

シャーシのエアー フィルタ


) エアー フィルタは、エアーフローの方向を示す矢印が付いていて、両面が格子網になっています。また、フィルタ アセンブリの下流側に一対のシート メタル ストラップが付いています。


冷却システムの動作

ファン制御ソフトウェアと関連回路は DC 入力電圧を変えてそれぞれのファンの速度を制御します。このようにモーターを制御してエアーフローを増減することによって、ルーティング システム適切な温度範囲で運用し続けることができます。シャーシの冷却システムでは、ファンの速度を何段にも切り替えて冷却度、騒音、消費電力を最適化しています。ファンの回転速度には、標準の 4 種類と、ファン トレイに障害が発生した場合に使用する高速設定が 1 種類用意されています。

ルーティング システムの制御ソフトウェアは、電源投入時にファンに電源を入れ、回転速度を 4300 ~ 4500 RPM にします。そうすることで、システムの初期化やソフトウェアの起動中にもエアーフローが行われ、起動中のソフトウェアが停止してもシステムを十分に冷却できるようになっています。ルーティング システム ソフトウェアが起動したあと、ファン制御ソフトウェアが初期化を行います。この処理に 3 ~ 5 分かかります。そのあとでファン制御ソフトウェアはファンの回転速度を適切な速度に調節します。

正常に動作しているときは、カード ケージ下部(ケージの下部にない場合はカード ケージの上部)にある吸気口温度センサーから報告される温度の平均を計算します。ファン制御ソフトウェアは、現在の温度に対するファンの適切な速度を決定するために、吸気口の温度の平均を、各温度に適切な速度をリストしたルックアップ テーブルに照らし合わせます。ファン制御ソフトウェアは、ファンの回転速度を現在の温度にあった速度に設定します。ルックアップ テーブルの温度範囲は適切な余裕を持たせるためにオーバーラップしており、どのような状態の変化に対してもファンの速度が不安定にならないようになっています。


) アラームや障害が発生していないかぎり、ファン制御ソフトウェアは 1 ~ 2 分の間隔で温度センサーを調べます。


熱アラーム

各カードには熱センサーが個々に付いており、それぞれが温度を監視しています。熱センサーでシステムが適切に冷却されていないことを感知すると、熱アラームが生成されます。熱センサーは、周囲温度が上昇したり、エアー フィルタが詰まるかその他の原因でエアーフローが妨害されたり、あるいはそれらの原因が重なったりすると、作動することがあります。ファンに障害が発生すると障害メッセージが出されますが、どの熱センサーも作動しないと、ファン制御は変更されません。

熱センサーが熱アラームを報告するときは、まず、熱センサーがローカルのサービス プロセッサ(SP)に障害状態を知らせ、その SP がルート プロセッサ(RP)上のシステム コントローラに通知します。通知を受けたシステム コントローラが障害状態を SP に知らせます。最後にファン制御ソフトウェアが適切な処理を行って障害を解決します。

熱センサーが作動すると、ファン制御ソフトウェアが問題を解決(ファンの回転速度を上げる、など)しようとします。ソフトウェアで行うこの処理は段階を追って実行され、シャーシ コンポーネントの信頼性が低下したりチップが損傷したりする温度に近づかないように制御されます。それでも障害が解決しないと、制御ソフトウェアはそのカードまたはモジュールをシャット ダウンしてコンポーネントを守ります。

クイック シャットダウン モード

ファン トレイには、カードまたはファン トレイがシャーシのミッドプレーンから外れた場合に電源を切断するための、クイック シャットダウン モードが用意されています。クイック シャットダウン モードは、ホットスワップや OIR の際の突入電流を最小限に抑えます。通常の保守を実施する場合は、ソフトウェアによって障害の発生した部品の電源を適切にシャットダウンし、コンデンサが放電する時間を十分にとるようにします。

冷却システムの冗長性

冷却システムのアーキテクチャは冗長化されています。そのため、コンポーネンに障害が発生しても冷却システムは動作し続けることができます。冷却システムは次にあげるコンポーネントに障害が発生しても、それが 1 つだけであれば、ルーティング システムを適切に冷却し続けることができます。

ファン トレイ

DC PEM または AC 整流器

ファン ケーブル(シャーシ内蔵、現場交換不可)

ファンの二重障害とは 2 つのファン トレイが障害になったり、2 つの電源モジュール(DC PEM または AC 整流器)が障害になったり、あるいはこれらのユニットのどれか 2 つの組み合わせが障害になったりした状態のことをいいます。二重障害が発生しても、ファン トレイが 2 つとも障害になっているか、熱アラームがシステムの電源を落とさないといけないほど重大な問題が発生していることを示していないかぎり、システムの電源はオンの状態に保たれます。ファンの多重障害はシステムの冷却に影響しないこともあるため、二重障害とはみなされません。


注意 冷却システムのコンポーネントに障害が発生したら、できるだけ早く(遅くても 24 時間以内には)交換してください。

ラインカード シャーシのファン トレイ

図3-3 に、シャーシの背面(MSC 側)に差し込む 8 スロット シャーシ用ファン トレイを示します。各ファン トレイはホットスワップが可能で、Field-Replaceable Unit(FRU)の扱いになっています。シャーシは、ファントレイが 2 つとも入った状態で動作するように設計されています。

図3-3 8 スロット シャーシ用ファン トレイ

 

 

1

非脱落型ネジ

2

ファン トレイ レール

3

ファン トレイの取っ手

ファン トレイには次のコンポーネントが含まれています。

ファン× 4:各ファンの入力電圧は +24 VDC(公称)です。この電圧を調節してファンの速度を増減します。ファンは、4000 ~ 6700 RPM の範囲で動作します。1 つのファンには、2 つの DC-DC コンバータから入力電源が供給されます。

ファン トレイ ボード:このボードからファンとの間で信号をやりとりします。またこのボードでコモン モードのノイズをフィルタリングします。トラッキングやインジケータ用の部品が実装されています。

前面パネルのステータス LED:LED により次の状態を示します。

グリーン:ファン トレイは正常に動作しています。

イエロー:ファン トレイに障害が発生しており、交換が必要です。

オフ:状態が不明か、または LED の不良です。