Cisco CRS-1 キャリア ルーティング システム 4 スロット ラインカード シャーシのシステム概要
スイッチ ファブリック
スイッチ ファブリック
発行日;2012/01/08 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 4MB) | フィードバック

目次

スイッチ ファブリック

スイッチ ファブリックの概要

スイッチ ファブリックの動作

SFC

S123 SFC

S123 SFC のコンポーネント

S123 SFC の物理特性

スイッチ ファブリック

この章では、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシのスイッチ ファブリックおよび Switch Fabric Card(SFC; スイッチ ファブリック カード)について説明します。内容は次のとおりです。

スイッチ ファブリックの概要

SFC

スイッチ ファブリックの概要

スイッチ ファブリックは、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの中核となるコンポーネントです。スイッチ ファブリックは、シャーシ内に搭載された SFC により実装されます。スイッチ ファブリックは、セルスイッチのバッファ 3 ステージ Benes スイッチ ファブリック アーキテクチャを採用しています。スイッチ ファブリックは、MSC(モジュラ サービス カード)からユーザ データを受信し、データを適切な出力 MSC にルーティングするために必要なスイッチングを実行します。

スイッチ ファブリックは、トラフィックをスイッチ ファブリック全体に均等に分散させるために、4 つのプレーン(プレーン 0 ~ 3)に分割されています。各スイッチ ファブリック プレーンは独立型で、相互に同期することはありません。各セルは、単一のスイッチ ファブリック プレーンを使用してスイッチ ファブリックを通過します(セルは、スイッチ ファブリック上ではビット分割されません)。

ラインカード シャーシで使用される SFC は S123 SFC です。各 S123 ファブリック カードは、スイッチ ファブリックの 3 ステージのすべてを実行します。

図4-1 に、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ スイッチ ファブリック上の IP データ パケットの基本パスを示します。この図には、ラインカード シャーシの S123 ファブリック カードにより提供されているスイッチ ファブリックの 3 ステージがすべて示されています。

図4-1 基本的な 4 スロット ラインカード シャーシのスイッチ ファブリック

 

入力データ パケットは、PLIM(物理レイヤ インターフェイス モジュール)上の物理インターフェイスで受信され、対応する MSC に転送され、効率的にスイッチングできるように、スイッチ ファブリック ハードウェアによりセグメント化されます。各 MSC は、各スイッチ ファブリック プレーンへの複数の接続により、各ファブリック プレーンにセルを分散します。出力側で、セルはデータ パケットに再組み立てされ、出力側 MSC により送出されます。


) Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシのスイッチ ファブリックで使用するセル構造は、シスコの設計によるもので、ATM(非同期転送モード)のセルとは無関係です。


スイッチ ファブリックの動作

スイッチ ファブリックの 3 ステージ(S1、S2、および S3)の機能は、各 SFC 上のいくつかのスイッチ エレメント コンポーネントによって実行されます。各ステージでは、異なる機能が実行されます。

ステージ 1(S1) ― トラフィックを、ファブリック プレーンのステージ 2 に配信します。ステージ 1 エレメントは、入力側の MSC および PLIM(または RP [ルート プロセッサ])からセルを受信し、ファブリック プレーンのステージ 2(S2)にセルを配信します。

ステージ 2(S2) ― マルチキャスト機能のスイッチングおよびステージ 1 を実行します。ステージ 2 エレメントは、ステージ 1 からセルを受信し、適切な出力側の MSC および PLIM にルーティングします。

ステージ 3(S3) ― スイッチングを実行し、セルを 2 倍速にスピードアップして、マルチキャスト機能の第 2 レベルを実行します。ステージ 3 エレメントは、ステージ 2 からセルを受信し、各セルを適切な出力側の MSC および PLIM にルーティングするために必要なスイッチングを実行します。

スピードアップ機能

ラインカード シャーシには、帯域幅 40 Gbps の MSC を最大 4 つまで搭載できます。各 MSC で 40 Gbps のスイッチング容量を提供するには、セル オーバーヘッド、バッファリング、および輻輳回避メカニズムに対応できるよう、スイッチ ファブリックで追加の帯域幅を提供する必要があります。

スイッチ ファブリックの輻輳は、複数の入力データ セルが同じ宛先の出力側 MSC にスイッチングされる場合に発生します。スイッチ コンポーネント間の個々のリンクにはコンテンションはほとんど存在しないので、通常、S1 および S2 ステージ間には輻輳は発生しません。しかしながら、S2 および S3 ステージから同じ出力側 MSC に複数のセルがスイッチングされると、同じ出力リンクに対してセルの競合が発生することがあります。

輻輳中のデータ セルの遅延を削減するために、スイッチ ファブリックは 2 倍速スピードアップを使用して、S2 および S3 出力リンクに対するコンテンションを削減します。スイッチ ファブリックは 2 倍速スピードアップを実現するために、S2 および S3 ステージのすべての入力リンクに 2 つの出力リンクを提供します。

S2 および S3 バッファリング

スイッチ ファブリックの S2 および S3 ステージでは、スイッチ ファブリックのスピードアップで対応しきれない輻輳を軽減するために、バッファリングも使用されます。バッファリングによってセルの順序が入れ替わることがないように、MSC はセルをパケットに再組み立てする前に、セルのシーケンスを再構築します。必要なバッファリング容量を制限するために、フロー制御には(輻輳のある宛先へのデータ セルの転送速度を遅くする)バックプレッシャー機構が使用されます。バックプレッシャー メッセージは、ファブリックのセル ヘッダーにより伝送されます。

障害時の動作

スイッチ ファブリックの単一プレーンに障害が発生しても、ルーティング システムの運用には影響しません。複数のプレーンに障害が発生した場合には、パフォーマンスが段階的に低下しますが、ルーティング システムに障害が発生することはありません。


) Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシを運用するには、スイッチ ファブリックの最低 2 つのプレーン(偶数プレーンおよび奇数プレーン)を常時、稼働させる必要があります。そうでない場合、スイッチ ファブリックの障害により、システム障害が発生します。


SFC

Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシは、S123 SFC をサポートしています。ここでは、S123 SFC およびそのインジケータについて説明します。

S123 SFC

S123 SFC は、3 ステージ Benes スイッチ ファブリックの 3 ステージをすべて実行します。また、各カードが、4 プレーン スイッチ ファブリックの 1 プレーンを実装します。図4-2 に、S123 SFC を示します。

図4-2 S123 SFC

 

S123 SFC のコンポーネント

S123 SFC には、次の主要コンポーネントが含まれています。

S1 スイッチ エレメント ― スイッチ ファブリックのステージ 1 を実行します。MSC(または RP)からセルを受信して、ステージ 2 に配信します。

S2 スイッチ エレメント ― スイッチ ファブリックのステージ 2 を実行します。ステージ 1 からセルを受信し、2 倍速スピードアップを実行し、適切な出力側 S3 エレメントにセルをルーティングします。

S3 スイッチ エレメント ― スイッチ ファブリックのステージ 3 を実行します。ステージ 2 からデータ セルを受信し、スイッチングおよび 2 倍速スピードアップを実行します。S2 および S3 スイッチ エレメントは、セルをバッファする中央メモリと、高プライオリティと低プライオリティのトラフィックを識別するキューイング機能を備えた、完全な出力バッファ対応スイッチ エレメントです。

サービス プロセッサ ― ファブリック カードの動作を制御し、システム コントロール プレーンへのインターフェイスを提供します。サービス プロセッサは、カード電源のオン/オフおよびリンクアップ/リンクダウン処理を実行し、スイッチ エレメント コンポーネントを設定し、マルチキャスト トラフィック用の Fabric Group ID(FGID)を更新し、セルのコンフィギュレーションを保持します。

電源モジュール ― ミッドプレーンから -48 VDC 入力電力を受信し、SFC 上のコンポーネントに必要な電圧に変換します。


) 3 ステージ Benes スイッチ ファブリックの各ステージは、同じスイッチ エレメント コンポーネントにより実行されます。ただし、システムの起動中は、コンポーネントが Cisco IOS XR ソフトウェアにより、スイッチ ファブリック上での対応する機能に応じて、S1、S2、または S3 モードで動作するようにプログラムされています。各 S123 SFC には、S1 コンポーネントが 2 つ、S2 コンポーネントが 2 つ、S3 コンポーネントが 4 つ含まれています。


S123 SFC の物理特性

図4-3 に、S123 SFC の前面パネルを示します。

図4-3 SFC の前面パネル

 

 

1

STATUS LED

2

英数字 LED

S123 SFC の前面パネルには、次のコンポーネントがあります。

STATUS LED ― ファブリック カードのステータスを示します。

グリーン ― SFC は正常に動作しています。

イエロー ― 障害状態です。

英数字ディスプレイ ― SFC のメッセージを表示します。

S123 SFC の物理特性は、次のとおりです。

高さ ― 2 インチ(5.0 cm)

奥行 ― 7.1 インチ(18.0 cm)

幅 ― 12.1 インチ(30.7 cm)

重量 ― 6 ポンド(2.7 kg)

消費電力 ― 最大 130 W