Cisco 819 シリーズ サービス統合型ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
Cisco IOS ソフトウェアの基礎知識
Cisco IOS ソフトウェアの基礎知識
発行日;2013/05/19 | 英語版ドキュメント(2013/02/08 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

Cisco IOS ソフトウェアの基礎知識

PC からのルータの設定

コマンド モードの概要

ヘルプの表示

イネーブル シークレット パスワードおよびイネーブル パスワード

グローバル コンフィギュレーション モードの開始

コマンドの使用方法

コマンドの短縮形

コマンドの取り消し

コマンドライン エラー メッセージ

変更した設定の保存

サマリー

次の作業

Cisco IOS ソフトウェアの基礎知識

Cisco IOS ソフトウェアの使用方法について理解しておくと、ルータの設定を効率的に行うことができます。この付録では、次の内容で基礎知識について説明します。

「PC からのルータの設定」

「コマンド モードの概要」

「ヘルプの表示」

「イネーブル シークレット パスワードおよびイネーブル パスワード」

「グローバル コンフィギュレーション モードの開始」

「コマンドの使用方法」

「変更した設定の保存」

「サマリー」

「次の作業」

すでに Cisco IOS ソフトウェアを理解している場合は、次の章に進んでください。

「ルータの基本設定」

PC からのルータの設定

コンソール ポート経由で接続された PC からルータを設定するには、 端末エミュレーション ソフトウェアを使用します。PC はこのソフトウェアを使用して、ルータにコマンドを送信します。 表 A-1 に、実行しているオペレーティング システムに応じて使用できる一般的な種類の端末エミュレーション ソフトウェアをいくつか示します。

 

表 A-1 端末エミュレーション ソフトウェアの種類

PC オペレーティング システム
端末エミュレーション ソフトウェア

Windows 95、Windows 98、Windows 2000、Windows NT、Windows XP

HyperTerm(Windows ソフトウェアに組み込まれています)、ProComm Plus

Windows 3.1

Terminal(Windows ソフトウェアに組み込まれています)

Macintosh

ProComm、VersaTerm

端末エミュレーション ソフトウェアを使用して、PC に接続されているルータの設定を変更できます。PC がルータと対話できるようにするため、ソフトウェアを次の標準 VT-100 エミュレーション設定に合わせて設定してください。

9600 ボー

8 データ ビット

パリティなし

1 ストップ ビット

フロー制御なし

この設定は、ご使用のルータのデフォルト設定に一致する必要があります。ルータのボー、データ ビット、パリティ、またはストップ ビットの設定を変更するには、ROM モニタのパラメータを再設定する必要があります。詳細については、「ROM モニタ」を参照してください。ルータ フロー制御設定を変更するには、グローバル コンフィギュレーション モードで flowcontrol コマンドを使用します。

ルータを設定するためにグローバル コンフィギュレーション モードを開始する手順については、「グローバル コンフィギュレーション モードの開始」を参照してください。

コマンド モードの概要

ここでは、Cisco IOS コマンド モードの構造について説明します。コマンド モードは、それぞれ固有の Cisco IOS コマンド群をサポートしています。たとえば、 interface type number コマンドを使用できるのは、グローバル コンフィギュレーション モードだけです。

次に示す Cisco IOS コマンド モードは、階層構造になっています。ルータ セッションを開始した時点では、ユーザ EXEC モードが有効です。

ユーザ EXEC

特権 EXEC

グローバル コンフィギュレーション

表 A-2 では、このマニュアルで使用されるコマンド モードについて、各モードへのアクセス方法を、各モードのプロンプトについて、モードを終了したり、別のモードを開始したりする方法を説明します。各モードでは、設定するルータの要素がそれぞれ異なるため、モードの切り替えを頻繁に行わなければならない場合があります。特定のモードで使用できるコマンドの一覧を表示するには、プロンプトで疑問符(?)を入力します。各コマンドの詳細(構文も含む)については、Cisco IOS Release 12.3 ドキュメント設定を参照してください。

 

表 A-2 コマンド モードの概要

モード
アクセス方法
プロンプト
モードの終了および開始
モードの用途

ユーザ EXEC

ルータ セッションを開始します。

Router>

ルータ セッションを終了するには、 logout コマンドを入力します。

このモードは次の場合に使用します。

端末の設定変更

基本テストの実行

システム情報の表示

特権 EXEC

ユーザ EXEC モードから enable コマンドを入力します。

Router#

ユーザ EXEC モードに戻る場合は、 disable コマンドを入力します。

グローバル コンフィギュレーション モードを開始するには、 configure コマンドを入力します。

このモードは次の場合に使用します。

ルータの動作パラメータを設定する。

このマニュアルで説明されている確認手順を実行する。

ルータ コンフィギュレーションに対する不正な変更を防ぐため、「イネーブル シークレット パスワードおよびイネーブル パスワード」に説明されているようにパスワードを使用して、このモードへのアクセスを保護します。

グローバル コンフィギュレーション

特権 EXEC モードから configure コマンドを入力します。

Router (config)#

特権 EXEC モードに戻る場合は、 exit または end コマンドを入力するか、Ctrl+Z を押します。

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始するには、 interface コマンドを入力します。

このモードは、ルータにグローバルに適用するパラメータを設定する目的で使用します。

このモードからは次のモードにアクセスできます。

インターフェイス コンフィギュレーション

ルータ コンフィギュレーション

ライン コンフィギュレーション

インターフェイス コンフィギュレーション

グローバル コンフィギュレーション モードから( interface atm 0 など特定のインターフェイスを指定して interface コマンドを入力します。

Router(config-if)#

グローバル コンフィギュレーション モードに戻る場合は、 exit コマンドを入力します。

特権 EXEC モードに戻る場合は、 end コマンドを入力するか、Ctrl+Z を押します。

サブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始するには、 interface コマンドを使用してサブインターフェイスを指定します。

このモードは、ルータのイーサネット インターフェイスおよびシリアル インターフェイスまたはサブインターフェイスのパラメータを設定する目的で使用します。

ルータ コンフィギュレーション

グローバル コンフィギュレーション モードから、 router コマンドを入力し、続けて router rip などの適切なキーワードを入力します。

Router (config- router)#

グローバル コンフィギュレーション モードに戻る場合は、 exit コマンドを入力します。

特権 EXEC モードに戻る場合は、 end コマンドを入力するか、Ctrl+Z を押します。

このモードは、IP ルーティング プロトコルを設定する目的で使用します。

ライン コンフィギュレーション

グローバル コンフィギュレーション モードから、 line 0 などの目的のライン番号とオプションのライン タイプを指定して line コマンドを入力します。

Router (config- line)#

グローバル コンフィギュレーション モードに戻る場合は、 exit コマンドを入力します。

特権 EXEC モードに戻る場合は、 end コマンドを入力するか、Ctrl+Z を押します。

このモードを使用して、端末回線のパラメータを設定します。

ヘルプの表示

コマンド入力の補助手段として、疑問符(?)および矢印キーを使用できます。

疑問符を入力すると、そのコマンド モードで使用できるコマンドの一覧が表示されます。

Router> ?
access-enable Create a temporary access-list entry
access-profile Apply user-profile to interface
clear Reset functions
.
.
.
 

コマンドの先頭の数文字を入力し、続けて(スペースを入れずに)疑問符を入力すると、完全なコマンドが表示されます。

Router> sh?
* s=show set show slip systat
 

コマンドを入力し、続けてスペース 1 つと疑問符を入力すると、コマンド変数の一覧が表示されます。

Router> show ?
.
.
.
clock Display the system clock
dialer Dialer parameters and statistics
exception exception information
.
.
.
 

↑キーを押すと、直前に入力したコマンドが再表示されます。 ↑キーを押し続けると、さらに前に入力したコマンドにさかのぼって、順に表示されます。

イネーブル シークレット パスワードおよびイネーブル パスワード

デフォルトでは、ルータはパスワード保護なしで出荷されます。特権 EXEC コマンドの多くは動作パラメータの設定に使用されるため、これらのコマンドをパスワードで保護して、不正使用を防止する必要があります。

パスワードの設定には、次の 2 つのコマンドを使用します。

enable secret password :非常に安全な、暗号化パスワード

enable password :やや安全性の低い、暗号化されていないローカル パスワード

enable パスワードおよび enable secret パスワードは、各種権限レベル(0 ~ 15)へのアクセスを制御します。 enable パスワードはローカルで使用することを前提としているため、暗号化されません。 enable secret パスワードは、ネットワークで使用すること、つまり、ネットワークを超えてパスワードを使用したり、TFTP サーバにパスワードを保管したりする環境での使用を前提としています。 enable secret パスワードまたは enable パスワードは、特権 EXEC モード コマンドが利用できる権限レベル 1 で使用する必要があります。

最大限のセキュリティを確保するには、これらのパスワードを別々のものにする必要があります。セットアップ時に両方のパスワードに同じ文字列を入力すると、ルータはそのパスワードを受け付けますが、異なったパスワードにするように指示する警告メッセージが表示されます。

enable secret パスワードには、1 ~ 25 文字の英数字(大文字および小文字)を指定できます。 enable パスワードには、任意の文字数で英数字(大文字および小文字)を指定できます。どちらのパスワードでも、先頭文字に数字は使用できません。パスワードにはスペースも使用できます。たとえば、 two words は有効なパスワードです。先行スペースは無視されますが、後続スペースは認識されます。

グローバル コンフィギュレーション モードの開始

ルータのコンフィギュレーションを変更するには、グローバル コンフィギュレーション モードを使用する必要があります。ここでは、ルータのコンソール ポートに接続された端末または PC を使用して、グローバル コンフィギュレーション モードを開始する手順について説明します。

グローバル コンフィギュレーション モードを開始する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 ルータの起動後に、 enable コマンドまたは enable secret コマンドを入力します。

Router> enable
 

ステップ 2 ルータにイネーブル パスワードを設定している場合は、プロンプトに対してそのパスワードを入力します。

イネーブル パスワードは、入力しても画面に表示されません。次に、特権 EXEC モードを開始する例を示します。

Password: enable_password
Router#
 

プロンプトにシャープ記号(#)が表示されることにより、特権 EXEC モードが開始されたことがわかります。この時点でルータ コンフィギュレーションの変更を行うことができます。

ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始するには、 configure terminal コマンドを実行します。

Router# configure terminal
Router(config)#
 

この時点でルータ コンフィギュレーションの変更を行うことができます。


 

コマンドの使用方法

ここでは、コマンドライン インターフェイス(CLI)で Cisco IOS コマンドを入力するときに役立つヒントをいくつか紹介します。

コマンドの短縮形

コマンドを入力する際、ルータが一意のコマンドとして認識できる文字数だけを入力すれば十分です。次に、 show version コマンドを入力する例を示します。

Router # sh v
 

コマンドの取り消し

特定の機能を無効にする(入力したコマンドを取り消す)には、ほとんどの場合、該当するコマンドの前にキーワード no を入力します(例: no ip routing )。

コマンドライン エラー メッセージ

CLI を使用してルータを設定する際に、表示される可能性のあるエラー メッセージを 表 A-3 に示します。

 

表 A-3 CLI の代表的なエラー メッセージ

エラー メッセージ
意味
ヘルプの表示方法
% Ambiguous command:
"show con"

ルータがコマンドとして認識できる十分な文字数を入力していません。

コマンドを再入力し、最後に疑問符(?)を入力します。コマンドと疑問符の間にはスペースを入れません。

コマンドとともに入力できる利用可能なキーワードが表示されます。

% Incomplete command.

コマンドに必須のキーワードまたは値が、一部入力されていません。

コマンドを再入力し、最後に疑問符(?)を入力します。コマンドと疑問符の間にはスペースを入れません。

コマンドとともに入力できる利用可能なキーワードが表示されます。

% Invalid input detected at ‘^’ marker.

コマンドの入力ミスです。エラーのある位置に、カレット記号(^)が表示されます。

疑問符(?)を入力して、このコマンド モードで使用できるコマンドをすべて表示します。

変更した設定の保存

コンフィギュレーションの変更内容を NVRAM に保存して、システムのリロード時または停電時に消失しないようにするには、 copy running-config startup-config コマンドを入力する必要があります。次に、このコマンドを使用して変更を保存する例を示します。

Router# copy running-config startup-config
Destination filename [startup-config]?
 

Enter を押してデフォルトの保存先ファイル名である startup-config をそのまま使用するか、または、対象の保存先ファイル名を入力して Enter を押します。

コンフィギュレーションが NVRAM に保存されるまでに、1 ~ 2 分を要する場合があります。設定が保存されると、次のメッセージが表示されます。

Building configuration...
Router#
 

サマリー

以上、Cisco IOS ソフトウェアの基本事項について学習したため、ルータの設定作業を開始することができます。以下に留意してください。

コマンドの入力支援として、疑問符(?)と矢印キーを使用できます。

各コマンド モードは、一定のコマンド セットに制限されています。コマンドの入力に問題が生じたときは、プロンプトを確認したあと、疑問符(?)を入力して、使用できるコマンドの一覧を表示してください。間違ったコマンド モードを使用しているか、構文が不正である可能性があります。

機能を無効にするには、コマンドの前に no キーワードを入力します(例: no ip routing )。

コンフィギュレーションの変更内容は NVRAM に保存して、システムの再ロード時または停電時に消失しないようにします。

次の作業

ルータを設定する場合は、「ルータの基本設定」に進みます。