Cisco 4000 シリーズ ISR ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
トレース管理
トレース管理

トレース管理

この章で説明する内容は、次のとおりです。

トレースの概要

トレースは、内部イベントをログする機能です。 トレース メッセージを含むトレース ファイルが自動的に作成され、ルータの hard disk: ファイル システムの tracelogs ディレクトリに保存されます(ブートフラッシュにトレース ファイルが保存されます)。

トレース ファイルのデータは、次の処理を行う場合に役立ちます。

  • トラブルシューティング:ルータの問題を特定して解決するのに役立ちます。 システムで他の問題が同時に発生している場合でも、診断モードでトレース ファイルにアクセスできます。

  • デバッグ:システム アクションと操作の詳細を取得するのに役立ちます。

トレースの機能

トレースは、ルータの内部イベントの内容を記録します。 モジュールに関するすべてのトレース出力を含むトレース ファイルが定期的に作成および更新され、tracelog ディレクトリに保存されます。 トレース ファイルは、システム パフォーマンスに影響を及ぼすことなく、このディレクトリから消去して、ファイル システムのスペースを回復することができます。 ファイル転送機能(FTP、TFTP など)を使用してこれらのファイルを他の宛先にコピーできます。また、プレーン テキスト エディタで開くことができます。


(注)  


ルータでトレースをディセーブルにすることはできません。


トレース情報を表示し、トレース レベルを設定するには、次のコマンドを使用します。

  • show platform software trace message:特定のモジュールに関する最新のトレース情報を表示します。 このコマンドは特権 EXEC モードおよび診断モードで使用可能です。 診断モードでこのコマンドを使用すると、Cisco IOS XE の障害発生時にトレース ログ情報を収集できます。

  • set platform software trace:出力に保存されるメッセージのタイプを決定するトレース レベルを設定します。 トレース レベルの詳細については、トレース レベルを参照してください。

トレース レベル

トレース レベルは、トレース バッファまたはトレース ファイルに保存する必要のあるモジュール情報の量を決定します。

次の表に、使用可能なすべてのトレース レベルと、各トレース レベルで表示されるメッセージのタイプについて説明します。

表 1 トレース レベルとその内容

トレース レベル

レベル番号

説明

Emergency

0

システムが使用不能になる問題のメッセージです。

Alert

1

ただちに対応する必要のある動作についてのメッセージです。

Critical

2

クリティカルな状態についてのメッセージです。 これは、ルータ上のすべてのモジュールに関するデフォルト設定です。

Error

3

システム エラーについてのメッセージです。

Warning

4

システム警告についてのメッセージです。

Notice

5

重大な問題に関するメッセージです。ただし、ルータは通常どおり動作しています。

Informational

6

単に情報を提供するだけのメッセージです。

Debug

7

デバッグレベルの出力を提供するメッセージです。

Verbose

8

生成可能なすべてのトレース メッセージが送信されます。

Noise

モジュールについて生成可能なすべてのトレース メッセージが記録されます。

ノイズ レベルは常に最上位のトレース レベルに相当します。 トレース機能の今後の拡張によって、Verbose レベルよりも高いトレース レベルが導入される場合でも、Noise レベルは新規に導入されるトレース レベルと同等になります。

トレース レベルが設定されている場合、設定されているトレース レベル自体と、それより低いすべてのトレース レベルの両方のメッセージが収集されます。

たとえば、トレース レベルを 3(エラー)に設定すると、トレース ファイルにはレベル 0(緊急)、1(アラート)、2(重要)、および 3(エラー)のメッセージが出力されます。

トレース レベルを 4(警告)に設定すると、レベル 0(緊急)、1(アラート)、2 (重要)、3(エラー)、および 4(警告)のメッセージが出力されます。

ルータのすべてのモジュールのデフォルト トレース レベルは 5(通知)です。

トレース レベルは、コンフィギュレーション モードでは設定されません。このため、ルータのリロード後にトレース レベル設定がデフォルト値に戻ります。


注意    


モジュールのトレース レベルをデバッグ レベル以上に設定すると、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。



注意    


多数のモジュールで高いトレース レベルを設定すると、パフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。 特定の状況で高いトレース レベルが必要な場合は、複数のモジュールで高いレベルを設定する代わりに、常に 1 つのモジュールのトレース レベルを高く設定することをお勧めします。


トレース レベルの表示

デフォルトでは、ルータ上のすべてのモジュールが 5(通知)に設定されます。 ユーザが変更しないかぎり、この設定はそのまま維持されます。

ルータのモジュールのトレース レベルを表示するには、特権 EXEC モードまたは診断モードで show platform software trace level コマンドを入力します。

次の例では、show platform software trace level コマンドを使用して、アクティブな RP 上のフォワーディング マネージャ プロセスのトレース レベルを表示します。

Router# show platform software trace level forwarding-manager rp active
Module Name                     Trace Level      
-----------------------------------------------
acl                             Notice           
binos                           Notice           
binos/brand                     Notice           
bipc                            Notice           
bsignal                         Notice           
btrace                          Notice           
cce                             Notice           
cdllib                          Notice           
cef                             Notice           
chasfs                          Notice           
chasutil                        Notice           
erspan                          Notice           
ess                             Notice           
ether-channel                   Notice           
evlib                           Notice           
evutil                          Notice           
file_alloc                      Notice           
fman_rp                         Notice           
fpm                             Notice           
fw                              Notice           
icmp                            Notice           
interfaces                      Notice           
iosd                            Notice           
ipc                             Notice           
ipclog                          Notice           
iphc                            Notice           
IPsec                           Notice           
mgmte-acl                       Notice           
mlp                             Notice           
mqipc                           Notice           
nat                             Notice           
nbar                            Notice           
netflow                         Notice           
om                              Notice           
peer                            Notice           
qos                             Notice           
route-map                       Notice           
sbc                             Notice           
services                        Notice           
sw_wdog                         Notice           
tdl_acl_config_type             Notice           
tdl_acl_db_type                 Notice           
tdl_cdlcore_message             Notice           
tdl_cef_config_common_type      Notice           
tdl_cef_config_type             Notice           
tdl_dpidb_config_type           Notice           
tdl_fman_rp_comm_type           Notice           
tdl_fman_rp_message             Notice           
tdl_fw_config_type              Notice           
tdl_hapi_tdl_type               Notice           
tdl_icmp_type                   Notice           
tdl_ip_options_type             Notice           
tdl_ipc_ack_type                Notice           
tdl_IPsec_db_type               Notice           
tdl_mcp_comm_type               Notice           
tdl_mlp_config_type             Notice           
tdl_mlp_db_type                 Notice           
tdl_om_type                     Notice           
tdl_ui_message                  Notice           
tdl_ui_type                     Notice           
tdl_urpf_config_type            Notice           
tdllib                          Notice           
trans_avl                       Notice           
uihandler                       Notice           
uipeer                          Notice           
uistatus                        Notice           
urpf                            Notice           
vista                           Notice           
wccp                            Notice           

トレース レベルの設定

ルータの 1 つのモジュールのトレース レベル、またはルータの特定プロセス内のすべてのモジュールのトレース レベルを設定するには、特権 EXEC モードまたは診断モードで set platform software trace コマンドを入力します。

次の例では、スロット 0 の ESP プロセッサの Forwarding Manager の ACL モジュールに関するトレース レベルを info に設定します。

set platform software trace forwarding-manager F0 acl info

トレース バッファのデータの表示

トレース バッファ内またはファイル内のトレース メッセージを表示するには、特権 EXEC モードまたは診断モードで show platform software trace message コマンドを入力します。 次の例では、show platform software trace message コマンドを使用して、RP スロット 0 の Host Manager プロセスのトレース メッセージを表示します。

Router# show platform software trace message host-manager R0
08/23 12:09:14.408 [uipeer]: (info): Looking for a ui_req msg
08/23 12:09:14.408 [uipeer]: (info): Start of request handling for con 0x100a61c8
08/23 12:09:14.399 [uipeer]: (info): Accepted connection for 14 as 0x100a61c8
08/23 12:09:14.399 [uipeer]: (info): Received new connection 0x100a61c8 on descriptor 14
08/23 12:09:14.398 [uipeer]: (info): Accepting command connection on listen fd 7
08/23 11:53:57.440 [uipeer]: (info): Going to send a status update to the shell manager in slot 0
08/23 11:53:47.417 [uipeer]: (info): Going to send a status update to the shell manager in slot 0