Cisco IPICS ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン(SRND) Release 2.1(1)
Cisco IPICS のコンポーネントに関す る検討事項
Cisco IPICS のコンポーネントに関する検討事項
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

Cisco IPICS のコンポーネントに関する検討事項

ルータ メディア サービス

RMS の概要

ロケーション用の RMS コンポーネント

複数のロケーションの例

RMS 設定の例

RMS が必要になるタイミング

RMS DS0 リソースの割り当て

DSP チャネルの最適化と割り当て

ハードウェア構成およびサポートされる音声ストリームの例

ダイヤル エンジンへのメディア リソースの割り当て

仮想トーク グループ

RMS での Cisco Hoot & Holler 機能を使用したチャネル混合

Cisco IPICS エンドポイントのシナリオ

リモート PMC ユーザ

Cisco IPICS と SIP プロバイダーの統合

SIP セッションの要件

デフォルト ダイヤル ピアのシナリオ

シナリオでのダイヤル ピアの使用

コール フローおよびダイヤル ピアの例

PMC ダイヤル直通プレフィックスが必要になる条件

ネイティブ SIP トランクをサポートしない Cisco Unified Communications Manager リリースへの接続

Cisco Unified Communications Manager 4.1 でのトランクの設定

ルータでのトランクの設定

Cisco Unified IP Phone

Cisco Unified Communications Manager の設定の概要

Cisco Unified Communications Manager Express の設定の概要

Cisco IPICS のコンポーネントに関する検討事項

この章では、Cisco IPICS ソリューションに含まれる可能性のある各種のコンポーネントについて説明します。この情報は、これらのコンポーネントを Cisco IPICS 環境で相互運用する方法を理解するのに役立ちます。

この章では、次のトピックについて取り上げます。

「ルータ メディア サービス」

「Cisco IPICS と SIP プロバイダーの統合」

「Cisco Unified IP Phone」

ルータ メディア サービス

Cisco IPICS ソリューションは、サポートされている Cisco IOS ルータを 1 台またはそれ以上使用して、Router Media Service(RMS; ルータ メディア サービス)機能を提供できます。

次の各項で、RMS の詳細について説明します。

「RMS の概要」

「ロケーション用の RMS コンポーネント」

「RMS が必要になるタイミング」

「RMS DS0 リソースの割り当て」

「ダイヤル エンジンへのメディア リソースの割り当て」

「仮想トーク グループ」

「リモート PMC ユーザ」

Cisco IPICS で RMS を設定する方法の詳細については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の付録「Configuring the Cisco IPICS RMS Component」を参照してください。

Cisco IPICS を RMS として使用できる Cisco IOS リリースのリストについては、『 Cisco IPICS Compatibility Matrix 』を参照してください。この機能をサポートする Cisco IOS リリースは、Cisco Hoot & Holler 機能を備えています。

RMS の概要

RMS の最も重要な役割は、DS0 リソースをループバックしてメディア ストリームを混合することです。RMS がインストールされている場合、T1 ループバック ケーブルでバックツーバック接続された T1 または E1 インターフェイスが RMS に 1 ペア以上存在している必要があります。これらのループバック インターフェイス ペアは、DS0-Group をタイムスロット マッピングに追加して、RMS に手動で設定します(関連情報については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の付録「Configuring the Cisco IPICS RMS Component」を参照してください)。Cisco IPICS Administration Console を使用して RMS を追加するときに、ループバック ペアを割り当てることができます。RMS を適切に設定すると、動的割り当てに使用できる DS0 ループバック チャネルのリストが Cisco IPICS サーバによって作成されます。

RMS は、スタンドアロン コンポーネント(RMS ルータ)としてインストールすることも、LMR ゲートウェイにインストールされる追加機能としてインストールすることもできます。

Cisco IPICS サーバは、次の場合 DS0 ループバック ペア(2 つの DS0 チャネル)を動的に割り当てます。

リモート ロケーションからの PMC の認証が成功:リモート PMC 接続が開始されると、PMC は Cisco IPICS サーバの認証を受けます。Cisco IPICS サーバは、PMC ユーザに割り当てられる各チャネルまたは Virtual Talk Group(VTG; 仮想トーク グループ)に対して DS0 ループバック ペアを割り当てるように、RMS を設定します。PMC は、RMS の IP アドレスとチャネルの詳細を含む設定情報を、Cisco IPICS サーバが RMS 内に設定した Plain Old Telephone Service(POTS; 一般電話サービス)ダイヤル ピア情報とともに取得します。ここで PMC ユーザがチャネルまたは VTG をアクティブにすると、PMC が RMS 内の POTS ダイヤル ピアに SIP コールを発信し、そのチャネルまたは VTG に接続します。

VTG のアクティブ化または変更:RMS に影響する VTG 操作を Cisco IPICS のディスパッチャが実行すると、Cisco IPICS サーバが必要に応じて RMS を更新します。たとえば、2 つのチャネルを持つ VTG をアクティブにすると、Cisco IPICS サーバはチャネルごとに 1 ペアずつ、2 つの DS0 ループバック ペアを設定します。この設定動作には、割り当てられた DS0 ループバック ペアに対応する音声ポートの両端を、接続トランクに割り当てることが含まれます。

チャネルまたは VTG へのダイヤルイン ユーザの参加:チャネルまたは VTG に参加するユーザ数には関係なく、チャネルまたは VTG ごとに単一の DS0 ループバック ペアが追加されます。

ロケーション用の RMS コンポーネント

RMS は、マルチキャスト ドメインとして定義された 1 つの Cisco IPICS ロケーション をサポートします。Cisco IPICS 環境の複数のロケーションで RMS 機能が必要になる場合は、ロケーションごとに設定された RMS が必要です。マルチキャスト アドレス プールによって、マルチキャスト アドレスおよびそれぞれのポート割り当てのリストが保持されています。Cisco IPICS サーバが RMS を設定するときに、プールに含まれているアドレスが Cisco IPICS サーバによって必要に応じて割り当てられます。Cisco IPICS サーバは、使用中および使用可能なアドレスを記録しています。

マルチキャスト アドレス プールとは、Cisco IPICS サーバに設定されているすべての RMS コンポーネント間で共有されるグローバル リソースのことです。このため、ネットワーク設定は、設定済みの各 RMS コンポーネントで設定されるすべてのアドレスをサポートできる必要があります。IPICS サーバは、同じロケーションにあるすべての RMS コンポーネントにわたって負荷を分散しようとします。このため、サーバで複数の RMS が設定されている場合は、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の付録「Configuring the Cisco IPICS RMS Component」の指示に従って、それぞれの RMS を設定する必要があります。

ロケーションについては、次のことに注意してください。

チャネルは、ロケーションに関連付けられます。

VTG は、複数のロケーションにまたがることができるグローバル リソースです。

ユーザにチャネルを割り当てるロケーションが複数存在する場合もありますが、ユーザは、認証を受けるときに目的のロケーションを選択する必要があります。チャネル リソースは、ユーザが選択したロケーションに基づいて割り当てられます。

複数のロケーションの例

ロケーションが複数ある場合の Cisco IPICS および RMS コンポーネントの動作の例として、次のシナリオがあります。

ユーザ A が Site 1 ロケーションにいて、Emergency VTG を割り当てられている。

ユーザ B が Site 2 ロケーションにいて、Emergency VTG を割り当てられている。

チャネル EMT1 が Site 1 ロケーションにある。

チャネル EMT2 が Site 2 ロケーションにある。

Emergency VTG は、チャネル EMT1 とチャネル EMT2 の両方に割り当てられている。

RMS 1 が Site 1 ロケーションにある。

RMS 2 が Site 2 ロケーションにある。

Cisco IPICS のディスパッチャが Emergency VTG をアクティブにすると、Cisco IPICS サーバはマルチキャスト アドレス プールにあるマルチキャスト アドレスを VTG に割り当てます。また、RMS 1 および RMS 2 内に DS0 ループバック リソースを設定します。

この方法では、どちらのロケーションにいるユーザも VTG を使用して通信できます。このシナリオの場合、ロケーション間にマルチキャスト接続が必要であることに注意してください。両方のロケーションがそれぞれ別のマルチキャスト ドメインである場合は、マルチキャスト トラフィックをロケーション間でルーティングする手段が必要です。関連情報については、「マルチサイト モデル」を参照してください。

RMS 設定の例

次の例は、2 つのチャネルを含んだ VTG がアクティブになったときに、Cisco IPICS サーバが RMS 内に設定する内容を示しています。この例では、RMS が Police チャネルで音声を受信して VTG マルチキャスト アドレスに送信すること、および VTG マルチキャスト アドレスで音声を受信して Police チャネルに送信することを許可しています。詳細は次のとおりです。

VTG の名前は Combined で、VTG のマルチキャスト IP アドレスは 239.192.21.79:21000 です(このアドレスは、マルチキャスト プール内に設定されているアドレス範囲から、VTG に対して動的に割り当てられます)。

Police チャネルの IP アドレスは 239.192.21.64:21000 です。

Fire チャネルの IP アドレスは 239.192.21.65:21000 です。

DS0 ループバックの一端 0/2/0:3 には、VoIP ダイヤル ピア宛先パターンにマッピングする接続トランク(90929093)が割り当てられています。このダイヤル ピアは、セッション ターゲットとして 239.192.21.79:21000(VTG マルチキャスト アドレス)を持っています。

DS0 ループバックのもう一方の端 0/2/1:3 には、VoIP ダイヤル ピア宛先パターンにマッピングする接続トランク(90929193)が割り当てられています。このダイヤル ピアは、セッション ターゲットとして 239.192.21.64:21000(Police チャネルのマルチキャスト アドレス)を持っています。

次の Cisco IOS コンフィギュレーション出力は、Police チャネルを Combined VTG に追加するための Cisco IPICS サーバの RMS 設定を示しています。

dial-peer voice 90929093 voip
description #0/2/0:3#1164200525742# INUSE 284
destination-pattern 90929093
voice-class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.79:21000
codec g711ulaw
no vad
 
voice-port 0/2/0:3
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929093
description #0/2/0:3#1164200525742# INUSE 284
 
voice-port 0/2/1:3
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929193
description #0/2/1:3#1164200525742# INUSE 284
 
dial-peer voice 90929193 voip
description #0/2/1:3#1164200525742# INUSE 284
destination-pattern 90929193
voice-class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.64:21000
codec g711ulaw
 

次の Cisco IOS コンフィギュレーション出力は、Fire チャネルを Combined VTG に追加するための Cisco IPICS サーバの RMS 設定を示しています。

dial-peer voice 90929094 voip
description #0/2/0:4#1164200525776# INUSE 285
destination-pattern 90929094
voice-class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.79:21000
codec g711ulaw
no vad
 
voice-port 0/2/0:4
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929094
description #0/2/0:4#1164200525776# INUSE 285
 
voice-port 0/2/1:4
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929194
description #0/2/1:4#1164200525776# INUSE 285
 
dial-peer voice 90929194 voip
description #0/2/1:4#1164200525776# INUSE 285
destination-pattern 90929194
voice-class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.65:21000
codec g711ulaw
no vad
 

次の Cisco IOS コンフィギュレーション出力は、Police チャネルと Fire チャネルの両方を割り当てられている PMC ユーザがリモート ロケーションを使用して接続する場合の Cisco IPICS サーバの RMS 設定を示しています。このコンフィギュレーションでは、PMC がユニキャスト接続を使用して RMS と通信することを許可しています。RMS は、PMC から受信するユニキャスト ストリームを DS0 ループバックを通じてマルチキャスト アドレスに転送します。RMS がマルチキャスト アドレスで受信するパケットは、DS0 ループバックを通じて受信側 PMC デバイスにユニキャスト ストリームとして転送されます。

次の Cisco IOS コンフィギュレーション出力は、Police チャネルに関するものです。

dial-peer voice 909290914 voip
description #0/2/0:14#1164659525783# INUSE 295
destination-pattern 909290914
voice-class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.64:21000
codec g711ulaw
no vad
 
voice-port 0/2/0:14
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 909290914
 
voice-port 0/2/1:14
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
description #0/2/1:14#1164659525783# INUSE 295
 
dial-peer voice 909291914 pots
description #0/2/1:14#1164659525783# INUSE 295
destination-pattern 1990000275909291914
port 0/2/1:14
 

次の Cisco IOS コンフィギュレーション出力は、Fire チャネルに関するものです。

dial-peer voice 909290915 voip
description #0/2/0:15#1164659525833# INUSE 296
destination-pattern 909290915
voice-class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.65:21000
codec g711ulaw
no vad
 
voice-port 0/2/0:15
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 909290915
description #0/2/0:15#1164659525833# INUSE 296
 
voice-port 0/2/1:15
voice-class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
description #0/2/1:15#1164659525833# INUSE 296
 
dial-peer voice 909291915 pots
description #0/2/1:15#1164659525833# INUSE 296
destination-pattern 1990000275909291915
port 0/2/1:15
 

RMS が必要になるタイミング

Cisco IPICS で RMS が必要になるのは、ユニキャスト エンドポイントとマルチキャスト エンドポイントの間(リモート PMC からチャネル、リモート PMC から VTG、ダイヤルイン ユーザからチャネルまたは VTG など)に接続を確立するとき、およびそれぞれが別のチャネル上にあるマルチキャスト エンドポイントの間(チャネルから VTG、VTG から VTG など)に接続を確立するときです。

ただし、RMS DS0 リソースが不要な通信シナリオもあります。たとえば、図2-1 に示したシナリオでは、2 人のマルチキャスト ユーザが RMS DS0 リソースを消費することなく単一の Cisco IPICS チャネル上で通信できます。この例では、ユーザが Cisco IPICS サーバにログインすると、ユーザは各自のチャネル情報を受信します。この場合は、マルチキャスト グループ 239.192.21.64 を使用する Metro Police です。ユーザは、Metro Police チャネルをアクティブにすると RMS DS0 リソースを使用せずに通信できます。

図2-1 単一の Cisco IPICS チャネル

 

LMR ゲートウェイと LMR ユーザをこのシナリオに追加しても、必ずしも RMS DS0 リソースが必要になるわけではありません。図2-2 に示すように、LMR ユーザが他のユーザと同じチャネルを使用するように静的に設定されている場合、どのユーザも RMS DS0 リソースを消費せずに通信できます。

図2-2 単一の Cisco IPICS チャネル(LMR ゲートウェイあり)

 

この他の例として、2 つのユーザ集合がそれぞれ別の 2 つのチャネル上にいる場合、チャネル間での通信が不要であれば、RMS DS0 リソースは消費されません。図2-3 に示したシナリオでは、RMS DS0 リソースを消費しないまま、Metro Police ユーザは互いに通信でき、Metro Fire ユーザも互いに通信できます。このシナリオでは、Metro Police ユーザと Metro Fire ユーザの間で通信が発生しないため、RMS リソースは必要ありません。

図2-3 複数の Cisco IPICS チャネル

 

RMS DS0 リソースの割り当て

VTG を作成するときは、当該の VTG を使用した通信を特定のユーザにだけ許可することもできます。この場合、VTG はチャネルを含まず、(接続にリモート ロケーションを使用する PMC ユーザがいない場合)RMS DS0 リソースを使用しませんが、マルチキャスト プールにあるマルチキャスト アドレスは使用します。

VTG に LMR エンドポイントを入れる必要がある場合は、PMC ユーザまたは電話機ユーザのチャネルに加えて、各 LMR チャネルを VTG に入れる必要があります。ユーザは、VTG に追加されていなくても、チャネルがその VTG に含まれていれば、当該の VTG に対して送受信を実行できます。

PMC がリモート ロケーションを使用して正常に認証を受けると、その認証済み PMC ユーザに割り当てられている各チャネルまたは VTG に対して、RMS は DS0 ペアを割り当てます(関連情報については、「リモート PMC ユーザ」を参照してください)。

表2-1 は、RMS リソースが割り当てられるさまざまなシナリオを示しています。

 

表2-1 RMS リソースの割り当て

シナリオ
マルチキャスト アドレス プールにあるマルチキャスト アドレス
RMS DS0 ペア

チャネルを含んだアクティブ VTG

あり

VTG 内のチャネルごとに 1 つ

VTG 内にないチャネル

なし

なし

ユーザだけを含んだ VTG

あり

なし

リモート PMC

なし

割り当てられたチャネルまたは VTG ごとに 1 つ

RMS DS0 要件に関する最新の詳細情報については、『 Cisco IPICS Compatibility Matrix 』を参照してください。

DSP チャネルの最適化と割り当て

DS0 チャネルおよび DSP チャネルを最適化するには、次の推奨事項に従ってください。

Digital Signal Processor(DSP; デジタル シグナル プロセッサ)を共有できるように、まず dspfarm を有効にし、すべてのモジュールがネットワーク クロックに参加していることを確認します。

dspfarm を有効にするときに、特定の音声カードを DSP リソース プールに追加します。この設定によって、搭載されている DSP リソースを複数のインターフェイス カードで共有できるようになります(DSP は、デジタル モジュールやデジタル ポート(T1/E1 など)、およびマザーボードで共有できます。ただし、アナログ ポート(FXS など)間では共有できません)。

最低でも、dspfarm を 1 つ有効にしてください。

DSP がインストールされたすべてのモジュールで dspfarm を有効にし、すべてのモジュールをメインのネットワーク クロックに参加した状態にすると、Cisco IOS は DSP リソース プールの一部としてこれらの DSP と対話するようになります。

使用環境で必要になる DSP の数を計算するには、『High-Density Packet Voice Digital Signal Processor Modules』を参照してください。このマニュアルには、次の URL からアクセスできます。

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/modules/ps3115/products_qanda_item0900aecd8016c6ad.shtml

DSP ファームの設定の詳細については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の付録「Configuring the Cisco IPICS RMS Component」を参照してください。

ハードウェア構成およびサポートされる音声ストリームの例

この項では、さまざまなハードウェア構成、および Cisco IPICS での使用がサポートされる音声ストリームの数の例を示します。

1 枚の T1/E1 マルチフレックス トランク音声/WAN インターフェイス(VWIC-2MFT-T1/E1)カードをマザーボードに装着した Cisco 2811 を使用すると、カードが T1 モードに設定されている場合、24 ペアまでの DS0 チャネルを使用できます。カードが E1 モードに設定されている場合は、30 までの DS0 チャネルを使用できます。サポートされる音声ストリームの数は、使用する構成によって異なります。たとえば、1 基の 64 チャネル高密度パケット音声/FAX DSP モジュール(PVDM2-64)が装着されている場合は、G.711 U-law コーデックを使用すると 32 ペアまでの音声ストリームがサポートされます。G.729 U-law コーデックを使用する場合は、PVDM2-64 で 16 ペアまでの音声ストリームがサポートされます。この場合、1 基の PVDM2-64 では、T1 回線の DS0 チャネルのすべてのペアを完全には利用できません。

Cisco 2811 では、次のオプションも使用できます。

3 枚の VWIC-2MFT-T1/E1 インターフェイス カードをマザーボードに装着、2 基の PVDM2-64 モジュールを使用(合計で 128 チャネル)。

1 基の T1/E1 高密度デジタル音声ネットワーク モジュール(NM-HDV2-2T1/E1)に、4 基の PVDM2-64 モジュール(合計で 256 チャネル)、2 枚の VWIC-MFT-T1/E1 インターフェイス カードをフルに装着。


) Cisco IPICS 環境で使用するルータ ハードウェアをご注文いただく際は、使用する環境を完全にサポートできるように、使用するインターフェイス モジュールおよびコーデック設定に基づいて、必要な DS0 チャネルの数、および DSP の要件を事前に確認しておくことをお勧めします。たとえば、E1 接続のための T1/E1 カードを設定する場合、150 ペアの DS0 チャネルと 384 の DSP リソースがサポートされます。この DSP リソースでは、使用するコーデックに応じて、96 の G.729 音声ストリームまたは 150 の G.711 音声ストリームをサポートできます。


シスコのインターフェイスおよびモジュールの詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/modules/prod_module_category_home.html

ダイヤル エンジンへのメディア リソースの割り当て

ユーザが Cisco IPICS のダイヤル エンジンにダイヤルインするときは、SIP ベース(ユニキャスト)の接続を使用してシステムにアクセスし、Cisco IPICS へのメディア接続を確立します。ユーザがチャネルや VTG に参加すると、Cisco IPICS では、Cisco IPICS サーバから割り当て済みのループバックへのマルチキャスト接続が有効になるように、RMS の T1 ループバック(DS0)リソースが設定されます。このループバック設定によって、Cisco IPICS サーバと RMS で選択されたチャネルまたは VTG との間のマルチキャスト接続を容易に確立できます。

このマルチキャスト接続は、チャネルまたは VTG を選択するダイヤルイン ユーザの数に関係なく、チャネルまたは VTG ごとに 1 回ずつ確立されます。チャネルまたは VTG から最期のダイヤルイン ユーザが接続解除すると、RMS のリソースは解放され、使用可能な状態になります。

ダイヤルイン ユーザが Cisco IPICS サーバのメディア ドライバへのユニキャスト メディア接続を確立すると、ポリシー エンジンでマルチキャスト ストリームが次のように送受信されます。

1. ダイヤルイン ユーザが正常に認証を受けてリソースを選択すると、Cisco IPICS は、RMS の DS0 ループバックをそのユーザに割り当て、さらにマルチキャスト プールから取得したマルチキャスト アドレスを割り当てます。次に、マルチキャスト アドレスに対してインターネット グループ管理プロトコル(IGMP)の join 操作を実行します。そのため、他のダイヤルイン ユーザが同じリソースを選択した場合でも、Cisco IPICS サーバは継続して同じマルチキャスト アドレスを使用できます。

2. ダイヤルイン ユーザが電話機の 1 を押して発言し始めると、Cisco IPICS は、選択されたリソースのマルチキャスト アドレスに、そのオーディオを伝送します。

3. RMS がマルチキャスト パケットを受信すると、マルチキャスト プールから割り当てられたマルチキャスト アドレスに、そのパケットを転送します。Cisco IPICS は、そのマルチキャスト オーディオ ストリームを受信し、それをユニキャスト ストリームとして、そのリソースを選択しているすべてのダイヤルイン ユーザに転送します。

仮想トーク グループ

Virtual Talk Group(VTG; 仮想トーク グループ)を使用すると、さまざまなチャネル上の参加者が単一のマルチキャスト アドレスを使用して通信できます。VTG には、次のメンバーを任意に組み合せて(一時的なチャネルに)入れることができます。

チャネル

チャネル グループ

ユーザ

ユーザ グループ

他の VTG

Cisco IPICS の管理者は、Cisco IPICS チャネルを作成し、それぞれにマルチキャスト アドレスを割り当てます。Cisco IPICS のディスパッチャは、必要に応じて VTG を作成します。ディスパッチャが VTG を作成すると、マルチキャスト プールにある使用可能なアドレスを Cisco IPICS サーバが自動的に VTG に割り当てます。つまり、VTG にはマルチキャスト プールにあるアドレスが動的に割り当てられるのに対して、チャネルは、VTG で使用されるアドレス範囲に含まれない静的アドレスとして設定されます。

VTG を使用することで、互いに異なるチャネルをアクティブにした 2 つのエンドポイントなど、それぞれ別のマルチキャスト アドレスが割り当てられているエンドポイント間で通信できるようになります。VTG を有効にして、それぞれが別のマルチキャスト アドレスを使用している 2 つまたはそれ以上のエンドポイントが互いに通信できるようにするには、各チャネルのマルチキャスト ストリームを RMS でブリッジ(混合)する必要があります。この VTG シナリオでは、VTG 内の各チャネルに Cisco IPICS サーバがループバック音声ポートを割り当てます。

たとえば、ディスパッチャが Combined という名前の VTG を作成し、この VTG に Police チャネルと Fire チャネルがメンバーとして含まれているとします。また、各 LMR 音声ポートはマルチキャスト アドレスを使用して静的に設定されていて、LMR Police ユーザは常に Police チャネルに送信し、LMR Fire ユーザは常に Fire チャネルに送信するものとします。Police チャネルと Fire チャネル間で通信できるようにするには、これらのチャネルからのマルチキャスト ストリームを RMS でブリッジする必要があります。

この例では、ユーザが Police チャネル(チャネル 1)で発言した場合、RMS ルータがこのマルチキャスト ストリームを Fire チャネル(チャネル 2)と VTG チャネルにブリッジする必要があります。RMS は、チャネル 2 または VTG チャネル上のユーザが発言した場合も同様に処理する必要があります。図2-4 を参照してください。

図2-4 VTG チャネルの混合

 

RMS は、T1 ループバック ケーブルを使用してバックツーバック接続された T1 または E1 インターフェイスを使用してこのメディア混合を実行します(図2-5 を参照してください)。

図2-5 RMS

 

このシナリオでは、チャネルの混合に使用する 2 つの DS0 ペアを Cisco IPICS サーバが RMS ルータから自動的に選択します。Cisco IPICS サーバは、関連する音声ポートおよびダイヤル ピアも設定します。

引き続きこの例を使用して、Cisco IPICS が次のようにタイムスロット 10 と 14 を選択するとします。

T1 0/0:10 --------------T1 0/1:10
VTG Combined San Jose Police
239.192.21.79 239.192.21.64
 
T1 0/0:14 --------------T1 0/1:14
VTG Combined San Jose Fire
239.192.21.79 239.192.21.65
 

また、Cisco IPICS ディスパッチャが次のユーザおよびチャネルを「Combined」VTG チャネルに配置するとします。

チャネル:

Police

Fire

ユーザ:

User 1

User 2

User 3

User 4

ディスパッチャがこの VTG をアクティブにすると、Cisco IPICS は Cisco ルータを使用し、選択された T1 DS0 に割り当てられている音声ポートとダイヤル ピアを RMS に設定します。図2-6、およびこの図以降の設定例を参照してください。

図2-6 RMS の設定と管理

 

次の例は、このシナリオ用の設定を示しています。

dial-peer voice 90929090 voip
description #0/0:10#1152296144646# INUSE 16
destination-pattern 90929090
voice class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.79:21000
codec g711ulaw
no vad
!
dial-peer voice 90929190 voip
description #0/1:10#1152296144646# INUSE 16
destination-pattern 90929190
voice class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.65:21000
codec g711ulaw
no vad
!
dial-peer voice 90929092 voip
description #0/0:14#1152296144696# INUSE 18
destination-pattern 90929092
voice class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.79:21000
codec g711ulaw
no vad
!
dial-peer voice 90929192 voip
description #0/1:14#1152296144696# INUSE 18
destination-pattern 90929192
voice class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.64:21000
codec g711ulaw
no vad
!
voice-port 0/0:10
voice class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929090
description #0/0:10#1152296144646# INUSE 16
!
voice-port 0/0:14
voice class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929092
description #0/0:14#1152296144696# INUSE 18
!
voice-port 0/1:10
voice class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929190
description #0/1:10#1152296144646# INUSE 16
!
voice-port 0/0:14
voice class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timeouts teardown lmr infinity
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 90929192
description #0/1:14#1152296144696# INUSE 18
 

RMS での Cisco Hoot & Holler 機能を使用したチャネル混合

RMS は、Cisco Hoot & Holler 機能を使用してチャネルを混合します。Cisco Hoot & Holler は、最近の 3 人の発言者が 1 つのマルチキャスト出力ストリームに混合される通信システムです。「 hootie 」とも呼ばれるこれらのネットワークは、「常時オン」のマルチユーザ会議を提供するので、ユーザはダイヤルして会議に参加する必要がありません。

Cisco Hoot & Holler に関する追加情報については、次の URL で入手可能なマニュアルを参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/ps6552/products_ios_technology_home.html

http://www.cisco.com/en/US/tech/tk828/tsd_technology_support_protocol_home.html

Multicast Hoot & Holler White Paper :
http://www.cisco.com/warp/public/cc/so/neso/vvda/hthllr/hhoip_wp.pdf

IP アドレスを RMS 上の音声ポートに関連付けるには、Virtual Interface(VIF; 仮想インターフェイス)を使用します。図2-4 に示した例の場合、RMS は Police チャネル(239.192.21.64)、Fire チャネル(239.192.21.65)、および Combined VTG チャネル(239.192.21.79)に参加します。

IP 実装上の Cisco Hoot & Holler では、VTG に含まれているすべての参加者が同時に発言できます。ただし、さまざまな送信元からの音声パケットがルータに到達した場合は、IOS の調停アルゴリズムが最近の 3 つのアクティブな音声ストリームだけを選択し、ルータの DSP に送信して混合します。この他の音声ストリームが送信された場合、ルータはラウンドロビン調停アルゴリズムを使用して、最も長く発言している発言者をドロップします。図2-7 を参照してください。

図2-7 音声ストリームの混合

 

表2-2 は、チャネル上に 4 人のアクティブなユーザがいる VTG において、混合がどのように機能するかの例を示しています。

 

表2-2 混合の例

イベント

ユーザ A が発言を開始します。

1 人のユーザが発言します。

ユーザ B とユーザ C がユーザ A に応答します。

3 人のユーザが同時に発言します。

各ルータの Cisco IOS 調停エンジンが、3 つの音声ストリームを受信します。

ユーザ D が、他の 3 者の発言中に発言を開始します。

各ルータの Cisco IOS 調停エンジンが、4 つの音声ストリームを受信します。

アルゴリズムは、3 つまでの音声ストリームを DSP に送信できます。最も長く発言しているユーザ A の音声ストリームがドロップされ、ユーザ D が送信対象のストリームに加わります。

DSP 内の音声ストリームは、ユーザ B、ユーザ C、およびユーザ D からのものになります。

2 秒後、4 人のユーザ全員がまだ発言しています。

現時点で最も長く発言しているユーザ B がドロップされ、ユーザ A が追加されます。

DSP 内の音声ストリームは、ユーザ C、ユーザ D、およびユーザ A からのものになります。

2 秒後、4 人のユーザ全員がまだ発言しています。

現時点で最も長く発言しているユーザ C がドロップされ、ユーザ B が追加されます。

DSP 内の音声ストリームは、ユーザ D、ユーザ A、およびユーザ B からのものになります。

ユーザ全員が、まだ発言しています。

最も長く発言している発言者をドロップし、他のユーザを追加するラウンドロビン プロセスが、引き続き 2 秒ごとに発生します。

Cisco IPICS エンドポイントのシナリオ

Cisco IPICS のディスパッチャが Combined VTG(図2-3 を参照)をアクティブにすると、Cisco IPICS は、Police、Fire、および Combined VTG チャネルを混合するように RMS ルータを設定します。VTG に入っているユーザの PMC または Cisco Unified IP Phone に、新しい Combined VTG チャネルが表示されます。LMR エンドポイントには、関連付けられているユーザは存在しません。LMR チャネルは静的に設定されるため、LMR のユーザは、LMR チャネルと同一のマルチキャスト アドレスが設定されている Cisco IPICS チャネルからしか送受信を実行できません。LMR ユーザは、LMR ユーザのチャネルが他のチャネルまたはユーザとともに VTG に含まれている場合、同じチャネルを使用していないエンドポイントとだけ通信できます。

図2-8 は、4 人のユーザが Police チャネルまたは Fire チャネルを非アクティブにし、Combined VTG チャネルをアクティブにしているシナリオを示しています。

図2-8 マルチキャスト グループのメンバーシップ

 

ユーザが Police チャネルと Fire チャネルを非アクティブにし、Combined VTG チャネルをアクティブにすると、エンドポイントは Police チャネルと Fire チャネルについて、インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)の leave メッセージを送信し、Combined VTG チャネルについては IGMP の join メッセージを送信します。LMR 音声ポート チャネルは静的に設定され、VIF は設定済みのマルチキャスト グループにすでに参加しています。図2-9 に示すように、ユーザ A が発信すると、システムはマルチキャスト パケットをマルチキャスト ディストリビューション ツリーを通じて送信します。送信先は、Combined グループに参加している各エンドポイント、およびオーディオを混合して VTG 内のチャネルに送信する RMS です。

図2-9 VTG チャネルへの送信

 

RMS ルータは、Combined VTG チャネル上でトラフィックを受信すると、このチャネルを Police チャネルおよび Fire チャネルと混合し、混合ストリームを LMR エンドポイントに転送します(図2-10 を参照してください)。

図2-10 Police チャネルおよび Fire チャネルへの VTG チャネルの送信

 

LMR Police ユーザが発信するとき、このマルチキャスト チャネルに参加している他のエンドポイントは RMS ルータだけです。マルチキャスト音声トラフィックは、マルチキャスト ディストリビューション ツリーに従って RMS に転送され、RMS で Fire チャネルおよび Combined VTG チャネルと混合されてから、VTG に含まれている他のエンドポイントに転送されます。図2-11 を参照してください。

図2-11 LMR マルチキャスト トラフィックの流れ

 

図2-12 は、Fire と Combined VTG の 2 つのチャネルをアクティブにしているユーザ C を示しています。

図2-12 2 つのチャネルがアクティブな場合のトラフィックの流れ

 

ユーザ C が 2 つのチャネル(Fire と Combined VTG)をアクティブにしたため、2 つのマルチキャスト グループが IGMP を使用して結合されます。この結果、Combined VTG 内のエンドポイントが発信すると、ユーザ C は発信されたパケットを 2 回受信します(この場合、重複パケットによってオーディオ品質に問題が生じるおそれがあります。このシナリオの状況にならないように注意してください)。

VTG に LMR エンドポイントが含まれていない場合は、VTG に RMS DS0 リソースが必要ないこともあります。たとえば、Stocks という Cisco IPICS チャネルと Bonds というチャネルがある金融機関を考えてみます。Stocks チャネルに関連付けられているユーザは互いに通信でき、Bonds チャネルに関連付けられているユーザも互いに通信できます。図2-13 は、このシナリオを示しています。

図2-13 LMR エンドポイントがない Cisco IPICS のシナリオ

 

ユーザを含んでいてチャネルを含まない VTG を作成した場合、RMS DS0 リソースは必要ありません。この場合に必要となるリソースは、マルチキャスト プールにあるマルチキャスト チャネルだけです。PMC と Cisco Unified IP Phone のユーザは、LMR のユーザとは異なり、1 つのチャネルに静的に設定されていないため、RMS DS0 リソースは必要ありません。VTG にユーザだけが配置されている場合は、ユーザの PMC または電話機に VTG が表示されます。VTG がアクティブになったときにこれらのエンドポイントが実行するのは、Cisco IPICS サーバが割り当てる VTG マルチキャスト チャネルに参加することだけです。図2-14 を参照してください。

図2-14 ユーザだけを含んだ VTG

 

VTG を作成する代わりに、新しいチャネルを作成し、ユーザ全員をそのチャネルに関連付ける方法でも、RMS DS0 リソースの消費を避けることができます。図2-14 に示した例では、Combined というチャネルがあります。ユーザの PMC または電話機には、2 つのチャネルが表示されます。1 つは Combined VTG チャネルで、もう 1 つは Stocks と Bonds チャネルのいずれかです。

ユーザ(たとえばユーザ C)がこのような複合 VTG チャネルに参加できないようにするには、次のいずれかの作業を行います。

チャネルを作成して Combined などの名前を付け、このチャネルにユーザ C を除くすべてのユーザを関連付けます。

ユーザ C を除くすべてのユーザを含んだ、複合 VTG を作成します。

このシナリオの図解については、図2-15 を参照してください。

図2-15 VTG へのアクセスの制限

 

VTG を作成し、Stocks チャネル、Bonds チャネル、およびユーザ C を除くすべてのユーザを入れた場合は、ユーザ C を除くすべてのユーザの PMC または電話機に、この Combined VTG チャネルが表示されます。ただし、Stocks チャネルと Bonds チャネルが VTG に含まれているため、ユーザ C はこの VTG を対象として送受信を実行できます。図2-16 を参照してください。

図2-16 特定のユーザを排除した Combined VTG

 

リモート PMC ユーザ

Cisco IPICS マルチキャスト ドメインに接続されていない PMC ユーザは、Cisco IPICS にログインするときにリモート ロケーションを選択する必要があります(図2-17 を参照してください)。この方法で Cisco IPICS にログインした PMC ユーザを「リモート PMC ユーザ」と呼ぶ場合があります。このようなユーザの例としては、衛星接続を使用するユーザや、VPN を通じてネットワークに接続するユーザがあります。

図2-17 リモート PMC ユーザ

 

リモート PMC ユーザは、マルチキャストを使用して Cisco IPICS ドメインに接続することができません。代わりに、SIP ベースの(ユニキャスト)接続を使用して RMS に接続します。RMS は、このユニキャスト ストリームをリモート PMC ユーザがアクティブにしたチャネルのマルチキャスト ストリームに混合します。リモート PMC ユーザが Cisco IPICS にログインすると、ユーザに関連付けられているすべてのチャネルに対して、Cisco IPICS サーバが RMS 上の DS0 ペアを割り当てます。図2-18 を参照してください。

図2-18 タイムスロットの割り当て

 

Cisco IPICS サーバが、リモート PMC ユーザにタイムスロット 20 を割り当てたとします。この場合、Cisco IPICS サーバは音声ポートとダイヤル ピアを次のように設定します。

マルチキャスト側:239.192.21.64

voice-port 0/0/0:20
voice class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
connection trunk 909090920
description #0/0/0:20#1123534375842# INUSE 92
 
dial-peer voice 909090920 voip
description #0/0/0:20#1123534375842# INUSE 92
destination-pattern 909090920
voice class permanent 1
session protocol multicast
session target ipv4:239.192.21.64:21000
codec g711ulaw
no vad

ユニキャスト側:239.192.21.64

voice-port 0/0/1:20
voice class permanent 1
auto-cut-through
lmr m-lead audio-gate-in
lmr e-lead voice
no echo-cancel enable
playout-delay maximum 100
no comfort-noise
timeouts call-disconnect 3
timing hookflash-in 0
timing hangover 40
description #0/0/1:20#1123534375842# INUSE 92
 
dial-peer voice 909091920 pots
description #0/0/1:20#1123534375842# INUSE 92
destination-pattern 8880000081909091920
port 0/0/1:20
 

Cisco IPICS サーバは、音声ポートとダイヤル ピアを設定した後、RMS の IP アドレスおよびこのユニキャスト接続の POTS 番号をリモート PMC ユーザに送信します。図2-19 を参照してください。

図2-19 リモート ユーザへの RMS および POTS 番号の提供

 

PMC ユーザがチャネルをアクティブにすると、リモート PMC は SIP を使用してユニキャスト コールを確立します。SIP コールが確立されると、リモート PMC ユーザは Police チャネルに対して送受信を実行できるようになります。

このプロセスの例については、次の図を参照してください。

図2-20 「ユニキャスト接続の確立」

図2-21 「SIP シグナリングの流れ」

図2-22 「ユニキャストからマルチキャストへのコール フロー」

図2-23 「マルチキャストからユニキャストへのコール フロー」

図2-20 ユニキャスト接続の確立

 

図2-21 SIP シグナリングの流れ

 

図2-22 ユニキャストからマルチキャストへのコール フロー

 

図2-23 マルチキャストからユニキャストへのコール フロー

 

Cisco IPICS サーバに RMS を追加するときは、RMS ルータのループバック アドレスを使用します。RMS ルータへのパスが複数あり、物理インターフェイスが使用されている場合、物理インターフェイスがダウンするか到達不能になると、RMS が到達不能になります。Cisco IPICS サーバに RMS を追加するときにループバック アドレスを IP アドレスとして使用すると、サーバはこの IP アドレスを PMC に SIP プロキシ アドレスとしてプッシュします。


) 特定の条件を満たしている場合は、ループバック以外のインターフェイスを使用できます。詳細については、『Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1)』の付録「Configuring the Cisco IPICS RMS Component」を参照してください。


Cisco IPICS と SIP プロバイダーの統合

Cisco IPICS のダイヤル エンジンでは、コールを発信または受信するために SIP プロバイダーが必要です。ダイヤル エンジンは、次の SIP プロバイダーでテスト済みです。

Cisco Unified Communications Manager リリース 5.1(2b)

Cisco Unified Communications Manager 4.1(3)(サポート対象の Cisco IOS リリースが動作するルータが必要)

Cisco Unified Communications Manager の他のリリースについてはまだテストが終了していませんが、SIP プロバイダーとして Cisco ルータを使用する場合は、Cisco Unified Communications Manager と SIP プロバイダーとして使用するルータとの間で VoIP コールを発信できれば、使用する Cisco Unified Communications Manager のリリースは関係ありません。

必要なダイヤル ピアを正しく設定する方法を決定するときには、配置トポロジに RMS ルータをどのように適合させるかを考慮する必要があります。主なガイドラインを次に示します。

Cisco IPICS のダイヤル エンジンで送受信されるすべてのコールは、設定済みの SIP プロバイダーを経由する。

PMC ダイヤル直通コールは、PMC から RMS に送信される。

RMS も SIP プロバイダーとして使用可能である。

Cisco IPICS 環境はコール フローによって異なるため、サポートするコンポーネントを適切に設定できるようにコール フローの仕組みを理解することが重要です。RMS および Cisco IOS SIP ゲートウェイの設定手順と SIP プロバイダーの詳細については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』を参照してください。SIP プロバイダーをネットワークに配置する方法と、サイトでのダイヤル プランによって、コンポーネントの設定方法が決まります。

次の項では、さまざまなシナリオで接続できるように、Cisco IOS ダイヤル ピアを設定する方法について説明します。

「SIP セッションの要件」

「デフォルト ダイヤル ピアのシナリオ」

「PMC ダイヤル直通プレフィックスが必要になる条件」

「ネイティブ SIP トランクをサポートしない Cisco Unified Communications Manager リリースへの接続」

SIP セッションの要件

Cisco IPICS では、SIP セッションについて次の要件を満たす必要があります。

SIP プロバイダーと Cisco IPICS 間の SIP セッションは、次のメディア機能に限定されます。

コーデックは、G.711u-law でなければならない

パケット サイズは 20 バイトでなければならない(G.711 u-law のデフォルト値)

サンプリング レートは 8000 Hz でなければならない(G.711 u-law のデフォルト値)

電話イベント ペイロードは 101 でなければならない

Cisco IPICS が RMS に送信するマルチキャスト パケットの Time To Live(TTL; 存続可能時間)は常に 64 です。この値は設定できません。64 に設定された TTL が、RMS と Cisco IPICS との間のワーストケース パスにも十分であることを確認してください。

Cisco IPICS と SIP プロバイダーの間で Real-Time Transport Protocol(RTP)、Real-time Transport Control Protocol Control Protocol(RTCP)、または SIP トラフィックをブロックするファイアウォールを配置することはできません。

Cisco IPICS では、NAT 走査はサポートされません。Cisco IPICS と RMS 間または Cisco IPICS と SIP プロバイダー間の NAT はサポートされません。

デフォルト ダイヤル ピアのシナリオ

RMS コンポーネントで特定の着信ダイヤル ピアと発信ダイヤル ピアを設定する必要があります。この設定は、Cisco IOS ゲートウェイと Cisco Unified Communications Manager のどちらを使用するかによって異なります。Cisco IPICS のダイヤル直通機能を使用する場合は、ダイヤル ピアの要件もあります。Cisco IPICS のダイヤル直通機能の設定方法については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の「Configuring SIP」の項を参照してください。RMS のダイヤル ピアの設定方法については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の付録「Configuring the Cisco IPICS RMS Component」を参照してください。


) Cisco IOS SIP ゲートウェイを SIP プロバイダーとして使用する環境で、Cisco Unified Communications Manager 4.1 を使用している場合は、Cisco IOS SIP ゲートウェイにも、Cisco Unified Communications Manager に到達する発信ダイヤル ピアとして、ダイヤル ピア 557 が設定されている必要があります。「ネイティブ SIP トランクをサポートしない Cisco Unified Communications Manager リリースへの接続」を参照してください。


シナリオでのダイヤル ピアの使用

次の図は、さまざまなシナリオで使用されるダイヤル ピアを示しています。

図2-24 「Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) を使用する環境でのポリシー エンジンへのコール」

図2-25 「Cisco Unified Communications Manager 4.1(2) を使用する環境でのポリシー エンジンへのコール」

図2-26 「Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) を使用する環境でのポリシー エンジンからのコール」

図2-27 「Cisco Unified Communications Manager 4.1(2) を使用する環境でのポリシー エンジンからのコール」

図2-28 「Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) を使用する環境での PMC ダイヤル直通コール」

図2-29 「別個のルータで Uses Cisco Unified Communications Manager 4.1(2)、RMS、および Cisco IOS SIP ゲートウェイを使用する環境での PMC ダイヤル直通コール」

図2-30 「同一ルータで Uses Cisco Unified Communications Manager 4.1(2)、RMS、および Cisco IOS SIP ゲートウェイを使用する環境での PMC ダイヤル直通コール」

図2-24 Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) を使用する環境でのポリシー エンジンへのコール

 

図2-25 Cisco Unified Communications Manager 4.1(2) を使用する環境でのポリシー エンジンへのコール

 

図2-26 Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) を使用する環境でのポリシー エンジンからのコール

 

図2-27 Cisco Unified Communications Manager 4.1(2) を使用する環境でのポリシー エンジンからのコール

 

図2-28 Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) を使用する環境での PMC ダイヤル直通コール

 

図2-29 別個のルータで Uses Cisco Unified Communications Manager 4.1(2)、RMS、および Cisco IOS SIP ゲートウェイを使用する環境での PMC ダイヤル直通コール

 

図2-30 同一ルータで Uses Cisco Unified Communications Manager 4.1(2)、RMS、および Cisco IOS SIP ゲートウェイを使用する環境での PMC ダイヤル直通コール

 

コール フローおよびダイヤル ピアの例

次の項では、さまざまなシナリオでの可能なコール フローについて説明し、ダイヤル ピア設定例を示します。

「シナリオ 1:ポリシー エンジン < - > SIP < - > Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b)」

「シナリオ 2:ポリシー エンジン <-> SIP <-> Cisco IOS SIP ゲートウェイ、Cisco Unified Communications Manager または Cisco Unified Communications Manager Express なし」

「シナリオ 3:ポリシー エンジン <-> SIP <-> Cisco IOS SIP ゲートウェイ、ネイティブ SIP トランク サポートなしの Cisco Unified Communications Manager、Cisco IOS SIP ゲートウェイでの RMS 機能あり」

「シナリオ 4:ポリシー エンジン <-> SIP <-> Cisco IOS SIP ゲートウェイ、ネイティブ SIP トランク サポートなしの Cisco Unified Communications Manager、Cisco IOS SIP ゲートウェイでの RMS 機能なし」

シナリオ 1:ポリシー エンジン < - > SIP < - > Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b)

このシナリオでは、ダイヤルインおよびダイヤルアウトのために、Cisco IPICS と Cisco Unified Communications Manager との間に SIP トランクが必要です。また、PMC ダイヤル直通機能のために、RMS と Cisco Unified Communications Manager との間に SIP トランクが必要です。

図2-31 は、このシナリオを示しています。

図2-31 Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) を使用する環境でのコール

 

このシナリオでは、Cisco IOS SIP ゲートウェイを使用せず、RMS では関連するダイヤル ピア エントリのみ設定します。RMS ダイヤル ピアは、リモート PMC 接続と PMC ダイヤル直通コールに使用されます。このコールは、着信ダイヤル ピア 555 でマッチングされます。PMC ダイヤル直通コールは、発信ダイヤル ピア 556 を使用して、SIP トランク経由で Cisco Unified Communications Manager にルーティングされます。

RMS ダイヤル ピアは、次のように設定されます。dtmf-relay rtp-nte 設定は、ダイヤル エンジンによってコールされた関係者が、Cisco IPICS テレフォニー ユーザ インターフェイス(TUI)に接続するときに DTMF 番号を入力するのを可能にするために必要です。

dial-peer voice 555 voip
voice-class codec 2
session protocol sipv2
incoming called-number .
dtmf-relay rtp-nte
no vad
!
dial-peer voice 556 voip
description sip provider
destination-pattern .T
voice-class codec 1
session protocol sipv2
session target ipv4:<Cisco Unified Communications Manager 5.1(2b) IP Address>
session transport tcp
dtmf-relay rtp-nte
 

シナリオ 2:ポリシー エンジン <-> SIP <-> Cisco IOS SIP ゲートウェイ、Cisco Unified Communications Manager または Cisco Unified Communications Manager Express なし

このシナリオは、目的の SIP コール ルーティングによって異なります。要件に応じて適切なダイヤル ピアを設定する必要があります。ほとんどの場合、この設定はシナリオ 3 の一部です。シナリオ 3 では、Cisco Unified Communications Manager 4.1(2) との接続に使用されるダイヤル ピアは、目的のダイヤル パターンおよび宛先を反映するように変更されます。

シナリオ 3:ポリシー エンジン <-> SIP <-> Cisco IOS SIP ゲートウェイ、ネイティブ SIP トランク サポートなしの Cisco Unified Communications Manager、Cisco IOS SIP ゲートウェイでの RMS 機能あり

このシナリオでは、Cisco IOS SIP ゲートウェイを、Cisco IPICS ダイヤル エンジンおよび RMS の SIP プロバイダーとして使用します。この例では、ダイヤル プランが目的のルーティングをサポートするようにダイヤル ピア設定をカスタマイズする必要があります。この場合、デフォルトのダイヤル ピア(554、556、および 557)は使用されません。

図2-32 は、このシナリオを示しています。

図2-32 Cisco IOS SIP ゲートウェイ、およびネイティブ SIP トランク サポートなしの Cisco Unified Communications Manager を使用する環境でのコール、Cisco IOS SIP ゲートウェイでの RMS 機能なし

 

このシナリオのダイヤル ピア設定例では、次の事項を前提としています。

Cisco Unified Communications Manager に接続された電話機には 5 桁の内線番号があり、その一部は 2 で始まるが、251 で始まる番号はない。

PSTN および他の Cisco Unified Communications Manager サーバへの発信コールは、9 および 8 を使用して Cisco Unified Communications Manager でルーティングされる。

ダイヤル エンジンに到達するために ops ビューで使用されるダイヤル番号は、251 で始まる 5 桁の番号である。

ダイヤル直通プレフィックスはないので、変換ルールは不要である。

このシナリオでは、次のコール タイプを処理します。

PMC リモート(着信ダイヤル ピア 555)

Cisco Unified Communications Manager からのコール(着信ダイヤル ピア 555、発信ダイヤル ピア 25100)

ダイヤル エンジンから Cisco IOS SIP ゲートウェイを経由して Cisco Unified Communications Manager への SIP コール(着信ダイヤル ピア 555、発信ダイヤル ピア 25100.8000 および 9000)

RMS を経由して Cisco Unified Communications Manager への PMC ダイヤル直通(着信ダイヤル ピア 555、発信ダイヤル ピア 25000.8000 および 9000)

RMS/Cisco IOS SIP ゲートウェイ ダイヤル ピアは、次のように設定されます。

dial-peer voice 555 voip
voice-class codec 2
session protocol sipv2
incoming called-number .
dtmf-relay rtp-nte
no vad
!
dial-peer voice 25000 voip
destination-pattern .....
voice-class codec 1
session target ipv4:<Cisco Unified Communications Manager 4.1 IP Address>
session transport tcp
dtmf-relay h245-alphanumeric
!
dial-peer voice 9000 voip
destination-pattern 9T
voice-class codec 2
session target ipv4:<Cisco Unified Communications Manager 4.1 IP Address>
dtmf-relay h245-alphanumeric
!
dial-peer voice 8000 voip
destination-pattern 8T
voice-class codec 2
session target ipv4:<Cisco Unified Communications Manager 4.1 IP Address>
dtmf-relay h245-alphanumeric
!
dial-peer voice 25100 voip
destination-pattern 251..
session protocol sipv2
session target ipv4:<Cisco IPICS Server IP Address>
session transport tcp
dtmf-relay rtp-nte
 

シナリオ 4:ポリシー エンジン <-> SIP <-> Cisco IOS SIP ゲートウェイ、ネイティブ SIP トランク サポートなしの Cisco Unified Communications Manager、Cisco IOS SIP ゲートウェイでの RMS 機能なし

このシナリオでは、Cisco IOS SIP ゲートウェイは SIP プロバイダーであり、RMS は別個のルータに存在します。

図2-33 は、このシナリオを示しています。

図2-33 Cisco IOS SIP ゲートウェイ、およびネイティブ SIP トランク サポートなしの Cisco Unified Communications Manager を使用する環境でのコール。Cisco IOS SIP ゲートウェイでの RMS 機能なし

 

このシナリオのダイヤル ピア設定例では、次の事項を前提としています。

Cisco Unified Communications Manager に接続された電話機に、5 桁の内線番号が割り当てられている。

PSTN および他の Cisco Unified Communications Manager サーバへの発信コールは、9 および 8 を使用して Cisco Unified Communications Manager サーバでルーティングされる。

ダイヤル エンジンに到達するために ops ビューで使用されるダイヤル番号は、251 で始まる 5 桁の番号である。

ダイヤル直通プレフィックスはないので、変換ルールは不要である。

このシナリオでは、次のコール タイプを処理します。

PMC リモート(RMS 上の着信ダイヤル ピア 555)

Cisco Unified Communications Manager からのコール(Cisco IOS SIP ゲートウェイでの着信ダイヤル ピア 555、発信ダイヤル ピア 25100)

ダイヤル エンジンから Cisco IOS SIP ゲートウェイを経由して Cisco Unified Communications Manager への SIP コール(Cisco IOS SIP ゲートウェイでの着信ダイヤル ピア 555、発信ダイヤル ピア 25000.8000 および 9000)

RMS を経由して Cisco IOS SIP ゲートウェイを通過し Cisco Unified Communications Manager への PMC ダイヤル直通(RMS 着信ダイヤル ピア 555、RMS 発信ダイヤル ピア 556、Cisco IOS SIP ゲートウェイ着信ダイヤル ピア 555、Cisco IOS SIP ゲートウェイ発信ダイヤル ピア 557)

RMS ダイヤル ピアは、次のように設定されます。


) 複数の RMS コンポーネントが存在する場合、RMS コンポーネントごとに、SIP プロバイダーへの接続をサポートする発信ダイヤル ピアが必要です。


dial-peer voice 555 voip
voice-class codec 2
session protocol sipv2
incoming called-number .
dtmf-relay rtp-nte
no vad
!
dial-peer voice 556 voip
destination-pattern .T
voice-class codec 1
session protocol sipv2
session target ipv4:<Cisco IOS SIP Gateway IP Address>
session transport tcp
dtmf-relay rtp-nte
 

Cisco IOS SIP ゲートウェイのダイヤル ピアは、次のように設定されます。

dial-peer voice 555 voip
voice-class codec 2
session protocol sipv2
incoming called-number .
dtmf-relay rtp-nte
no vad
!
dial-peer voice 25000 voip
destination-pattern .....
voice-class codec 1
session target ipv4:<Cisco Unified Communications Manager 4.1 IP Address>
session transport tcp
dtmf-relay h245-alphanumeric
!
dial-peer voice 9000 voip
destination-pattern 9T
voice-class codec 2
session target ipv4:<Cisco Unified Communications Manager 4.1 IP Address>
dtmf-relay h245-alphanumeric
!
dial-peer voice 8000 voip
destination-pattern 8T
voice-class codec 2
session target ipv4:<Cisco Unified Communications Manager 4.1 IP Address>
dtmf-relay h245-alphanumeric
!
dial-peer voice 25100 voip
destination-pattern 251..
session protocol sipv2
session target ipv4:<Cisco IPICS Server IP Address>
session transport tcp
dtmf-relay rtp-nte
 

PMC ダイヤル直通プレフィックスが必要になる条件

PMC ダイヤル直通機能は常に RMS をプロキシとして使用するので、ダイヤル ストリングに番号操作を行うために固有のダイヤル パターンが必要になることがあります。これは、番号操作を必要としない他のコールと区別できるようにするためです。

この場合、RMS でダイヤル ピアと変換ルールの組み合せを使用して、番号を、目的の宛先に送信する前に操作できます。

次の例では、発信ダイヤル ピアの変換ルールを RMS に設定します。この設定では、ダイヤル直通機能にダイヤル直通プレフィックスを使用できます。この設定はほとんどのシナリオで必要ですが、デフォルトの設定では、ダイヤル プレフィックスに 9 を使用できます。このプレフィックスは、次の RMS 設定で削除されます。

voice translation-rule 1
rule 1 /^9\(.*\)$/ /\1/
voice translation-profile 1
translate called 1
 
dial-peer voice 556 voip
destination-pattern 9T
translation-profile outgoing 1
preference 10
voice-class codec 1
session protocol sipv2
session target ipv4:<SIP Provider IP Address>
session transport tcp
dtmf-relay rtp-nte

ネイティブ SIP トランクをサポートしない Cisco Unified Communications Manager リリースへの接続

ポリシー エンジンには、ネットワークに SIP プロバイダーが設定されている必要があります。SIP プロバイダーは、ポリシー エンジンとの間のコールを処理します。SIP プロバイダーについては、Cisco IPICS は、Cisco Unified Communications Manager またはサポートされるリリースの Cisco IOS が動作する Cisco ルータをサポートします。SIP プロバイダーの設定の詳細については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の「Configuring the SIP Provider」の項を参照してください。このアプリケーションのサポートされるリリースの詳細については、『 Cisco IPICS Compatibility Matrix 』を参照してください。

Cisco Unified Communications Manager の古いリリース(互換リリースとしてリストされていないリリース)を使用している場合、SIP プロバイダーは、Cisco IOS のサポートされるリリースが動作しているルータでなければなりません。ルータと Cisco Unified Communications Manager 間に H.323 トランクを使用して、ポリシー エンジンから Cisco Unified Communications Manager へのタンデム コールに、ルータの IP-to-IP ゲートウェイを使用できます。

次の項では、Cisco Unified Communications Manager 4.1 と、Cisco IOS 12.4.6(T6) が動作するルータ用にこのトランクを設定する方法を示します。この手順は、他の Cisco Unified Communications Manager リリースの場合と類似しています。

「Cisco Unified Communications Manager 4.1 でのトランクの設定」

「ルータでのトランクの設定」

Cisco Unified Communications Manager 4.1 でのトランクの設定

Cisco Unified Communications Manager 4.1 の H.323 トランクを設定するには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1 Cisco Unified Communications Manager Administration アプリケーションを開始してログインし、 Device > Trunk を選択します。

ステップ 2 Find and List Trunks ページで、 Add a New Trunk をクリックします。

ステップ 3 Add a New Trunk ページで、次の操作を行います。

a. Trunk Type ドロップダウン リストから Inter-Cluster Trunk (Non-Gatekeeper Controlled) を選択します。

b. Device Protocol ドロップダウン リストから Inter-Cluster Trunk を選択します。

c. Next をクリックします。

ステップ 4 Trunk Configuration ページで、次の操作を行います。

a. Device Information 領域の Media Termination Point Required チェックボックスをオンにします。

b. Inbound Calls 領域の Enable Inbound FastStart チェックボックスをオンにします。

c. Server 1 IP Address/Host Name フィールドに、IP-to-IP ゲートウェイが置かれているルータのホスト名の IP アドレスを入力します。

d. その他の設定値は、環境に適切な値に設定するか、デフォルト値のままにします。

e. Update をクリックします。

ステップ 5 Cisco Unified Communications Manager Administration アプリケーションのメニュー バーから、 Route Plane > Route/Hunt > Route Pattern を選択します。

ステップ 6 Find and Route Patterns ページで Add a New Route Pattern をクリックします。

ステップ 7 Route Pattern Configuration ページで、次の操作を行います。

a. Route Pattern フィールドに、IP-to-IP ゲートウェイを経由してポリシー エンジンにタンデム コールされるすべての DN を入力します(ops ビューとカスタム ダイヤル エンジン スクリプトの DN)。

b. Gateway or Route List ドロップダウン リストから、この手順ですでに設定したクラスタ間トランクを選択します。

c. その他の設定値は、環境に適切な値に設定するか、デフォルト値のままにします。

d. Update をクリックします。


 

ルータでのトランクの設定

ルータから Cisco Unified Communications Manager 4.1 への接続のための H.323 トランクを設定するには、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の「Configuring a Cisco Router as the SIP Provider」の項の説明に従ってルータを設定する必要があります。その後、そのルータに設定を追加します。

H.323 ダイヤル ピアの宛先パターンには、ポリシー エンジンが Cisco Unified Communications Manager DN に到達するのに使用するダイヤル パターンが組み込まれている必要があります。PMC ダイヤル直通(双方向)コールが発信されると、PMC は、Cisco IPICS Direct Dial Management ウィンドウ(Administration Console Policy Engine タブから Prompt Management > Direct Dial Management を選択)で割り当てられているダイヤル プレフィックスを前に付加します。H.323 ダイヤル ピアは、このプレフィックスに対処できる必要があります。さらに、ダイヤルイン ユーザが、コールする DN を入力したときに、H.323 ダイヤル ピアがこの番号をマッチングできる必要があります。

SIP から H.323 および H.323 から SIP への IP-to-IP ゲートウェイ機能の有効化

Router# configure terminal
Router(config)# voice service voip
Router(conf-voi-serv)# allow-connections sip to h323
Router(conf-voi-serv)# allow-connections h323 to sip
Router(conf-voi-serv)# allow-connections h323 to h323 (他の H.323 ダイヤル ピアが定義されている場合に限り必要)
Router(conf- voi-serv)#end
 

CCM 互換モードの有効化

Router# configure terminal
Router(config)# voice service voip
Router(conf-voi-serv)# h323
Router(conf-serv-h323)# ccm-compatible
Router(conf-serv-h323)# end
 

H.323 ダイヤル ピアの作成

Router# configure terminal
Router(config)# dial-peer voice <dial-peer-tag> voip
Router(config-dial-peer)# destination-pattern <route pattern> (ポリシー エンジンから Cisco Unified Communications Manager へのすべてのトラフィックをルーティングする route pattern を設定。たとえば、T)。
Router(config-dial-peer)# voice-class codec <voice class codec tag> (プリファレンス コーデックを指定する音声クラス コーデックに対応。たとえば、G.711 u-law)
Router(config-dial-peer)# session target <address of Cisco Unified Communications Manager 4.1>
Router(config-dial-peer)# dtmf-relay h245-alphanumeric
Router(config-dial-peer)# end

Cisco Unified IP Phone

Cisco IPICS 環境に Cisco Unified Communications Manager または Cisco Unified Communications Manager Express が含まれている場合は、Cisco Unified IP Phone サービス アプリケーション プログラミング インターフェイス(API)を使用することで、特定の Cisco Unified IP Phone モデルに PTT 機能を提供できます。PTT 機能が有効になっている電話機は、PMC と同様に動作できます。PTT チャネルまたは VTG を VoIP ネットワーク上で監視し、これらに参加するための使いやすい GUI が提供されます。ただし、PMC とは異なり、電話機が同時に参加できるのは 1 つのチャネルまたは VTG だけです。チャネルまたは VTG に参加するには、電話機に表示されるリストから、目的のチャネルまたは VTG を電話機のユーザが選択します。

PTT デバイスとして機能するように設定された電話機は、スタンドアロンの LMR PTT オーディオ クライアントを使用します。この Extensible Markup Language(XML)アプリケーションは、文字や画像によるインタラクティブ コンテンツを電話機に表示できるようにするものです。

この機能を有効にするには、IP テレフォニー(IPT)ネットワークに Cisco Unified Communications Manager または Cisco Unified Communications Manager Express を配置し、これらのアプリケーションのどちらかを Cisco IPICS サーバの IP アドレスを使用して設定する必要があります。Cisco Unified IP Phone は、この IP アドレスを使用してサーバを検出し、PTT XML アプリケーションをダウンロードします。

この機能の設定方法については、『 Cisco IPICS Server Administration Guide, Release 2.1(1) 』の付録「Setting Up the Cisco IP Phone for use with Cisco IPICS」を参照してください。Cisco IPICS で PTT デバイスとしてサポートされる Cisco Unified IP Phone のリストについては、『 Cisco IPICS Compatibility Matrix 』を参照してください。これらのマニュアルには、次の URL からアクセスできます。

http://www.cisco.com/en/US/products/ps7026/tsd_products_support_series_home.html

この項では、次のトピックについて取り上げます。

「Cisco Unified Communications Manager の設定の概要」

「Cisco Unified Communications Manager Express の設定の概要」

Cisco Unified Communications Manager の設定の概要

ユーザが登録できる Cisco Unified IP Phone サービスのリストを定義および管理するには、Cisco Unified Communications Manager Administration アプリケーションの Cisco IP Phone Services Configuration ページを使用します。これらのサービスは、サポートされている Cisco Unified IP Phone モデル上にインタラクティブ コンテンツを表示することができる XML アプリケーションです。

管理者が IP Phone サービスのリストを設定すると、Cisco Unified IP Phone のユーザが Cisco Unified Communications Manager の User Options メニューにアクセスし、サービスに登録できるようになります。管理者は、サービスを Cisco Unified IP Phone およびデバイス プロファイルに追加することもできます。管理者がサービスを短縮ダイヤル ボタンに割り当てると、ユーザはボタン 1 つでサービスにアクセスできるようになります。

電話サービスの設定の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager System Guide 』の「Cisco IP Phone Services」の章を参照してください。このマニュアルには、次の URL からアクセスできます。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/tsd_products_support_series_home.html

Cisco Unified Communications Manager Express の設定の概要

Cisco Unified Communications Manager Express で Cisco Unified IP Phone を Cisco IPICS PTT デバイスとしてサポートするための Cisco IOS ルータ コンフィギュレーションの例を次に示します。

ip dhcp excluded-address 10.1.1.1
!
ip dhcp pool pool1
network 10.1.1.0 255.255.255.248
domain-name yourdomainname
dns-server dns1 dns2
default-router 10.1.1.1
option 150 ip 10.1.1.1
 
tftp-server flash:filename1
tftp-server flash:filename2
 
telephony-service
load 7960-7940 filename1
load 7970 filename2
max-ephones n
max-dn m
ip source-address 10.1.1.1 port 2000
auto assign 1 to n
url services http://10.1.2.1/ipics_server/servlet/IPPhoneManager
create cnf-files
max-conferences 8 gain -6
 
ephone-dn 1 dual-line
number abcd
!
ephone-dn 2 dual-line
number efgh