Cisco IPICS ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン(SRND) Release 2.1(1)
Cisco IPICS の概要
Cisco IPICS の概要
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

Cisco IPICS の概要

Cisco IPICS の利点

Cisco IPICS のコンポーネント

Cisco IPICS の概要

Cisco IP Interoperability and Collaboration System(Cisco IPICS) は、メディアおよび情報を制御することにより、組織内および組織間の通信、相互運用、業務効率化を実現するインテリジェントなプラットフォームです。既存の無線専用ネットワークから、IP ネットワーク、Cisco IPICS Push-to-Talk Management Center(PMC)などの IP デバイス、およびサポートされている Cisco Unified IP Phone への通信を、IP の標準およびプロトコルを利用してブリッジします。

この章では、Cisco IPICS の概要を示します。さまざまな組織に対して Cisco IPICS がもたらす、優位性および利点について説明します。また、Cisco IPICS を配置した環境における主なコンポーネントについても説明します。

この章では、次のトピックについて取り上げます。

「Cisco IPICS の利点」

「Cisco IPICS のコンポーネント」

Cisco IPICS の利点

通信の相互運用性、データの統合、代理店と企業間でのイベントおよびインシデント ベースの案件対応と連携は、次の分野を含む多くの市場において重要な要件となります。

組織運営(運用、安全性、および安全対策)

商業

財務サービス

小売業

教育

福祉

公共事業

石油およびガス

公衆安全機関

運送業

軍事、防衛

政府機関

サービス プロバイダー

これらの市場分野に該当する組織は、通常、複数の有線ネットワークと無線ネットワークを配置することで業務目標を達成しています。しかし、このような異種ソリューションは相互運用や連携作業に対応していない場合が多く、この点は業務効率や顧客満足度に影響を与える可能性があります。

このような異種ネットワークの例としては、次のものがあります。

グループ内部での音声通信に使用される、従来の Push-to-Talk(PTT)無線ネットワーク(アナログ方式またはデジタル方式で、複数の周波数を使用)。Radio Frequency(RF; 無線周波数)に課せられた制約や専用のプロトコルが原因となり、通常、所定のグループまたはネットワーク内でしか通信できません。

Time-Division Multiplexing(TDM; 時分割多重)回線を通じて接続されている、従来の Hoot ブリッジ。これらが配置されている環境は、監査証跡を利用できないほか、他の PTT や Voice over IP(VoIP)ネットワークとシームレスに統合されません。また、IP 環境で提供されるモビリティやサービサビリティは、提供されません。

有線または無線の IP Phone、あるいはその他の IP クライアントに対して、パケット化した音声を伝送するために使用される VoIP ネットワーク。これらのクライアントは、PTT サービスと対話できません。

異種ネットワークを使用している組織に Cisco IPICS ソリューションを導入すると、次の利点がもたらされます。

インシデント管理フレームワークのグラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI):操作、コマンド、および制御に関係する作業を簡単に実施できます。

使いやすいインストール、管理、および操作機能:より堅牢な IP アプリケーション、デバイス、IP ベース ソリューションに移行して、業務効率の一層の向上を実現できます。

効果的なソリューション:既存の無線ネットワークや従来の Hoot ブリッジ、Hoot アプリケーションへの投資を保護しつつ、操作、コマンド、および制御を合理化します。

効率的な配置:既存の IP インフラストラクチャを必要最小限のアップグレードで効率化し、TCO を削減します。

復元力:通信の集中地点およびシングル ポイント障害を解消します。

Cisco IPICS のコンポーネント

Cisco IPICS 配置は複数のハードウェアおよびソフトウェア コンポーネントで構成され、完全な相互運用性と連携作業を実現します。コンポーネントには、Cisco IPICS サーバや PMC などの新しい製品に加えて、Land Mobile Radio(LMR; 陸上移動無線)、シスコ ゲートウェイ、VoIP などの既存のテクノロジーも含まれます。また、チャネルの混合に Router Media Service(RMS; ルータ メディア サービス)機能を使用するなど、既存テクノロジーのアプリケーションも利用します。

図1-1 に、Cisco IPICS 配置の主なコンポーネントを示します。

図1-1 Cisco IPICS のコンポーネント

 

表1-1 に示したのは、Cisco IPICS コンポーネントの概要です。これらのコンポーネントのいくつかについては、使用方法と設定をこのマニュアルの他の章で詳しく説明します。シスコでは、Cisco IPICS 環境で使用されるシスコ コンポーネントについて詳しく説明した、各種の技術ドキュメントおよびユーザ ドキュメントも提供しています。これらのドキュメントでは、コンポーネントのインストール、設定、操作、管理、保守、およびトラブルシューティングについて説明しています。

バージョンおよび互換性については、『 Cisco IPICS Compatibility Matrix 』を参照してください。

 

表1-1 Cisco IPICS のコンポーネントの概要

コンポーネント
説明

Cisco IPICS サーバ

Cisco IPICS システムの基幹機能を提供します。Cisco IPICS サーバ ソフトウェアは、所定の Cisco Media Convergence Server(MCS)プラットフォームの Cisco Linux オペレーティング システム(Red Hat Linux ベース)上で動作し、次の機能を実行します。

Cisco IPICS Administration Console のホストとして動作します。インシデント管理フレームワークの管理用 GUI であり、ユーザ、チャネル、および Virtual Talk Group(VTG; 仮想トーク グループ)のための動的リソース管理を可能にします。

Cisco IPICS の認証およびセキュリティ サービスを提供します。

設定および運用データを格納します。

RMS コンポーネント、PMC、Cisco Unified IP Phone、Cisco Unified Communications Manager、および Cisco IOS SIP ゲートウェイなど、各種のメディア リソースとの統合を可能にします。

Push-to-Talk Management Center(PMC)

Microsoft Windows XP オペレーティング システムで動作する、PC ベースのソフトウェア アプリケーション。PMC は、エンドユーザ、派遣人員、および管理者が 1 つ以上のトーク グループや VTG に IP ネットワーク経由で同時に参加するための、スタンドアロンのオーディオ アプリケーションを構成しています。PMC アプリケーションでは、直感的に使用できるインターフェイスを使用して、1 つ以上の PTT チャネルまたは VTG を同時に監視し、これらに参加することができます。

ユーザは、PMC アプリケーションを Cisco IPICS サーバからダウンロードし、PC にインストールします。以降は、新しいバージョンが利用可能になると Cisco IPICS が PMC を自動的にアップグレードします。また、PMC のコンフィギュレーションおよび設定値は Cisco IPICS が管理します。この管理クライアント方式によって、簡潔な手順での Cisco IPICS 配置のサポートを実現しています。

チャネルおよび VTG は、Cisco IPICS のオペレータが PMC ユーザに割り当てます。

ルータ メディア サービス(RMS)

所定のシスコ ルータ上のメディア サービスを有効にし、次の機能を提供します。

複数の VTG を結合するために必要な機能を提供します。

VTG をサポートするためのマルチキャスト チャネルの混合(シスコの Hoot & Holler 機能を使用)。

マルチキャスト、ユニキャスト、TDM、および SIP エンドポイントでの PTT メディアの集約を可能にします。

ブランチ/サーバ ベースのメディア サービスにおける、保守と管理のオーバーヘッドを解消します。

WAN 帯域幅の最適化を可能にします。

他の主要なルータ機能との統合。

SIP プロバイダー

Cisco IPICS ポリシー エンジンとの間のコールを処理します。

LMR ゲートウェイ

LMR ゲートウェイは、無線チャネルとトーク グループを IP マルチキャスト ストリームにブリッジし、音声を無線ネットワークと非無線ネットワーク間で相互運用できるようにします。

LMR ゲートウェイ機能は、Cisco IOS ソフトウェアの特定のバージョンで使用できます。

ネットワーク コンポーネント

スイッチ、ルータ、ファイアウォール、モバイル アクセス ルータ、無線アクセス ポイント、およびブリッジが含まれます。

Cisco Unified IP Phone

Cisco IPICS は、所定の Cisco Unified IP Phone モデルを統合します。Cisco IPICS が Cisco Unified Communications Manager または Cisco IOS software をサポートしているバージョンの Cisco Unified Communications Manager
Express の電話サービスとして設定されている場合、これらの電話機のユーザは、参加するチャネルをチャネル リストから選択できます。