Cisco AC/DC 電源システム ユーザ ガイド Release 1.0
概要
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発行日;2012/02/06 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 4MB) | フィードバック

目次

概要

概要

Cisco AC/DC 電源システムは、AC 電源しか利用できない設置場所でも光プラットフォームへ電力を供給できる、コンパクトでスケーラブルなラックマウント型の装置です。このシステムでは入力として AC を受け付け、公称 -48 VDC の直流電圧に変換して、DC を電源とする装置へ供給します。この小型電源システムは、整流器が N+1 で冗長化されており、アラームが自動生成されるようになっています。また DC の配電が、GMT ヒューズ パネルと、オプションとして使用可能な 1 RU の 4 ポジション回路ブレーカー配電シェルフを通して統合化されています。この電源システムを使用すれば、DC を電源とする Network Element(NE; ネットワーク要素)へ -48 VDC を冗長化して供給できるため、シスコのキャリア クラス光製品群の耐障害性を強化することができます。

Cisco AC/DC 電源システムは、IEC、ANSI(19 インチ)、ANSI(23 インチ)、および ETSI の各構成を含む、さまざまな種類のラックに取り付けられるように設計されています。また、ラック内で必要な高さは中~大規模システムで 7.0 インチ(177.8 mm)、また小規模システムでは 5.25 インチ(133.4 mm)だけです。この電力システムは CSCO-PWR-RECT 整流器モジュールをベースにしており、負荷要件に応じて 13.3~96 A の範囲で 3 種類の構成をとることができます。また、配電には、GMT ヒューズ ブロックを単体で使用することも、オプションの 1 RU 配電シェルフを併用することも可能です(システム サイズによって異なります)。

Cisco AC/DC 電源システムには、次の特徴があります。

AC 入力(A):100 ~ 120 VAC

AC 入力(B):200 ~ 250 VAC

1600 W まで供給可能な公称 -48 VDC の整流器

前面から保守できる設計

動作環境温度:-40 ~ +55°C

マウント可能なラック サイズ:19 インチ(IEC および ANSI)、ETSI(内部 21 インチ [610 mm])、23 インチ

外部配電シェルフ:負荷回路ブレーカーを 4 個まで搭載可能

10 ポジションの GMT ヒューズ パネル

強力な自動力率補正

90% 以上の効率

前面パネルの LCD インターフェイス

1.1 システムの説明

ここでは、システム シェルフ、整流器モジュール、GMT ヒューズ、および 1 RU 配電シェルフについて説明します。

1.1.1 システム シェルフ

AC/DC 電源システム シェルフは、4 つの整流器スロットとシステム モニタリング/コントロール インターフェイス部で構成されています。システム コントローラは、整流器のモニタリング、稼働データの収集、アラームの生成、およびシステム内の通信調整を行います。

図1-1 Cisco AC/DC 電源システム(オプションの 1 RU DC 配電シェルフを組み合わせた場合)

 

システム シェルフには 2 種類あり、ひとつはシェルフの前面に LCD 画面がついています。

図1-2 に、LCD 画面付きのシステム シェルフの正面図を示します。オプションの 1 RU DC 配電シェルフも表示しています。

図1-2 LCD 画面付きシステム シェルフのコンポーネントの位置(正面図)

 

図1-3 に、LCD 画面なしのシステム シェルフの正面図を示します。オプションの 1 RU DC 配電シェルフも表示しています。

図1-3 LCD 画面なしシステム シェルフのコンポーネントの位置(正面図)

 

1.1.2 整流器モジュール

AC 電力から DC 電力への変換は、ホットスワップ可能な 2、3、または 4 台の CSCO-PWR-RECT 整流器を使用して行われます。各整流器からの公称出力電圧は -48 VDC です。図1-4 に、CSCO-PWR-RECT 整流器モジュールを示します。


) 出力電圧の範囲は出荷時に設定されており、ユーザ側では設定できません。


図1-4 CSCO-PWR-RECT 整流器モジュール

 

1.1.3 GMT ヒューズ

システム シェルフには、10 ポジションの GMT ヒューズ パネルが装備されています。GMT ヒューズ パネルの最大合計容量は 50 A で、各ヒューズの最大定格電流は 15 A(3 ポジションまで)です。ヒューズが切れると、システム コントローラ経由でアラームが報告されます。

図1-5 GMT ヒューズ パネル

 

1.1.4 1 RU 配電シェルフ

オプションの 1 RU 配電シェルフは、システムで整流器を 3 台以上使用する場合に取り付けます。配電シェルフは、システムにかかる負荷を分散して保護する役割を果たします。配電シェルフは全体の定格電流が 96 A で、回路ブレーカーを最大 4 個まで搭載できます(それぞれの最大定格電流は 30 A)。ブレーカーが作動すると、システム コントローラ経由でアラームが報告されます。

図1-6 1 RU 配電シェルフ

 

1 RU 外部配電シェルフには、シリーズ トリップ式回路ブレーカーを最大 4 個まで搭載できます。これらのブレーカーは、「プラグ タイプ」のコネクタで簡単に着脱できます(図1-7)。定格電流が 5~30 A の回路ブレーカーを使用してください。

図1-7 回路ブレーカー

 

1.1.5 システム構成

表1-1 に、Cisco AC/DC 電源システムで可能な構成を示します。

 

表1-1 システム構成

構成
整流器
配電
220 VAC での出力
110 VAC での出力

小規模システム

CSCO-PWR-RECT モジュール× 2

10 ポジションの GMT ヒューズ ブロック

32 A

13.3 A

中規模システム

CSCO-PWR-RECT モジュール× 3

10 ポジションの GMT ヒューズ ブロック

4 ポジションの 1 RU DC 配電シェルフ

64 A

26.6 A

大規模システム

CSCO-PWR-RECT モジュール× 4

10 ポジションの GMT ヒューズ ブロック

4 ポジションの 1 RU DC 配電シェルフ

96 A

40 A

1.1.6 基本仕様

表1-2 に、Cisco AC/DC 電源システムのケーブル接続仕様を示します。

 

表1-2 ケーブル接続の仕様

接続元
接続先
ワイヤ ゲージ
電流容量

システム シェルフ

1 RU DC 配電シェルフ

6 AWG(16 mm 2 )× 4

(シェルフ内のケーブル接続)

96 A(最大)

回路ブレーカー

ロード

10 ~ 8 AWG

(6 ~ 10 mm 2

30 A(最大)

GMT ヒューズ ブロック

ロード

16 ~ 14 AWG

(1.5 ~ 2.5 mm 2

15 A(最大)

AC サービス パネル

システム シェルフ

各 AC 入力ごとに 3 芯 14 AWG(2.5 mm 2

9.1 A ×(4)入力

合計 37 A 未満

表1-3 に、Cisco AD/DC 電源システムの電気的仕様を示します。

 

表1-3 電気的仕様

電気特性

入力電圧

(A)100 ~ 120 VAC
(B)200 ~ 250 VAC

入力周波数

44 ~ 66 Hz

過渡応答

+/- 4%、回復時間 2 ミリ秒

ロード シェアリング

公称電流の +/- 5%

表1-4 に、Cisco AC/DC 電源システムの保護機能仕様を示します。

 

表1-4 保護機能の仕様

保護対象
説明

過電流(出力)

回路短絡と自動電流制限

過電圧

出力で過電圧が発生したモジュールの選択的シャットダウン

表1-5 に、Cisco AC/DC 電源システムのステータス仕様とアラーム仕様を示します。

 

表1-5 ステータスとアラームの仕様

ステータスとアラーム
説明

アラーム接点

4 つの Form C アラーム接点(異常低電圧、メインのエラー、モジュールの障害、ヒューズ/回路ブレーカーの障害)、最大 60 VDC、定格 1 A

ステータス(整流器)

グリーンの LED は、電力が許容範囲にあることを示します。

イエローの LED は、電流の制限や高温からの保護を示します。

レッドの LED は、過電圧によるシャットダウンまたは整流器のアラームを示します。

表1-6 に、Cisco AC/DC 電源システムの物理仕様を示します。

 

表1-6 物理仕様

機構部
説明

シェルフの寸法
(幅×高さ×奥行き)

7.4 × 5.25 × 10.8 インチ(442 × 132.9 × 274 mm)

1 RU シェルフの寸法
(幅×高さ×奥行き)

17.1 × 1.69 × 9.175 インチ(434 × 43 × 233 mm)

取り付け可能なシェルフ/ラック

ETSI、19 インチ(IEC および ANSI)、または 23 インチ

表1-7 に、Cisco AC/DC 電源システムの環境仕様を示します。

 

表1-7 環境仕様

環境
説明

衝撃/振動

(NEBS)レベル 3、クラス B 認証

地震

ゾーン 4 の条件に準拠

騒音

60 dBA 未満

周囲温度

-40 ~ 55°C

保管温度

-40 ~ +85°C

相対湿度

10 ~ 90%、結露なし

表1-8 に、Cisco AC/DC 電源システムの準拠性に関する仕様を示します。

 

表1-8 準拠性に関する仕様

準拠性
説明

放射 EMC

EN 61000-6-2、EN 61000-6-3、FCC Part 15 Class B

EMC

EN 61000-6-2、EN 61000-6-4

安全性

CSA C22-2 No. 60950-1、UL 60950-1、 IEC60950-1/EN60950-1

静電気放電耐性

EN61000-4-2

放射無線周波数電磁界耐性

EN61000-4-3

サージ耐性

IEC/EN61000-4-5

高速過渡電流/バースト耐性

IEC/EN61000-4-4

耐性

EN61000-4-2

ETSI

300-386-TC

1.2 安全上の推奨事項

電気機器を取り扱う際には、安全のために適切な注意事項に従ってください。


警告 この装置の設置、交換、または保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。



警告 この装置は、出入りが制限された場所に設置されることを想定しています。出入りが制限された場所とは、特殊なツール、ロックおよびキー、または他のセキュリティ手段を使用しないと入室できない場所を意味します。


Cisco AC/DC 電源システムの設置および保守は、資格のある保守担当者だけが行ってください。

電子機器は電気的に損傷しやすいので、保護するための静電気防止用リスト ストラップが付属しています。このリスト ストラップを金属面に取り付け、アースとして使用してください。これによって、すべてのコンポーネントに同じ電荷がかかるようにすることができます。シェルフに取り付けられているコンポーネントを扱うときは、必ず、静電気防止用リスト ストラップを使用してください。このリスト ストラップは、システム シェルフの背面に取り付けます(図1-8 を参照)。背面に回れない場合は、シェルフ取り付け金具か、コントローラの前面プレートにある取り付けネジに、静電気防止用リスト ストラップを取り付けてください。

図1-8 静電気防止用リスト ストラップの接続位置

 

設置作業中および設置後は、システムの周辺を整理し、ほこりのない状態に保ってください。

作業を始める前に、危険な個所がないことを必ず確認してください。

この装置は、DC 供給回路用のアース導体を接続できるように設計されています。

1.2.1 設置に関する警告

この電源システムを設置場所へ輸送または移動するときは、次に示す安全に関する注意事項に従ってください。

Cisco AC/DC 電源システムを移動する前にシステムの仕様書を読み、設置場所が寸法、環境、および電力の要件をすべて満たしていることを確認する。

Cisco AC/DC 電源システムは、装置ラックに正しく取り付ける。

Cisco AC/DC 電源システムは、出入りが制限された場所に設置されることを想定しています。出入りが制限された場所では、次の条件をすべて満たしている必要があります。

設置場所に適用される制限事項と必要な予防事項をすべて理解している保守担当者またはユーザだけが立ち入ることができる。

ツール、ロックおよびキー、またはその他のセキュリティ手段を使用した場合にのみ、システム エリアに立ち入ることができ、設置場所の責任者によって出入りが管理されている。

1.2.2 動作温度に関する警告


警告 システムが過熱状態にならないように、最大気温が 55°C(131°F)を超える場所ではシステムを稼働させないでください。



警告 通気を妨げないように、通気口の周囲に 2.0 インチ(50.8 mm)以上のスペースを確保してください。


図1-9 前面通気口の周囲に 2 インチのスペースを確保

 

この電源システムは、周囲温度が -40 ~ +55°C の制限区域で使用することを前提に設計されています。動作環境温度が推奨範囲の上限を超えるような場所で、この電源システムを継続的に使用しないでください。整流器は、温度アラームが発生すると自動的にシャット ダウンして、Cisco AC/DC 電源システムが過熱しないようになっています。

1.2.3 電気的な安全性に関する警告

Cisco AC/DC 電源システムの近くで作業する場合の電気的な安全性に関する推奨事項は次のとおりです。


警告 電源に接続されている装置を扱う場合は、事前に指輪、ネックレス、腕時計などの装身具を外しておいてください。これらの金属が電源やアースに接触すると、金属が過熱して大やけどをしたり、金属類が端子に焼き付くことがあります。



警告 この装置はアース接続する必要があります。絶対にアース導体を破損させたり、アース線が正しく取り付けられていない装置を稼働させたりしないでください。アースが適切かどうかがはっきりしない場合には、電気検査機関または電気技師に確認してください。



警告 機器の取り付けは地域および国内の電気工事規定を遵守する必要があります。



警告 シャーシの作業を行うとき、または電源装置の付近で作業するときは、事前に AC 装置から電源コードを外してください。DC 装置の場合は、回路ブレーカーで電源を切断します。



警告 この製品は、設置する建物にショート(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。一般および地域の電気規格に適合するように設置する必要があります。



警告 機器の取り付けは地域および国内の電気工事規定を遵守する必要があります。


電源システムに AC 入力電源を接続する前に、周波数と電圧を必ず確認してください。

AC 電源を接続する前に、すべての AC 電源ブレーカーと DC 負荷分散ブレーカーがオフの位置にあることを確認してください。

適切な規模の回路保護が使用されていることを確認してください。