Cisco ONS 15454 SONET/SDH ML シリーズ マルチレイヤ イーサネット カード ソフトウェア フィーチャ コンフィギュレーション ガイド
レジリアント パケット リングの設定
レジリアント パケット リングの設定
発行日;2012/01/08 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

レジリアント パケット リングの設定

RPR の概要

パケット処理動作

リング ラッピング

MAC アドレスと VLAN サポート

RPR の CTC でのポイントツーポイント回線の設定

Cisco IOS の RPR の設定

RPR Cisco IOS の設定例

RPR のモニタリングおよび確認

デュアル RPR 相互接続の概要

DRPRI の設定

DRPRI IOS の設定例

DRPRI のモニタリングおよび確認

レジリアント パケット リングの設定

この章では、ML シリーズ カードの Resilient Packet Ring(RPR;レジリアント パケット リング)、および Dual RPR Interconnect(DRPRI;デュアル RPR 相互接続)の設定方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

「RPR の概要」

「RPR の CTC でのポイントツーポイント回線の設定」

「Cisco IOS の RPR の設定」

「RPR のモニタリングおよび確認」

「デュアル RPR 相互接続の概要」

「DRPRI の設定」

「DRPRI のモニタリングおよび確認」

RPR の概要

RPR は、メトロ ファイバ リング ネットワーク用に設計された新しいネットワーク アーキテクチャです。この新しい MAC プロトコルは、パケットベース ネットワークの IEEE 802.1D Spanning Tree Protocol(STP;スパニング ツリー プロトコル)、IEEE 802.1W Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP;高速スパニング ツリー プロトコル)、および SONET/SDH の限界を克服することを目的として設計されています。RPR はレイヤ 2 レベルで動作し、イーサネットおよび SONET/SDH と互換性があります。

ML シリーズ カードの RPR は、Service-Level Agreement(SLA;サービス レベル契約)をサポートする効果的な帯域幅利用率を実現するために、ML シリーズ カードの Quality of Service(QoS;サービス品質)機能に依存しています。ML シリーズ カードの QoS メカニズムは、トラフィックがパススルー、ブリッジング、またはストリッピングされているかどうかに関係なく、ML シリーズ カードのすべての SONET/SDH トラフィックに適用されます。

RPR で ML シリーズ カードを設定し、Shared Packet Ring(SPR;共有パケット リング)に含めると、ML シリーズ カードはリングの一部とみなされます。パケットが特定の ML シリーズに接続されたデバイス宛てのものでない場合、ML シリーズ カードは、リング アーキテクチャの巡回パスを使用している SONET/SDH 回線に沿ってこの中継トラフィックの転送を続け、パケットが最終的に宛先に到達することを保証します。これにより、終点カードではない ML シリーズ カード経由で流れるパケットをキューに入れて転送する必要性がなくなります。レイヤ 2 または レイヤ 3 から見ると、RPR 全体が 1 つの共有ネットワーク セグメントのように見えます。

RPR は、SONET/SDH 保護回線および非保護回線上での動作をサポートしています。SONET/SDH 非保護回線上では、RPR は SONET/SDH の冗長保護パスがなくても SONET/SDH と同様の保護を提供します。SONET/SDH 冗長パスの必要性がなくなることにより、余剰トラフィックに対して帯域幅が解放されます。また、RPR はイースト/ウエスト パケット送信のハッシュ アルゴリズムによる、帯域幅の空間再利用を取り入れています。RPR はリングの帯域幅全体を使用するため、STP や RSTP のようにリング セグメントをブロックする必要はありません。

パケット処理動作

送信パケットのヘッダー情報を使用する RPR プロトコルによって、インターフェイスはパケットに適用する必要のある動作を迅速に決定できます。RPR で設定された ML シリーズ カードはリングの一部として、ブリッジ、パススルー、ストリッピングという 3 つの基本的なパケット処理動作を行います。図 16-1図 16-1 は、これらの動作を示しています。ブリッジングは、ML シリーズのイーサネット ポートと、リングを取り囲む Packet over SONET/SDH(POS)回線間を接続し、パケットを渡します。パススルーによって、パケットは ML シリーズ カード経由でリング内を巡回します。また、ストリッピングはリングからパケットを除去し廃棄します。RPR が設定されていると、STP または RSTP はノード間で有効ではないため、リングを一巡してパケットが戻ってくると、RPR 送信ポートはそのパケット自身を除去します。ハッシュ アルゴリズムは、RPR を巡回するパケットの方向を決定する際に使用されます。

図 16-1 RPR のパケット処理動作

 

リング ラッピング

ファイバ カット、ノードの障害、ノードの復元、新しいノードの挿入、またはその他のトラフィック上の問題が発生すると、RPR はリング ラップを開始します。この保護メカニズムによって、リンク状態の変更後、または SONET/SDH パス レベルの警告受信後に、トラフィックはリング内で反対方向に送信され、元の宛先にリダイレクトされます。ML シリーズ カードのリング ラッピングでは、50 ミリ秒未満のコンバージェンス タイムが許容されます。RPR のコンバージェンス タイムは SONET/SDH に匹敵し、STP または RSTP に比べると非常に速くなっています。

ML シリーズ カードの RPR は、リング内で発生する単方向送信と双方向送信の両方の障害に対応します。STP や RSTP とは異なり、RPR の復元はスケーラブルです。リング内で ML シリーズ カードの数が増えても、コンバージェンス タイムが延びることはありません。


) ML シリーズ カードの RPR コンバージェンス タイムは、同じリングで複数の障害が発生した場合、ML シリーズ カードのリロード中に、DRPRI で設定された ML シリーズ カードをトラフィックが通過する場合(アクティブ モード)、または ML シリーズ カードのマイクロコード イメージにミスマッチが発生した場合に、50 ms を超える可能性があります。


RPR は直ちにリング ラップを開始するか(デフォルト)、または設定されたキャリア遅延時間を使用してラップを遅らせます。キャリア遅延後にトラフィックをラップするように設定している場合は、POS トリガー遅延時間をキャリア遅延時間に加え、コンバージェンス タイムを概算する必要があります。ML シリーズ カードのデフォルトの最小 POS トリガー遅延時間は 200 ms です。キャリア遅延時間の 200 ms(デフォルト)と、POS トリガー遅延時間の 200 ms(デフォルトの最小時間)を合わせると、トータルのコンバージェンス タイムは約 400 ms となります。キャリア遅延時間が 0 に設定されている場合、コンバージェンス タイムは約 200 ms です。図 16-2 は、リング ラッピングを示しています。

図 16-2 RPR リング ラッピング

 


) キャリア遅延時間をデフォルトから変更する場合、新しいキャリア遅延時間を、SPR、POS、およびギガビットイーサネットまたはファーストイーサネット インターフェイスなど、ML シリーズ カードのすべてのインターフェイスで設定する必要があります。


MAC アドレスと VLAN サポート

ML シリーズ カードは、パススルー パケットの MAC アドレスを学習する必要がないため、RPR では MAC アドレスのサポートが向上しています。ML シリーズ カードの MAC アドレス テーブルは、そのカードによってブリッジングまたはストリッピングされたパケットの MAC ID だけを保持します。これにより、リング内の ML シリーズ カードの集合テーブルに、より多くの MAC アドレスを保持することが可能になります。

また、RPR では VLAN サポートが STP および RSTP に比べて拡張されます。STP および RSTP では、新しい VLAN はリング上のすべての POS インターフェイスで設定する必要があります。RPR の場合、その VLAN は、そのパケットをブリッジまたはストリップするインターフェイスの設定にだけ追加します。ML シリーズ カードには、カードごとに設定できる VLAN またはブリッジグループの最大数は 255 というアーキテクチャ上の制限がまだ残されています。ただし、ML シリーズ カードが保持する必要があるのは、そのカードを組み込んでいる VLAN だけであるため、リング内のすべての ML シリーズ カードで保持する VLAN の総数を大幅に増やすことができます。

RPR の CTC でのポイントツーポイント回線の設定

Cisco ONS 15454 の RPR を使用すると、2 枚以上の ML シリーズ カードを 1 つの機能的なネットワーク セグメントまたは SPR にすることができます。ブリッジングされた ML シリーズ カードは、ポイントツーポイント STS/STM 回線によって相互接続されます。ポイントツーポイント STS/STM 回線では、1 枚目の ML シリーズ カードの POS ポートのいずれかを送信元として使用し、2 枚目の ML シリーズ カードの POS ポートのいずれかを着信先として使用します。SPR 内のすべての ML シリーズ カードは、ポイントツーポイント回線によって、直接または間接的に接続する必要があります。

ポイントツーポイント回線では、ONS 15454 SONET/SDH ネットワークを使用します。CTC または TL1 を使用して、ONS 15454 OC-N カードの STS/STM 回線と同じ方法でポイントツーポイント回線を設定します。自動的にルーティングされる光回線の作成方法については、『Cisco ONS 15454 Procedure Guide』または『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide』で、具体的に説明しています。

ML シリーズでポイントツーポイント回線を設定するときには、次の手順を実行します。

Circuit Routing Preferences ダイアログの Fully Protected Path を除く CTC Circuit Creation Wizard のすべてのオプションをデフォルトのままにします。Fully Protected Path は SONET/SDH 保護を提供するオプションであるため、オフにする必要はありません。RPR は、SPR 回線のレイヤ 2 保護を提供します。

Circuit Routing Preferences ダイアログボックスで、Using Required Nodes and Spans をオンにし、自動的にルーティングするようにします。発信ノードと着信ノードがリング上で近接している場合、Circuit Routing Preferences ダイアログボックスで、発信と着信を除くすべてのノードを除外します。これにより、回線で発信ノードと着信ノード間が直接ルーティングされるようになり、STS/STM 回線が確保されます。リング内の他のノード経由で回線がルーティングされると、STS/STM 回線が使用されるためです。ML シリーズ カードが設定された 2 つのノード間に、ML シリーズ カードが設定されていない 1 つまたは複数のノードが存在する場合は、Circuit Routing Preference ダイアログボックスの挿入ノード領域に、発信および着信ノードと共にこれらのノードを含めます。

ML シリーズ カードの STS/STM 回線は、unidirectional traffic、creating cross-connects only (TL1-like)、interdomain (unified control plane (UCP))、protected drops、unidirectional path switched ring (UPSR) path selectors など、関係のない回線作成オプションはサポートしていません。

CTC 回線プロセスが完了したら、Cisco IOS セッションを開始し、ML シリーズ カードとインターフェイスで RPR/SPR を設定します。


) ベスト プラクティスは、イーストからウエスト、またはウエストからイーストに SONET/SDH 回線を設定することです。つまり、SONET/SDH リングで、ポート 0(イースト)からポート 1(ウエスト)、またはポート 1(ウエスト)からポート 0(イースト)のように設定します。ポート 0 からポート 0 またはポート 1 からポート 1 は設定しないでください。イーストからウエストまたはウエストからイーストのセットアップは、Cisco Transport Manager(CTM)ネットワーク管理ソフトウェアが ML シリーズ設定を SPR として認識するために必要なことです。


Cisco IOS の RPR の設定

ML シリーズ カードで RPR を設定するには、Cisco IOS CLI から SPR インターフェイスを作成します。EtherChannel インタフェースと同様に、SPR は仮想インターフェイスです。POS インターフェイスは、RPR SPR インターフェイスに関連付けられた物理インターフェイスです。1 枚の ML シリーズ カードで 1 つの SPR インターフェイスをサポートします。SPR インターフェイスは単一の MAC アドレスを持ち、デフォルト ルートのサポートなど、Cisco IOS インターフェイスの通常のすべての属性を提供します。SPR インターフェイスはトランク ポートとみなされるため、すべてのトランク ポートと同様に、SPR インターフェイスがブリッジ グループに属するようにサブインターフェイスを設定する必要があります。

SPR インターフェイスは、EtherChannel(ポートチャネル)インターフェイスと同様のものとみなされます。SPR インターフェイスのメンバーは、POS インターフェイスであることが必要です。channel-group コマンドを使用してメンバーを定義するのではなく、spr-intf-ID コマンドを使用します。また、ポートチャネルと同様に、POS インターフェイスの代わりに SPR インターフェイスを設定します。


注意 SPR の設定時に、1 枚の ML シリーズ カードを SPR インターフェイスで設定せずに、有効な STS/STM 回線でこの ML シリーズ カードを SPR 内の他の ML シリーズ カードに接続すると、SPR 内で適切に設定された ML シリーズ カード間でトラフィックが流れなくなり、この状況を示す警告も出ません。シスコでは、トラフィックを送信する前に、SPR 内のすべての ML シリーズ カードを設定することを推奨しています。


) RPR は LEX カプセル化でのみサポートされています。LEX は、ML シリーズのデフォルトのカプセル化です。


RPR を設定するには、グローバル設定モードを開始し、次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# bridge irb

Cisco IOS ソフトウェアをイネーブルにし、1 枚の ML シリーズ カード内の個々のインターフェイスで特定のプロトコルをルーティングおよびブリッジングします。

ステップ 2

Router(config)# interface spr 1

ML シリーズ カードの SPR インターフェイスを作成するか、SPR インターフェイス設定モードを開始します。有効な SPR 番号は 1 だけです。

ステップ 3

Router(config-if)# spr station-id station-ID-number

ステーション ID を設定します。ユーザは、RPR に接続する各 SPR インターフェイスごとに異なる番号を設定する必要があります。有効なステーション ID 番号の範囲は、1 ~ 254 です。

ステップ 4

Router(config-if)# pos trigger defect ber_sd_b3

SONET/SDH 信号のビット エラーによって信号劣化状態になったときに、RPR ラップをトリガーします。また、このコマンドは POS インターフェイスに対して TPTFAIL 警告を発することによって、信号劣化を認識させるようにします。

ステップ 5

Router(config-if)# spr wrap { immediate | delayed }

(オプション) RPR リング ラップ モードを、リンク状態の変更を検出したらすぐにトラフィックをラップするか、キャリア遅延後にトラフィックをラップするかのいずれかに設定します。これにより、不具合を記録して、リンクダウンしていることを宣言する SONET/SDH 保護時間を与えます。RPR が SONET/SDH 非保護回線上で稼動している場合は、 immediate を使用します。BLSR または UPSR 保護回線には、 delayed を使用します。

デフォルトの設定は immediate です。

ステップ 6

Router(config-if)# bridge-group bridge-group-number

(オプション) SPR インターフェイスをブリッジ グループに割り当てます。bridge-group-number は、SPR と FastEthernet または GigabitEthernet インターフェイスをブリッジします。

ステップ 7

Router(config-if)# carrier delay msec milliseconds

(オプション)キャリア遅延時間を設定します。デフォルトの設定は、200 ミリ秒です。これは、SONET/SDH 保護回線に最適な時間です。


) キャリア遅延時間をデフォルトから変更する場合、新しいキャリア遅延時間は、SPR、POS、およびギガビットイーサネットまたはファーストイーサネット インターフェイスなど、ML シリーズ カードのすべてのインターフェイスで設定する必要があります。


ステップ 8

Router(config-if)# [no] spr load-balance { auto | port-based }

(オプション)ユニキャスト パケットの RPR 負荷バランシング スキーマを指定します。port-based 負荷バランシング オプションは、POS 0 インターフェイスに偶数のポートをマップし、POS 1 インターフェイスに奇数のポートをマップします。デフォルトの auto オプションは、IP パケットの MAC アドレスまたは送信元アドレスと宛先アドレスに基づいて負荷のバランスを取ります。

ステップ 9

Router(config)# interface pos 0

(オプション)インターフェイス設定モードを開始し、POS ポート 0 でキャリア遅延時間を設定します。

ステップ 10

Router(config-if)# carrier delay msec milliseconds

(オプション)キャリア遅延時間を設定します。デフォルトの設定は、200 ミリ秒です。これは、SONET/SDH 保護回線に最適な時間です。


) キャリア遅延時間の設定に使用するデフォルトの時間単位は秒です。msec コマンドは、時間単位をミリ秒にリセットします。


ステップ 11

Router(config)# interface pos 1

(オプション)インターフェイス設定モードを開始し、POS ポート 1 でオプション コマンドを設定します。

ステップ 12

Router(config-if)# carrier delay msec milliseconds

(オプション)キャリア遅延時間を設定します。デフォルトの設定は、200 ミリ秒です。これは、SONET/SDH 保護回線に最適な時間です。

ステップ 13

Router(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 14

Router# copy running-config startup-config

(オプション)設定の変更を NVRAM に保存します。

ML シリーズ カードの 2 つの POS ポートをそれぞれ SPR インターフェイスに割り当てる必要があります。ML シリーズの STS/STM 回線は、仮想 POS ポートが Cisco IOS で表示されるように、CTC を通じて設定しておく必要があります。


注意 SPR インターフェイスは、ルーテッド インターフェイスです。レベル 3 アドレスをイネーブルにしたり、SPR インターフェイスに割り当てられた POS インターフェイスのブリッジ グループを割り当てたりしないでください。


注意 SPR インターフェイスの着信トラフィックでポリシングが必要な場合は、SPR インターフェイスの一部である両方の POS ポートに同じ入力サービス ポリシーを適用する必要があります。

ML シリーズの POS インターフェイスを SPR に割り当てるには、グローバル設定モードを開始し、次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface pos number

インターフェイス設定モードを開始し、SPR に割り当てる 1 つ目の POS インターフェイスを設定します。

ステップ 2

Router(config-if)# spr-intf-ID shared-packet-ring-number

POS インターフェイスを SPR インターフェイスに割り当てます。共有パケット リング番号は、SPR インターフェイスに割り当てた共有パケット リング番号と同じ番号であることが必要です。

ステップ 3

Router(config-if)# interface pos number

インターフェイス設定モードを開始し、SPR に割り当てる 2 つ目の POS インターフェイスを設定します。

ステップ 4

Router(config-if)# spr-intf-ID shared-packet-ring-number

POS インターフェイスを SPR インターフェイスに割り当てます。共有パケット リング番号は、SPR インターフェイスに割り当てた共有パケット リング番号と同じ番号であることが必要です。

ステップ 5

Router(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

Router# copy running-config startup-config

(オプション)設定の変更を NVRAM に保存します。

RPR Cisco IOS の設定例

図 16-3 は、RPR Cisco IOS の設定例を示しています。関連するコードは、例 16-1 16-2 、および 16-3 に示しています。この設定は、ML シリーズ カードの POS ポートが、CTC を通じて設定されたポイントツーポイント SONET/SDH 回線によって、すでにリンクされていることを前提としています。

図 16-3 RPR の設定例

 

例16-1 SPR ステーション ID 1 の設定

bridge irb
!
interface SPR1
no ip address
no keepalive
spr station-ID 1
hold-queue 150 in
bridge-group 1
!
interface POS0
no ip address
spr-intf-ID 1
!
interface POS1
no ip address
spr-intf-ID 1
 
interface GigabitEthernet0
no ip address
no ip route-cache
bridge-group 1
 
interface GigabitEthernet1
no ip address
no ip route-cache
bridge-group 1

例16-2 SPR ステーション ID 2 の設定

bridge irb
!
interface SPR1
no ip address
no keepalive
spr station-ID 2
hold-queue 150 in
bridge-group 1
!
interface POS0
no ip address
spr-intf-ID 1
!
interface POS1
no ip address
spr-intf-ID 1
 
interface GigabitEthernet0
no ip address
no ip route-cache
bridge-group 1
 
interface GigabitEthernet1
no ip address
no ip route-cache
bridge-group 1
 

例16-3 SPR ステーション ID 3 の設定

bridge irb
!
interface SPR1
no ip address
no keepalive
spr station-ID 3
hold-queue 150 in
bridge-group 1
!
interface POS0
no ip address
spr-intf-ID 1
!
interface POS1
no ip address
spr-intf-ID 1
 
interface GigabitEthernet0
no ip address
no ip route-cache
bridge-group 1
 
interface GigabitEthernet1
no ip address
no ip route-cache
bridge-group 1

RPR のモニタリングおよび確認

RPR を設定した後、 show interface spr または show run interface spr コマンドを使用して、RPR のステータスをモニタリングできます(例16-4)。

例16-4 RPR のモニタリングおよび確認

Router# show interfaces spr 1
SPR1 is up, line protocol is up
Hardware is POS-SPR, address is 0005.9a39.714a (bia 0000.0000.0000)
MTU 1500 bytes, BW 1244160 Kbit, DLY 100 usec,
reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
Encapsulation ONS15454-G1000, loopback not set
Keepalive not set
DTR is pulsed for 33391 seconds on reset
ARP type: ARPA, ARP Timeout 04:00:00
No. of active members in this SPR interface: 2
Member 0 : POS0
Member 1 : POS1
Last input never, output never, output hang never
Last clearing of "show interface" counters never
Input queue: 0/150/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0
Queueing strategy: fifo
Output queue: 0/80 (size/max)
5 minute input rate 1000 bits/sec, 2 packets/sec
5 minute output rate 2000 bits/sec, 4 packets/sec
1014 packets input, 96950 bytes
Received 0 broadcasts (0 IP multicast)
0 runts, 0 giants, 0 throttles
0 parity
0 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored
0 input packets with dribble condition detected
1640 packets output, 158832 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 applique, 9 interface resets
0 babbles, 0 late collision, 0 deferred
0 lost carrier, 0 no carrier
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out
0 carrier transitions

デュアル RPR 相互接続の概要

Cisco ML シリーズ RPR には、ノード障害から保護するためにリングを相互接続するメカニズムが含まれています。ブリッジグループ プロトコルである DRPRI は、RSTP の特殊なインスタンスによってリンクされたリングの 2 つのパラレル接続を提供します。一方の接続はアクティブ ノードであり、もう一方はスタンバイ ノードです。アクティブ ノード、リンク、またはカードで障害が発生すると、独自のアルゴリズムによって障害が検出され、スタンバイ ノードに切り替わります。ML シリーズが拡張マイクロコード イメージを使用している場合、DRPRI はレイヤ 2 ブリッジド トラフィックに対して、200 ミリ秒未満の回復時間を与えます。ML シリーズが基本的なマイクロコード イメージ、または Multiprotocol Label Switching(MPLS;マルチプロトコル ラベル スイッチング)マイクロコード イメージを使用している場合、レイヤ 2 ブリッジド トラフィックの回復時間は最長 12 秒になります。どのマイクロコード イメージを使用している場合でも、レイヤ 3 のユニキャストおよびマルチキャスト トラフィックの回復時間は、実装しているルーティング プロトコルのコンバージェンス タイムに依存します。

ML1000-2 カードのペアは同じステーション ID を共有し、RPR の他のメンバーには 1 枚のカードとして表示されます。図 16-4 では、ペア カード A と B は、同じ SPR ステーション ID を持ち、ペア カード C と D は、同じステーション ID を持ちます。相互接続するノードは、RPR で近接している必要はありません。ブリッジング、IP ルーティング、ポリシング、および帯域幅割り当ては、DRPRI ML1000-2 カードにも設定できます。

図 16-4 デュアル RPR 相互接続ネットワークとペア カード

 

DRPRI には、次の特性があります。

4 枚の ML1000-2 カードが必要です。

4 枚の ML1000-2 カードはすべて、同じブリッジグループ(VLAN)に属している必要があります。

ML1000-2 カードの各ペアは、同じ SPR ステーション ID が割り当てられている必要があります。

ブリッジグループを SPR サブインターフェイスで構成する必要があります。

DRPRI ブリッジグループは 1 つのプロトコルに制限されるため、DRPRI を実装しているブリッジグループは、RSTP や STP を実装することはできません。

4 枚の各 ML1000-2 カードで、両方のギガビットイーサネット ポートは、DRPRI ブリッジ グループに含まれている Gigabit EtherChannel(GEC)と GEC インターフェイスに含める必要があります。または、一方のギガビットイーサネット ポートをシャットダウンし、もう一方のポートを DRPRI ブリッジグループに含める必要があります。GEC の方法を推奨します。

DRPRI ブリッジグループに含まれるサブインターフェイスまたは GEC インターフェイス上で手動シャットダウンを行う場合、リング間の GEC またはイーサネット接続の両端のインターフェイスで行う必要があります。

また、DRPRI ブリッジ グループをデータ トラフィックの伝送に使用することはできません。

DRPRI ノードを使用できるのは、2 つの RPR を相互接続する場合だけです。カードのフロント ポートを他のトラフィックの伝送に使用しないでください。

リング間でトラフィックを伝送する非 DRPRI ブリッジグループでは、STP または RSTP が設定されている必要はありません。

リング間でトラフィックを伝送する非 DRPRI ブリッジグループは、4 枚の各 ML シリーズ カードで設定する必要があります。

QinQ およびプロトコル トンネルを DRPRI ノードで開始することはできませんが、DRPRI ノードは接続されたリング間で QinQ とプロトコル トンネルをブリッジすることができます。

ユーザが DRPRI ブリッジグループのメンバーのパス コストを変更する必要はありません。パスコストは ML シリーズ カードによって割り当てられ、DRPRI が正常に動作することが保証されます。ユーザが設定したパスコストは、割り当てられた DRPRI のデフォルトのパスコストで上書きされます。

DRPRI の設定

DRPRI には、2 組の ML シリーズ カードが必要です。1 組は RPR として設定し、近接する 2 つの RPR の 1 つ目に属します。もう 1 組は RPR として設定し、2 つの目の RPR に属します(図 16-4)。2 つの近接する RPR を接続する 4 枚の各 ML1000-2 カードで DRPRI を設定します。DRPRI 設定のプロセスは、次のタスクで構成されます。

1. DRPRI プロトコルでブリッジグループを設定します。

2. SPR インターフェイスを設定します。

a. ステーション ID 番号を割り当てます。

b. DRPRI ID として 0 または 1 を割り当てます。

3. SPR サブインターフェイスを作成し、ブリッジグループをサブインターフェイスに割り当てます。

4. GEC インターフェイスを作成します。

5. GEC サブインターフェイスを作成し、ブリッジグループをサブインターフェイスに割り当てます。

DRPRI をイネーブルにして設定するには、グローバル設定モードで開始し、次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# bridge crb

同時ルーティングとブリッジングをディセーブルにします。同時ルーティングとブリッジングがイネーブルになっている場合、デフォルトの動作では、ブリッジ グループで明示的にルーティングされていないすべてのプロトコルをブリッジします。

ステップ 2

Router(config)# bridge bridge-group-number protocol drpri-rstp

4 枚の ML1000-2 カードで共有するブリッジグループ番号を作成し、DRPRI のプロトコルをブリッジグループに割り当てます。同じブリッジ グループ番号を使用した同じコマンドを、4 枚の各カードで指定する必要があります。

ステップ 3

Router(config)# interface spr 1

RPR の SPR インターフェイスを作成するか、すでに作成済みの SPR インターフェイスで SPR インターフェイス設定モードを開始します。有効な SPR 番号は 1 だけです。

ステップ 4

Router(config-if)# spr station-ID station-ID-number

ステーション識別番号を設定します。ユーザは、2 組のカードで同じステーション ID を設定する必要があります。有効なステーション ID 番号の範囲は、1 ~ 254 です。

ステップ 5

Router(config-if)# spr drpri-ID {0 | 1}

DRPRI 識別番号(0 または 1)を作成し、DRPRI の ML1000-2 カードのペアを区別します。

ステップ 6

Router(config-if)# interface spr shared-packet-ring-sub-interface-number

SPR サブインターフェイスを作成します。

ステップ 7

Router(config-subif)# encapsulation dot1q vlan-ID

SPR サブインターフェイスのカプセル化を IEEE 802.1Q に設定します。

ステップ 8

Router(config-subif)# bridge-group bridge-group-number

SPR サブインターフェイスをブリッジグループに割り当てます。

ステップ 9

Router(config)# interface port-channel channel-number

GEC インターフェイスまたはチャネルグループを作成します。

ステップ 10

Router(config-if)# interface gigabitethernet number

インターフェイス設定モードを開始し、GEC サブインターフェイスに割り当てる 1 つ目のギガビットイーサネット インターフェイスを指定します。

ステップ 11

Router(config-if)# channel-group channel-number

ギガビットイーサネット インターフェイスを GEC に割り当てます。チャネル番号は、EtherChannel インターフェイスに割り当てたチャネル番号と同じ番号であることが必要です。

ステップ 12

Router(config-if)# interface gigabitethernet number

インターフェイス設定モードを開始し、GEC サブインターフェイスに割り当てる 2 つ目のギガビットイーサネット インターフェイスを指定します。

ステップ 13

Router(config-if)# channel-group channel-number

ギガビットイーサネット インターフェイスを GEC に割り当てます。チャネル番号は、EtherChannel インターフェイスに割り当てたチャネル番号と同じ番号であることが必要です。

ステップ 14

Router(config-subif)# interface port-channel channel-sub-interface- number

GEC サブインターフェイスを作成します。

ステップ 15

Router(config-subif)# encapsulation dot1q vlan-ID

サブインターフェイスのカプセル化を IEEE 802.1Q に設定します。使用する VLAN ID は、手順 7 で使用した VLAN ID と同じ ID であることが必要です。

ステップ 16

Router(config-subif)# bridge-group bridge-group-number

GEC サブインターフェイスをブリッジグループに割り当てます。

ステップ 17

Router(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 18

Router# copy running-config startup-config

(オプション)設定の変更を NVRAM に保存します。

DRPRI IOS の設定例

図 16-4 は、RPR の設定例を示しています。関連するコードは、例 16-5 16-6 16-7 、および 16-8 に示しています。

例16-5 ML シリーズ A の設定

hostname ML-Series A
bridge crb
bridge 100 protocol drpri-rstp
 
interface Port-channel1
no ip address
no ip route-cache
hold-queue 300 in
 
interface Port-channel1.1
encapsulation dot1Q 10
no ip route-cache
bridge-group 100
 
interface SPR1
no ip address
no keepalive
spr station-ID 1
hold-queue 150 in
 
interface SPR1.1
encapsulation dot1Q 10
bridge-group 100
 
interface GigabitEthernet0
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface GigabitEthernet1
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface POS0
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
interface POS1
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
ip classless
no ip http server

例16-6 ML シリーズ B の設定

hostname ML-Series B
bridge crb
bridge 100 protocol drpri-rstp
 
interface Port-channel1
no ip address
no ip route-cache
hold-queue 300 in
 
interface Port-channel1.1
encapsulation dot1Q 10
no ip route-cache
bridge-group 100
 
interface SPR1
no ip address
no keepalive
spr station-ID 1
spr drpr-ID 1
hold-queue 150 in
 
interface SPR1.1
encapsulation dot1Q 10
bridge-group 100
 
interface GigabitEthernet0
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface GigabitEthernet1
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface POS0
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
interface POS1
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
ip classless
no ip http server
 

例16-7 ML シリーズ C の設定

hostname ML-Series C
bridge crb
bridge 100 protocol drpri-rstp
 
interface Port-channel1
no ip address
no ip route-cache
hold-queue 300 in
 
interface Port-channel1.1
encapsulation dot1Q 10
no ip route-cache
bridge-group 100
 
interface SPR1
no ip address
no keepalive
spr station-ID 2
hold-queue 150 in
 
interface SPR1.1
encapsulation dot1Q 10
bridge-group 100
 
interface GigabitEthernet0
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface GigabitEthernet1
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface POS0
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
interface POS1
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
ip classless
no ip http server

例16-8 ML シリーズ D の設定

hostname ML-Series D
bridge crb
bridge 100 protocol drpri-rstp
 
interface Port-channel1
no ip address
no ip route-cache
hold-queue 300 in
 
interface Port-channel1.1
encapsulation dot1Q 10
no ip route-cache
bridge-group 100
 
interface SPR1
no ip address
no keepalive
spr station-ID 2
spr drpr-ID 1
hold-queue 150 in
 
interface SPR1.1
encapsulation dot1Q 10
bridge-group 100
 
interface GigabitEthernet0
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface GigabitEthernet1
no ip address
no ip route-cache
channel-group 1
 
interface POS0
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
interface POS1
no ip address
spr-intf-ID 1
crc 32
 
ip classless
no ip http server
 

DRPRI のモニタリングおよび確認

DRPRI を設定した後、 show bridge verbose コマンドを使用して DRPRI のステータスをモニタできます(例16-9)。

例16-9 show bridge verbose コマンド

Router# show bridge bridge-group-number verbose