Internetwork Performance Monitor ユーザ ガイド
IPM の概要
IPM の概要
発行日;2012/01/14 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

IPM の概要

IPM とは

用語と概念

IPM の動作

クライアント/サーバ アーキテクチャ

IPM 2.5 の新機能

IPM の概要

この章では、Internetwork Performance Monitor(IPM)アプリケーションの概要について説明します。次の項目について取り上げます。

「IPM とは」

「用語と概念」

「IPM の動作」

「クライアント/サーバ アーキテクチャ」

IPM とは

IPM は、マルチプロトコル ネットワークのパフォーマンスをモニタリングするネットワーク管理アプリケーションでモニタリングす。IPM は、IP ネットワークのレイテンシとアベイラビリティを、ホップバイホップ(ルータツールータ)で測定します。また、System Network Architecture(SNA;システム ネットワーク アーキテクチャ)ネットワークにおけるルータ/メインフレーム間のレイテンシを測定し、1 台以上のサーバを使用するネットワークでジッタをモニタリングします。

IPM には、次の用途があります。

デバイス間のネットワーク パフォーマンスをチェックすることで、問題のトラブルシューティングを行う。

ユーザ設定しきい値の超過、接続の切断と再確立、タイムアウトが発生した場合に、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)トラップと SNA アラートを送信する。

将来的なネットワーク トポロジのモデル化および予測に使用する統計を蓄積することで、発生する可能性のある問題を事前に分析する。

2 つのネットワーク エンド ポイント間のレイテンシ、アベイラビリティ、およびエラーをモニタリングする。

2 つのネットワーク エンド ポイント間のジッタ、パケット損失、およびエラーをモニタリングする。

2 つのネットワーク エンドポイント間のネットワーク パスを検出し、ネットワークのパフォーマンス統計情報をホップバイホップでモニタリングする。

統計動向の判断に使用する長期収集情報へ、Web ベースのアクセスを提供する。

重要なネットワーク サーバのアベイラビリティをモニタリングする。

メインフレーム環境での SNA のパフォーマンスをモニタリングする。

サービス レベル契約を確立する。

IPM/SA Agent モニタリング ソリューションの構成は次のとおりです。

1. IPM サーバ

2. IPM クライアント アプリケーション

3. Cisco IOS ソフトウェアの Service Assurance(SA)Agent 機能

このマニュアルでは、サーバとクライアントを含む IPM ネットワーク管理アプリケーションに重点を置いて説明します。ただし、いくつかのケースでは、SA Agent 機能に関する情報抜きでは IPM を十分に説明できません。したがって、Cisco IOS 機能に関する説明も若干含まれています。SA Agent 機能に関しては、このマニュアルの情報よりも、最新の Cisco IOS ソフトウェアの資料の説明をご利用ください。

用語と概念

IPM の用語と概念は次のとおりです。

ネットワーク パフォーマンス統計 :IPM が測定する、次の 5 つの主要な統計情報です。

レイテンシ

アベイラビリティ

ジッタ

パケット損失

エラー

ソース :IPM がネットワーク パフォーマンスの測定を行う起点となる、IOS を実行中のスイッチ(ルータ)。ソースとなるスイッチ(ルータ)では、SA Agent 機能をサポートするバージョンの Cisco IOS ソフトウェアを実行している必要があります。サポートされている Cisco IOS ソフトウェアのバージョンについては、『 Installation Guide for Internetwork Performance Monitor 』の「Cisco IOS Software Requirements」を参照してください。

ターゲット :ネットワーク パフォーマンス測定の終点。ターゲットには、IP アドレス指定可能な任意のデバイス、ソース ルータから到達可能な IBM Multiple Virtual Storage(MVS)メインフレーム、またはSA Agent 対応のシスコ ルータのいずれかを想定できます。ジッタ測定の場合は、ターゲットは、RTR Responder がイネーブルになっている SA Agent 対応のシスコ ルータ(スイッチ)である必要があります。

オペレーション :ネットワーク パフォーマンス統計の測定に使用されるパラメータのセット。パラメータは、実行する測定タイプを示します。

コレクタ :特定のルータ(ソース)から特定のデバイス(ターゲット)のネットワーク パフォーマンス統計を測定するために定義されるエンティティ。コレクタの定義には、コレクタのソース、ターゲット、オペレーション、開始時刻、期間、およびコレクタのタイプに関する情報が含まれます。

インターバル :ソース ルータのコレクタが、ターゲットとの間で測定を実行する間隔(秒)。この値は通常 60 秒です。有効範囲は、10 ~ 3600 秒(1 時間)です。ソース ルータは、1 時間のサンプルすべてを、その時間のメトリックのセットに自動的に集約します。IPM は、1 時間ごとに 1 回、ソース ルータからこれらのメトリックを検出します。

期間 :コレクタが動作し、ソース ルータから情報を収集する長さ(日数、時間数、および分数)。デフォルト値は forever です。有効範囲は 1 ~ forever です。

SA Agent Responder :Cisco IOS ソフトウェアのバージョン 12.1 以降を実行するターゲット シスコ ルータに組み込まれたコンポーネント。拡張 UDP 測定(ジッタなど)をサポートする SA Agent ソフトウェアを実行しているソース ルータからの SA Agent 要求パケットに応答します。

IPM の動作

IPM は、ソース ルータとターゲット デバイスの間のネットワーク パフォーマンス統計(レイテンシ、アベイラビリティ、ジッタ、パケット損失、およびエラー情報)を測定および表示します。

ターゲットには、IP アドレス指定可能なデバイス、IBM MVS メインフレーム、SA Agent 対応のシスコ ルータのいずれかを指定できます。

ターゲットが IP アドレス指定可能なデバイスの場合は、ネットワーク デバイス、サーバ、またはワークステーションになります。

ターゲットが IBM MVS メインフレームの場合は、SNA のレイテンシを測定するために、NSPECHO と呼ばれる IPM Virtual Telecommunications Access Method(VTAM; 仮想テレコミュニケーション アクセス方式)アプリケーションを実行している必要があります。詳細については、『 Installation Guide for Internetwork Performance Monitor 』の「Installing NSPECHO to Measure SNA Response Times」の章を参照してください。

ターゲットが SA Agent 対応ルータの場合は、Cisco IOS ソフトウェアのバージョン 12.1 以降を実行している必要があります。IPM アプリケーションを使用して、各ソース ルータの SA Agent を設定します。SA Agent はソース ルータとターゲット デバイスの間のパフォーマンスを測定します。

ソース ルータは、1 時間に 1 回、すべての測定結果を各ネットワーク パフォーマンス統計の 1 つのサンプル値に集約します。IPM は 1 時間ごとにソース ルータからデータを収集して、IPM データベースに格納します。

また、IPM には、1 時間ごとのデータ収集間隔を待たずにデータを表示できる、リアルタイム機能もあります。ただし、Real Time ウィンドウに表示されるデータは、IPM データベースには保存されません。

また、IPM には、収集したパフォーマンス メトリックを表示および分析できる、様々なレポートやグラフのセットも用意されています。IPM は、マルチ プラットフォーム環境で、スタンドアロン クライアントと Web ベースのクライアントの両方をサポートします。

クライアント/サーバ アーキテクチャ

IPMは、IPMサーバ上で、中央集中型サービスとデータベース機能を提供します。このサーバは、メッセージング インターフェイスを通して複数のIPMワークステーション クライアントと通信します(図 1-1参照)。IPMソフトウェアはサーバ ソフトウェア コンポーネントとクライアント ソフトウェア コンポーネントで構成されており、このコンポーネントは同一のワークステーションにも、異なる複数のワークステーションにもインストールできます。

図 1-1 IPM クライアント/サーバ アーキテクチャ

 

今回のリリースの IPM では、サーバ ソフトウェアは Solaris 2.7、Solaris 2.8、および Windows 2000 Professional または Windows 2000 Server のシステム上で動作します。クライアント ソフトウェアは Solaris 2.7、Solaris 2.8、Windows XP Professional、Windows 2000 Professional または Windows 2000 Server (SP3) のプラットフォーム上で動作します。

このクライアント サーバ アーキテクチャはプラットフォームの互換性があり、クライアント ソフトウェアとサーバ ソフトウェアを異なるオペレーティング システムが混在する環境で動作させることができます。たとえば、IPM サーバを Solaris ワークステーションで実行し、そのサーバに、Windows ワークステーション上で動作している IPM クライアントからアクセスできます。


) IPM では、Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)、Port Address Translation(PAT; ポート アドレス変換)、およびクライアントとサーバ間のファイアウォールはサポートされていません。


IPM サーバ ソフトウェアは、機能サービスの組み合せとして構成されており、この機能サービスがネットワーク ワークステーション、クライアント ワークステーション、および中央集中化データベースの間でデータを管理します。IPM サーバは、IPM データベースとネットワーク デバイス(ソース ルータなど)の間のデータ交換を管理します。IPM プロセス マネージャは、すべての IPM サーバの起動および管理を行い、IPM の強力かつ確実な起動プラットフォームを提供します。

IPM クライアント ソフトウェアは、IPM サーバと通信します。IPM クライアント ソフトウェアは、IPM サーバ ソフトウェアと同じワークステーションにインストールすることも、IPM サーバと同一ネットワーク上の別のワークステーションにインストールすることもできます。また、IPM クライアントを CiscoWorks デスクトップと統合することもできます。

ネットワーク上の Windows XP Professional、Windows 2000 Professional、Windows 2000 Server (SP3)、Solaris 2.7、または Solaris 2.8 のワークステーションから、Web ブラウザを使用して次の操作を行うことができます。

ソース、ターゲット、オペレーション、およびコレクタの定義へのアクセス

Web ベースのパフォーマンス メトリック レポートの表示

IPM クライアントのダウンロードと起動

Web ベースのトラブルシューティング情報の表示

インストールされている IPM のバージョンの判別

シード ファイルの表示

上記の機能はすべて CiscoWorks デスクトップからも起動できます。

IPM 2.5 の新機能

IPM 2.5 では、次の機能が新しく追加されています。

DHCP オペレーション用の DHCP サーバの指定をサポート。DHCP オペレーションで使用する DHCP サーバ名またはアドレスを指定できます。これによって、ソース ルータ インターフェイス、それに接続されるサブネット、そこで設定される DHCP サーバの組み合せが多様な場合に、(特定の DHCP ルータではなく)予期しないルータが応答する問題が解決されます。

FTP オペレーションのパフォーマンス測定をサポート。Echo、Path Echo、DLSw などのオペレーションのサポートに加え、ルータでの FTP オペレーションの設定が可能です。また、FTP オペレーションの完了に必要な時間を割り出すこともできます。

このオペレーションでは、パケット優先順位だけでなく FTP セッションのモード(アクティブ/パッシブ)も選択できます。

ソース インターフェイス:SAA テストを定義する際、ソースの IP アドレスを指定できます。このアドレスは、ターゲットによってソース デバイスへの応答時に使用されます。

IPM は、次のいずれかのモードで動作します。

Mode 1:このモードでは、ソースの IP アドレスは設定されません。これはオペレーションのデフォルト モードです。

Mode 2:このモードでは、IP アドレスは認識されているソースのアドレスに設定されます。

IPM は、ソース デバイス上にコレクタを設定しますが、発信元アドレスは設定しません。ソースでは、標準のルーティング メカニズムによって発信インターフェイスが識別され、そのアドレスが発信元アドレスとして使用されます。

コンフィギュレーション ファイルを変更し、IPM を再起動することで、デフォルトの動作(Mode 1)を変更して Mode 2 に切り替えることができます。

ソース インターフェイス アドレスの設定方法については、「管理対象ソース インターフェイスの設定」を参照してください。

インラインおよびリモート アップグレードに対応した HTML レポートの移行をサポート。IPM 2.3 または 2.4 から IPM 2.5 にアップグレードする際、データベース、環境変数、シード ファイルに加えて、HTML レポートも維持されます。

HTTP オペレーション用のプロキシ サーバの指定をサポート。IPM では、HTTP オペレーションで使用するプロキシ サーバを指定できます。

SSL 準拠:SSL 対応の CiscoWorks アプリケーションを実行中のマシンに IPM 2.5 をインストールできます。IPM 自体は SSL 準拠ではないということに注意が必要ですが、ほかの SSL 準拠の CiscoWorks アプリケーションとは共存できます。

ファイアウォールおよびマルチホーム システムのサポート。IPM 2.5 に対しては、ファイアウォールを使用したテスト、およびマルチホーム システムを使用したテストが行われています。

詳細については、ユーザ ガイドの関連する FAQ の章を参照してください。