Cisco WAN Modeling Tools ユーザ ガイド Release 15.3.00
NMT の Execute コマンド
NMT の Execute コマンド
発行日;2012/01/10 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 1MB) | フィードバック

目次

NMT の Execute コマンド

Route コマンドの使用方法

AutoRoute

AutoRoute 最低コスト ルーティング

優先ルートと誘導ルート

PNNI ルーティング

区画設定された AutoRoute/PNNI ネットワーク

Fail Analysis コマンド

Build Sites コマンド

Optimize コマンド

NMT コマンドの結果

NMT の Execute コマンド

この章では、 Execute メニューにある NMT のモデル化コマンドの使用方法を説明します。

Route コマンドの使用方法

Execute メニューから Route コマンドを選択すると、スイッチで使われている自動ルーティング管理アルゴリズムおよび PNNI(プライベート ネットワーク間インターフェイス)アルゴリズムと同じアルゴリズムが使われます。リンク テーブルの Keep フィールドの値が 1 以上になっているリンクだけが、トポロジで使用されます(リンク テーブルの Keep フィールドは、最終トポロジに組み込む必要があるリンク(トラフィックが通過しないリンクを含む)をシステムに通知するためのフィールドです)。この選択を行うと、サイトとルート接続の構築という 2 つのプロセスが実行されます。

AutoRoute

AutoRoute ネットワークをモデル化する場合、CNF テーブルには次の指定が必要です。

各サイトで使用される AutoRoute アルゴリズムのタイプを、サイト テーブルのルーティング アルゴリズム(RA)フィールドに指定します。最少ホップの場合は H、最小コストの場合は C、遅延を許す最低コストの場合は CD を入力します。

リンク テーブルの AR フィールドに Y を入力すると、リンクの AutoRoute が有効になります。

バースティ接続テーブル内の RT_Metrics フィールドに、AutoRoute を設定します。


) モデル設定の遅延パラメータを、必要に応じて調整します(「構成/モデル設定」を参照)。


AutoRoute 最低コスト ルーティング

最低コスト ルーティング機能は、インターフェイスにコストに基づくルーティングの概念を導入します。これは、コストが許容範囲を超えるルートの選択を避けるために開発されました。

最低コスト ルーティングの詳細は、 表5-1 を参照してください。

 

表5-1 最低コスト ルーティングの設定

項目
必要な設定
コメント

最低コスト ルーティングの指定

サイト テーブル

RA(ルーティング アルゴリズム)フィールド:C(最低コスト)または CD(遅延を認める最低コスト)を入力します。

どのサイトにも、最低コストまたは最少ホップ ルーティング規則を設定できます。

リンク テーブル

コスト フィールド:1~50 の値を入力します。

ルーティング アルゴリズムで使用されるトランクの重み。

音声、データ、およびバースティ トラフィック テーブル

コスト フィールド:1~100 の値を入力します。

この接続のルートに許される最大コスト。

優先ルートと誘導ルート

NMT では、優先ルートと呼ばれるネットワーク内のパスをどの接続にも設定できます。優先ルートを指定すると、NMT はその接続に優先ルートを使います。優先ルートがない場合(障害解析で頻発)、NMT は可能な方法でルーティングを行います。NMT は誘導ルートを設定することもあります。これは、優先ルートの特殊なケースで、優先ルートで接続されるか、または、まったく経路設定されません。

優先ルートを作成するには、トラフィック テーブルの Preferred_Route テーブルにルートを入力します。ルートは等号 (=) で区切られる一連のクロス接続(Xcon)です(例 Xcon1[=Xcon2]...[=XconN])。

クロス接続は、オプションのトランク入力ポート ID(スロット/ポート識別子)にスラッシュ(/)を続けて、必須のサイト名、およびオプションのスラッシュとトランク出力ポート ID を続けて表現します。つまり、クロス接続は [In-trunkPortID/]SiteName[/Out-trunkPortID] のように表現します。

Xcon でいずれかのポート ID を指定する場合は、一意のトランクを指定します。NMT が 2 つのノード間に複数のトランクを検出した場合は、NMT で使用するトランクを指定します。各 Xcon を同じ詳細レベルで指定する必要はありません。ポート ID がないものや両方のポート ID を持つものが混在しても構いません。

次のルートは、デンバーからパリへの接続に有効な優先ルートです。

Paris
3.1/Paris
Denver=Paris
Denver/4.1=Paris
Denver/4.1=3.1/Paris
Denver=Paris
4.1/Denver=Paris
4.1/Denver=4.1/Paris
4.1/Denver/3.1=4.1/Paris
Denver/3.1=4.1/Boston/3.1=4.1/Paris

) NMT は優先ルートの入力に関するヘルプを用意しています。優先ルート フィールドで Help キーを押すと、NMT はノード間の有効なすべてのトランクを表示します。希望するトランクで Return を押して選択します。再び Help キーを押すと、NMT は別のノードについての有効なすべてのルートを表示します。次の手順をお勧めします。まず、優先ルートのないネットワークをモデル化します。次に、マップを開きます。接続の優先ルート設定に戻ります。マップに表示されたトランクを選択します。


優先ルートと誘導ルートのモデル化の詳細については、 表5-2 を参照してください。

 

表5-2 優先ルートと誘導ルートの設定

項目
必要な設定
コメント

優先ルートと誘導ルートのモデル化

音声、データ、およびバースティ トラフィック テーブル

DR フィールド:接続が誘導ルート機能を持っている場合は Y を入力します。それ以外の場合は、N を入力します。


 

Preferred_Route フィールドがブランクのままだったり、有効ではなかった場合、このフィールドは無視されます。

Preferred_Route フィールド:等号で区切った一連のノード クロス接続を入力します。

すべてのサイト名をサイト テーブルに記入し、連続したサイトの対がそれぞれリンク テーブルでトランクを持つようにする必要があります。起点と終点のサイトはオプションです。

NMT には、優先ルートと同じフォーマットの実際ルート フィールドがあります。CET 抽出機能で実際ルートが書き込まれますが、これはその時点での接続のツリー ルートです。Execute Settings の Used Preferred Routes オプションによって、route コマンドで使用されるルートの集合が決定されます。優先ルートは、障害解析コマンドで常に使用されます。

PNNI ルーティング

PNNI ネットワークをモデル化する場合、CNF テーブルには次の指定が必要です。

サイト テーブルの PNNI フィールドに Y を入力して、各サイトで PNNI を有効にします。

PNNI ネットワークが複数のグループの場合は、PNNI_PG フィールドに各サイトが属するピア グループを指定します。多重レベルのピア グループ ネットワークの場合は、PNNI ドメイン テーブルに、レベルおよび定義されている親と共に各ピア グループを記入する必要があります。

特定のサイトをピア グループのリーダーにする場合には、そのサイトの PGL フィールドに Y を入力します。何も選択しない場合は、NMT が代わってリーダーを選択します。

リンク テーブルの PNNI フィールドに Y を入力すると、リンクの PNNI が有効になります。

バースティ接続テーブルの RT_Metrics フィールドに、3 つある PNNI ルーティング アルゴリズムのうち、いずれか 1 つを設定します。管理重みの場合は AW、セル転送遅延の場合は CTD、セル遅延変動の場合は CDV を選択します。


) モデル設定の PNNI パラメータは調整できます。


区画設定された AutoRoute/PNNI ネットワーク

モデル化されたネットワークが AutoRoute 接続と PNNI 接続を持つ場合は、「AutoRoute」と「PNNI ルーティング」の項の手順に従い、ネットワークの各部分を設定してください。リンクにパーティションが設定されている場合、パーティションはインターフェイス テーブルで定義されます。リンク ポート ID はインターフェイス テーブルのエントリを相互に参照します。パーティションを指定しない場合、NMT は接続の要件に応じてパーティションを最適化します。


) MPLS パーティションも指定できます。ただし、NMT モデルでは MPLS パーティション上のトラフィックは処理されません。


Fail Analysis コマンド

Execute メニューから Fail Analysis を選択すると、1 つ以上の回線に障害が発生した状況を作成できます。一度に 1 つの回線だけに障害が発生した状況も生成できます( Simulate All メニュー項目を参照)。回線に障害を発生させると、NMT で強制的に代替ルートを作成できます。この場合、NMT は自動ルーティング管理アルゴリズムを使用します。

NMT では、このアルゴリズムを使って、設定されている値に従い、ネットワーク リンクに 1 つ以上の回線がダウンした場合に余分のトラフィックをサポートするための十分な予備帯域幅があるかどうかが判断されます。障害解析を行う場合は、まず、 Execute メニューから Route または Optimize を選択する必要があります。

Fail Analysis サブメニューでは、次の選択が可能です。

Fail :ネットワーク内の 1 つ以上の接続に障害を発生させます。障害を発生させる場所として、ノード、カード、またはポートを指定できます。ポートに障害を発生させると、そのポートを使用するリンクに障害が発生します。


) この操作を行う場合、HELP キーが便利です。HELP キーを一度押すと、サイトを選択できます。HELP キーを二度押すと、ポートを選択できます。


Alternate Route :前の説明のとおり指定したネットワークの位置に障害を発生させた後、接続の再ルーティングが試みられます。その出力結果は、 Display メニューの次のテーブルに作成されます。つまり、 Total Links Load Routes 、および No Routes です。

Results :前述の再ルーティングで得られた代替ルートを要約したレポートを表示します。

Generate :前述のレポートをファイルで出力します。

Simulate All :各リンク、カード、サイト、およびポートに自動的に障害を発生させ、レポートを作成します。 Simulate All を選択すると、レポートの名前の入力が要求されます。NMT は各要素に一度に 1 つずつ障害を発生させます。レポートは、 Report メニューから View を選択することで、表示できます。

View :ディスクに保存された障害解析レポートを表示します。

Options :障害解析を行う場合に、IMATM トランクまたは仮想トランクを、システムに無視させるかどうかを指定できます。

1 つまたは複数のリンク障害の結果、すべての接続が再ルーティングができなかった場合には、既存リンクのサイズの増加、リンク数の増加、あるいは新しいリンクの追加によって、リンクの容量を追加してください。耐性型トポロジの設定を行うために、TPI と WANDL を使用することができます。

Build Sites コマンド

Execute メニューから Build Sites を選択すると、接続のルーティングを行わずにサイトの設定ができます。すべてのサイトを作成するオプションと 1 つの特定のサイトだけを作成するオプションがあります。設定されていないリンクと接続がある場合には、作成できないリンクと接続の終端がこのコマンドによって表示されます。

Optimize コマンド

NMT にはネットワーク モデルの最適化を行うためのツールがいくつかあり、これらのツールを使うと、選択したリンクに最低コスト トポロジを設定できます。 Execute メニューから Optimize を選択すると、NMT で最低設備コストのネットワークが設計されるように設定が処理されます。 Optimize コマンドを使うと、トポロジから未使用のリンク(トラフィックのルーティングで使用されないリンク)が削除されます。未使用のリンクはトポロジから削除されますが、後で使用できるように、リンク テーブルには残されています。処理は次の手順で進みます。

1. システムはすべての可能性があるトポロジを計算した後で、すべてのトラフィックが最低の可能性があるコストでルーティングできるトポロジを選択します。この処理を行う間、 Optimizing Topology メッセージ ボックスには計算中のいくつかのトポロジが表示され、そのうち最後の 2 つが最新のコスト計算と、今までで最低だったコストを表示しています。接続が失敗した場合、ルータを追加することでルーティングを行います。

初期トポロジを最適化処理することによって、他のすべてのトポロジが生成および分析されます。トポロジは、すべてのサイト、「Keep」フィールドで正の値を持つリンク、およびこの接続用の優先ルートで指定したリンクを含む、ユーザが指定したデータから生成されます。

2. 接続のルーティングが行われ、完全なパスが検証されます。この処理を行う間、 Routing Connections メッセージ ボックスには、ネットワーク接続の総数と、それまでにルーティングが成功した接続数が表示されます。

3. このプログラムはいくつかのレポートを生成します。その中には、最終的なトポロジの生成に使用されたアルゴリズム(初期、接続ベース、最小スパン ツリー、またはリンク テーブル)を説明する情報メッセージも含まれます。


) 最適化処理は、初期トポロジと最小スパン ツリー アルゴリズムをベースにしたトポロジの検出に失敗すると、リンク テーブルをベースにしたトポロジを設定します。削除可能とマークされているすべてのリンクは、最適化処理によって削除されます。削除されない場合は、接続で使用されます。


最適化処理は、 Escape キーを押して、停止することができます。システムがすべての可能なトポロジを計算している最中に Escape キーを押した場合は、すべての処理を終わらせるか、またはそれまでに計算した中で最適なトポロジについての処理を先に進ませるかのいずれかの選択ができます。

NMT の最適化方法が不十分な場合は、TPI を使って、ネットワークを WANDL フォーマットに変換することもできます。WANDL ではいくつかの異なる最適化方法が提供されています( 第 10 章「WANDL:Third-Party Interface」 を参照)。

最適化処理は、最適なトポロジを取得したときに使用したアルゴリズムを説明する情報メッセージを表示します。

 

表5-3 最適化についての情報メッセージ

メッセージ
説明

初期トポロジ

既存の設備ですべての接続がルーティングされた。新しいリンクは追加されていません。

接続ベース

開始トポロジを取得するために、実際/優先ルートの情報が使用された。

最小スパン ツリー

初期ツリー トポロジを生成するために、最小スパン ツリー アルゴリズムが使用された。

リンク ベース

リンクがソートされた。


) PNNI ネットワークに対しては、最適化がサポートされていません。


NMT コマンドの結果

表5-4 には、route コマンドによって接続をリンク上でルーティングできなかった場合に考えられる原因が示されています。

 

表5-4 リンク上で接続をルーティングできない場合の原因

原因
解決策

リンクの keep フィールドが 0 になっている。このリンクが、最適化コマンドでネットワークに追加できる対象に指定されているにもかかわらず、ネットワークに存在しないために route コマンドで使用されないことを意味します。

keep フィールドを 1 以上に設定します。

AutoRoute と PNNI の両方で、接続に必要なルーティング プロトコルに対してリンクが有効になっていません。

リンク テーブルで、PNNI または AR のフラグを Y に設定します。接続にどのプロトコルが必要なのかを調べるには、接続テーブルの RT_Metrics フィールドを調べてください。

AutoRoute 最低コスト ルーティングまたは PNNI に対して、接続テーブルの Cost フィールドにルートが発見できないほど低いコストの最大値が設定されています。

接続テーブルの Cost フィールドの値を増やします。または、この制限を外すために 0 を設定します。

リンクが仮想トランクの場合に、リンクは Receive Rate フィールドまたは VT_Rate フィールドのいずれかによって、制限を受けています。

これらのフィールドの値を増やします。または、この制限を外すために 0 を設定します。

AutoRoute の場合に、stat reserve フィールドの値によって除外する帯域幅が大きすぎます。

stat reserve フィールドの値を減らしてください。

特定のタイプのトラフィック用に、限定されたメディア(たとえば、衛星)またはトランクが設定されていないため、リンクをこのタイプの接続に使用できません。

AutoRoute の場合は、接続で避ける必要があるリンク メディア タイプについて、接続テーブルの Ad フィールドを調べてください。制限をなくすためには、このフィールドを空白に設定します。リンク テーブルのトラフィック フィールドでこのリンク上を経由できるトラフィック タイプを調べてください。このフィールドが空白の場合、すべてのタイプが経由できます。

次の表では、Execute コマンドに関する問題点のトラブルシューティングを説明します。

 

症状

IGX リンクで音声およびデータ コールに予想以上の帯域幅が使用されている。

考えられる原因

IGX 上の音声およびデータ(TS および NTS)接続が高速パケットに変換されている。20 バイトのペイロードを持つこれらの 24 バイトのパケットをセルに挿入するときに、パケット ヘッダーが削除されずに、1 パケットまたは 2 パケットがセルに挿入されます。静的な管理負荷は、特定のタイプの接続に対する複合タイムアウト値に基づき、1 パケットまたは 2 パケットであることが想定されています。

解決策

複合タイムアウト値は、 Configure/Model Settings メニューで設定できるネットワークでグローバルなパラメータです。このパラメータは 0.125 マイクロ秒単位で指定します。

複合タイムアウト値は、モデルの帯域幅利用率を最適化できるような最大の値に設定してください。

 

症状

最低コストの重みを変更しても、接続のルートに影響がなかった。

考えられる原因

CNF ファイルに優先ルートまたは(CET 抽出機能による場合)実際ルートが指定されている可能性があります。これらのルート フィールドをまず調べてください。このフィールドにルートが指定されている場合、AutoRoute の実行前にモデルにこのルートが適用されます。

解決策

実際ルートまたは優先ルートを削除します。各接続のフィールドで F6 を使って削除します。または、 CONFIG/UTILITIES/CLEAR DATA メニューですべてのルートを削除することもできます。

また、 EXECUTE/SET メニューの Use Preferred Routes の設定も調べてください。このフラグが Y の場合、優先ルートの使用が最初に試みられます。このフラグを N に設定すると、実際ルートの使用が最初に試みられます。

 

症状

AutoRoute でルーティングを行ったら、リンクに不平衡な負荷がある。

考えられる原因

サイト テーブルにはバンドル フィールドがあり、そこで指定した数の接続を同時に 1 つにバンドルするようにルーティングを行います。バンドル当たりの接続のデフォルト数は 24 です。

解決策

サイト テーブル内のバンドル フィールドを 1 に設定します。