Cisco MDS 9000 ファミリ NX-OS インターフェイス コンフィギュレーション ガイド Cisco MDS NX-OS Release 6.x
ポート トラッキングの設定
ポート トラッキングの設定
発行日;2012/09/24 | 英語版ドキュメント(2012/09/05 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

ポート トラッキングの設定

ポート トラッキングに関する情報

注意事項と制限

デフォルト設定

ポート トラッキングの設定

ポート トラッキングのイネーブル化

リンク対象ポート設定の概要

トラッキング対象ポートの動作バインディング

複数ポート トラッキングの概要

複数ポートのトラッキング

VSAN 内のポートの監視の概要

VSAN 内のポートのモニタリングの概要

強制シャットダウンの概要

トラッキング対象ポートの強制シャットダウン

ポート トラッキング情報の表示

ポート トラッキングの設定

ポート トラッキングは、スイッチの Cisco MDS 9000 ファミリに固有の機能です。この機能はリンクの動作ステートに関する情報を利用して、エッジ デバイスを接続するリンクの障害を引き起こします。この処理では、間接障害が直接障害に変換されるため、冗長リンクへの復旧処理が迅速化されます。ポート トラッキング機能がイネーブルになっている場合、この機能はリンク障害時に設定されたリンクをダウンにし、トラフィックを別の冗長リンクに強制的にリダイレクトします。

この章の内容は、次のとおりです。

「ポート トラッキングに関する情報」

「注意事項と制限」

「デフォルト設定」

「ポート トラッキングの設定」「ポート トラッキングの設定」

「ポート トラッキング情報の表示」

ポート トラッキングに関する情報

一般的に、ホストはスイッチに直接接続されているリンク(直接リンク)上でのリンク障害からすぐに復旧できます。しかし、キープアライブ メカニズムを備えた WAN や MAN ファブリック内のスイッチ間で発生する間接的なリンク障害からの復旧は、Time Out Value(TOV)や Registered State Change Notification(RSCN)情報などの複数の要因に左右されます。

図 9-1 で、ホストに対する直接リンク 1 に障害が発生した場合、ただちに復旧可能です。ただし、2 つのスイッチ間の ISL 2 に障害が発生した場合、復旧は TOV や RSCN などに左右されます。

図 9-1 ポート トラッキングによるトラフィックの復旧

 

ポート トラッキング機能は、トポロジの変化を引き起こし、接続デバイスを接続しているリンクをダウンさせる障害を監視し、検出します。この機能をイネーブルにして、リンク対象ポートとトラッキング対象ポートを明示的に設定すると、Cisco NX-OS ソフトウェアはトラッキング対象ポートを監視してリンク ステートの変化を検出した場合、リンク対象ポートの動作ステートを変更します。

この章では次の用語を使用します。

トラッキング対象ポート:動作ステートが継続的に監視されるポート。トラッキング対象ポートの動作ステートを使用して、1 つまたは複数のポートの動作ステートを変更します。トラッキング対象ポートは、ファイバ チャネル、VSAN、ポート チャネル、FCIP、またはギガビット イーサネットのポートです。一般的に、E および TE ポート モードのポートは Fx ポートにもなります。

リンク対象ポート:トラッキング対象ポートの動作ステートに基づいて動作ステートが変更されるポート。リンクできるのはファイバ チャネル ポートだけです。

注意事項と制限

ポート トラッキングを設定する際、次の点に注意してください。

トラッキング対象ポートとリンク対象ポートが同じ Cisco MDS スイッチ上に存在することを確認します。

再帰依存を回避するためにリンク対象ポートに再度トラッキング(たとえば、ポート fc1/2 からポート fc2/5 にトラッキングし、さらにポート fc1/2 に戻す)しないでください。

トラッキング対象ポートがダウンしたときに、リンク対象ポートが自動的にダウンすることを確認します。トラッキング対象ポートがダウンしたときに、リンク対象ポートが自動的にダウンすることを確認します。

デフォルト設定

表 9-1 に、ポート トラッキング パラメータのデフォルト設定値を示します。

 

表 9-1 ポート トラッキング パラメータのデフォルト設定値

パラメータ
デフォルト

ポート トラッキング

ディセーブル。

動作バインディング

ポート トラッキングとともにイネーブル

ポート トラッキングの設定

ポート トラッキングには、次の機能があります。

トラッキング対象ポートがダウンすると、アプリケーションはリンク対象ポートをダウンさせます。トラッキング対象ポートが障害から復旧して再度アップになると、リンクされたポートも(特に別の設定がない限り)自動的にアップになります。

トラッキング対象ポートがアップしても、リンク対象ポートを強制的にダウンしたままにできます。この場合、必要に応じてポートを明示的にアップする必要があります。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「ポート トラッキングのイネーブル化」

「リンク対象ポート設定の概要」

「トラッキング対象ポートの動作バインディング」

「複数ポート トラッキングの概要」

「複数ポートのトラッキング」

「VSAN 内のポートの監視の概要」

「VSAN 内のポートのモニタリングの概要」

「強制シャットダウンの概要」

「トラッキング対象ポートの強制シャットダウン」

ポート トラッキングのイネーブル化

ポート トラッキング機能は、Cisco 9000 ファミリのすべてのスイッチについてデフォルトでディセーブルになっています。この機能をイネーブルにすると、ポート トラッキングはスイッチ全体でグローバルにイネーブルになります。

ポート トラッキングを設定するには、ポート トラッキング機能をイネーブルにして、トラッキング対象ポートのリンク対象ポートを設定します。

手順の詳細

ポート トラッキングをイネーブルにするには、次の手順を実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# feature port-track

ポート トラッキングをイネーブルにします。

switch(config)# no feature port-track

現在適用されているポート トラッキング設定を削除し、ポート トラッキングをディセーブルにします。

リンク対象ポート設定の概要

ポートをリンクするには、次の 2 通りの方法があります。

リンク対象ポートのトラッキング対象ポート(デフォルト)への動作バインディング

リンク対象ポートを強制的にダウンしたままにします(トラッキング対象ポートがリンク障害から回復した場合も同様)。

トラッキング対象ポートの動作バインディング

最初のトラッキング対象ポートを設定すると、動作バインディングは自動的に有効になります。この方法を使用すると、複数のポートを監視したり、1 つの VSAN 内のポートを監視したりできます。

手順の詳細

トラッキング対象ポートの動作をバインドする場合は、次の手順に従います。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# interface fc8/6

switch(config-if)#

指定されたインターフェイスを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション サブモードを開始します。これで、トラッキング対象ポートを設定できるようになります。

(注) 図 9-1 で、このリンクは直接リンク(1)で示されます。

ステップ 3

switch(config-if)# port-track interface port-channel 1

インターフェイス fc8/6 とインターフェイス port-channel 1 のトラッキングを行います。port-channel 1 がダウンすると、インターフェイス fc8/6 もダウンします。

(注) 図 9-1 で、このリンクは ISL(2)で示されます。

switch(config-if)# no port-track interface port-channel 1

インターフェイス fc8/6 に現在適用されているポート トラッキング設定を削除します。

複数ポート トラッキングの概要

複数のトラッキング対象ポートの動作ステートに基づいて、リンク対象ポートの動作ステートを制御できます。複数のトラッキング対象ポートが 1 つのリンク対象ポートに対応付けられている場合、対応付けられたトラッキング対象ポートがすべてダウンしたときにかぎり、リンク対象ポートの動作ステートはダウンに設定されます。トラッキング対象ポートが 1 つでもアップしている場合、リンク対象ポートはアップしたままになります。

図 9-2 で、直接リンク 1 がダウンするのは、ISL 2 と 3 の両方に障害が発生した場合だけです。ISL 2 または 3 が動作しているかぎり、直接リンク 1 はダウンしません。

図 9-2 ポート トラッキングによるトラフィックの復旧

 

複数ポートのトラッキング

手順の詳細

複数のポートをトラッキングするには、次の手順を実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# interface fc8/6

指定されたインターフェイスを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション サブモードを開始します。これで、トラッキング対象ポートを設定できるようになります。

(注) 図 9-2 で、このリンクは直接リンク(1)で示されます。

ステップ 3

switch(config-if)# port-track interface port-channel 1

インターフェイス fc8/6 とインターフェイス port-channel 1 のトラッキングを行います。port-channel 1 がダウンすると、インターフェイス fc8/6 もダウンします。

(注) 図 9-2 で、このリンクは ISL(2)で示されます。

ステップ 4

switch(config-if)# port-track interface fcip 5

インターフェイス fc8/6 とインターフェイス fcip 5 のトラッキングを行います。FCIP 5 がダウンすると、インターフェイス fc8/6 もダウンします。

(注) 図 9-2 で、このリンクは ISL(3)で示されます。

VSAN 内のポートの監視の概要

トラッキング対象ポート上のすべての動作 VSAN から VSAN をリンク対象ポートに対応付けるには、必要な VSAN を指定します。このため、トラッキング対象ポートの詳細な設定が可能になります。トラッキング対象ポートが TE ポートの場合、ポートの動作ステートがダウンにならずに、ポート上の動作 VSAN がダイナミックに変わる場合があります。この場合、リンク対象ポートのポート VSAN は、トラッキング対象ポート上の動作 VSAN 上で監視できます。

この機能を設定すると、トラッキング対象ポート上で VSAN がアップしている場合にだけリンク対象ポートがアップします。


ヒント 指定する VSAN は、リンク対象ポートのポート VSAN と同じである必要はありません。

VSAN 内のポートのモニタリングの概要

手順の詳細

特定の VSAN でトラッキング対象ポートをモニタするには、次の手順を実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# interface fc8/6

指定されたインターフェイスを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション サブモードを開始します。これで、トラッキング対象ポートを設定できるようになります。

ステップ 3

switch(config-if)# port-track interface port-channel 1 vsan 2

VSAN 2 でポートチャネルのトラッキングをイネーブルにします。

switch(config-if)# no port-track interface port-channel 1 vsan 2

リンク対象ポートに対する VSAN の対応付けを削除します。ポート チャネル リンクは有効なままです。

強制シャットダウンの概要

トラッキング対象ポートで頻繁にフラップが発生する場合、動作バインディング機能を使用するトラッキング ポートは頻繁にトポロジを変えることがあります。この場合、頻繁なフラップの原因が解決されるまで、ポートをダウンしたままにできます。フラップが発生するポートをダウン状態のままにしておくと、プライマリのトラッキング対象ポートの問題が解決されるまで、トラフィックは冗長パスを流れるよう強制されます。問題が解決されて、トラッキング対象ポートが再びアップした場合には、インターフェイスを明示的にイネーブルにできます。


ヒント この機能を設定すると、トラッキング対象ポートが再びアップになっても、リンク対象ポートはシャットダウン状態のままになります。トラッキング対象ポートがアップして安定したら、(このインターフェイスを管理上アップして)リンク対象ポートの強制シャットダウン状態を明示的に解除する必要があります。

トラッキング対象ポートの強制シャットダウン

手順の詳細

トラッキング対象ポートを強制的にシャットダウンするには、次の手順を実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# interface fc1/5

指定されたインターフェイスを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション サブモードを開始します。これで、トラッキング対象ポートを設定できるようになります。

ステップ 3

switch(config-if)# port-track force-shut

トラッキング対象ポートを強制的にシャットダウンします。

switch(config-if)# no port-track force-shut

トラッキング対象ポートのポート シャットダウン設定を解除します。

ポート トラッキング情報の表示

Cisco MDS スイッチの現在のポート トラッキング設定を表示するには、 show コマンドを使用します(例 9-1 9-4 を参照)。

例 9-1 リンク対象ポートとトラッキング対象ポートの設定の表示

switch# show interface
...
fc8/6 is down (All tracked ports down) <-------------------------------------リンク対象ポート
Hardware is Fibre Channel, FCOT is short wave laser
Port WWN is 21:c6:00:05:30:00:37:1e
Admin port mode is auto, trunk mode is on
Port vsan is 1
Receive data field Size is 2112
Beacon is turned off
Port tracked with interface port-channel 1 vsan 2 (trunking) <--トラッキング対象ポート
Port tracked with interface fcip 5 <--------------------------------------トラッキング対象ポート
5 minutes input rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
5 minutes output rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
269946 frames input, 22335204 bytes
0 discards, 0 errors
0 CRC, 0 unknown class
0 too long, 0 too short
205007 frames output, 10250904 bytes
0 discards, 0 errors
0 input OLS, 0 LRR, 0 NOS, 0 loop inits
2 output OLS, 2 LRR, 0 NOS, 1 loop inits
0 receive B2B credit remaining
0 transmit B2B credit remaining
...
 

例 9-2 ファイバ チャネル インターフェイスのトラッキング対象ポート設定の表示

switch# show interface fc1/1
fc1/1 is down (Administratively down)
Hardware is Fibre Channel, FCOT is short wave laser w/o OFC (SN)
Port WWN is 20:01:00:05:30:00:0d:de
Admin port mode is FX
Port vsan is 1
Receive data field Size is 2112
Beacon is turned off
Port tracked with interface fc1/2 (down)
Port tracked with interface port-channel 1 vsan 2 (down)
Port tracked with interface fcip1 (down)
5 minutes input rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
5 minutes output rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
1 frames input, 128 bytes
0 discards, 0 errors
0 CRC, 0 unknown class
0 too long, 0 too short
1 frames output, 128 bytes
0 discards, 0 errors
0 input OLS, 0 LRR, 0 NOS, 0 loop inits
0 output OLS, 0 LRR, 0 NOS, 0 loop inits
0 receive B2B credit remaining
0 transmit B2B credit remaining
 

例 9-3 ポート チャネル インターフェイスのトラッキング対象ポート設定の表示

switch# show interface port-channel 1
port-channel 1 is down (No operational members)
Hardware is Fibre Channel
Port WWN is 24:01:00:05:30:00:0d:de
Admin port mode is auto, trunk mode is on
Port vsan is 2
Linked to 1 port(s)
Port linked to interface fc1/1
5 minutes input rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
5 minutes output rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
0 frames input, 0 bytes
0 discards, 0 errors
0 CRC, 0 unknown class
0 too long, 0 too short
0 frames output, 0 bytes
0 discards, 0 errors
0 input OLS, 0 LRR, 0 NOS, 0 loop inits
0 output OLS, 0 LRR, 0 NOS, 0 loop inits
No members
 

例 9-4 強制シャットダウン設定の表示

switch# show interface fc 1/5
 
fc1/5 is up
Hardware is Fibre Channel, FCOT is short wave laser
Port WWN is 20:05:00:05:30:00:47:9e
Admin port mode is F
Port mode is F, FCID is 0x710005
Port vsan is 1
Speed is 1 Gbps
Transmit B2B Credit is 64
Receive B2B Credit is 16
Receive data field Size is 2112
Beacon is turned off
Port track mode is force_shut <--トラッキング対象ポートがアップになってもこのポートはダウンのまま