Cisco Fabric Manager Quality of Services コン フィギュレーション ガイド
QoS 概要
QoS 概要
発行日;2012/01/10 | 英語版ドキュメント(2009/08/31 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 1MB) | フィードバック

目次

QoS 概要

QoS

差別化サービスの QoS

トラフィックへの QoS の適用

QoS の設定

QoS ライセンス

FCC

輻輳の原因

FCC を使用した輻輳とブロッキングの低減

ポート トラッキング

QoS 概要

Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアは、ファブリック全体の Quality of Service(QoS)や Fibre Channel Congestion Control(FCC; ファイバチャネル輻輳制御)などのトラフィック管理機能を提供します。これらの高度な機能は、MDS 9000 ファミリ スイッチと統合され、配置を簡素化するとともに、大規模ファブリックの最適化を実現します。

この章では、Cisco MDS 9000 スイッチの QoS、FCC、およびポート トラッキング機能について説明します。この章には次の項が含まれます。

「QoS」

「FCC」

「ポート トラッキング」

QoS

QoS は、フレーム リレー、Asynchronous Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)、イーサネットおよび 802.1 ネットワーク SONET、および IP ルーテッド ネットワークをはじめとするさまざまな基盤技術に基づいて選択したネットワーク トラフィックに対して、より優れたサービスを提供するネットワークの能力を監視します。QoS 機能は、次の機能に対して、より優れた予測可能性の高いネットワーク サービスを提供します。

専用帯域幅のサポート

損失特性の改善

ネットワーク輻輳の回避と管理

ネットワーク トラフィックの形成

ネットワーク全体でのトラフィック プライオリティの設定

QoS 対応のスイッチは、トラフィックの差別化と優先順位付けを提供し、Online Transaction Processing(OLTP; オンライン トランザクション処理)などの遅延の影響を受けやすいアプリケーションによる共通ストレージ リソースの共有を可能にするとともに、データ ウェアハウスなどのスループット集中型のアプリケーションの共有を可能にしました。

QoS は、FCC や入力ポート レート制限などの他のトラフィック エンジニアリング機能と合わせて使用できます。また、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアに実装されたコマンド スケジューラを使用して、一日のさまざまな時間にさまざまなポリシーを適用するように設定できます。

ここでは、次の内容について説明します。

「差別化サービスの QoS」

「トラフィックへの QoS の適用」

「QoS の設定」

「QoS ライセンス」

差別化サービスの QoS

サービス モデルはサービスのレベルとも言われ、エンドツーエンド QoS 機能群を説明します。エンドツーエンド QoS は、ネットワークの片方の終端から他の終端への特定のネットワーク トラフィックによって要求されるサービスを配信するネットワークの機能です。

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチにおける QoS の実装は、次の Differentiated Services(DiffServ; 差別化サービス)モデルに準拠します。

差別化サービスは、異なる QoS 要件を満たすことができる複数のサービス モデルです。だたし、統合サービス モデルとは異なり、差別化サービスを使用しているアプリケーションは、データを送信する前に明示的にルータに信号を送信できません。

差別化サービスでは、ネットワークは各パケットで指定された QoS に基づいて、特定の種類のサービスを配信しようとします。この仕様は、IP パケットでの IP Precedence ビット設定や送信元および宛先アドレスの使用などのさまざまな方法で発生する可能性があります。ネットワークは QoS 仕様を使用して、トラフィックの分類、形成、および規制を行い、インテリジェント キューイングを実行します。

トラフィックへの QoS の適用

QoS はさまざまなサービス レベルをさまざまなトラフィックに対して適用することで、ファブリックにおけるサービスの差別化を提供します。サービスの差別化は、次の処理によって実行できます。

アプリケーション トラフィックに相対帯域幅保証を提供

アプリケーション トラフィックで発生する遅延を制御

あるアプリケーション トラフィックの優先度を別のトラフィックよりも高い優先度に設定

QoS はトラフィック分類と Virtual Output Queuing(VOQ; 仮想出力キューイング)を組み合わせることで実現できます。データ トラフィックは、入力ポートで、低、中、あるいは高プライオリティに分類されます。分類されたフレームは、トラフィック タイプと QoS プライオリティに基づいて、適切な場所のキューに格納されます。

トラフィックは分類方法と、作成してトラフィック クラスに適用するポリシーに基づいて処理されます。

次の基準に基づいて、データ トラフィックを分類できます。

Virtual SAN(VSAN; 仮想 SAN)ID

送信元あるいは宛先 N ポート WWN

Fibre Channel ID(FCID; ファイバ チャネル ID)

ゾーン

4 つの異なる QoS プライオリティ レベルが利用できます。そのうち 3 つはファイバ チャネル データ トラフィック用で、1 つはファイバ チャネル コントロール トラフィック用です。コントロール トラフィックは、自動的に最高レベルの QoS プライオリティに割り当てられ、Fabric Shortest Path First(FSPF)、ゾーン マージ、および主要スイッチ選択などのファブリック全体のプロトコルの収束を加速します。

QoS では、ファブリックで FCC をイネーブルにして、設定した帯域幅保証を提供する必要があります。

QoS の設定

複数のスイッチ間で、QoS 設定を同じにして、すべてのスイッチが確実に送受信の両方向でトラフィックの共通ポリシーを実行できるように支援します。

スイッチにあるモジュールが第 1 世代であるか、第 2 世代であるか、第 3 世代であるかに関係なく、QoS は同じ方法で設定されます。必要な QoS ポリシーの複雑性に応じて、QoS は 3 つの方法のいずれかで配置できます。

仮想 SAN(VSAN)ベース QoS:VSAN ベース QoS では、QoS プライオリティを VSAN 単位で割り当てられます。

ゾーン ベース QoS:粒度の高い QoS が必要な場合に、ゾーン単位で QoS を割り当てられます。

個々のデバイスと一致する個々の QoS ポリシー:QoS ポリシーをデバイス単位で定義できます。柔軟性を最大化する必要がある場合には、個々のポリシーは異なるデバイスと VSAN に適用されます。

QoS ライセンス

QoS はライセンス化された機能であるため、QoS をイネーブルにするすべてのスイッチに、Enterprise Package ライセンスをインストールする必要があります。ただし、内部的に生成されたコントロール トラフィックに QoS を提供する場合は、ライセンスは必要ありません。qos enable コマンドを使用して、明示的に QoS をイネーブルにすることもできます。

QoS の設定に関する詳細は、 第 2 章「ファブリック輻輳管理と QoS の設定」 を参照してください。

FCC

FCC は革新的なエンドツーエンドの輻輳制御メカニズムを提供し、標準ファイバ チャネルのバッファ間クレジット メカニズムを高めるため、トラフィック管理を強化できます。輻輳が発生しているスイッチは、入力スイッチ(輻輳の原因となっているファブリックへのトラフィックの入り口)に対して、明示的にこの状態を信号で送信します。明示的な通知を受信すると、入力スイッチはバッファ間クレジットを削減して、N ポートまたは NL ポート トラフィックを調整します。

ここでは、次の内容について説明します。

「輻輳の原因」

「FCC を使用した輻輳とブロッキングの低減」

輻輳の原因

FCC は受信デバイスにデバイス送信トラフィックを送信して、出力ポートでの輻輳発生を防止するために使用します。

一般的な輻輳の原因は次の 2 つです。

受信機が持続性のあるパフォーマンスを維持できない

ファブリックの送信機と受信機の速度が一致していない

受信機が持続性のあるパフォーマンスを維持できない

複数の送信機が少数の受信機を使用している場合に、輻輳が発生します。図 1-1 に示されるように、送信機から送信されるトラフィックの集約レートが受信機への接続のサイズを超える場合に、ブロッキングが発生します。

図 1-1 受信機の数を超えるトランスミッタが原因の輻輳

ファブリックの送信機と受信機の速度が一致していない

送信機と受信機の速度が一致していない場合は、バッファリングが発生します。バッファはスイッチ上の有限のリソースで、一般的には、1 ポートにつき、16 バッファ(32 KB)から 255 バッファ(512 KB)の範囲です。図 1-2 に示されるように、バッファが満杯になると、ブロッキングが発生し、輻輳を引き起こします。

図 1-2 送信機と受信機間の速度の不一致が原因の輻輳

 

FCC を使用した輻輳とブロッキングの低減

FCC はシグナルを使用して、パス内のデバイスに輻輳を引き起こしている送信機の速度を低下するように通知することで、拡散からの輻輳とブロッキングを低減します。

FCC が出力ポートで輻輳を検出する場合は、FCC エッジ クエンチ フレームと輻輳を引き起こしているデバイス(送信機)の宛先アドレスが生成されます。FCC エッジ クエンチを受信するスイッチは、FCC フレームを検査して、直接接続されたデバイス宛てになっているかどうかを判断します。直接接続されたデバイス宛てになっている場合は、スイッチは輻輳を引き起こしている送信機に接続されている入力ポートでレート制限を実行し、送信機の速度を受信機が受信可能な速度にまで低下させます。

FCC はアクティブループ フィードバック システムで動作します。輻輳が発生している場合は、出力ポートで輻輳が発生しているスイッチは FCC エッジ クエンチ フレームを送信し続けます。輻輳を引き起こしている送信機に接続されたスイッチは、輻輳が最低限に抑えられるまで、フローのレートを制限し続けます。

FCC と FCC エッジ クエンチ フレームは、既存のファイバ チャネル標準とファブリックと完全に互換性があり、さまざまなベンダーのファブリックで使用できます。

FCC の設定については、 第 2 章「ファブリック輻輳管理と QoS の設定」 を参照してください。

ポート トラッキング

Cisco MDS NX-OS ソフトウェアのポート トラッキング機能は、障害回復力のある SAN 拡張を提供します。

スイッチが WAN または Metropolitan Area Network(MAN; メトロポリタン エリア ネットワーク)リンク障害を検出した場合は、ポート トラッキングが設定されているときに、関連付けけられたディスク アレイ リンクを停止します。アレイは、I/O タイムアウトを待機せずに、障害が発生した I/O 処理を別のリンクにリダイレクトできます。そうでない場合は、ディスク アレイは I/O タイムアウトまで数秒待機してから、ネットワーク リンク障害を回復する必要があります。

ポート トラッキングについては、 第 2 章「ファブリック輻輳管理と QoS の設定」 を参照してください。