Cisco MDS 9000 Family Fabric Manager コンフィ ギュレーション ガイド 、Release 4.x
IP サービスの設定
IP サービスの設定
発行日;2012/01/30 | 英語版ドキュメント(2009/08/27 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 42MB) | フィードバック

目次

IP サービスの設定

トラフィック管理サービス

管理インターフェイスの設定

デフォルト ゲートウェイ

デフォルト ゲートウェイの概要

デフォルト ゲートウェイの設定

IPv4 デフォルト ネットワークの設定

IPFC

IPFC 設定時の注意事項

IPv4 スタティック ルート

オーバーレイ VSAN

オーバーレイ VSAN の概要

オーバーレイ VSAN の設定

複数の VSAN の設定

Virtual Router Redundancy Protocol

VRRP の概要

VRRP の設定

仮想ルータの追加および削除

仮想ルータの起動

仮想ルータ IP アドレスの追加

仮想ルータのプライオリティの設定

アドバタイズ パケットのタイム インターバルの設定

プライオリティのプリエンプトの設定またはイネーブル化

仮想ルータ認証の設定

インターフェイス プライオリティの追跡

DNS サーバの設定

デフォルト設定

IP サービスの設定

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチは、イーサネットとファイバ チャネル インターフェイス間で IP トラフィックをルーティングできます。VSAN 間でトラフィックをルーティングするには、IP スタティック ルーティング機能を使用します。この機能を使用するには、VSAN をそれぞれ異なる IP サブネットワークに配置する必要があります。各 Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチは、Network Management System(NMS; ネットワーク管理システム)に対して次のサービスを提供します。

スーパーバイザ モジュールの前面パネルにある帯域外イーサネット インターフェイス(mgmt0)での IP 転送

IP over Fibre Channel(IPFC)機能を使用した帯域内ファイバ チャネル インターフェイスでの IP 転送:IPFC はカプセル化技術を使用してファイバ チャネル上で IP フレームを伝送する手順を規定します。IP フレームはファイバ チャネル フレームにカプセル化されるため、オーバーレイ イーサネット ネットワークを使用しなくても、ファイバ チャネル ネットワーク上で NMS 情報を伝達できます。

IP ルーティング(デフォルト ルーティングおよびスタティック ルーティング):外部ルータを必要としない設定の場合は、スタティック ルーティングを使用してデフォルト ルートを設定できます。

スイッチは Virtual Router Redundancy Protocol(VRRP; 仮想ルータ冗長プロトコル)機能の RFC 2338 標準に準拠します。VRRP は、冗長な代替パスをゲートウェイ スイッチに提供する、再起動可能なアプリケーションです。


) IPv6 の設定については、第 54 章「ギガビット イーサネット インターフェイスでの IPv6 の設定」を参照してください。


この章の内容は、次のとおりです。

「トラフィック管理サービス」

「管理インターフェイスの設定」

「デフォルト ゲートウェイ」

「IPv4 デフォルト ネットワークの設定」

「IPFC」

「IPv4 スタティック ルート」

「オーバーレイ VSAN」

「複数の VSAN の設定」

「Virtual Router Redundancy Protocol」

「DNS サーバの設定」

「デフォルト設定」

トラフィック管理サービス

帯域内オプションは RFC 2625 標準に準拠し、これに従います。FC インターフェイス上で IP プロトコルが稼動する NMS ホストは、IPFC 機能を使用してスイッチにアクセスできます。NMS にファイバ チャネル HBA がない場合でも、いずれかのスイッチをファブリックへのアクセス ポイントとして使用して、帯域内管理を実行できます(図 51-1 を参照)。

図 51-1 スイッチへの管理アクセス

 

管理インターフェイスの設定

スイッチ上の管理インターフェイスでは、同時に複数の Telnet または SNMP セッションが利用できます。管理インターフェイスを介してスイッチを遠隔から設定できますが、スイッチにアクセスできるようにまず IP version 4(IPv4; IP バージョン 4)パラメータ(IP アドレス、サブネット マスク)または IP version 6(IPv6; IP バージョン 4)アドレスおよびプレフィクス長を設定する必要があります。IPv6 アドレスの設定については、 第 54 章「ギガビット イーサネット インターフェイスでの IPv6 の設定」 を参照してください。

ディレクタ クラスのスイッチでは、1 つの IP アドレスを使用してスイッチを管理します。アクティブなスーパーバイザ モジュールの管理(mgmt0)インターフェイスはこの IP アドレスを使用します。スタンバイ スーパーバイザ モジュール上の mgmt0 インターフェイスは非アクティブなままで、スイッチオーバーが発生するまでアクセスできません。スイッチオーバーが行われると、スタンバイ スーパーバイザ モジュール上の mgmt0 インターフェイスがアクティブになり、アクティブであったスーパーバイザ モジュールと同じ IP アドレスを引き継ぎます。


) MDS 管理インターフェイスが接続されているイーサネット スイッチ上のポートは、スイッチ ポートの代わりにホスト ポート(アクセス ポートともいう)として設定する必要があります。(イーサネット スイッチ上の)そのポートのスパニング ツリー設定をディセーブルにする必要があります。これにより、(スパニング ツリー設定がイネーブルであればイーサネット スイッチが実行する)イーサネット スパニング ツリー処理の待ち時間による MDS 管理ポートの起動待ち時間を回避できます。シスコ製イーサネット スイッチの場合は、IOS の switchport host コマンドまたは Catalyst OS の set port host を使用します。イーサネット スイッチの設定ガイドを参照してください。



) 手動による管理インターフェイスの設定を始める前に、スイッチの IP アドレスと IP サブネット マスクを取得します。また、コンソール ケーブルがコンソール ポートに接続されていることを確認します。


Device Manager を使用して IPv6 用に mgmt0 イーサネット インターフェイスを設定する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 [Interface] > [Mgmt] > [Mgmt0] の順に選択します。

ステップ 2 説明を入力します。

ステップ 3 インターフェイスの管理状態を選択します。

ステップ 4 [CDP] チェックボックスをオンにして、CDP をイネーブルにします。

ステップ 5 IP アドレス マスクを入力します。

ステップ 6 [Apply] をクリックして、変更を適用します。


 

デフォルト ゲートウェイ

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチで、デフォルト ゲートウェイ IPv4 アドレスを設定できます。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「デフォルト ゲートウェイの概要」

「デフォルト ゲートウェイの設定」

デフォルト ゲートウェイの概要

デフォルト ゲートウェイ IPv4 アドレスを設定する場合は、IPv4 スタティック ルーティング属性(IP デフォルト ネットワーク、送信先プレフィクス、送信先マスク、およびネクスト ホップ アドレス)も使用する必要があります。


ヒント スタティック ルートの IP 転送およびデフォルト ネットワークの詳細を設定する場合は、デフォルト ゲートウェイがイネーブルであるか、またはディセーブルであるかに関係なく、これらの IPv4 アドレスが使用されます。これらの IP アドレスが設定されているにもかかわらず、使用できない場合、スイッチは代わりにデフォルト ゲートウェイ IP アドレスを使用します(デフォルト ゲートウェイ IP アドレスが設定されている場合)。スイッチのすべてのエントリに IP アドレスが設定されていることを確認してください。


スイッチのすべてのエントリでの IP アドレスの設定については、「初回のセットアップ ルーチン」を参照してください。

デフォルト ゲートウェイの設定

Device Manager を使用して IP ルートの設定またはデフォルト ゲートウェイの識別を行う手順は、次のとおりです。


ステップ 1 [IP] > [Routes] を選択します。

[IP Routes] ウィンドウが表示されます。

ステップ 2 [Create] をクリックして、スイッチ上で新しい IP ルートの作成またはデフォルト ゲートウェイの識別を行います。

[Create IP Routes] ウィンドウが表示されます。

ステップ 3 このウィンドウのフィールドに入力します。[Dest] および [Mask] フィールドに宛先ネットワーク ID およびサブネット マスクを入力し、スタティック ルートを設定します。[Gateway] フィールドにシード スイッチの IP アドレスを入力し、デフォルト ゲートウェイを設定します。

ステップ 4 [Create] をクリックして、IP ルートを追加します。


 

IPv4 デフォルト ネットワークの設定

IPv4 デフォルト ネットワーク アドレスが割り当てられている場合、スイッチはこのネットワークへのルートを最終的なルートと見なします。IPv4 デフォルト ネットワーク アドレスを使用できない場合は、IPv4 デフォルト ゲートウェイ アドレスが使用されます。IPv4 デフォルト ネットワーク アドレスが設定された各ネットワークのルートは、デフォルト ルート候補としてフラグが設定されます(ルートが使用可能な場合)。


ヒント スタティック ルートの IP 転送およびデフォルト ネットワークの詳細を設定する場合は、デフォルト ゲートウェイがイネーブルであるか、またはディセーブルであるかに関係なく、これらの IPv4 アドレスが使用されます。これらの IPv4 アドレスが設定されているにもかかわらず、使用できない場合、スイッチは代わりにデフォルト ゲートウェイ IPv4 アドレスを使用します(デフォルト ゲートウェイ IPv4 アドレスが設定されている場合)。IPv4 を使用している場合は、スイッチのすべてのエントリに IPv4 アドレスを設定するようにしてください。


スイッチのすべてのエントリでの IP アドレスの設定については、「初回のセットアップ ルーチン」を参照してください。

イーサネット インターフェイスが設定されている場合、スイッチは IP ネットワークのゲートウェイ ルータを指していなければなりません。ホストはゲートウェイ スイッチを使用して、ゲートウェイにアクセスします。このゲートウェイ スイッチは、デフォルト ゲートウェイとして設定されます。ゲートウェイ スイッチと同じ VSAN に接続されたファブリック内の別のスイッチも、ゲートウェイ スイッチを通して接続できます。この VSAN に接続されたすべてのインターフェイスに、ゲートウェイ スイッチの VSAN IPv4 アドレスを設定する必要があります(図 51-2 を参照)。

図 51-2 オーバーレイ VSAN 機能

 

図 51-2 で、スイッチ A の IPv4 アドレスは 1.12.11.1、スイッチ B の IPv4 アドレスは 1.12.11.2、スイッチ C の IPv4 アドレスは 1.12.11.3、スイッチ D の IPv4 アドレスは 1.12.11.4 です。スイッチ A はイーサネット接続されたゲートウェイ スイッチです。NMS は IPv4 アドレス 1.1.1.10 を使用して、ゲートウェイ スイッチに接続しています。オーバーレイされた VSAN 1 内の任意のスイッチに転送されるフレームは、ゲートウェイ スイッチを通してルーティングされます。他のスイッチにゲートウェイ スイッチの IPv4 アドレス(1.12.11.1)を設定すると、ゲートウェイ スイッチはフレームを目的の送信先に転送できるようになります。同様に、VSAN 内の非ゲートウェイ スイッチからイーサネット環境にフレームを転送する場合も、ゲートウェイ スイッチを通してフレームがルーティングされます。

転送がディセーブル(デフォルト)である場合、IP フレームはインターフェイス間で送信されません。このような場合、ソフトウェアは帯域内オプション(ファイバ チャネル トラフィックの場合)および mgmt0 オプション(イーサネット トラフィックの場合)を使用して、2 つのスイッチ間でローカルに IP ルーティングを実行します。

VSAN 作成時に、VSAN インターフェイスは自動作成されません。インターフェイスは手動で作成する必要があります(「VSAN インターフェイス」 を参照)。

IPFC

IPFC は、(ギガビット イーサネット mgmt 0 インターフェイスを使用した帯域外でなく)ファイバ チャネル インターフェイス経由の IP 転送または帯域内スイッチ管理を提供します。IPFC を使用すると、カプセル化を使用してファイバ チャネル経由で IP フレームを伝送するように指定できます。IP フレームはファイバ チャネル フレームにカプセル化されるため、オーバーレイ イーサネット ネットワークを使用しなくても、ファイバ チャネル ネットワーク上で NMS 情報を伝達できます。

VSAN インターフェイスを作成すると、その VSAN の IP アドレスを指定できます。IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスを指定できます。


) Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチで IPv6 を設定する方法については、第 54 章「ギガビット イーサネット インターフェイスでの IPv6 の設定」 を参照してください。


IPFC 設定時の注意事項

IPFC を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

1. 必要な場合、帯域内管理に使用する VSAN を作成します。

2. VSAN インターフェイスの IPv4 アドレスとサブネット マスクを設定します。

3. IPv4 ルーティングをイネーブルにします。

4. 接続を確認します。

IPv4 スタティック ルート

ネットワーク構成で外部ルータが必要でない場合は、MDS スイッチに IPv4 スタティック ルーティングを設定できます。


) IPv6 スタティック ルーティングを設定する手順については、「ギガビット イーサネット インターフェイスでの IPv6 の設定」 を参照してください。


スタティック ルーティングは、スイッチに IPv4 ルートを設定するメカニズムです。複数のスタティック ルートを設定できます。

VSAN に複数の出力点が存在する場合は、適切なゲートウェイ スイッチにトラフィックが転送されるように、スタティック ルートを設定します。帯域外管理インターフェイスとデフォルト VSAN 間、または直接接続された VSAN 間のゲートウェイ スイッチでは、IPv4 ルーティングはデフォルトでディセーブルです。

オーバーレイ VSAN

ここでは、オーバーレイ VSAN およびオーバーレイ VSAN の設定方法について説明します。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「オーバーレイ VSAN の概要」

「オーバーレイ VSAN の設定」

オーバーレイ VSAN の概要

VSAN では、個別のファブリック サービス インスタンスを実行する複数の論理 SAN を 1 つの大規模な物理ネットワーク上でオーバーレイすることにより、より大規模な SAN を構成できます。このようなファブリック サービスの分離によって、ファブリックの再設定やエラー状態が個々の VSAN 内に限定されるので、ネットワークの安定性が向上します。また、物理的に分離された SAN と同じように、各 VSAN を隔離できます。トラフィックは VSAN 境界を通過できず、デバイスは複数の VSAN に属することはできません。VSAN ごとにファブリック サービスのインスタンスが個別に実行されるため、各 VSAN には独自のゾーン サーバが設定され、VSAN 機能を持たない SAN とまったく同じ方法でゾーンを設定できます。

オーバーレイ VSAN の設定

オーバーレイ VSAN を設定する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 ファブリック内のすべてのスイッチの VSAN データベースに、VSAN を追加します。

ステップ 2 ファブリック内のすべてのスイッチに VSAN 用の VSAN インターフェイスを作成します。VSAN に属するすべての VSAN インターフェイスに、同じサブネットに属する IP アドレスが設定されます。IP 側に IPFC クラウドへのルートを作成します。

ステップ 3 ファイバ チャネル ファブリック内のスイッチごとに、NMS アクセスを提供するスイッチを指すデフォルト ルートを設定します。

ステップ 4 NMS を指すスイッチに、デフォルト ゲートウェイ(ルート)と IPv4 アドレスを設定します(図 51-3 を参照)。

図 51-3 オーバーレイ VSAN の設定例

 


 

複数の VSAN の設定

複数の VSAN を使用して、管理ネットワークを複数のサブネットに分割できます。アクティブ インターフェイスは、イネーブルにする VSAN インターフェイスのスイッチ上に存在している必要があります。

複数の VSAN を設定する手順は、次のとおりです。


ステップ 1 ファブリック内の任意のスイッチの VSAN データベースに、VSAN を追加します。

ステップ 2 ファブリック内の任意のスイッチに、該当する VSAN 用の VSAN インターフェイスを作成します。

ステップ 3 対応する VSAN と同じサブネットの各 VSAN インターフェイスに、IP アドレスを割り当てます。

ステップ 4 ファイバ チャネル スイッチおよび IP クラウド上で複数のスタティック ルートを定義します(図 51-4 を参照)。

図 51-4 複数の VSAN の設定例


 

Virtual Router Redundancy Protocol

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチは、Virtual Router Redundancy Protocol(VRRP; 仮想ルータ冗長プロトコル)機能の RFC 2338 標準に準拠しています。ここでは、VRRP 機能について詳細に説明します。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「VRRP の概要」

「VRRP の設定」

VRRP の概要

VRRP を使用すると、NMS に接続されているゲートウェイ スイッチへの冗長な代替パスが確立されます。VRRP には次の特性および利点があります。

VRRP は再起動可能なアプリケーションです。

VRRP マスターに障害が発生すると、アドバタイズが 3 回行われるまでの間に、VRRP バックアップが処理を引き継ぎます。

VRRP over Ethernet、VRRP over VSAN、およびファイバ チャネルの機能は、RFC 2338 および draft-ietf-vrrp-ipv6 の仕様に従って実装されます。

仮想ルータは一意の仮想ルータ IP、仮想ルータ MAC、および VR ID によって、各 VSAN、およびイーサネット インターフェイスにマッピングされます。

インターフェイス mgmt 0 は VRRP グループを 1 つだけサポートしています。他のすべてのインターフェイスは、IPv4 と IPv6 をあわせて、最大 7 つの仮想ルータ グループをサポートします。

別の仮想ルータ IP マッピングを使用することにより、VR ID を複数の VSAN で再利用できます。

IPv4 および IPv6 の両方がサポートされています。

管理インターフェイス(mgmt 0)は仮想ルータ グループを 1 つだけサポートしています。他のすべてのインターフェイスは、IPv4 と IPv6 をあわせて、最大 7 つの仮想ルータ グループをサポートしています。各 VSAN には最大で 255 個の仮想ルータ グループを割り当てることができます。

VRRP セキュリティには、認証なし、単純なテキスト認証、および MD5 認証の 3 つのオプションがあります。


) IPv6 を使用している場合は、インターフェイスに IPv6 アドレスを設定するか、またはインターフェイスで IPv6 をイネーブルにする必要があります。IPv6 の詳細については、第 54 章「ギガビット イーサネット インターフェイスでの IPv6 の設定」を参照してください。


図 51-5で、スイッチ A は VRRP マスター スイッチ、スイッチ B は VRRP バックアップ スイッチです。両方のスイッチに、IP アドレスと VRRP のマッピングが設定されています。その他のスイッチでは、スイッチ A がデフォルト ゲートウェイとして設定されます。スイッチ A に障害が発生すると、スイッチ B が自動的にマスターになり、ゲートウェイ機能を引き継ぐため、他のスイッチのルーティング設定を変更する必要はありません。

図 51-5 VRRP の機能

 

図 51-6 のファブリック例では、複数のインターフェイス タイプにまたがる仮想ルータを設定できないため、2 つの仮想ルータ グループ(VR 1 および VR 2)が存在します。スイッチ 1 とスイッチ 2 の両方で、イーサネット インターフェイスは VR 1 内に、FC インターフェイスは VR 2 内にあります。各仮想ルータは、VSAN インターフェイスおよび VR ID によって一意に識別されます。

図 51-6 冗長ゲートウェイ

 

仮想ルータの追加および削除

すべての VRRP の設定は、VRRP が稼動するファブリック内のスイッチ間で複製する必要があります。


) ギガビット イーサネット ポートに設定できる VRRP グループの総数は、メイン インターフェイスとサブインターフェイスをあわせて 7 グループまでです。この制限は、IPv4 グループおよび IPv6 グループの両方に適用されます。


仮想ルータの起動

デフォルトで、仮想ルータは常にディセーブルです。VRRP を設定できるのは、この状態がイネーブルの場合だけです。VR をイネーブルにする前に、少なくとも 1 つの IP アドレス(IPv4 または IPv6)を設定してください。

仮想ルータ IP アドレスの追加

仮想ルータには、1 つの仮想ルータ IP アドレスを設定できます。設定された IP アドレスがインターフェイス IP アドレスと同じである場合、このスイッチは自動的に IP アドレスを所有します。IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスのいずれかを設定できます。

VRRP 仕様に従うと、仮想ルータはパケットを転送するネクスト ホップ ルータであるため、マスター VRRP ルータは、仮想ルータの IP アドレスにアドレス指定されたパケットを廃棄します。ただし MDS スイッチでは、一部のアプリケーションにおいて、仮想ルータの IP アドレスにアドレス指定されたパケットを受け付け、アプリケーションに配信することが必要となります。仮想ルータ IPv4 アドレスの secondary オプションを使用すると、VRRP ルータがマスターであるとき、VRRP ルータはこれらのパケットを受け入れます。

Device Manager で仮想ルータの IP アドレスを管理する場合は、次の手順を実行します。


ステップ 1 [IP] > [VRRP] を選択します。[VRRP] ダイアログボックスに [Operations] タブが表示されます。

ステップ 2 [VRRP] ダイアログボックスの [IP Addresses] タブをクリックします。

ステップ 3 新しい VRRP エントリを作成し、[Create] をクリックします。[Create VRRP IP Addresses] ウィンドウが表示されます。

ステップ 4 このウィンドウのフィールドに入力して新しい VRRP IP Address を作成し、[OK] または [Apply] をクリックします。


 

仮想ルータのプライオリティの設定

割り当てることができる仮想ルータのプライオリティの有効範囲は、1 ~ 254 です。1 が最低プライオリティ、254 が最高プライオリティです。セカンダリ IP アドレスを持つスイッチのデフォルト値は 100、プライマリ IP アドレスを持つスイッチのデフォルト値は 255 です。

アドバタイズ パケットのタイム インターバルの設定

IPv4 を使用するインターフェイスでは、アドバタイズ パケットのタイム インターバルの有効範囲は、1 ~ 255 秒です。デフォルト値は 1 秒です。スイッチにプライマリ IP アドレスが設定されている場合は、この期間を指定する必要があります。

プライオリティのプリエンプトの設定またはイネーブル化

プライオリティが高いバックアップ仮想ルータが、プライオリティの低いマスター仮想ルータをプリエンプトすることをイネーブルにできます。


) 仮想 IP アドレスがインターフェイスの IP アドレスでもある場合、プリエンプトは暗黙的に適用されます。



) VRRP のプリエンプトは、IP ストレージのギガビット イーサネット インターフェイスではサポートされません。


仮想ルータ認証の設定

VRRP セキュリティには、単純なテキスト認証、MD5 認証、および認証なしの 3 つのオプションがあります。

単純なテキスト認証の場合は、同じ仮想ルータに参加するすべてのスイッチで、1 ~ 8 文字の一意のパスワードを使用します。このパスワードは、他のセキュリティ パスワードと異なるものに設定する必要があります。

MD5 認証の場合は、同じ仮想ルータに参加するすべてのスイッチで、16 文字の一意の鍵を使用します。この秘密鍵は、同じ仮想ルータ内のすべてのスイッチで共有されます。

デフォルトのオプションは、認証なしです。

VRRP サブモードで認証オプションを使用して鍵を設定し、コンフィギュレーション ファイルを使用して鍵を配信できます。このオプションで割り当てられた Security Parameter Index(SPI; セキュリティ パラメータ インデックス)設定は、VSAN ごとに一意でなければなりません。


) すべての VRRP 設定を複製する必要があります。



) VRRP ルータ認証は、IPv6 には適用されません。


インターフェイス プライオリティの追跡

インターフェイスのステート追跡機能では、スイッチ内の他のインターフェイスのステートに基づいて、仮想ルータのプライオリティが変更されます。追跡対象のインターフェイスがダウンすると、プライオリティは仮想ルータのプライオリティ値に戻ります(44-21 ページの「仮想ルータのプライオリティ」を参照)。追跡対象のインターフェイスが起動すると、仮想ルータのプライオリティはインターフェイスのステート追跡機能の値に戻ります。指定された VSAN インターフェイスまたは管理インターフェイス(mgmt 0)のいずれかのステートを追跡できます。インターフェイスのステート追跡機能は、デフォルトではディセーブルです。


) インターフェイス追跡機能を使用するには、インターフェイスでプリエンプトをイネーブルにする必要があります。「プライオリティのプリエンプトの設定またはイネーブル化」を参照してください。


DNS サーバの設定

スイッチ上の DNS クライアントは DNS サーバと通信して、IP アドレスとネーム サーバを対応付けます。

DNS サーバは、次のいずれかの理由で、2 回試行されたあとに削除されることがあります。

IP アドレスまたはスイッチ名が正しく設定されていない場合

外的要因により(制御不可能な理由により)DNS サーバに到達できない場合


) Telnet ホストにアクセスするときに、(何らかの理由により)DNS サーバに到達できない場合、スイッチ ログイン プロンプトが表示されるまでの期間が長くなることがあります。この場合は、DNS サーバが正しく設定されていて、到達可能であることを確認してください。


デフォルト設定

表 51-1 に、DNS 機能のデフォルト設定を示します。

 

表 51-1 DNS のデフォルト設定値

パラメータ
デフォルト

ドメイン参照

ディセーブル

ドメイン名

ディセーブル

ドメイン

なし

ドメイン サーバ

なし

最大ドメイン サーバ

6

表 51-2 に、VRRP 機能のデフォルト設定を示します。

 

表 51-2 VRRP のデフォルト設定値

パラメータ
デフォルト

仮想ルータ状態

ディセーブル

VSAN 当たりの最大グループ数

255

ギガビット イーサネット ポート当たりの最大グループ数

7

プライオリティのプリエンプト

ディセーブル

仮想ルータのプライオリティ

セカンダリ IP アドレスを持つスイッチは 100

プライマリ IP アドレスを持つスイッチは 255

プライオリティ インターフェイス追跡機能

ディセーブル

アドバタイズ インターバル

IPv4 は 1 秒

IPv6 は 100 センチ秒