Cisco DCNM FabricPath コンフィギュレーション ガイド リリース 5.x
FabricPath スイッチング
FabricPath スイッチング
発行日;2012/01/31 | 英語版ドキュメント(2011/11/30 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 914KB) | フィードバック

目次

FabricPath スイッチング

FabricPath スイッチングについて

FabricPath カプセル化

FabricPath ヘッダー

フォワーディング タグ(FTag)

FabricPath でのデフォルトの IS-IS 動作

会話型 MAC アドレス学習

FabricPath を使用したスイッチング

競合解決と任意の FabricPath チューニング

M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用

ハイ アベイラビリティ

FabricPath スイッチングのライセンス要件

プラットフォーム サポート

FabricPath 機能セットの設定

DCNM を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴

FabricPath スイッチング


) FabricPath と会話型学習を実行するには、Nexus 7000 シリーズ シャーシに F シリーズ モジュールを取り付けている必要があります。


この章では、Cisco Nexus 7000 Series NX-OS デバイス上で FabricPath スイッチングを設定する方法について説明します。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「FabricPath スイッチングについて」

「FabricPath スイッチングのライセンス要件」

「プラットフォーム サポート」

「FabricPath 機能セットの設定」

「DCNM を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴」

FabricPath スイッチングについて

FabricPath スイッチングは、レイヤ 2 レベルでのマルチパス ネットワーキングを可能にします。FabricPath ネットワークはベストエフォート方式でパケットを送信します(Classical Ethernet(CE; クラシック イーサネット)に類似)が、FabricPath ネットワークはレイヤ 2 トラフィックに対して複数のパスを使用できます。FabricPath ネットワークでは、ブロック ポートで Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)を実行する必要がありません。FabricPath は、複数のデータ センターにまたがって使用できます(一部のデータ センターではレイヤ 2 接続だけが使用され、レイヤ 3 接続や IP 設定は必要ありません)。

FabricPath カプセル化によって、MAC モビリティとサーバ バーチャライゼーションが実現します。つまり、レイヤ 2 ノードが物理的に移動されても、仮想マシンに同一の MAC アドレスと VLAN アソシエーションが保持されます。また、FabricPath によって、複数のデータ センターにまたがるレイヤ 2 の LAN 拡張が可能になるため、ディザスタ リカバリ操作や、データベースなどのクラスタリング アプリケーションにも役立ちます。さらに、FabricPath は高性能で低遅延のコンピューティングに非常に有用です。

ユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト パケットに対して機能する単一のコントロール プレーンには、FabricPath とともにレイヤ 2 Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)プロトコルを使用します。これは純粋なレイヤ 2 ドメインであり、Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)を実行する必要はありません。この FabricPath レイヤ 2 IS-IS は、レイヤ 3 IS-IS とは別個のプロセスです。

F シリーズ モジュールと Cisco NX-OS Release 5.1 では、会話型 MAC 学習方式が導入されています。会話型学習は、FabricPath(FP)と CE VLAN の両方に適用できます。FabricPath と会話型 MAC アドレス学習を使用すると、デバイスが学習しなければならない MAC アドレスが大幅に減少するため、MAC テーブルが縮小し、管理しやすくなります。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「FabricPath カプセル化」

「FabricPath でのデフォルトの IS-IS 動作」

「会話型 MAC アドレス学習」

「FabricPath を使用したスイッチング」

「競合解決と任意の FabricPath チューニング」

「M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用」

「ハイ アベイラビリティ」

FabricPath カプセル化

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「FabricPath ヘッダー」

「フォワーディング タグ(FTag)」

FabricPath ヘッダー

レイヤ 2 フレームは、FabricPath ネットワークに入るときに新しい FabricPath ヘッダーでカプセル化されます。FabricPath ネットワークに参加した各 FabricPath デバイスに割り当てられるスイッチ ID は、FabricPath ヘッダーの Outer MAC Destination Address(ODA; 外側の MAC 宛先アドレス)および Outer MAC Source Address(OSA; 外側の MAC 発信元アドレス)として使用されます。図 2-1 に、Classical Ethernet(CE; クラシカル イーサネット)フレームをカプセル化する FabricPath ヘッダーを示します。

図 2-1 FabricPath フレームのカプセル化

カプセル化は FabricPath ネットワークの入力エッジ ポートで行われ、カプセル化の解除は FabricPath ネットワークの出力エッジ ポートのフレームで行われます。つまり、FabricPath ネットワーク内のすべてのポートは階層型 MAC アドレスだけを使用する FabricPath ポートです(FabricPath インターフェイスの設定の詳細については、 第 3 章「FabricPath インターフェイス」 を参照してください)。この機能により、FabricPath ネットワークのコアにある MAC テーブルのサイズが大幅に減少します。

FabricPath ネットワーク内の各デバイスに、一意のスイッチ ID が自動的に割り当てられます。任意で FabricPath デバイスのスイッチ ID を設定することもできます(スイッチ ID の割り当てについては、 第 5 章「FabricPath 機能の詳細設定」 を参照してください)。OSA は、フレームが FabricPath ネットワークに入るときのデバイスの FabricPath スイッチ ID であり、ODA は、フレームが FabricPath ネットワークから出るときのデバイスの FabricPath スイッチ ID です。フレームが FabricPath ネットワークから出ると、FabricPath デバイスでは FabricPath ヘッダーが除去され、元の CE フレームが引き続き CE ネットワーク上で処理されます。レイヤ 2 IS-IS プロトコルがトポロジ情報を送信する FabricPath ネットワークでは、OSA および ODA だけが使用されます。FabricPath の ODA および OSA は、標準の MAC 形式(xxxx.xxxx.xxxx)になります。

FabricPath の階層型 MAC アドレスは、予備の EtherType 0x8903 を伴います。

フレームが最初にカプセル化されるときに、TTL は 16 に設定されます。FabricPath ネットワーク上のホップごとに、各スイッチで TTL が 1 ずつ減らされます。TTL が 0 に達すると、そのフレームは廃棄されます。これによって、ネットワークに生じる可能性のある連続ループが防止されます。

フォワーディング タグ(FTag)

FabricPath ヘッダー内の Forwarding Tag(FTag; フォワーディング タグ)によって、パケットが FabricPath ネットワーク全体で通過する複数のパスから 1 つのパスが指定されます。FabricPath ネットワークに入る複数宛先のパケットには、FTag によって指定されたパスが使用されます。FTag は、ソフトウェアがトポロジから学習する固定ルートです。FTag は 10 ビットのフィールドで、1 ~ 1024 の値を指定できます(トポロジと複数のパスの詳細については、 第 4 章「FabricPath フォワーディング」 を参照してください)。

この FTag はフレームが FabricPath ネットワークに入るときにエッジ ポートで割り当てられ、FabricPath ネットワーク内のすべての後続 FabricPath スイッチにより使用されます。各 FTag は 1 つの FabricPath トポロジ内で一意です。

FabricPath でのデフォルトの IS-IS 動作

FabricPath ネットワーク内のインターフェイスは FabricPath レイヤ 2 IS-IS プロトコルだけを実行します。FabricPath レイヤ 2 IS-IS によりトポロジ情報が動的に検出されるため、FabricPath ネットワークで STP を実行する必要はありません。

FabricPath レイヤ 2 IS-IS は動的なリンクステート ルーティング プロトコルであり、ネットワーク トポロジ内の変更を検出し、ネットワーク内の他のノードへのループフリー パスを計算します。各 FabricPath デバイスには、ネットワークの状態が記述される Link-State Database(LSDB; リンクステート データベース)が保持されます。各デバイスは、そのデバイスに隣接するリンクのステータスを更新します。また、FabricPath デバイスは、すべての既存の隣接関係を通じて、LSDB にアドバタイズメントとアップデートを送信します。FabricPath パケットは、標準の IS-IS で IPv4/IPv6 アドレス ファミリに使用されるアドレスではなく、それぞれのレイヤ 2 宛先 MAC アドレスに移動するので、FabricPath レイヤ 2 IS-IS プロトコル パケットが標準のレイヤ 2 IS-IS パケットと競合することはありません。

システムによって、FabricPath コア ポートで hello パケットが送信され、隣接関係が形成されます。システムが IS-IS 隣接関係を形成すると、FabricPath ユニキャスト トラフィックはレイヤ 2 IS-IS の Equal-Cost Multipathing(ECMP; 同等コストの複数パス)機能を使用してトラフィックを転送します。この機能では、ユニキャスト トラフィックに最大 16 個のパスが提供されます。

FabricPath ネットワーク内では、すべてのユニキャスト、マルチキャスト、およびブロードキャスト トラフィックに単一のコントロール プレーン プロトコル、レイヤ 2 IS-IS が使用されます。基本的な FabricPath 機能を使用する場合は、デフォルトのトポロジを使用できるため、レイヤ 2 IS-IS を設定する必要がありません。デバイスで FabricPath をイネーブルにすると、コントロール プレーンのレイヤ 2 IS-IS は自動的に起動し、実行されます。

ループフリーのレイヤ 2 IS-IS プロトコルは、トポロジに 2 つのツリーを作成します。一方のツリーは未知のユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト トラフィックを伝送し、もう一方のツリーはロードバランスが行われたマルチキャスト トラフィックを伝送します。システムは、両方のツリーでマルチキャスト トラフィックのロード バランスを実行します(ツリーおよびトポロジの詳細については、 第 4 章「FabricPath フォワーディング」 を参照してください)。

FabricPath レイヤ 2 IS-IS は、標準の IS-IS プロトコルに基づいており、FabricPath 環境向けに次の拡張機能を備えています。

FabricPath には、IS-IS 標準に規定される階層型のレイヤ 1/レイヤ 2 ルーティングのない、単一の IS-IS 領域があります。FabricPath ネットワーク内のすべてのデバイスは、1 つのレイヤ 1 領域に存在します。

システムは、レイヤ 3 IS-IS インスタンスに使用される MAC アドレスとは異なる MAC アドレスを使用します。

システムは、標準の IS-IS にはない、スイッチ ID 情報を伝送する新しいサブ TLV を追加します。これによって、既存の IS-IS プロトコルの実装を介してレイヤ 2 情報を交換できます。

各 FabricPath レイヤ 2 IS-IS インスタンス内では、各デバイスが、Shortest-Path First(SPF)アルゴリズムを使用してネットワーク内の他の各デバイスへの最短パスを計算します。ユニキャスト FabricPath フレーム の転送には、このパスが使用されます。FabricPath レイヤ 2 IS-IS は、標準の IS-IS 機能を使用して、所定の宛先デバイスについて最大 16 個のルートを読み込みます。このようにシステムは、使用可能な複数の同等コスト パラレル リンクを使用して、ECMP を提供します。

FabricPath IS-IS では、(FTag によって識別される)ブロードキャストおよびマルチキャスト ツリーの構築をサポートするために、標準の IS-IS に特定の修正が加えられます。具体的には、システムは、FabricPath を使用して、複数宛先のトラフィックを転送するための 2 つのループフリー ツリーを構築します。

FabricPath ネットワーク内のデバイス間で隣接関係が確立されると、システムはすべてのネイバーにアップデート情報を送信します。

デフォルトでは、設定なしで FabricPath にレイヤ 2 IS-IS を実行できますが、レイヤ 2 IS-IS パラメータの一部を調整することもできます(任意で IS-IS パラメータを設定する方法については、 第 5 章「FabricPath 機能の詳細設定」 を参照してください)。

また、FabricPath IS-IS を使用すると、定常状態の各スイッチ ID を FabricPath ネットワーク内で確実に一意にすることができます。FabricPath ネットワークをマージすると、スイッチ ID が競合する可能性があります。ID をすべて動的に割り当てている場合は、FabricPath IS-IS によって、いずれのネットワークでも FabricPath トラフィックに影響が及ばないようにこの競合が解決されます。

会話型 MAC アドレス学習


) 会話型 MAC 学習を使用するには、Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内の F シリーズ モジュールで作業している必要があります。


従来の MAC アドレス学習では、各ホストはネットワーク上のその他すべてのデバイスの MAC アドレスを学習します。VLAN に会話型学習を設定すると、関連付けられたインターフェイスは、そのインターフェイスとアクティブに会話している MAC アドレスだけを学習します。すべてのインターフェイスが F シリーズ モジュールですべての MAC アドレスを学習する必要があるとは限りません(したがって、MAC アドレス テーブルのサイズは大幅に減少します)。

Cisco NX-OS Release 5.1 以降で N7K-F132XP-15 モジュールを使用すると、MAC 学習プロセスを最適化できます。会話型 MAC 学習は、VLAN ごとに設定します。すべての FabricPath VLAN では常に会話型学習が使用されます。このモジュールでは、CE VLAN に会話型学習を設定することもできます(CE と FabricPath VLAN については、 第 4 章「FabricPath フォワーディング」 を参照してください)。

N7K-F132XP-15 モジュールには、16 個の Forwarding Engine(FE; 転送エンジン)が搭載されており、MAC 学習はそのうちの 1 つの FE だけで行われます。各 FE は、モジュールにある他の 15 個の FE とは無関係に MAC アドレス学習を実行します。インターフェイスは、対象の FE を介して入力または出力される MAC に関する MAC アドレス テーブルだけを保持します。インターフェイスは、モジュールにある他の 15 個の FE の MAC アドレス テーブルを保持する必要はありません。

会話型 MAC アドレス学習と各 F シリーズの 16 個の Forward Engine(FE; 転送エンジン)により、このモジュールと会話型 MAC 学習を使用する FabricPath の MAC アドレス テーブルは非常に小さくなります。

F シリーズ モジュールで使用できる MAC アドレス学習モードは、従来型学習と会話型学習です。学習モードは、VLAN モードによって設定できます。

次のように、VLAN モードごとに MAC 学習モードが異なります。

FabricPath(FP)VLAN:会話型 MAC 学習のみ

CE VLAN:デフォルトでは従来型学習。F シリーズ モジュールで CE VLAN に会話型学習を設定できます。

会話型 MAC 学習を設定すると、宛先 MAC アドレスがインターフェイスの MAC アドレス テーブルにすでに存在している場合、そのインターフェイスでは入力フレームの送信元 MAC アドレスだけが学習されます。送信元 MAC アドレスのインターフェイスでまだ宛先 MAC アドレスが認識されていない場合、その MAC アドレスは学習されません。各インターフェイスは、インターフェイスとアクティブに対話する MAC アドレスだけを学習します。このように、会話型 MAC 学習はスリーウェイ ハンドシェイクで成り立ちます。インターフェイスは、対応するインターフェイスと双方向の会話を行っている場合に限り、MAC アドレスを学習します。未知の MAC アドレスはネットワーク全体に転送、またはフラッディングされます。

各 F シリーズ モジュールでのこのような会話型 MAC アドレス学習と複数の FE の組み合せによって、各 F シリーズ モジュール上の MAC アドレス テーブルは大幅に縮小されます。

CE VLAN では、Command Line Interface(CLI; コマンド ライン インターフェイス)を使用して、F シリーズ モジュールで VLAN 単位の会話型学習を設定できます。また、CE VLAN では、デフォルトで従来型 MAC アドレス学習が使用されます。従来型 MAC 学習は、Cisco Release NX-OS 5.1 を使用する FabricPath VLAN ではサポートされません。


) CE VLAN で会話型 MAC アドレス学習を設定するには、Command Line Interface(CLI; コマンド ライン インターフェイス)を使用する必要があります。DCNM を使用してデフォルト値を変更することはできません。


図 2-2 に、M および F シリーズ モジュールで許可された FabricPath および CE ポートと、許可された FP および CE VLAN を示します。

図 2-2 FP と CE VLAN の例

 

FabricPath を使用したスイッチング

FabricPath の階層型 MAC アドレス スキームと会話型学習を使用すると、FabricPath ネットワーク内の会話型学習 MAC テーブルは大幅に小さくなります。FabricPath ネットワーク内では、レイヤ 2 IS-IS を使用してトポロジ情報が送信されます。ネットワークのエッジで会話型 MAC アドレス学習を使用するインターフェイスは、ネットワーク内のすべての MAC アドレスを学習する必要はありません(図 2-3を参照してください)。

図 2-3 FabricPath ポートがフレームをスイッチングするために FabricPath ヘッダーだけを使用

 

FabricPath 階層型 MAC アドレスの使用により、MAC モビリティも促進されます。つまり、ホストを移動するときに同じ MAC アドレスと VLAN を維持する場合は、FabricPath ネットワークのエッジにあるインターフェイスだけがこの変更を追跡します。FabricPath ネットワーク内の FabricPath インターフェイスでは、FabricPath カプセル化で変更された外側の MAC アドレス(ODA と OSA)だけがテーブルで更新されます。

FabricPath インターフェイスの詳細については、 第 3 章「FabricPath インターフェイス」 を参照してください。

FabricPath ネットワークのエッジにあるインターフェイスにより、FabricPath ヘッダー内部の元のフレームがカプセル化されます。フレームが最後になった場合、または FabricPath スイッチが直接接続されている場合は、出力インターフェイスにより FabricPath ヘッダーが除去され、フレームが通常の CE フレームとして転送されます。

FabricPath ネットワークのエッジにある F シリーズ モジュールのポートでは、会話型学習を使用して、指定のエッジ ポートが双方向会話を行っている MAC アドレスだけを学習できます。すべてのエッジ インターフェイスが、その他すべてのエッジ インターフェイスの MAC アドレスを学習する必要はありません。会話しているインターフェイスの MAC アドレスを学習するだけです。

フレームが FabricPath ネットワークを移動するときに、すべてのデバイスでは FabricPath ヘッダーだけが使用されます。したがって、FabricPath インターフェイスでは ODA と Outer Source Address(OSA; 外側の送信元アドレス)だけが使用されます。これらのインターフェイスは、ネットワークに接続された CE ホストや他のデバイスの MAC アドレスを学習する必要がありません。FabricPath ヘッダーによって階層型 MAC アドレスが提供されることにより、FabricPath ネットワーク内の MAC テーブルは、そのネットワーク内のデバイス数に対して大幅に小さくなります。FabricPath ネットワーク内のインターフェイスは、フレームを別の FabricPath スイッチに転送する方法だけを知る必要があるため、トラフィックを転送するために、ネットワークのコアにある大規模な MAC アドレス ルックアップ テーブルは不要です。

また、FabricPath ネットワークでは、ホップごとに各スイッチで FabricPath ヘッダーの TTL が 1 ずつ減らされます。TTL が 0 に達すると、パケットがドロップされます。これによって、ネットワークに生じる可能性のある連続ループが防止されます。

競合解決と任意の FabricPath チューニング


) FabricPath ネットワークをチューニングするには、Command Line Interface(CLI; コマンド ライン インターフェイス)を使用します。


すべてのデバイスで FabricPath をイネーブルにすると、システムによりランダムなスイッチ ID が各 FabricPath デバイスに自動的に割り当てられます。スイッチ ID は FabricPath ネットワークの各スイッチに動的に割り当てられる 12 ビットの値です(各スイッチは FabricPath ネットワーク内で一意な値になります)。特定のスイッチ ID を任意で設定できます。FabricPath ネットワーク内に一意でないスイッチ ID が存在する場合は、競合解決が自動的に行われます。

FabricPath システムはスイッチ ID に対してランダムな値を選択し、その値がすでに使用中であるかどうかを確認している間は、その値を仮の ID として設定します。この値がネットワーク内の別のデバイスに使用されている場合、競合解決プロセスが開始されます。小さい方のシステム ID を持つスイッチには、指定された値がそのまま維持され、他方のスイッチには新しい値がスイッチ ID として設定されます。

単一のスイッチを既存の FabricPath ネットワークに追加する場合は、ネットワーク内の既存スイッチの値が変更されるのではなく、その単一のスイッチのスイッチ ID 値が変更されます。指定された値が別のデバイスで使用されていない場合や、競合が解決された後は、スイッチ ID に確認済みのマークが付けられます。

グレースフルな移行機能により、2 つのスイッチが一時的に同じスイッチ ID を持つなど、リソース内で競合が生じた場合にも、トラフィックは中断されないことが保証されます。


) FabricPath インターフェイスは稼動状態になりますが、スイッチが FabricPath の競合をチェックし、解決するまでインターフェイスは動作しません。


FabricPath リソース タイマーにはデフォルト値が設定されますが、タイマー値も変更できます。デバイスを調整して、競合をチェックする間の待機時間を長くしたり、短くしたりすることができます。

次に、FabricPath ネットワークの重要なプロセスの一部を示します。

スイッチ ID および FTag の競合のない割り当てを行う。

ネットワークのマージまたはパーティションの回復の際にグレースフルなリソースの移行を行う。

スタティック スイッチ ID をサポートする。

リンクの起動時またはネットワークのマージ中に高速コンバージェンスを実行する。

FabricPath では、レイヤ 2 IS-IS プロトコルを使用して、ネットワーク内のすべてのスイッチにデータベースが転送されます(FabricPath レイヤ 2 IS-IS の詳細については、 第 2 章「FabricPath スイッチング」 を参照してください)。この情報は、IS-IS TLV を使用して FabricPath ネットワーク デバイス全体に配布されます。各スイッチは、すべてのスイッチに関する情報を含む独自のデータベースを送信します。

システムは FabricPath 値を割り当て、FabricPath ネットワーク内でその値が一意であることを保証し、リソースが不要になるとその値をデータベースから削除します。


) デバイスにスタティック スイッチ ID を手動で設定する場合は、競合解決プロセスが自動的に行われず、ネットワークは稼動しません。競合に関する syslog メッセージが表示されます。ネットワーク内にあるデバイスの 1 つまたは複数のスイッチ ID を手動で変更する必要があります。


M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用

同一の Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内に M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールが存在する場合、F シリーズ モジュールの FabricPath インターフェイスは、M シリーズ モジュールからそのポートを通過する MAC アドレスも学習します。このように、FabricPath インターフェイスは、混合シャーシ内にある M シリーズ モジュールで MAC アドレスのプロキシ学習を行います。

M シリーズ モジュールは FabricPath をイネーブルにできないため、同一の Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内に共存する FabricPath 対応インターフェイスは M シリーズ インターフェイスから FabricPath 対応 F シリーズ インターフェイスを通過するパケットの MAC アドレスを学習する必要があります。このように、FabricPath インターフェイスは、混合シャーシ内にある M シリーズ モジュールで MAC アドレスのプロキシ学習を行います。

F シリーズ モジュールと M シリーズ モジュールの相互運用の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide, Release 5.x 』および『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Multicast Routing Configuration Guide, Release 5.x 』を参照してください。

ハイ アベイラビリティ

FabricPath トポロジでは、ISSU を介して設定が保持されます。

ハイ アベイラビリティの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide, Release 5.x 』を参照してください。

FabricPath スイッチングのライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

製品
ライセンス要件

Cisco NX-OS

FabricPath には、拡張レイヤ 2 ライセンスが必要です。Cisco NX-OS のライセンス スキームの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series Licensing Guide 』を参照してください。

Cisco DCNM

FabricPath にはライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能は Cisco DCNM にバンドルされており、無料で提供されます。Cisco DCNM ライセンス スキームについては、『 Cisco DCNM Installation and Licensing Guide 』を参照してください。

プラットフォーム サポート

この機能は、次のプラットフォームでサポートされています。注意事項や制約事項、システムのデフォルト値、コンフィギュレーションの制限などに関するプラットフォーム固有の情報については、対応するマニュアルを参照してください。

プラットフォーム
マニュアル

Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチ

Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチのマニュアル

 

FabricPath 機能セットの設定

FabricPath 機能セットをイネーブルまたはディセーブルにするには、 第 5 章「FabricPath 機能の詳細設定」 を参照してください。

 

表 2-1

DCNM を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴

表 2-1 は、この機能のリリースの履歴です。

 

表 2-1 FabricPath スイッチング機能の履歴

機能名
リリース
機能情報

FabricPath

5.1(1)

これらの機能が導入されました。