Cisco CRS-1 シリーズ キャリア ルーティング システム スタートアップ ガイド
Cisco IOS-XR ベーシック コンフィ ギュレーションの管理
Cisco IOS-XR ベーシック コンフィギュレーションの管理
発行日;2012/01/13 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

Cisco IOS-XR ベーシック コンフィギュレーションの管理

内容

ルータとの接続および通信

CLI 通信のための接続

ログイン

CLI プロンプト

ユーザのアクセス特権

ユーザ グループ

定義済みのユーザ グループ

タスク ID

ユーザ アカウントのユーザ グループおよびタスク ID の表示

AAA 設定の関連マニュアル

Cisco IOS-XR のコマンド モードの切り替え

CLI プロンプトでのコマンド モードの表示方法

一般的なコマンド モードの概要

設定モードからの EXEC コマンドの入力

コマンド モードの切り替え例

設定セッションの管理

ステージ 1:非アクティブなターゲット設定への設定変更の入力

ステージ 2:変更をコミットして実行時設定の一部にする

基本的な設定手順の例

show コマンドによる設定の詳細表示

現在の実行時設定の表示

ターゲット設定(非アクティブ)の変更の表示

変更をコミットする前のマージした設定の表示

コミット オプション

設定エラーの表示

ターゲット設定のすべての変更のクリア

設定セッションの終了

exit コマンドの例

end コマンドの例

abort コマンドの例

設定セッションでの実行時設定のロックおよびロック解除

設定の履歴およびロールバック

ロールバック コミット ID 番号の表示

設定の変更の詳細表示

特定のコミット ID への設定のロールバック

指定した数のコミットの設定へのロールバック

設定の履歴ログの表示

設定の変更通知

コミット ID 番号の表示

コミット ID の詳細表示

ターゲット設定ファイルの保存およびロード

ターゲット設定のファイルへの保存

ファイルからのターゲット設定のロード

システム スタートアップ時の代替設定のロード

設定の制限

RP およびノードへの設定の配布

ソフトウェア パッケージのアクティブ化/非アクティブ化の影響

パッケージのアクティブ化/非アクティブ化時における CLI コマンドの追加または削除

実行時設定におけるパッケージのアクティブ化/非アクティブ化

設定のロールバックにおけるパッケージのアクティブ化/非アクティブ化

Cisco IOS-XR ベーシック コンフィギュレーションの管理

Cisco IOS-XR ソフトウェアでは 2 段階の設定(コンフィギュレーション)プロセスを使用して、稼働中のルータの動作に影響を与えずに設定の変更を入力することができます。入力・確認された変更は、まとめてコミットして、ルータの実行時設定の一部にすることができます。Cisco IOS-XR ソフトウェアには、設定の変更のロールバックや設定の履歴の監査など、共通の設定管理サービスも含まれています。

ここでは、Cisco IOS-XR ソフトウェアでの基本設定の管理について説明します。

内容

ここでは、次の内容を説明します。

「ルータとの接続および通信」

「ログイン」

「CLI プロンプト」

「ユーザのアクセス特権」

「ユーザ グループ」

「定義済みのユーザ グループ」

「タスク ID」

「ユーザ アカウントのユーザ グループおよびタスク ID の表示」

「Cisco IOS-XR のコマンド モードの切り替え」

「CLI プロンプトでのコマンド モードの表示方法」

「一般的なコマンド モードの概要」

「設定モードからの EXEC コマンドの入力」

「コマンド モードの切り替え例」

「設定セッションの管理」

「ステージ 1:非アクティブなターゲット設定への設定変更の入力」

「ステージ 2:変更をコミットして実行時設定の一部にする」

「show コマンドによる設定の詳細表示」

「コミット オプション」

「設定エラーの表示」

「ターゲット設定のすべての変更のクリア」

「設定セッションの終了」

「設定セッションでの実行時設定のロックおよびロック解除」

「設定の履歴およびロールバック」

「ロールバック コミット ID 番号の表示」

「設定の変更の詳細表示」

「特定のコミット ID への設定のロールバック」

「指定した数のコミットの設定へのロールバック」

「設定の履歴ログの表示」

「設定の変更通知」

「ターゲット設定ファイルの保存およびロード」

「ターゲット設定のファイルへの保存」

「ファイルからのターゲット設定のロード」

「システム スタートアップ時の代替設定のロード」

「設定の制限」

「RP およびノードへの設定の配布」

「ソフトウェア パッケージのアクティブ化/非アクティブ化の影響」

ルータとの接続および通信

Cisco IOS-XR ソフトウェアを実行しているルータを操作または設定するには、まず端末または PC を使用してルータに接続する必要があります。プライマリ ルート プロセッサ(RP)のコンソール ポートに直接物理接続するか、モデムまたはイーサネット接続を使用してリモートから接続します( を参照)。

図 2-1 Cisco CRS-1 シリーズ ルータの RP の通信ポート

 

CLI 通信のための接続

ここでは、コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用してルータと通信する方法について説明します。CLI コマンドは、直接端末接続またはネットワークベースの Telnet セッションを介して入力します。

初期設定を入力したり、デバッグ作業を実行したりするには、コンソール ポートに直接接続するのが便利ですが、大部分の CLI 通信は Telnet セッションを使用してリモートから行われます。

端末サーバやテンプレートを含む端末サービスの設定の詳細は、『 Cisco IOS-XR Series System Management Configuration Guide 』の「 Implementing Physical and Virtual Terminals on Cisco IOS-XR Software 」を参照してください。

ログイン

ルータにログインするには、次の手順に従います。


ステップ 1 端末コンソールまたは Telnet セッションを介して、ルータとの接続を確立します。ルータまたは端末サーバのアドレスおよびポート番号については、システム管理者に問い合わせてください。

a. コンソール ポートに直接接続した端末を使用する場合は、次のように入力します。
telnet access-server-address port

b. Telnet または SSH 接続を使用してリモートから接続する場合は、次のように入力します。
telnet device-port-address

ステップ 2 ユーザ名およびパスワードを、次のように入力します。

User Access Verification
 
Username: routeroperator
Password: <enter password>
RP/0/RP0/CPU0:router#

) パスワードは、大文字と小文字が区別されます。



 

CLI プロンプト

ログインすると、Cisco IOS-XR ソフトウェアの CLI プロンプトが表示されます。このプロンプトによって、お使いのルータ名、およびコマンドの発行先となる CPU を識別できます。多くの場合、このプロンプトにはシステムを制御するプライマリ RP の「CPU0」が表示されます。

CLI プロンプトは、入力したコマンドを実行するルータの CPU までのパスを表します(図 2-2を参照)。CLI プロンプトの構文は、type/rack/slot/module: router-name# です。CLI プロンプトについては、 表 2-1 で説明します。

 

表 2-1 CLI プロンプトの説明

プロンプトの
構文コンポーネント
説明

type

通信するインターフェイスまたはカードのタイプ。ユーザ通信の大部分のタスクの場合、タイプは「RP」です。

rack

ラックのシャーシ番号。シングル シャーシ システムの場合は、ラックは常に「0」です。

slot

プライマリ RP が取り付けられている物理スロット。「RP0」または「RP1」です。

module

ユーザ コマンドを実行したり、ポート(インターフェイス)と通信したりするカードのエンティティ。EXEC プロンプトからコマンドを実行する場合、モジュールは RP の「CPU0」です。「CPU0」は、転送およびシステムの OS 機能も制御します。

router name

ルータのホスト名。「初期起動後のシステムの確認」で説明するとおり、通常、ホスト名はルータの初期設定中に定義します。

たとえば、次のプロンプトは、スロット RP0 に取り付けられているラック 0 の RP で、「CPU0」によって CLI コマンドが実行されることを示します。

RP/0/RP0/CPU0:router#

図 2-2 Cisco IOS-XR ソフトウェアの CLI プロンプト

 

ユーザのアクセス特権

Cisco IOS-XR ソフトウェアにログインすると、割り当てられているユーザ グループに基づいてアクセス特権が付与されます。この項では、アクセス特権について説明します。

「ユーザ グループ」

「定義済みのユーザ グループ」

「タスク ID」

「ユーザ アカウントのユーザ グループおよびタスク ID の表示」

ユーザ グループ

ユーザのアクセス特権は、そのユーザが属するユーザ グループによって定義されます。各ユーザ グループには、そのグループのすべてのメンバーに対する一連のアクセス権を定義します。複数のグループに割り当てて、さらに追加のアクセス特権を付与できます。

デフォルトではユーザはグループに割り当てられておらず、管理者が明示的に割り当てる必要があります。

定義済みのユーザ グループ

Cisco IOS-XR ソフトウェアには、大部分の組織のニーズに合った、一連の定義済みのユーザ グループが含まれています。定義済みのユーザ グループについて、 表 2-2 で説明します。

 

表 2-2 定義済みのユーザ グループの説明

ユーザ グループ
特権

root-system

システムのすべての論理ルータ(LR)のすべてのコマンドを表示および実行できます。

root-lr

1 つの LR 内のすべてのコマンドを表示および実行できます。

sysadmin

コア ダンプの格納場所の管理や Network Time Protocol(NTP)の設定など、ルータについてのシステム管理者のタスクを実行します。

netadmin

Border Gateway Protocol(BGP)や Open Shortest Path First(OSPF)などのネットワーク プロトコルを設定します(通常はネットワーク管理者)。

operator

毎日の監視アクティビティを実行します。設定権は制限されています。

cisco-support

デバッグおよびトラブルシューティングができます(通常はシスコのサポート担当者)。

定義済みのユーザ グループでも大部分の組織のニーズを満たすことはできますが、管理者は独自にグループを設定することもできます。「AAA 設定の関連マニュアル」を参照してください。


) Cisco CRS-1 シリーズ ルータはマルチ シャーシ システムとして稼働して、複数の LR とそのインターフェイスおよびリソースの設定ができますが、Cisco CRS-1 シリーズ ルータの初期バージョンは 1 つのデフォルトの LR が同梱されたシングル シャーシ システムです。 シングル シャーシ システムでは、必要な LR または操作できる LR は 1 つだけです。詳細は、「論理ルータ」を参照してください。


タスク ID

管理者はユーザ グループ名に一連のタスク ID を割り当てて、ユーザ グループを作成および変更します。タスク ID とは、「ロギング」や「基本サービス」などの、Cisco IOS-XR ソフトウェアの機能またはコンポーネントの名前です。これらの各タスク ID は、「読み取り」、「書き込み」、「実行」など、そのタスク ID の特定の権限と共にユーザ グループに割り当てることができます。

これらのタスク ID には個別の CLI コマンドも割り当てられます。コマンドを実行するには、必要なタスク ID 特権を持つ少なくとも 1 つのユーザ グループに属している必要があります。コマンドの実行に必要なタスク ID 特権は、 describe に続けて任意の CLI コマンドを入力すると表示できます。

次の例では、 describe show running-config コマンドを入力して、 show running-config コマンドの詳細を表示します。このコマンドの出力は、 show running-config コマンドを実行するユーザは、「universal」および「config-services」のタスク ID を持ち、READ 特権を持つユーザ グループに属している必要があることを示しています(出力の該当箇所を太字で示します)。

RP/0/RP0/CPU0:router# describe show running-config
The command is defined in nvgencmds.parser
 
Node 0/RP0/CPU0 has file nvgencmds.parser for boot package /hfr-os-mbi-0.46.0/mb
ihfr-rp.vm from hfr-base
Package:
hfr-base
hfr-base V1.0.0[Default] Base Package
Vendor : Cisco Systems
Desc : Base Package
Build : Built on Thu Apr 8 17:41:06 UTC 2004
Source : By phu in /vws/kla/ajl/phu5 for c2.95.3-p8
 
Component:
parser V0.0.0[main/668] Parser library and daemon
 
File: nvgencmds.parser
 
 
User needs ALL of the following taskids:
 
universal (READ)
config-services (READ)
 
It will take the following actions:
Spawn the process:
nvgen -c -l 1 -t 1 -o 1
 

また、 show task supported コマンドを使用すると、システムで使用できるすべてのタスク ID を表示することができます。たとえば、次のように入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show task supported
bgp
ospf
hsrp
isis
route-map
route-policy
static
vrrp
cef
lpts
iep
rib
multicast
mpls-te
mpls-ldp
mpls-static
ouni
fabric
bundle
network
transport
ppp
hdlc
--More--

) タスク グループを設定できるのは、root-system ユーザ、root-lr ユーザ、または WRITE:AAA のタスク ID が割り当てられているユーザのみです。


ユーザ アカウントのユーザ グループおよびタスク ID の表示

アカウントに関連付けられているユーザ グループおよびタスク ID を表示するには、EXEC モードで show user コマンドを入力します。 表 2-3 に、このコマンドで使用できるオプションを示します。

 

表 2-3 アカウントに関する情報を表示するオプション

コマンド
表示内容

show user

ユーザ名

show user group

アカウントに割り当てられているユーザ グループ

show user tasks

アカウントに割り当てられているタスク ID

show user all

アカウントのすべてのユーザ グループおよびタスク ID 情報

show aaa usergroup group-name

ユーザ グループに割り当てられているタスク ID

ユーザ名を表示するには、次のように show user コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show user
Username: user_a
 

アカウントに割り当てられている権限(タスク ID)を表示するには、次のように show user tasks コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show user tasks
Task: basic-services : READ WRITE EXECUTE NOTIFY
Task: cdp : READ
Task: diag : READ
Task: ext-access : READ EXECUTE
Task: logging : READ
 

ユーザ アカウントに割り当てられているユーザ グループを表示するには、次のように show user group コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show user group
User group operator
 

ユーザ グループに割り当てられている権限を表示するには、次のように show aaa usergroup group-name コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show aaa usergroup operator
User group 'operator'
Inherits from task group 'operator'
 
User group 'operator' has the following combined set
of task IDs (including all inherited groups):
Task: basic-services : READ WRITE EXECUTE NOTIFY
Task: cdp : READ
Task: diag : READ
Task: ext-access : READ EXECUTE
Task: logging : READ

AAA 設定の関連マニュアル

ユーザおよびユーザのアクセス特権の設定および管理の詳細は、『 Cisco IOS-XR System Security Configuration 』の「 Configuring AAA Services on Cisco IOS-XR Software 」を参照してください。

Cisco IOS-XR のコマンド モードの切り替え

Cisco IOS-XR ソフトウェアの CLI はさまざまなコマンド モードに分けられます。各モードでは、ルータの設定、監視、および管理に使用するコマンドのサブセットにアクセスできます。モードへのアクセスは、ユーザ グループの割り当てによって決まります。次に、コマンド モードの切り替え方法について説明します。

「CLI プロンプトでのコマンド モードの表示方法」

「一般的なコマンド モードの概要」

「設定モードからの EXEC コマンドの入力」

「コマンド モードの切り替え例」

図 2-3 に、CLI の基本的なコマンド モードの切り替え方法を示します。ただし、この例は使用できる設定サブモードのごく一部です。

図 2-3 Cisco IOS-XR ソフトウェア でのコマンド モードの切り替え例

 

CLI プロンプトでのコマンド モードの表示方法

コマンド モードは、ルータ名の後の CLI プロンプトで識別します。

たとえば、 configure コマンドを使用して EXEC モードからグローバル設定モードに入ると、CLI プロンプトが変わって、次のようにルータ名の後に「(config)」が含まれます。

RP/0/RP0/CPU0:routername# configure
RP/0/RP0/CPU0:routername(config)#
 

たとえば、インターフェイス設定サブモードに入るには、 interface コマンドを使用します。プロンプトが変わって、次のようにルータ名の後に「(config-if)」が含まれます。

RP/0/RP0/CPU0:routername(config)# interface POS 0/2/0/0
RP/0/RP0/CPU0:routername(config-if)#

一般的なコマンド モードの概要

表 2-4 に、Cisco IOS-XR ソフトウェアの最も一般的なコマンド モードおよび関連する CLI プロンプトの概要を示します。

 

表 2-4 一般的なコマンド モードおよび CLI プロンプト

コマンド モード
説明

EXEC

グローバル設定

設定サブモード

グローバル設定モードから、より特殊な他のコマンド モードに入ることもできます。これらのモードには、プロトコル固有、プラットフォーム固有、および機能固有の設定モードがあり、割り当てられているアクセス特権に基づいて使用することができます。

次の例では、グローバル設定モードから MPLS LDP 設定モードに入ります。MPLS LDP 設定サブモードのプロンプトは config-ldp と表示されます。 設定 サブモードに入るには、次のコマンドを使用します。

RP/0/RP0/CPU0:router#
RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# mpls ldp
RP/0/RP0/CPU0:router(config-ldp)

) 使用できる特定のモードは、ルータの機能や各ユーザのアクセス権によって異なります。たとえば、アクセス サーバを設定する設定モードは、大部分のルータでは使用できません。


インターフェイス設定

インターフェイス 設定サブモードは、packet-over-SONET(POS)インターフェイスなどのハードウェア インターフェイスを選択および設定するのに使用します。グローバル設定モードからインターフェイス設定モードに入るには、 interface コマンドを使用します。インターフェイス設定コマンドは、常に、インターフェイス種別を定義するインターフェイス グローバル設定コマンドの後に入力します。 インターフェイス 設定サブモードに入るには、次のコマンドを使用します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/2/0/0
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)#

ルータ設定

ルータ設定サブモード

admin EXEC および admin 設定モード

ROMモニタ モード

(ROMMON)

設定モードからの EXEC コマンドの入力

EXEC コマンドは、コマンドの先頭に「 do 」と入力すると、どの設定モードからでも実行できます。設定モードから EXEC コマンドを実行すると、設定モードを終了せずにシステムの状態を表示することができます。たとえば、次のように入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# do show version
 
Cisco IOS-XR Software, Version 1.0.0
Copyright (c) 2004 by cisco Systems, Inc.
 
ROM: System Bootstrap, Version 1.15(20040120:002852) [ROMMON],
 
router uptime is 1 hour, 40 minutes
1000592k bytes of ATA PCMCIA card at disk 0 (Sector size 512 bytes).
 
Configuration register is 0x2
 
--More--

コマンド モードの切り替え例

次の手順は、コマンド モードの切り替え例です。


ステップ 1 次の例に示すように、ルータにログインしてセッションを開始し、EXEC モードに入ります。

router con0_RP0_CPU0 is now available
 
 
Press RETURN to get started.
 
 
User Access Verification
 
Username: lab
Password:<secret>
RP/0/RP0/CPU0:router#
 

EXEC モードでは、EXEC コマンドを発行したり、グローバル設定モードに入ったりすることができます。EXEC コマンドの例として、システムの状態を表示するのに使用する show コマンドや、カウンタまたはインターフェイスをクリアする clear コマンドがあります。

ステップ 2 使用できるオプションを表示するには、次のように、プロンプトの末尾またはコマンドの後に疑問符を入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show ?
aaa Show AAA configuration and operational data
adjacency Adjacency information
aliases Display alias commands
aps SONET APS information
arm IP ARM information
arp ARP table
as-path-access-list List AS path access lists
asic-errors ASIC error information
auto-rp Auto-RP Commands
bgp BGP show commands
buffer-manager Show all buffer manager memory related information
calendar Display the system calendar
cdp CDP information
cef Cisco Express Forwarding
cetftp CRS-1 control plane ethernet TFTP server
checkpoint Show checkpoint services
cinetd Cisco inetd services
clns Display CLNS related information
clock Display the system clock
commit Show commit information
community-list List community-list
configuration Contents of Non-Volatile memory
--More--

) 使用できるコマンドは、現在のモードおよびユーザ グループの割り当てによって異なります。


ステップ 3 設定権限を持つユーザ グループに属している場合は、次の configure コマンドを入力してグローバル設定モードに入ることができます。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)#
 

ステップ 4 グローバル設定モードから、インターフェイス設定モードやプロトコル固有のモードなどの設定サブモードに入ることができます。

次の例では、ユーザはインターフェイス設定モードに入り、設定する packet-over-SONET インターフェイスを選択します。コマンドの構文は interface type rack/slot/module/port です。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/2/0/4
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)#
 

コマンド モード プロンプトが「(config)」から「(config-if)」に変わり、指定したインターフェイスの設定コマンドを入力できるようになります。

ステップ 5 インターフェイス設定モードを終了してグローバル設定モードに戻るには、 exit コマンドを入力します。EXEC モードに戻るには、 end コマンドを入力します。


 

設定セッションの管理

Cisco IOS-XR ソフトウェアでは、実行時設定(アクティブな設定)を直接変更することはできません。設定の変更はすべて、非アクティブなターゲット設定に入力し、実行時設定に明示的に「コミット」する必要があります。この 2 段階のプロセスにより、ルータの実際の実行状態に影響を与える前に、設定の変更を作成、編集、および確認することができます。ここでは、設定セッションの管理オプションについて説明します。

「ステージ 1:非アクティブなターゲット設定への設定変更の入力」

「ステージ 2:変更をコミットして実行時設定の一部にする」

「show コマンドによる設定の詳細表示」

「コミット オプション」

「設定エラーの表示」

「ターゲット設定のすべての変更のクリア」

「設定セッションの終了」

「設定セッションでの実行時設定のロックおよびロック解除」

図 2-4 に、2 段階の設定プロセスを示します。

図 2-4 2 段階の設定プロセス

 

ステージ 1:非アクティブなターゲット設定への設定変更の入力

configure コマンドを使用してグローバル設定モードに入ると、新しいターゲット設定セッションが生成されます。ターゲット設定を使用して、実行時設定に影響を与えずに、設定の変更を入力、検討、および確認することができます。


) ターゲット設定は実行時設定のコピーではありません。(コミットされていない)設定の変更は実行時設定の上にオーバーレイされます。


初めて設定モードに入ったときには、ターゲット設定は実行時設定と同じです。また、正常にコミット操作が行われた後は、実行時設定とターゲット設定は同じになります。

ターゲット設定は、非アクティブな設定ファイルとしてディスクに保存することもできます。保存したこれらのファイルは、ロードしてさらに変更したり、後でコミットすることができます。

ステージ 2:変更をコミットして実行時設定の一部にする

ターゲット設定に加えた変更は、 commit コマンドを入力しない限り、実行時設定の一部にはなりません。ターゲット設定をコミットすると、ターゲット設定の変更が実行時設定にマージされ、実行時設定が新しく作成されます。


commit コマンドで実行時設定の変更を保存することなく設定セッションを終了すると、保存するよう求められます。詳細は、「設定セッションの終了」を参照してください。


基本的な設定手順の例

ここでは、ターゲット設定を作成、変更し、実行時設定とマージする簡単な設定セッションについて説明します。


ステップ 1 新しいターゲット設定セッションを生成するには、次のように configure コマンドを使用してグローバル設定モードに入ります。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
 

ステップ 2 ターゲット設定に変更を加えます。これらの変更は、実行時設定には影響しません。CLI によってコマンドの構文が自動的に確認され、有効なエントリだけが許可されます。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/2/0/1
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description faq
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 10.10.10.10 255.0.0.0
 

ステップ 3 アクティブとされていない変更を表示するには、次のように show configuration コマンドを使用します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# show configuration
Building configuration...
interface POS0/0/0/1
description faq
ipv4 address 10.10.10.10 255.0.0.0
end
 

ステップ 4 次のように commit コマンドを入力して、変更内容を現在の実行時設定の一部にします。

RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# commit
RP/0/RP0/CPU0:Apr 5 22:55:42.044 : config[65709]: %LIBTARCFG-6-COMMIT : Configu
ration committed by user 'user_a'. Use 'show commit changes 1000000010' to view t
he changes.
 


 


) ターゲット設定をファイルに保存することもできます。詳細は、「ターゲット設定ファイルの保存およびロード」を参照してください。


show コマンドによる設定の詳細表示

表 2-5 に、ターゲット設定、実行時設定、またはそれら両方の内容を表示するために、グローバル設定モードで使用するコマンドの概要を示します。

 

表 2-5 グローバル設定モードの設定表示コマンド

コマンド
表示内容

show running-config

アクティブな実行時設定の内容。これは、ルータの操作を定義する「コミット」済みの設定です。

show configuration

ターゲット設定に加えた変更。入力済みで、まだ「コミット」されていない変更です。

show configuration merge

変更を「コミット」せずに、ターゲット設定と実行時設定を結合した内容です。


) EXEC モードで show running-config コマンドを使用して、実行時設定の内容を表示することもできます。


次に、設定の詳細の表示例を示します。

「現在の実行時設定の表示」

「ターゲット設定(非アクティブ)の変更の表示」

「変更をコミットする前のマージした設定の表示」

現在の実行時設定の表示

現在の実行時設定の詳細を表示するには、 show running-config コマンドを入力します。実行時設定は、ルータの動作に使用するアクティブな設定です。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# show running-config
Building configuration...
!! Last configuration change at 22:55:41 UTC Mon Apr 05 2004 by lab
!
hostname router
username user_a
password 7 020A0559
group root-system
!
username user_b
password 7 08294A5C0C1416
group root-system
!
ipv6 access-list list1
10 permit ipv6 333:1:2:3::/64 any
20 permit ipv6 444:1:2:3::/64 any
30 permit ipv6 5555:1:2:3::/64 any
40 permit ipv6 4444:1:2:3::/64 any
50 permit ipv6 3333:1:2:3::/64 any
!
interface MgmtEth0/RP1/CPU0/0
ipv4 address 1.2.1.1 255.0.0.0
!
interface POS0/2/0/0
description faq
ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
exit
interface POS0/3/0/3
shutdown
xml agent corba
http server
end

ターゲット設定(非アクティブ)の変更の表示

非アクティブなターゲット設定に入力した変更を表示するには、 show configuration コマンドを入力します。ターゲット設定は未コミットの変更であり、アクティブな実行時設定の一部にはなっていません。

RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# show configuration
Building configuration...
interface POS0/3/0/3
description faq
ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
end

変更をコミットする前のマージした設定の表示

ターゲット設定の非アクティブな変更を組み入れた現在の実行時設定を表示するには、任意の設定モードで show configuration merge コマンドを入力します。

次の例では、ユーザはまずアクティブな設定を表示し、必要な設定の変更を行い、「マージ」した設定を表示します。マージした設定では、 commit コマンドの実行後に、新しいアクティブな設定がどのようになるかが示されます。


) 「マージ」した設定は、ターゲット設定の変更をコミット後に、新しい実行時設定がどのようになるかを示します。実際の実行時設定を示すものではありません。


1. 現在の実行時設定を表示します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show running
Building configuration...
!! Last configuration change at 16:52:49 UTC Sun March 10 2004 by lab
!
hostname router
shutdown
end
 

2. ターゲット設定セッションをオープンし、設定の変更を入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/3/0/3
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description faq
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
 

3. 新しい設定をコミットする前に、「マージ」した設定を表示します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# show configuration merge
Building configuration...
hostname router
interface POS0/3/0/3
description faq
ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
shutdown
end

コミット オプション

ターゲット設定をコミットするために、ベスト エフォートおよびアトミックの 2 つのオプションがあります。 表 2-6 に、2 つのコミット オプションおよびオプションのコミット パラメータを示します。

 

表 2-6 commit コマンド オプション

コマンド
説明

commit

(デフォルト)有効な変更だけをコミットします(「ベスト エフォート」)。意味エラーにより、設定の変更に失敗することがあります。

commit atomic

ターゲット設定内のすべての変更が意味確認プロセスをパスした場合にのみ、変更をコミットします。意味エラーが検出された場合は、設定の変更はいずれも有効になりません。

commit comment line

(オプション)コミットにコメントを割り当てます。このテキスト コメントは、 show rollback points [detailed] コマンドで表示されるコミット エントリに表示されます。

line は、オプションのコメントまたはラベルのテキストです。

commit label line

(オプション)意味のあるラベルを割り当てます。このラベルは、 show rollback points [detailed] コマンドの出力に、数値ラベルの代わりに表示されます。

line は、オプションのコメントまたはラベルのテキストです。

commit force

(オプション)LR の所有者がメモリ不足の状況で設定をコミットできるようにします。

ユーザが、ルータのデフォルトの容量を超える、サイズの大きなターゲット設定をコミットしようとすると、メモリ不足の警告が発生します。

このような警告を解決するには、 no コマンドを使用して設定を削除することをお勧めします。


警告 メモリ不足の状況になると、force オプションによって、ルータに深刻な問題が発生する場合があります。force オプションは設定を削除する場合にのみ使用する必要があります。


次の例では、デフォルトの commit オプションを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/0/0/2
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description faq
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# commit
 

次の例では、atomic オプションで commit 操作を使用します。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/0/0/2
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description faq
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# commit atomic

設定エラーの表示

設定の変更は commit 操作中に自動的に確認され、1 つまたは複数の設定エントリにエラーがある場合は設定メッセージが表示されます。各エラーの原因を表示するには、 表 2-7 に示すとおり、 show configuration failed コマンドを入力します。

 

表 2-7 設定エラーの詳細を表示するコマンド

コマンド
表示内容

show configuration failed

設定の「コミット」エラーの理由。

show configuration failed noerror

前回のコミットで失敗したコマンドのリスト。エラーの理由は表示されません。

次の例では、設定のコミット時にエラーが発生します。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# taskgroup bgp
RP/0/RP0/CPU0:router(config-tg)# description this is a test of an invalid taskgroup
RP/0/RP0/CPU0:router(config-tg)# commit
 
% Failed to commit one or more configuration items. Please use 'show configurati
on failed' to view the errors
 

失敗した設定項目を表示するには、 show configuration failed コマンドを入力します。このコマンドの出力に、エラーの説明が含まれます。

RP/0/RP0/CPU0:router(config-tg)# show config failed
!! CONFIGURATION FAILED DUE TO SEMANTIC ERRORS
taskgroup bgp
!!% Usergroup/Taskgroup names cannot be taskid names
!
 

エラーを表示せずに失敗した設定項目を表示するには、 show config failed noerror コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router(config-tg)# show config failed noerrors
!! CONFIGURATION FAILED DUE TO SEMANTIC ERRORS
taskgroup bgp
!

ターゲット設定のすべての変更のクリア

設定セッションを終了せずに、ターゲット設定に加えた変更をクリアするには、設定モードで clear コマンドを入力します。このコマンドは、未コミットの設定の変更を削除します。

次の例では、ユーザはインターフェイスを設定しますが、コミットしません。 show configuration コマンドでターゲット設定の変更を検討した後、 clear コマンドを入力して変更を削除し、初めからやり直します。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/3/0/1
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description this is my interface
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# shutdown
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# exit
 
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# show configuration
Building configuration...
interface POS0/3/0/1
description this is my interface
ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
shutdown
end
 
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# clear
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# show configuration
Building configuration...
end

設定セッションの終了

表 2-8 に、設定セッションを終了するのに使用するコマンドを示します。

 

表 2-8 設定セッションを終了するコマンド

コマンド
説明

exit

1 つ上のモードに戻ります。このコマンドを、グローバル設定モードを終了して EXEC モードに入るのに使用すると、未コミットの変更をターゲット設定に保存するよう求められます。


) EXEC モードでは、システムからログアウトするのに exit コマンドを使用します。


end

任意の設定モードから直接 EXEC モードに戻ります。未コミットの変更をコミットするよう求められます。

abort

ターゲット設定の変更を破棄して、直接 EXEC モードに戻ります。設定の変更が削除される前に、警告は表示されません。

次に、設定セッションを終了する例を示します。

「exit コマンドの例」

「end コマンドの例」

「abort コマンドの例」

exit コマンドの例

ターゲット設定に変更を保存せずに、直前の設定モードに戻るには、 exit コマンドを使用します。EXEC モードに戻るのにこのコマンドを使用すると、未コミットの変更をコミットするよう求められます。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/3/0/1
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description this is my interface
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# exit
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# exit
Uncommitted changes found, Commit them ?? [yes]: no
RP/0/RP0/CPU0:router#

) EXEC モードでは、システムからログアウトするのに exit コマンドを使用します。


end コマンドの例

ターゲット設定に変更を保存せずに、EXEC モードに戻るには、 end コマンドを使用します。未コミットの変更をコミットするよう求められます。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# hostname host1
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/2/0/2
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description this is my interface
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# shutdown
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# end
Uncommitted changes found, Commit them ?? [yes]: no
RP/0/RP0/CPU0:router#

ヒント Ctrl+Z キーを押して、設定セッションを終了することもできます。


abort コマンドの例

ターゲット設定の変更を破棄して、EXEC モードに戻るには、 abort コマンドを使用します。未コミットの変更をコミットするよう求められません。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# hostname host1
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/2/0/2
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# description this is my interface
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 1.1.1.1 255.0.0.0
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# shutdown
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# abort
RP/0/RP0/CPU0:router#

設定セッションでの実行時設定のロックおよびロック解除

configure コマンドを使用してグローバル設定モードに入ると、新しいターゲット設定セッションが自動的に生成されます。1 つのターゲット設定セッションを複数のユーザが同時にオープンでき、複数のユーザが別々のターゲット設定で作業することができます。

デフォルトでは、コミット操作の実行時には実行時設定はロックされています。この自動ロックにより、必ず各コミット操作が完了してから、次のコミットが開始されます。他のコミット操作が行われている最中に、他のユーザがターゲット設定のコミットを行おうとすると、そのユーザにはエラー メッセージが返されます。

また、 表 2-9 に示すように、自分の設定セッション中に実行時設定をロックして、他のアクティブな設定セクションを表示することもできます。

 

表 2-9 設定セッション コマンド

コマンド
説明

show configuration sessions

ルータの他の設定セッションを表示します。

configure

グローバル設定モードに入り、ユーザがターゲット設定をコミットできるようにします。

configure exclusive

グローバル設定モードに入り、設定セッションがアクティブな間は、他のユーザが変更をコミットできないようにします。他のユーザは、設定モードに入ってターゲット設定を作成することはできますが、「排他的」な設定セッションが終了しない限り、それらの変更を実行時設定にコミットすることはできません。


) 設定がすでに他のユーザによってロックされている場合は、configure exclusive コマンドは失敗します。


exit または end

設定セッションを終了して EXEC モードに戻り、他の設定セッションのロックを解除します。

現在の設定セッションを表示するには、EXEC モードで show configuration sessions コマンドを入力します。排他的な設定セッションには、次の例のように、アスタリスク(*)が表示されます。

RP/0/RP0/CPU0:router# show configuration session
Session Line User Date Lock
00000000-000650a4-00000000 dummy_line root Thu Oct 3 12:20:12 2003
00000000-0006a0a3-00000000 dummy_line root Thu Oct 3 12:24:23 2003 *
 

設定セッションがアクティブな間、他のユーザが変更をコミットできないように、実行時設定をロックするには、 configure exclusive コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure exclusive
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/2/0/0
 

configure exclusive コマンドを使用して設定モードに入ったユーザが設定モードを終了すると、実行時設定のロックが解除されます。

RP/0/RP0/CPU0:router(config)# exit

設定の履歴およびロールバック

commit 操作の後、置換された設定のレコードが保存されます。各レコードには、コミット ID とも呼ばれる固有の ID が割り当てられます。コミット ID は、以前の設定に戻ることのできる「ロールバック ポイント」を表します。

Cisco IOS-XR ソフトウェアでは、最新のコミット ID が 100 になるまで自動的に保存されます。次に、設定の変更の表示方法、および直前にコミットした設定へのロールバック方法について説明します。

「ロールバック コミット ID 番号の表示」

「特定のコミット ID への設定のロールバック」

「指定した数のコミットの設定へのロールバック」

「設定の履歴ログの表示」

「設定の変更通知」

表 2-10 に、コミットの履歴の表示および直前の設定へのロールバックに使用するコマンドの概要を示します。

 

表 2-10 ロールバック コマンド

コマンド
説明

show rollback points

最新のコミット ID が 100 になるまで自動的に保存されます。コミット ID は、以前の設定に戻ることのできる「ロールバック ポイント」を表します。

show rollback changes

1 つまたは複数のコミット ID (範囲指定)の設定の変更を表示します。

rollback configuration to commitID

実行時設定を、コミット ID で示された設定に戻します。

rollback configuration last n

直前の n 回のコミットで加えられた変更をロールバックします。

show configuration history

ヘッダー レコードをレコード 1000 件分まで表示します。このコマンドの出力にはエントリの詳細は表示されませんが、発生したコミット イベントのリストをより多く表示できます。ロールバックできるコミット ID を表示するには、 show rollback points コマンドを使用します。

show commit changes ?

設定変更イベントのリストを表示します。

show commit changes <number>

特定の設定変更イベントの詳細を表示します。

ロールバック コミット ID 番号の表示

使用できるロールバック ポイントのコミット ID を表示するには、EXEC モードで show rollback points コマンドを入力します。システムによって、最新のコミット ID が 100 になるまで保存されます。

次のように、コミット ID は「Label/ID」カラムに表示されます。

RP/0/RP0/CPU0:router# show rollback points
SNo. Label/ID User Line Client Time Stamp
~~~~ ~~~~~~~~ ~~~~ ~~~~ ~~~~~~ ~~~~~~~~~~
1 1000000391 user_a con0_33_1 CLI 19:29:18 UTC Wed Jan 10 2004
2 1000000390 user_a con0_33_1 CLI 19:29:16 UTC Wed Jan 10 2004
3 1000000389 user_a con0_33_1 CLI 19:29:15 UTC Wed Jan 10 2004
4 1000000388 user_a con0_33_1 CLI 19:29:12 UTC Wed Jan 10 2004
5 1000000387 user_a con0_33_1 CLI 19:26:16 UTC Wed Jan 10 2004
6 1000000386 user_a con0_32_1 CLI 19:18:38 UTC Wed Jan 10 2004
7 1000000385 user_a con0_33_1 CLI 19:14:09 UTC Wed Jan 10 2004
8 1000000384 user_a con0_33_1 CLI 19:13:58 UTC Wed Jan 10 2004
9 1000000383 user_a con0_33_1 CLI 19:13:33 UTC Wed Jan 10 2004
10 1000000382 user_a con0_33_1 CLI 19:12:50 UTC Wed Jan 10 2004
11 1000000381 user_a con0_33_1 CLI 19:12:48 UTC Wed Jan 10 2004
12 1000000380 user_a con0_33_1 CLI 19:12:46 UTC Wed Jan 10 2004
13 1000000379 user_a con0_33_1 CLI 19:12:43 UTC Wed Jan 10 2004
14 1000000378 user_a con0_33_1 CLI 19:12:14 UTC Wed Jan 10 2004
15 1000000377 user_a con0_33_1 CLI 19:10:47 UTC Wed Jan 10 2004
 

設定の変更の詳細表示

1 つまたは複数(範囲指定)の設定セッションで加えられた変更を表示するには、次の例に示すように show rollback changes コマンドを入力します。

特定のコミット ID の詳細を表示するには、次のように show rollback changes to commitId コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show rollback changes to 1000000373
Building configuration...
interface Loopback2
no description
no ipv4 address 1.0.0.1 255.0.0.0
 

変更中に加えられたすべての変更を表示するには、次のように show rollback changes last commit-range コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show rollback changes last 2
Building configuration...
interface Loopback3
no description
no ipv4 address 1.0.1.1 255.0.0.0
exit
interface Loopback4
no description
no ipv4 address 1.0.0.1 255.0.0.0
end

特定のコミット ID への設定のロールバック

ルータの設定を以前にコミットされた設定にロールバックするには、次のように rollback configuration to commitId コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# rollback configuration to 1000000325
Configuration successfully rolled back to ’1000000325’.

) コミット ID を表示するには、show rollback points コマンドを入力します。


指定した数のコミットの設定へのロールバック

直前に行った <n> 個のコミットへロールバックするには、rollback configuration last n コマンドを入力します。n には、1 からコミット データベースに保存されている数を指定します。

次の例では、直前の 2 つのコミットで行われた設定の変更をロールバックするよう要求します。

RP/0/RP0/CPU0:router# rollback configuration last 2
Loading Rollback Changes.
Loaded Rollback Changes in 1 sec
Committing.
1 items committed in 1 sec (0)items/sec
Updating.
Updated Commit database in 1 sec
Configuration successfully rolled back 2 commits.

) コミット ID を表示するには、show rollback points コマンドを入力します。


設定の履歴ログの表示

ヘッダー レコードをコミット イベント 1000 件分まで表示するには、次の例に示すように、EXEC モードで show configuration history コマンドを入力します。

このコマンドの出力にはエントリの詳細は表示されませんが、発生したコミット イベントのリストをより多く表示できます。ロールバックできるコミット ID を表示するには、 show rollback points コマンドを使用します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show configuration history
SNo. Label/ID User Line Client Time Stamp
~~~~ ~~~~~~~~ ~~~~ ~~~~ ~~~~~~ ~~~~~~~~~~
1 1000000144 user_a vty0 CLI 00:16:51 UTC Thu May 11 2004
2 1000000143 user_a vty0 CLI 00:04:32 UTC Thu May 11 2004
3 1000000142 user_a 0.0.0.0 XMLAgent 21:58:36 UTC Wed May 11 2004
4 1000000141 user_a 0.0.0.0 XMLAgent 21:46:07 UTC Wed May 11 2004
5 1000000140 user_b con0_RP1_C CLI 21:43:30 UTC Wed May 11 2004
6 1000000139 user_a 0.0.0.0 XMLAgent 21:40:13 UTC Wed May 11 2004
7 1000000138 user_a 0.0.0.0 XMLAgent 21:34:48 UTC Wed May 11 2004
8 1000000137 user_b con0_RP1_C CLI 21:32:10 UTC Wed May 11 2004
9 1000000136 user_a 0.0.0.0 XMLAgent 21:30:13 UTC Wed May 11 2004
10 1000000135 user_b con0_RP1_C CLI 19:45:04 UTC Wed May 11 2004
11 1000000134 user_b con0_RP1_C CLI 19:37:26 UTC Wed May 11 2004
12 1000000133 user_b con0_RP1_C CLI 19:36:27 UTC Wed May 11 2004
13 1000000132 user_b con0_33_1 Rollback 18:34:45 UTC Wed May 11 2004
14 1000000131 user_b con0_33_1 Rollback 18:32:37 UTC Wed May 11 2004
15 1000000130 user_b con0_33_1 Rollback 18:31:09 UTC Wed May 11 2004
16 1000000129 user_b con0_33_1 CLI 18:28:12 UTC Wed May 11 2004
17 1000000128 user_b con0_33_1 CLI 18:27:22 UTC Wed May 11 2004
18 1000000127 user_b con0_33_1 CLI 18:27:19 UTC Wed May 11 2004
19 1000000126 user_b con0_33_1 Rollback 18:25:55 UTC Wed May 11 2004
20 1000000125 user_b con0_33_1 Rollback 18:24:25 UTC Wed May 11 2004

設定の変更通知

ターゲット設定を実行時設定にコミットすると、次の例に示すように、設定変更のメッセージが生成されます。

RP/0/0/0:Aug 6 09:26:17.781 : %LIBTARCFG-6-COMMIT Configuration committed by user ‘user_a'. Use 'show commit changes 1000000124' to view the changes.
 

次に、コミット ID 情報の表示方法について説明します。

「コミット ID 番号の表示」

「コミット ID の詳細表示」

コミット ID 番号の表示

使用できるコミット IDを表示するには、次の例に示すように、 show commit changes ? コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show commit changes ?
1000000039 Commit ID
1000000040 Commit ID
1000000041 Commit ID
1000000042 Commit ID
1000000043 Commit ID
1000000044 Commit ID
1000000045 Commit ID
1000000046 Commit ID
1000000047 Commit ID
1000000048 Commit ID
1000000049 Commit ID
1000000050 Commit ID
1000000051 Commit ID
1000000052 Commit ID
1000000053 Commit ID

コミット ID の詳細表示

特定のコミット セッション(コミット ID)の詳細を表示するには、次の例に示すように、コミット ID 番号を指定した show commit changes コマンドを入力します。

RP/0/RP0/CPU0:router# show commit changes 1000000053
Building configuration...
interface preconfigure MgmtEth0/RP1/CPU0/0
ipv4 address 12.8.50.10 255.255.0.0
proxy-arp
!
route ipv4 223.255.254.254/32 12.8.0.1
end

ターゲット設定ファイルの保存およびロード

ターゲット設定は、実行時設定にコミットせずに、別のファイルに保存することができます。こうすると、ターゲット設定ファイルを後でロードして、さらに変更したり、コミットすることができます。次に、ターゲット設定を保存およびロード方法について説明します。

ターゲット設定のファイルへの保存

ファイルからのターゲット設定のロード

ターゲット設定のファイルへの保存

ターゲット設定に加えた設定の変更をファイルに保存するには、 show config | file < filename > コマンドを入力します。

ファイルのフル パスを指定しない場合は、アカウントのデフォルトのディレクトリが使用されます。ターゲット設定ファイルは、常にこの場所に保存してください。

簡単に識別できるように、ファイル名の末尾には拡張子 .cfg を付けます。この拡張子は必須ではありませんが、ターゲット設定ファイルを検索するのに役立ちます。
例:
myconfig.cfg

次の例では、デフォルトのユーザ ディレクトリにターゲット設定ファイルを保存します。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# show config | file disk0:myconfig.cfg
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# abort
RP/0/RP0/CPU0:router#

ファイルからのターゲット設定のロード

load filename コマンドを入力して、直前に保存した設定ファイルの内容が含まれたターゲット設定をロードします。

filename には、ターゲット設定にロードする設定ファイルを指定します。

ファイルのフル パスを指定しない場合は、デフォルトの場所が使用されます。ターゲット設定ファイルは、常にこの場所に保存してください。

次の例では、現在の設定セッションにターゲット設定ファイルをロードします。そのため、現在の設定セッションには、ファイルの内容がポピュレートされます。

RP/0/RP0/CPU0:router# configure
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# load disk0:myconfig.cfg
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# show config
Building configuration... interface POS 0/3/0/0 description My Pos Interface ipv4 address 10.10.11.20 255.0.0.0 !end

システム スタートアップ時の代替設定のロード

Cisco CRS-1 シリーズ ルータをリセットしたり、電源を入れたりすると、直前の実行時設定がロードされ、ルータの操作に使用されます(図 2-4 を参照)。

システム スタートアップ時に代替設定をロードすることもできます。このプロセスの詳細および手順は、 付録A「Cisco CRS-1 シリーズ ルータ ROM モニタ(ROMMON)ガイド」 を参照してください。

設定の制限

Cisco IOS-XR ソフトウェアは、ルータの実行時設定に適用できる設定に制限を設けています。これらの制限により、ルータの通常の操作に備えて十分なシステム リソース(RAM など)を確保します。多くの場合、これらのあらかじめ設定されている制限で十分です。

特定の機能のために多数の設定が必要なときなど、場合によっては、あらかじめ設定されている設定の制限を上書きする必要が生じることがあります。別の機能の設定のレベルが低い場合、または未使用の場合にのみ上書きします。たとえば、ルータで多数の BGP が必要な場合、MPLS が全く使用されていないときは、MPLS に割り当てられている未使用のメモリを使用するように、BGP の制限を緩和することができます。


注意 デフォルトの設定の制限を上書きすると、メモリ不足になる場合があります。

RP およびノードへの設定の配布

プライマリ RP およびスタンバイ RP は、ルータのすべてのカードの設定ファイルを管理および配布します。これらのファイルは「ネイティブ」フォーマットで、ユーザが参照することはできません。次の項で説明するように、設定は Cisco IOS-XR ソフトウェアの CLI コマンドを使用して管理および変更できます。

「設定セッションの管理」

「設定の履歴およびロールバック」

「システム スタートアップ時の代替設定のロード」


警告 現在の実行時設定ファイルは、内部フラッシュ disk0: の /cfsroot ディレクトリに格納されています。これらの設定には、設定の管理、履歴、および ロールバックの CLI コマンドを使用してのみアクセスできます。これらのファイルを直接変更または削除すると、ルータの設定が失われる場合があります。


ソフトウェア パッケージのアクティブ化/非アクティブ化の影響

次に、ソフトウェア パッケージのアクティブ化および非アクティブ化の影響について説明します。

「パッケージのアクティブ化/非アクティブ化時における CLI コマンドの追加または削除」

「実行時設定におけるパッケージのアクティブ化/非アクティブ化」

「設定のロールバックにおけるパッケージのアクティブ化/非アクティブ化」

パッケージのアクティブ化/非アクティブ化時における CLI コマンドの追加または削除

ソフトウェア パッケージのアクティブ化/非アクティブ化時には、ソフトウェア パッケージと共に、それに属する CLI コマンドがシステムに追加またはシステムから削除されます。

新しいパッケージがアクティブ化されると、そのパッケージの新しい CLI コマンドがシステムに追加されます。ルータを再起動またはリロードする必要はありません。

パッケージが非アクティブ化されると、非アクティブ化された機能に関連付けられているコマンドはシステムから削除され、ユーザが利用することはできなくなります。

実行時設定におけるパッケージのアクティブ化/非アクティブ化

ソフトウェア パッケージの非アクティブ化、アップグレード、またはダウングレード時には、互換性のない設定は実行時設定から削除され、ファイルに保存されます。互換性のない設定とは、ソフトウェア パッケージの新しいバージョンでサポートされていない設定を指します。


) 必要に応じて、設定の削除によって生じた問題を解決し、設定を適用し直す必要があります。


設定のロールバックにおけるパッケージのアクティブ化/非アクティブ化

パッケージの互換性がないために削除した設定は、ロールバックすることができません。正常にロールバックできるのは、現在アクティブな Cisco IOS-XR ソフトウェアによる互換性チェックすべてに設定がパスした場合だけです。

ロールバック操作中に互換性のない設定が検出された場合は、操作は失敗し、エラーが表示されます。